JPH073369A - 耐水素脆化性高Ni基合金およびその製造方法 - Google Patents

耐水素脆化性高Ni基合金およびその製造方法

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JPH073369A
JPH073369A JP20960093A JP20960093A JPH073369A JP H073369 A JPH073369 A JP H073369A JP 20960093 A JP20960093 A JP 20960093A JP 20960093 A JP20960093 A JP 20960093A JP H073369 A JPH073369 A JP H073369A
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hydrogen embrittlement
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JP20960093A
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English (en)
Inventor
Yoshiori Miyata
佳織 宮田
Masaaki Igarashi
正晃 五十嵐
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量%で、Fe: 2.5〜20%、Cr:10〜27%、
Mo単独またはMoとW複合で: 3.0〜24% (但し複合の場
合はW≦10%) を含有するNi基 (但しNi:60%以下) 合
金組成を有し、かつ、この合金組成が原子%換算で、 24.5%≦(Cr/52+Mo/96+W/184)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/18
4+Fe/56)≦35.3% 64.7%≦(Ni/59+Fe/56)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/184+Fe/5
6)≦75.5% の条件を満足し、規則度 0.1〜0.5 の範囲内に規則変態
させた耐応力腐食割れ性に加えて耐水素脆化割れ性にも
優れた高Ni基規則合金。規則変態は、鋳造法または粉末
成形法で所望形状に作製した高Ni基合金素材を 300〜60
0 ℃の範囲で5〜500 時間時効処理することにより行わ
れる。 【効果】 強度および靱性を保持したまま、耐応力腐食
割れ性と共に耐水素脆化性が改善され、250 ℃以下の過
酷な腐食性環境下でも使用可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食環境下、特に硫化
水素、二酸化炭素および塩素イオンの1種または2種以
上を含む、250 ℃以下の低温の腐食環境下において、良
好な耐応力腐食割れ性および耐水素割れ性を示す、高強
度、高靱性のNi基合金とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】油井、化学工業および地熱発電で使用さ
れる部材等のように、硫化水素、二酸化炭素および塩素
イオンの1種または2種以上を含有する高圧の環境下で
使用される材料に対しては、高強度、高靱性といった強
度特性とともに、すぐれた耐食性、すなわち耐応力腐食
割れ性および耐水素脆化割れ性が要求される。
【0003】このような用途に使用可能な材料として、
Niを多く含有したNi−Cr−Mo−Feオーステナイト合金が
優れた耐食性を示すことが知られている。この高Ni基合
金の耐食性能は、主にCr、Mo、W含有量の増加によって
向上することが周知で、例えばハステロイ (商品名) の
ように耐応力腐食割れ性および耐水素割れ性の確保の観
点から、有効成分 (Ni、Cr、Mo、W) の範囲を選定し、
さらにCu、Coを添加して耐食性を高めたことを特徴とす
る合金が提案され、実用化されている。
【0004】これら高Ni基合金の強度特性に関しては、
チュービング、ケーシング、ライナ等の管状部材につい
ては鋳造・熱間加工後の冷間加工によって、またバル
ブ、継手、配管等の冷間加工が施せないような特殊形状
を有する物については金属間化合物の析出強化を利用し
て、強度増大を図るものが多い。例えば、特開昭60−26
53号公報に記載されているように、合金組成にTiとAlま
たはNbを添加し、γ' 相あるいはγ" 相を析出させるこ
とが強度改善に有効であることは良く知られている。
【0005】さらに、通常の冷間加工が適用できない大
型構造材は、一般に鍛造品として製造される。この場
合、偏析による合金の延性や加工性の劣化を避けるた
め、アトマイズ法や超急冷凝固法などを適用して合金粉
末を作り、公知の各種の粉末冶金の手法で粉末成形する
ことが行われている。粉末冶金法は形状の自由度が大き
いため、大型構造材のみならず、特殊形状部材にも適用
