JPH07334164A - 防音、制振及び断熱用複合パネル - Google Patents

防音、制振及び断熱用複合パネル

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JPH07334164A
JPH07334164A JP6154187A JP15418794A JPH07334164A JP H07334164 A JPH07334164 A JP H07334164A JP 6154187 A JP6154187 A JP 6154187A JP 15418794 A JP15418794 A JP 15418794A JP H07334164 A JPH07334164 A JP H07334164A
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Japan
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composite panel
damping
soundproofing
heat insulating
convex portion
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JP6154187A
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Jun Hara
純 原
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工を容易にして製造コストの低廉化が図れ
る防音性、制振性及び断熱性を有する複合パネルを提供
する。 【構成】 対峙する一対の表面板11,12の一方の第
1の表面板11に、他方の第2の表面板12に向って突
出する補強リブ13を設ける。補強リブ13の先端と、
この補強リブ13に対向する第2の表面板12の部位
に、互いに嵌合する凹部14と凸部15とを形成する。
凹部14と凸部15とを、強度と適度の弾性を有する接
着剤16を介在して接着接合する。これにより、組立て
られた複合パネル10は、防音性、制振性及び断熱性の
全てを満足することができ、かつ、加工を容易にして製
造コストの低廉化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、防音、制振及び断熱
用複合パネルに関するもので、更に詳細には、例えば船
舶、車両、自動車あるいは建築等の構造材として使用さ
れる防音、制振及び断熱用複合パネルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム合金製中空形材に
よる構造要素は、主として6000系アルミニウム合金
が用いられ、組立における製造コストの低減、軽量化と
同時に剛性の確保に優れた特性を発揮している。
【0003】しかし、この中空形材の横断面の中空部の
形状は、三角形ないしは四角形となる場合が殆どであ
り、いずれの場合も使用状態において、外部側からの騒
音、振動、熱影響等は、外側の面から補強リブを伝わっ
て内側の面に伝達される。この現象は、いわゆるサウン
ドブリッジあるいはヒートブリッジと呼ばれる所以であ
って、中空形材の構造材用途における不利な点と考えら
れている。
【0004】そこで、これらの不利を改善するために、
防音、制振対策として、中空形材の表面に例えばゴムや
合成樹脂製の制振材を貼付したり、中空形材の内・外面
に例えば制振塗料を塗布するなどの処置が採られてい
る。また、断熱対策としては、中空部分に発泡断熱材を
充填するか、断熱材を貼付するなどの処置が採られてい
る。
【0005】また、中空形材以外の防音、制振用パネル
として、一般に、両表面板間にゴムや合成樹脂等の粘弾
性体等を介在させたもの(実公昭60−15924号公
報、実公昭63−10045号公報、実開昭59−22
816号等参照)が知られており、更には、防音構造と
して、防音対象の2部材の一方に装着される部材を他方
の部材に設けられた容器内の例えばウレタン樹脂等の構
成樹脂内に挿入する構造が知られている(実公昭58−
62414号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
防音、制振、断熱処理等を施した中空形材においては、
特に防音、制振の点において十分な効果が期待できない
という問題があり、また、防音、制振及び断熱の全てを
満足させることは難しいという問題があった。これに対
して、中空形材以外のパネルにおいては、防音、制振及
