JPH0733206B2 - 糸条巻取装置 - Google Patents

糸条巻取装置

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JPH0733206B2
JPH0733206B2 JP61035821A JP3582186A JPH0733206B2 JP H0733206 B2 JPH0733206 B2 JP H0733206B2 JP 61035821 A JP61035821 A JP 61035821A JP 3582186 A JP3582186 A JP 3582186A JP H0733206 B2 JPH0733206 B2 JP H0733206B2
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Description

【発明の詳細な説明】 {産業上の利用分野} 本発明は、糸条巻取用のボビンを把持する筒状のボビン
ホルダ部とその回転軸とからなるボビンホルダにフイー
ルドバランス修正が施工された、いわゆるターレット式
の糸条巻取装置に関する。更に詳しくは、ボビンホルダ
が回転し始めて該ボビンホルダの1次危険速度を乗り越
え、該1次危険速度と該ボビンホルダの2次危険速度ま
での間の回転数を使用回転数領域とする糸条巻取装置に
おいて、ボビンホルダの前記1次危険速度通過時の振動
を低減させるだけでなく、定常巻取時における前記使用
回転数領域の振動をも低いレベルに抑制することによ
り、糸品質と巻姿が良好なパッケージの得られるターレ
ット式糸条巻取装置に関する。
{従来の技術} 従来より生産性の向上、糸品質の改善などを目的として
合成繊維の製造プロセスの高速化が進み、最近ではFOY
に見られる如く、紡糸・延伸工程を直結化し、一気に50
00〜6000m/分で巻取るプロセスが開発され、装置サイド
においても、上記高速プロセスを工業化するための高速
糸条巻取装置が実用化され始めてきている。
また、上記高速化の指向と同時に、1回の巻取りで多量
のパッケージを多く得ることができる、例えばボビン前
長が600mm程度で、150mm長さのボビンを4個装着する標
準的なボビンホルダよりも、より長尺のものを装備でき
る糸条巻取装置を実現できれば操業コストの低減を達成
することができ、より一層の生産性の向上が可能になる
ことは明らかである。
かかる状況下においては、高速かつ多山取りが可能な長
尺構造の高性能ボビンホルダを装備する糸条巻取装置、
なかでも自動糸切替装置を具備したターレット式糸条巻
取装置を開発することが非常に重要になってきた。
上記の高速かつ長尺のボビンホルダを具現化するにあた
り解決すべき最大の問題は、ボビンホルダの回転数が高
速になるに従って、ボビンホルダ部のみならず、その回
転軸や回転軸を支承する支持体等に次々と発生する固有
振動数に起因する異常振動をいかに抑制するかであり、
今まで大きく分けて2つの方法が検討されてきた。
1つは、ボビンホルダの剛性を強くして、1次危険速度
以下を使用回転数範囲とするものである。しかし、ボビ
ンホルダが長尺という構造上の制約から、剛性を上げる
ことはできず、現実には不可能に近い。
そこで、一般には特公昭57−22864号公報、更には特公
昭57−34187号公報で開示されているように、1次危険
速度を乗り越えた回転数領域を使用範囲とする柔構造の
ものが用いられている。
例えば、外径が110mm、長さが150mmの標準的なボビンを
装着するボビンホルダが、毎分6000mで安定した巻取り
を行ない、良好なパッケージを得るためには、巻始めの
17360rpmから満管パッケージ径420mm時の回転数4550rpm
までの広い使用回転数範囲に危険速度が存在しないこと
が必要とされる。このため、上記使用回転数範囲からボ
ビンホルダの危険速度を回避するように、ボビンホルダ
軸の径、該ボビンホルダ軸を回転自在に支承する軸受位
置など、該ボビンホルダの剛性を支配する諸因子が決定
される。
しかし、危険速度を回避するだけで安定した糸条巻取り
を行なうことは、実用上極めて困難である。一般に長尺
のボビンホルダにおいては、長尺であるが故に精度良く
