JP2000265322A - ナイロン製工業用布帛及びそのリサイクル方法 - Google Patents

ナイロン製工業用布帛及びそのリサイクル方法

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JP2000265322A
JP2000265322A JP7287899A JP7287899A JP2000265322A JP 2000265322 A JP2000265322 A JP 2000265322A JP 7287899 A JP7287899 A JP 7287899A JP 7287899 A JP7287899 A JP 7287899A JP 2000265322 A JP2000265322 A JP 2000265322A
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Japan
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nylon
caprolactam
fabric
industrial
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JP7287899A
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Akira Kinoshita
明 木下
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Toray Monofilament Co Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収された工業用布帛を容易に素材原料まで
戻すことができ、しかも、良好な品質の素材原料とする
ことができ、素材原料として再使用可能な工業用布帛を
提供する。さらに、回収された工業用布帛を、実質的に
解体や選別なしでリサイクルすることも可能な工業用布
帛、また素材原料まで戻すリサイクルの繰り返しも可能
な工業用布帛及びその効率的なリサイクル方法を提供す
る。 【解決手段】 布帛及び付属品から構成される工業用布
帛であって、その布帛の素材が実質的にナイロン6で統
一されているナイロン製工業用布帛。このナイロン製工
業用布帛の使用済み品を回収した後、解重合を行ってε
−カプロラクタムを回収し、精製し、重合し、溶融紡糸
や成形によりナイロン繊維やナイロン成形品へとリサイ
クルする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容易にリサイクル
使用することができるナイロン製工業用布帛及びそのリ
サイクル方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護のために、資源の有
効利用、特に回収再利用、いわゆるリサイクルが行われ
てきつつある。たとえば、使用済みのガラスや紙を回収
し選別して再生原料として利用することは、すでに事業
として確立されている。また、ペットボトルのような熱
可塑性プラスチックス成形品は、使用済み製品を回収し
選別し、再溶融し成形して再利用することが事業化され
つつある。
【0003】このようなすでに実施化されているリサイ
クルにおいても、いまだに解決すべき点が多く、たとえ
ば次のような問題を抱えている。
【0004】第一に、回収及び選別の作業に多大の設備
と労力がかかることである。すなわち、回収し再生され
た原料を使って元の製品を製造するには、一定水準以上
の純度が必要でり、もし不純物が多いと、元の製品はお
ろか類似の製品も製造できないからである。紙やガラス
のように比較的選別が容易な物品であっても、不特定多
数の消費者から回収した物品を選別するには多くの労力
がかかり、回収・選別のコスト高となり、リサイクルの
事業性が問題となることが多い。
【0005】第二に、回収原料から作られた製品の品質
を十分に高められないことである。つまり、前述のよう
に選別に多大の設備と労力をかけたとしても、元の原料
並の純度にすることは極めて困難である。したがって、
回収品を新品の原料に少しずつ混ぜて使用するか、品質
規格が異なる別の製品に転用せざるを得ない。
【0006】第三に、リサイクルを繰り返す度に製品中
の不純物は増加していくから、リサイクルの回数には限
度があることである。特に樹脂の場合には1回のリサイ
クルが限度である。
