JPH07335910A - 加速度センサの製造方法 - Google Patents

加速度センサの製造方法

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JPH07335910A
JPH07335910A JP10483395A JP10483395A JPH07335910A JP H07335910 A JPH07335910 A JP H07335910A JP 10483395 A JP10483395 A JP 10483395A JP 10483395 A JP10483395 A JP 10483395A JP H07335910 A JPH07335910 A JP H07335910A
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JP
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porous silicon
silicon
forming
groove
movable
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JP10483395A
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Yasuhiro Negoro
泰宏 根来
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速度センサを製造するとき、固定部と可動
部が形成されるための溝形成時に、この溝を確実に形成
すると共に、固定部と可動部がエッチングによって損傷
するのを防止し、センサの生産性を向上させる。 【構成】 固定部と可動部は単結晶シリコンから形成さ
れているから、多孔質シリコン部43を除去する工程で
は、多孔質シリコン部43の方が単結晶シリコンよりも
約100倍の速度でエッチングされる。これにより、固
定部と可動部を分離形成するための溝45を形成する工
程と、多孔質シリコン部を除去する工程において確実に
溝45を形成すると共に、固定部と可動部をエッチング
液によって浸食するのを防止する。これにより、シリコ
ンウエハ41から等しい検出感度を有する加速度センサ
を多数製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両等の加速度
を検出するのに好適に用いられる加速度センサの製造方
法に関し、特に製造時の歩留りを向上できるようにした
加速度センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等の加速度や回転方向を検
出するのに用いられる加速度センサは、電極板間の静電
容量を利用して検出するもので、例えば特開平3−94
169号公報および特開昭62−232171号公報等
によって知られている。
【0003】しかし、これらの加速度センサは、固定部
と可動部との電極間の有効面積が小さくその離間寸法が
大きいために、検出感度が小さくなり高精度の加速度検
出を行うことができなかった。
【0004】一方、例えば特開平4−115165号公
報に記載の加速度センサ(以下、「他の従来技術」とい
う)では、固定電極および可動電極にくし状電極を用
い、電極間の有効面積を大きくして検出感度を向上させ
るようにしている。
【0005】そして、この他の従来技術による加速度セ
ンサは、一端がベースとなる絶縁基板に固定され他端が
水平方向に振動可能な重りとなった片持梁と、該片持梁
に一体形成された可動側のくし歯状電極部と、該可動側
のくし歯状電極部と非接触で噛み合わされた固定側のく
し歯状電極部を有し、前記絶縁基板に固定されたくし歯
状固定板とから構成され、前記重りに加速度が加わった
ときに、可動側のくし歯状電極部と固定側のくし歯状電
極部との有効面積を変化させ、この変化を静電容量とし
て検出し、加速度に応じた検出信号を得るものである。
【0006】しかし、この他の従来技術では、シリコン
のエッチング加工技術を利用して各くし歯状電極部を形
成するときに、シリコンの一側面からのみエッチング処
理を施しているから、それぞれのエッチング面が傾いて
しまい、各電極部間の離間寸法を小さくすると、シリコ
ンの他側面部位で各電極部が接触してしまうことがあ
り、各電極部間の離間寸法を小さくできないという欠点
がある。
【0007】即ち、シリコンウエハの厚さは数百μmの
ものが通常使用され、この厚さをそのまま各電極部の厚
さ寸法とすると、先の理由によりエッチング面が傾いて
離間寸法を小さくすることが困難となる。一方、始めか
ら厚さが数10μm程度に形成されたシリコンウエハを
用いることも考えられるが、この場合にはシリコンウエ
ハの強度が弱くなり、運搬時等に破損してしまう。
【0008】そこで、上述した従来技術の問題を解消す
るために、本発明者は先に図39ないし図49に示す如
き加速度センサの製造方法を検討した(以下、「先行技
術」という)。
【0009】即ち、図39および図40において、1は
加速度センサ、2は絶縁基板としてのガラス基板を示
し、該ガラス基板2上には後述する固定部3,3および
可動部5が形成されている。また、該ガラス基板2には
矩形状の凹溝2Aが形成され、該凹溝2A上に位置する
可動部5の質量部8および可動側くし状電極9は矢示A
方向(加速度が加わる方向)に変位可能となっている。
【0010】3,3は低抵抗を有するシリコン材料によ
り形成された一対の固定部を示し、該各固定部3は前記
ガラス基板2の左,右に離間して位置し、それぞれ対向
する内側面には複数(例えば5枚)の薄板状の電極板4
A,4A,…が突出形成され、該各電極板4Aは固定電
極としての固定側くし状電極4,4をそれぞれ構成して
いる。
【0011】5は低抵抗を有するシリコン材料により形
成された可動部を示し、該可動部5は、前記ガラス基板
2の前,後に離間してガラス基板2に固着された支持部
6,6と、該各支持部6に梁7,7を介して支持され、
前記各固定部3の間に配設された質量部8と、該質量部
8から左,右方向にそれぞれ突出形成された複数(例え
ば5枚)の薄板状の電極板9A,9A,…を有する可動
側くし状電極9,9とから構成され、前記各梁7は質量
部8を矢示A方向に変位させるように薄板状に形成され
ている。そして、前記各可動側くし状電極9の各電極板
9Aは前記各固定側くし状電極4の各電極板4Aと微小
隙間を介して互いに対向するようになっている。
【0012】なお、質量部8の左,右方向に形成した可
動側くし状電極9,9の各電極板9A,9Aと、固定部
3,3の左方向,右方向に形成した固定側くし状電極
4,4の各電極板4A,4Aとでは、質量部8の左,右
方向で対向する電極板9A,4Aの位置を異なるように
構成している。即ち、質量部8の左方向では、可動側く
し状電極9の各電極板9Aに対して、固定側くし状電極
4の各電極板4Aをガラス基板2の前方向で対向するよ
うに構成し、質量部8の右方向では、可動側くし状電極
9の各電極板9Aに対して、固定側くし状電極4,4の
各電極板4A,4Aをガラス基板2の後方向で対向する
ように構成している。
【0013】次に、図41ないし図49に先行技術によ
る加速度センサ1の製造方法について述べる。
【0014】まず、図41中の11は単結晶の低抵抗を
有するシリコン板としての(110)シリコンウエハを
示し、該シリコンウエハ11は例えば直径7.5〜1
5.5(cm),厚さ200μm程度の円板状に形成さ
れている。また、該シリコンウエハ11の一側面には酸
化膜または窒化膜による保護膜12Aが、他側面には固
