JPH07332533A - 操作弁および空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は非共沸混合冷媒の組成比を冷媒ボンベ
で設定された所定の値に対して変化しないで対象機器に
冷媒をチャージすることができる操作弁を提供すること
を目的とする。 【構成】弁座を有する弁室、この弁室に連通する２個の
冷媒回路用のポートおよび１個の冷媒チャージ用ポート
を備えた弁箱と、弁室に前記弁棒に弁座に対して接近離
間する方向に変位可能に設けられた浮子式の弁体と、弁
箱に弁座に対して接近離間する方向に変位可能に設けら
れ弁座に対して接近する方向に変位する時に弁体を動か
して弁座に接触させる弁棒とを具備し、浮子式の弁体
は、その比重量がガス冷媒の比重量より大きいとともに
液冷媒の比重量より小さく、且つ重量がガス冷媒の動圧
より小さいものであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は操作弁およびこの操作弁
を冷媒配管接続兼冷媒チャージ用として装備する空気調
和装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般住宅などに設けられるセパレート形
の空気調和装置は図２に示すように構成されている。図
２において１は室外ユニット、２は室内ユニット、３は
冷媒配管である。室外ユニット１はユニット本体４の内
部に図示しない圧縮機、凝縮器などを搭載したもので、
建築物の室外に設置される。室内ユニット２はユニット
本体５の内部に図示しない機器を搭載したもので、建築
物の室外に設置される。冷媒配管３は室外ユニット１と
室内ユニット２とを接続し、両者間で冷媒を循環流通す
るものである。

【０００３】室外ユニット１のユニット本体４には操作
弁１１が設けられており、この操作弁１１は冷媒配管接
続兼冷媒チャージ用としてユニット本体４に搭載された
機器に接続されるとともに冷媒配管３に接続されてい
る。また、操作弁１１は室外ユニット１および室内ユニ
ット２に冷媒をチャージするに際しては、冷媒ボンベ１
２に接続されたチャージホース１３に接続されて、冷媒
ボンベ１２に充填されているガス冷媒をホース１３を介
してユニット本体４に搭載された機器に送り込む操作を
する。

【０００４】従来、空気調和装置に装備される操作弁１
１として図３に示す構成のものがある。図３において２
１は弁箱で、これは操作部構成体２２とポート構成体２
３とを組み合せて両者を螺合することにより構成された
十字形をなすものである。すなわち、弁箱２１は十字形
の中央に弁室２４が配置され、図３において弁室２４の
上側部には弁棒３０を支持する弁棒筒２５が設けられ、
弁室２４の左側部には室外ユニット１の機器に接続され
る第１の冷媒回路ポート２６が設けられ、弁室２４の下
側部には室内ユニット２に接続された冷媒配管３に接続
される第２の冷媒回路ポート２７が設けられ、弁室２４
の右側部には冷媒ボンベ１２に接続されたチャージホー
ス１３が接続される冷媒チャージ用ポート２８が設けら
れている。これら弁棒筒２５、第１の冷媒回路ポート２
６、第２の冷媒回路ポート２７および冷媒チャージ用ポ
ート２８は弁室２４を囲んで配置されて弁室２４と連通
している。すなわち、弁室２４は弁棒筒２５および各ポ
ート２６、２７、２８の内側開口に囲まれて形成され、
この弁室２４の下部（第２の冷媒回路ポート２７の内側
開口）に弁座２９が形成されている。

【０００５】弁棒筒２５の内部には弁棒３０が挿通して
設けられている。すなわち、弁棒３０はねじ部３０ａを
有しており、このねじ部３０ａが弁棒筒２５に形成され
たねじ部２５ａに螺合されている。このため、弁棒３０
は回転されることにより弁座２９に対して接近、離間す
る方向に直線移動される。弁棒３０における弁棒筒２５
から弁箱外部に突出する部分は断面四角形をなす角形部
３０ｂとされ、この弁棒３０の角形部３０ｂが弁棒筒２
５の外周部に回転自在に嵌合されたキャップ３１に挿通
係合されている。なお、３２は弁棒３０の外端に取り付
けられてキャップ３１の弁棒３０からの抜け止めを図る
部材である。