【0007】また、衣料製品のような繊維製品も、一部
は古着としての再使用、解体した布帛、繊維、衣料付属
品(ボタン等)の再利用という形でのリサイクルが限度
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、工業用布帛
の場合にあっては、紙、ガラス、樹脂成形品のように回
収品を素材原料まで戻して再利用するというリサイクル
は行われていないのが実情である。
【0009】なぜなら、工業用布帛は、その主たる構成
部材である生地に異素材を交織したり、多くの副部材、
例えば、フェルトのバット、接続用スパイラル部材、芯
線、等の繊維製品部材、留め金等の樹脂製や金属製の部
材等とから構成されるように、異なる素材からなる多種
類の繊維や付属品が使われているため、再生可能なとこ
ろまで解体及び選別することが不可能なためである。
【0010】そして、これら工業用布帛には、ポリエス
テル繊維やポリアミド繊維のような石油を原料とする合
成繊維も多く使用されているため、地球環境保護のため
の資源の有効利用という点からさらに有効なリサイクル
が求められる。
【0011】そこで、本発明は、回収された工業用布帛
を素材原料まで戻して再利用するというリサイクルが可
能な工業用布帛及びそのリサイクル方法の提供を課題と
して検討した結果達成されたものである。
【0012】すなわち、本発明は、回収された工業用布
帛を容易に素材原料まで戻すことができ、しかも、良好
な品質の素材原料とすることができ、素材原料として再
使用可能にすることを主たる目的とする。
【0013】さらに、回収された工業用布帛を、実質的
に解体や選別なしでリサイクルすることも可能な工業用
布帛の提供、また、素材原料まで戻すリサイクルの繰り
返しも可能な工業用布帛の提供をも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のナイロン製工業用布帛は、布帛及び付属品
から構成される工業用布帛において、前記布帛及び付属
品の素材が実質的にナイロン6で統一されていることを
特徴とする。
【0015】そして、本発明の工業用布帛においては、
前記布帛及び付属品を構成する全素材のうちの80重量
%以上がナイロン6からなること、前記布帛及び付属品
を構成する実質的に全部の素材がナイロン6からなるこ
と、及び前記工業用布帛が製紙用プレスフェルトである
ことが好ましい。
【0016】また、本発明のナイロン製工業用布帛のリ
サイクル方法は、上記のナイロン製工業用布帛を回収し
た後、解重合を行ってε−カプロラクタムを回収し、こ
の回収ε−カプロラクタムを精製し、重合し、溶融紡糸
することによりナイロン繊維を得ることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明のナイロン製工業用布帛の
リサイクル方法は、上記のナイロン製工業用布帛を回収
した後、解重合を行ってε−カプロラクタムを回収し、
この回収ε−カプロラクタムを精製し、重合し、成形す
るによりナイロン成形品を得ることをも特徴とする。
【0018】本発明のナイロン製工業用布帛のリサイク
ル方法においては、回収したナイロン製工業用布帛を実
質的に解体することなく解重合に供することが好まし
い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の工業用布帛は、リサイク
ル可能という目的から、ナイロン6から構成されている
ことが肝要である。すなわち、ナイロン6は次の点から
して素材原料まで戻すリサイクル方法に最適である。
【0020】第一に、ナイロン6は素材原料(モノマ)
まで容易に分解でき、しかも高純度に精製できる唯一の
大量生産型の重合体である。ナイロン6は解重合触媒の
存在下で加熱すると、重合前の原料であるε−カプロラ
クタムまで解重合される。さらに、このε−カプロラク
タムは、減圧下(約10mmHg[約13.3hP
a])の沸点が約140℃であるので、蒸留によって容
易に分離精製することができる。したがって、解重合す
ることで得られたε−カプロラクタムは、精密蒸留ある
いは結晶化精製法によって、新品ε−カプロラクタムと
同程度の純度まで容易に精製することができ、重合原料
としての再使用が可能である。
【0021】これに対し、ナイロン66は、モノマへの
解重合が困難で、しかも、モノマ精製が難しいため、重
合原料まで戻すリサイクルは実施困難である。また、ポ
リエステルは、モノマまで解重合できるが、十分な高純
