JPH07332369A - 合成樹脂製保持器 - Google Patents

合成樹脂製保持器

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JPH07332369A
JPH07332369A JP12645994A JP12645994A JPH07332369A JP H07332369 A JPH07332369 A JP H07332369A JP 12645994 A JP12645994 A JP 12645994A JP 12645994 A JP12645994 A JP 12645994A JP H07332369 A JPH07332369 A JP H07332369A
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synthetic resin
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Tadahiro Terada
忠弘 寺田
Akira Yamamoto
山本  明
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のものに比べて強化繊維の添加量は変わ
らず、しかも十分な強度、耐熱性、耐油性ならびに柔軟
性を有する合成樹脂製の保持器を提供する。 【構成】 母材樹脂中に分散された強化繊維中の、繊維
長180μm以下の繊維の割合を、65〜90重量%に
限定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転がり軸受等に使用
される、強化繊維により強化された合成樹脂製の保持器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受等に使用される保持器とし
て、近時、金属製のものに比べて軽量で、しかも機械的
特性にすぐれたナイロン46、ナイロン66等のポリア
ミド樹脂その他、各種のエンジニアリングプラスチック
類からなる合成樹脂製のものが多用されている。合成樹
脂製の保持器には、当該保持器に必要な強度や耐熱性を
付与すべく、ガラス繊維等の強化繊維が、全成分中の1
0〜40重量%程度の割合で含有される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】たとえば平板等の比較
的単純な形状の成形品では、強化繊維の繊維長が長いほ
ど、その強度を向上できることが知られているが、合成
樹脂製の保持器においては、強度を得ようとして繊維長
の長い強化繊維を添加しても目指す強度が得られない場
合がある。
【0004】この原因について発明者らが検討したとこ
ろ、保持器中での強化繊維の分散性に起因することが判
明した。すなわち、通常使用されている、平均繊維長が
3mm程度の強化繊維は、溶融混練による母材樹脂中へ
の分散、ペレット化、射出成形機における溶融混練、射
出等の工程を経て切断されるが、依然として繊維長が長
く、複雑な形状を有する保持器の隅々にまで十分に分散
されない。このため保持器の全体を均一に強化できず、
保持器に強度の弱い部分が生じる結果、保持器全体の強
度が、目指す強度に達しない場合が生じるのである。
【0005】強化繊維の添加量を多くすれば目的とする
強度を確保できるが、保持器の柔軟性が低下して、とく
にアンダーカットになった形状の保持器の場合に、たと
えば金型から成形品を抜き取ったり、ポケットに転動体
を圧入したりする際に割れやクラック等が発生するおそ
れがある。また、はじめから繊維長の短い強化繊維を使
用すれば分散性を向上できるが、強化繊維の単位重量当
りの表面積、つまり比表面積が大きくなるので、強化繊
維の添加量が同じでも、母材樹脂との界面の面積が増加
して、加熱された油の界面への侵入による母材樹脂の熱
劣化が生じやすくなり、その結果、保持器の耐油性が低
下してしまう。
【0006】この発明の目的は、従来のものに比べて強
化繊維の添加量は変わらず、しかも十分な強度、耐熱
性、耐油性、ならびに柔軟性を有する合成樹脂製の保持
器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、発明者らは、保持器中における、強化繊維
の繊維長の分布を調べた。その結果、母材樹脂中に分散
された強化繊維の繊維長の分布において、繊維長が18
0μm以下の短い繊維の割合が、保持器の特性を左右す
る重要な要素であることを見出した。
【0008】たとえば従来の、平均繊維長が3mm程度