【０００６】弁棒３０における弁棒筒２５から弁室２４
の内部の突出する部分は弁体３３が一体に形成されてい
る。このため、弁棒３０が回転することにより弁体３３
が一体になって弁座２９に対して接近、離間する方向に
直線移動される。

【０００７】また、冷媒チャージ用ポート２８の内部に
は逆止弁３４が装着されている。この逆止弁３４は弁体
３５、弁座３６およびばね３７を有し、常時はばね３７
が弁体３５を弁座３６に押し付けて冷媒チャージ用ポー
ト２８の外側開口を閉じている。

【０００８】そして、この操作弁１１は室外ユニット１
に設けられ、弁箱２１の第１の冷媒回路ポート２６はユ
ニット本体４に搭載された機器に接続される。第２の冷
媒回路ポート２７の外側開口端には冷媒配管３の端部が
接続され、この冷媒配管３の端部は第２の冷媒回路ポー
ト２７の外部に螺合されたジョイント３８により固定さ
れている。これにより室外ユニット１と、操作弁１１の
弁箱２１の第１の冷媒回路ポート２６、弁室２４および
第２の冷媒回路ポート２７と、冷媒配管３と、室内ユニ
ット２とを結んで冷媒が流れる冷媒回路が構成される。

【０００９】冷媒チャージ３を行うに際しては、冷媒ボ
ンベ１２に接続されたチャージホース１３の端部を、弁
箱２１の冷媒チャージ用ポート２８に接続し、チャージ
ホース１３の端部に保持されたジョイント３９を冷媒チ
ャージ用ポート２８の外部に螺合してチャージホース１
３の端部を固定する。ここで、ジョイント３９には押し
ピン４０が設けられている。ジョイント３９を冷媒チャ
ージ用ポート２８の外部に嵌合して螺合すると、ジョイ
ント３９に設けた押しピン４０が、冷媒チャージ用ポー
ト２８の内部に設けた逆止弁３４の弁体３５をばね３７
の力に抗して押し込み、この弁体３５を弁座３６から離
す。これにより冷媒チャージ用ポート２８の外側開口が
開放され、チャージホース１３は弁箱２１の弁室２４、
第１の冷媒回路用ポート２６および第２の冷媒回路ポー
ト２７に連通される。

【００１０】なお、冷媒ボンベ１２の内部は図示しない
が液冷媒取り出し用のバルブとガス冷媒取り出し用のバ
ルブが設けられている。この状態で冷媒ボンベ１２に設
けられたバルブ１４を開くと、冷媒ボンベ１２に充填さ
れているガス冷媒が、チャージホース１３を通って操作
弁１１の弁箱２１の冷媒チャージ用ポート２８に送り込
まれる。次いで、ガス冷媒は冷媒チャージ用ポート２８
から弁室２４に達し、さらに第１の冷媒回路ポート２６
から室外ユニット１に設けられた機器にチャージされ、
また第２の冷媒回路ポート２７から冷媒配管３を通って
流れ室内ユニット２に設けられた機器にチャージされ
る。

【００１１】従来、空気調和装置における冷媒は、主と
してフロンＲ２２という単一の冷媒が用いられてきたが
最近オゾン層を破壊するなどとしてフロンの使用が規制
されてきている。このため、空気調和装置に用いる冷媒
としては、非共沸混合冷媒が用いられる可能姓が高い。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】これから空気調和装置
において用いられる可能性が高い非共沸混合冷媒は、沸
点が異なる複数種類の冷媒を混合したもので、冷媒ボン
ベ内でのガス相では液相に比較して低沸点冷媒が多い構
成比となっている。冷媒ボンベには、空気調和装置用冷
媒として最適な所定の構成比によって複数種類の冷媒を
混合している。

