JPH0733726Y2 - 台所用洗い桶 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、台所の一槽式洗い場において食器類の洗浄に
使用する台所用洗い桶に関するものである。

［従来の技術］ 一般に家庭の台所の洗い場は、一槽式と二槽式とがあ
り、二槽式では一方の槽を洗剤による食器洗浄に使用
し、他の一槽を食器濯ぎに使用できることから、食後の
食器類の洗い物作業は能率的に実施できる。

しかし、一槽式の洗い場での食器類の洗浄においては、
一旦未洗浄食器類を洗い桶に収容して水に浸しておき、
洗浄に際しては、水に浸された食器類を洗い桶から取り
出して洗剤洗浄を行ったものから順に洗い桶外に重ね置
き、全部の洗剤洗浄が済むと、汚水を捨てた洗い桶に、
洗浄洗剤の済んだ食器類を戻して濯ぎ洗いをし、順次こ
れを水切り籠や食器乾燥器に移す要領で実施されている
場合が多かった。

このような一槽式での食器類の洗い作業の能率を向上す
るために、実公昭50-25231号公報により開示されている
ように、排水口を有する外桶と、その中へ出し入れ自在
で、排水口に適合する足を底面に成形固着した網目を有
する内籠とからる食器洗い二重桶が考案されている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが前記考案された食器洗い二重桶は、洗剤洗浄し
た食器類を再度未洗浄の食器類のある籠内へ戻すか、桶
外へ重ね置かなければならない。

しかし、再度籠内へ戻す場合は、汚れた水に浸すことに
なるため、折角洗浄した食器類が汚水で汚染（油膜等が
付着）され再洗浄の必要が生じるだけでなく、洗浄した
食器類と未洗浄の食器類の区別がつかない等衛生的にも
作業能率的にも好ましくない。

また、外桶、内籠のいずれにも底部に通水孔があるか
ら、洗い作業が済んだ後は、通水孔部に汚れが付着残存
して不衛生である。

さらに、洗浄した食器類を桶外に重ねる場合は、単に桶
内の汚水を、桶を傾けることなく捨てることができるに
過ぎず、従前の桶一つで洗浄する場合に生じる多くの不
都合、即ち、洗剤洗浄した食器類を置く必要以上のスペ
ースの確保、置く場所の洗剤での汚損、後で汚損面の清
掃が必要、重ねた食器類の崩れによる破損等は解消され
ない。

本考案は、基本的には二個の桶を重ねる構成とするが、
前記従来の二重桶の構成では達成できない、能率的で衛
生的な洗浄を可能とする構成とした台所用洗い桶を提供
することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案の台所用洗い桶は、開口縁部に返り縁２を形成し
た外桶１と、該外桶１内へ遊合状態で重ねられて外桶１
を一緒に持ち上げることなく上方へ分離することのでき
る中桶５とからなり、中桶５の開口縁部には、前記外桶
１の返り縁２を覆って中桶５から溢れた水の外桶１への
流入を阻止する庇縁３が全周に形成され、さらに庇縁３
の周囲であって径方向対向位置に、中桶５の外桶１に対
する脱着のための持ち手４を延設したことを特徴とする
構成である。

ただ、持ち手４については、中桶５の庇縁３の外径を、
外桶１の返り縁２より大きくして、中桶５の外桶１に対
する着脱のための持ち手４の代わりとしても同一の作用
効果を達成することができる。

［実施例］ 第１図は円筒形の台所用洗い桶を一部破断して示した正
面図、第２図は平面図であって、合成樹脂製または金属
製の二重桶を前提とするものであるが、開口縁部に返り
縁２を形成した外桶１と、該外桶１内へ遊合状態で重ね
られて外桶１を一緒に持ち上げることなく上方へ分離す
ることのできる中桶５とからなり、中桶５の開口縁部に
は、前記外桶１の返り縁２を覆って中桶５から溢れた水
の外桶１への流入を阻止する庇縁３が全周に形成され、
さらに庇縁３の周囲であって径方向対向位置に、中桶５
の外桶１に対する脱着のための持ち手４を延設したこと
を特徴とする構成となっている。

ただ、持ち手４については、中桶５の庇縁３の外径を、
外桶１の返り縁２より大きくして、中桶５の外桶１に対
する脱着のための持ち手４の代わりとしてもよい。

上記のように構成した本考案の台所用洗い桶は、食器類
の洗剤洗浄をするに当たり、まず中桶５を外桶１から分
離して洗い場槽の横にある平面上に置き、外桶１内へ未
洗浄食器類を収容して水に浸し、順次、洗剤で洗浄し
て、洗剤洗浄の済んだ食器類は、横に置いた中桶５に順
次収容し、外桶１の汚水を捨てた後、持ち手４を持って
中桶５を外桶１内に重ね、中桶５に収容された食器類を
濯ぎ洗浄する。

この場合、外桶１の返り縁２を中桶５の庇縁３で覆って
いるから、中桶５から溢れる水が外桶１内へ流入するこ
とがなく、このため中桶５が外桶１内で浮上することが
ないから、中桶５が外桶１内で揺動して食器類の衝突破
損を招かない。

このように濯ぎ洗浄した食器類は、従来と同様、水切り
籠或は食器乾燥器に収容するのである。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る台所用洗い桶によれ
ば、食器類の洗剤洗浄をするに当たり、まず中桶５を外
桶１から分離して洗い場槽の横にある平面上に置き、外
桶１内へ未洗浄食器類を収容して水に浸し、順次、洗剤
で洗浄して、洗剤洗浄の済んだ食器類は、横に置いた中
桶５に順次収容し、外桶１の汚水を捨てた後、持ち手４
を持って中桶５を外桶１内に重ね、中桶５に収容された
食器類を濯ぎ洗浄し、これを水切り籠或は食器乾燥器に
収容することができるから、一槽式の洗い場でありなが
ら、二槽式の洗い場での洗い作業と同様、衛生的で食器
破損が少なく、能率的な洗い作業ができる。

しかも外桶１の返り縁２を中桶５の庇縁３で覆っている
から、中桶５から溢れる水が外桶１内へ流入することが
なく、このため中桶５が外桶１内で浮上することがない
から、中桶５が外桶１内で揺動して食器類の衝突がなく
その破損を招かない。

また、外桶１、中桶５のいずれにも底部に通水孔がない
から、洗い作業が済んだ後は、外桶１も中桶５も通水孔
部に汚れが残存することなく簡単に洗浄ができて、常に
衛生的に維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は円筒形の台所用洗い桶を一部破断して示した正
面図、第２図は平面図である。 １……外桶、２……返り縁、３……庇縁 ４……持ち手、５……中桶

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口縁部に返り縁２を形成した外桶１と、
   該外桶１内へ遊合状態で重ねられて外桶１を一緒に持ち
   上げることなく上方へ分離することのできる中桶５とか
   らなり、中桶５の開口縁部には、前記外桶１の返り縁２
   を覆って中桶５から溢れた水の外桶１への流入を阻止す
   る庇縁３が全周に形成され、さらに庇縁３の周囲であっ
   て径方向対向位置に、中桶５の外桶１に対する脱着のた
   めの持ち手４を延設したことを特徴とする台所用洗い
   桶。
2. 【請求項２】中桶５の庇縁３の外径が、外桶１の返り縁
   ２より大きく、前記庇縁３が中桶５の外桶１に対する脱
   着のための持ち手４の代わりとなっている請求項１記載
   の台所用洗い桶。