JPH07331500A - 電解用電極および該電極の電解液槽への取付装置 - Google Patents

電解用電極および該電極の電解液槽への取付装置

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JPH07331500A
JPH07331500A JP12650894A JP12650894A JPH07331500A JP H07331500 A JPH07331500 A JP H07331500A JP 12650894 A JP12650894 A JP 12650894A JP 12650894 A JP12650894 A JP 12650894A JP H07331500 A JPH07331500 A JP H07331500A
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electrolytic
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解洗浄装置等において、電極とワークとが
接触した場合も問題点を解消し、かつ、電極とワークと
の間隔を調節できるようにする。 【構成】 電極16を電解液槽11内に吊り下げて電解
液A中に浸漬させるもので、電解液槽の対向する上端面
の所要位置に両端部を着脱自在に設置して電解液槽の上
端開口に軸架する支持軸18と、該支持軸にスライド自
在の嵌合している取付金具19と、該取付金具に貫通さ
せて高さ調節可能に取り付けている調節軸17とを備
え、該調節軸の下端に電極16を取り付けて、電極16
と電解液槽中に配置するワークWとの間隔を調節できる
構成としている。該電極16の外面には所要面積の露出
面を残して絶縁層25で被覆して、ワークWと接触して
ショートが発生しないようにすると共に、衝突によりワ
ークに損傷が生じないようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解用電極および該電
極の電解液槽への取付装置に関し、詳しくは、電解洗
浄、電解メッキ、電解塗装、電解研摩等に用いる電極お
よびその取付装置において、電極との衝突によるワーク
の破損の防止を図ると共に、電極とワークとの間の距離
を調節可能として、電極とワークとの間の通電量の均一
化を図り、例えば、電解洗浄では洗浄ムラの発生、電解
メッキではメッキ厚のムラの発生を防止するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電解洗浄装置としては、
例えば、特開平1−101115号公報に、図12
(A)(B)に示す如く電解洗浄液Aを入れた電解液槽
1の槽壁1a、1bの上端に凹部2を設け、該凹部2に
電源の陽極と接続した接続端子3を取り付け、該端子3
に極板4を接続して電解液槽1の内部の電解洗浄液A中
に吊り下げる一方、電解洗浄される合成樹脂金型等のワ
ーク5を電源の陰極に接続して、電解洗浄液A中に吊り
下げている。
【0003】上記従来の電解洗浄装置では、通電により
陰極に接続したワーク5側および陽極の極板4側に水素
ガスが発生すると共に、水の電気分解等により洗浄液が
撹拌され、この洗浄液の撹拌と上記ガスの発生により、
ワーク5の表面に付着した滞積物を浮遊分散させて、洗
浄が行われている。
【0004】従来の電解メッキ装置、電解塗装装置等に
おいても、上記電解洗浄装置と同様に、電解液槽中に電
極を吊り下げて、電解液中で陽極の電極側から陰極の電
極側へ通電を行って、電解液を電気分解している。例え
ば、ニッケルメッキの場合は、純度の高いニッケル板を
陽極側に、陰極側にメッキしたいワークを接続してお
り、陽極側に接続した金属を、電極板と同じ金属を溶解
した電解液を通過して、ワークに付着させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
電解洗浄装置等においては、電解液中に電極(極板)が
吊下げられており、電解液中の略一定位置に電極が位置
されている。また、電解液に撹拌が発生する場合には、
吊下げられた位置で揺動が生じている。このように、電
極の位置が電解液中で略一定の場合、ワークに凹凸が極
端にあると、電極とワーク凹部の間の距離、電極とワー
ク凸部の間の距離に差異が生じ、通電量が異なる。即
ち、距離が長い凹部は、距離が短い凸部に比較して電流
の流れは少なく、凸部は凹部に比べて電流が多く流れ
る。また、電解液槽内でのワークの配置位置により一定
位置の電極との間の距離に差異が発生する場合があり、
かつ、ワークが大型品の場合、ワークと電極との間が接
近し過ぎる場合もあり、いずれの場合も電極とワークと
の間の通電量に差異が生じる。電極とワークとの間の通
電量は、電極に生じる物質の量と比例し、また、通電量
と物質の量の間には、「通電量1ファラディにつき1g
等量の物質が析出する。」ことが、ファラディの法則で
証明されている。
【0006】上記物質の析出と比例して、水素ガスの発
生量も増減し、この水素ガスの発生に伴う撹拌力を利用
