JPH07334726A - 硬貨処理機用金庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動券売機等に用いられるオートロック式の
硬貨用金庫を構造簡単に実現する。 【構成】 金庫本体の上部に設けられた開口を覆うよう
に設けられ、かつ常時その開口を閉じるように付勢され
ている蓋と、その蓋が閉じられた状態を施錠するロック
機構と、前記ロック機構が解錠されて前記蓋が開かれた
ときに、その蓋を係止させる係止片と、前記金庫本体が
硬貨処理機本体内に装着されたときに、前記係止片の係
止を解き、かつ蓋の移動を停止させる、その硬貨処理機
本体に設けられた作動片とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動券売機や自動精算
機、あるいは各種の自動販売機のように、硬貨を受け入
れて発券処理や販売処理等の所定の処理動作を行う硬貨
処理機に組込まれる硬貨処理機用金庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば自動券売機に硬貨が投入さ
れると、その硬貨は鑑別部（ビルチェッカー）で真偽と
種別が判定され、金種毎に一時保留部に貯留された後、
金種毎の釣銭ホッパー又は金種毎の硬貨処理機用金庫
（以下、金庫という）に回収される。この金庫への硬貨
投入は、金庫上部に設けられている開口部から行われ
る。

【０００３】金庫に回収された硬貨は、満杯センサの検
知により、又は定時間ごとに金庫ごと硬貨処理機（自動
券売機）から取出されて計数処理されて、金融機関等の
所定の場所へ持込まれる。そして、空になった金庫は、
再び硬貨処理機にセットされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の金庫は、硬貨を投入するために上部が開口している
ので、安全性にかけるという問題点があった。

【０００５】すなわち、金庫を硬貨処理機から外して移
動する際は、内部の硬貨が係員のみならず、硬貨処理機
（自動券売機）が駅構内等に設けられている場合には、
利用者の目にも触れて防盗性に欠ける問題点を有してい
た。

【０００６】このような問題点を解決するために、ＡＴ
Ｍ等の紙幣処理機に組込まれているような、金庫を紙幣
処理機から外したときに自動的に施錠されるオートロッ
ク式の紙幣用金庫に似た構造にすることも考えられる
が、構造が複雑になってそのまま適用することができな
い。

【０００７】そこで、本発明は、上記欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、簡単な構造で
自動的に施錠できる金庫を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る金庫は、上
記目的を達成するために、金庫本体の上部の開口を覆う
ように設けられ、かつ常時その開口を閉じるように付勢
されている蓋と、その蓋が閉じられた状態を施錠するロ
ック機構と、前記ロック機構が解錠されて前記蓋が開か
れたときに、その蓋を係止させる係止片と、前記金庫本
体が硬貨処理機本体内に装着されたときに、前記係止片
の係止を解き、かつ前記蓋の移動を停止させる、その硬
貨処理機本体に設けられた作動片とを有することを特徴
としている。また、前記ロック機構は、硬貨処理機用金
庫本体の側部に設けられた開閉蓋を施錠するものである
ことを特徴としている。さらに、前記開閉蓋の水平方向
の一端側は、前記ロック機構の主片とその開閉蓋の裏面
に設けられた係合部とが係合して施錠されるとともに、
その他端側は、その主片の傾斜面で水平移動するかんぬ
き部材で施錠されるものであることを特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成において、作動片は、金庫本体が硬貨
処理機本体内に装着されたときに、係止片の係止を解
き、かつ蓋の移動を停止させる。そして、金庫本体が硬
貨処理機本体から引き出されると、作動片は蓋の移動停
止を解く。これにより、金庫本体の開口は閉じられる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図１は、一実施例に係る金庫の斜視図であって、金
庫本体１の全体形状は、ほぼ直方体を呈していて、その
左右側部に持運び用の取手２ａ，２ｂがそれぞれ設けら
れている。

【００１１】金庫本体１の上部には、長方形状の開口３
が設けられていて、この開口３の内側（金庫本体１の内
側）には、その開口３を覆うことのできる大きさの蓋４
が移動自在に設けられている。