加工することが難しく、ボビンホルダ軸の曲り、またボ
ビンを支持するボビンホルダ部の内外径同軸度の不一致
などが発生し、アンバランスが残る。このため、ボビン
ホルダ部、更にはボビン保持機構用部品などを単体とし
て低速バランス取りをバランシング装置を用いて実施し
ても組立てられたボビンホルダでは充分にアンバランス
を除去することができず、まだ満足のいく状態ではな
い。
かかる状態でボビンホルダを回転させると上記アンバラ
ンスに起因する遠心力が発生して、振動、騒音が非常に
大きくなり、1次危険速度を乗り越えることができない
場合も起る。また、軸受には過大な力が作用し、軸受寿
命の低下、更にひどい場合はボビンホルダ軸の破損をも
もたらす。また、糸条を巻取るという面から見ても、ボ
ビンの振動が大きくなることにより、巻姿の良好なパッ
ケージを得ることが困難となり、また、糸品質が低下す
る。更にまた、操業時の環境も著しく劣化する。
したがって、ボビンホルダのバランス取り作業において
は、組み上った状態でボビンホルダに残留するアンバラ
ンスを取り除く作業、すなわちフイールドバランス修正
が必要とされるが、かかる修正作業の際に何らかの工夫
が必要である。
{発明が解決しようとする課題} まず、本発明者らは、フイールドバランス修正として、
ボビンを直接支持するボビンホルダ部において、バラン
ス修正面を該ボビンホルダ部の両端部にのみ設けて実施
してみた。
しかしながら、長尺のボビン支持する上記ボビンホルダ
部に連続して分布するアンバランスを、該ボビンホルダ
部の両端部だけで除去することはできず、修正作業を施
した回転数では所期の目的を達成できるが、その他の回
転数では却って振動が倍加されることが判った。
すなわち、該ボビンホルダ部に残留するアンバランス
は、その分布状態により、該アンバランスによって発生
する上記ボビンホルダの1次危険速度と使用回転数域の
各々の振動レベルに及ぼす影響の程度が異なるため、軸
方向に連続して長く分布するボビンホルダ部のアンバラ
ンスを、該ボビンホルダ部の両端部の高々2面だけで代
表してフイールドバランス修正を実施してみても、充分
に満足の行く結果を得ることができなく、所望する回転
数すなわち高速巻取速度までボビンホルダを昇速させる
ことが不可能であった。
本発明の目的は、1次危険速度以上を使用回転範囲とす
るボビンホルダを装着した糸条巻取装置において、1次
危険速度通過時の振動と使用回転数領域での振動、すな
わち助走時及び巻始めから巻終りまでの幅広い使用回転
数領域での振動を低減させることにより、目的とする高
速度での巻取作業が可能となり、パッケージの内外層に
渡って巻き硬さが均一で、肩崩れのない良好な巻姿の巻
取パッケージが得られると共に、軸受寿命等などの機械
的性能の向上により、安定した連続巻取が可能となるタ
ーレット式の糸条巻取装置を提供せんとするものであ
る。
{課題を解決するための手段} 上記目的を達成するための本発明の構成は、次の通りで
ある。すなわち、フレームに回転自在に支持され、所定
角度回動する回動手段を有するレボルビングドラムと、 該レボルビングドラムの回転中心から所定間隔を隔てて
互いに平行に配置され、該レボルビングドラムからドラ
ム軸方向に突出して設けられた一対の管状支持体と、 該それぞれの管状支持体によって回転自在に支持される
と共に、前記レボルビングドラム側にそれぞれ独立した
回転手段が接続され、糸条巻取用のボビンを把持して該
ボビン上に巻取パッケージを形成するための一対のボビ
ンホルダとを備えたターレット式の糸条巻取装置におい
て、 前記ボビンホルダは、糸条を巻取る長尺の筒体であっ
て、該筒体内部の略中間部がボス部により仕切られてい
るボビンホルダ部と、前記ボス部から前記ボビンホルダ
部と同軸上に延長され、前記ボビンホルダ部の筒体内部
に貫入された前記管状支持体の先端部で回転自在に支承
されると共に、前記回転手段に接続されているボビンホ
ルダ軸とからなり、 前記ボビンホルダ部は、その両端部と、前記ボス部との
長手方向の3位置の修正面において、前記ボビンホルダ
軸周りに均等配分された試し重りと修正重りを着脱する
ための着脱孔が設けられ、前記3位置の修正面におい
て、該着脱孔に前記試し重り又は前記修正重りを着脱し