び断熱の全てを満足させることは可能であるが、防音、
制振及び断熱効果をもたせるためには多くの部材が必要
となり、構造が複雑になるため、加工が面倒で製造コス
トが高価になるという問題がある。
【0007】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、防音性、制振性及び断熱性の全てを満足し、かつ、
容易に加工でき、製造コストの低廉化を図れるようにし
た防音、制振及び断熱用複合パネルを提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルは、対峙
する一対の表面板のうちの少なくとも一方に、他方の表
面板に向って突出する補強リブを設け、上記補強リブの
先端と、この補強リブに対向する表面板の部位に、互い
に嵌合する凹部と凸部とを形成し、上記凹部と凸部と
を、強度と適度の弾性を有する接着剤を介在して接着接
合してなることを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】この発明において、上記両表面板は、凹部
と凸部とを強度と適度の弾性を有する接着剤を介して接
着接合される中空部を形成するものであれば、任意のも
のでよいが、好ましくは、両表面板間に形成される中空
部の内面に、制振材を貼付又は制振塗料を塗布するか、
あるいは、吸音材兼断熱材を充填してなる方がよい(請
求項2,3)。
【0010】また、上記表面板は少なくとも一方が補強
リブを有するものであれば、その材質は任意のものでよ
く、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成する
ことができる他、表面板のうちの少なくとも一方を磁性
を有する板状部材例えば鋼板等にて形成することもでき
る(請求項4)。表面板を鋼板等の磁性を有する部材に
て形成する場合は、補強リブあるいは凸部を別部材にて
形成し、表面板と凸部材等とを溶接等で固着することが
できる。
【0011】また、上記凹部と凸部は互いに嵌合なもの
であれば、その形状は任意でよく、例えば断面円弧状の
凹溝にて凹部を形成し、断面円弧状の凸条にて凸部を形
成する連続状の凹部と凸部とするか、あるいは、断続状
に形成される凹部と凸部とすることができる。この場
合、凹部と凸部をそれぞれ断面円弧状に形成し、上記凹
部と凸部を互いに緩やかに静合ないしは滑合に嵌合する
と共に、凹部と凸部間に均一な厚さの接着部を形成する
方が好ましい(請求項5)。この場合、接着剤中、所定
寸法径の同一の樹脂ビーズ等の粒状物質を混入すること
により、容易に等間隔の隙間(接着剤厚さ)を維持する
ことができる。
【0012】また、上記凹部を、狭隘開口状の基部と、
この基部内に突設されて開口側が膨隆する係合突起とで
構成し、上記凸部を、上記係合突起と係合し得る開口部
を有すると共に、係合突起との係合により外方へ弾性変
形可能に形成することにより、凹部と凸部の嵌合が更に
確実に行える点で好ましい(請求項6)。
【0013】
【作用】上記のように構成されるこの発明の防音、制振
及び断熱用複合パネルによれば、対峙する一対の表面板
のうちの少なくとも一方に、他方の表面板に向って突出
する補強リブを設け、補強リブの先端と、この補強リブ
に対向する表面板の部位に、互いに嵌合する凹部と凸部
とを形成し、凹部と凸部とを、強度と適度の弾性を有す
る接着剤を介在して接着接合することにより、両表面板
間に中空部をもたせ、かつ、制振材を介在させて接着接
合することができる。したがって、防音、制振及び断熱
性の全てを満足することができる(請求項1)。
【0014】また、両表面板間に形成される中空部の内
面に、制振材を貼付又は制振塗料を塗布することによ
り、更に制振性の向上を図ることができる(請求項
2)。
【0015】また、両表面板間に形成される中空部の内
面に、吸音材兼断熱材を充填することにより、更に防音
及び断熱性の向上を図ることができる(請求項3)。
【0016】また、表面板のうちの少なくとも一方を磁
性を有する板状部材にて形成することにより、磁気を吸
収することができるので、例えば超電導浮上式鉄道車両
用、あるいは同関連建築用等の構造材に適用することが
できる(請求項4)。
【0017】また、凹部と凸部をそれぞれ断面円弧状に
形成し、凹部と凸部を互いに緩やかに静合ないしは滑合
に嵌合すると共に、凹部と凸部間に均一な厚さの接着部
を形成することにより、凹部と凸部間に均一な厚さの接
着剤層を形成することができるので、防音及び制振精度
の向上を図ることができる(請求項5)。
【0018】また、凹部を、狭隘開口状の基部と、この
