JPH07331552A - ナイロン織物 - Google Patents

ナイロン織物

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JPH07331552A
JPH07331552A JP6148556A JP14855694A JPH07331552A JP H07331552 A JPH07331552 A JP H07331552A JP 6148556 A JP6148556 A JP 6148556A JP 14855694 A JP14855694 A JP 14855694A JP H07331552 A JPH07331552 A JP H07331552A
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JP
Japan
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nylon
yarn
woven fabric
wet
fiber
Prior art date
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Pending
Application number
JP6148556A
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English (en)
Inventor
Kenji Yamada
賢二 山田
Masuji Kojima
眞壽士 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 経糸および緯糸のいずれか一方に主としてナ
イロン6からなる繊維糸を、他方に主として湿潤時に径
方向に膨潤する繊維糸を用い、かつ、標準状態に対する
湿潤状態の収縮率が±2.5%以内であることを特徴と
するナイロン織物。 【効果】 ナイロン6からなる繊維糸の湿潤時における
糸長さ方向の伸びを、湿潤時に径方向に膨潤する繊維糸
の拡径により吸収させるようにしたので、織物自身とし
ての寸法変化を小さく抑えることができ、寸法安定性に
優れたナイロン織物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、寸法安定性に優れたナ
イロン織物に関する。
【0002】
【従来の技術】織物素材の汎用材料の一つであるナイロ
ン6は、吸湿すると伸びる性質を有していることが知ら
れている。ナイロン6からなる糸条は、標準状態(20
℃、65%RH)に対し、濡れた状態、つまり湿潤状態
では、通常3〜4%伸びる。したがって、このようなナ
イロン糸を用いて製織した織物で構成された衣服等、例
えばズボンにあっては、着丈が1mのものであれば湿潤
状態でその長さが3〜4cm程度伸びることになる。
【0003】このような伸びは、ナイロン織物の用途に
よっては使用上問題を招く。例えば上記ズボンにおいて
は、長さが3〜4cmも伸びると、ズボンの裾を踏んで
しまうことになる。また、湿潤によって織物が大きく伸
びると、縫い目が引きつれた状態になるので、用途によ
っては、見栄えとともに使用上の問題を招くことがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のようなナイロン6自身が有する本質的な特性を考慮し
つつ、ナイロン6からなる繊維糸を用いて織物を構成し
た場合においても、湿潤時に織物自身の寸法変化を小さ
く抑えることのできるナイロン織物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ナイロン織物は、経糸および緯糸のいずれか一方に主と
してナイロン6からなる繊維糸を、他方に主として湿潤
時に径方向に膨潤する繊維糸を用い、かつ、標準状態に
対する湿潤状態の収縮率が±2.5%以内であることを
特徴とするものからなる。
【0006】上記標準状態に対する湿潤状態の収縮率
は、好ましくは−1%〜+2%の範囲である。ここで標
準状態とは、前述の如く20℃、65%RHの条件のこ
とである。また、収縮率とは、下記式によって定義され
るものである。 収縮率(%)=[[(原長)−(条件変化後寸法)]/
(原長)]×100 したがって、この収縮率がプラスの値の場合は条件変化
後に収縮したことを示し、マイナスの値の場合は伸びた
ことを示す。本発明においては、条件変化として、標準
状態に対する湿潤状態の収縮率が尺度とされる。
【0007】上記収縮率が±2.5%以内という範囲
は、ナイロン織物を用いて構成された製品の使用上、見
栄え上の不都合を回避可能な範囲である。例えば着丈1
mのズボンにおいて、使用上の不都合を回避可能な範囲
であり、好ましくは−1〜+2%の範囲内である。
【0008】また、上記湿潤時に径方向に膨潤する繊維
糸としては、特に限定されないが、代表的には綿からな
る繊維糸が挙げられる。つまり、経糸および緯糸のいず
れか一方にナイロン6の長繊維又は短繊維からなる繊維
糸を用い、他方に綿からなる繊維糸を用いてナイロン織