される。粉末冶金法では、粉末製造時に合金が急冷を受
けているため、合金中の結晶粒が微細化されている。従
って、この結晶粒の微細化と析出強化とを併用すること
により、高Ni基合金製の大型構造材や特殊形状部材につ
いて強度向上を図ることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
た従来の高Ni基合金に下記の問題点があることに気づい
た。上述のような高Ni基合金は、その優れた耐食性か
ら、高濃度の硫化水素、二酸化炭素および塩素イオンの
1種以上を含む苛酷な腐食環境下での使用が要求され
る。ところが冷間加工等により強度増大を図った場合、
室温以上の環境で使用中に長時間時効を受けると粒界破
壊を伴う水素脆化を起こす場合がある。
【0007】この水素脆化による粒界割れの材料側の要
因として、不純物原子 (P、S等)の粒界偏析と並び、
すべり転位と粒界 (界面) との相互作用による粒界 (界
面)での応力集中が最も有力である。
【0008】前者の不純物元素の粒界偏析については、
悪影響を及ぼす不純物元素の含有量を低減し、粒界強化
に寄与する添加元素を加えることにより、水素脆化によ
る粒界破壊を抑えることが可能である。
【0009】一方、後者のすべり転位と界面との相互作
用による応力集中の観点からは、粒界 (界面) の整合性
と粒界近傍の転位挙動を理解した上で、界面とすべり転
位との相互作用の制御による応力集中の緩和が望まれて
いる。
【0010】例えばハステロイC-276合金 (商品名) に
代表される高Ni基合金の場合、 250〜550 ℃で長時間時
効を受けると、規則化と呼ばれるNi2Cr 型規則相〔Crの
一部がMoで置換されたNi2(Cr,Mo)を含む規則相〕への変
態が起こり、粒界破壊を伴う水素脆化が助長されること
が知られている。この点について、粒界性状 (粒界での
結晶方位差) と水素割れとの関係の結晶学的な検討か
ら、規則化の進行に伴って水素脆化による破壊形態が変
化し、不規則相では一般粒界 (非整合界面) が割れやす
いのに対し、規則化進行後は双晶界面 (整合界面) での
脆化割れが顕著になることが明らかとなっている。この
破壊形態の変化は、規則化による塑性変形挙動の変化
や、粒界での転位の集積や応力集中の変化に起因すると
考えられているものの、粒界 (界面) 性状と塑性変形と
の関係は明らかではない。
【0011】そこで、本発明の目的は、油井、化学工業
および地熱発電環境等のような硫化水素、二酸化炭素お
よび塩素イオンの1種または2種以上含有する250 ℃以
下の低温の環境下で優れた耐水素脆化性を示す、高強度
かつ高耐食性の高Ni基合金と、鋳造法および粉末成形法
のいずれにも適用可能はその製造方法を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述のように、ハステロ
イC-276相当合金では、600 ℃以下での長時間時効によ
りNi2Cr 型規則相への変態が起こる。そして、この規則
化の進行に伴い、微細な規則相ドメインがマトリックス
中に形成され、引張強度が向上することから、析出強化
と同様の強度改善効果がある。特に、粉末成形法を適用
した場合には、粉末製造時の結晶粒微細化との相乗効果
により、一層の高強度化が図られることになる。しか
し、一方で、そのような規則化の進行は、水素脆化感受
性を増大させる。
【0013】本発明者らは、この規則化に伴う塑性変形
挙動の変化について検討した結果、Ni2Cr 型規則相中で
はわずかな歪量で双晶変形が誘発されること、この変形
双晶の導入は一般粒界 (非整合界面) での応力集中を緩
和し、水素脆化による粒界破壊が抑えられるとの知見を
得た。
【0014】但し、一方で、規則相中では塑性変形挙動
の変化のため、一般粒界 (非整合界面) に代わって整合
界面 (双晶界面) での応力集中が高まり、整合界面で割
れやすくなるという問題が生ずる。この点に関し、本発
明者らは、規則度を限定することによりこの整合界面で
の割れの防止が可能であることを見出した。つまり、一
般粒界での応力集中を緩和するが、整合界面での応力集
中をそれほど高めることのない程度で規則化の進行を止
めることにより、いずれの界面においても水素脆化割れ
を抑えることができる。
【0015】また、従来から知られているように、粉末
成形法で得た合金は粒界がファセティング状(階段状)
と呼ばれる特徴的な形状を有している。従って、本発明
のような規則合金に関しては、規則化後の双晶発生頻度
がより高くなるため、一般粒界での応力緩和がより起こ
りやすくなり、粉末合金の特性がさらに高められると考
えられる。
【0016】以上の知見を基に、Ni、Cr、MoおよびFeの
含有量を限定し、さらに規則化のための時効処理の条件
を特定することによって、耐水素脆化に優れた規則合金
の製造が可能であることを究明し、本発明を完成した。
【0017】ここに、本発明の要旨とするところは、重
量%で、C: 0.001〜0.05%、Si:0.50%以下、Mn:2.