の強化繊維の場合は、前記の工程を経て製造された保持
器における強化繊維の繊維長は、最大で400〜500
μm程度で、繊維長が180μm以下の短い繊維の割合
が約50重量%前後であり、この状態では、前述したよ
うに保持器の隅々にまで強化繊維が分散されず、保持器
に強度の弱い部分が生じて、保持器全体の強度が低下す
る。
【0009】また、平均繊維長が上記の半分の1.5m
mである強化繊維の場合は、同様にして製造された保持
器中に分散された強化繊維のうち、繊維長が180μm
以下の短い繊維の割合が90重量%を超え、この状態で
は、耐油性が著しく低下する。つまり繊維長が180μ
m以下の短い繊維は、保持器の隅々にまで分散して、保
持器に強度の弱い部分が生じるのを防ぐ働きをするた
め、その比率が低すぎると、保持器全体の強度が低下す
るが、その一方で、上記短い繊維は比表面積が大きいた
め、その比率が高すぎると、保持器の耐油性を低下させ
るおそれがあるのである。
【0010】そこで発明者らは、母材樹脂中に分散され
た強化繊維中に占める、繊維長180μm以下の短い繊
維の割合の最適な範囲についてさらに検討した結果、こ
の発明を完成するに至った。すなわちこの発明の合成樹
脂製保持器は、母材樹脂中に分散された強化繊維中の、
繊維長180μm以下の繊維の割合が、65〜90重量
%であることを特徴とする。
【0011】繊維長180μm以下の短い繊維の割合が
上記範囲未満では、前記のように、強化繊維が保持器の
隅々にまで十分に分散されず、保持器に強度の弱い部分
が生じて、全体の強度が低下してしまう。また、短い繊
維の割合が上記範囲を超えた場合には、強化繊維の比表
面積が大きくなるので、その添加量が同じでも、母材樹
脂との界面の面積が増加して、加熱された油の界面への
侵入による母材樹脂の熱劣化が生じやすくなり、その結
果、保持器の耐油性が低下してしまう。
【0012】なお、繊維長180μm以下の短い繊維の
割合は、上記範囲内でもとくに70〜90重量%が好ま
しく、80〜90重量%がより一層好ましい。上記短い
繊維の繊維長の下限は、この発明ではとくに限定されな
いが、10μm程度が好ましい。繊維長が10μm未満
の繊維は、樹脂の強化にほとんど寄与しない上、とくに
比表面積が大きく、保持器の耐熱性および耐油性に悪影
響を及ぼすおそれがある。
【0013】強化繊維の具体例としては、これに限定さ
れるものではないが、たとえばガラス繊維、炭素繊維、
炭化けい素繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維等があげら
れる。保持器における強化繊維の含有割合はとくに限定
されないが、従来と同程度、すなわち全成分中の10〜
40重量%であるのが好ましく、10〜30重量%であ
るのがさらに好ましい。強化繊維の含有割合が上記範囲
未満では、保持器の強度が不十分になるおそれがあり、
逆に強化繊維の含有割合が上記範囲を超えた場合には、
保持器の柔軟性や耐熱性、耐油性が不十分になるおそれ
がある。
【0014】強化繊維が添加される母材樹脂としては、
保持器用として従来公知の種々の合成樹脂がいずれも使
用可能である。合成樹脂の具体例としては、これに限定
されるものではないが、たとえばナイロン66、ナイロ
ン46等のポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテ
ルニトリル(PEN)、芳香族ポリアミド等のエンジニ
アリングプラスチック類があげられる。
【0015】また合成樹脂には、たとえば充填材や安定
剤等の各種の添加剤を添加してもよい。上記各成分が添
加され、溶融、混練された合成樹脂は、従来と同様に、
ペレット状、粉末状等の、成形材料として使用可能な形
状にした状態で、射出成形に使用される。
【0016】母材樹脂中に分散された強化繊維中の、繊
維長180μm以下の繊維の割合を前記の範囲に調整す
るには、原料である強化繊維として、平均繊維長の違う
2種以上の強化繊維を併用すればよい。この方法では、
たとえば平均繊維長が3mm程度の通常の強化繊維と、
それより平均繊維長の短い強化繊維(たとえば平均繊維
長が上記の1/2の1.5mmであるもの)とを、所定
の割合で配合すると、前述したように平均繊維長が3m
m程度のものだけでは約50重量%前後であった、繊維
長180μm以下の繊維の割合を、前記65〜90重量
%の範囲内に調整することができる。
【0017】両強化繊維の配合比についてはとくに限定
されないが、例えば平均繊維長が3mmの強化繊維A