した電解洗浄装置においては、通電量が少ないと水素ガ
スの発生量が比例して少なくなり、通電量が多くなると
水素ガスの発生量が増加し、この水素ガスの発生量によ
り、撹拌作用が相違して、洗浄ムラが生じることとな
る。よって、ワークの凸部では水素ガスの発生量が多
く、水素ガスによる撹拌効果が強いため、良く洗浄され
る一方、凹部では水素ガスの発生量が少なく、撹拌効果
が弱いため、洗浄作用が落ちている。
【0007】また、電極が定位置に配置されているた
め、ワークが大型の場合あるいは電解液槽にワークを多
数挿入する場合等では、ワークと電極の距離が短くなり
過ぎて接触する恐れがあると共に、電解液の撹拌で電極
あるいは/およびワークが揺動して接触する場合があ
る。陽極側の電極と陰極側のワークとが接触すると、シ
ョートが発生して火花が飛び散り、ワークに損傷が発生
すると共に電極側にも損傷が発生する。さらに、電極と
ワークの間隔が近すぎて、電流が必要以上に流れ、過電
流になると、ファラディの法則で、電解液の電気分解も
比例して多くなり、水素ガスの発生量も増えて、洗浄効
果は増すが、鋼等の炭素を含んだ鉄の場合は、水素ガス
を吸収し易く、水素脆性が起こって脆くなると共に、鋼
の表面に茶色のシミを作る場合もある。このシミは電解
液の温度が40℃以上の時に発生しやすい。
【0008】電解メッキ装置の場合も、電極が電解液槽
内で一定位置に配置され、電極とワークとの位置が近す
ぎて過電流が流れると、ワークの表面に付着される金属
被膜の粒子が粗くなる問題が生じる。また、電極も過電
流が原因で加熱され、電極の周囲の電解液が加温される
と、電気メッキにあった必要温度条件に狂いが発生し
て、正常な条件での金属の析出が不可能となる。例え
ば、硬質クロームメッキの場合、電極とワークとが近す
ぎると、この部分のみが白く変質し、バフ研摩で仕上げ
ても硬質クロームメッキ特有の硬度と、光沢のある良質
な析出金属粒子での鏡面皮膜を得ることが出来ない問題
があった。この現象は、他のニッケルメッキ、銅メッ
キ、錫メッキ、金メッキ等のいずれの電気メッキでも発
生する問題である。これとは逆に、電極とワークとの距
離が離れすぎると、通電しなくなり、金属が析出せず、
電気メッキされない欠点がある。
【0009】上記したように、従来は、電解液槽内に吊
下げる電極の位置が、略一定であるため、電極とワーク
との距離を略一定に保持することができない問題がある
と共に、電極に対してワークが近い位置に配置されて電
極とワークとが接触し、ショートが発生する恐れがある
と共に、ワークおよび電極に損傷が発生し、特に、ワー
クに損傷が発生した場合には、致命的な問題となってい
る。
【0010】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、電解洗浄、電解メッキ、電解塗装、電解研摩等に
おいて、電極とワークとの距離を調節できるようにする
と共に、電極とワークとが仮に接触してもショートおよ
び損傷が発生しないようにする電解用電極および該電極
の電解液槽への取付装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、請求項1で、電解液槽内に吊下げて電
解液中に浸漬し、該電解液に浸漬したワークと電解液を
介して通電する電解用電極であって、上記導電性金属か
らなる電極の外面を、ワークと対向する側に所要の露出
面を残して絶縁材で被覆していることを特徴とする電解
用電極を提供している。
【0012】上記電極は、その上面を取付装置に取り付
けて電解液槽に浸漬しており、該電極の上面から外周側
面を上記絶縁材からなる絶縁層で被覆し、かつ、ワーク
と対向する電極の下面の所要箇所を絶縁層で被覆し、電
極露出面が最外面に露出せず、凹んだ位置に配置してい
る。(請求項2)尚、上記電極の取付装置の電極に連続
した箇所も絶縁層で被覆することが好ましい。また、上
記電極は、電解洗浄装置、電解メッキ装置、電解塗装装
置或いは電解研磨装置において好適に用いられる。(請
求項3)
【0013】上記電極としては、カーボン(グラファイ
ト)、鉄、ステンレス、鋼、チタン、鉛、錫、ニッケ
ル、銅、金、銀、カドミウム、亜鉛、プラチナ、クロミ
ウム等の導電性の金属材料が好適に用いられる。上記絶
縁材としては、上記住友精化(株)の低密度のポリエチレ
ンからなるフローセン:0201-SN、または、テフロン加
工、ポリプロピン加工、塩化ビニール加工、セラミック
加工、ネオプレン加工、シリコン加工等で加工された絶
縁体で、耐酸、耐アルカリ性を有する材質のものが使用
出来る。この絶縁材の被覆は、電極を加熱して、粉末状
の絶縁材に押し付けてコーティングし、冷却することに
より硬化させている。該絶縁層の肉厚は、1mm〜2mmが
好ましく、上記工程により絶縁層を形成した場合、下端
面も含めて電極の外面全体が絶縁層でカバーされるた
め、下端面の中央部分の電極として必要な面積をカッタ
ーナイフや旋盤を用いて剥している。また、絶縁層の表
面にはエッジを無くし、かつ、金属板からなる電極が露