0 %以下、Fe: 2.5〜20%、Cr:10〜27%、Mo単独また
はMoとW複合で: 3.0〜24% (但し複合の場合はW≦10
%)Al:0.30%以下、P:0.010 %以下、S:0.0050%
以下、N:0.050 %以下、所望によりさらに、Ti:0.4
%以下、V:2%以下、Co:2%以下、およびCu:2%
以下の1種または2種以上;Sn:0.05%以下、Sb:0.05
%以下、およびZn:0.1 %以下の1種または2種以上;
ならびに/またはMg:0.1 %以下、Y:0.2 %以下、お
よびCa:0.1 %以下の1種または2種以上を含有し、残
部Ni (但しNi:60%以下) と不可避的不純物、から成る
合金組成を有し、かつ、この合金組成が原子%換算で、
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】の条件を満足し、規則度 (規則性の度合い
を示すパラメータ) が 0.1〜0.5 の範囲内にある、耐応
力腐食割れ性に加えて耐水素脆化割れ性にも優れた高Ni
基規則合金である。
【0021】別の面からは、本発明は、上記組成の高Ni
基合金素材を、 300〜600 ℃の範囲で5〜500 時間時効
処理を施すことからなる、耐応力腐食割れ性に加えて耐
水素脆化割れ性にも優れた高Ni基規則合金の製造方法で
ある。用いる高Ni基合金素材は、鋳造法と粉末成形法の
いずれの方法で得たものであってもよく、製造する製品
の形状や寸法に応じて適当に選べばよい。
【0022】本発明によれば、上記条件での時効処理に
よって規則度を限定し、塑性変形挙動を一般粒界 (比整
合界面) と整合界面のいずれにおいても水素脆化割れが
起こらないようにコントロールすることによって、硫化
水素、二酸化炭素、および塩素イオンの1種または2種
以上を含有する250 ℃以下の低温の環境下でも耐応力腐
食割れ性および耐水素割れ性に優れた高Ni基規則合金が
製造可能となる。
【0023】
【作用】次に、本発明において合金組成および処理条件
を上述のように限定した理由について詳しく説明する。
なお、本明細書において、%は特にことわりがない限り
重量%である。
【0024】(1) 合金組成 C:Cは粒界に偏析するH原子との位置競合機構により
水素の粒界偏析を抑え、水素脆化による粒界割れを抑制
する作用がある。本合金では、特に0.001 %以上の添加
により耐水素割れ性が著しく向上する。しかし、0.05%
を超える多量添加は粒界応力腐食割れを助長するため、
その範囲を0.001 %以上、0.05%以下とした。好ましく
は 0.010〜0.035 %である。
【0025】Si:Siは脱酸成分として必要な成分であ
る。また高Ni基合金の積層欠陥エネルギーを低下させる
作用があり、変形双晶の発生を助長するのに有効な成分
である。しかし、その含有量が0.50%を超えると、延性
が低下するようになることから、その上限値を0.50%と
する。好ましくは、Siは0.05%以下である。
【0026】Mn:Mnも、Siと同様に、脱酸作用を有し、
高Ni基合金の積層欠陥エネルギーを低下させる。しか
し、2.0 %を超えるとその効果は飽和するため、Mnの上
限を高めの2.0 %と定めた。好ましくは1.0 %以下であ
る。
【0027】Fe:Feは、Ni添加量とのバランスにより、N
i2(Cr,Mo)規則相への変態を促進するために適当量必要
である。本発明の合金においては、規則相のNiサイトが
Feで置換されることにより規則相への変態が促進するた
め、わずかな歪量で双晶変形が誘発され、耐水素割れ性
が効果的に改善される。ただしFeの含有量が2.5 %未満
または20%超では、規則化の進行が遅いので、その範囲
を 2.5〜20%とする。好ましくは 5.0〜15%である。
【0028】Cr:Crは、Moとともに、Ni2(Cr,Mo)規則相
の形成に寄与し、そのため前述の式(1)を満たす、即
ち、原子%換算で 24.5%≦(Cr/52+Mo/96+W/184)/(Ni/59
+Cr/52+Mo/96+W/184+Fe/56) ≦35.3% を満足する必要が
ある。また、耐食性の面から10%以上必要であるが、27
%を超えると熱間加工性が低下し、さらに延性、靱性、
耐食性にとって好ましくない金属間化合物が生成しやす
くなるので、Crは10〜27%の範囲で、かつ式(1) を満た
す量とする。
【0029】Mo、W:Moは、Crとの共存によって特に耐
孔食性を向上させる。この効果は、3.0 %以上、より好
ましくは5.0 %以上のMoの添加によって顕著となるが、
24%を超えて添加すると、Ni2(Cr,Mo)形成されにくくな
り、耐食性に対して好ましくないので、その範囲を 3.0
〜24%とする。