基部内に突設されて開口側が膨隆する係合突起とで構成
し、上記凸部を、上記係合突起と係合し得る開口部を有
すると共に、係合突起との係合により外方へ弾性変形可
能に形成することにより、凹部と凸部とを嵌合する際、
係合突起の膨隆部によって凹部を外側へ押圧することが
できるので、凹部と凸部の嵌合を更に確実にすることが
でき、両表面板の接着接合を強固にすることができる
(請求項6)。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。
【0020】◎第一実施例 図1はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの第
一実施例の概略断面図、図2は第一実施例の表面板の概
略断面図が示されている。
【0021】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネ
ル10は、対峙する一対の表面板11,12の一方の表
面板11(以下に第1の表面板という)に、他方の表面
板12(以下に第2の表面板という)に向って突出する
補強リブ13を設け、この補強リブ13の先端部に形成
された凹部14と、補強リブ13に対向する第2の表面
板12の部位に設けられた凸部15とを、強度と適度の
弾性を有する接着剤16を介在して接着接合してなる。
【0022】なお、複合パネル10の一側縁(図1にお
いて左側)の両表面板11,12には、パネル同士の接
合用の凸条継手部17が設けられ、他側縁(図1におい
て右側)の両表面板11,12には、凸条継手部17に
係合する凹条継手部18が設けられている。したがっ
て、これら凸条継手部17と凹条継手部18を係合させ
て溶接等によって接合することによって複数の複合パネ
ル10を幅方向に連結することができる。
【0023】上記第1の表面板11、補強リブ13及び
凹部14はアルミニウム合金製の押出形材にて一体に形
成されている。この場合、補強リブ13は中空三角形に
形成され、第1及び第2の表面板11,12を接着接合
することによって複数の三角形の中空部19が列設され
るトラス構造が構成されるようになっている。また、凹
部14は、三角状補強リブ13の頂部に形成される断面
円弧状の凹溝にて形成されており、この凹部14の開口
部14aの外側には外側に起立壁14bを有する接着剤
16を保持するための接着剤溜め部14cが形成されて
いる(図2(c)参照)。なおこの場合、接着剤溜め部
14cの接着剤受面に、図2(c)に想像線で示すよう
に、凹凸細条14dを設けることによって、接着剤16
の保持を更に確実にすることができる。
【0024】また、上記第2の表面板12と凸部15も
同様にアルミニウム合金製の押出形材にて形成されてい
る。この場合、凸部15は上記凹部14(凹溝)内に嵌
合される断面円弧状の凸条にて形成されている。
【0025】上記接着剤16は、第1の表面板11と第
2の表面板12とを剛性をもたせて接着するための十分
な強度と、制振性をもたせるための適度の弾性を有する
必要があり、例えば1液型熱硬化性エポキシ樹脂接着剤
あるいは2液型室温硬化性アクリル系接着剤等の接着剤
が使用される。
【0026】上記のように構成されるこの発明の複合パ
ネルは、図3あるいは図4に示すような手順にて形成さ
れる。
【0027】この場合、凹部14の開口寸法A=10m
m、凸部15の外径寸法B=10mmとして、凹部14
と凸部15の嵌合が、緩やかな静合ないしは滑合状態と
なるように設定する。なお、凹部14の開口寸法A、凸
部15の外径寸法Bは5〜10mmの範囲で適宜設定す
ることができる。そして、図3(a)に示すように、凹
部14内に接着剤16を溜めておき、図3(b)に示す
ように、第1の表面板11に向って第2の表面板12を
移動(又は第1の表面板11を第2の表面板12に向っ
て移動、あるいは、両表面板11,12を相対的に近接
移動)して凸部15を凹部14内に嵌入した後、第1及
び第2の表面板11,12を図示しない拘束治具をもっ
て挾持して、凹部14と凸部15との間に接着剤16を
介在させた状態で第1の表面板11と第2の表面板12
とを接合すると、接着剤16は凸部15によって押され
て凹部14内に充満した後、余分は上方の接着剤溜め部
14cに添って凸部15の根本部分を覆うようにして凹
部14と凸部15との間に介在されて、凹部14と凸部
15とを接着接合する(図3(c)参照)。この際、図
示しない圧延ロール装置等をもって所定高さ寸法C=6
0mmになるまで圧接される。なお、複合パネルの高さ
寸法Cは使用する場所等に応じて設定することができ、
