JPH07331509A - リサイクル可能な繊維製品及びそのリサイクル方法 - Google Patents
リサイクル可能な繊維製品及びそのリサイクル方法Info
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- JPH07331509A JPH07331509A JP12754494A JP12754494A JPH07331509A JP H07331509 A JPH07331509 A JP H07331509A JP 12754494 A JP12754494 A JP 12754494A JP 12754494 A JP12754494 A JP 12754494A JP H07331509 A JPH07331509 A JP H07331509A
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- recyclable
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- recycling
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Artificial Filaments (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
- Outerwear In General, And Traditional Japanese Garments (AREA)
- Seats For Vehicles (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 布帛及び付属品から構成される繊維製品で
あって、その布帛及び付属品の素材が同一の熱可塑性樹
脂、例えばナイロン6でもって実質的に統一されている
こと、及び、リサイクル選別用表示が付されているリサ
イクル可能な繊維製品である。この繊維製品の使用済み
品は回収後、リサイクル選別用表示によって選別し、解
重合を行ってモノマ成分を回収し、精製し、重合し、溶
融紡糸や成形により繊維や成形品へとリサイクルされ
る。 【効果】 回収された繊維製品を原料モノマまで戻し
て再利用するというリサイクルする際、実質的に解体な
しで回収品を選別することができる。しかも、その回収
・選別の作業を容易に、効率良くかつ精度良く行うこと
ができ、さらに、リサイクル選別用表示に基く機械的手
段による選別作業も可能となる。
あって、その布帛及び付属品の素材が同一の熱可塑性樹
脂、例えばナイロン6でもって実質的に統一されている
こと、及び、リサイクル選別用表示が付されているリサ
イクル可能な繊維製品である。この繊維製品の使用済み
品は回収後、リサイクル選別用表示によって選別し、解
重合を行ってモノマ成分を回収し、精製し、重合し、溶
融紡糸や成形により繊維や成形品へとリサイクルされ
る。 【効果】 回収された繊維製品を原料モノマまで戻し
て再利用するというリサイクルする際、実質的に解体な
しで回収品を選別することができる。しかも、その回収
・選別の作業を容易に、効率良くかつ精度良く行うこと
ができ、さらに、リサイクル選別用表示に基く機械的手
段による選別作業も可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維製品の回収・リサ
イクル時の選別作業の効率化を図るために有効な繊維製
品、及びそのリサイクル方法に関するものである。
イクル時の選別作業の効率化を図るために有効な繊維製
品、及びそのリサイクル方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護のために、資源の有
効利用、特に回収再利用いわゆるリサイクルが行われて
きつつある。例えば、使用済みのガラスや紙を回収し選
別し再生原料として利用することは、事業として確立さ
れている。また、ペットボトルのような熱可塑性プラス
チック成形品は、使用済み製品を回収し選別し、再溶融
し成形して再利用することが事業化されてきつつある。
効利用、特に回収再利用いわゆるリサイクルが行われて
きつつある。例えば、使用済みのガラスや紙を回収し選
別し再生原料として利用することは、事業として確立さ
れている。また、ペットボトルのような熱可塑性プラス
チック成形品は、使用済み製品を回収し選別し、再溶融
し成形して再利用することが事業化されてきつつある。
【0003】このような既に実施されているリサイクル
においてもまだ解決すべき問題は多く、例えば、次のよ
うな問題をかかえている。
においてもまだ解決すべき問題は多く、例えば、次のよ
うな問題をかかえている。
【0004】第一に、回収及び選別の作業に多大の設備
と労力がかかることである。回収し再生された原料を使
って元の製品を製造する場合、一定水準以上の純度が必
要である。もし不純物が多いと元の製品はおろか類似の
製品も製造できないからである。紙やガラスの様に比較
的選別が容易な物品でも、不特定多数の消費者から回収
した物品を選別するには多くの労力がかかり、回収・選
別のコスト高となり、リサイクルの事業性が問題となる
ことが多い。
と労力がかかることである。回収し再生された原料を使
って元の製品を製造する場合、一定水準以上の純度が必
要である。もし不純物が多いと元の製品はおろか類似の
製品も製造できないからである。紙やガラスの様に比較
的選別が容易な物品でも、不特定多数の消費者から回収
した物品を選別するには多くの労力がかかり、回収・選
別のコスト高となり、リサイクルの事業性が問題となる
ことが多い。
【0005】そこで、プラスチック成形品では、リサイ
クルを考慮して素材表示が番号によってなされてきつつ
あるが、この場合でもその選別作業は人手に頼らざるを
得ないので多大の労力がかかり、ボランティアに頼るリ
サイクルが試験的に行われてきているにすぎない。
クルを考慮して素材表示が番号によってなされてきつつ
あるが、この場合でもその選別作業は人手に頼らざるを
得ないので多大の労力がかかり、ボランティアに頼るリ
サイクルが試験的に行われてきているにすぎない。
【0006】第二に、回収原料から作られた製品の品質
を十分に高められないことである。前述のように選別に
多大の設備と労力をかけても、元の原料並の純度にする
ことは極めて困難である。従って、新品の原料に少しず
つ混ぜて使用するか、品質規格が異なる別の製品に転用
せざるを得ない。
を十分に高められないことである。前述のように選別に
多大の設備と労力をかけても、元の原料並の純度にする
ことは極めて困難である。従って、新品の原料に少しず
つ混ぜて使用するか、品質規格が異なる別の製品に転用
せざるを得ない。