【0030】WもMoと同様の作用を示すため、Mo量の一
部をWで置換してもよいが、10%を超えてWを添加する
と、Moと同様に上述のような金属間化合物が生成しやす
くなることから、Wは10%以下に制限する。
【0031】好ましくは、Mo単独またはMoとWの合計量
が 4.0〜20%、Wの上限は8%である。
【0032】Al:AlはNi基合金の脱酸剤として最も有効
であり、添加量の増加とともに脱酸効果は向上するが、
0.30%を超えるとその効果が飽和するため0.30%以下と
する。
【0033】P、S:不可避不純物のP、Sは、粒界偏
析により熱間加工性を低下させ、耐食性も劣化するよう
になるため、P≦0.010 %、S≦0.0050%に制限する。
【0034】N:Nは介在物量を増加させ、材料特性の
異方性の要因となるため、N≦0.050 %、好ましくはN
≦0.010 %とする。
【0035】Ni:本発明が対象とする合金はNi基合金で
あって、オーステナイト母相から規則変態したNi2(Cr,M
o)規則相の出現により強度特性が向上し、且つ使用中に
局所的な歪が付与された場合でも変形双晶が導入され、
一般粒界への応力集中が緩和されることが基本となって
いる。この規則相の形成は、経済的理由から、例えば50
0時間以内の時効処理中に起こることが好ましい。従っ
て、時効処理によるNi2(Cr,Mo)規則相の形成が促進され
るように、Niの添加量をCr、MoおよびFeの添加量とバラ
ンスさせることが必要となる。
【0036】FeはNiと置換すると考えられるので、規則
相を安定に形成させるには、化学量論的組成である (Ni
+Fe):(Cr, Mo)=2:1に近い組成とすることが有利で
ある。そのため、前記の式(2) 、即ち、原子%換算で 6
4.7%≦(Ni/59+Fe/56)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/184+Fe/5
6) ≦75.5% を満たす必要がある。ただし、Ni含有量が6
0%を超えると水素脆化割れを起こし易くなることか
ら、Ni量の上限値を60%とする。
【0037】以上に説明した金属成分は本発明にかかる
合金を構成する必須元素である。以上の成分のほかに、
本発明の合金はさらに次に説明する成分を任意添加元素
として含有していてもよい。
【0038】Ti、V、Co、Cu:Ti、V、Co、Cuはいずれ
も高Ni基合金の主要な元素であるNi、Cr、Mo、Feと置換
固溶して積層欠陥エネルギーを低下させ、変形双晶誘発
に寄与する元素であるので、必要に応じて添加すること
ができる。
【0039】ただし、Tiが0.4 %を超えるとNi3Ti とし
て析出し、耐食性を劣化させるため、Tiの上限は0.4 %
とする。Vが2%を超えると靱性が低下するため、Vの
上限は2%とする。また、CoおよびCuの添加効果は、そ
れぞれ2%を超えると飽和するため、CoとCuの上限はそ
れぞれ2%とする。
【0040】Sn、Sb、Zn:Sn、Sb、ZnもいずれもNi基合
金の主としてオーステナイトの八面体位置に侵入して積
層欠陥エネルギーを低下させ、変形双晶誘発に寄与する
元素であるので、必要により添加することができる。そ
の場合、Sn:0.05%、Sb:0.05%、Zn:0.1 %を超える
と、加工性または耐食性が劣化する。
【0041】Mg、Y、Ca:Mg、Y、Caは、いずれも微量
添加により熱間加工性を向上させるので、必要により本
発明の合金に添加してもよい。その場合、Mg:0.1 %、
Y:0.2 %、Ca:0.1 %の各上限を超えると、逆に低融
点化合物を生成しやすくなり加工性が低下する。
【0042】(2) 規則度 規則度は、規則合金中の原子の規則的配列の度合いを示
すパラメータである。規則度1とは全ての原子が所定の
格子点にある完全秩序状態を意味し、規則度0とは各格
子点に全原子が等しい確率で存在する完全無秩序状態を
意味する。従って、規則度とは、 (格子点が正しい原子
で占められている確率) − (格子点が正しくない原子で
占められている確率) と定義される。
【0043】具体的には、規則度は、X線または中性子
回折パターンにおいて弱い回折スポットとして現れる、
規則格子または超格子反射と呼ばれる反射の強度測定か
ら求めることができる。この反射強度Iと、完全規則合
金 (所定温度で過時効処理を行い、完全に規則化させた
もの) の対応する反射強度Ioとの比(I/Io)が規則度であ
る。
【0044】別の方法として電気抵抗法によっても規則
度を求めることができる。昇温しながら電気抵抗を測定
すると、規則−不規則変態点で電気抵抗値が大きく変化
する。この変化量ΔHの完全規則合金の対応する変化量