例えば25〜100mmの範囲で適宜設定することがで
きる。
【0028】第1の表面板11と第2の表面板12の別
の接合形態として、図4に示すような手順にて行うこと
ができる。すなわち、図4(a)に示すように、第2の
表面板12の凸部15に、予め適量の接着剤16を被着
しておき、そして、上述の手順と同様に、第2の表面板
12を第1の表面板11に向って移動して凸部15を凹
部14内に嵌入した後(図4(b)参照)、第1及び第
2の表面板11,12を図示しない拘束治具をもって挾
持することにより、凹部14と凸部15との間に接着剤
16を介在させた状態で第1の表面板11と第2の表面
板12とを接合することができる(図4(c)参照)。
【0029】なお、上記のようにして第1の表面板11
の凹部14と第2の表面板12の凸部15とを接着剤1
6を介在して接着接合する場合、凹部14と凸部15と
の間の隙間を均一にして接着剤16の厚さを均一にする
必要がある。したがって、第1の表面板11と第2の表
面板12とを圧接する場合、全体を均一に圧接する必要
がある。また、図5に示すように、接着剤16中に、所
定寸法径(例えば0.1〜1mm)の同一の樹脂ビーズ
等の粒状物質20を混入することにより、容易に等間隔
の隙間(接着剤厚さ)を維持することができる。
【0030】◎第二実施例 図6はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの第
二実施例の概略断面図、図7は第二実施例の表面板の概
略断面図が示されている。
【0031】第二実施例の複合パネル10は、補強リブ
13Aを第1の表面板11から直角状に起立する垂直壁
にて形成して、第1の表面板11と第2の表面板12及
び補強リブ13Aとで構成される中空部19Aを断面四
角形とした場合である。
【0032】このように構成される第二実施例の複合パ
ネル10において、その他の部分及び接合手順は、上記
第一実施例と同じであるので、同一部分には同一符号を
付して、その説明は省略する。
【0033】◎第三実施例 図8はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの第
三実施例の概略断面図が示されている。
【0034】第三実施例の複合パネル10は、パネル自
体に曲率をもたせた曲面パネルとした場合である。すな
わち、上記第一実施例と同様に中空三角状の補強リブ1
3と凹部14を有する第1の表面板11と、凸部15を
有する第2の表面板12とを同一の曲率にした状態で、
凹部14と凸部15との間に接着剤16を介在させて、
第1の表面板11と第2の表面板12とを接着接合した
場合である(図8(a)参照)。
【0035】この場合、第1の表面板11と第2の表面
板12とを反対にしてもよい。すなわち、第1の表面板
11に凸部15を設け、第2の表面板12に中空三角状
の補強リブ13と凹部14を設けてもよい。また、中空
三角状の補強リブ13に代えて、上記第二実施例と同様
の垂直壁にて形成される補強リブ13Aとしてもよい。
【0036】なお、第三実施例において、その他の部分
及び接合手順は上記第一実施例と同様であるので、同一
部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0037】◎第四実施例 図9はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの第
四実施例の表面板の要部断面図が示されている。
【0038】第四実施例の複合パネルは、パネル自体に
防音性、制振性及び断熱性の他に遮磁性をもたせるよう
にした場合である。すなわち、表面板のうちの少なくと
も一方、例えば第2の表面板12を磁性を有する鋼板等
にて形成した場合である。この場合、凸部15は第2の
表面板12と一体に形成することはできないので、凸部
15を有する部材15Aと第2の表面板12とを溶接W
によって固着すればよい。なお、第1の表面板11を第
2の表面板12と同様の鋼板等で形成する場合は、鋼製
の第1の表面板11と鋼製の補強リブとを溶接によって
固着すればよい。
【0039】上記のように構成することにより、鋼板に
て磁気を吸収することができるので、複合パネルを、例
えば超電導浮上式鉄道車両用、あるいは同関連建築用等
の構造材に適用することができる。
【0040】◎第五実施例 図10はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
第五実施例の要部断面図が示されている。
【0041】第五実施例の複合パネルは、両表面板の接
合を更に確実に行えるようにした場合である。すなわ