出する下端面は、直接的にワークと接触しないように所
要箇所に絶縁層を設けている。上記電極は陽極側に、上
記ワークは陰極側に接続することが好ましいが、逆に接
続してもよい。
【0014】また、本発明は、請求項4で、電極を電解
液槽内に吊り下げて電解液中に浸漬させる取付装置であ
って、電解液槽の対向する上端面の所要位置に、両端部
を着脱自在に設置して、電解液槽の上端開口に軸架する
支持軸と、上記支持軸にスライド自在の嵌合している取
付金具と、上記取付金具に貫通させて、高さ調節可能に
取り付けている調節軸とを備え、上記調節軸の下端に電
極を取り付けて、少なくとも上記取付金具および調節軸
を位置調整して、上記電極と電解液槽中に配置するワー
クとの間隔を調節できる構成としている電極の電解液槽
への取付装置を提供している。
【0015】上記調節軸はネジ軸の下端に水平方向へ分
岐した分岐軸を備え、上記ネジ軸を上記取付金具に形成
したネジ穴に螺合して貫通すると共に、分岐軸の先端側
に電極を取り付け、上記ネジ軸とネジ穴との螺合位置に
より電極の高さ調整を行うと共に螺合角度による電極の
向きを調節可としている。(請求項5)上記分岐軸は二
股あるいは十字形状に分岐させてもよく、分岐個数は任
意に設定される。
【0016】上記支持軸の両端を一対のガイドレールに
スライド自在に組み付け、該ガイドレールを上記電解液
槽の対向する上端面に着脱自在に固定して取り付け、上
記ガイドレールに対して支持軸をY方向へ移動可とし、
該支持軸に対して上記取付金具をX方向に移動可とし、
該取付金具に上記調節軸をZ方向に移動可とし、かつ、
上記X、Y,Z方向に移動後に所要位置で固定できる構
成とすることが好ましい。(請求項6)さらに、電極を
調節軸の下端に、例えば、球面軸受を介して取り付け、
電極自体を回動可としておいてもよい。
【0017】上記調節軸に取り付ける電極は、ワークと
対向する所要部分を除いて絶縁層で被覆している。ま
た、該電極に接続する部分の調節軸も絶縁層で被覆し、
ワークと接触する恐れのある部分は絶縁層で被覆してお
くことが好ましい。(請求項7)
【0018】上記電極取付装置を取り付ける電解液槽
は、電解洗浄装置、電解メッキ装置、電解塗装装置ある
いは電解研磨装置の電解液槽からなり、上記取付装置に
より電極の位置を調節して、複数の電極と電解液槽内の
ワークとのそれぞれの間隔を略一定間隔に保持できる構
成としている。(請求項8)
【0019】
【作用】上記請求項1および請求項2に記載のように、
所要面積の露出部を残して電極を絶縁層で被覆しておく
と、電解液が撹拌されて或いは何らかの外力が加えられ
て、電極とワークとが接触する恐れがある場合、ワーク
は絶縁層と接触して、電極とは接触せず、ワークと電極
との接触によるショートの発生が防止できると共に、接
触・衝突によるワークおよび電極の損傷が防止できる。
また、上記電極は、電解洗浄装置、電解メッキ装置、電
解塗装装置、電解研磨装置などの電解液槽に電極を配置
して、電解液を通してワークと通電する構成のものに適
宜に適用できる。(請求項3)
【0020】上記請求項4乃至請求項8に記載の電極の
取付装置によると、電極をX、Y、Zの三次元方向、さ
らに、調節軸に対する分岐軸の角度を調整して支持軸に
対する電極の位置を調整することができる。その結果、
ワークの外面との間隔を略一定に調節して、電極とワー
クとの間の通電量の均一化を図ることができる。よっ
て、例えば、電解洗浄装置においては、水素ガスをワー
クの外面に沿って略均一に発生させ、ワーク外面の洗浄
が均一に行えるようにして、洗浄ムラの発生を無くすこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
詳細に説明する。図1から図4は、電解洗浄装置に適用
した第1実施例を示す。電解洗浄装置10は、上面開口
の矩形状をした電解液槽11を備え、該電解液槽11の
内部に洗浄液となる電解液Aを入れると共に、洗浄を施
す合成樹脂金型からなるワークW(図4に示す)を挿入
し、電解液槽11の上面より、取付装置15を介して、
複数個(第1実施例では6個)の電極16を電解液A中
に吊り下げ、これら電極16を図中、X方向、Y方向の
水平方向およびZ方向の上下方向の3次元方向に移動可
能としている。上記電極16は、図4に示すように、電
源35の陽極36に接続し、上記ワークWを電源35の
陰極37に接続し、電極16よりワークWへと電解液A
を介して通電することにより、電解液Aを電気分解し、
ワークW側で水素ガスを発生させ、該水素ガスの発生で
電解液Aを撹拌して、ワークWの表面を洗浄するように
している。
【0022】上記取付装置15は、絶縁材より形成した
電解液槽11の対向する上面11a、11bに着脱自在
に両端を載置して電解液槽11の開口上面に軸架した支
持棒18と、該支持棒18にX方向に沿って移動可能に
嵌合した複数個(本実施例では3個)の取付金具19
と、各取付金具19に上下Z方向に移動可能にネジ止め
する調節軸17と、該調節軸17に螺嵌して固定する蝶
ナット22とからなり、いずれも導電性金属材で形成し