度までの精製が工業的に実施困難であるので、再度の繊
維化や繰り返しリサイクルが困難である。アクリル繊維
はモノマまで解重合することが実質的にできない。さら
にまた、羊毛や綿などの天然繊維は、回収できてもその
原料(例えばタンパク質やセルロース)まで還元し、再
度繊維化することはできない。
【0022】第二に、ナイロン6は最もその機能が優れ
ている大量生産型の樹脂の一つであって、容易に繊維化
や成形ができ、繊維としての強さと美しさとともに、エ
ンジニアリングプラスチックとしてのタフネスをも兼ね
備えている。すなわち、ナイロン6は、繊維から歯車や
ボタンなどの樹脂成型品まで広く製造が可能であり、ナ
イロン6を用いれば、繊維性布帛からフェルトのバッ
ト、布帛の接続部品などの付属部品まで、他の素材を実
質的に使用することなく製造することができる。したが
って、ナイロン6であれば、全部が同一素材からなる工
業用布帛を作り上げることが可能である。
【0023】一般に、工業用布帛は、身生地、フェルト
のバット、エンドレスのループ状のベルトにするための
接続部品、縫い糸、ベルト耳部分の補強材などの付属部
品から構成されるが、本発明のナイロン製工業用布帛
は、それを構成する布帛及び付属部品の実質的に全部が
ナイロン6からなる事が好ましいが、解重合・精製工程
に悪影響を及ぼさない物質であれば他の素材が少量用い
られていてもよいが、他の素材はなるべく少ないことが
好ましく、多くとも工業用布帛全体の20重量%以下、
好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%
以下、最も理想的には実質的に0%にすることが望まし
い。
【0024】このため、本発明のナイロン製工業用布帛
は、フェルトのバット、エンドレスのループ状のベルト
にするための接続部品、縫い糸、ベルト耳部分の補強材
などの付属部品も含めた構成部材のできる限り多くをナ
イロン6製とすればよい。さらに、それら構成部材中に
添加される他の素材の量や加工により付与される他の素
材の量を、できる限り少なくすればよい。
【0025】本発明で用いるナイロン6は、通常の方法
によるε−カプロラクタムの重合によって得られるポリ
マであればよい。その重合度は、98%硫酸溶液の相対
粘度で2.0〜4.8の範囲にあることが適当である。
このナイロン6ポリマには、解重合工程に支障を生じな
い範囲内であれば、他の種類のナイロン(共重合体)あ
るいは酸化チタン、耐熱剤等の添加剤が若干量含まれて
いてもよいが、それら他の素材はなるべく少なくするこ
とが好ましく、解重合・精製工程に悪影響を及ぼさない
範囲内とする。
【0026】このナイロン6は、通常の方法によって製
糸された所定の太さのナイロン6繊維とされる。例え
ば、溶融紡糸し延伸して繊維とする方法、高速紡糸によ
る方法、溶融紡糸して水冷して延伸してモノフィラメン
トとする方法等が挙げられる。これら繊維は単糸として
用いても、撚糸しても、ステープルとしてもその他加工
してもよい。
【0027】得られたナイロン6繊維は通常の方法で製
織されて所定の布帛とされる。この繊維や布帛は、解重
合・精製工程に支障のない範囲内であれば他の繊維、例
えばポリウレタン繊維、ナイロン66繊維、天然繊維等
を混用、例えば混繊や交編や交織してもよい。
【0028】布帛は撥水・撥油、制電、吸水・吸湿、抗
菌・防臭等のための加工剤による仕上げ加工を施しても
よい。例えばアクリル樹脂やポリウレタンによるコーテ
ィングである。この場合も解重合・精製工程に支障のな
い範囲内とする。
【0029】工業用布帛を構成する部材のうち、繊維か
ら構成される部材、例えば、身生地、フェルトのバッ
ト、縫い糸等は上記したナイロン6繊維から作られるこ
とがこのましいが、解重合・精製工程に支障のない範囲
内であれば、他の繊維製品が含まれていていてもよい。
【0030】また、工業用布帛を構成する繊維以外の他
の部材、例えばエンドレスのループ状のベルトにするた
めの接続部品、ベルト耳部分の補強材などの付属部品、
留め金等もナイロン6からの成形により作られた物とす
ることが好ましいが、解重合・精製工程に支障のない範
囲内であれば、他の素材が含まれていてもよい。これら
付属部品のうち取り外すことが比較的容易な部品は、解
重合に供する前に取り外してもよい。
【0031】工業用布帛を構成する繊維以外の他の部
材、例えばエンドレスのループ状のベルトにするための
接続部品、ベルト耳部分の補強材などの付属部品、留め
金等をナイロン6から製造するには通常の方法で成形す