物が製織される。
【0009】また、湿潤時に径方向に膨潤する繊維糸と
して、綿と他の繊維との混紡糸を用いることもできる。
例えば、綿とナイロン6の短繊維との混紡糸を用いるこ
とができる。さらに、湿潤時に径方向に膨潤する繊維糸
として、綿以外のもの、例えばウールやレーヨンからな
る繊維糸あるいはそれらの混紡糸を用いることも可能で
ある。
【0010】なお、本発明のナイロン織物において、
「主として」ナイロン6からなる繊維糸、「主として」
湿潤時に径方向に膨潤する繊維糸と規定したのは、これ
らの繊維糸以外の糸条が少量、つまり本発明の目的、効
果を損なわない範囲で用いられていてもよいことを示す
ためである。
【0011】また、ナイロン6を主要構成成分とする織
物、衣料品は、回収、再生が可能なものであることが知
られている。つまり、ナイロン6は、素材原料(モノ
マ)まで容易に分解できしかも高純度に精製できる殆ど
唯一の大量生産型の重合体である。ナイロン6は解重合
触媒の存在下で加熱すると、重合前の原料であるε−カ
プロラクタムまで分解される。さらに、このε−カプロ
ラクタムは、減圧下(約10mmHg)の沸点が約14
0℃であるので、蒸留によって容易に分離精製できる。
したがって、分解することで得られたε−カプロラクタ
ムは、精密蒸留あるいは結晶化精製法によって、新品ラ
クタムと同程度の純度まで容易に精製でき、重合原料と
しての再使用が可能となる。
【0012】これに対し、ナイロン66は、加熱分解が
困難で、しかも、モノマ精製が難しいので、重合原料ま
で戻すリサイクルは実施困難である。また、ポリエステ
ルは、モノマまで分解できるが、十分な高純度までの精
製が工業的に実施困難であるので、再度の繊維化や繰返
しリサイクルが困難である。アクリル繊維はモノマまで
分解することが実質的にできない。さらにまた、羊毛や
綿などの天然繊維は、回収はできてもその原料(例えば
タンパク質やセルロース)まで還元し、再度繊維化する
ことはできない。
【0013】また、ナイロン6は、最もその機能が優れ
ている大量生産型の樹脂の一つであって、容易に繊維化
や成形ができ、繊維としての強さと美しさとともに、エ
ンジニアリングプラスチックスとしてのタフネスをも兼
ね備えている。即ち、ナイロン6は、繊維から歯車やボ
タンなどの樹脂成形品まで広く製造可能である。したが
って、再生されたナイロン6は、容易に、溶融紡糸によ
りナイロン繊維とされ、また、成形によりナイロン成形
品とされる。
【0014】したがって、このようなナイロン6の回
収、再生を考慮する場合、本発明に係るナイロン織物は
ナイロン6を50重量%以上含んでいることが望まし
い。50重量%以上含んでいると、上述の如き回収にお
いてその効率を高めることができる。
【0015】なお、上述のような回収を考慮する場合に
おいても、本発明に係るナイロン織物のナイロン6は、
通常の方法によるε−カプロラクタムの重合によって得
られるポリマであればよい。その重合度は、98%硫酸
溶液の相対粘度で2.0〜4.0の範囲にあることが適
当である。このナイロン6ポリマには、分解工程に支障
を生じない範囲内であれば、他の種類のナイロン(共重
合体)あるいは酸化チタン、耐熱剤などの添加剤が若干
量含まれていてもよいが、それら他の素材はなるべく少
なくすることが好ましく、分解回収工程に悪影響を及ぼ
さない範囲内であることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明に係るナイロン織物においては、経糸お
よび緯糸のいずれか一方に用いられているナイロン6か
らなる繊維糸は、湿潤時に主としてその糸延在方向に伸
びるが、この時同時に、経糸および緯糸の他方に用いら
れている繊維糸が、径方向に膨潤する。つまり、その直
径が大きくなる。ナイロン6からなる繊維糸は、他方の
繊維糸の周りを屈曲しながらその繊維糸と直交あるいは
それに近い方向に延びているので、直径の大きくなった
繊維糸の周りをナイロン6繊維糸が屈曲しながら延びる
ことになる。したがって、ナイロン6繊維糸自身が伸び
ても、その伸びは、織物の寸法変化としては他方の繊維
糸の拡径によって吸収されることになり、織物自身の寸
法変化は小さく抑えられる。
【0017】
【実施例】 実施例1 通常の溶融紡糸で得られた110D/20f(D:デニ
ール、f:フィラメント数)のナイロン6マルチフィラ
メント糸を経糸に用い、市販されている綿100%、綿
番手の34番単糸を緯糸に用い、ウォータジェットルー
ムで経密度が152本/インチ、緯密度が68本/イン
チの2/1の綾織物を製織し、常法に従い精錬、染色、
仕上げを行い、経密度が155本/インチ、緯密度が7
2本/インチの綾織物を得た。この綾織物のナイロン6
含有率は60重量%であった。
【0018】実施例2 通常の溶融紡糸で得られた2dのナイロン6繊維を56
mmにカットしたステープルファイバと綿を1:1の比
率で混紡し、綿番手の34番双糸を得た。この紡績糸を
経糸および緯糸に用い、エアジェットルームで経密度1