定部3および可動部5を分離して形成するための溝13
以外の部分をマスキングした保護膜12Bが着膜形成さ
れている。
【0015】次に、図42に示す溝形成工程(第1のエ
ッチング工程)では、他側面から所定時間の間、RIE
(リアクティブイオンエッチング)を用いたドライエッ
チンまたはウエットエッチング異方性エッチングを
施し、所定深さの溝13を形成する。なお、シリコンウ
エハ11には一度に複数個の加速度センサ1を形成する
ようになっているため、溝13はシリコンウエハ11の
他側面において全て連通している。
【0016】一方、図43は溝形成工程の後に、シリコ
ンウエハ11をフッ酸または熱燐酸を用いたウエットエ
ッチングまたはRIEを施すことにより、保護膜12
A,12Bを除去する。
【0017】次に、図44に示す接合程では、溝13
が形成されたシリコンウエハ11の他側面と矩形状の凹
部14Aが形成されたガラス基板14の一側面とを陽極
接合させ、シリコンウエハ11とガラス基板14とを一
体にする。
【0018】さらに、第2のエッチング工程では、図4
4に示すようにシリコンウエハ11の厚みを一側から厚
さ寸法aだけ薄くするように、該シリコンウエハ11の
一側面からRIEまたはウエットエッチングを施し、図
45のように前記溝13が貫通するまでエッチングを行
う(即ち、前記溝13のレベルまでシリコンウエハ11
を上側から浸食して削除する)。これにより、加速度セ
ンサ1となる固定部3および可動部5をガラス基板14
上に分離形成する。なお、可動部5では支持部6,6の
みがガラス基板14上に固着され、梁7,7、質量部8
および可動側くし状電極9,9は前記凹部14A上に位
置して、該質量部8等は各梁7により矢示A方向に移動
可能となっている。
【0019】そして、図45,図47および図49のよ
うにガラス基板14上に形成された複数個の加速度セン
サ1をチップ(5mm角)の大きさに点線の位置で切断
することによって、一度の製造工程で加速度センサ1を
複数個(例えば52個)製造することができる。
【0020】このように構成される先行技術の加速度セ
ンサ1は、図39に示すように外部から矢示A方向の加
速度が加わると、質量部8が各支持部6に対し各梁7を
介して変位し、可動側くし状電極9の各電極板9Aが固
定側くし状電極4の各電極板4Aに対して接近または離
間するので、このときの離間寸法の変位を静電容量の変
化として外部の図示しない信号処理回路に出力し、該信
号処理回路ではこの静電容量の変化に基づき前記加速度
に応じた信号を出力する。
【0021】例えば、外部からガラス基板2の前方向に
矢示A方向の加速度が加わった場合、質量部8の左方向
では、可動側くし状電極9の各電極板9Aが固定側くし
状電極4の各電極板4Aに接近して静電容量が増加し、
質量部8の右方向では、可動側くし状電極9の各電極板
9Aが固定側くし状電極4の各電極板4Aから離間して
静電容量が減少することとなり、この質量部8の左方向
の増加した静電容量と質力部8の右方向の減少した静電
容量との差を静電容量の変化として信号処理回路に出力
する。
【0022】そして、この加速度センサ1では、可動側
くし状電極9および固定側くし状電極4の各電極板9
A,4Aの間で静電容量の変化として加速度を検出して
おり、該各電極板9A,4Aはそれぞれ電気的に並列接
続されているから、各電極板9A,4A間の静電容量を
それぞれ加算した値となる全体の静電容量から加速度を
検出でき、検出感度を高め、加速度の検出精度を向上さ
せることができる。
【0023】また、先行技術による加速度センサ1の製
造方法においては、例えば厚さ200μmのシリコンウ
エハ11を第2のエッチング工程で数10μm程度まで
薄くすることによって、固定部3および可動部5等を分
離して形成しており、第1のエッチング工程で形成され
る溝13の深さ寸法に基づき固定部3,可動部5等の厚
さ寸法が決められるから、溝13の深さ寸法を調整する
ことによって、各電極板4A,9Aの有効面積を調整す
ることができる。また、シリコンウエハ11の一側面お
よび他側面に対して第1および第2のエッチング工程で
それぞれエッチング処理を行っているから、シリコンウ
エハ11の厚さをガラス基板14上で薄くでき、くし状
電極4,9の各電極板4A,9Aの離間寸法を微小隙間
として確保できる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先
行技術では、第1のエッチング工程と第2のエッチング
工程においては時間制御によって、溝13の深さ等を設
定している。しかし、シリコンウエハ11のエッチング
速度は、全部が均一にエッチングされず、場所によって
は、速くエッチングされるところと、遅くなるところが
存在する。
【0025】このため、第1のエッチング工程では、溝
13の深さが均一にならなかったり、第2のエッチング
工程では、溝13が貫通するところと貫通しないところ
とが存在するようになる。
【0026】そして、第2のエッチング工程において溝
13の貫通する時間が異なると、図48に示すように
前,後に位置した加速度センサ1,1を例に挙げると、
一方の加速度センサ1側から他方の加速度センサ1側に
矢示B方向のようにエッチング剤が浸入する。そして、
他方の加速度センサ1側ではエッチング剤が過剰に供給
され、薄板状に形成された電極板4A,9Aおよび梁7
等が破壊または変形してしまうという未解決な問題があ
る。
【0027】即ち、先行技術においては次に列挙するよ
うな未解決な問題がある。
【0028】第1に、第1のエッチング工程における溝
13の正確な深さ寸法の設定ができない。
【0029】第2に、第2のエッチング工程においてシ
リコンウエハ11から製造される複数の加速度センサ
1,1,…のうち、殆どの加速度センサ1が不良品とな
り、歩留りが悪化し、生産性を著しく低下させる。
【0030】第3に、溝13の深さ寸法が均一にできな
いために、製造された加速度センサ1の固定側くし状電
極4と可動側くし状電極9との有効面積が異なり、個々
の加速度センサ1において検出感度が異なる。
【0031】本発明は上述した先行技術による未解決な
問題に鑑みなされたもので、例えばシリコンウエハから
加速度センサを製造するときの歩留りを向上して生産性
を大幅に高めると共に、均一の検出感度を有する加速度
センサを製造できるようにした加速度センサの製造方法
を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する加速度センサの製造
方法は、一側面と他側面とを有する単結晶のシリコン板
の一側面に陽極化成法によって多孔質シリコン部を形成
する多孔質シリコン部形成工程と、該多孔質シリコン部
が形成されたシリコン板の他側面からエッチング処理を
施し、固定部と可動部とを分離するための溝を前記多孔
質シリコン部まで届くように形成する溝形成工程と、前
記シリコン板に溝を形成した後に、該シリコン板の他側
面を凹溝を有する絶縁基板上に接合する接合工程と、前
記シリコン板を絶縁基板上に接合した状態で、前記シリ
コン板の一側面からエッチング処理を施し、前記多孔質
シリコン部を除去して前記シリコン板に固定部と可動部
とを分離して形成する多孔質シリコン部除去工程とから
なる。
【0033】また、請求項2の発明は、一側面と他側面
とを有する単結晶のシリコン板の一側面に陽極化成法に
よって多孔質シリコン部を形成する多孔質シリコン部形
成工程と、該多孔質シリコン部が形成されたシリコン板
を熱酸化によって前記多孔質シリコン部を多孔質酸化シ
リコン部にする多孔質酸化シリコン部形成工程と、該多
孔質酸化シリコン部が形成されたシリコン板の他側面か