【0007】第三に、リサイクルを繰返す度に製品中の
不純物は増加していくから、リサイクルの繰返し回数に
は限度がある。特に樹脂の場合、1回のリサイクルが限
度である。
不純物は増加していくから、リサイクルの繰返し回数に
は限度がある。特に樹脂の場合、1回のリサイクルが限
度である。
【0008】また、衣料製品のような繊維製品では、一
部は、古着として再使用され、また、解体した布帛、繊
維、衣料付属品(ボタン等)の再利用という形でのリサ
イクルが行われている。
部は、古着として再使用され、また、解体した布帛、繊
維、衣料付属品(ボタン等)の再利用という形でのリサ
イクルが行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、衣料製品をは
じめとする繊維製品は、その主たる構成部材である布帛
の他、多くの副部材、例えば、裏地、芯地、縫い糸、ネ
ームプレート等の繊維製部材、ボタン、スナップ、ファ
スナー、留め金、留め具等の樹脂製や金属製の部材、か
ら構成されるように、異なる素材からなる多種類の布帛
や付属品が使われていて、さらに、それら布帛や付属品
には多種多様の素材を混用した物が多く使われているか
ら、再生可能なところまで素材別に解体し選別すること
は実際上不可能に近く、素材原料に戻してのリサイクル
は困難と考えられてきた。
じめとする繊維製品は、その主たる構成部材である布帛
の他、多くの副部材、例えば、裏地、芯地、縫い糸、ネ
ームプレート等の繊維製部材、ボタン、スナップ、ファ
スナー、留め金、留め具等の樹脂製や金属製の部材、か
ら構成されるように、異なる素材からなる多種類の布帛
や付属品が使われていて、さらに、それら布帛や付属品
には多種多様の素材を混用した物が多く使われているか
ら、再生可能なところまで素材別に解体し選別すること
は実際上不可能に近く、素材原料に戻してのリサイクル
は困難と考えられてきた。
【0010】また、繊維製品は、外観や感触等の一見で
きる物性によって選別することは困難であるので、多大
の手間をかけて解体し得たとしてもリサイクル使用が可
能となる品質の素材にまとめることは不可能に近い。
きる物性によって選別することは困難であるので、多大
の手間をかけて解体し得たとしてもリサイクル使用が可
能となる品質の素材にまとめることは不可能に近い。
【0011】一方、これら繊維製品には、ポリエステル
繊維やポリアミド繊維のような石油を原料とする合成繊
維も多く使用されているので、地球環境保護のための資
源の有効利用という点から有効なリサイクル化が求めら
れる。
繊維やポリアミド繊維のような石油を原料とする合成繊
維も多く使用されているので、地球環境保護のための資
源の有効利用という点から有効なリサイクル化が求めら
れる。
【0012】そこで、本発明は、回収された繊維製品を
素材原料に戻して再利用するというリサイクルを図る上
での大きな問題点、即ち、回収繊維製品の解体及び選別
に多くの手数がかかるという問題点を解消することを主
たる目的とする。
素材原料に戻して再利用するというリサイクルを図る上
での大きな問題点、即ち、回収繊維製品の解体及び選別
に多くの手数がかかるという問題点を解消することを主
たる目的とする。
【0013】即ち、回収された種々雑多な繊維製品を素
材原料に戻すにあたり必要となる解体及び選別の作業の
容易化及び効率化を図ること、特に解体せずに機械的手
段で選別することをも可能とすることを目的とする。
材原料に戻すにあたり必要となる解体及び選別の作業の
容易化及び効率化を図ること、特に解体せずに機械的手
段で選別することをも可能とすることを目的とする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この目的を達成するた
め、本発明のリサイクル可能な繊維製品は、布帛及び付
属品から構成される繊維製品において、前記布帛及び付
属品の素材が同一の熱可塑性樹脂でもって実質的に統一
されていること、及び、リサイクル選別用表示が付され
ていることを特徴とする。
め、本発明のリサイクル可能な繊維製品は、布帛及び付
属品から構成される繊維製品において、前記布帛及び付
属品の素材が同一の熱可塑性樹脂でもって実質的に統一
されていること、及び、リサイクル選別用表示が付され
ていることを特徴とする。
【0015】また、このリサイクル可能な繊維製品をそ
のリサイクル選別用表示によって選別した後、解重合を
行ってモノマ成分を回収し、該回収モノマ成分を用いて
重合して樹脂を製造すること、さらには、溶融紡糸して
繊維とし、該繊維を用いて、素材が同一の熱可塑性樹脂
でもって実質的に統一されかつリサイクル選別用表示が
付されたリサイクル可能な繊維製品を製造する方法でリ
サイクルすればよい。
のリサイクル選別用表示によって選別した後、解重合を
行ってモノマ成分を回収し、該回収モノマ成分を用いて
重合して樹脂を製造すること、さらには、溶融紡糸して
繊維とし、該繊維を用いて、素材が同一の熱可塑性樹脂
でもって実質的に統一されかつリサイクル選別用表示が
付されたリサイクル可能な繊維製品を製造する方法でリ
サイクルすればよい。
【0016】本発明の繊維製品は、解体なしでのリサイ
クルを可能とするために、構成する布帛及び付属品の素
材を同一の熱可塑性樹脂でもって実質的に統一すること
が必要である。
クルを可能とするために、構成する布帛及び付属品の素
材を同一の熱可塑性樹脂でもって実質的に統一すること
が必要である。
【0017】その熱可塑性樹脂は、解重合が可能であれ
ばナイロン66やポリエチレンテレフタレートやポリプ
ロピレン等であってもよいが、解重合した後、再度重合
するというリサイクルを工業的に実施するためには、特
にナイロン6が好ましい。
ばナイロン66やポリエチレンテレフタレートやポリプ
ロピレン等であってもよいが、解重合した後、再度重合
するというリサイクルを工業的に実施するためには、特
にナイロン6が好ましい。
【0018】ナイロン6は解重合触媒の存在下で加熱す
ると重合前の原料であるε−カプロラクタムまで容易に
解重合でき、さらに、減圧下(約10mmHg)の沸点
が約140℃であるので、精密蒸留や結晶化精製法によ
って、新品ラクタムと同程度の純度まで容易に精製でき
る。
ると重合前の原料であるε−カプロラクタムまで容易に
解重合でき、さらに、減圧下(約10mmHg)の沸点
が約140℃であるので、精密蒸留や結晶化精製法によ
って、新品ラクタムと同程度の純度まで容易に精製でき
る。
【0019】しかも、ナイロン6は、最もその機能が優
れている大量生産型の樹脂の一つであって、容易に繊維
化や成形ができ、繊維としての強さと美しさとともに、
エンジニアリングプラスチックスとしてのタフネスをも
兼ね備えている。即ち、ナイロン6は、繊維から歯車や