ち、凹部14を、狭隘開口状の基部14eと、この基部
14e内に突設されて開口側が膨隆する係合突起14f
とで構成し、一方、凸部15を、係合突起14fと係合
し得る開口部15aを有すると共に、係合突起14fと
の係合により外方へ弾性変形可能な馬蹄形状に形成する
ことにより、凹部14と凸部15とを嵌合する際、係合
突起14fの膨隆部14gによって凹部14を外側へ押
圧させるようにした場合である。
【0042】このように構成することにより、凹部14
と凸部15の嵌合を更に確実にすることができ、両表面
板11,12の接着接合を更に強固にすることができ
る。
【0043】◎第六実施例 図11はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
第六実施例の概略断面図が示されている。
【0044】第六実施例の複合パネルは、更に防音及び
制振性の向上を図れるようにした場合である。すなわ
ち、第1の表面板11と第2の表面板12及び補強リブ
13とで構成される中空部19Bの内面に、例えばプチ
ルゴム系合成樹脂製あるいは塩化ビニール・酢酸ビニー
ル含ポリマー製の制振材21を貼付又はアクリル系1液
型水性エマルジョン製の制振塗料を塗布した場合であ
る。なお、制振材21及び制振塗料の材質は上記のもの
に限定されるものではなく、同様の機能を有するその他
の材質を使用することができる。
【0045】この場合、制振材21は、両表面板11,
12を接合する前に、予め第1の表面板11の補強リブ
13の外側の2面と、この2面と共働して中空部19B
を形成する第2の表面板12の内面に貼付しておく。ま
た、補強リブ13の三角状中空部19内に制振材21を
塗布することも可能である(図11の想像線参照)。
【0046】このように構成することにより、複合パネ
ル10の中空部19、中空部19Bにも防音機能及び制
振機能を具備させることができるので、複合パネルの防
音性及び制振性を更に向上させることができる。
【0047】なお、図11では、第一実施例の複合パネ
ルの中空部19Bに制振材21を貼付する場合を示して
いるが、同様に制振塗料を塗布することができる。ま
た、上記第二実施例の複合パネル10の中空部19Bに
も同様に制振材21を貼付又は制振塗料を塗布すること
ができることは勿論である。
【0048】なお、第六実施例において、その他の部分
及び接合手順は上記第一実施例と同じであるので、同一
部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0049】◎第七実施例 図12はこの発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
概略断面図が示されている。
【0050】第七実施例の複合パネルは、更に断熱性の
向上を図れるようにした場合である。すなわち、補強リ
ブ13に形成された三角状中空部19内に例えば発泡ポ
リウレタン等の発泡合成樹脂製の吸音材兼断熱材22を
充填した場合である。この場合、第1の表面板11、第
2の表面板12及び補強リブ13とで構成される中空部
19B内に同様に吸音材兼断熱材22を充填することも
可能である。また、図12に想像線で示すように、同様
に、両表面板11,12を接合する前に、中空部19B
内にロックウール、グラスウール製の吸音材兼断熱材2
2aを充填することも可能である。
【0051】このように構成することにより、複合パネ
ル10の中空部19(又は19B)に防音及び断熱性を
もたせることができるので、複合パネルの防音性及び断
熱性を更に向上させることができる。
【0052】なお、上記説明では第一実施例の複合パネ
ル10の補強リブ13の中空部19、19Bに吸音材兼
断熱材22,22aを充填した場合について示したが、
第二実施例の複合パネル10の中空部19Aにも同様に
吸音材兼断熱材22,22aを充填することができる。
【0053】なお、第七実施例において、その他の部分
及び接合手順は上記第一実施例と同じであるので、同一
部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0054】◎その他の実施例 1)上記実施例では補強リブが中空三角状の場合と垂直
壁にて形成される場合について説明したが、これらの形
状以外の補強リブとすることもできる。
【0055】2)上記第六実施例と第七実施例とを組合
せて複合パネル10を形成することも可能である。すな
わち、複合パネル10の中空部19Bに制振材21を貼
付又は制振塗料を塗布すると共に、複合パネル10の補