ればよい。
【0032】工業用布帛を構成する素材の中で、上述し
た各工程で入ってくるナイロン6以外の他の素材の総重
量は、多くとも20重量%以下好ましくは10重量%以
下とするが、それら他の素材も分解回収工程に悪影響を
及ぼさない物質に極力限定することがよい。
【0033】たとえば、無機顔料、金属、化学的に安定
な有機化合物のように、回収したナイロン6からε−カ
プロラクタムへの解重合工程において変化しない物は、
反応残渣として残るから別途処理によって除去可能であ
る。また、この解重合工程で副生する揮発性有機物につ
いては精製などの手段でε−カプロラクタムからの分離
除去が可能である。
【0034】しかし、ナイロン6の解重合反応時におい
て発生する揮発性の化合物(特にε−カプロラクタム)
に近い沸点を有するか、共沸により流出してくる化合物
を発生させるような物質、あるいは装置の材質を腐食す
るような化合物は、解重合・精製工程が複雑となるので
好ましくない。
【0035】具体的には、ポリエステルは、ナイロンの
分解温度においてエチレングリコールやアルデヒドのよ
うな低沸点化合物を多量に発生させるため好ましくな
く、可能な限り含まれないことがよい。また、塩化ビニ
リデンや塩化ビニルのように、分解時に腐食性の塩酸ガ
スを発生する物質も好ましくなく、可能な限り含まれな
いことがよい。
【0036】さらに付言すれば、ε−カプロラクタムの
精製で共沸混入するような化合物を発生させるような物
質、例えば、ナイロン66や共重合ナイロン等のナイロ
ン6以外のナイロンや、ポリエステル等解重合触媒で分
解する合成繊維やプラスチック類は、解重合・精製工程
が複雑となるため、高純度のε−カプロラクタム得ると
いう目的に反することになり、また経済的な見地からも
極力混入をさけるのが望ましい。一方、解重合の工程で
変化せず反応残渣として残る物質、例えば、酸化チタン
等の無機顔料や細かい砂礫等の粉塵汚れなどは、解重合
時の残渣として排除でき除去が可能であるので、添加混
用、加工付与、混入していてもよいが、残渣の除去・排
出や、ε−カプロラクタムの回収率の高効率化の点か
ら、極力少量にすることと、解重合工程に投入する前に
洗浄などできる限り事前除去しておくことが望ましい。
【0037】最も理想的には、身生地、フェルトのバッ
ト、エンドレスのループ状のベルトにするための接続部
品、縫い糸、ベルト耳部分の補強材などの付属部品まで
全ての構成部材としてナイロン6製の物を用いることで
ある。
【0038】このように、構成部材の80重量%以上、
好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは実質的に
全部がナイロン6のように、実質的にナイロン6で統一
することによって、回収工程及び解重合工程の負荷が減
少するとともに分離回収したε−カプロラクタムの精製
が容易となり、純度の高いε−カプロラクタムを得るこ
とができる。
【0039】回収されたナイロン製工業用布帛は、必要
に応じて解体してナイロン6以外の素材部分を取り外
し、さらに必要に応じて極力汚れを除去した後、布帛の
状態のまま、解重合工程に供給する。解重合は、加熱溶
融しつつ解重合触媒を加えて解重合するという通常の方
法で行えばよい。
【0040】解重合で得られたε−カプロラクタムは、
精密蒸留や結晶化精製法のような通常の精製方法で精製
することにより純度が高められる。得られた高純度ε−
カプロラクタムは、必要に応じて新品ε−カプロラクタ
ム(回収品でない)と混合して、通常の方法で重合して
ナイロン6を製造する。
【0041】このようにして製造された回収ε−カプロ
ラクタムから得られるナイロン6は、再度、溶融紡糸に
よりナイロン繊維としてもよいし、また、通常の方法で
成形することにより成形品としてもよい。
【0042】本発明のリサイクル可能なナイロン製工業
用布帛は、ナイロン6製布帛が使用可能なあらゆる工業
用布帛、例えば工業用フィルター、乾燥機搬送用ベル
ト、搬送用ベルト、抄紙用フォーミングファブリック、
抄紙用プレスフェルト、抄紙用ドライヤーカンバス、篩
絹、スクリーン紗等に適用可能である。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0044】[実施例1]ε−カプロラクタムを通常の
方法で重合することにより、98%硫酸粘度が3.20
のナイロン6を得た。このナイロン6を通常の方法で溶
融紡糸することにより、直径0.280mmφ及び0.