てフィールドバランス修正を行なうことにより、前記ボ
ビンホルダの1次危険速度を小さな振動で乗り越え、1
次危険速度と2次危険速度との間の使用回転数領域に発
生する前記管状支持体及び前記ボビンホルダ部の固有振
動数による振動を低レベルに抑制し得るように構成して
なる糸条巻取装置である。
以下、本発明の内容を一実施例を示す図面を参照しなが
ら詳しく説明する。
第1図は、本発明のターレット式の糸条巻取装置に適用
されているボビンホルダの概略断面図である。
第1図で水平方向に片持式に配置されたボビンホルダ1
は、ボビン11a、11b、11c、11dを支持する公知のボビン
保持機構3が設けられた筒状のボビンホルダ部2と、該
ボビンホルダ部2と同軸上に延長されたボビンホルダ軸
4とからなる。ボビンホルダ1は、図に示すように、そ
の略中間部でボス部2aにより操作側空洞部2bとモータ側
空洞部2cとに仕切られている。
一方、モータ側空洞部2cには、管状支持体5が貫入され
ており、ボビンホルダ軸4をボビンホルダ内部で回転自
在に支承している。すなわち、ボビンホルダ軸4は、レ
ボルビングドラム9(第2図参照)内に設けられた軸受
10b、10cと、該レボルビングドラム9にボルト(図示せ
ず)で固定された管状支持体5の先端部に設けられた軸
受10aとにより回転自在に支承されている。該軸受10b、
10cとの間には、電動機回転子7が該ボビンホルダ軸4
と締結され、該回転子7と対応して、レボルビングドラ
ム9内には電動機固定子8が取付けられ、ボビンホルダ
1上に回転トルクを与えている。また、該ボビンホルダ
軸4の後端部には、停止時の機械ブレーキ用の円板6が
締結されている。
ボビンを支持するボビンホルダブレーキ部2の先端のA
面と後端のC面には、フイールドバランス修正時に試し
重りと修正用重りを付加するための着脱孔であるタップ
12aを同一円芯状に均等に8カ所設けてある。
更にまた、修正面Aと修正面Cの中間に設けられ、ボビ
ンホルダ部2を操作側空洞部2bとモータ側空洞部2cとに
仕切るボス部を修正面Bとし、該B面にはA面のタップ
12aと位相を合せて等配の8カ所にタップ12bが加工され
ている。
更に、必要な場合には、ボビンホルダ軸4の後端の円板
6のD面にも修正面が設けられており、A、B、C面と
同様、タップ12dが加工されている。
すなわち、本実施例では、フイールドバランス修正面と
して、A、B、C、D面の4カ所に、等分割にタップ12
a、12b、12c、12dが加工されているのである。
なお、上記タップは本実施例のように何も8分割に限定
される必要はなく、それより少なくてもよいし、また反
対に多くてもよい。しかし、本発明のように予め修正面
に試し重りと修正重り取付用のタップを設けておかず
に、バランス修正毎にその都度ドリル等で孔を開けて修
正する方法もあるが、広い回転速度範囲の全域を低振動
に抑制するには幾つもの回転速度で修正する必要があ
り、修正孔がいくつもあくこととなり、バランス修正作
業に手間取るばかりか精密なバランスが採れないので望
ましくない。
第2図は、本発明に係るターレット式の糸条巻取装置の
概略側面図である。
フレーム13にレボルビングドラム9が回転自在に軸受
(図示せず)に支承されており、該レボルビングドラム
9には、第1図で例示した一対のボビンホルダ1、14が
装備されている。また、該レボルビングドラム9の後端
にはギア15が締結されており、チェーン16を介してモー
タ18先端に取付けられたギア17と連結され、回転可能な
構造とされている。
該ボビンホルダ14には、昇降ボックス19内に収められて
いる公知のトラバース装置(図示せず)によりパッケー
ジ22a、22b、22c、22dが形成され、該パッケージ22a、2
2b、22c、22dは、該昇降ボックス19内で両持式に支持さ
れたタッチロール20により適正な接圧が与えられ、巻取
速度が一定になるよう制御器(図示せず)により回転数
制御されている。
昇降ボックス19は、スライド軸21に沿って上下に移動可
能とされ、該昇降ボックス19後部は流体シリンダ24と連
結されている。したがって該流体シリンダ24に空気など
の加圧流体を流入することにより、パッケージ22a、22