ている。
【0023】上記支持棒18は平行に配置した一対の丸
棒からなり、取付金具19に水平方向に穿設した一対の
貫通穴19aに上記一対の丸棒を貫通させ、取付金具1
9を上記したようにX方向に移動自在としている。該取
付金具19の一対の貫通穴19aの間には垂直方向のネ
ジ穴19bを貫通して形成している。上記3個の取付金
具19に取り付ける3本の調節軸17は、垂直方向のネ
ジ軸17aの下端に水平方向の分岐軸17bの中心を溶
接固着し、ネジ軸17aの下端より水平方向に二股に分
岐させ、分岐した両端より下向きの屈曲部17cを設
け、これら一対の屈曲部17cの下端に電極16を取り
付けている。よって、本実施例では、6個の電極16を
取り付けている。
【0024】電極16の取付部分は、図3に示すよう
に、屈曲部17cの下端部の外周面にネジを切ってネジ
軸17dとする一方、円盤形状とした電極16の上端面
16aの中央にネジ穴16bを凹設し、該ネジ穴16b
の外周面に沿って上端面16aにナット20を固着して
おり、該ナット20よりネジ穴16bへと上記ネジ軸1
7dを螺嵌して、取り替え可能に固定している。本実施
例では、電極16を直径25mm、肉厚を5mmとしてい
る。
【0025】上記電極の取付装置15では、支持棒18
の両端を、Y方向の適宜な位置で、電解液槽11の上端
面に載置し、該支持棒18に対して、取付金具19をX
方向の適宜な位置に移動させ、該取付金具19に対して
調節軸17のネジ軸17aの位置を上下Z方向に移動し
て取付金具19のネジ穴19bとを螺合し、所要位置で
ネジ軸17aに螺嵌する蝶ナット22を取付金具19に
締め付けて固定している。このように、調節軸17を
X、Y,Zの三次元方向に移動可能としていることによ
り、図4(A)(B)に示すように、調節軸17の下端
に取り付けた電極16の位置を三次元方向に調節自在と
している。さらに、調節軸17のネジ軸17aとネジ穴
19bとの螺嵌位置に応じて、調節軸17の分岐軸17
bをネジ軸17aを支点として回転し、電極16を取り
付けた両端位置を所要に変える(即ち、支持棒18に対
して分岐軸17が直交する方向から傾斜する方向に変え
る)ことが出来るようにしている。
【0026】上記電極16は、カーボン(グラファイ
ト)、鉄、ステンレス、鋼、チタン、鉛、錫、ニッケ
ル、銅、金、銀、カドミウム、亜鉛、プラチナ、クロミ
ウム等の導電性の金属材料が好適に用いられる。該電極
16の外面には、図3に示すように、下端面の中央部を
除く全体に、耐酸、耐アルカリ性の絶縁性樹脂材料をコ
ーティングして絶縁層25を設けている。該絶縁層25
の形成材料としては、例えば、住友精化(株)のフローセ
ン:0201-SNが好適に用いられ、電極16をガスバーナー
等により200℃まで加熱し、粉末状のフローセンに押
し付けてコーティングし、冷却することにより硬化させ
ている。該絶縁層の肉厚は、本実施例では1mm〜2mm程
度としている。上記工程により絶縁層25を形成した場
合、下端面も含めて電極16の外面全体が絶縁層25で
カバーされるため、下端面の中央部分の電極として必要
な面積をカッターナイフや旋盤を用いて剥している。該
絶縁層の必要な面積を残して削除する加工方法として、
NC機械(ニューメリカルコントロールマシン)を用い
てNC方式(ニューメリカルコントロール:数値制御方
式)で加工しても良いことは言うまでもない。また、該
絶縁層25の表面にはエッジを無くし、かつ、金属板か
らなる電極16が露出する下端面はその外周部に絶縁層
25が存在することにより、直接的にワークWと接触し
ないようにし、ワークWと電極16との衝突、接触によ
る損傷の発生、ショートの発生を防止している。
【0027】上記電極16以外にも、ワークWと接触の
恐れのある部分、即ち、電極16と接続する調節軸17
の屈曲部17cおよび分岐軸17bの外周面にも絶縁樹
脂材料をコーティングして絶縁層26を設けている。
【0028】上記絶縁層25、26を形成する絶縁性の
コーティング材としては、上記住友精化(株)の低密度の
ポリエチレンからなるフローセン:0201-SN以外に、テフ
ロン加工、ポリプロピン加工、塩化ビニール加工、セラ
ミック加工、ネオプレン加工、シリコン加工等で加工さ
れた絶縁体で、耐酸、耐アルカリ性を有する材質のもの
が使用出来る。
【0029】上記絶縁層25および26は上記したコー
ティング方法によらずに、他の方法で形成しても良いこ
とは言うまでもない。また、電極16をカバーする絶縁
層25の形状は、図3に示す形状に限定されず、例え
ば、図5(A)(B)に示すように、電極16の下端面
16cに格子状、同心円円環状に設けてもよい。即ち、
電極16を所要面積だけ露出させ、かつ、この露出させ
た電極16とワークWとが容易に接触しないように絶縁
層25を設ければ良い。
【0030】なお、電極16の形状は円盤形状に限定さ
れず、例えば、図6(A)に示す正五角形状、(B)に示す
正六角形状、(C)に示す楕円形状、(D)に示す正八角形
状、(E)に示す瓢箪形状等の任意な形状とすることが出