ΔHoとの比 (ΔH/ΔHo) が規則度となる。この方法で求
めた規則度はX線回折法で求めた規則度とほぼ同じ値を
示す。
【0045】前述したように、本発明の高Ni基規則合金
は、Ni2(Cr,Mo)規則相はわずかな歪量で変形双晶が誘発
され、この変形双晶が一般粒界での応力集中を緩和し、
水素脆化を防ぐのに有効であるとの知見に基づくもので
ある。この作用による水素脆化の防止を十分に確保する
には、結晶粒中に規則度が少なくとも0.1 となる量のNi
2(Cr,Mo)規則相が存在することが必要である。
【0046】しかし、規則度が高くなりすぎると、規則
相に導入された双晶の整合界面 (整合双晶境界) での応
力集中が高まり、整合界面で割れやすくなる。この整合
界面での割れを防ぐために、本発明の規則合金では規則
度が0.5 以下にとどまるように組織を規則化する。
【0047】即ち、規則度が 0.1〜0.5 の範囲内となる
ようにNi2(Cr,Mo)規則相を出現させることにより、一般
粒界での応力集中による水素脆化が防止されると同時
に、過度の規則化による整合界面での割れも防止でき、
結果として耐水素割れ性が著しく改善され、耐応力腐食
割れ性も改善される。さらに、規則度がこの範囲であれ
ば、延性も阻害されず、強度低下もない。本発明合金の
規則度は、次に述べるように、時効処理の条件により制
御することができる。
【0048】(3) 高Ni基合金素材の調製 上記(1) に述べた合金組成を有する高Ni基合金素材の調
製は、鋳造法と粉末成形法のいずれでも行うことができ
る。鋳造法は、管材、板材などの比較的単純な形状の製
品の製造に適しており、大型あるいは複雑形状の製品を
製造する場合には、凝固時のマクロ偏析が防止され、形
状の自由度が大きい粉末成形法が適している。
【0049】鋳造法では、例えば、各成分元素の金属お
よび/または母合金を所望の化学組成となる割合で混合
し、真空溶解法 (例、VAR法、VIM法、ESR法)
などの適当な溶解方法で溶解させ、次いで得られた高Ni
基合金の溶湯を、例えばインゴットに鋳造し、必要によ
り適当な熱間加工 (例、鍛造、圧延) などにより、所望
の製品形状を付与することにより、高Ni基合金素材を得
ることができる。
【0050】粉末成形法では、まず上記と同様に高Ni基
合金の溶湯を調製し、この溶湯からアトマイズ法、超急
冷凝固法等を利用して合金粉末を作製し、粉末成形を行
って、所望の製品形状を付与する。この粉末成形法は、
例えば、次のいずれかの方法により行うことができ、製
品形状や寸法に応じて適当に選択すればよい。
【0051】成形・加熱により焼結合金とした後、熱
間加工して所望の形状を付与する、 所望の形状に成形した後、通常の固溶化処理で所望結
晶粒径に成長させる、 熱間等方圧プレスを行った後、必要に応じ固溶化処理
を行う、 熱間押出しを行った後、必要に応じ固溶化処理を行
う。
【0052】本発明方法によれば、このようにして調製
した、所望製品形状を付与した高Ni基合金素材に特定条
件下で時効処理を行うことにより、上記(2) に述べた規
則度を有する、耐水素脆化割れ性が改善された高Ni基合
金が製造される。所望の結晶粒径を得るためには、時効
処理に先行して、必要に応じて所定の固溶化処理を行っ
てもよい。
【0053】(4) 時効処理 本発明の高Ni基規則合金は、オーステナイト相から規則
変態したNi2(Cr,Mo)規則相を一定範囲内の量で含む。こ
の規則相の出現により塑性変形挙動が変化し、一般粒界
での応力集中が抑制される。この効果を十分に発揮さ
せ、かつ過大な規則化に伴う整合界面での応力集中を防
ぐには、前述のように規則度を 0.1〜0.5の範囲内にす
る。このような規則相への変態は、合金を規則−不規則
変態点より低温で時効処理を行うことにより達成され
る。
【0054】具体的な時効処理条件は、温度 300〜600
℃で5〜500 時間である。時効温度が300 ℃未満または
600 ℃超、時効時間が5時間未満では、規則度が不十
分、または規則化しない。また、規則度を0.5 以下に保
持するために、時効時間は500時間までとする。各合金
で採用する実際の時効処理条件は、この範囲内で時効後
の規則度が 0.1〜0.5 の範囲内となるように実験で選択
すればよい。
【0055】本発明の高Ni基規則合金は、規則度が 0.1
〜0.5 の範囲内に制御されているため、使用時に僅かな
歪を受けただけでNi2(Cr,Mo)規則相内で双晶変形が起こ
り、耐水素脆化割れ性が改善される。同時に、耐応力腐
食割れ性にも優れ、また前述したように、規則相ドメイ
ンの出現により析出強化と同様の高強度化も達成されて
いる。
【0056】かくして、本発明方法によれば、一定範囲