【００１２】すなわち、蓋４は、開口３の裏面を金庫本
体１の上部面に沿って水平に、つまり図１の矢印方向
に移動できるように構成されている。なお、図１の４′
は、蓋４が、開口３を開けたときの蓋４の端辺を示して
いる。

【００１３】図１中、５は、蓋４に設けられた突起であ
って、蓋４を開けるときに指を掛けることができるよう
に構成される。また、金庫本体１の上部には蓋４が開け
られたときの突起５の逃げ１′が設けられている。

【００１４】金庫本体１の一方の側部（図１の例では左
側の側部）には硬貨の排出口１ａが設けられている。そ
して、この排出口１ａには、上辺をヒンジ止めされた開
閉蓋１ｂが設けられている。この開閉蓋１ｂは、二点鎖
線（図中、１ｂ′参照）で示されるように開き、金庫本
体１内の硬貨を排出口１ａから排出することができるよ
うに構成されている。

【００１５】図１中、６は鍵穴であって、蓋４及び開閉
蓋１ｂをロックし、また解錠するときに図示しないキー
を挿入するときに用いられる。なお、ロック機構につい
ては後述する。

【００１６】図１中、１０は金庫本体１を載置する水平
に移動可能な架台であって、矢印方向に移動したとき
は、金庫本体１を図示しない硬貨処理機本体から引き出
し、また、逆に矢印方向に移動したときは、金庫本体
１を硬貨処理機本体内に装着させることができるように
構成されている。

【００１７】図１中、１１は図示しない硬貨処理機本体
に設けられた作動片であって、上記突起５が開口３を閉
じた位置（図１の実線位置）にあるとき、及び後述する
ロック機構の係止片の上部が、金庫本体１を硬貨処理機
本体内に装着するときに衝突し、突起５が開口を開けた
位置（図１の二点鎖線位置）にあるときに衝突しない位
置を保って設けられている。

【００１８】次に、図２〜図４を用いて、ロック機構２
０、蓋４及び開閉蓋１ｂの動作原理について説明する。
なお、これら図は、動作原理を示した図であるので、上
記図１の各構成要素の位置とは完全に一致していない。

【００１９】図２は、蓋４及び開閉蓋１ｂがロック機構
２０でロックされている状態、つまり図１の実線状態時
を示している。

【００２０】ロック機構２０は、図示しないキーで回転
される主片２１と、その主片２１の一端部２１ａ（図示
の例では右端部）と当接して上下動される副片２２とを
有している。

【００２１】副片２２は、ばね２３により常時、上方へ
付勢されるように構成されている（矢印参照）。そし
て、その副片２２の傾斜面を有する上端部２２ａの左端
側は、蓋４の裏面に設けられた傾斜凸部４ａの右端側に
当接し、蓋４を施錠できるように構成されている。

【００２２】すなわち、蓋４は、ばね７により、常時、
開口３を閉じる方向に付勢しているので（矢印参
照）、傾斜凸部４ａが副片２２の右側に位置していると
きは、ばね７の作用により左側に移動し、このとき傾斜
凸部４ａの傾斜面と副片２２の上端部２２ａの傾斜面と
が作用して、副片２２を下方へ押し下げる。したがっ
て、図２に示されるように、傾斜凸部４ａが副片２２の
左側に位置して蓋４の施錠が行なわれる。

【００２３】図３は、蓋４及び開閉蓋１ｂの解錠の原理
を示している。

【００２４】主片２１がキーにより時計方向（矢印参
照）に９０°回転されると、主片２１の一端部２１ａが
ばね２３に抗して副片２２を下方へ押し下げ、その副片
２２のＬ字状の下部２２ｂに当接する。したがって、主
片２２の上端部２２ａが傾斜凸部４ａの下方に位置した
状態を維持し、蓋４は解錠された状態になるとともに、
主片２１が回転されることにより、主片２１の他端部２
１ｂが開閉蓋１ｂの裏側に設けられている係合部１ｃか
ら外れて開閉蓋１ｂも解錠される。これにより、開閉蓋
１ｂのヒンジ部に設けられたばね８の作用により、開閉
蓋１ｂが、矢印に示されるように開かれる。