ボタンなどの樹脂成形品まで広く製造可能であり、ナイ
ロン6を用いれば、繊維性布帛からボタンやファスナー
などの衣料付属品まで、他の素材を実質的に使用するこ
と無く製造できる。
れている大量生産型の樹脂の一つであって、容易に繊維
化や成形ができ、繊維としての強さと美しさとともに、
エンジニアリングプラスチックスとしてのタフネスをも
兼ね備えている。即ち、ナイロン6は、繊維から歯車や
ボタンなどの樹脂成形品まで広く製造可能であり、ナイ
ロン6を用いれば、繊維性布帛からボタンやファスナー
などの衣料付属品まで、他の素材を実質的に使用するこ
と無く製造できる。
【0020】以下、本発明の繊維製品として、ナイロン
6でもって実質的に統一されてなる衣料用繊維製品を例
にとって説明する。
6でもって実質的に統一されてなる衣料用繊維製品を例
にとって説明する。
【0021】例えば、衣料用繊維製品は、身生地、裏
地、芯地のような布帛、及び、縫い糸、ネームプレー
ト、ボタン、スナップ、ファスナー、留め金のような衣
料付属品から構成される。本発明の場合は、それを構成
する布帛及び衣料付属品の実質的に全部を同一の熱可塑
性樹脂、特にナイロン6から構成することが好ましい
が、解重合・精製工程に悪影響を及ぼさない少量であれ
ば他の素材が用いられてもよい。しかし、他の素材はな
るべく少ないことが好ましく、多くとも衣料製品全体の
20重量%以下好ましくは10重量%以下さらに好まし
くは5重量%以下とする。
地、芯地のような布帛、及び、縫い糸、ネームプレー
ト、ボタン、スナップ、ファスナー、留め金のような衣
料付属品から構成される。本発明の場合は、それを構成
する布帛及び衣料付属品の実質的に全部を同一の熱可塑
性樹脂、特にナイロン6から構成することが好ましい
が、解重合・精製工程に悪影響を及ぼさない少量であれ
ば他の素材が用いられてもよい。しかし、他の素材はな
るべく少ないことが好ましく、多くとも衣料製品全体の
20重量%以下好ましくは10重量%以下さらに好まし
くは5重量%以下とする。
【0022】このためには、例えば、身生地や裏地や芯
地のような布帛としてはナイロン6単独繊維のみからな
る織物や編物や不織布を用い、縫い糸やネームプレート
はナイロン6単独繊維から構成し、また、ボタン、スナ
ップ、ファスナー、留め金等の付属品にはナイロン6成
形による物を用いればよい。
地のような布帛としてはナイロン6単独繊維のみからな
る織物や編物や不織布を用い、縫い糸やネームプレート
はナイロン6単独繊維から構成し、また、ボタン、スナ
ップ、ファスナー、留め金等の付属品にはナイロン6成
形による物を用いればよい。
【0023】このナイロン6は、通常の方法によるε−
カプロラクタムの重合によって得られるポリマであれば
よい。その重合度は、98%硫酸溶液の相対粘度で2.
0〜4.0が適当である。このナイロン6ポリマには、
解重合・精製工程に支障を生じない範囲内であれば、他
の種類のナイロン(共重合体)あるいは酸化チタン、耐
熱剤などの添加剤が若干量含まれていてもよいが、それ
ら他の素材はなるべく少なくすることが好ましい。
カプロラクタムの重合によって得られるポリマであれば
よい。その重合度は、98%硫酸溶液の相対粘度で2.
0〜4.0が適当である。このナイロン6ポリマには、
解重合・精製工程に支障を生じない範囲内であれば、他
の種類のナイロン(共重合体)あるいは酸化チタン、耐
熱剤などの添加剤が若干量含まれていてもよいが、それ
ら他の素材はなるべく少なくすることが好ましい。
【0024】このナイロン6は、通常の方法によって製
糸されて所定の太さのナイロン6繊維とされる。例え
ば、溶融紡糸し延伸して繊維とする方法、高速紡糸によ
り実質的に延伸せずに繊維とする方法が挙げられる。こ
れら繊維は、さらに捲縮加工等の加工をされてもよく、
ステープルとしてもよい。
糸されて所定の太さのナイロン6繊維とされる。例え
ば、溶融紡糸し延伸して繊維とする方法、高速紡糸によ
り実質的に延伸せずに繊維とする方法が挙げられる。こ
れら繊維は、さらに捲縮加工等の加工をされてもよく、
ステープルとしてもよい。
【0025】得られたナイロン6フィラメント或いはス
テープルはフィラメント糸や紡績糸等の糸条とされ、通
常の方法で編成あるいは製織されて所定の布帛とされ
る。この糸条や布帛は、解重合・精製工程に支障のない
範囲内であれば他の繊維、例えばポリウレタン繊維、ナ
イロン66繊維、天然繊維等を混用、例えば混繊や交編
や交織してもよい。
テープルはフィラメント糸や紡績糸等の糸条とされ、通
常の方法で編成あるいは製織されて所定の布帛とされ
る。この糸条や布帛は、解重合・精製工程に支障のない
範囲内であれば他の繊維、例えばポリウレタン繊維、ナ
イロン66繊維、天然繊維等を混用、例えば混繊や交編
や交織してもよい。
【0026】布帛は、撥水・撥油、制電、吸水・吸湿、
抗菌・防臭等のための加工剤による仕上げ加工を施して
もよい。例えばアクリル樹脂やポリウレタンによるコー
ティングである。この場合も解重合・精製工程に支障の
ない範囲内とする。
抗菌・防臭等のための加工剤による仕上げ加工を施して
もよい。例えばアクリル樹脂やポリウレタンによるコー
ティングである。この場合も解重合・精製工程に支障の
ない範囲内とする。
【0027】衣服を構成する部材のうち、繊維から構成
される部材、例えば、身生地、裏地、芯地、縫い糸、ネ
ームプレート等は、上記したナイロン6繊維から作られ
ることが好ましいが、解重合・精製工程に支障のない範
囲内であれば、他の繊維製品が混じっていてもよい。
される部材、例えば、身生地、裏地、芯地、縫い糸、ネ
ームプレート等は、上記したナイロン6繊維から作られ
ることが好ましいが、解重合・精製工程に支障のない範
囲内であれば、他の繊維製品が混じっていてもよい。
【0028】また、衣服を構成する繊維以外の他の部
材、例えばファスナー、スナップ、ボタン、留め金など
もナイロン6からの成形(例えば、ナイロン6ペレット
の射出成形や押出し成形など)により作られた物とする
ことが好ましいが、解重合・精製工程に支障のない範囲
内であれば、成形品の性質を改善するためのガラス繊
維、炭素繊維などの補強繊維、耐熱剤、制電剤などの薬
品を含んでいてもよい。これら付属品のうち衣料製品か
ら取り外すことが比較的容易なボタン、スナップ、留め
金等は、解重合に供する前に、取り外してもよい。
材、例えばファスナー、スナップ、ボタン、留め金など
もナイロン6からの成形(例えば、ナイロン6ペレット
の射出成形や押出し成形など)により作られた物とする
ことが好ましいが、解重合・精製工程に支障のない範囲
内であれば、成形品の性質を改善するためのガラス繊
維、炭素繊維などの補強繊維、耐熱剤、制電剤などの薬
品を含んでいてもよい。これら付属品のうち衣料製品か