b、22c、22dとタッチロール20との接触圧を最適値に維
持しながら、パッケージの巻き太りと共に、昇降ボック
ス19を上昇せしめる構造とされている。
ボビンホルダ14に装着されたボビン23a、23b、23c、23d
上に形成されたパッケージ22a、22b、22c、22dが所定の
巻量に達すると、空ボビン11a、11b、11c、11dを装着し
た他方のボビンホルダ1はパッケージ巻取速度と同一速
度まで昇速させられる。
ここでボビンホルダのバランス修正レベルの悪いものの
問題点を述べる。ボビンホルダの昇速途中の1次危険速
度通過時においてフイールドバランスの修正精度が良く
ない場合には、助走側ボビンホルダの振動が非常に大き
くなり、この振動エネルギが巻取装置のフレームを介し
て巻取中のボビンホルダや、タッチロールとトラバース
装置を支持した昇降ボックスにも伝わり、昇降ボックス
を振動させる。このため、安定して巻取られていたパッ
ケージは、上記外乱により糸条が揺らされ、巻姿の不良
を生ぜしめたり、糸品質の劣化損傷を招くなどの欠点が
生じる。更にひどい場合には、タッチロールとパッケー
ジとの間の接圧がなくなるようなタッチロールの跳躍現
象が発生し、正常な巻取が不能となって糸切れが発生
し、トラバース装置から糸が外れて操業が中断するとい
う事態になる。
また、糸切替えが完了した後に同様の問題が発生する。
すなわち、助走ボビンホルダが所定の速度まで昇速した
後に糸切替えのための一定の連続的な動作、すなわちモ
ータ18が駆動し、チェーン16を介してレボルビングドラ
ム9を180度回転させて糸切替を行ない、空ボビン11a、
11b、11c、11d上に糸条を移し変え、巻取りが続行させ
られる。また、満パッケージ22a、22b、22c、22dを装着
したボビンホルダ14にはブレーキ(図示せず)が働き、
速やかに停止させられる。糸切替後の満管側ボビンホル
ダが降速される際に1次危険速度を通過するため、満管
側ボビンホルダから巻き始めたばかりの空管側ボビンホ
ルダに振動の影響が伝わり、巻取パッケージの表層面の
巻硬度の低下、型崩れ等の欠点を生じる。更にひどい場
合には、糸条の巻取が中断するという事態にもなる。
次に、フイールドバランス修正技術については、既に例
えば、特公昭60−18007号公報などで開示されているの
で、詳細を省略し、以下、簡単に本発明のターレット式
の糸条巻取装置に適用されているボビンホルダのフイー
ルドバランス修正の手順について説明する。
第1図において、ボビンホルダ1のアンバランスによっ
て発生する振動を検出するため、ボビンホルダ軸4を回
転自在に支承する軸受10b、10c近くのレボルビングドラ
ム9のX点、Y点に振動ピックアップ25a、25bが取付け
られている。更に、位相検出用として本実施例では修正
面のC面上にマーカ26が貼付けられ、該マーカ26を検出
する回転ピックアップ27が設置されている。
ボビンホルダ1が回転させられると、アンバランスに起
因する振動が、該振動ピックアップ25a、25bからの信号
としてフイールドバランサ28に入力される。同時に、回
転ピックアップ27からの位相信号もまた、該フイールド
バランサ28に入力される。該フイールドバランサ28では
得られた振動信号、位相信号から内蔵されたトラッキン
グフイルタを通して軸受10b、10cに働く振動成分のう
ち、ボビンホルダ1と同期した回転数の振幅、位相が検
出される。
すなわち、 (1)先ず、A、B、C、D面の各修正面に何も付けな
い組み上ったままの状態でボビンホルダ1を回転し、回
転数を固定した時のX点、Y点の振動を測定する。
(2)次に、修正面A面に重量の判っている試し重りを
タップ12aの8カ所のうち任意の1カ所に取付けて回転
させ、最初の何も付けない状態で振動を測定した時と同
じ回転数に揃えてX点、Y点の振動を測定する。
(3)次に、修正面A面の試し重りを外し、修正面B面
に新たに重量の判っている試し重りを取付け、同様の手
順で振動を測定する。
(4)以下同様にC面、D面に試し重りを付けた時の振
動を測定する。
これら振動データから最初の何も付けない状態から各修
正面に重りを付加すると振動がどれだけ変化したかとい