【００２５】この解錠状態で、金庫本体１の取手２ａ，
２ｂを持って、開閉蓋１ｂ側が下になるように傾ける
と、排出口１ａから金庫本体１内の硬貨を排出すること
ができる。

【００２６】また、突起５を矢印イに示されるように、
つまり開口３を開ける方向に摺動させると、傾斜凸部４
ａの左端が係止片２４に位置する。そして、係止片２４
は、ばね２５の作用により上昇することができる。

【００２７】すなわち、この係止片２４は、蓋４が開口
３を開いた状態で上方へ突出できる位置に設けられてい
るので、係止片２４が上方へ突出した後は、突起５から
手を離しても、蓋４は開状態を維持することができる。

【００２８】図４は、金庫本体１を硬貨処理機本体内に
装着する前に開閉蓋１ｂを施錠した状態を示している。

【００２９】開閉蓋１ｂを施錠するには、ばね８に抗し
て開閉蓋１ｂを閉じた状態で、キーを用いて主片２１を
反時計方向に９０°回転させる。これにより、主片２１
の他端部２１ｂが開閉蓋１ｂの係合部１ｃに係合し施錠
される。

【００３０】開閉蓋１ｂの閉じられた金庫本体１は、架
台１０の所定位置に載置される。そして、その架台１０
が硬貨処理機本体側に挿入されると（図１の矢印参
照）、係止片２４の傾斜面を有する上端部２４ａが硬貨
処理機本体に設けられた作動片１１に当接して係止片２
４を押し下げる。

【００３１】係止片２４の降下により、蓋４は、ばね７
により開口３を閉じる方向に移動する。しかし、その移
動は、突起５が作動片１１に当接して開き状態を維持さ
せる。したがって、金庫本体１は、開口３の開状態を保
持し、その開かれている開口３から硬貨を投入すること
ができる。

【００３２】また、架台１０を硬貨処理機本体から引出
す方向に移動すると（図１の矢印参照）、突起５は作
動片１１から外れて、ばね７の作用により蓋４が閉じら
れ、これにより蓋４は自動的に施錠される（図２参
照）。

【００３３】以上のように、本実施例に係る蓋４は、開
口３を閉じた状態では突起５が作動片１１に衝突して硬
貨処理機本体内の所定位置までに挿入できないので、開
口３が閉じられた状態での金庫本体１のセットを未然に
防止することができる。

【００３４】そして、金庫本体１を硬貨処理機本体から
取出すと自動的に施錠され、安全性が保証される。

【００３５】なお、上述の実施例では、金庫本体１の側
部に開閉蓋１ｂを設けるようにしたが、これを省略し、
さらに構造を簡単にすることもできる。つまり、硬貨の
排出を開口３から行うようにしてもよい。この場合は、
開口３の位置を図１に示されるよりも側部側（開閉蓋１
ｂの設けられている側）に寄せるようにするとよい。

【００３６】図５は、本発明の他の実施例に係る金庫１
の開閉蓋１ｂ側の一部を切欠いて示した正面図である。
本実施例に係る金庫は、上述の実施例が開閉蓋１ｂの施
錠は、主片２１の他端部２１ｂが開閉蓋１ｂの裏側の一
端側、つまり鍵穴６側に設けられている係合部１ｃに係
合して行なわれるだけなので、開閉蓋１ｂの他端側が硬
貨の重みで隙間ができたり、あるいはその他端側から硬
貨を抜き取られるおそれがある。

【００３７】そこで、本実施例に係る金庫では、主片２
１の傾斜面２１ｃで移動されるかんぬき部材３０で、開
閉蓋１ｂの他端側も施錠できるように構成されている。

【００３８】このかんぬき部材３０は、排出口１ａの水
平方向の開口長さよりも少し長い棒材からなり、上記主
片２１が開閉蓋１ｂを施錠したときの位置（図２及び図
４参照）に対応して開閉蓋１ｂと平行し、かつ水平に、
しかも移動自在に開閉蓋１ｂの裏側に設けられている。