ら取り外すことが比較的容易なボタン、スナップ、留め
金等は、解重合に供する前に、取り外してもよい。
【0029】ナイロン6からなるスナップ、ボタン、留
め金は、通常のナイロン6成形品と同様の方法で製造す
ればよい。また、ファスナーはナイロン6繊維とナイロ
ン6樹脂から通常の方法で製造すればよい。
め金は、通常のナイロン6成形品と同様の方法で製造す
ればよい。また、ファスナーはナイロン6繊維とナイロ
ン6樹脂から通常の方法で製造すればよい。
【0030】衣服を構成する素材のなかで、上述した各
工程で入ってくる他の素材の総重量は多くとも20重量
%以下好ましくは10重量%以下さらに好ましくは5重
量%以下とするが、それら他の素材も解重合・精製工程
に悪影響を及ぼさない物質に極力限定することが好まし
い。
工程で入ってくる他の素材の総重量は多くとも20重量
%以下好ましくは10重量%以下さらに好ましくは5重
量%以下とするが、それら他の素材も解重合・精製工程
に悪影響を及ぼさない物質に極力限定することが好まし
い。
【0031】例えば、無機顔料、金属、化学的に安定な
有機化合物のように解重合工程において変化しない物質
は、反応残渣として残るから別途処理によって除去可能
である。また、この解重合工程で副生する揮発性有機物
については精製などの手段での分離除去が可能である。
有機化合物のように解重合工程において変化しない物質
は、反応残渣として残るから別途処理によって除去可能
である。また、この解重合工程で副生する揮発性有機物
については精製などの手段での分離除去が可能である。
【0032】しかし、解重合反応時において発生する目
的とするモノマ成分(例えばナイロン6の場合ではε−
カプロラクタム)に近い沸点を有するか又は共沸により
流出してくるような化合物を発生させるような物質、或
いは装置の材質を腐食するような物質は、解重合・精製
工程が複雑となるので好ましくない。
的とするモノマ成分(例えばナイロン6の場合ではε−
カプロラクタム)に近い沸点を有するか又は共沸により
流出してくるような化合物を発生させるような物質、或
いは装置の材質を腐食するような物質は、解重合・精製
工程が複雑となるので好ましくない。
【0033】最も理想的には、表地、裏地、芯地、縫い
糸、ファスナー、スナップ、ボタン、留め金までの全て
の構成部材として同一の熱可塑性樹脂、特にナイロン6
からなる物を用いる事である。
糸、ファスナー、スナップ、ボタン、留め金までの全て
の構成部材として同一の熱可塑性樹脂、特にナイロン6
からなる物を用いる事である。
【0034】このように、構成素材の80重量%以上、
好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは実質的に
全部がナイロン6のように、実質的に同じ熱可塑性樹脂
でもって統一することによって、回収工程及び解重合工
程の負荷が減少すると共に、分離回収したモノマ成分の
精製が容易となり、高純度のモノマ成分を回収すること
ができる。
好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは実質的に
全部がナイロン6のように、実質的に同じ熱可塑性樹脂
でもって統一することによって、回収工程及び解重合工
程の負荷が減少すると共に、分離回収したモノマ成分の
精製が容易となり、高純度のモノマ成分を回収すること
ができる。
【0035】本発明が適用される繊維製品としては、衣
料製品、例えば、ユニフォーム、レインウェア、スポー
ツウェア、アウターウェア、インナーウェア、ストッキ
ング類、水着・レオタード類等の他に、カーシート、そ
のシートカバー、車輌天井張り用や内壁張り用布帛のよ
うな自動車内装用布帛製品、ソファー張り布帛等の家具
表装・内張り用布帛製品が挙げられる。なお、これら繊
維製品でもバッキング材が必要な繊維製品類のような場
合は素材ポリマの統一が難しいため適用困難である。
料製品、例えば、ユニフォーム、レインウェア、スポー
ツウェア、アウターウェア、インナーウェア、ストッキ
ング類、水着・レオタード類等の他に、カーシート、そ
のシートカバー、車輌天井張り用や内壁張り用布帛のよ
うな自動車内装用布帛製品、ソファー張り布帛等の家具
表装・内張り用布帛製品が挙げられる。なお、これら繊
維製品でもバッキング材が必要な繊維製品類のような場
合は素材ポリマの統一が難しいため適用困難である。
【0036】さらに、本発明の繊維製品は、リサイクル
選別用のための表示が付されていることが必要である。
即ち、消費者から回収された繊維製品の中からリサイク
ル可能な繊維製品を選別し、さらに必要に応じリサイク
ル手段に応じて選別するためである。この表示は、通常
商標表示用に用られるネームプレート中に文字、記号、
絵記号、バーコード等の視覚的に識別できる表示を付す
方法によってもよいが、選別作業の効率及び精度を高め
るためには、次のような表示を用いることが好ましい。
選別用のための表示が付されていることが必要である。
即ち、消費者から回収された繊維製品の中からリサイク
ル可能な繊維製品を選別し、さらに必要に応じリサイク
ル手段に応じて選別するためである。この表示は、通常
商標表示用に用られるネームプレート中に文字、記号、
絵記号、バーコード等の視覚的に識別できる表示を付す
方法によってもよいが、選別作業の効率及び精度を高め
るためには、次のような表示を用いることが好ましい。
【0037】電磁気的手段により判別可能な表示、例え
ば、電磁気的刺激に対して特定のシグナルを発生する表
示、具体的には、鉄製金属繊維や金属鍍金繊維のような
常磁性金属繊維を布帛に織り込む方法、フェライト等の
常磁性化合物を添加したプリント可能な樹脂皮膜形成物
を形成する方法等が挙げられる。その特定のシグナルの
パターンは任意に定めればよく、一例として一定の幅と
間隔で作られた特定のパターンを上記常磁性化合物で作
る表示が挙げられるが、繊維製品類に使用されている他
の電磁気感応性物質からのシグナルと紛らわしくないよ
うに配慮することが必要である。
ば、電磁気的刺激に対して特定のシグナルを発生する表
示、具体的には、鉄製金属繊維や金属鍍金繊維のような
常磁性金属繊維を布帛に織り込む方法、フェライト等の
常磁性化合物を添加したプリント可能な樹脂皮膜形成物
を形成する方法等が挙げられる。その特定のシグナルの
パターンは任意に定めればよく、一例として一定の幅と
間隔で作られた特定のパターンを上記常磁性化合物で作
る表示が挙げられるが、繊維製品類に使用されている他
の電磁気感応性物質からのシグナルと紛らわしくないよ
うに配慮することが必要である。
【0038】他の表示としては、光の刺激に対して蛍光
や燐光を発することができる蛍光性の顔料や染料等の蛍
光性物質を用いて表示すること、例えば、それら蛍光性