来る。
【0031】上記電解液槽11の内部の電解液Aに浸漬
するワークWは、図1および図7に概略的に示すよう
に、導電性金属材料より形成した上面開口のボックス状
のワーク保持用カゴ30に入れ、該カゴ30の4隅より
突設した取付アーム30aの先端フック30bを、電解
液槽11の上端面11a、11bに引っ掛けて、取り付
けるようにしている。上記ワーク保持用カゴ30は、枠
体30cにステンレス線をメッシュ状に編んだ網を取り
付けてカゴを形成し、該カゴ30の先端フック部30b
を電源35の陰極37に接続した電線39と接続し、カ
ゴ30と接触するように収容したワークWを陰極37に
接続している。本実施例では、カゴ30の大きさは11
0mm×230mmで、直径0.6mmのステンレス線を2ミ
リメッシュで編んでカゴを形成している。
【0032】上記カゴ30内には、本実施例では、樹脂
等の汚れが付着した合成樹脂成形用金型からなるワーク
Wを収容しており、ワークWは必ずカゴ30と接触さ
せ、あるいは、カゴ30と接触したワークWにカゴ30
と接触していない他のワークを接触させる状態で収容し
ている。カゴ30内へのワークWの収容の態様は、電解
洗浄後により分ける手間を省くために仕切りを設けてワ
ークWをいれても良い。また、ワークWが大型の場合、
カゴ30に1個のワークWを入れる場合もあり、ワーク
Wが小物の場合には山積みして収容し、かつ、多種類の
小物がある場合には、種類毎に区分けして収容すること
が好ましい。
【0033】上記のように、ワークWには導電性金属材
からなるカゴ30、該カゴ30を電線39、電源35と
接続して陰極側と接続する一方、電極16は全て導電性
金属材からなる取付装置15を介して、該取付装置15
の支持棒18の先端に電線38を接続して電源35の陽
極36に接続している。
【0034】なお、本実施例の電解洗浄装置では、電解
液槽11の内部に入れている電解液Aを循環しており、
循環パイプ40の排出口と注入口とを電解液槽11に開
口し、その途中に、排出口側より浄化タンクと循環ポン
プとを介設して、電解液槽11より排出した電解液Aを
浄化タンクで浄化した後、循環ポンプで電解液槽11へ
と戻している。なお、上記循環パイプ40、浄化タンク
および循環ポンプは電解液槽11を上部にセットした電
解洗浄装置のボックス41の内部にセットされている。
上記循環パイプ40の電解液槽11の内部に位置する注
入口は、注入した電解液が渦流を発生するように設定し
ている。
【0035】電解液槽11への電解液の充填方法は上記
方法に限定されず、例えば、電解液槽11の上面にパイ
プを設置し、該パイプに取り付けたノズルから電解液を
電解液槽に噴射するようにしてもよい。あるいは、貯水
タンクを下位に配置し、該貯水タンク内の電解液をポン
プで上位に汲み上げ、その間の位置に電解液槽11を配
置し、その落差で緩やかなスローブで電解液を流して、
その途中の電解液槽11を通過するようにしても良い。
【0036】電解液Aは30℃〜45℃の範囲に設定し
ている。温度が30℃より低いと、洗浄能力が低下し、
45℃より高温になると、炭素が混入した鉄、例えば、
鋼等の表面に茶色のシミが出来る。本実施例の電解洗浄
装置において用いる電解液Aは、水酸化ナトリウム、エ
チレンヂアミン4酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、
EDTA、グルコン酸ナトリウムおよびアンモニウム化
合物を混合したアルカリ溶液を用いている。
【0037】次に、上記電解洗浄装置におけるワークW
の洗浄作用について説明する。まず、電解液槽11に電
極16および該電極16を取り付けた取付装置15をセ
ットしない状態で、上記混合液からなる電解液Aを電解
液槽11の内部に注入する。ついで、複数のワークWを
カゴ30の内部に収容し、いずれのワークWもカゴ30
と接触させる。このワークWを収容したカゴ30を電解
液槽11の内部に入れ、電解液Aにカゴ30の内部のワ
ークWを浸漬し、カゴ30のフック30bを電解液槽1
1の上端に引っかけて取り付ける。
【0038】ついで、電極の取付装置15を電解液槽1
1の上面開口に装架する。この時、取付装置15には、
予め支持軸18に取付金具19を取り付け、該取付金具
19に調節軸17を取り付け、各調節軸17の下端に電
極16を固定している。
【0039】次に、カゴ30に収容したワークWの大き
さや形状に応じて、電極16の位置調節を行う。この位
置調節はワークWに対して全ての電極16が接触せず、
かつ、各電極16がカゴ30内のワークWの外面と略一
定間隔をあけるように調節する。例えば、ワークWが高
い場合には電極16の位置を引き上げ、ワークWが低い
場合には電極16の位置を下げるようにしている。
【0040】上記電極16の位置調節として、まず、支
持軸18をY方向に移動して、所要位置に設定する。つ
いで、取付金具19を支持軸18に対してX方向に移動
し、例えば、カゴ30の内部全体にワークWが収容され
ている場合は、取付金具19を等間隔をあけて位置する