らエッチング処理を施し、固定部と可動部とを分離する
ための溝を前記多孔質酸化シリコン部まで届くように形
成する溝形成工程と、前記シリコン板に溝を形成した後
に、該シリコン板の他側面を凹溝を有する絶縁基板上に
接合する接合工程と、前記シリコン板を絶縁基板上に接
合した状態で、前記シリコン板の一側面からエッチング
処理を施し、前記多孔質酸化シリコン部を除去して前記
シリコン板に固定部と可動部とを分離して形成する多孔
質酸化シリコン部除去工程とからなる。
【0034】さらに、請求項3の発明は、一側面と他側
面とを有する単結晶のシリコン板の他側面に陽極化成法
によって多孔質シリコン部を形成する多孔質シリコン部
形成工程と、該多孔質シリコン部が形成されたシリコン
板の他側面を絶縁基板上に接合する接合工程と、前記シ
リコン板の一側面からエッチング処理を施し、固定部と
可動部とを分離するための溝を前記多孔質シリコン部ま
で届くように形成する溝形成工程と、前記シリコン板に
溝を形成した後に、該シリコン板の一側面からエッチン
グ処理を施し、前記多孔質シリコン部を除去して前記シ
リコン板に固定部と可動部とを分離して形成する多孔質
シリコン部除去工程とからなる。
【0035】さらにまた、請求項4の発明は、一側面と
他側面とを有する単結晶のシリコン板の他側面に陽極化
成法によって多孔質シリコン部を形成する多孔質シリコ
ン部形成工程と、該多孔質シリコン部が形成されたシリ
コン板を熱酸化させることにより、前記多孔質シリコン
部を多孔質酸化シリコン部に変化させる多孔質酸化シリ
コン部形成工程と、該多孔質酸化シリコン部が形成され
たシリコン板の他側面を絶縁基板上に接合する接合工程
と、前記シリコン板の一側面からエッチング処理を施
し、固定部と可動部とを分離するための溝を前記多孔質
酸化シリコン部まで届くように形成する溝形成工程と、
前記シリコン板に溝を形成した後に、該シリコン板の一
側面からエッチング処理を施し、前記多孔質酸化シリコ
ン部を除去して前記シリコン板に固定部と可動部とを分
離して形成する多孔質酸化シリコン部除去工程とからな
る。
【0036】一方、上述した請求項1,2,3,4の発
明においては、請求項5のように、前記絶縁基板には固
定部と可動部に電気的に接続される導電性材料が充填さ
れるスルホールを形成することができる。
【0037】
【作用】上述した如く、請求項1の発明では、シリコン
をエッチングするエッチング液においては、単結晶シリ
コンをエッチングするエッチング速度よりも多孔質シリ
コンをエッチングするエッチング速度の方が速いという
性質を利用し、多孔質シリコン部除去工程において固定
部と可動部がエッチングされるのを防止できる。そし
て、固定部と可動部の厚みを決定できる。
【0038】また、請求項2の発明では、単結晶シリコ
ンのエッチングに用いられるエッチング液と、多孔質酸
化シリコンのエッチングに用いられるエッチング液が異
なることを利用し、多孔質酸化シリコン部形成工程でシ
リコン板の一側面に形成した多孔質酸化シリコン部によ
って、溝形成工程において単結晶シリコンが浸食するエ
ッチング液を用いるから多孔質酸化シリコン部は殆ど浸
食されず、溝の深さを決定できる。また、多孔質酸化シ
リコン部除去工程において多孔質酸化シリコンが浸食さ
れるエッチング液を用いることにより、固定部と可動部
がエッチングされるのを防止できる。そして、固定部と
可動部の厚みを決定できる。
【0039】さらに、請求項3の発明では、シリコンを
エッチングするエッチング液においては、単結晶シリコ
ンをエッチングするエッチング速度よりも多孔質シリコ
ンをエッチングするエッチング速度の方が速いという性
質を利用し、多孔質シリコン部除去工程において固定部
と可動部がエッチングされるのを防止できる。そして、
固定部と可動部の厚みを決定できる。
【0040】さらにまた、請求項4の発明では、単結晶
シリコンのエッチングに用いられるエッチング液と、多
孔質酸化シリコンのエッチングに用いられるエッチング
液が異なることを利用し、多孔質酸化シリコン部形成工
程でシリコン板の他側面に形成した多孔質酸化シリコン
部によって、溝形成工程において単結晶シリコンが浸食
するエッチング液を用いるから多孔質酸化シリコン部は
殆ど浸食されず、溝の深さを決定できる。また、多孔質
酸化シリコン部除去工程において多孔質酸化シリコンが
浸食されるエッチング液を用いることにより、固定部と
可動部がエッチングされるのを防止できる。そして、固
定部と可動部の厚みを決定できる。
【0041】一方、請求項5によれば、前記絶縁基板に
はスルホールを介して固定部と可動部と電気的に接続さ
れる導電性材料が設けられているから、加速度センサか
らの信号を該各導電性材料を介して導出することができ
る。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図38に
基づいて説明する。なお、実施例では前述した先行技術
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0043】まず、本発明による第1の実施例を図1な
いし図12に示す。
【0044】図中、21は本実施例による加速度センサ
を示し、該加速度センサ21は先行技術による加速度セ
ンサ1とほぼ同様に構成され、絶縁基板としてのガラス
基板22上には後述する固定部23,23および可動部
25等が一体的に形成されている。
【0045】23,23は固定部で、該各固定部23は
固定電極としての固定側くし状電極24,24を有して
ガラス基板22の左,右に離間して形成され、それぞれ
対向する内側面に薄板状の電極板24A,24A,…が
突出形成されている。
【0046】25は可動部を示し、該可動部25は、ガ
ラス基板22の前,後に離間して配設された支持部2
6,26と、該各支持部26に梁27,27を介して支
持され、前記各固定部23間に配設された質量部28
と、該質量部28から左,右方向に突出形成された薄板
状の電極板29A,29A,…を有する可動側くし状電
極29,29とを一体的に形成することによって構成さ
れている。
【0047】ここで、前記ガラス基板22には凹溝22
Aが一側面に形成されると共に、各固定部23と支持部
26の位置には厚さ方向には貫通する小径な4個のスル
ホール22B,22B,…が形成されている。
【0048】30はカバーを示し、該カバー30はガラ
ス基板22上に位置し、前記各固定部23および可動部
25を周囲から取囲むようにシリコン材により矩形状に
形成された周壁部30Aと、該周壁部30Aの開口部分
を施蓋するガラス材料により板状に形成された蓋部30
Bとから構成されている。
【0049】なお、31,31,…はガラス基板22の
他側面にAu,Cr,NiCr等で形成された電極パタ
ーン、32,32,…は前記スルホール22Bを介して
該各電極パターン31と各固定部23、各支持部26と
を電気的に接続する銀ペースト,導電性樹脂,半田等の
導電性材料をそれぞれ示している。そして、各電極パタ
ーン31は導電性材料32を介して、加速度に対応した
信号を外部に導出するようになっている。
【0050】本実施例の加速度センサ21は上述の如き
構成を有するもので、矢示A方向に加わる加速度の検出
動作においては、先行技術による加速度センサ1と変わ
るところはないので、その説明を省略する。
【0051】然るに、図3ないし図12を参照して、本
発明の第1の実施例による加速度センサ21の製造方法
について述べる。
【0052】ここで、本実施例で用いる単結晶のシリコ
ン板としてのシリコンウエハ41は、Sb,B等をドー
ピングしたn型(110)シリコンで、抵抗率が約0.
