JPH0733402B2 - エチレン−/ビニルエステル− 共重合体の製法 - Google Patents

エチレン−/ビニルエステル− 共重合体の製法

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JPH0733402B2
JPH0733402B2 JP3148961A JP14896191A JPH0733402B2 JP H0733402 B2 JPH0733402 B2 JP H0733402B2 JP 3148961 A JP3148961 A JP 3148961A JP 14896191 A JP14896191 A JP 14896191A JP H0733402 B2 JPH0733402 B2 JP H0733402B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン及びビニルア
ルコールのエステルから共重合体を製造する方法におい
て、単量体を少なくとも100MPaの圧力及び150
乃至350℃の温度において溶剤又は乳化剤の遮断下重
合し、その際ラジカル受容体を単量体混合物に添加して
反応温度、したがって単量体- 反応率及び重合体- 収率
を高める方法に関する。
【0002】
【従来の技術】著量の溶剤又は乳化剤の不存在下でのエ
チレンとビニルアルコールのエステルとの共重合が公知
である。例えばドイツ特許第2102469C1号明細
書中に記載の方法によれば単量体の反応を7000at
mまでの圧力、好ましくは1500乃至3000atm
において実施する。重合温度は150乃至350℃、好
ましくは200乃至325℃である。重合開始剤として
酸素又は、反応条件下ラジカルに分解する化合物を使用
する。この方法の特別な特徴は、相当に溶剤又は乳化剤
を遮断して実施することである。反応混合物には通例単
に無視できるほど少量の不活性液体──これは重合開始
剤用溶剤として使用される──が供給される。酸素を触
媒として使用する場合、溶剤を必要としない。
【0003】この公知の方法の欠点は、反応混合物を反
応域に簡単に導通して達成される、かなり低い最高反応
率である。撹拌式オートクレーブ中でエチレン及び酢酸
ビニルを共重合する場合該反応率は約20%のみであ
る。それゆえ工業的装置においては未反応単量体を反応
器中に循環させて戻す。
【0004】反応率の高さに関する重要な因子は、反応
器入口における反応混合物の温度と重合温度との間の差
異である。この温度差が増大するにつれて反応率が上昇
するか又は、換言すれば一定の反応器入口温度において
反応率は直接重合温度に左右される。
【0005】しかし重合反応器における温度上昇は、制
限がある。一定の重合温度以上で反応はもはや制御する
ことができない。この理由は重合体の熱分解である。そ
の上高温においてはエチレンは自然に炭素、水素及び又
メタンの生成下分解する。それゆえ公知技術水準の方法
においては150乃至350℃の上記の広い温度範囲と
は逆にエチレンの重合の場合実際上は300℃の上限温
度が通常超えられない。エチレン及びビニルエステルの
共重合温度に関する反応温度は著しく一層低く、重合装
置における特殊な事情に左右される。例えば引用したド
イツ特許第2102469C1号明細書中の例によれば
(エチレン及びアクリル酸ラウリルの共重合において)
280℃であり、エチレン及び酢酸ビニルの場合260
℃のみである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、高い反応率
及び収率を達成させるために、エチレンとビニルアルコ
ールのエステルとの重合を高温において実施することが
できる実施方法を開発する課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
り、エチレン及びビニルアルコールのエステルを、溶剤
及び乳化剤の遮断下少なくとも100MPaの圧力及び
150乃至350℃の温度においてラジカル形成性触媒
及び/又は酸素及び分子量調整剤の存在下重合させてエ
チレンの共重合体を製造する方法において、重合をラジ
カル受容体の添加下実施することを特徴とする方法によ
り解決される。
【0008】ラジカル受容体(ラジカル禁止剤とも称さ
れる)は、合成樹脂用添加剤として公知である(例えば
Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie,
第4版、第15巻、第253頁以下参照)。その課題
は、重合体を化学的構造、組成及び分子量に関係なく、
特に熱、日光及び酸素の影響に対し安定化させることで