の顔料や染料等を含有する繊維を織込むこと、それらを
プリントすること、それらを含有する素材を少なくとも
一部に用いること等が挙げられる。これら表示は、通常
の使用状態では殆ど目立たないが、暗所で紫外線を照射
すると容易に識別できる。その表示のパターンは、磁気
感応性の場合と同様に任意に定めればよい。
や燐光を発することができる蛍光性の顔料や染料等の蛍
光性物質を用いて表示すること、例えば、それら蛍光性
の顔料や染料等を含有する繊維を織込むこと、それらを
プリントすること、それらを含有する素材を少なくとも
一部に用いること等が挙げられる。これら表示は、通常
の使用状態では殆ど目立たないが、暗所で紫外線を照射
すると容易に識別できる。その表示のパターンは、磁気
感応性の場合と同様に任意に定めればよい。
【0039】上記の表示は、繊維製品のどの箇所に付し
てもよいが、製品の外観やデザインに悪影響を与えない
様な箇所に、悪影響を与えない様なパターンで付するこ
とがよい。例えば、商標や取扱い説明を表記した繊維製
ネームプレートを利用したり、製品の裏部分に付したり
すればよい。
てもよいが、製品の外観やデザインに悪影響を与えない
様な箇所に、悪影響を与えない様なパターンで付するこ
とがよい。例えば、商標や取扱い説明を表記した繊維製
ネームプレートを利用したり、製品の裏部分に付したり
すればよい。
【0040】また、リサイクル製品を強調するために特
定のマークをデザインしこれを目立ち易い箇所に付する
というデザインマークによる表示によってもよく、これ
は他の視覚的識別手段よりも視覚的識別が容易である。
定のマークをデザインしこれを目立ち易い箇所に付する
というデザインマークによる表示によってもよく、これ
は他の視覚的識別手段よりも視覚的識別が容易である。
【0041】識別の精度を高めるためには2種類以上の
表示を併用してもよいし2箇所以上に表示してもよい。
表示を併用してもよいし2箇所以上に表示してもよい。
【0042】文字、記号、絵記号、バーコード等の視覚
的に識別できる表示を付す場合は製品中のほぼ一定部分
に付すことが好ましく、また、これら視覚的に識別でき
る表示は電磁気感応性や蛍光性により識別できる表示と
併用することが好ましい。
的に識別できる表示を付す場合は製品中のほぼ一定部分
に付すことが好ましく、また、これら視覚的に識別でき
る表示は電磁気感応性や蛍光性により識別できる表示と
併用することが好ましい。
【0043】この表示は、繊維製品の通常の使用状態に
おいて熱や光あるいは過酷な洗浄によって変性や脱落す
る事がないように留意する。特に、繰返し洗濯される衣
服等では、耐洗濯性の良いプリントや織り込み等が好ま
しい。
おいて熱や光あるいは過酷な洗浄によって変性や脱落す
る事がないように留意する。特に、繰返し洗濯される衣
服等では、耐洗濯性の良いプリントや織り込み等が好ま
しい。
【0044】回収時には視覚的な識別手段が利用し易い
が、回収繊維製品を解重合に供する前の選別は、電磁気
感応性や蛍光性による識別表示によって行うことが、機
械的手段により高効率、高精度で選別できるので好まし
い。
が、回収繊維製品を解重合に供する前の選別は、電磁気
感応性や蛍光性による識別表示によって行うことが、機
械的手段により高効率、高精度で選別できるので好まし
い。
【0045】回収された繊維製品は、実質的にその繊維
製品の状態のままリサイクル選別用表示によって選別さ
れ、解重合工程に供給させられる。この際、必要に応じ
て解体して他素材部分を取り外し、また、必要に応じて
汚れを除去してもよい。解重合は、加熱溶融しつつ解重
合触媒を加えて解重合するという通常の方法で行えばよ
い。
製品の状態のままリサイクル選別用表示によって選別さ
れ、解重合工程に供給させられる。この際、必要に応じ
て解体して他素材部分を取り外し、また、必要に応じて
汚れを除去してもよい。解重合は、加熱溶融しつつ解重
合触媒を加えて解重合するという通常の方法で行えばよ
い。
【0046】解重合により得られたモノマ成分は精製さ
れる。例えば、ε−カプロラクタムの場合は、精密蒸留
や結晶化精製法のような通常の精製方法で精製すること
により純度を高めればよく、得られた高純度ε−カプロ
ラクタムは、必要に応じて新品ε−カプロラクタム(回
収品でない)と混合して、通常の方法で重合してナイロ
ン6を製造する。
れる。例えば、ε−カプロラクタムの場合は、精密蒸留
や結晶化精製法のような通常の精製方法で精製すること
により純度を高めればよく、得られた高純度ε−カプロ
ラクタムは、必要に応じて新品ε−カプロラクタム(回
収品でない)と混合して、通常の方法で重合してナイロ
ン6を製造する。
【0047】このようにして製造された回収ラクタムか
らのナイロン6は、再度、溶融紡糸によりナイロン6繊
維としてもよいし、また、通常の方法で成形することに
よりボタン等の成形品としてもよい。
らのナイロン6は、再度、溶融紡糸によりナイロン6繊
維としてもよいし、また、通常の方法で成形することに
よりボタン等の成形品としてもよい。
【0048】また、回収され、そのリサイクル選別用表
示によって選別された回収繊維製品は、溶融又は溶解に
より樹脂を回収し、この回収樹脂をリサイクル使用する
という方法でもってリサイクルしてもよい。
示によって選別された回収繊維製品は、溶融又は溶解に
より樹脂を回収し、この回収樹脂をリサイクル使用する
という方法でもってリサイクルしてもよい。
【0049】
[実施例]0.3重量%の酸化チタンを艶消し剤として
含有するε−カプロラクタムを、通常の方法で重合し
て、98%硫酸粘度が2.68のナイロン6を得た。こ
のナイロン6を通常の方法で溶融紡糸して、70デニー
ル24フィラメント又は70デニール34フィラメント
のナイロン6フィラメント繊維とした。
含有するε−カプロラクタムを、通常の方法で重合し
て、98%硫酸粘度が2.68のナイロン6を得た。こ
のナイロン6を通常の方法で溶融紡糸して、70デニー
ル24フィラメント又は70デニール34フィラメント
のナイロン6フィラメント繊維とした。
【0050】ユニフォーム織物の表地として、70デニ
ール24フィラメントのナイロン6繊維を経糸に、70
デニール24フィラメントのナイロン6繊維と70デニ
ール34フィラメントのナイロン6繊維との2本給糸タ
スラン加工糸を緯糸にして、平織り布帛を製織した。こ
の表地に通常の酸性染料で染色加工を行った後、通常の
方法で撥水加工を施した。染料及び撥水加工剤の付与量
の合計は2.5重量%(対、繊維)であった。
ール24フィラメントのナイロン6繊維を経糸に、70
デニール24フィラメントのナイロン6繊維と70デニ
ール34フィラメントのナイロン6繊維との2本給糸タ
スラン加工糸を緯糸にして、平織り布帛を製織した。こ