05本/インチ、緯密度52本/インチの2/1の綾織
物を製織し、常法に従い精錬、染色、仕上げを行い、経
密度が114本/インチ、緯密度が54本/インチの織
物を得た。この綾織物のナイロン6含有率は50重量%
であった。
【0019】実施例3 実施例1において緯糸の綿100%、綿番手の34番単
糸に代えて、ウール100%、#60単糸を用いた以外
は実施例1と同様に製織、精錬、染色、仕上げを行い、
2/1の綾織物を得た。
【0020】比較例1 実施例1において緯糸の綿100%、綿番手の34番単
糸に代えて、70D/24fのナイロン6マルチフィラ
メントの仮ヨリ加工糸を2本引揃えで用いた以外は実施
例1と同様に製織、精錬、染色、仕上げを行い、2/1
の綾織物を得た。
【0021】比較例2 実施例1において緯糸の綿100%、綿番手の34番単
糸に代えて、150D/48fのポリエステルマルチフ
ィラメントの仮ヨリ加工糸を用いた以外は実施例1と同
様に製織、精錬、染色、仕上げを行い、2/1の綾織物
を得た。
【0022】以上5例の綾織物について、タテ、ヨコ共
に45cmのサンプルを取り、タテ、ヨコ共に30cm
間隔のマーキングをした後、水中にフラットな状態に保
ちながら4時間浸漬した。その後脱水せずに取り出し収
縮率を計測した。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から判るように、本発明に係るナイロ
ン織物(実施例1、2、3)では、全て、湿潤状態にお
いて収縮率がタテ、ヨコ方向とも±2.5%以内に納め
られており、寸法変化の小さい目標とする織物が得られ
た。一方、本発明の要件を満足しないもの(比較例1、
2)では、収縮率を±2.5%の範囲に納めることがで
きなかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るナイ
ロン織物によるときは、ナイロン6からなる繊維糸の湿
潤時における糸長さ方向の伸びを、湿潤時に径方向に膨
潤する繊維糸の拡径により吸収させるようにしたので、
織物自身としての寸法変化を小さく抑えることができ、
寸法安定性に優れたナイロン織物を得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸および緯糸のいずれか一方に主とし
    てナイロン6からなる繊維糸を、他方に主として湿潤時
    に径方向に膨潤する繊維糸を用い、かつ、標準状態に対
    する湿潤状態の収縮率が±2.5%以内であることを特
    徴とするナイロン織物。
  2. 【請求項2】 標準状態に対する湿潤状態の収縮率が−
    1%〜+2%の範囲内にある、請求項1のナイロン織
    物。
  3. 【請求項3】 前記湿潤時に径方向に膨潤する繊維糸が
    綿からなる、請求項1又は2のナイロン織物。
  4. 【請求項4】 前記湿潤時に径方向に膨潤する繊維糸が
    綿と他の繊維との混紡糸である、請求項1又は2のナイ
    ロン織物。
  5. 【請求項5】 前記ナイロン織物がナイロン6を50重
    量%以上含んでいる、請求項1ないし4のいずれかに記
    載のナイロン織物。
JP6148556A 1994-06-06 1994-06-06 ナイロン織物 Pending JPH07331552A (ja)

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JP6148556A JPH07331552A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 ナイロン織物

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JP6148556A JPH07331552A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 ナイロン織物

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ID=15455403

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180082065A (ko) * 2017-01-10 2018-07-18 주식회사 송이실업 활동성이 향상된 아웃도어 웨어용 직물 및 이의 제조방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5549285A (en) * 1978-10-06 1980-04-09 Hokushin Ind Inc Base cloth for ink ribbon
JPS62177393U (ja) * 1986-04-28 1987-11-11
JPH02264030A (ja) * 1989-04-04 1990-10-26 Toyobo Co Ltd スパンライク織物の製造方法

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