ように調節する。ついで、あるいは、予め蝶ナット22
を緩めておき、調節軸17のネジ軸17aを回転してZ
軸方向の高さ調節を行う。所要の高さとした後に、ネジ
軸17aの回転角度を調節して、分岐軸17bの水平方
向の角度を設定する。この状態で蝶ナット22を締付
け、調節軸17を固定して、その下端に取り付けた電極
16の位置を固定する。上記のように電極16の位置を
設定した後、取付装置15の支持棒18を電線38と接
続して、電極16を陽極36を接続するとともに、カゴ
30のフック30bに電線39を接続して、ワークWを
陰極37に接続する。
【0041】上記ワークWと電極16との間隔は、電極
16の素材および個数、各電極16に負荷する電圧の大
きさ、ワークの汚れにより要求される洗浄能力等によっ
て相違するが、10mm以内の場合は極端な過電流になる
ため、10mm以上は離す必要がある。一方、間隔が大き
すぎると、電流の流れが悪くなり、洗浄効率が低下す
る。洗浄効率の低下により、電解処理時間が3分以上の
長時間になれば、シミがでやすくなる。上記ワークWと
電極16との間隔については、後述する如く実験を行っ
ており、この実験値より得た、ワークWと電極16の間
隔、負荷する電圧、発生する電流量と相対関係より、所
要の間隔に設定している。
【0042】上記のように、電極16の位置を設定した
後、陽極側の電極16と陰極側のワークWとを通電する
と、電解液Aが電気分解され、ワークWの外面に沿って
水素ガスが発生し、該水素ガスの発生と、発生した水素
ガスによる電解液Aの撹拌作用により、ワークWの外面
の付着物が除去されて、洗浄が行われる。其の際、ワー
クWと電極16の間隔を略一定とし、通電量を略同一と
すると、ワークWの外面に沿って発生する水素ガスの量
も略同量となり、ワークWの外面はムラなく洗浄される
こととなる。
【0043】また、ワークWと電極16との間隔を簡単
に調節することにより、水素ガスの発生量を調節するこ
とが出来る。よって、この水素ガスの発生により作用す
る電解液の撹拌効率も向上させることが出来るため、効
率的な洗浄効果を得ることが出来る。
【0044】さらに、上記電解洗浄作業中に、発生した
水素ガスにより電解液Aが撹拌されるため、カゴ30が
揺れてワークWが移動し、電極16に近接することがあ
る。また、何らかの外力が負荷されて電極16あるいは
ワークWが移動して近接することがある。しかしなが
ら、ワークWと電極16とが近接しても、電極16の外
面には絶縁層25が設けられており、ワークWは絶縁層
25と接触し、露出した電極16にワークWが直接に接
触することが防止できる。よって、ワークWと電極16
との接触によるショートの発生が防止できる。かつ、電
極16とワークWとが接触してワークWおよび電極16
に損傷が発生することも防止できる。また、電極16に
接続した調節軸17の屈曲部17cおよび分岐軸17b
にも絶縁層26が設けられているため、ワークWと接触
してショートが発生することが防止できる。
【0045】
【実験例】上記ワークWと電極16との間隔について、
実施例1の装置で実験を行った。実験では、電解液Aと
して、水酸化ナトリウム45g/リットル、エチレンジ
アミン4酢酸4ナトリウム50g/リットルの混合液を
用いた。電極16はグラファイト製で、直径15mmで、
肉厚15mmのものを用いた。電解液Aの温度は表1に示
す実験例では28℃、表2に示す実験例では45℃とし
た。実験結果は、下記の表1および表2に示す通りであ
った。表1および表2において電流値AはAmpの略で
ある。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上記表1、表2に示すように、ワークWと
電極16との通電量は、所要の電流値が得たい場合に
は、電極16とワークWの距離の大となると、負荷する
電圧を大とする必要がある。よって、ワークWの大きさ
に応じて電極16との距離が設定される。すなわち、ワ
ークWが小さい場合には、電極16を最大限に下降して
もワークWとの間に大きな間隔が生じる場合がある。こ
のような場合には、負荷する電圧を大とする必要があ
る。逆に、ワークWが大きく、電極16を最大限に上昇
してもワークWとの間に小さい間隔しか取れない場合に
は、負荷する電圧を小とする必要がある。また、洗浄す
るワークの汚れ程度によっても適切な通電量が相違し、
通電量を同一とした場合には、比較的に新しいワークで
軽い汚れの除去は、3分以内で完了するが、ワークWが
古く滞積物が多い場合には、電解処理時間が30分、1
時間を要することがある。上記のように、種々の原因あ
るいは要求に応じて、ワークWと電極16との間隔が所
要の距離に設定できるが、この間隔は各電極16とワー
クWとの間で略均一となるように、電極16の位置調節
を行っている。
【0049】図8は第2実施例を示し、電極取付装置1
5の調節軸17の屈曲部17cの下端に球状支持部17
fを形成し、電極16の上面に形成した球状の軸受凹部
16dに球状支持部17fを回転可能に密嵌している。
該構成とすると、ワークWが何らかの理由により移動し
