JPH0733655B2 - 固化剤注入管内面掃除装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、モルタルやセメントミルク等の固化剤を地盤
に注入するための固化剤注入管の内面に長期間に亘る使
用で付着した固化剤を除去清掃する技術に関する。

〔従来の技術〕

上述した固化剤注入管、例えばオーガーロッド内面に付
着した固化剤の除去を、従来は、固化剤注入管の外壁を
ハンマー等で打撃したり、コンクリートブレーカ等で付
着物を斫ったりすることにより行っていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上述の除去作業は、人手によって行われるもの
であるから、必然的に作業人工の増大を来し、機械管理
維持費の高騰を招来するものであった。また、固化剤注
入管の内面の全てに亘って確実な付着物の除去清掃を行
うためには、その作業が極めて手間の掛かるものとなっ
ていた。

本発明の目的は、上記実情に鑑み、固化剤注入管の内面
に付着した固化剤を、手数少なく確実に除去清掃できる
固化剤注入管内面掃除装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による固化剤注入管内面掃除装置の特徴構成は、
地盤内への固化剤注入管を保持するための支持台と、一
端側に回転式掃除具を取り付けたロッドと、このロッド
を回転式掃除具側から前記支持台に保持された固化剤注
入管内に挿抜する挿抜手段と、前記回転式掃除具を駆動
回転させる掃除具駆動手段とを備えていることにある。

〔作用〕

つまり、固化剤注入管を支持台に保持した状態で、挿抜
手段によりロッドを固化剤注入管に挿入しながら、ロッ
ドの一端側に取り付けた回転式掃除具を掃除具駆動手段
により駆動回転させることで、この回転式掃除具が、固
化剤注入管の入口から奥に至るまでその内面に付着した
固化剤を除去して清掃するものである。

従って、固化剤注入管の内面の清掃を、殆ど人手を要さ
ずに行え、しかも、手数少なく全体に亘って確実な付着
物の除去が行えるのである。

〔発明の効果〕

その結果、この種の固化剤注入管に対する維持管理作業
を迅速容易に行えるとともに、機械管理維持費を少なく
することができ、工期の短縮及び工費の削減を計れるよ
うになった。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。

第１図及び第２図に示すように、支持台（１）、移動フ
レーム（２）、モータ（３）、ロッド（４）、及び、回
転式掃除具（５）等から固化剤注入管内面掃除装置を構
成してある。

支持台（１）は、鋼材を組み合わせて構成されている。
この支持台（１）の上に、固化剤注入管（Ｐ）を載置す
るための一対の載置具（6A），（6B）が固定されてい
る。なお、固化剤注入管（Ｐ）の支持構造は適宜変更可
能で、載置具を３個以上設けたり、固定用のバンドを付
設したりしてもよい。

回転式掃除具（５）は、第３図及び第４図に示すよう
に、周方向に位相を120°づつ異ならせて配設した３つ
の超硬チップ（5a）を有している。この回転式掃除具
（５）は、ロッド（４）の先端に固定されている。さら
に、ロッド（４）は、その基端部において、減速機構
（７）を介して、移動フレーム（２）の上に載置された
モータ（３）に連動連結されている。

そして、回転式掃除具（５）を固化剤注入管（Ｐ）内に
位置させた状態で、モータ（３）の駆動でロッド（４）
を回転させ、それに伴ってこの回転式掃除具（５）を回
転させることで、固化剤注入管（Ｐ）の内面に付着した
固化剤を除去清掃できるように構成されている。

即ち、モータ（３）が回転式掃除具（５）を駆動回転さ
せる掃除具駆動手段となっている。

また、このロッド（４）内には水供給路（4a）が形成さ
れている。この水供給路（4a）は、ロッド（４）の基端
部近くに設けた注水器（８）部分において、上水道
（９）に接続された給水口（8a）に、スイベルジョイン
トにより連通されている。この水供給路（4a）は、回転
式掃除具（５）に形成された噴射口（5b）に繋がってお
り、回転式掃除具（５）による固化剤注入管（Ｐ）の内
面清掃時に、同時に、掃除箇所に水が噴射されるように
構成されている。