と、平均繊維長が1.5mmの強化繊維Bとを併用する
場合には、両者を重量比で、A:B=80:20〜4
0:60の割合で配合するのが好ましい。平均繊維長3
mmの強化繊維Aの割合が上記範囲より多い場合には、
母材樹脂中に分散された強化繊維中の、繊維長180μ
m以下の短い繊維の割合が65重量%を下回るおそれが
あり、逆に平均繊維長1.5mmの強化繊維Bの割合が
上記範囲より多い場合には、上記短い繊維の割合が90
重量%を超えるおそれがある。
【0018】なお上記両強化繊維の配合比は、上記範囲
内でもとくに、A:B=80:20〜50:50である
のが好ましい。
【0019】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。実施例1〜4、比較例1 平均繊維長3mmのガラス繊維Aと、平均繊維長1.5
mmのガラス繊維Bとを、下記表1に示す割合(重量
比)で使用し、その合計量が、全成分中の25重量%と
なるように、少量の熱安定剤その他の添加剤とともに、
母材樹脂としてのナイロン66に配合した。そして、溶
融混練による各成分の分散、ペレット化、射出成形機に
おける溶融混練、側面1点ゲートによる射出成形の工程
を経て、図1に示す形状の冠型玉軸受用保持器Hを製造
した。なお図において符号Gはゲート位置を示し、符号
H1は、上記ゲートGと対称位置に発生する成形品のウ
エルドラインを示している。
【0020】上記各実施例、比較例の冠型玉軸受用保持
器について、以下の各試験を行い、その特性を評価し
た。保持器強度測定(初期値) 図2(a)(b)に示すように、冠型玉軸受用保持器Hを、そ
のウエルドラインH1が1対の治具1,2間に配置され
るようにして突起11,21に装着し、両治具1,2
を、図中白矢印で示すように上下に引っ張った際の破断
強度の初期値(N)を測定した。
【0021】保持器強度測定(熱劣化試験後) 冠型玉軸受用保持器Hの表面にグリースを塗布し、15
0℃の雰囲気中に1000時間放置する熱劣化試験を行
った後、上記と同様にして破断強度(N)を測定した。
以上の結果を、製造された冠型玉軸受用保持器中におけ
る、繊維長180μm以下のガラス繊維の、全ガラス繊
維中に占める割合のデータとともに、表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】上記表1の結果より、母材樹脂中に分散さ
れた強化繊維中の、繊維長180μm以下の繊維の割合
が65〜90重量%の範囲内である実施例1〜4の冠型
玉軸受用保持器はいずれも、上記割合が65重量%未満
である比較例1に比べて、初期ならびに熱劣化試験後の
破断強度にすぐれることがわかった。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
従来のものに比べて強化繊維の添加量は変わらず、しか
も十分な強度、耐熱性、耐油性ならびに柔軟性を有する
合成樹脂製の保持器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の合成樹脂製保持器の一実施例として
の、冠型玉軸受用保持器を示す斜視図である。
【図2】同図(a)(b)は、上記冠型玉軸受用保持器の強度
測定方法を示す正面図および側面図である。
【符号の説明】
H 冠型玉軸受用保持器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化繊維により強化された合成樹脂製の保
    持器において、母材樹脂中に分散された強化繊維中の、
    繊維長180μm以下の繊維の割合が、65〜90重量
    %であることを特徴とする合成樹脂製保持器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0992696A1 (en) * 1997-07-01 2000-04-12 Koyo Seiko Co., Ltd. Bearing retainer of synthetic resin, method of manufacturing the same, and roller bearing
US8182155B2 (en) * 2005-09-02 2012-05-22 Ntn Corporation Lubricating grease and lubricating grease-enclosed roller bearing

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