JPH07336916A

JPH07336916A - 中空軸モータ

Info

Publication number: JPH07336916A
Application number: JP6132063A
Authority: JP
Inventors: Kenji Shiroshita; 健治城下
Original assignee: Tamagawa Seiki Co Ltd
Current assignee: Tamagawa Seiki Co Ltd
Priority date: 1994-06-14
Filing date: 1994-06-14
Publication date: 1995-12-22

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は中空軸モータに関し、特に、中空軸
に設けた磁石を極異方性とすることにより、筒状ヨーク
の軸穴の穴径を従来よりも大とし、ユーザーの使い勝手
の拡大及びモータ重量の軽減を達成することを目的とす
る。【構成】本発明による中空軸モータは、中空軸(1)の
筒状ヨーク(4)の外周に磁石(5)を設け、この磁石(5)を
極異方性とし、筒状ヨーク(4)の軸穴(3)の穴径を大きく
して軽量化及びユーザーの使い勝手の向上を得る構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、中空軸モータに関し、
特に、中空軸に設けた磁石を極異方性とすることによ
り、筒状ヨークの軸穴の穴径を従来よりも大とし、ユー
ザーの使い勝手の拡大及びモータ重量の軽減を達成する
ための新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種の中空軸を
有する中空軸モータの場合、図２に示す構成が主として
採用されていた。すなわち、図２において、符号１で示
されるものは、図示しないステータ巻線を有するステー
タ２内に回転自在に設けられた中空軸であり、この中空
軸１は、軸穴３を有する円筒状ヨーク４からなり、この
円筒状ヨーク４の外周には、Ｎ極とＳ極が交互に着磁さ
れた筒状の磁石５が同軸状に設けられている。また、前
記磁石５は、ラジアル異方性を有している。

【０００３】従って、前記磁石５における磁束の流れ
は、図２の矢印で示されるように、Ｎ極からＳ極に流れ
る場合、円筒状ヨーク４内を流れ、ステータ２との磁気
的作用により中空軸１が回転するように構成されてい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の中空軸モータ
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、中空軸１の円筒状ヨーク４
に設けられた磁石５は、ラジアル異方性を有する磁石構
造であるため、磁束は円筒状ヨーク４内を流れることに
なり、中空軸４の軸穴３の穴径を一定以上に大きくする
ことができず、ユーザーにおいてこの軸穴３に結合する
部材の直径が限定され、設計の自由度が低下していた。
また、この軸穴３内にボールネジを設ける場合、このボ
ールネジの径を大きくすることができず、十分な剛性の
ボールネジを用いることが困難であった。

【０００５】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、中空軸の磁石を極異方性と
することにより、筒状ヨークの軸穴の穴径を従来よりも
大とし、ユーザーの使い勝手の拡大及びモータ重量の減
少を達成した中空軸モータを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による中空軸モー
タは、中空軸の筒状ヨークの外周に磁石を設けた構成よ
りなる中空軸モータにおいて、前記磁石を極異方性とし
た構成である。

【０００７】さらに詳細には、前記磁石の磁束は、前記
筒状ヨークには殆んど通らず、前記磁石内を通過するよ
うにした構成である。

【０００８】さらに詳細には、前記磁石は一体の筒形を
なし、円周方向にＮ極及びＳ極が交互に着磁されている
構成である。

【０００９】さらに詳細には、前記磁石は、Ｎ極セグメ
ントとＳ極セグメントが円周方向に交互に前記筒状ヨー
クに設けられた構成である。

【００１０】さらに詳細には、前記中空軸がロータをな
す構成である。

【００１１】さらに詳細には、前記中空軸がステータを
なし、前記中空軸の外周位置に筒状ロータが設けられて
いる構成である。

【００１２】

【作用】本発明による中空軸モータにおいては、中空軸
の筒状ヨークの外周に設けられた磁石が極異方性で構成
されているため、磁石の磁束が筒状ヨーク内を殆んど通
ることなく磁石内だけを通るため、筒状ヨークの軸穴の
径を従来よりも大径とすることが可となり、ユーザー側
にて中空軸の軸穴内に挿入する部材の径の自由度を大と
することができる。