【００１３】ところが、冷媒ボンベの内部にガス相とし
て充填されている一部の冷媒を、冷媒ボンベから出して
室外および室内ユニットにチャージすると、この冷媒が
あらかじめ設定した所定の組成比に比較して低沸点冷媒
であるガス冷媒成分が多い混合冷媒が室外および室内ユ
ニットにチャージされてしまう。

【００１４】しかし、低沸点冷媒は飽和圧力が高い、可
燃性がある、断熱圧縮指数が高いという特性を有してい
る。このため、空気調和装置において低沸点冷媒成分が
多い混合冷媒を使用すると、圧縮機吐出ガス温度や吐出
ガス圧力が上昇することがある。また、可燃性物質が混
合冷媒の成分に入っていると、ガス冷媒チャージにより
可燃性物質の分留が生じ火災発生の恐れがある。このよ
うに空気調和装置において低沸点冷媒成分が多い混合冷
媒を使用すると、空気調和装置の運転に支障をきたすこ
とがあるという問題を生じる。

【００１５】本発明は前記事情に基づいてなされたもの
で、非共沸混合冷媒の組成比を冷媒ボンベで設定された
所定の値に対して変化しないで対象機器に冷媒をチャー
ジすることができる操作弁を提供することを目的とす
る。また、本発明は前記目的により得た操作弁を備えて
冷媒を原因とする運転上の障害を発生することがない空
気調和装置を提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項１の操作弁は、弁座を有する弁室、この弁室に
連通する２個の冷媒回路用のポートおよび１個の冷媒チ
ャージ用ポートを備えた弁箱と、前記弁室に配置され前
記弁棒に前記弁座に対して接近離間する方向に変位可能
に設けられた浮子式の弁体と、前記弁箱に前記弁座に対
して接近離間する方向に変位可能に設けられ前記弁座に
対して接近する方向に変位する時に前記弁体を動かして
前記弁座に接触させる弁棒とを具備し、前記浮子式の弁
体は、その比重量がガス冷媒の比重量より大きいととも
に液冷媒の比重量より小さく、且つ重量が前記ガス冷媒
の動圧より小さいものであることを特徴とする。

【００１７】請求項２の操作弁は、前記浮子式の弁体
は、前記弁棒に摺動自在に支持されていることを特徴と
する。請求項３の空気調和装置、前記浮子式の弁体は、
室外ユニットと、室内ユニットと、前記室外ユニットと
室内ユニットとを接続して冷媒を循環流通させる冷媒配
管と、前記室外ユニットに装備された冷媒配管接続兼冷
媒チャージ用の操作弁とを具備し、この操作弁は、弁座
を有する弁室、この弁室に連通するとともに前記室外ユ
ニットに接続する第一の冷媒回路用のポート、前記弁室
に連通するとともに前記冷媒配管に接続する第二の冷媒
回路用のポートおよび１個の冷媒チャージ用ポートを備
えた弁箱と、前記弁室に前記弁棒に前記弁座に対して接
近離間する方向に変位可能に設けられた浮子式の弁体
と、前記弁箱に前記弁座に対して接近離間する方向に変
位可能に設けられ前記弁座に対して接近する方向に変位
する時に前記弁体を動かして前記弁座に接触させる弁棒
とを備え、前記浮子式の弁体は、その比重量がガス冷媒
の比重量より大きいとともに液冷媒の比重量より小さ
く、且つ重量が前記ガス冷媒の動圧より小さいものであ
ることを特徴とする。