330mmφのモノフィラメントを得た。
【0045】フィルター用身生地として、直径0.28
0mmφのナイロン6モノフィラメントを経糸に、直径
0.330mmφのナイロン6モノフィラメントを緯糸
にして、布帛を製織した。この布帛に通常のカレンダー
加工をし表面平滑加工をした。
【0046】このフィルターをエンドレスのループ状に
するための接続用部品としては、通常の方法で溶融紡糸
した直径0.600mmφのナイロン6モノフィラメン
トを、スパイラル加工した楕円状のコイルを用いた。ま
た、コイル同士を噛み合わせ接続する芯糸としては、通
常の方法で溶融紡糸した直径1.20mmφのナイロン
6モノフィラメントを準備した。
【0047】カレンダー加工をしたフィルター用布帛
は、所定の長さに切断しエンドレスのループ状にするた
めの接続用上記楕円状のコイルを、フィター用布帛の経
糸で両端に固定接続した。また、フィルター耳部は通常
の通り溶融切断接着し解れ止めを施した。
【0048】この布帛をフィルター装置に装着し、2ヶ
月間使用の後回収した。
【0049】回収したフィルター用布帛を、解体するこ
となく洗浄した後、これを適当な大きさに切断し、ナイ
ロン解重合設備に投入し、290℃で溶融しつつ、リン
酸触媒を加えて分解し、発生するε−カプロラクタムを
蒸留・冷却し捕集した。
【0050】この結果、投入原料のほぼ90%をε−カ
プロラクタムとして回収することができた。未回収残渣
は、ナイロン6以外の添加剤、処理剤の他、解重合工程
で発生した炭化物、ゲル状物等であった。
【0051】回収されたε−カプロラクタムを、さらに
通常の精留設備によって精製し、石油原料からの新品ε
−カプロラクタムと実質的に同じ高純度のε−カプロラ
クタムを得た。
【0052】得られた回収・精製ε−カプロラクタムの
特性を分析したところ、表1に示すとおり、新品ε−カ
プロラクタムの特性と殆ど同じであって、新品同様に使
える優れた品質であった。なお、ε−カプロラクタムの
各特性は次の方法によって測定した。
【0053】過マンガン酸価(PMV):ε−カプロラ
クタムの3wt%水溶液に、過マンガン酸カリを加え、
混合液の紫紅色が標準色の色調と一致するまでの時間
(秒)を測定する。この時間が長いほど不純物が少な
い。
【0054】色調(APHA):JIS−K−4101
に準拠し、ε−カプロラクタムの50wt%水溶液の色
調と対比する方法によって測定する。
【0055】遊離酸(FA)と遊離塩基(FB)との
量:ε−カプロラクタムの20wt%水溶液を中和滴定
する方法で求めた遊離酸(FA)と遊離塩基(FB)と
の量を、ε−カプロラクタム1kgのあたりの量(ミリ
当量)で表示する。
【0056】揮発性塩基(VB)の量:ε−カプロラク
タム水溶液を苛性ソーダの存在下で煮沸蒸留し、揮発性
塩基の全量を既知量の酸の液に吸収させる。その液を中
和滴定して、揮発性塩基によって消費された酸の量を求
め、その量をε−カプロラクタム1kgあたりの量(ミ
リ当量)で表示する。
【0057】紫外線吸収率(UVA):ε−カプロラク
タムの50%水溶液について、290nmの紫外線を照
射した時の、光路長1cmにおける透過率(%)を求め
る。
【0058】水分含有率: ε−カプロラクタムをメタ
ノールに溶解して試料としこの試料中に含まれる水の量
を、カールフィッシャー試薬で滴定する方法によって求
める。
【0059】回収・精製して得られたε−カプロラクタ
ムをナイロン6重合設備に供給して通常の方法で重合し
たところ、新品ε−カプロラクタムからのナイロン6と
同じ高品質のナイロン6が得られた。そして、得られた
ナイロン6は、再び溶融紡糸して繊維とすることも、あ
るいは成形により成形品とすることも可能であった。
【0060】
【表1】 [実施例2]実施例1と同様に通常の方法で溶融紡糸し
た直径0.200mmφのナイロン6モノフィラメント