内に制御された規則化により、鋳造法で得た高Ni基合金
については 0.2%耐力≧70 kgf/mm2、伸び≧25%、粉末
成形法で得た高Ni基合金については 0.2%耐力≧100 kg
f/mm2 、伸び≧20%という優れた機械的性質を保持しつ
つ、耐食性、つまり応力腐食割れおよび水素脆性に対す
る抵抗性が非常に優れた製品を得ることができる。
【0057】
【実施例】
(実施例1)表1に化学組成を示すNo.1〜55の各高Ni基
合金素材を、真空溶解 (VAR法)により得た合金溶湯
をインゴット (直径150 ×高さ310 mm) に鋳造した後、
熱間鍛造および熱間圧延によって板状 (厚さ10mm×幅10
0m×長さ200mm)に形状付与することにより作製した。こ
の板状の合金素材に、本発明方法に従って、大気雰囲気
炉内で表2に示す条件下で時効処理を施した。
【0058】比較のために、上記合金素材の一部につい
て、時効処理を表2に示す本発明の範囲外の条件下で実
施し、比較用の合金を得た。また、化学組成が本発明の
範囲外であるNo. 56〜69の各合金の高Ni基合金素材につ
いて、表2に示す本発明の範囲内の条件下で時効処理す
ることによっても比較用の合金を得た。
【0059】得られた各合金の規則度を水素脆化感受性
を次の要領で測定した。規則度 :上述したX線回折法による反射強度比(I/Io)に
より求めた。IおよびIoはピーク下の面積で比較する。
【0060】水素脆化感受性:各合金の供試材から直径
2.54mm×ゲージ長25.4mmの引張試験片を採取し、3% H2S
O4水溶液中、温度25℃、歪速度1×10-6/secの条件下で
陰極チャージを行いながら水素発生下に引張試験を実施
した。同じ歪速度での引張試験を室温の大気中でも実施
した。試験結果は、耐水素脆化感受性 (陰極チャージ引
張の破断伸び/大気中での引張の破断伸びの比) 、陰極
チャージ引張5%変形後の表面割れの有無、および陰極
チャージ引張20%変形後の一般粒界で割れを生じた比率
および整合界面で割れを生じた比率で表示した。
【0061】これらの測定結果を、大気中引張試験での
0.2%耐力および伸びの測定値とともに、表2に併せて
示す。
【0062】
【表1−1】
【0063】
【表1−2】
【0064】
【表1−3】
【0065】
【表2−1】
【0066】
【表2−2】
【0067】表2に示したように、本発明合金はいずれ
も、室温での0.2 %耐力が70 kgf/mm2以上、伸び25%以
上と望ましい強度および延性の水準を維持していた。同
時に、耐食性に関しても、耐水素脆化感受性が0.75以上
と高く、陰極チャージ引張5%変形後に割れが起こら
ず、また陰極チャージ後に歪量20%の過酷な引張変形を
付与しても、一般界面と整合界面の両方とも割れの比率
は20%以下と低かったこれに対し、比較例の合金はいず
れも、強度と耐食性のいずれかが良好ではなかった。
【0068】図1〜図4に、各種温度での時効処理にお
いて、時効時間が時効処理後の規則度および耐水素脆化
割れ性 (耐水素脆化割れ感受率と陰極チャージ引張20%
変形後の一般粒界/整合界面での割れ比率) に及ぼす影
響を示す。具体的には、図1は合金素材No.1について温
度350 ℃で、図2は合金素材No.2について温度200 ℃
で、図3は合金素材No.32 について温度650 ℃で、図4
は合金素材No.36 について温度500 ℃でそれぞれ時効処
理を行った場合の結果である。
【0069】図1および図4に示すように、時効処理を
本発明の範囲内の温度で行った場合には、時効時間5〜
500 時間で規則度 0.1〜0.5 の範囲内に規則変態を生じ
させることができ、このような規則度を付与することに
よって、水素脆化感受性が著しく低下 (耐水素脆化性が
著しく向上) し、一般粒界と整合界面のいずれにおいて
も割れ比率が小さくなる。しかし、時効時間が短すぎて
規則度が0.1 未満であると、一般粒界での割れが大きく
なり、逆に規則度が0.5 を超えると整合界面での割れが
増大する。
【0070】これに対し、図2に示すにように、時効温
度が200 ℃と低いと、規則度は低いままで、耐水素脆化
割れ性の改善は得られず、一般粒界で割れやすい。ま
た、図3に示すように時効温度が高すぎると、時効で規
則変態が起こらず、耐水素脆化感受性も全く改善されな
かった。
【0071】(実施例2)実施例1と同様の真空溶解法
により溶製した、表1に示した合金素材No.1〜55と同じ
化学組成の合金溶湯からArガスアトマイズ法により平
均粒径 150μmの粉末を作製した。この合金粉末を軟鋼
カプセルに封入して真空脱気した後、押出し比10の熱間
押出しにより円柱状 (直径30mm×高さ30mm) に加工し、