の表地に通常の酸性染料で染色加工を行った後、通常の
方法で撥水加工を施した。染料及び撥水加工剤の付与量
の合計は2.5重量%(対、繊維)であった。
【0051】裏地用には、70デニール24フィラメン
トのナイロン6繊維を経糸と緯糸とに使用して平織りタ
フタを製織し、通常の方法で染色仕上げした。
トのナイロン6繊維を経糸と緯糸とに使用して平織りタ
フタを製織し、通常の方法で染色仕上げした。
【0052】芯地としては、ナイロン6ニット芯地(東
レ(株)製の品番31594)を使用した。
レ(株)製の品番31594)を使用した。
【0053】また、酸化チタンを含まないナイロン6樹
脂(東レ(株)製のCM1001)をガラス繊維で補強
して、直径1cmのボタン、ファスナー及び留め具を成形
した。これら成形品中のガラス繊維混率は20重量%で
あった。
脂(東レ(株)製のCM1001)をガラス繊維で補強
して、直径1cmのボタン、ファスナー及び留め具を成形
した。これら成形品中のガラス繊維混率は20重量%で
あった。
【0054】これら部材を使用して通常の方法で縫製し
作業用上着を作製した。その際、その衿部分と衣服の背
裏下部とにそれぞれ、3cm×2cm、5cm×3cmのナイロ
ン6布帛にフェライト添加樹脂をプリントした磁気感応
性のネームプレートを縫い付けた。このプリント用の樹
脂加工剤には、フェライト(石原産業(株)製)を10
重量%添加したアクリル樹脂プレポリマ(コスモ化学
(株)製)を用いた。
作業用上着を作製した。その際、その衿部分と衣服の背
裏下部とにそれぞれ、3cm×2cm、5cm×3cmのナイロ
ン6布帛にフェライト添加樹脂をプリントした磁気感応
性のネームプレートを縫い付けた。このプリント用の樹
脂加工剤には、フェライト(石原産業(株)製)を10
重量%添加したアクリル樹脂プレポリマ(コスモ化学
(株)製)を用いた。
【0055】得られた上着の中でナイロン6以外の物質
(染料や加工剤等)が占める量は約4重量%であった。
(染料や加工剤等)が占める量は約4重量%であった。
【0056】得られた上着を6か月間着用したのち回収
した。回収時には、上記作業用上着以外の衣料製品も混
在する状態であったが、磁気識別装置を設置したコンベ
アベルトで移送しつつ、上記磁気感応性ネームプレート
の有無によって選別したところ、選別の精度は98%
で、目的とするナイロン6製品のみを選別することがで
きた。
した。回収時には、上記作業用上着以外の衣料製品も混
在する状態であったが、磁気識別装置を設置したコンベ
アベルトで移送しつつ、上記磁気感応性ネームプレート
の有無によって選別したところ、選別の精度は98%
で、目的とするナイロン6製品のみを選別することがで
きた。
【0057】選別したナイロン6回収製品は、解体する
ことなくナイロン解重合設備に投入し、290℃で溶融
しつつ燐酸触媒を加えて分解し、発生するε−カプロラ
クタムを蒸留・冷却して捕集した。投入原料のほぼ90
%がε−カプロラクタムとして回収できた。
ことなくナイロン解重合設備に投入し、290℃で溶融
しつつ燐酸触媒を加えて分解し、発生するε−カプロラ
クタムを蒸留・冷却して捕集した。投入原料のほぼ90
%がε−カプロラクタムとして回収できた。
【0058】この回収ε−カプロラクタムはさらに通常
の精留設備によって精製し、表1に示すように実質的に
石油原料からの新品ε−カプロラクタムと同等の純度の
ε−カプロラクタムを得た。このε−カプロラクタム
は、ナイロン6重合設備に供給し、新品ε−カプロラク
タムと同等の品質のナイロン6樹脂を得た。
の精留設備によって精製し、表1に示すように実質的に
石油原料からの新品ε−カプロラクタムと同等の純度の
ε−カプロラクタムを得た。このε−カプロラクタム
は、ナイロン6重合設備に供給し、新品ε−カプロラク
タムと同等の品質のナイロン6樹脂を得た。
【0059】得られた精製ε−カプロラクタムの特性を
分析したところ、表1に示すとおり、新品ε−カプロラ
クタムの特性と殆ど同じであって、新品同様に使える優
れた品質であった。なお、ε−カプロラクタムの各特性
は次の方法によって測定した。
分析したところ、表1に示すとおり、新品ε−カプロラ
クタムの特性と殆ど同じであって、新品同様に使える優
れた品質であった。なお、ε−カプロラクタムの各特性
は次の方法によって測定した。
【0060】過マンガン酸価(PMV): ε−カプ
ロラクタムの3wt%水溶液に、過マンガン酸カリを加
え、混合液の紫紅色が標準色の色調と一致するまでの時
間(秒)を測定する。この時間が長いほど不純物が少な
い。
ロラクタムの3wt%水溶液に、過マンガン酸カリを加
え、混合液の紫紅色が標準色の色調と一致するまでの時
間(秒)を測定する。この時間が長いほど不純物が少な
い。
【0061】色調(APHA): JIS−K−41
01に準拠し、ε−カプロラクタムの50wt%水溶液の
色調を標準液の色調と対比する方法によって測定する。
01に準拠し、ε−カプロラクタムの50wt%水溶液の
色調を標準液の色調と対比する方法によって測定する。
【0062】遊離酸(FA)と遊離塩基(FB)との
量: ε−カプロラクタムの20wt%水溶液を中和滴
定する方法で求めた遊離酸(FA)と遊離塩基(FB)
との量を、ε−カプロラクタム1kgあたりの量(ミリ当
量)で表示する。
量: ε−カプロラクタムの20wt%水溶液を中和滴
定する方法で求めた遊離酸(FA)と遊離塩基(FB)
との量を、ε−カプロラクタム1kgあたりの量(ミリ当
量)で表示する。
【0063】揮発性塩基(VB)の量: ε−カプロ
ラクタム水溶液を苛性ソーダの存在下で煮沸蒸留し、揮
発性塩基の全量を既知量の酸の液に吸収させる。その液
を中和滴定して、揮発性塩基によって消費された酸の量
を求め、その量をε−カプロラクタム1kgあたりの量
(ミリ当量)で表示する。
ラクタム水溶液を苛性ソーダの存在下で煮沸蒸留し、揮
発性塩基の全量を既知量の酸の液に吸収させる。その液
を中和滴定して、揮発性塩基によって消費された酸の量
を求め、その量をε−カプロラクタム1kgあたりの量
(ミリ当量)で表示する。
【0064】紫外線吸収率(UVA): ε−カプロ
ラクタムの50wt%水溶液について、290nmの紫外
線を照射した時の、光路長1cmにおける透過率(%)
を求める。
ラクタムの50wt%水溶液について、290nmの紫外
線を照射した時の、光路長1cmにおける透過率(%)
を求める。
【0065】水分含有量: ε−カプロラクタムをメ
タノールに溶解して試料とし、この試料中に含まれる水
の量を、カールフィッシャー試薬で滴定する方法によっ
て求める。
タノールに溶解して試料とし、この試料中に含まれる水
の量を、カールフィッシャー試薬で滴定する方法によっ