01Ωcm、厚さ200μm、直径7.5〜15.5(c
m)のものである。
【0053】まず、図3に示す第1のマスキング工程で
は、シリコンウエハ41の一側面に後述する多孔質シリ
コン部43を形成するため、該多孔質シリコン部43以
外の部分を、例えばレジスト,ポリイミドまたはNi/
レジストの2層膜等による保護膜42Aを着膜形成して
マスクし、他側面においては全面に保護膜42Bを着膜
形成する。なお、前記保護膜42Aで覆われた部分がカ
バー30の周壁部30Aとなる。
【0054】次に、図4に示す多孔質シリコン部形成工
程では、陽極化成法、即ちシリコンウエハ41に例え
ば、電圧3.5V,電流100mA/cm2 を印加した状態
で、約30%HF溶液中に浸漬することによって、シリ
コンウエハ41が露出した部分に多孔質シリコン部43
を形成する。このとき、シリコンウエハ41が浸漬され
る時間によって、多孔質シリコン部43の深さ寸法が決
定される。
【0055】さらに、図5では、保護膜42A,42B
をエッチングによって除去する。
【0056】一方、図6に示す第2のマスキング工程で
は、シリコンウエハ41の両面に減圧CVD法で、保護
膜としての窒化膜44A,44Bを着膜形成し、他側面
をフォトリソ技術を用いて窒化膜44Bにパターンニン
グを施す。なお、該窒化膜44Bに施されるパターンは
各固定部23、可動部25および周壁部30Aを分離す
るための後述する溝45の形状となっている。
【0057】次に、図7に示す溝形成工程では、アルカ
リ水溶液(KOH水溶液またはヒドラジン(N2
4 ))によって異方性エッチングを施し、シリコンウエ
ハ41では他側面から多孔質シリコン部43に向けて浸
食して溝45が形成し、該溝45は多孔質シリコン部4
3に達するまで形成される。
【0058】なお、(110)シリコンを異方性エッチ
ングすると、側面が(111)面となる垂直な溝45が
形成できる。さらに、多孔質シリコン部43はこのエッ
チング液に対しては単結晶シリコンよりも約100倍の
速度で浸食される特性を有しているが、一側面は窒化膜
44Aで覆われているため浸食されない。しかし、溝4
5が形成されてから多孔質シリコン部43が部分的に浸
食されることはあるが、後述する多孔質シリコン部除去
工程によって該多孔質シリコン部43は最終的に除去さ
れるため、無視することができ、溝45を多孔質シリコ
ン部43まで確実に到達させることができる。
【0059】さらに、図8のように、熱燐酸またはRI
Eを用いて窒化膜44A,44Bを除去する。
【0060】また、図9に示す接合工程では、予め凹溝
46A,スルホール46B,46B,…が形成されたガ
ラス基板46の一側面とシリコンウエハ41の他側面を
陽極接合法(基板温度350℃、印加電圧1000V)
によって接合し、一体に形成する。
【0061】そして、図10に示す多孔質シリコン部除
去工程では、図9の多孔質シリコン部43を除去するた
めKOHの水溶液中でエッチング処理を行い、エッチン
グ速度の速い多孔質シリコン部43は素早く浸食され、
該多孔質シリコン部43が完全に除去されるまでエッチ
ングされる。これにより、加速度センサ21となる単結
晶で形成された固定部23,可動部25およびカバー3
0の周壁部30Aをガラス基板46上に形成することが
できる。またこのとき、単結晶シリコンの部分はこのエ
ッチングにおいては殆ど浸食されないため、固定部23
と可動部25および周壁部30Aの損傷は殆どない。ま
た、ガラス基板46の各スルホール46B内には導電性
材料32,32,…が充填されている。
【0062】この後に、図11のように蓋部となるガラ
ス基板46を周壁部30Aに接合し、図11の一点鎖線
に沿ってダイシングすることにより図12に示す加速度
センサ21を複数個製造できる。
【0063】本実施例による製造方法においては、多孔
質シリコンのエッチング速度は単結晶のエッチング速度
の100倍程度速いという特性を利用するもので、シリ
コンウエハ41の一側面に多孔質シリコン部43を形成
し、エッチング除去することにより、加速度センサ21
の検出感度に影響する固定部23、可動部25の高さ寸
法を正確に確定することができることとなり、本実施例
においては常に一定の検出感度を有する加速度センサ2
1を製造することが可能となる。
【0064】さらに、加速度センサ21の固定部23と
可動部25を分離して形成する多孔質シリコン部除去工
程においては、優先的に多孔質シリコン部43をエッチ
ングするから、各固定部23と可動部25を殆ど浸食す
ることなく、加速度センサ21を製造することができ
る。
【0065】一方、シリコンウエハ41全体としてみた
場合には、多孔質シリコン部除去工程において、シリコ
ンウエハ41平面上におけるエッチング速度が異なって
個々の位置で加速度センサ21の固定部23と可動部2
5が出来上がる瞬間が異なる場合でも、多孔質シリコン
のエッチング速度が速いために、多孔質シリコン部43
が浸食されて溝45と連通した1番目の加速度センサ2
1と最後に溝45と連通した速度センサ21との時間的
な差は殆どなく、各固定部23と可動部25の浸食を殆
どなくすことができる。この結果、製造された各加速度
センサ21の不良を大幅に減らすことができ、歩留りを
向上させることができる。
【0066】また、上述したように、各加速度センサ2
1における固定部23と可動部25の高さ寸法(溝45
の深さ寸法)を常に一定に形成できるから、1枚のシリ
コンウエハ41から製造された複数の加速度センサ21
の検出感度を均一にでき、加速度センサ21の信頼性を
向上させることができる。
【0067】さらに、検出感度を変える場合には、多孔
質シリコン部43の厚さ寸法を調整して形成すれば良
く、この場合には、多孔質シリコン部形成工程における
陽極化成法の時間を調整することにより任意に設定する
ことができる。
【0068】さらにまた、前記周壁部30Aは蓋部30
Bによって施蓋されることによりカバー30となるか
ら、使用時には周囲の塵埃等が固定部23と可動部25
内に浸入するのを防止する保護部材としての機能を有
し、加速度センサ21のセンサ寿命を延ばすことができ
る。
【0069】一方、ガラス基板22の厚さ方向には、各
固定部23と各支持部26と連通するためのスルホール
22B,22B,…を形成し、該各スルホール22Bに
充填した導電性材料32を介して外部に信号を導出する
ようにしたから、ガラス基板22上に電極パターン等を
形成する工程を省略することができるため、周壁部30
Aとガラス基板22との間の密閉度を向上でき、センサ
寿命を延ばすことができる。さらに、ガラス基板22の
他側面に形成された電極パターン31に取出し電極(図
示せず)を接続するだけでよく、当該加速度センサ21
の取付けを容易にできる。
【0070】次に、本発明による第2の実施例を図13
ないし図20に示すに、本実施例の特徴は、第1の実施
例における多孔質シリコン部43を熱酸化処理によって
多孔質酸化シリコン部43′に変えて製造工程に用いた
ことにある。なお、本実施例では前述した第1の実施例
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。さらに、同一の工程図においても、そ
の説明を省略するものとする。
【0071】図において、図13ないし図15は前述し
た第1の実施例による多孔質シリコン部形成工程までの
処理(図3ないし図5)と同様の処理を示し、図13は
第1のマスキング工程、図14は陽極化成法による多孔
質シリコン部形成工程、図15は保護膜42A,42B
の除去工程である。
【0072】次に 図16に示す多孔質酸化シリコン部
形成工程では、シリコンウエハ41を水蒸気雰囲気中で
1050〜1100℃の温度範囲にある酸化炉(図示せ
ず)に挿入して熱酸化させ、多孔質シリコン部43を多
孔質酸化シリコン部43′に変化させる。なおこのと
き、シリコンウエハ41の表面には薄い酸化膜が形成さ
れるが、研磨または希フッ酸によるエッチングによって