【００１８】

【作用】請求項１の発明の操作弁では、浮子式の弁体の
比重量がガス冷媒の比重量より大きいとともに液冷媒の
比重量より小さい。このため、弁箱の冷媒チャージ用ポ
ートに液冷媒が送り込まれると、浮子式の弁体が浮いて
弁座から離れる。そして、弁室が開放されて液冷媒が冷
媒チャージ用ポートから弁室を経て冷媒回路用のポート
を通り対象機器にチャージされる。また、弁箱の冷媒チ
ャージ用ポートにガス冷媒が送り込まれると、浮子式の
弁体が浮かず弁座から離れない。このため、弁室が開放
されず液冷媒が冷媒チャージ用ポートから弁室を経て対
象機器にチャージされない。

【００１９】従って、このようにガス冷媒をチャージせ
ず液冷媒のみをチャージすることにより、低沸点冷媒で
あるガス冷媒成分のチャージを抑えて液冷媒のみをチャ
ージし、非共沸混合冷媒を低沸点冷媒の増大を抑えて冷
媒ボンベで設定された所定の組成比に維持して対象機器
にチャージすることができる。これにより、非共沸混合
冷媒において低沸点冷媒が増大することにより機器の運
転が阻害される事態の発生を回避できる。

【００２０】なお、浮子式の弁体の重量は、対象機器の
運転中におけるガス冷媒の動圧より軽量である。このた
め、浮子式の弁体は、対象機器が運転中におけるガス冷
媒の流れにより浮いて弁室を開放し、ガス冷媒の流れを
妨げて機器の運転を阻害することがない。

【００２１】請求項２の発明では、請求項１の発明の操
作弁において、浮子式の弁体が弁棒に移動自在に支持さ
れているので、弁体が安定して移動して安定して開閉動
作を行うことができる。

【００２２】請求項３の発明の空気調和装置では、請求
項１の発明の操作弁を装備することにより、冷媒チャー
ジに際して、非共沸混合冷媒における低沸点冷媒の増大
を抑えて、あらかじめ設定した所定成分比の非共沸混合
冷媒を用いて運転を良好に行うことができる。

【００２３】

【実施例】本発明の実施例について図１を参照して説明
する。この実施例は、図３に示す従来例を対象としたも
のであり、図１において図３と同じ部分は同じ符号を付
して示し説明を省略する。図３と異なる部分について説
明する。

【００２４】図１において５１は弁棒であり、これは弁
棒筒２５の内部に挿通して設けられている。すなわち、
弁棒５１はねじ部５１ａを有しており、このねじ部５１
ａが弁棒筒２５に形成されたねじ部２５ａに螺合されて
いる。このため、弁棒５１は回転されることにより弁座
２９に対して接近、離間する方向に直線移動される。弁
棒５１における弁棒筒２５から弁箱外部に突出する部分
は断面四角形をなす角形部５１ｂとされ、この弁棒５１
の角形部５１ｂが弁棒筒２５の外周部に回転自在に嵌合
されたキャップ３１に挿通係合されている。また、弁棒
５１における弁棒筒２５から弁室２４の内部に突出する
部分は、弁棒５１の中心軸線に沿って弁体支持軸部５１
ｃが形成されている。

【００２５】図中５２は浮子式の弁体で、この浮子式の
弁体５２は、その比重量がガス冷媒の比重量より大きい
とともに液冷媒の比重量より小さく、且つ重量がガス冷
媒の動圧より小さいものである。すなわち、弁体５２
は、ガス冷媒のなかでは浮上せず、液冷媒のなかでは浮
上し、空気調和装置の運転中におけるガス冷媒の動圧を
受けて浮上する。また、浮子式の弁体５２には中心軸線
上に上面から軸孔５２ａが形成されている。

【００２６】そして、弁体５２は弁箱２１の弁室２４に
配置され、軸孔５２ａが弁棒５１の弁体支持軸部５１ｃ
に移動自在に嵌合されている。これにより弁体５２は弁
棒５１に弁座２９に対して接近、離間する方向に変位可
能に支持される。なお、弁棒３０を弁座２９に接近する
向きに移動すると弁体５２は弁座２９に押し付けられ、
弁棒３０を弁座２９から離れる向きに移動すると、弁棒
３０による弁体５２への押し付け力が解除され、弁体５
２は弁体支持軸部５１ｃに沿って変位可能な状態となり
自重で弁座２９に接触する。