それぞれ表1の対応する番号と同一組成の高Ni基合金素
材No. 1'〜55' を作製した。その後、カプセルを除去
し、本発明方法に従って、大気雰囲気炉内で表3に示す
条件下で時効処理を施した。
【0072】比較のために、上記合金素材の一部につい
て、上記処理を表3に示す本発明の範囲外を含む条件で
実施して、比較用の合金を得た。また、表1に合金素材
No.56〜69として示した本発明の範囲外の化学組成につ
いても、上記と同様に粉末成形により、それぞれこれら
と同一組成の合金素材No.56'〜69' を作製した後、表3
に示す本発明の範囲内の条件で処理することにより、比
較用の合金を得た。
【0073】得られた各合金の規則−不規則変態点は実
施例1と同様の方法により測定し、双晶発生頻度と耐水
素脆化感受性を次の要領で測定した。水素脆化感受性も
実施例1と同様に測定したが、引張試験庁のゲージ長を
12mmに、歪速度を1×10-5/secにそれぞれ変更した。試
験結果は、水素脆化感受性 (陰極チャージ引張の破断伸
び/大気中での引張の破断伸びの比) 、陰極チャージ引
張3.5 %変形後の表面割れの有無、および粒界破面率で
表示した。粒界破面率は、上記引張試験片の破断面をS
EM (走査型電子顕微鏡) で観察し、粒界破面の占める
割合を求めた。
【0074】これらの測定結果を、大気中引張試験での
0.2%耐力および伸びの測定値とともに、表3に併せて
示す。
【0075】
【表3−1】
【0076】
【表3−2】
【0077】表3に示したように、本発明の粉末形成高
Ni基合金はいずれも大気中(25 ℃)での0.2 %耐力が100
kgf/mm2 、伸び20%以上と望ましい強度及び延性の水
準を維持していた。同時に耐食性に関しても、耐水素脆
化感受性が0.6 以上と高く、陰極チャージ引張 3.5%変
形後に割れがおこらず、陰極チャージ引張破断後も、粒
界破面率は25%以下と低かった。これに対し、比較例の
合金はいずれも、強度と耐食性のいずれかが良好ではな
かった。
【0078】図5〜図8に、各種温度での時効処理にお
いて時効時間が時効処理後の規則度及び耐水素脆化割れ
性(耐水素脆化割れ感受性と陰極チャージ引張破断後の
粒界破面率)に及ぼす影響を示す。具体的には、図5は
合金素材No.1' について温度400 ℃で、図6は合金素材
No.2' について温度200 ℃で、図7は合金素材No.32'に
ついて温度650 ℃で、図8は合金素材No.36'について温
度500 ℃でそれぞれ時効処理を行った場合の結果であ
る。
【0079】これらの図からわかるように、高Ni基合金
素材を粉末成形法で作製した場合も、素材を鋳造法で作
製した実施例1と同様の結果が得られた。即ち、時効処
理を本発明の範囲内で行った場合 (図5、8) には、時
効時間5〜500 時間で規則度0.1〜0.5 の範囲内に規則
変態を生じさせることができ、このような規則化を付与
することによって、耐水素脆化性は著しく向上し、粒界
破面率が減少する。しかし、時効時間が短すぎて規則度
が0.1 未満であるとその効果は無く、逆に規則度が0.5
を超えると整合界面での割れが増大する。
【0080】時効温度が200 ℃と低いと (図6) 、規則
化は十分進行せず、耐水素脆化感受性の改善は得られな
い。また、時効温度が高すぎると (図7) 、時効により
規則変態が起こらず、耐水素脆化感受性も全く改善され
なかった。
【0081】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の高Ni基
規則合金は、合金素材を鋳造法と粉末成形法のいずれの
方法で作製した場合にも、強度および靱性を保持したま
ま、耐応力腐食割れ性と共に耐水素脆化性が改善される
ので、これらの特性が要求される苛酷な環境下での石油
および天然ガス採掘に用いられる油井管として、さらに
地熱井管として使用した場合に極めて優れた性能を発揮
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳造法で作製した高Ni基合金素材を350 ℃で時
効処理した場合の、時効時間と時効処理後の規則度およ
び耐水素脆化割れ性との関係を示す。
【図2】200 ℃で時効処理した場合の図1と同様な図で
ある。
【図3】650 ℃で時効処理した場合の図1と同様な図で
ある。
【図4】500 ℃で時効処理した場合の図1と同様な図で
ある。
【図5】粉末成形法で作製した高Ni基合金素材を400 ℃
で時効処理した場合の、時効時間と時効処理後の規則度
および耐水素脆化割れ性との関係を示す。
【図6】200 ℃で時効処理した場合の図5と同様な図で
ある。
【図7】650 ℃で時効処理した場合の図5と同様な図で
ある。