除去しておく。
【0073】図17ないし図20は前述した第1の実施
例による第2のマスキング工程から接合工程の処理(図
6ないし図9)と同様の処理を示し、図17は第2のマ
スキング工程、図18は溝形成工程、図19は窒化膜4
4A,44Bの除去工程、図20は接合工程である。
【0074】そして、第1の実施例で示した図10に示
すように、図20の状態のまま多孔質酸化シリコン部除
去工程を行い、バッファードフッ酸(4.5%HF+3
6%NH4 F+H2 O)の水溶液中でエッチング処理を
行い、多孔質酸化シリコン部43′を浸食し、該多孔質
酸化シリコン部43′を完全に除去するまでエッチング
する。このとき単結晶シリコンは殆ど浸食されないか
ら、第1の実施例で述べた様に、加速度センサ21とな
る固定部23,可動部25およびカバー30の周壁部3
0Aをガラス基板46上に分離形成することができる。
【0075】さらに、本実施例におけるこの後の処理
は、第1の実施例に示した図11の蓋部となるガラス基
板46の接合工程、図12のダイシング工程によって加
速度センサ21を製造することができるため、その図面
およびその説明は省略する。
【0076】本実施例による製造方法においても第1の
実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特
に、本実施例ではシリコンウエハ41の一側面に形成し
た多孔質シリコン部43を熱酸化処理して多孔質酸化シ
リコン部43′とすることにより、他側面から溝45を
形成する溝形成工程において、当該溝45は多孔質酸化
シリコン部43′に確実に到達させることができる。そ
して、このエッチングにおいては該多孔質酸化シリコン
部43′は殆ど浸食されないから、加速度センサ21の
検出感度を決定付ける各固定部23と可動部25の高さ
寸法(即ち、溝45の深さ寸法)を常に均一にすること
ができる。
【0077】さらに、多孔質酸化シリコン部除去工程で
は、多孔質酸化シリコン部43′を浸食するバッファー
ドフッ酸の水溶液は単結晶シリコンを浸食することがな
いから、選択的に多孔質酸化シリコン部43′を完全に
エッチング除去でき、しかも単結晶で形成された各固定
部23と可動部25は浸食されることはない。この結
果、各固定部23と可動部25等の損傷のない加速度セ
ンサ21を製造することができる。
【0078】また、シリコンウエハ41全体としてみた
場合では、多孔質酸化シリコン部除去工程でシリコンウ
エハ41の平面上においてエッチング速度に違いがあ
り、場所によって加速度センサ21の固定部23と可動
部25が出来上がる瞬間が異なるようなことがあって
も、多孔質酸化シリコン部をエッチングする水溶液は単
結晶シリコンを浸食することはないから、製造された各
加速度センサ21の不良を大幅に減らすことができ、歩
留りを向上させることができる。
【0079】さらに、上述したようにシリコンウエハ4
1によって製造される各加速度センサ21の固定部23
と可動部25の高さ寸法(溝45の深さ寸法)は常に一
定に形成できるから、各加速度センサ21の検出感度を
均一にでき、加速度センサ21の信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
【0080】かくして、本実施例では、検出感度に関わ
る固定部23と可動部25の高さ寸法(溝45の深さ寸
法)を設定するための部分を多孔質酸化シリコン部4
3′によって形成し、単結晶シリコンのエッチング液と
多孔質酸化シリコンのエッチング液が異なるという性質
を利用して加速度センサ21を製造することにより、検
出感度の良い加速度センサ21を1枚のシリコンウエハ
41で多数個製造し、歩留りを向上させる。特に、本実
施例では、第1の実施例においては多孔質シリコン部除
去工程において固定部23と可動部25等が若干浸食さ
れていたのに対してこの浸食を確実になくすことがで
き、第1の実施例による製造方法よって製造された加速
度センサ21の不良をより大幅に減らすことができ、歩
留りをさらに向上させることができる。
【0081】次に、本発明による第3の実施例を図21
ないし図31に示すに、本実施例の特徴は、多孔質シリ
コン部をシリコンウエハの他側面に形成して製造するこ
とにより、絶縁基板上に隙間を介して可動部の梁と質量
部を保持したものである。なお、本実施例では前述した
第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0082】図中、51は本実施例による加速度センサ
を示し、該加速度センサ51は第1の実施例による加速
度センサ21とほぼ同様に構成され、絶縁基板としての
ガラス基板52上には固定部53,53と、該各固定部
53に複数枚の電極54A,54A,…が形成された
固定側くし状電極54と、後述する可動部55等が一体
的に形成されている。
【0083】55は可動部を示し、該可動部55は、ガ
ラス基板52の前,後に離間して配設された支持部5
6,56と、該各支持部56に梁57,57を介して支
持され、前記各固定部53間に配設された質量部58
と、該質量部58から左,右方向に突出形成された薄板
状の電極板59A,59A,…を有する可動側くし状電
極59,59とを一体的に形成することによって構成さ
れている。
【0084】ここで、前記可動部55の支持部56はガ
ラス基板52に固着されるものの、各支持部56の高さ
寸法は梁57および質量部58の高さ寸法よりも高くな
って、ガラス基板52と梁57および質量部58との間
には隙間が形成されている。また、ガラス基板52の各
固定部53と支持部56の固定位置には厚さ方向には貫
通する小径な4個のスルホール52A,52A,…が形
成されている。
【0085】さらに、60はカバーを示し、該カバー6
0はガラス基板52上に位置し、前記各固定部53およ
び可動部55を周囲から取囲むようにシリコン材により
矩形状に形成された周壁部60Aと、該周壁部60Aの
開口部分を施蓋するガラス材料により板状に形成され、
矩形状の凹溝60Cを有する蓋部60Bとから構成され
ている。
【0086】61,61,…はガラス基板52の他側面
にAu,Cr,NiCr等で形成された電極パターン、
62,62,…は前記スルホール52Aを介して該各電
極パターン61と各固定部53、各支持部56とを電気
的に接続する例えば銀ペースト,導電性樹脂,半田等の
導電性材料をそれぞれ示している。そして、各電極パタ
ーン61は導電性材料62を介して、加速度に対応した
信号を外部に導出するようになっている。
【0087】本実施例の加速度センサ51は上述の如き
構成を有するもので、その検出動作においては第1の実
施例と変わるところはない。次に、図23ないし図31
を参照しつつ当該加速度センサ21の製造方法について
述べる。
【0088】ここで用いられる単結晶のシリコン板とし
てのシリコンウエハ71は、第1の実施例で用いたシリ
コンウエハ41と同様のSbドープのn型(110)シ
リコンで、抵抗率が約0.01Ωcm、厚さ200μm、
直径7.5〜15.5(cm)のものである。
【0089】まず、図23に示す第1のマスキング工程
では、シリコンウエハ71の他側面に後述する多孔質シ
リコン部73を形成するためのマスキングを行うもの
で、一側面の全面に陽極化成法の影響がないように、例
えばレジスト,ポリイミドまたはNi/レジストの2層
膜等による保護膜72Aを着膜形成し、他側面に前記多
孔質シリコン部73以外の部分を覆う保護膜72Bを着
膜形成する。なお、前記保護膜72Bで覆われた部分が
カバー60の周壁部60Aとなる。
【0090】次に、図24に示す多孔質シリコン部形成
工程では、前述した陽極化成法を用いてシリコンウエハ
71が露出した部分に多孔質シリコン部73を形成す
る。このとき、シリコンウエハ71が浸漬される時間に
よって、多孔質シリコン部73の深さ寸法が決定され
る。
【0091】また、図25では、保護膜72A,72B
をエッチングによって除去する。