ある。ラジカル受容体の使用は、従来原料、半製品又は
最終生成物の形で最終的重合体に限られたままであっ
た。重合法の範囲内でのその使用は、考慮されていなか
った。
【0009】化学的にラジカル受容体はフエノール、芳
香族アミン、有機ホスファイト及びチオエステルのグル
ープに属する。フエノールを基体とするラジカル受容体
としては、簡単なフエノール、ビスフエノール、チオビ
スフエノール及びポリフエノールが使用される。これら
化合物の例は、フエノール、ヒドロキノン、レゾルシ
ン、ピロカテキン、o、m、pクレゾール、4−
メトキシフエノール、ブチル−4−メトキシフエノー
ル、2,2−ジ−第三ブチル−4−メチルフエノール、
オクトデシル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4
−ヒドロキシフエニル)プロピオネートである。アミン
のうちで就中p−フエニレンジアミン及びジフエニルア
ミンが重要である。代表的なものは例えばN−(1,3
−ジメチルブチル)−N’−フエニル−1,4−フエニ
レンジアミン及び4−イソプロピル−N’−フエニル−
p−フエニレンジアミンである。ホスファイトは次の様
に二重機能で作用する:ホスファイトはそれ自体ラジカ
ル受容体であり、他のラジカル受容体、特にフエノール
から合成的に誘導される該受容体を補強する。例えばト
リデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイ
、トリフエニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−
第三ブチルフエニル)ホスファイトが使用される。チオ
エステルは協力剤として通常フエノールと共に使用され
る。慣用のチオエステルは、ジセチルチオプロピオネー
ト、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルジ
プロピオネートである。
【0010】重合中のラジカル受容体の作用機構は知ら
れていない。しかしラジカル受容体は、例えば触媒作用
を有するラジカルによる反応による、ラジカルにより開
始させた巨大分子の合成の機能を停止させることが重要
である。
【0011】本発明による方法において、ラジカル受容
体として、前記の全ての化合物クラスの代表的なものを
単独で又は2又は多数の単独物質からなる混合物をも使
用することができる。殊にフエノール誘導体及びフエノ
ール誘導体及び有機ホスファイトからなる混合物が適す
る。殊にヒドロキノン、4−メトキシフエノール、2,
6−ジ−第三ブチル−4−メチルフエノール又はn−オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒド
ロキシフエニル)プロピオネートが単独で又はトリス
(2,4−ジ−第三ブチル−フエニル)ホスファイト
共に使用される。
【0012】ラジカル受容体は、反応混合物に溶剤又は
殊に共単量体中に溶解して、添加される。使用量は、ラ
ジカル受容体の種類、反応温度──高温は一般に低温よ
り高い量を必要とする──及び単量体混合物の組成に左
右される。これはエチレンに対し10乃至10,000
重量ppmである。ラシカル受容体100乃至5、00
0重量ppmが特に有効である。
【0013】ラジカル受容体は、工程の間で部分的にし
か消尽されない。一部は非反応単量体と共に反応系から
導出するか又は循環させる。他の部分は重合体中に固定
されるか又は所望の添加剤としてその中に残留させるこ
とができる。
【0014】エチレンの共単量体として、好ましくは全
部で4乃至10個の炭素原子を含有するビニルアルコー
ルのエステル、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル及びピバリン酸ビニルを使用する。1種
だけの共単量体を存在させる代り、重合を多種の共単量
体の存在下実施することができる。
【0015】重合は、少なくとも100MPaの圧力及
び150乃至350℃の温度において行われる。700
MPaまでの圧力が特に有効であり、殊に150乃至3
00MPaの範囲で実施する。有効な反応温度は、26
0乃至310℃、特に270乃至300℃の範囲であ
る。
【0016】重合反応は、ラジカルを形成する触媒及び
/又は酸素により開始される。ラジカルを形成する触媒
とは、エチレンの高圧重合に関して公知な重合開始剤、
例えば過酸化物及びアゾ化合物の意味である。これらの
物質クラスの例は、ジ- 第三ブチルパーオキシド、第三
ブチルパーオキシピバレート、ブチルパーオキシベンゾ