う度合、すなわち影響係数マトリクスをコンピュータ処
理により算出する。そして、この影響係数マトリクスを
用いてX点、Y点の振動を最小にするA、B、C、D各
修正面での最適な修正量と位相とをコンピュータで計算
しているのである。
(5)次に、確認のためボビンホルダ1を回転させて
X、Y点の振動を測定し、規定内の振動であれば更に速
度を上げて同様の作業を実施する。このような作業を順
次実施して、所望する高速度領域まで回転が可能とす
る。もし、規定を越える振動値であれば、この条件を基
準とし、上記(2)〜(5)の手順により再修正する。
{実施例および作用} 以下、本発明の実施例とその作用を具体的に説明する。
第1図に例示したボビンホルダ1と同一構造のボビンホ
ルダ14を装備した、自動糸切替のできる本発明のターレ
ット式の糸条巻取装置(第2図参照)のフイールドバラ
ンス修正について述べる。
実施例1 ボビンホルダ部2は、全長900mmで、内径94mm、外径110
mm、長さ225mmのボビン4個が装着され、かつ毎分5000m
まで、回転数に換算すると14470rpmもの高速で回転す
る。
また、このターレット式の糸条巻取装置の危険速度と使
用回転数範囲に関しては、ボビンホルダ1、14の1次危
険速度が1800rpmであり、管状支持体5の固有振動数の4
500rpmを乗り越えて次のボビンホルダの2次危険速度で
ある21000rpmの影響が現われるまでの広い回転数範囲が
使用される。
本ボビンホルダ1、14の修正時においては、回転数はボ
ビンホルダ軸4の1次危険速度近くの1600rpm、管状支
持体5の固有振動数近くの3500rpm、高速領域では13000
rpmを選択し、レボルビングドラムのX点、Y点の振動
を検出し、修正面A、B、Cの3面でフイールドバラン
ス修正を実施した。重りを取付けるタップ孔とコンピュ
ータにより算出した取付位置が一致しない場合は、ベク
トル換算してその両側の孔で修正することになる。
その結果、第3図に示すように、上記修正量を各修正面
A、B、C面に取り付けることにより、フイールドバラ
ンス修正なしでは1次危険速度通過時の軸受部X点、Y
点の振動が100ミクロンを越えて乗り切ることができな
かったにもかかわらず、1次危険速度での振動(符号
I)、管状支持体5の固有振動数通過時の振動(符号I
I)、更には糸条巻取速度5000m/分の対応回転数である1
4470rpmでの振動(符号III)までの広い回転数範囲の振
動は、同時に低いレベルに抑制することができた。
そして、バランス修正作業は、A、B、Cの3修正面に
バランス修正前から設けられている複数のタップ孔12a
〜12cを使用し、上記3修正面においてフィールドバラ
ンス修正をしたので、重りの修正量の変更が容易であっ
た。更に高速度領域での回転が必要な場合には、更に高
い速度での修正を実施することにより可能となる。
実施例2 更にまた、好ましくは、ボビンホルダ後端部のD面を修
正面に加えると、より一層の高速域までの振動の低減化
が可能になった。
この場合、修正時の回転数は、同様に1次危険速度近く
の1600rpm、管上支持体の固有振動数近くの3500rpmと、
最高回転数近くの16000rpmとを選択し、レボルビングド
ラムのX点、Y点の振動を検出して、修正面A、B、
C、D面の4面でフイールドバランス修正を実施した。
影響係数法により得られた修正量の結果を表−2に示
す。
第4図に示すように、上記修正量を、各修正面A、B、
C、D面に取付けることにより、1次危険速度、管状支
持体の固有振動数通過時の値を低く抑え、6000m/分(17
360rpm)までの広い領域の回転数を低いレベルの振動値
(符号I〜III)に抑制することができた。
次に、実施例のボビンホルダ1、14を装備し、糸切替時
にボビンホルダを起動、昇速した際の昇降ボックス19先
端Zの上下方向の振動を第5図に示す。
助走側ボビンホルダ1の1次危険速度通過時(符号I)
においても、昇降ボックス19には跳躍現象がなく、更に
は巻取側ボビンホルダ14も殆ど振動せず、安定して巻取
りを行なうことができ、糸切替も成功裏に完了した。ま
た、6000m/分の定常時の巻取りも非常に振動レベル、騒
音が小さかった。