【0092】一方、図26に示す第2のマスキング工程
では、シリコンウエハ71の一側面に減圧CVD法によ
って窒化膜74を形成した後に、フォトリソ技術を用い
て窒化膜74にパターンニングを施す。なお、該窒化膜
74に形成されたパターンは各固定部53、可動部55
および周壁部60Aの形状となる。
【0093】次に、図27に示す接合工程では、予めス
ルホール75A,75A,…が形成されたガラス基板7
5の一側面とシリコンウエハ71の他側面を陽極接合法
(基板温度350℃、電圧1000V)によって接合
し、一体に形成する。
【0094】また、図28に示す溝形成工程では、アル
カリ水溶液(KOH水溶液またはヒドラジン(N2
4 ))によって異方性エッチングを施し、シリコンウエ
ハ71の一側面から多孔質シリコン部73に向けて溝7
6を形成し、該溝76は多孔質シリコン部73に達する
まで形成される。
【0095】なお、多孔質シリコン部73はこのエッチ
ング液に対しては単結晶シリコンよりも約100倍の速
度で浸食されるが、シリコンウエハ71の他側面にはガ
ラス基板75が接合されているから他側面からの浸食は
ない。しかし、溝76が多孔質シリコン部73に到達し
た状態で、該多孔質シリコン部73が部分的に浸食され
ることはあるが、後述する多孔質シリコン部除去工程に
よって該多孔質シリコン部73は最終的に除去されるた
め、無視することができる。
【0096】また、図29では、熱燐酸またはRIEを
用いて窒化膜74を除去すると共に、多孔質シリコン部
除去工程を行い、図28の多孔質シリコン部73を除去
するためKOHの水溶液中でエッチング処理を行う。こ
のとき、エッチング速度の速い多孔質シリコン部73は
素早く浸食されるため、第1の実施例で述べた様に、加
速度センサ21となる固定部53,可動部55およびカ
バー60の周壁部60Aがガラス基板75上に分離形成
される。そして、可動部55の各支持部56と質量部5
8の高さ寸法の隙間は多孔質シリコン部73を除去する
ことにより形成され、この隙間によって、質量部58等
はガラス基板52上に隙間を介して支持されるようにな
る。
【0097】この後に、図30のように蓋部60Bとな
る矩形状の凹溝60Cを有するガラス基板77を周壁部
60Aに接合し、図30の一点鎖線に沿ってダイシング
することにより図31に示す加速度センサ51を複数個
製造する。
【0098】このように本実施例による製造方法におい
ても、上述した第1の実施例と同様に、多孔質シリコン
のエッチング速度は単結晶シリコンのエッチング速度よ
り100倍程度速いという特性を利用して、シリコンウ
エハ71の他側面に多孔質シリコン部73を形成して該
他側面にガラス基板75を接合した後に、溝形成工程で
一側面から溝76を形成し、エッチング除去することに
より、加速度センサ51の検出感度に影響を与える固定
部53と可動部55の高さ寸法を設定する。このため、
この高さ寸法を常に一定に保つことができ、各加速度セ
ンサ51の検出感度を一定に保つことができ、製造時に
おける歩留りを向上させる等の種々の効果を奏する。
【0099】次に、本発明による第4の実施例を図32
ないし図38に示すに、本実施例の特徴は第3の実施例
における多孔質シリコン部73を熱酸化処理によって多
孔質酸化シリコン部73′に変えて製造工程に用いたこ
とにある。なお、本実施例では前述した第3の実施例と
同一の構成要素に同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。さらに、同一の工程図
においても、その説明を省略するものとする。
【0100】図において、図32ないし図34は前述し
た第1の実施例による多孔質シリコン部形成工程までの
処理(図23ないし図25)と同様の処理を示し、図3
2は第1のマスキング工程、図33は陽極化成法による
多孔質シリコン部形成工程、図34は保護膜72A,7
2Bの除去工程である。
【0101】次に 図35に示す多孔質酸化シリコン部
形成工程では、シリコンウエハ71を水蒸気雰囲気中で
1050〜1100℃の温度範囲にある酸化炉(図示せ
ず)に挿入して熱酸化させ、多孔質シリコン部73を多
孔質酸化シリコン部73′に変化させる。なおこのと
き、シリコンウエハ71の表面には薄い酸化膜が形成さ
れるが、研磨または希フッ酸によるエッチングによって
除去しておく。
【0102】図36ないし図38は前述した第1の実施
例による第2のマスキング工程から接合工程の処理(図
26ないし図28)と同様の処理を示し、図36は第2
のマスキング工程、図37は接合工程、図38は溝形成
工程である。
【0103】そして、第3の実施例で示した図29に示
すように、図38の状態のまま多孔質酸化シリコン部除
去工程を行い、バッファードフッ酸(4.5%HF+3
6%NH4 F+H2 O)の水溶液中でエッチング処理を
行い、多孔質酸化シリコン部73′を浸食し、該多孔質
酸化シリコン部73′を完全に除去するまでエッチング
する。このとき単結晶シリコンは殆ど浸食されないか
ら、第3の実施例で述べた様に、加速度センサ51とな
る固定部53,可動部55およびカバー60の周壁部6
0Aをガラス基板75上に分離形成することができる。
【0104】さらに、本実施例におけるこの後の処理
は、第3の実施例に示した図30の蓋部60Bとなるガ
ラス基板7の接合工程、ダイシング工程によって図3
1のような加速度センサ51を製造することができるた
め、その図面およびその説明は省略する。
【0105】本実施例による製造方法においても第3の
実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特
に、本実施例ではシリコンウエハ71の他側面に形成し
た多孔質シリコン部73を熱酸化処理して多孔質酸化シ
リコン部73′とすることにより、一側面から溝76を
形成する溝形成工程において、当該溝76は多孔質酸化
シリコン部73′に確実に到達させることができる。そ
して、このエッチングにおいては該多孔質酸化シリコン
部73′は浸食されないから、加速度センサ51の検出
感度を決定付ける各固定部53と可動部55の高さ寸法
(即ち、溝76の深さ寸法)を常に均一にすることがで
きる。
【0106】さらに、多孔質酸化シリコン部除去工程で
は、多孔質酸化シリコン部73′を浸食するバッファー
ドフッ酸の水溶液は単結晶シリコンを浸食することはな
いから、選択的に多孔質酸化シリコン部73′を完全に
エッチング除去でき、しかも単結晶で形成された各固定
部53と可動部55は損傷されることはない。この結
果、各固定部53と可動部55等の損傷のない加速度セ
ンサ51を製造することができる。
【0107】また、シリコンウエハ71全体としてみた
場合では、多孔質酸化シリコン部除去工程でシリコンウ
エハ71の平面上においてエッチング速度に違いがあ
り、場所によって加速度センサ51の固定部53と可動
部55が出来上がる瞬間が異なるようなことがあって
も、多孔質酸化シリコンをエッチングする水溶液は単結
晶シリコンを浸食しないから、製造された各加速度セン
サ51の不良を大幅に減らすことができ、歩留りを向上
させることができる。
【0108】さらに、上述したようにシリコンウエハ7
1によって製造される各加速度センサ51の固定部53
と可動部55の高さ寸法(溝76の深さ寸法)は常に一
定に形成できるから、各加速度センサ51の検出感度を
均一にでき、加速度センサ51の信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
【0109】かくして、本実施例では、検出感度に関わ
る固定部53と可動部55の高さ寸法(溝76の深さ寸
法)を設定するための部分を多孔質酸化シリコン部7
3′によって形成し、単結晶シリコンのエッチング液と
多孔質酸化シリコンのエッチング液が異なるという性質
を利用して加速度センサ51を製造することにより、検
出感度の良い加速度センサ51を1枚のシリコンウエハ