【００３９】上記かんぬき部３０は、コイルばね３１に
より、常時、主片２１側方向に移動するように付勢され
ている（図５及び後述の図６の矢印イ参照）。そして、
かんぬき部材３０がコイルばね３１で付勢されて移動し
たときは、かんぬき部材３０の長手方向の一端部３０ａ
は、排出口１ａの側壁に接しないように、また、他端部
３０ｂは、排出口１ａの側壁に接しないように、つまり
開閉蓋１ｂが開かれるように排出口１ａの側壁の一部が
切欠かれている（図示せず）。

【００４０】図６は、主片２１とかんぬき部材３１の当
接関係を示す斜視図であって、かんぬき部材３０の他端
部３０ｂが主片２１の傾斜面２１ｃに当接したときにコ
イルばね３１に抗して移動できるように構成されている
（図５及び図６の矢印ロ参照）。そして、このとき、か
んぬき部材３０の一端部３０ａは、排出口１ａの側壁に
設けられた穴（図示せず）に挿入して開閉蓋１ｂの他端
側が施錠される。もちろん、このとき、開閉蓋１ｂの一
端側は、主片２１の他端部２１ｃが係合部１ｃに係合し
て施錠されている。したがって、開閉蓋１ｂは、両側で
施錠され、硬貨の重みで隙間があいたり、その隙間から
硬貨が抜き取られるのを効果的に防止することができ
る。

【００４１】

【発明の効果】本発明に係る金庫は、金庫本体の上部に
設けられた開口を覆うように設けられ、かつ常時その開
口を閉じるように付勢されている蓋と、その前記蓋が閉
じられた状態を施錠するロック機構と、前記ロック機構
が解錠されて前記蓋が開かれたときに、その蓋を係止さ
せる係止片と、前記金庫本体が硬貨処理機本体内に装着
されたときに、前記係止片の係止を解き、かつ前記蓋の
移動を停止させる、その硬貨処理機本体に設けられた作
動片とからなるので、簡単な構造で自動施錠可能な金庫
とすることができる。また、ロック機構で、硬貨処理機
用金庫本体の側部に設けられた開閉蓋をロックするよう
にしたときは、開閉蓋を介して硬貨を排出することがで
きる。さらに、かんぬき部材を設けたときは、開閉蓋の
施錠状態を強固にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る金庫の斜視図である。

【図２】蓋及び開閉蓋が施錠されている状態を示す説明
図である。

【図３】蓋及び開閉蓋が解錠されているときの状態を示
す説明図である。

【図４】金庫本体が硬貨処理機本体にセットされている
ときの状態を示す説明図である。

【図５】本発明の他の実施例に係る金庫の開閉蓋側の正
面図である。

【図６】主片とかんぬき部材の当接状態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 硬貨処理機用金庫本体（金庫本体） ３ 開口 ４ 蓋 ５ 突起 ６ 開閉蓋 １０ 架台 １１ 作動片 ２０ ロック機構 ２１ 主片 ２１ｃ 傾斜面 ２２ 副片 ２４ 係止片 ３０ かんぬき部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬貨処理機用金庫本体の上部の開口を覆
   うように設けられ、かつ常時その開口を閉じるように付
   勢されている蓋と、 前記蓋が閉じられた状態を施錠するロック機構と、 前記ロック機構が解錠されて前記蓋が開かれたときに、
   その蓋を係止させる係止片と、 前記硬貨処理機用金庫本体が硬貨処理機本体内に装着さ
   れたときに、前記係止片の係止を解き、かつ前記蓋の移
   動を停止させる、その硬貨処理機本体に設けられた作動
   片と、 を有することを特徴とする硬貨処理機用金庫。
2. 【請求項２】 前記ロック機構は、前記硬貨処理機用金
   庫本体の側部に設けられた開閉蓋を施錠するものである
   請求項１記載の硬貨処理機用金庫。
3. 【請求項３】 前記開閉蓋の水平方向の一端側は、前記
   ロック機構の主片とその開閉蓋の裏面に設けられた係合
   部とが係合して施錠されるとともに、その他端側は、そ
   の主片の傾斜面で水平移動するかんぬき部材で施錠され
   るものであることを特徴とする請求項２記載の硬貨処理
   機用金庫。