{比較例} 比較例として、実施例と同一のボビンホルダ1、14をボ
ビン内周面のB面に修正面を設けずに、A、C、D3面の
フイールドバランス修正を実施例と同一方法で行なっ
た。その結果、得られた修正量を表−3、振動を第6図
に示す。
第6図から明らかなように、6000m/分の巻取速度(回転
数:17360rpm)での振動(符号III)、更に1次危険速度
通過時(1800rpm)の振動(符号I)や、管状支持体5
の固有振動数通過時(4500rpm)での振動(符号II)が
実施例1、2と比べて大きい。
次に、上記比較例のボビンホルダ1、14を装備し、糸切
替時に本ボビンホルダを起動、昇速した際の昇降ボック
ス先端Zの上下方向の振動を第7図に示す。
助走側ボビンホルダ1は、1次危険速度通過時に大きく
振動するだけでなく、該振動エネルギがフレーム13に伝
播して昇降ボックス19を大きく揺らせて、パッケージ22
a〜22dとタッチロール20との間で跳躍現象を発生させ
た。その結果、トラバース装置から糸条が外れ、正常に
巻取りを続行することができなくなる事態が起った。ま
た、比較例のボビンホルダを装備した巻取装置は、定常
時の巻取りでも、本実施例のボビンホルダを装備したも
のに比べ、振動、騒音のレベルが大きく、作業環境は芳
しくなかった。
{発明の効果} 本発明のターレット式の糸条巻取装置は、以下に述べる
優れた効果を奏することができる。
ボビンホルダの振動は、主としてボビンホルダ軸の
1次危険速度通過時の振動が低減されるばかりでなく、
1次危険速度と2次危険速度との間の広い使用回転数領
域においても振動が低レベルに抑制される。
この結果、巻取中におけるボビンホルダからタッチロー
ルへの振動の伝播が少なくなり、タッチロールに対する
巻取パッケージの跳躍現象が生じなくなるため、巻取パ
ッケージとタッチロールとは、パッケージの内層から外
層に至るまで適度の接圧で接触し、得られる巻取パッケ
ージは、内外層に渡って巻き硬さが均一で肩崩れのない
巻姿の良好なものが得られる。
1次危険速度通過時の空管側ボビンホルダから満管
側ボビンホルダへの振動伝播が小さくなるため、レボル
ビング時における糸切替の成功率が向上し、生産性の向
上を図ることができる。よって、優れた品質の巻取パッ
ケージの製造をより可能ならしめることができる。
軸受に作用する振動力が小さくなるので、軸受寿命
か長くなり、また、軸受を介して巻取装置全体に伝播す
る振動が殆どなくなるので、締結部などの緩みの発生が
抑制され、巻取装置全体の安全性が確保される。
さらに、ボビンホルダ部、軸受、タッチロール等の騒音
が低下するので、巻取作業環境も改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のターレット式の糸条巻取装置に適用
されているボビンホルダの概略縦断面図、第2図は、上
記ボビンホルダを装備した本発明に係るターレット式の
糸条巻取装置の概略側面図である。 第3図および第4図は、第1図のボビンホルダにおい
て、それぞれバランス修正面をA、B、Cの3面、A、
B、C、Dの4面でフイールドバランス修正を行なった
際のX点、Y点の振動を示すグラフであり、第5図は、
第4図の場合の前記ボビンホルダを装備し、助走側にて
起動、昇速運転せしめた際のカムボックス先端のZ点の
振動を示すグラフである。 第6図は、第1図で例示されたボビンホルダを従来技術
のフイールドバランス修正方法であるA、C、Dの3面
にて実施した際のX点、Y点の振動を示すグラフであ
り、第7図は、第6図の場合において、助走側にて起
動、昇速運転せしめた際のカムボックス先端のZ点の振