て、電極16と衝突しても、電極16は回転して逃げる
ことができ、ワークWに損傷を発生させない。さらに、
電解液Aの撹拌で、電極16が球状支持部17fを支点
として揺動すると、電極16と直線的に対向するワーク
Wの外面が相違し、ワークWの外面より均一に水素ガス
を発生させることができ、洗浄をより均一に行うことが
できる。
【0050】図9は第3実施例を示し、電極取付装置1
5のY方向の移動を、Y方向に平行に配置する一対のガ
イドレール52に沿って行えるようにしている。上記ガ
イドレール52は電解液槽11の対向する上面11a、
11bに着脱自在に固定するようにしている。即ち、取
付装置15の支持軸18’の両端に、ガイドレール52
にスライド自在に外嵌する取付部18a’を設け、該取
付部18a’をガイドレール52に沿って移動させ、所
要の位置で、取付部18a’に取り付けたネジ56を締
め付けることにより固定している。
【0051】上記支持軸18’は細長い平板からなり、
その両端に上記取付部18a’を下向きに突設している
と共に、中央部に長溝18b’を穿設している。該長溝
18b’に調節軸17’のネジ軸17a’を貫通すると
共に、支持軸18’を取付金具19’で上下Z軸方向に
調節自在に固定するようにしている。
【0052】また、第3実施例では、調節軸17’の下
端に取り付ける分岐軸17b’を十字方向に突出させ、
この4方向に分岐させた分岐軸17b’の下端に夫々屈
曲部17c’を設け、各屈曲部17c’の下端に夫々電
極16を取り付けている。よって、1つの調節軸17’
に4個の電極16を取り付けている。このように、調節
軸の下端に所要個数の分岐軸を設け、各分岐軸の下端に
電極を取り付けることにより、1つの調節軸に任意の個
数の電極を取り付けることができる。また、調節軸の下
端に分岐軸を取り替え自在に連結できるようにして、ワ
ークとの関係で必要とする個数の電極を取り付けること
ができる分岐軸をネジ軸に連結できるようにしてもよ
い。
【0053】上記第1実施例から第3実施例はいずれも
電解洗浄装置に適用した実施例であるが、電解メッキ装
置、電解塗装装置、電解研磨装置等の電解液槽の内部に
電極を吊下げ、電解液中に浸漬したワークとの間に電解
液を介して通電し、該通電により電解液を電気分解する
装置において、第1実施例から第3実施例に記載の電極
および電極取付装置を好適に適用することができる。
【0054】図10は第4実施例を示し、ワークにニッ
ケルメッキを施す電解メッキ装置の概略図であって、純
度の高いニッケル板を陽極側の電極60として用いる一
方、ワークWを第1実施例に記載のカゴ30に収容して
陰極側に接続して、ニッケルを溶解した電解液に上記ニ
ッケル板の電極60とワークWとを電解液槽11の電解
液A中に浸漬している。上記電極60は電解液槽11の
対向する上端面にY方向の位置を調節して着脱自在に軸
架する支持軸18’を真鍮の丸棒で形成し、該支持軸1
8’にX方向にスライド自在に逆U字形状の取付具1
9’を取り付け、該取付具19’の対向する側壁19
a’に長穴19b’を穿設している。該取付具19’に
両側壁19a’の間に平板形状の電極60を挿入し、電
極60に上部に形成して取付穴に長穴19b’よりボル
ト61を通し、他側でナット(図示せず)を締め付けて
いる。このように、長穴19b’の任意の高さで電極6
0を固定することにより、上下Z方向の位置調節を可能
としている。このように、第4実施例では、取付具1
9’に、上下方向の位置調節を行う第1実施例乃至第3
実施例の調節軸の作用も兼ねさせている。
【0055】上記平板形状の電極60の表面には、カゴ
30に収容するワークWとの対向面を除いて、絶縁層6
2でカバーしており、かつ、ワークとの対向面にも、ス
トライプ状に絶縁層62を取り付けている。このよう
に、電極60の表面に絶縁層62を設けているため、仮
に、電極60にワークWが接触する恐れがあっても、ワ
ークWは絶縁層62と接触して、ショートの発生および
ワークWに損傷が発生する恐れはない。また、電極60
の位置をX、Y、Zの三次元方向に移動して、ワークW
との位置間隔を適宜に調節できることは第1実施例乃至
第3実施例と同様である。
【0056】図11は第5実施例の概略図であって、電
解塗装装置を示す。電解塗装装置では、電解液槽11’
の上方に設置した吊り下げフレーム70にフックアーム
71を介してワークWを電解液槽11’の電解液A中に
吊り下げている。電極72は第1実施例乃至第3実施例
と同様の取付装置15’を用いて電解液A中に吊り下げ
ている。電極72には、ワークWと対向する面を除い
て、絶縁層73を被覆している。第5実施例の作用は前
記実施例と同様であるため説明を省略する。
【0057】電解研磨装置は、電解研磨するワークを第
1実施例と同様にカゴに収容して電解液槽の電解液中に
浸漬しており、第1実施例と同様な構成および作用であ
るため、説明を省略する。
【0058】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1乃至請求項3に記載の電極によれば、所要面