て求める。
【0066】回収・精製して得られたε−カプロラクタ
ムをナイロン6重合設備に供給して通常の方法で重合し
たところ、新品ε−カプロラクタムからのナイロン6と
同じ高品質のナイロン6が得られた。そして、得られた
ナイロン6は、再び溶融紡糸して繊維とすることも、或
いは成形により成形品とすることもでき、これら回収原
料からのナイロン6繊維及び成形品を用いて、前記と同
様にしてナイロン6製作業用上着を製造することができ
た。
ムをナイロン6重合設備に供給して通常の方法で重合し
たところ、新品ε−カプロラクタムからのナイロン6と
同じ高品質のナイロン6が得られた。そして、得られた
ナイロン6は、再び溶融紡糸して繊維とすることも、或
いは成形により成形品とすることもでき、これら回収原
料からのナイロン6繊維及び成形品を用いて、前記と同
様にしてナイロン6製作業用上着を製造することができ
た。
【0067】
【表1】
【0068】[比較例1]フェライト添加樹脂をプリン
トした磁気感応性のネームプレートを取付けなかった以
外は、実施例1と同様にして作業用上着を作製した。
トした磁気感応性のネームプレートを取付けなかった以
外は、実施例1と同様にして作業用上着を作製した。
【0069】得られた上着を6か月間着用したのち回収
した。回収時には、上記作業用上着以外の衣料製品も混
在する状態であったので、素材表示、デザイン、ネーム
プレートを頼りに人手によって選別したが、選別作業に
多大の手間と時間を要し、しかも、選別の精度は70%
と低かった。
した。回収時には、上記作業用上着以外の衣料製品も混
在する状態であったので、素材表示、デザイン、ネーム
プレートを頼りに人手によって選別したが、選別作業に
多大の手間と時間を要し、しかも、選別の精度は70%
と低かった。
【0070】[実施例2]市販のセミダルナイロン6ス
テープル繊維(酸化チタン0.35重量%含有)(東レ
(株)製の品番3401、2.2d、繊維長51mm、捲
縮数15)からのナイロン6紡績糸(22番手)を表パ
イル地に用い、基布にはナイロン6フィラメント糸(2
10デニール28フィラメント)の平織り布帛(150
g/m2 )を用い、ナイロン6パイルの重量が350g
/m2 であるナイロン6製カーシート用モケットを製造
した。この際、カーシート用布帛の通常の方法で染色
し、パイルの固定には、蛍光性顔料("Nikkaflour-RP"
日化(株)製)を0.5重量%混合した熱硬化性樹脂
接着剤(帝国化学(株)製)を用いた。
テープル繊維(酸化チタン0.35重量%含有)(東レ
(株)製の品番3401、2.2d、繊維長51mm、捲
縮数15)からのナイロン6紡績糸(22番手)を表パ
イル地に用い、基布にはナイロン6フィラメント糸(2
10デニール28フィラメント)の平織り布帛(150
g/m2 )を用い、ナイロン6パイルの重量が350g
/m2 であるナイロン6製カーシート用モケットを製造
した。この際、カーシート用布帛の通常の方法で染色
し、パイルの固定には、蛍光性顔料("Nikkaflour-RP"
日化(株)製)を0.5重量%混合した熱硬化性樹脂
接着剤(帝国化学(株)製)を用いた。
【0071】得られたモケットにおけるナイロン6の割
合は86重量%であった。即ち、ナイロン6以外の素材
(接着剤、染料、酸化チタンなど)を14重量%含んで
いた。 得られたモケットを用いて自動車の車両シート
を製作し、使用した後、回収した。
合は86重量%であった。即ち、ナイロン6以外の素材
(接着剤、染料、酸化チタンなど)を14重量%含んで
いた。 得られたモケットを用いて自動車の車両シート
を製作し、使用した後、回収した。
【0072】回収したシート用モケットは暗所で紫外線
(ブラックライト)を照射したとき強い蛍光を発するの
で、暗所で紫外線照射の環境下でコンベアベルトで移送
しつつ、蛍光を発するもののみを選別した。選別の精度
は100%であった。
(ブラックライト)を照射したとき強い蛍光を発するの
で、暗所で紫外線照射の環境下でコンベアベルトで移送
しつつ、蛍光を発するもののみを選別した。選別の精度
は100%であった。
【0073】選別された回収モケットを、実施例1と同
様の方法で解重合したところ、実施例1とほぼ同レベル
の純度のε−カプロラクタムが、投入布帛に対する回収
率81%で得られた。
様の方法で解重合したところ、実施例1とほぼ同レベル
の純度のε−カプロラクタムが、投入布帛に対する回収
率81%で得られた。
【0074】[比較例2]基布として従来の基布用綿布
帛を用いた以外は、実施例2と同様にしてモケットを製
造した。得られたモケットにおけるナイロン6の割合は
53重量%であった。
帛を用いた以外は、実施例2と同様にしてモケットを製
造した。得られたモケットにおけるナイロン6の割合は
53重量%であった。
【0075】実施例2と同様にカーシートとして用いた
後、回収し分解することなく実施例2で用いたと同じ分
解設備に供給して、同様に解重合した。
後、回収し分解することなく実施例2で用いたと同じ分
解設備に供給して、同様に解重合した。
【0076】ナイロン6はε−カプロラクタムに分解さ
れたが、共存する綿の熱分解に由来する炭化物、炭化水
素類、水などが多量に副生し、これが生成したラクタム
中に混入したので、蒸留精製を繰返しても高純度化する
ことができず、新品ラクタムに比し相当に品質が劣るラ
クタムしか回収できなかった。
れたが、共存する綿の熱分解に由来する炭化物、炭化水
素類、水などが多量に副生し、これが生成したラクタム
中に混入したので、蒸留精製を繰返しても高純度化する
ことができず、新品ラクタムに比し相当に品質が劣るラ
クタムしか回収できなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明の繊維製品は、その素材が同一の
熱可塑性樹脂でもって実質的に統一されていて、かつ、
回収製品の選別のためにリサイクル選別用表示が付され
ているので、回収時に他の繊維製品が混入しても、容易
に効率良くかつ精度良く選別することが可能となる。
熱可塑性樹脂でもって実質的に統一されていて、かつ、
回収製品の選別のためにリサイクル選別用表示が付され
ているので、回収時に他の繊維製品が混入しても、容易
に効率良くかつ精度良く選別することが可能となる。
【0078】さらに、素材が統一されているので、実質
的に解体なしで回収品を選別することができる。
的に解体なしで回収品を選別することができる。
【0079】従って、本発明によると、繊維製品の回収
・選別の作業が、容易に、効率良く精度良く行うことが
でき、さらに、リサイクル選別用表示に基く機械的手段
による選別作業も可能となる。
・選別の作業が、容易に、効率良く精度良く行うことが