【００１３】

【実施例】以下、図面と共に本発明による中空軸モータ
の好適な実施例について詳細に説明する。なお、従来例
と同一又は同等部分には、同一符号を用いて説明する。
すなわち、図１において、符号１で示されるものは、図
示しないステータ巻線を有するステータ２内に回転自在
に設けられた中空軸であり、この中空軸１は、軸穴３を
有する筒状ヨーク４からなり、この筒状ヨーク４の外周
には、Ｎ極とＳ極が交互に着磁された筒状の磁石５が同
軸状に設けられている。

【００１４】前記磁石５は、図１に示す矢印のような磁
束特性を有する周知の極異方性を有しており、磁石５の
磁束がこの矢印に沿って通り、前記筒状ヨーク４内には
殆んど通ることなく磁石５内のみを経てステータ２と磁
気的作用を行うように構成されている。

【００１５】従って、磁束が前記筒状ヨーク４内を殆ん
ど通らないため、筒状ヨーク４の径方向肉厚は従来より
も薄くて済むことになり、軸穴３の内径も従来よりも大
幅に大径化することができる。

【００１６】次に、動作について述べる。前述の構成に
おいて、ステータ２の図示しないステータ巻線（例え
ば、３相のコイル）に所定の周知の駆動信号を印加する
と、ステータ２と磁石５の磁気的作用により、中空軸１
は所定の回転を行うことができる。

【００１７】また、前記ステータ２は、図示を省略して
いるが、実際には、周知のように、ステータ２をケース
を介して固定し、中空軸１を図示しない被駆動部材に軸
穴３を接続してこの被駆動部材の回転を行うことができ
る。

【００１８】また、前記磁石５は、一体の筒形をなす構
成としたが、Ｎ極セグメントとＳ極セグメントを筒状ヨ
ーク４の外周の円周方向に交互に貼着するように構成す
ることもできる。

【００１９】また、前述の実施例では、中空軸１がロー
タとして回転する構成とした場合について述べたが、例
えば、中空軸１をステータとし、ステータ２をロータと
し、このステータ２を周知の筒形又はカップ形のアウタ
ロータ形状とすると共に、ステータ巻線に対してスリッ
プリングを介して給電することにより、ステータ２をロ
ータとすることもできる。なお、実施例には示していな
いが軸穴３内にボールネジを設けると、ボールネジ装置
を得ることができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明による中空軸モータは、以上のよ
うに構成されているため、次のような効果を得ることが
できる。すなわち、磁石を極異方性の構造としたため、
磁束が筒状ヨークの方には殆んど流れなくなり、そのた
め、筒状ヨークの軸穴の径を従来よりも大幅に大径化す
ることができ、モータ重量の軽量化及びユーザーによる
使い勝手の拡大化を達成することができる。また、同外
径モータで出力を落とすことなく、中空軸の穴径を大き
くすることができる。また、中空軸に通すボールネジ等
の径を大きくできるため、装置全体の剛性を向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による中空軸モータを示す概略構成図で
ある。

【図２】従来の中空軸モータを示す概略構成図である。

【符号の説明】

１中空軸４筒状ヨーク５磁石

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中空軸(1)の筒状ヨーク(4)の外周に磁石
(5)を設けた構成よりなる中空軸モータにおいて、前記
磁石(5)を極異方性としたことを特徴とする中空軸モー
タ。
【請求項２】前記磁石(5)の磁束は、前記筒状ヨーク
(4)には殆んど通らず、前記磁石(5)内を通過するように
構成したことを特徴とする請求項１記載の中空軸モー
タ。
【請求項３】前記磁石(5)は一体の筒形をなし、円周
方向にＮ極及びＳ極が交互に着磁されている構成よりな
ることを特徴とする請求項１又は２記載の中空軸モー
タ。
【請求項４】前記磁石(5)は、Ｎ極セグメントとＳ極
セグメントが円周方向に交互に前記筒状ヨーク(4)に設
けられた構成よりなることを特徴とする請求項１又は２
記載の中空軸モータ。
【請求項５】前記中空軸(1)がロータをなすことを特
徴とする請求項１ないし４の何れかに記載の中空軸モー
タ。
【請求項６】前記中空軸(1)がステータをなし、前記
中空軸(1)の外周位置に筒状ロータが設けられているこ
とを特徴とする請求項１ないし４の何れかに記載の中空
軸モータ。