を3本撚糸し、これを経糸として、実施例1の直径0.
330mmφのナイロン6モノフィラメントを緯糸とし
て、平織りし、この布帛を基布として、市販のナイロン
6のステープルファイバーをバットとしてニードルパン
チしてフェルトを得た。このフェルトを通常の蒸熱セッ
トし薬品処理して抄紙プレス用フェルトとした。
【0061】このフェルトを抄紙機のプレスフェルトと
して装着し、3週間使用して回収した。
【0062】回収したフェルトを、実施例1と同様に解
体することなく洗浄した後、適当な大きさに切断し、ナ
イロン解重合設備に投入し、290℃で溶融しつつリン
酸触媒を加えて分解し、発生するε−カプロラクタムを
蒸留・冷却し捕集した。投入原料のほぼ87%をε−カ
プロラクタムとして回収することができた。未回収残渣
は、ナイロン6以外の添加剤、処理剤の他、使用時の汚
れ物質、解重合工程で発生した炭化物、ゲル状物等であ
った。
【0063】回収されたε−カプロラクタムを、さらに
通常の精留設備によって精製したところ、石油原料から
の新品ε−カプロラクタムと実質的に同じ高純度のε−
カプロラクタムを得ることができた。
【0064】[比較例1]実施例1の直径0.280m
mφのナイロン6モノフィラメントを経糸に、実施例の
直径0.330mmφのナイロン6モノフィラメントと
市販の直径0.330mmφのポリエチレンテレフタレ
ートモノフィラメントとを緯糸にして交織することによ
り布帛を製織した。
【0065】この布帛に通常のカレンダー加工を施し、
さらに表面平滑加工をした。得られた布帛全体に占める
ナイロン6の比率は約70重量%であり、ポリエステル
が約30重量%含まれていた。
【0066】また、実施例2と同様に直径0.200m
mφのナイロン6モノフィラメントを3本撚糸し、これ
を経糸とし、直径0.330mmφのナイロン6モノフ
ィラメントを緯糸として、平織りし、この布帛を基布と
して、市販のナイロン66のステープルファイバーをバ
ットとしてニードルパンチすることによりフェルトを得
た。得られたフェルトに占めるナイロン6の比率は約5
0重量%であり、ナイロン66が約50重量%含まれて
いた。
【0067】これらの布帛を実施例1で用いたと同じ分
解設備にそれぞれ供給して、同様に分解を行った。
【0068】その結果、ポリエチレンテレフタレートが
多量に含まれた布帛の場合は、分解して単蒸留したε−
カプロラクタム中にエチレングリコール、アセトアルデ
ヒド、酢酸等のポリエステル分解生成物が多く混入して
いて、精留工程でも完全に除去することができず、回収
ε−カプロラクタムの純度は大幅に低下し、重合再利用
が困難であった。
【0069】また、ナイロン66が多量に含まれた布帛
の場合は、分解して単蒸留したε−カプロラクタム中に
アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン等のナイロン66
分解生成物が多く混入していて、精留工程でも完全に除
去することができず、回収ε−カプロラクタムの純度は
大幅に低下し、ナイロン6の素材原料としては重合再利
用が困難であった。また、廃棄処分する分解残渣も多く
生じた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナイロン
製工業用布帛は、その素材が比較的容易に素材原料に戻
して再使用できるナイロン6でもって実質的に統一され
ているため、回収された工業用布帛を素原料まで戻して
再利用するというリサイクルが可能となる。
【0071】また、回収された工業用布帛を分解し精製
することによって、高純度で品質良好な素材原料(原料
モノマ)を得ることができるため、再度繊維化したり成
形したりしてナイロン6繊維やナイロン6成形品を製造
することができる。さらに繰り返しリサイクルすること
も可能である。
【0072】さらにまた、回収された工業用布帛を、実