【００２７】弁体５２は次に述べる動作が可能な位置に
設けられている。弁体５２の移動方向に対して直角な方
向に沿い冷媒チャージ用ポート２８が延びている。弁体
５２の移動方向に対して直角な方向からガス冷媒流が流
れてきても弁体５２は浮上せず、弁体５２の移動方向に
対して直角な方向から液冷媒流が流れて来ると弁体５２
は浮上する。また弁体５２の下側に位置して弁体５２の
移動方向に沿って第２の冷媒回路用のポート２７が延び
ている。ガス冷媒流が第２の冷媒回路用のポート２７を
通って弁体５２の下側から上昇してくると、弁体５２は
ガス冷媒の動圧によりが浮上して弁座２９から離れる。

【００２８】そして、図２に示すようにこの操作弁１１
は室外ユニット１に取り付けられ、室外ユニット１の機
器と冷媒配管３に接続される。室外ユニット１と室内ユ
ニット２に冷媒をチャージする場合には、図３に示す場
合と同様にして弁箱２１の冷媒チャージ用ポート２８に
チャージホース１３が接続される。

【００２９】冷媒チャージに際しては、キャップ３１に
より弁棒５１を開放方向に回転し、弁棒５１を弁座２９
から離れる上向きの方向に移動する。弁棒５１による弁
体５２への押し付け力が解除され、弁体５２は弁体支持
軸部５１ｃに沿って変位可能な状態となり自重で弁座２
９に接触する。

【００３０】この状態で冷媒ボンベ１２に設けられたバ
ルブ１４を開くと、図１（ａ）の実線矢印に示すように
冷媒ボンベ１２に充填されている冷媒がチャージホース
１３を通って、操作弁１１の弁箱２１の冷媒チャージ用
ポート２８に送り込まれる。ここで、冷媒チャージ用ポ
ート２８に液冷媒が送り込まれると、浮子式の弁体５２
はその移動方向に対して直角な方向から液冷媒を受けて
浮いて弁棒５１の弁体支持軸部５１ｃに沿って上昇し弁
座２９から離れて弁室２４が開放される。これにより液
冷媒はが冷媒チャージ用ポート２６から弁室２４を経て
第１の冷媒回路用ポート２６を通り室外ユニット１の機
器にチャージされるとともに、第２の冷媒回路用ポート
２７を通り冷媒配管３にチャージされる。

【００３１】また、図１（ｂ）の実線矢印に示すように
弁箱２１の冷媒チャージ用ポート２８にガス冷媒が送り
込まれると、浮子式の弁体５２が浮かず弁座２９から離
れない。このため、弁室２４が開放されずガス冷媒が冷
媒チャージ用ポート２８から弁室２４を経て冷媒回路用
ポート２６、２７を通り室外ユニット１および冷媒配管
３にチャージされることがない。また、浮子式の弁体５
２はガス冷媒に押されて第１の冷媒回路ポート２６の内
側開口２６ａに接触して、この内側開口２６ａをシール
することにより一層確実にガス冷媒の流れを阻止でき
る。

【００３２】一方、空気調和装置を運転中には弁棒５１
が上昇して、弁体５２が自由な状態にある。ここで、図
１（ａ）の破線矢印で示すようにガス冷媒が冷媒配管３
から第２の冷媒回路用ポート２７を高速で通り弁体３３
に対してその真下からガス冷媒の動圧が加わると、弁体
５２はガス冷媒により押し上げられ弁座２９から離れ、
弁室２４が開放される。これによりガス冷媒は。第２の
冷媒回路用ポート２７から弁室２４を経て第１の冷媒回
路用ポート２６に流れる。なお、空気調和装置の運転中
は冷媒チャージ用ポート２８にチャージホース１３が接
続されていないので、冷媒チャージ用ポート２８に設け
た逆止弁３４が冷媒チャージ用ポート２８を閉じてい
る。