エート、第三ブチルヒドロパーオキシド、クモールヒド
ロパーオキシド、アゾ- ビス- イソブチロニトリルであ
る。又2又は多種の過酸化物からなる、2又は多種のア
ゾ化合物からなる又は過酸化物及び酸素又はアゾ化合物
及び酸素からなる混合物を使用することが可能である。
遊離ラジカルを形成する触媒は、反応温度及び単量体混
合物の組成次第でエチレンに対し10乃至10,000
重量ppmの量で使用される。触媒を反応室に導入させ
るために、触媒を適当な溶剤、特にベンゼン、シクロヘ
キサン又はイソオクタン中に溶解する。同一の液体はラ
ジカル受容体用溶剤としても適する。酸素は、エチレン
に対し1乃至100重量ppmの量で反応混合物に添加
される。
【0017】単量体の共重合は、重合調整剤の存在下行
われる。例えば飽和又は不飽和炭化水素、アルコール、
アルデヒド及びケトン、好ましくはアルデヒド、特にプ
ロピオンアルデヒドが有効である。重合調整剤の課題
は、重合体の分子量に影響を与えることである。これら
化合物を適量──通常調整剤の種類次第でエチレンに対
し0.05乃至10重量%である──で添加することに
より重合体の分子量を所望の値に調整することができ
る。
【0018】本発明による方法による共重合は、エチレ
ンを単独で又は別の単量体と共に高圧及び高温下重合す
ることに関して通常な装置において実施される。この関
連において Ullmanns Encyclopaedie dertechnischen C
hemie、第4版、第19巻、第169頁以下(198
0)を引用する。
【0019】重合は、連続的に又は非連続的に実施する
ことができる。管反応器における本方法の連続的実施は
特に有効である。この実施態様においてエチレン、1種
又は多種の共単量体、重合調整剤及びラジカル受容体か
らなる混合物を反応器入口において、場合により反応器
の1又は多数の別の個所(側板)において導入する。重
合開始剤は、同様に全部で単量体と共に入口において、
又は少しづつ側板を介して反応器中に導入することがで
きる。反応器中の反応混合物の滞留時間は、30乃至1
80時間である。
【0020】本発明により得られる重合体の平均分子量
Mnは、1,000乃至5,000g・モル-1である。
その測定は蒸気圧浸透圧法により行われた。
【0021】本発明による方法により得られる、エチレ
ンの共重合体は、石油及び石油留分、特に中間蒸留物へ
の添加剤として、流動性を改善するために使用される。
【0022】
【実施例】次の例は、本発明を説明するためのものであ
るが、しかし本発明は記載された実施態様に限定されな
い。
【0023】例1乃至6 表1中に示した、連続的に実施された試験の実施は、高
速撹拌器を備えた、約0.5l容量のオートクレーブを
使用した。エチレンをピストン圧縮機を介して、酢酸ビ
ニル、開始剤溶液及び分子量調整剤として使用されるプ
ロピオンアルデヒドを膜ポンプによりオートクレーブ中
に配量した。圧力設定は、オートクレーブの底部排出バ
ルブを介して、温度(ジャケット温度)の設定は、電気
的加熱により、行われた。重合限界温度は、開始剤及び
ラジカル受容体の量を変えることにより制御された。
【0024】重合体中の酢酸ビニル含有率は熱分解法に
より測定された。このためには重合体200mgを純ポ
リエチレン300mgと共に熱分解フラスコ中で5分間
450℃に加熱し、分解ガスを250ml容丸底フラス
コ中で収集した。生成した酢酸をNaJ/KLO3 - 溶
液と反応させ、遊離するヨウ素をNa2 2 3 - 溶液
で滴定した。
【0025】例1乃至5は本発明による方法、すなわち
ラジカル受容体の添加下の重合に関し、270乃至27
5℃の限界温度に達した。
【0026】例5においてラジカル受容体の不存在下の
重合が記載されている。達することができる最高重合温
度──この場合まだ分解が生じない──は260℃であ
った。
【0027】例1乃至4は、例5と比較して、反応混合
物へのラジカル受容体の添加により重合限界温度を高め
ることができ、9乃至31%なる収率増大が達成される
ことを示す。
【0028】例6において重合試験を高温において安定
剤を添加せずに実施した。記載された条件下重合は著し
い温度上昇のために可能でなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、公知のエチレンの
共重合体の製法の場合反応率及び収率が著しく低い。こ
れに対し本発明の方法によれば、重合温度を高めること
によって高い反応率及び収率を達成させることができる
利点がある。本発明は、特許請求の範囲に記載の請求項