でき、さらに、リサイクル選別用表示に基く機械的手段
による選別作業も可能となる。
【0080】特に、比較的容易に原料モノマまで解重合
できかつその精製による高純度化も比較的容易なナイロ
ン6でもって素材を統一した場合は、回収モノマを再度
ナイロン6とし、さらに繊維や成形品として、繊維製品
とする繰り返しリサイクルも可能となる。
できかつその精製による高純度化も比較的容易なナイロ
ン6でもって素材を統一した場合は、回収モノマを再度
ナイロン6とし、さらに繊維や成形品として、繊維製品
とする繰り返しリサイクルも可能となる。
Claims (10)
- 【請求項1】 布帛及び付属品から構成される繊維製
品において、前記布帛及び付属品の素材が同一の熱可塑
性樹脂でもって実質的に統一されていること、及び、リ
サイクル選別用表示が付されていることを特徴とするリ
サイクル可能な繊維製品。 - 【請求項2】 前記リサイクル選別用表示が電磁気的
手段により判別可能な表示であることを特徴とする請求
項1記載のリサイクル可能な繊維製品。 - 【請求項3】 前記リサイクル選別用表示が蛍光性物
質による表示であることを特徴とする請求項1記載のリ
サイクル可能な繊維製品。 - 【請求項4】 前記リサイクル選別用表示が繊維製品
に止着されたネームプレート及び/又は製品裏面側に表
示されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載
のリサイクル可能な繊維製品。 - 【請求項5】 前記リサイクル選別用表示が繊維製品
中のデザインマークとして表示されていることを特徴と
する請求項1、2、3又は4記載のリサイクル可能な繊
維製品。 - 【請求項6】 前記リサイクル選別用表示が、文字、
記号、絵記号又はバーコードのうちのいずれか一種以上
からなる視覚的に判別可能な表示であることを特徴とす
る請求項1、2、3、4又は5記載のリサイクル可能な
繊維製品。 - 【請求項7】 前記布帛及び付属品の素材が、ナイロ
ン6でもって実質的に統一されていることを特徴とする
請求項1、2、3、4、5又は6記載のリサイクル可能
な繊維製品。 - 【請求項8】 前記繊維製品が、衣料用繊維製品、車
輌内装用繊維製品又は椅子張り用布帛製品のいずれかで
あることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又
は7記載のリサイクル可能な繊維製品。 - 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7又
は8記載のリサイクル可能な繊維製品をそのリサイクル
選別用表示によって選別した後、解重合を行ってモノマ
成分を回収し、該回収モノマ成分を用いて重合して熱可
塑性樹脂を製造することを特徴とする繊維製品のリサイ
クル方法。 - 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7
又は8記載のリサイクル可能な繊維製品をそのリサイク
ル選別用表示によって選別した後、解重合を行ってモノ
マ成分を回収し、該回収モノマを用いて重合し、溶融紡
糸して繊維とし、該繊維を用いて、素材が同一の熱可塑
性樹脂でもって実質的に統一されかつリサイクル選別用
表示が付されたリサイクル可能な繊維製品を製造するこ
とを特徴とする繊維製品のリサイクル方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12754494A JPH07331509A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | リサイクル可能な繊維製品及びそのリサイクル方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12754494A JPH07331509A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | リサイクル可能な繊維製品及びそのリサイクル方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07331509A true JPH07331509A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14962639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12754494A Pending JPH07331509A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | リサイクル可能な繊維製品及びそのリサイクル方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07331509A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003090944A1 (fr) * | 2002-04-24 | 2003-11-06 | Teijin Fibers Limited | Procede et systeme de recyclage |
JP2008112454A (ja) * | 2002-04-24 | 2008-05-15 | Teijin Fibers Ltd | リサイクルシステム |
WO2022113872A1 (ja) * | 2020-11-26 | 2022-06-02 | 東レ株式会社 | 織編物、製造方法および繊維製品 |
-
1994
- 1994-06-09 JP JP12754494A patent/JPH07331509A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003090944A1 (fr) * | 2002-04-24 | 2003-11-06 | Teijin Fibers Limited | Procede et systeme de recyclage |
JP2008112454A (ja) * | 2002-04-24 | 2008-05-15 | Teijin Fibers Ltd | リサイクルシステム |
US7487577B2 (en) | 2002-04-24 | 2009-02-10 | Teijin Fibers Limited | Recycle method and system thereof |
WO2022113872A1 (ja) * | 2020-11-26 | 2022-06-02 | 東レ株式会社 | 織編物、製造方法および繊維製品 |
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