71で多数個製造し、歩留りを向上させる。特に、本実
施例では、第3の実施例においては多孔質シリコン部除
去工程において固定部53と可動部55等が若干浸食さ
れていたのに対してこの浸食を確実になくすことがで
き、第3の実施例による製造方法よって製造された加速
度センサ51の不良をより大幅に減らすことができ、歩
留りをさらに向上させることができる。
【0110】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の本発明で
は、多孔質シリコンを浸食するエッチング液において
は、多孔質シリコンのエッチング速度が単結晶シリコン
のエッチング速度に比べて速いという性質を利用して、
固定部と可動部を分離形成する多孔質シリコン部除去工
程において、多孔質シリコン部を優先的にエッチングす
るから、固定部と可動部がエッチングされるのを防止で
きる。この結果、加速度センサの検出感度を決定する固
定部と可動部の高さ寸法、即ち溝の深さ寸法を均一にす
ると共に、固定部と可動部のエッチングによる損傷を防
止し、加速度センサの歩留りを向上させると共に、検出
感度の信頼性を向上できる。
【0111】また、請求項2の発明では、単結晶シリコ
ンと多孔質酸化シリコンとをエッチングするエッチング
液が異なることを利用して、多孔質酸化シリコン部形成
工程によってシリコン板の一側面に多孔質酸化シリコン
部を形成し、固定部と可動部を形成するための溝を形成
する溝形成工程において多孔質酸化シリコン部に向けて
他側面から溝を形成することにより、溝の深さを正確に
決定することができる。また、固定部と可動部とを分離
形成する多孔質酸化シリコン部形成工程において、多孔
質酸化シリコン部のみを優先的にエッチングするから、
固定部と可動部がエッチングされるのを確実に防止でき
る。この結果、加速度センサの検出感度を決定する固定
部と可動部の高さ寸法、即ち溝の深さ寸法を均一にする
と共に、固定部と可動部のエッチングによる損傷を防止
し、加速度センサの歩留りを向上させると共に、検出感
度の信頼性を向上できる。
【0112】さらに、請求項3の発明では、多孔質シリ
コンを浸食するエッチング液においては、多孔質シリコ
ンのエッチング速度が単結晶シリコンのエッチング速度
に比べて速いという性質を利用して、固定部と可動部を
分離形成する多孔質シリコン部除去工程において、多孔
質シリコン部を優先的にエッチングするから、固定部と
可動部がエッチングされるのを防止できる。この結果、
加速度センサの検出感度を決定する固定部と可動部の高
さ寸法、即ち溝の深さ寸法を均一にすると共に、固定部
と可動部のエッチングによる損傷を防止し、加速度セン
サの歩留りを向上させると共に、検出感度の信頼性を向
上できる。
【0113】さらにまた、請求項4の発明では、単結晶
シリコンと多孔質酸化シリコンとをエッチングするエッ
チング液が異なることを利用して、多孔質酸化シリコン
部形成工程によってシリコン板の他側面に多孔質酸化シ
リコン部を形成し、固定部と可動部を形成するための溝
を形成する溝形成工程において多孔質酸化シリコン部に
向けて一側面から溝を形成することにより、溝の深さを
正確に決定することができる。また、固定部と可動部と
を分離形成する多孔質酸化シリコン部形成工程におい
て、多孔質酸化シリコン部のみを優先的にエッチングす
るから、固定部と可動部がエッチングされるのを確実に
防止できる。この結果、加速度センサの検出感度を決定
する固定部と可動部の高さ寸法、即ち溝の深さ寸法を均
一にすると共に、固定部と可動部のエッチングによる損
傷を防止し、加速度センサの歩留りを向上させると共
に、検出感度の信頼性を向上できる。
【0114】一方、請求項5によれば、前記絶縁基板に
はスルホールを介して固定部と可動部と電気的に接続さ
れる導電性材料が設けられているから、加速度センサか
らの信号を該各導電性材料を介して導出することがで
き、簡単に加速度センサを装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による加速度センサを一
部破断にして示す横断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図であ
る。
【図3】第1の実施例による製造方法に係り、シリコン
ウエハの一側面に多孔質シリコン部を形成するための第
1のマスキング工程を示す縦断面図である。
【図4】第1のマスキング工程後に陽極化成法によっ
て、シリコンウエハの一側面に多孔質シリコン部を形成
する多孔質シリコン部形成工程を示す縦断面図である。
【図5】多孔質シリコン部形成工程後に第1のマスキン
グ工程でマスキングされた保護膜除去を示す縦断面図で
ある。
【図6】一側面に多孔質シリコン部が形成されたシリコ
ンウエハの他側面に溝を形成するための第2のマスキン
グ工程を示す縦断面図である。
【図7】第2のマスキング工程後にエッチング処理を施
すことにより、固定部と可動部とを形成するための溝を
シリコンウエハの他側面から形成する溝形成工程を示す
縦断面図である。
【図8】溝形成工程後に第2のマスキング工程でマスキ
ングされた窒化膜除去を示す縦断面図である。
【図9】溝が形成されたシリコンウエハの他側面に基台
となるガラス基板を陽極接合法によって接合する接合工
程を示す縦断面図である。
【図10】接合工程後にエッチング処理を施すことによ
り、シリコンウエハの一側面に形成された多孔質シリコ
ン部を除去する多孔質シリコン部除去工程を示す縦断面
図である。
【図11】多孔質シリコン部除去工程後に蓋部となるガ
ラス基板を接合する接合工程を示す縦断面図である。
【図12】図11に示す一点鎖線に沿ってダイシングを
行って製造された加速度センサを示す縦断面図である。
【図13】第2の実施例による製造方法に係り、シリコ
ンウエハの一側面に多孔質シリコン部を形成するための
第1のマスキング工程を示す縦断面図である。
【図14】第1のマスキング工程後に陽極化成法によっ
て、シリコンウエハの一側面に多孔質シリコン部を形成
する多孔質シリコン部形成工程を示す縦断面図である。
【図15】多孔質シリコン部形成工程後の第1のマスキ
ング工程でマスキングされた保護膜除去を示す縦断面図
である。
【図16】多孔質シリコン部が形成されたシリコンウエ
ハを熱酸化処理することにより、シリコンウエハの一側
面に多孔質酸化シリコン部を形成する多孔質酸化シリコ
ン部形成工程を示す縦断面図である。
【図17】多孔質酸化シリコン部が形成されたシリコン
ウエハの他側面に溝を形成するための第2のマスキング
工程を示す縦断面図である。
【図18】第2のマスキング工程後にエッチング処理を
施すことにより、固定部と可動部とを形成するための溝
をシリコンウエハの他側面から形成する溝形成工程を示
す縦断面図である。
【図19】溝形成工程後に第2のマスキング工程でマス
キングされた窒化膜除去を示す縦断面図である。
【図20】溝が形成されたシリコンウエハの他側面に基
台となるガラス基板を陽極接合法によって接合する接合
工程を示す縦断面図である。
【図21】本発明の第3の実施例による加速度センサを
一部破断にして示す横断面図である。
【図22】図21中の矢示XXII−XXII方向からみた縦断
面図である。
【図23】第3の実施例による製造方法に係り、シリコ
ンウエハの他側面に多孔質シリコン部を形成するための
第1のマスキング工程を示す縦断面図である。
【図24】第1のマスキング工程後に陽極化成法によっ
て、シリコンウエハの他側面に多孔質シリコン部を形成
する多孔質シリコン部形成工程を示す縦断面図である。
【図25】多孔質シリコン部形成工程後に第1のマスキ
ング工程でマスキングされた保護膜除去を示す縦断面図
である。
【図26】他側面に多孔質シリコン部が形成されたシリ
コンウエハの一側面に溝を形成するための第2のマスキ
ング工程を示す縦断面図である。
【図27】第2のマスキング工程後にシリコンウエハの
他側面に基台となるガラス基板を陽極接合法によって接