動を示すグラフである。 図面中の符号の説明 1…ボビンホルダ 2…ボビンホルダ部 2a…ボス部 2b…操作側空洞部 2c…モータ側空洞部(回転手段側空洞部) 3…ボビン保持機構 4…ボビンホルダ軸 5…管状支持体 6…円板 7…電動機回転子 8…電動機固定子 9…レボルビングドラム 10a、10b、10c…軸受 11a、11b、11c、11d…ボビン 12a、12b、12c、12d…タップ 13…フレーム 14…ボビンホルダ 15…ギア 18…モータ 19…昇降ボックス 20…タッチロール 21…スライド軸 22a、22b、22c、22d…パッケージ 23a、23b、23c、23d…ボビン 24…流体シリンダ 25a、25b…振動ピックアップ 26…マーカ 27…回転ピックアップ 28…フイールドバランサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−59545(JP,A) 特開 昭58−109366(JP,A) 特開 昭54−93143(JP,A) 特開 昭58−78953(JP,A) 特開 昭57−107371(JP,A) 特開 昭57−9342(JP,A) 特開 昭53−51376(JP,A) 特開 昭55−85238(JP,A) 実開 昭57−71162(JP,U) 実開 昭55−75450−(JP,U) 実開 昭54−129093(JP,U) 実開 昭52−80234(JP,U) 実開 昭57−63135(JP,U) 特公 昭60−18007(JP,B2) 高橋康英外2名著「実用振動解析入門」 昭和59年6月29日日刊工業新聞社発行 P.189〜192

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレームに回転自在に支持され、所定角度
    回動する回動手段を有するレボルビングドラムと、 該レボルビングドラムの回転中心から所定間隔を隔てて
    互いに平行に配置され、該レボルビングドラムからドラ
    ム軸方向に突出して設けられた一対の管状支持体と、 該それぞれの管状支持体によって回転自在に支持される
    と共に、前記レボルビングドラム側にそれぞれ独立した
    回転手段が接続され、糸条巻取用のボビンを把持して該
    ボビン上に巻取パッケージを形成するための一対のボビ
    ンホルダとを備えたターレット式の糸条巻取装置におい
    て、 前記ボビンホルダは、糸条を巻取る長尺の筒体であっ
    て、該筒体内部の略中間部がボス部により仕切られてい
    るボビンホルダ部と、前記ボス部から前記ボビンホルダ
    部と同軸上に延長され、前記ボビンホルダ部の筒体内部
    に貫入された前記管状支持体の先端部で回転自在に支承
    されると共に、前記回転手段に接続されているボビンホ
    ルダ軸とからなり、 前記ボビンホルダ部は、その両端部と、前記ボス部との
    長手方向の3位置の修正面において、前記ボビンホルダ
    軸周りに均等配分された試し重りと修正重りを着脱する
    ための着脱孔が設けられ、前記3位置の修正面におい
    て、該着脱孔に前記試し重り又は前記修正重りを着脱し
    てフィールドバランス修正を行なうことにより、前記ボ
    ビンホルダの1次危険速度を小さな振動で乗り越え、1
    次危険速度と2次危険速度との間の使用回転数領域に発
    生する前記管状支持体及び前記ボビンホルダ部の固有振
    動数による振動を低レベルに抑制し得るように構成して
    なる糸条巻取装置。
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DE3780188T DE3780188T3 (de) 1986-02-20 1987-02-18 Spulmaschine.
KR870001426A KR870007834A (ko) 1986-02-20 1987-02-20 권사기
US07/290,844 US4852819A (en) 1986-02-20 1988-12-29 Yarn winder
US07/333,099 US4903905A (en) 1986-02-20 1989-04-03 Method of balancing a yarn winder
KR2019950014575U KR960010248Y1 (ko) 1986-02-20 1995-06-20 권사기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Title
高橋康英外2名著「実用振動解析入門」昭和59年6月29日日刊工業新聞社発行P.189〜192

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