【００３３】このように請求項１の発明の操作弁では、
浮子式の弁体５２の比重量がガス冷媒の比重量より大き
いとともに液冷媒の比重量より小さい。このため、弁箱
２１の冷媒チャージ用ポート２８に液冷媒が送り込まれ
ると、浮子式の弁体５２が浮いて弁座２９から離れる。
そして、弁室２４が開放されて液冷媒が冷媒チャージ用
ポート２８から弁室２４を経て冷媒回路用のポート２
６、２７を通り空気調和装置などの対象機器にチャージ
される。また、弁箱２５の冷媒チャージ用ポート２８に
ガス冷媒が送り込まれると、浮子式の弁体５２が浮かず
弁座２９から離れない。このため、弁室２４が開放され
ず液冷媒は冷媒チャージ用ポート２８から弁室２４を経
て対象機器にチャージされない。

【００３４】従って、このようにガス冷媒をチャージせ
ず液冷媒のみをチャージすることにより、ガス冷媒成分
のチャージを抑えて液冷媒のみをチャージし、非共沸混
合冷媒を低沸点冷媒の増大を抑えて冷媒ボンベで設定さ
れた所定の組成比に維持して対象機器にチャージするこ
とができる。これにより、非共沸混合冷媒の組成比にお
いて低沸点冷媒が増大することにより対象とする機器の
運転が阻害されるという事態の発生を阻止できる。

【００３５】なお、浮子式の弁体５２の重量は、対象機
器の運転中におけるガス冷媒の動圧より軽量である。こ
のため、浮子式の弁体５２は対象機器が運転中における
ガス冷媒が流れにより浮いて弁室２４を開放するので、
ガス冷媒の流れを妨げず機器の運転に支障をきたすこと
がない。請求項１の発明では対象とする機器は空気調和
装置に限定されない。

【００３６】請求項２の発明では、浮子式の弁体５２が
弁棒５１に移動自在に支持されているので、弁体５２が
安定して移動して安定して弁室２４を開閉する動作を行
うことができる。

【００３７】請求項３の発明の空気調和装置では、請求
項１に記載の操作弁を装備し、この操作弁の第一の冷媒
回路用のポート２６を室外ユニット１に接続し、第二の
冷媒回路用のポート２７を室内ユニット２に接続し、冷
媒チャージ用ポート２８を冷媒ボンベ１２に接続するこ
とにより、冷媒チャージに際して、非共沸混合冷媒にお
ける低沸点冷媒の増大を抑えて、あらかじめ設定した所
定成分の非共沸混合冷媒を用いて、圧縮機吐出ガス温度
や吐出ガス圧力の上昇などの事態の発生の恐れがなく運
転を良好に行うことができる。なお、本発明は前述した
実施例に限定されずに種々変形して実施することができ
る。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように請求項１の発明の操
作弁によれば、浮子式の弁体の比重量がガス冷媒の比重
量より大きいとともに液冷媒の比重量より小さく設定さ
れているので、弁箱の冷媒チャージ用ポートに液冷媒が
送り込まれると、浮子式の弁体が浮いて弁室が開放さ
れ、このため液冷媒が冷媒チャージ用ポートから弁室を
経て冷媒回路用のポートを通り対象機器にチャージさ
れ、また弁箱の冷媒チャージ用ポートにガス冷媒が送り
込まれると、浮子式の弁体が浮かず弁座から離れずに弁
室が開放されず、このため液冷媒が冷媒チャージ用ポー
トから弁室を経て対象機器にチャージすることができな
い。