強リブ13の中空部19内に吸音材兼断熱材22,22
aを充填することにより、複合パネル10の防音性、制
振性及び断熱性をより一層向上することができる。
【0056】3)上記実施例では表面板11,12が直
線あるいは曲線の平板状の場合について説明したが、表
面板11,12は必ずしもこのような平板状のものであ
る必要はなく、波板状のものであってもよい。この場
合、凹部14を表面板11,12の外側に突出させるよ
うに設けることによって表面板11,12を波板状に形
成することもできる。
【0057】次に、この発明の複合パネルと従来の一体
型中空形材にて形成されるパネルとの制振効果の実験例
について説明する。
【0058】実験に当って、図13の〜に示すよう
な、比較例、実験例I〜実験例Vを用意する。すなわ
ち、 比較例:一対の表面板a,b間に中空三角状の補強リ
ブcを有する一体型中空形材 実験例I:上記第一実施例と同様の構造で、凹部14
と凸部15の間に接着剤16を介在させた中空材 実験例II:実験例Iの中空材の両側面に制振材21を
貼付した中空材 実験例III:実験例Iの中空材の中空部19Bのトラ
ス面に制振材21を貼付した中空材 実験例IV:実験例Iの中空材の下部面に制振材21を
貼付した中空材 実験例V:実験例Iないし実験例IVを組合せた中空材 なお、接着剤として、加熱硬化型(150℃×30mi
n)のエポキシ樹脂系ものを使用したが、常温硬化型の
ものを使用してもよい。また、制振材21として、15
0μmのアルミニウム箔にブチルゴム系樹脂を処理した
拘束型の制振材を使用した。
【0059】上記比較例と実験例I〜実験例Vの加振点
に振動を与えて435Hz付近の損失係数を算出したと
ころ、表1に示すような結果が得られた。
【0060】なお、損失係数の測定方法は、適宜寸法の
試料を恒温槽内にセットし、試料の中央部を加振させる
ことによって、試料の共振曲線(機械インピーダンス)
より、各共振点の損失係数を求めることができ、下式の
ように求めることができる。
【0061】η=f2−f1/fn ここで、η:損失係数、fn:共振周波数、f1,f2
共振周波数の両側にある共振レベルから3dB応答が減
衰する周波数である。
【0062】
【表1】
【0063】上記実験の結果、比較例の一体型中空材の
損失係数が0.002であるのに対して実験例Iの中空
材すなわち第一実施例の複合パネルの損失係数が0.0
12と1桁大きいことが判り、この発明の複合パネルが
防音及び制振性に優れた効果が発揮できることが判明し
た。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したようにこの発明の防音、
制振及び断熱用複合パネルによれば、上記のように構成
されているので、以下のような効果が得られる。
【0065】1)請求項1記載の防音、制振及び断熱用
複合パネルによれば、一方の表面板に突設された補強リ
ブの先端と、他方の表面板の部位に、それぞれ形成され
た互いに嵌合する凹部と凸部とを、強度と適度の弾性を
有する接着剤を介在して接着接合するので、両表面板間
に中空部をもたせ、かつ、制振材を介在させて接着接合
することができ、防音、制振及び断熱性の向上を図るこ
とができる。
【0066】2)請求項2記載の防音、制振及び断熱用
複合パネルによれば、両表面板間に形成される中空部の
内面に、制振材を貼付又は制振塗料を塗布するので、上
記1)に加えて更に制振性の向上を図ることができる。
【0067】3)請求項3記載の防音、制振及び断熱用
複合パネルによれば、両表面板間に形成される中空部の
内面に、吸音材兼断熱材を充填するので、上記1)に加
えて更に防音及び断熱性の向上を図ることができる。
【0068】4)請求項4記載の防音、制振及び断熱用
複合パネルによれば、表面板のうちの少なくとも一方を
磁性を有する板状部材にて形成するので、上記1)に加
えて遮磁性を有することができ、複合パネルを、例えば
超電導浮上式鉄道車両用、あるいは同関連建築用等の構
造材に適用することができる。
【0069】5)請求項5記載の防音、制振及び断熱用
複合パネルによれば、凹部と凸部をそれぞれ断面円弧状
に形成し、凹部と凸部を互いに緩やかに静合ないしは滑
合に嵌合すると共に、凹部と凸部間に均一な厚さの接着
部を形成するので、凹部と凸部間に均一な厚さの接着剤
層を形成することができ、防音及び制振精度の向上を図
ることができる。
【0070】6)請求項6記載の防音、制振及び断熱用
複合パネルによれば、凹部を、狭隘開口状の基部と、こ
の基部内に突設されて開口側が膨隆する係合突起とで構
成し、凸部を、係合突起と係合し得る開口部を有すると