質的に解体や選別なしでリサイクル工程に供することが
可能となり、回収製品の選別作業が大幅に軽減される。
【0073】したがって、本発明によると、数%程度の
ような少量の廃物を発生させるだけで、原料から製品そ
してまた原料というクローズドシステムによってリサイ
クルさせることができる。
【0074】特に、多量に生産され消費される工業用布
帛に適用すると、回収・選別作業が比較的容易で、異物
の混入が抑制できるので、効率よくリサイクルを図るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/00 D03D 15/00 A 4L055 D21F 7/08 D21F 7/08 Z Fターム(参考) 4F072 AB06 4F301 AA27 CA36 CA43 CA72 CA73 4J002 CL011 GK01 4L035 BB31 DD14 FF01 4L048 AA24 AB10 BB05 DA24 DA39 DA40 EB00 4L055 CE36 EA40 FA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛及び付属品から構成される工業用布
    帛において、前記布帛及び付属品の素材が実質的にナイ
    ロン6で統一されていることを特徴とするナイロン製工
    業用布帛。
  2. 【請求項2】 前記布帛及び付属品を構成する全素材の
    うちの80重量%以上がナイロン6からなることを特徴
    とする請求項1のナイロン製工業用布帛。
  3. 【請求項3】 前記布帛及び付属品を構成する実質的に
    全部の素材がナイロン6からなることを特徴とする請求
    項1または2記載のナイロン製工業用布帛。
  4. 【請求項4】 前記工業用布帛が製紙用プレスフェルト
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のナイロン製工業用布帛。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のナ
    イロン製工業用布帛を回収した後、解重合を行ってε−
    カプロラクタムを回収し、この回収ε−カプロラクタム
    を精製し、重合し、溶融紡糸することによりナイロン繊
    維を得ることを特徴とするナイロン製工業用布帛のリサ
    イクル方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のナ
    イロン製工業用布帛を回収した後、解重合を行ってε−
    カプロラクタムを回収し、この回収ε−カプロラクタム
    を精製し、重合し、成形するによりナイロン成形品を得
    ることを特徴とするナイロン製工業用布帛のリサイクル
    方法。
  7. 【請求項7】 回収したナイロン製工業用布帛を実質的
    に解体することなく解重合に供することを特徴とする請
    求項5または6に記載のナイロン製工業用布帛のリサイ
    クル方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8114934B2 (en) * 2006-12-07 2012-02-14 Garlock Sealing Technologies, Llc Compressed gasketing material
KR101130461B1 (ko) * 2009-12-15 2012-04-12 주식회사 효성 나일론 폐어망의 재생방법 및 재생 나일론 장섬유
CN111876871A (zh) * 2020-08-07 2020-11-03 浙江亚特新材料股份有限公司 一种锦纶再生环保空气包覆丝

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