【００３９】従って、このようにガス冷媒をチャージせ
ず液冷媒のみをチャージすることにより、低沸点冷媒で
あるガス冷媒成分のチャージを抑えて液冷媒のみをチャ
ージし、非共沸混合冷媒を低沸点冷媒の増大を抑えて冷
媒ボンベで設定された所定の組成比に維持して対象機器
にチャージすることができる。これにより、非共沸混合
冷媒の組成比において低沸点冷媒が増大することにより
機器の運転が阻害されるという事態の発生を回避でき
る。

【００４０】また、浮子式の弁体の重量は対象機器が運
転中におけるガス冷媒の動圧より軽量である。このた
め、浮子式の弁体は対象機器が運転中におけるガス冷媒
が流れてくると浮いて弁室を開放するので、ガス冷媒の
流れを妨げず機器の運転に支障をきたすことがない。

【００４１】請求項２の発明の操作弁によれば、請求項
１の発明の操作弁において、浮子式の弁体が弁棒に移動
自在に支持されているので、弁体が安定して移動して安
定して開閉動作を行うことができる。

【００４２】請求項３の発明の空気調和装置によれば、
請求項１の発明の操作弁を装備することにより、冷媒の
チャージに際して非共沸混合冷媒における低沸点冷媒の
増大を抑えて、あらかじめ設定した所定成分の非共沸混
合冷媒を用いて運転を良好に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明にかかわる一実施例の操作弁を示す断
面図。

【図２】セパレート形の空気調和装置を示す図。

【図３】従来の一例の操作弁を示す断面図。

【符号の説明】

１…室外ユニット、 ２…室内ユニット、 ３…冷媒配管、 １１…操作弁、 ２４…弁室、 ２６…ポート、 ２７…ポート、 ２８…ポート、 ２９…弁座、 ３０…弁棒、 ３４…逆止弁、 ５１…弁棒、 ５２…弁体。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 滋男 愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町３丁目 １番地 三菱重工業株式会社エアコン製作 所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁座を有する弁室、この弁室に連通する
   ２個の冷媒回路用のポートおよび１個の冷媒チャージ用
   のポートを備えた弁箱と、前記弁室に前記弁棒に前記弁
   座に対して接近離間する方向に変位可能に設けられた浮
   子式の弁体と、前記弁箱に前記弁座に対して接近離間す
   る方向に変位可能に設けられ前記弁座に対して接近する
   方向に変位する時に前記弁体を動かして前記弁座に接触
   させる弁棒とを具備し、 前記浮子式の弁体は、その比重量がガス冷媒の比重量よ
   り大きいとともに液冷媒の比重量より小さく、且つ重量
   が前記ガス冷媒の動圧より小さいものであることを特徴
   とする操作弁。
2. 【請求項２】前記浮子式の弁体は、前記弁棒に摺動自在
   に支持されていることを特徴とするとする操作弁。
3. 【請求項３】前記浮子式の弁体は、室外ユニットと、室
   内ユニットと、前記室外ユニットと室内ユニットとを接
   続して冷媒を流通させる冷媒配管と、前記室外ユニット
   に装備された冷媒配管接続兼冷媒チャージ用の操作弁と
   を具備し、 この操作弁は、弁座を有する弁室、この弁室に連通する
   とともに前記室外ユニットに接続する第一の冷媒回路用
   のポート、前記弁室に連通するとともに前記冷媒配管に
   接続する第二の冷媒回路用のポートおよび１個の冷媒チ
   ャージ用ポートを備えた弁箱と、前記弁室に前記弁棒に
   前記弁座に対して接近離間する方向に変位可能に設けら
   れた浮子式の弁体と、前記弁箱に前記弁座に対して接近
   離間する方向に変位可能に設けられ前記弁座に対して接
   近する方向に変位する時に前記弁体を動かして前記弁座
   に接触させる弁棒とを備え、 前記浮子式の弁体は、その比重量がガス冷媒の比重量よ
   り大きいとともに液冷媒の比重量より小さく、且つ重量
   が前記ガス冷媒の動圧より小さいものであることを特徴
   とする空気調和装置。