なお、この水供給路（4a）を省略してロッド（４）を中
実なものとしてもよい。

一方、移動フレーム（２）は各別のモータ（10A），（1
0B）に連動する２つの駆動ローラ（2a）と、２つの遊転
ローラ（2b）とを備えている。各ローラ（2a），（2b）
は、支持台（１）の両側部のガイドレール（1a）に嵌合
している。そして、モータ（10A），（10B）を駆動する
ことで、移動フレーム（２）が支持台（１）の長手方向
に沿って移動できるように構成されている。

即ち、ガイドレール（1a）と移動フレーム（２）と２つ
のモータ（10A），（10B）とによって、ロッド（４）を
回転式掃除具（５）側から、支持台（１）に保持された
固化剤注入管（Ｐ）内に挿抜する挿抜手段（1E）が構成
されている。

なお、モータ（10A），（10B）に替えてシリンダ等別の
駆動装置を設けてもよく、さらに駆動装置を省略して単
に移動フレーム（２）が支持台（１）に沿って移動する
だけの構成としてもよい。

この固化剤注入管内面掃除装置（Ｘ）を用いて固化剤注
入管（Ｐ）の内面に付着した固化剤の除去を行う管内清
掃作業について簡単に説明する。

固化剤注入管（Ｐ）を支持台（１）の載置具（6A），
（6B）上に載せた状態で、まず、この固化剤注入管
（Ｐ）の一端側から、ロッド（４）を挿入する。そし
て、回転式掃除具（５）の噴射口（5b）から水を噴射し
つつ、ロッド（４）を徐々に固化剤注入管（Ｐ）内に挿
入しながら、この回転式掃除具（５）を回転させて固化
剤を除去する。

固化剤注入管（Ｐ）の中程まで固化剤の除去が済めば、
一旦、ロッド（４）を固化剤注入管（Ｐ）から抜き出
し、固化剤注入管（Ｐ）の姿勢をロッド（４）に対して
反転させる。そして、反転後、上述と同じ動作を繰り返
す。

この反転は、固化剤注入管（Ｐ）をクレーンにより吊り
下げて行ってもよいし、一対の載置具（6A），（6B）ど
うしをサブフレームで連結してこのサブフレームと支持
台（１）との間に反転機構を介装した構成とし、この回
転機構を作動させることで行ってもよい。

つまり、このように、固化剤注入管（Ｐ）の姿勢を反転
させて清掃作業を行うようにすることで、ロッド（４）
の長さを固化剤注入管（Ｐ）の長さのほぼ半分にするこ
とができ、ロッド（４）の支持構造をコンパクトにでき
る。

なお、ロッド（４）の長さを固化剤注入管（Ｐ）の長さ
とほぼ同じにしておき、途中で姿勢を反転することなく
管内清掃作業を行えるようにしてもよい。また、ロッド
（４）を複数に分割できるように構成し、固化剤注入管
（Ｐ）の長さに応じて、適宜ロッド（４）の長さを変更
出来るようにしてもよい。

本発明による固化剤注入管内面掃除装置を用いて、セメ
ントミルクやモルタルの注入孔を有するアースオーガ
や、トレミー官等、種々の固化剤注入管（Ｐ）を対象と
して管内清掃作業を行うことができる。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為
に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造
に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る固化剤注入管内面掃除装置の実施例
を示し、第１図は全体側面図、第２図は全体平面図、第
３図は回転式掃除具部分の側面図、第４図は回転式掃除
具部分の正面図である。 （１）……支持台、（３）……掃除具駆動手段、（４）
……ロッド、（4a）……水供給管、（５）……回転式掃
除具、（Ｐ）……固化剤注入管、（IE）……挿抜手段。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地盤内への固化剤注入管（Ｐ）を保持する
   ための支持台（１）と、一端側に回転式掃除具（５）を
   取り付けたロッド（４）と、このロッド（４）を回転式
   掃除具（５）側から前記支持台（１）に保持された固化
   剤注入管（Ｐ）内に挿抜する挿抜手段（IE）と、前記回
   転式掃除具（５）を駆動回転させる掃除具駆動手段
   （３）とを備えた固化剤注入管内面掃除装置。
2. 【請求項２】前記ロッド（４）が、掃除箇所への水供給
   路（4a）を有する管である特許請求の範囲第１項に記載
   の固化剤注入管内面掃除装置。
3. 【請求項３】前記支持台（１）が、前記固化剤注入管
   （Ｐ）の姿勢を前記ロッド（４）に対して反転させる反
   転機構を有するものである特許請求の範囲第１項又は第
   ２項のいずれか一つに記載の固化剤注入管内面掃除装
   置。