1に関するものであるが、以下の記載の発明を実施の態
様として包含している: (1)ラジカル受容体としてフエノール又はフエノール
誘導体を使用する、請求項1記載の方法。 (2)ラジカル受容体として芳香族アミンを使用する、
請求項1記載の方法。 (3)ラジカル受容体として有機ホスファイトを使用す
る、請求項1記載の方法。 (4)ラジカル受容体としてフエノール又はフエノール
誘導体を有機ホスファイトと共に使用する、請求項1又
は上記事項(1)に記載の方法。 (5)ラジカル受容体としてヒドロキノン、4−メトキ
シフエノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフ
エノール又はn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−第
三ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネートを
単独で又はトリス(2,4−ジ−第三ブチルフエニル)
ホスファイトと共に使用する、上記事項(4)記載の方
法。 (6)ラジカル受容体をエチレンに対し10乃至10,
000重量ppm、好ましくは100乃至5,000重
量ppmの濃度で使用する、請求項1及び上記事項
(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の方法。 (7)重合を150乃至300mPaの圧力及び260
乃至310℃、特に270乃至300℃の温度において
実施する、請求項1及び上記事項(1)乃至(6)のい
ずれか一つに記載の方法。 (8)エチレンの共単量体として、全部で4乃至10個
の炭素原子を含有するビニルアルコールのエステルを使
用する、請求項1及び上記事項(1)乃至7のいずれか
一つに記載の方法。 (9)分子量調整剤としてプロピオンアルデヒドを使用
する、請求項1及び上記事項(1)乃至8のいずれか一
つに記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 210/02 MJK 218/02 MLG (56)参考文献 特開 昭53−117085(JP,A) 特開 昭51−42792(JP,A) 特開 昭50−115289(JP,A) 特公 昭45−40541(JP,B1) 特公 昭55−11686(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン及びビニルアルコールのエステ
    ルを、溶剤及び乳化剤の遮断下少なくとも100MPa
    の圧力及び150乃至350℃の温度においてラジカル
    形成性触媒及び/又は酸素及び分子量調整剤の存在下重
    合させてエチレンの共重合体を製造する方法において、
    重合をラジカル受容体の添加下実施することを特徴とす
    る方法。
JP3148961A 1990-06-29 1991-06-20 エチレン−/ビニルエステル− 共重合体の製法 Expired - Lifetime JPH0733402B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4020639A DE4020639A1 (de) 1990-06-29 1990-06-29 Verfahren zur herstellung von ethylen-/vinylester-copolymerisaten
DE40206394 1990-06-29

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JPH04226513A JPH04226513A (ja) 1992-08-17
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US (1) US5145923A (ja)
EP (1) EP0463519B1 (ja)
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KR (1) KR940006451B1 (ja)
AT (1) ATE145929T1 (ja)
CA (1) CA2045157C (ja)
DE (2) DE4020639A1 (ja)
DK (1) DK0463519T3 (ja)
ES (1) ES2097165T3 (ja)
SG (1) SG44815A1 (ja)
ZA (1) ZA914806B (ja)

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