【図8】500 ℃で時効処理した場合の図5と同様な図で
ある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C: 0.001〜0.05%、Si:0.50%以下、Mn:2.0 %以
    下、 Fe: 2.5〜20%、Cr:10〜27%、 Mo単独またはMoとW複合で: 3.0〜24% (但し複合の場
    合はW≦10%) Al:0.30%以下、P:0.010 %以下、 S:0.0050%以下、N:0.050 %以下、 残部Ni (但しNi:60%以下) と不可避的不純物、から成
    る合金組成を有し、かつ、この合金組成が原子%換算
    で、 24.5%≦(Cr/52+Mo/96+W/184)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/18
    4+Fe/56)≦35.3% 64.7%≦(Ni/59+Fe/56)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/184+Fe/5
    6)≦75.5% の条件を満足し、規則度が 0.1〜0.5 の範囲内にある、
    耐応力腐食割れ性に加えて耐水素脆化割れ性にも優れた
    高Ni基規則合金。
  2. 【請求項2】 前記合金組成がさらに、Ti:0.4 %以
    下、V:2%以下、Co:2%以下、およびCu:2%以下
    の1種または2種以上を含有する、請求項1記載の高Ni
    基規則合金。
  3. 【請求項3】 前記合金組成がさらに、Sn:0.05%以
    下、Sb:0.05%以下、およびZn:0.1 %以下の1種また
    は2種以上を含有する、請求項1または2記載の高Ni基
    規則合金。
  4. 【請求項4】 前記合金組成がさらに、Mg:0.1 %以
    下、Y:0.2 %以下、およびCa:0.1 %以下の1種また
    は2種以上を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載
    の高Ni基規則合金。
  5. 【請求項5】 重量%で、 C: 0.001〜0.05%、Si:0.50%以下、Mn:2.0 %以
    下、 Fe: 2.5〜20%、Cr:10〜27%、 Mo単独またはMoとW複合で: 3.0〜24% (但し複合の場
    合はW≦10%) Al:0.30%以下、P:0.010 %以下、 S:0.0050%以下、N:0.050 %以下、 残部Ni (但しNi:60%以下) と不可避的不純物、から成
    る合金組成を有し、かつ、この合金組成が原子%換算
    で、 24.5%≦(Cr/52+Mo/96+W/184)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/18
    4+Fe/56)≦35.3% 64.7%≦(Ni/59+Fe/56)/(Ni/59+Cr/52+Mo/96+W/184+Fe/5
    6)≦75.5% の条件を満足する高Ni基合金素材を、 300〜600 ℃の範
    囲で5〜500 時間時効処理を施すことからなる、耐応力
    腐食割れ性に加えて耐水素脆化割れ性にも優れた高Ni基
    規則合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記合金組成がさらに、Ti:0.4 %以
    下、V:2%以下、Co:2%以下、およびCu:2%以下
    の1種または2種以上を含有する、請求項5記載の高Ni
    基規則合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記合金組成がさらに、Sn:0.05%以
    下、Sb:0.05%以下、およびZn:0.1 %以下の1種また
    は2種以上を含有する、請求項5または6記載の高Ni基
    規則合金の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記合金組成がさらに、Mg:0.1 %以
    下、Y:0.2 %以下、およびCa:0.1 %以下の1種また
    は2種以上を含有する、請求項5〜7のいずれかに記載
    の高Ni基規則合金の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記高Ni基合金素材が鋳造法または粉末
    成形法により得られたものである、請求項5〜8のいず
    れかに記載の高Ni基規則合金の製造方法。
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