合する接合工程を示す縦断面図である。
【図28】接合工程後にエッチング処理を施すことによ
り、固定部と可動部とを形成するための溝をシリコンウ
エハの一側面に形成する溝形成工程を示す縦断面図であ
る。
【図29】溝形成工程後に第2のマスキング工程でマス
キングされた窒化膜除去すると共に、多孔質シリコン部
を除去する多孔質シリコン部除去工程を示す縦断面図で
ある。
【図30】多孔質シリコン部除去工程後に蓋部となるガ
ラス基板を接合する接合工程を示す縦断面図である。
【図31】図30に示す一点鎖線に沿ってダイシングを
行って製造された加速度センサを示す縦断面図である。
【図32】第4の実施例による製造方法に係り、シリコ
ンウエハの他側面に多孔質シリコン部を形成するための
第1のマスキング工程を示す縦断面図である。
【図33】第1のマスキング工程後に陽極化成法によっ
て、シリコンウエハの他側面に多孔質シリコン部を形成
する多孔質シリコン部形成工程を示す縦断面図である。
【図34】多孔質シリコン部形成工程後の第1のマスキ
ング工程でマスキングされた保護膜除去を示す縦断面図
である。
【図35】多孔質シリコン部が形成されたシリコンウエ
ハを熱酸化処理することにより、シリコンウエハの他側
面に多孔質酸化シリコン部を形成する多孔質酸化シリコ
ン部形成工程を示す縦断面図である。
【図36】多孔質酸化シリコン部が形成されたシリコン
ウエハの一側面に溝を形成するための第2のマスキング
工程を示す縦断面図である。
【図37】第2のマスキング工程後にシリコンウエハの
他側面に基台となるガラス基板を陽極接合法によって接
合する接合工程を示す縦断面図である。
【図38】接合工程後にエッチング処理を施すことによ
り、固定部と可動部とを形成するための溝をシリコンウ
エハの一側面から形成する溝形成工程を示す縦断面図で
ある。
【図39】先行技術による加速度センサを示す平面図で
ある。
【図40】図39中の矢示XL−XL方向からみた縦断面図
である。
【図41】シリコンウエハの他側面に溝を形成するため
のマスキング工程を示す縦断面図である。
【図42】マスキング工程後に第1のエッチング工程を
施すことにより、シリコンウエハの他側面に固定部と可
動部を形成するための溝を形成する溝形成工程を示す縦
断面図である。
【図43】マスキング工程による保護膜を除去する保護
膜除去を示す縦断面図である。
【図44】溝が形成されたシリコンウエハの他側面に基
台となるガラス基板を陽極接合法により接合する接合工
程を示す縦断面図である。
【図45】接合工程の後にエッチング処理を施すことに
より、固定部と可動部を分離形成する第2のエッチング
工程を示す縦断面図である。
【図46】図45に示す一点鎖線に沿ってダイシングを
行って製造された加速度センサを示す縦断面図である。
【図47】図45の状態を4個の加速度センサとして示
す平面図である。
【図48】図47中の矢示XLVIII−XLVIII方向からみた
縦断面図である。
【図49】図45の状態をシリコンウエハとしてみたと
きの平面図である。
【符号の説明】
21,51 加速度センサ 22,46,52,75 ガラス基板(絶縁基板) 22B,46B,52A,75A スルホール 23,53 固定部 25,55 可動部 30,60 カバー 30A,60A 周壁部 30B,60B 蓋部 31,61 電極パターン 32,62 導電性部材 41,71 シリコンウエハ(シリコン基板) 43,73 多孔質シリコン部 43′,73′ 多孔質酸化シリコン部 45,76 溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側面と他側面とを有する単結晶のシリ
    コン板の一側面に陽極化成法によって多孔質シリコン部
    を形成する多孔質シリコン部形成工程と、該多孔質シリ
    コン部が形成されたシリコン板の他側面からエッチング
    処理を施し、固定部と可動部とを分離するための溝を前
    記多孔質シリコン部まで届くように形成する溝形成工程
    と、前記シリコン板に溝を形成した後に、該シリコン板
    の他側面を絶縁基板上に接合する接合工程と、前記シリ
    コン板を凹溝を有する絶縁基板上に接合した状態で、前
    記シリコン板の一側面からエッチング処理を施し、前記
    多孔質シリコン部を除去して前記シリコン板に固定部と
    可動部とを分離して形成する多孔質シリコン部除去工程
    とからなる加速度センサの製造方法。
  2. 【請求項2】 一側面と他側面とを有する単結晶のシリ
    コン板の一側面に陽極化成法によって多孔質シリコン部
    を形成する多孔質シリコン部形成工程と、該多孔質シリ
    コン部が形成されたシリコン板を熱酸化によって前記多
    孔質シリコン部を多孔質酸化シリコン部にする多孔質酸
    化シリコン部形成工程と、該多孔質酸化シリコン部が形
    成されたシリコン板の他側面からエッチング処理を施
    し、固定部と可動部とを分離するための溝を前記多孔質
    酸化シリコン部まで届くように形成する溝形成工程と、
    前記シリコン板に溝を形成した後に、該シリコン板の他
    側面を絶縁基板上に接合する接合工程と、前記シリコン
    板を凹溝を有する絶縁基板上に接合した状態で、前記シ
    リコン板の一側面からエッチング処理を施し、前記多孔
    質酸化シリコン部を除去して前記シリコン板に固定部と
    可動部とを分離して形成する多孔質酸化シリコン部除去
    工程とからなる加速度センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 一側面と他側面とを有する単結晶のシリ
    コン板の他側面に陽極化成法によって多孔質シリコン部
    を形成する多孔質シリコン部形成工程と、該多孔質シリ
    コン部が形成されたシリコン板の他側面を絶縁基板上に
    接合する接合工程と、前記シリコン板の一側面からエッ
    チング処理を施し、固定部と可動部とを分離するための
    溝を前記多孔質シリコン部まで届くように形成する溝形
    成工程と、前記シリコン板に溝を形成した後に、該シリ
    コン板の一側面からエッチング処理を施し、前記多孔質
    シリコン部を除去して前記シリコン板に固定部と可動部
    とを分離して形成する多孔質シリコン部除去工程とから
    なる加速度センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 一側面と他側面とを有する単結晶のシリ
    コン板の他側面に陽極化成法によって多孔質シリコン部
    を形成する多孔質シリコン部形成工程と、該多孔質シリ
    コン部が形成されたシリコン板を熱酸化させることによ
    り、前記多孔質シリコン部を多孔質酸化シリコン部に変
    化させる多孔質酸化シリコン部形成工程と、該多孔質酸
    化シリコン部が形成されたシリコン板の他側面を絶縁基
    板上に接合する接合工程と、前記シリコン板の一側面か
    らエッチング処理を施し、固定部と可動部とを分離する
    ための溝を前記多孔質酸化シリコン部まで届くように形
    成する溝形成工程と、前記シリコン板に溝を形成した後
    に、該シリコン板の一側面からエッチング処理を施し、
    前記多孔質酸化シリコン部を除去して前記シリコン板に
    固定部と可動部とを分離して形成する多孔質酸化シリコ
    ン部除去工程とからなる加速度センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接合工程でシリコン板に接合される
    絶縁基板には、固定部と可動部に電気的に接続される導
    電性材料が充填されるスルホールを形成してなる請求項
    1,2,3または4記載の加速度センサの製造方法。
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