共に、係合突起との係合により外方へ弾性変形可能に形
成するので、凹部と凸部とを嵌合する際、係合突起の膨
隆部によって凹部を外側へ押圧することができ、凹部と
凸部の嵌合を更に確実にすることができ、両表面板の接
着接合を強固にすることができる。また、位置決めを容
易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
第一実施例を示す概略断面図である。
【図2】第一実施例の防音、制振及び断熱用複合パネル
の表面板を示す概略断面図及びその要部拡大断面図であ
る。
【図3】この発明における表面板の接合手順を示す断面
図である。
【図4】表面板の別の接合手順を示す断面図である。
【図5】この発明における接着剤に別の構造のものを使
用した場合の接合前の断面図、接合後の断面図及び接合
後の要部拡大断面図である。
【図6】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
第二実施例を示す概略断面図である。
【図7】第二実施例の防音、制振及び断熱用複合パネル
の表面板を示す概略断面図である。
【図8】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
第三実施例を示す概略断面図である。
【図9】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネルの
第四実施例の要部を示す断面図である。
【図10】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネル
の第五実施例の表面板の接合前及び接合後の状態を示す
要部断面図である。
【図11】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネル
の第六実施例を示す概略断面図である。
【図12】この発明の防音、制振及び断熱用複合パネル
の第七実施例を示す概略断面図である。
【図13】制振効果の実験に使用されるパネルの比較例
と実験例の概略断面図である。
【符号の説明】
10 複合パネル 11 第1の表面板 12 第2の表面板 13,13A 補強パネル 14 凹部 14e 基部 14f 係合突起 15 凸部 15a 開口部 16 接着剤 19,19A 中空部 19B 10中空部 21 制振材 22,22a 吸音材兼断熱材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/98 E E04C 2/38 J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対峙する一対の表面板のうちの少なくと
    も一方に、他方の表面板に向って突出する補強リブを設
    け、 上記補強リブの先端と、この補強リブに対向する表面板
    の部位に、互いに嵌合する凹部と凸部とを形成し、 上記凹部と凸部とを、強度と適度の弾性を有する接着剤
    を介在して接着接合してなることを特徴とする防音、制
    振及び断熱用複合パネル。
  2. 【請求項2】 両表面板間に形成される中空部の内面
    に、制振材を貼付又は制振塗料を塗布してなることを特
    徴とする請求項1記載の防音、制振及び断熱用複合パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 両表面板間に形成される中空部の内面
    に、吸音材兼断熱材を充填してなることを特徴とする請
    求項1記載の防音、制振及び断熱用複合パネル。
  4. 【請求項4】 表面板のうちの少なくとも一方を磁性を
    有する板状部材にて形成してなることを特徴とする請求
    項1記載の防音、制振及び断熱用複合パネル。
  5. 【請求項5】 凹部と凸部をそれぞれ断面円弧状に形成
    し、 上記凹部と凸部を互いに緩やかに静合ないしは滑合に嵌
    合すると共に、凹部と凸部間に均一な厚さの接着部を形
    成してなることを特徴とする請求項1記載の防音、制振
    及び断熱用複合パネル。
  6. 【請求項6】 凹部を、狭隘開口状の基部と、この基部
    内に突設されて開口側が膨隆する係合突起とで構成し、 凸部を、上記係合突起と係合し得る開口部を有すると共
    に、係合突起との係合により外方へ弾性変形可能に形成
    してなることを特徴とする請求項1記載の防音、制振及
    び断熱用複合パネル。
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