積の露出部を残して電極を絶縁層で被覆しているため、
電解液が撹拌されて或いは何らかの外力が加えられて、
電極とワークとが接触する恐れがある場合、ワークは絶
縁層と接触して、電極とは接触せず、ワークと電極との
接触によるショートの発生が防止できると共に、接触・
衝突によるワークおよび電極の損傷が防止できる。か
つ、該絶縁層に外面にエッジを出さず、曲面より形成し
ていると、該絶縁層に接触することによりワークに損傷
を発生させない。
【0059】また、本発明の請求項4乃至請求項8に記
載の電極の取付装置によると、電極をX、Y、Zの三次
元方向、さらに、調節軸に対する分岐軸の角度を調整し
て支持軸に対する電極の位置を調整することができる。
その結果、ワークの外面に極端な凹凸がある場合、さら
に、カゴに収容しているワークの位置あるいはワークの
量等に応じてワークと複数の電極との間の距離に差異が
発生している場合等、いずれの場合も、ワークと電極と
の間の距離を所要な間隔に調節することができる。よっ
て、ワークと電極との間隔が近過ぎて、過電流が流れる
ことが防止できる一方、ワークと電極との距離が遠すぎ
て、電流の流れが悪く、必要とする電流が流れない問題
を防止できる。即ち、ワークと電極との間の距離を最適
な距離に調節でき、しかも、この最適な距離となるよう
に、各電極の位置を調節することができる。
【0060】このように、ワークと電極との距離を任意
に調節できるため、電解洗浄装置の場合では、ワークの
外面に沿って水素ガスを略均一に発生させて、洗浄ムラ
を無くすことができる。また、電解メッキ装置、電解塗
装装置では、ワークの外面に均一な肉厚でメッキ層を形
成することができる等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電解用電極を取付装置を介して電解
洗浄装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】 図1の電極取付装置の斜視図である。
【図3】 図2の要部断面図である。
【図4】 電解用電極を取付装置により調節した状態を
示し、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図5】 (A)(B)は電解用電極にコーティングす
る絶縁層の変形例を示す底面図である。
【図6】 (A)(B)(C)(D)(E)は電解用電極の変形例
を示す平面図である。
【図7】 第1実施例の概略断面図である。
【図8】 第2実施例の取付装置の要部断面図である。
【図9】 第3実施例の取付装置を示す斜視図である。
【図10】 第4実施例の概略斜視図である。
【図11】 第5実施例の概略断面図である。
【図12】 従来の電解洗浄装置を示し、(A)は概略
断面図、(B)は斜視図である。
【符号の説明】
10 電解洗浄装置 11 電解液槽 15 取付装置 16 電解用電極 16b ネジ穴 17 調節軸 17a ネジ軸 17b 分岐軸 17c 屈曲部 17d ネジ軸 18 支持棒 19 取付金具 22 蝶ナット 52 ガイドレール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液槽内に吊下げて電解液中に浸漬
    し、該電解液に浸漬したワークと電解液を介して通電す
    る電解用電極であって、 上記導電性金属からなる電極の外面を、ワークと対向す
    る側に所要の露出面を残して絶縁材で被覆していること
    を特徴とする電解用電極。
  2. 【請求項2】 上記電極は、その上面を取付装置に取り
    付けて電解液槽に浸漬しており、上記電極の絶縁層が最
    外面に位置して、電極露出面が最外面に露出せず、絶縁
    層より凹んだ位置に配置している請求項1に記載の電解
    用電極。
  3. 【請求項3】 上記電極は、電解洗浄装置、電解メッキ
    装置、電解塗装装置或いは電解研磨装置において用いら
    れるものである請求項1または請求項2に記載の電解用
    電極。
  4. 【請求項4】 電極を電解液槽内に吊り下げて電解液中
    に浸漬させる取付装置であって、 電解液槽の対向する上端面の所要位置に、両端部を着脱
    自在に設置して、電解液槽の上端開口に軸架する支持軸
    と、 上記支持軸にスライド自在に嵌合している取付金具と、 上記取付金具に貫通させて、高さ調節可能に取り付けて
    いる調節軸とを備え、 上記調節軸の下端に電極を取り付けて、少なくとも上記
    取付金具および調節軸を位置調整して、上記電極と電解
    液槽中に配置するワークとの間隔を調節できる構成とし
    ている電極の電解液槽への取付装置。
  5. 【請求項5】 上記調節軸はネジ軸の下端に水平方向へ
    分岐した分岐軸を備え、上記ネジ軸を上記取付金具に形
    成したネジ穴に螺合して貫通すると共に、分岐軸の先端
    側に電極を取り付け、上記ネジ軸とネジ穴との螺合位置
    により電極の高さ調整を行うと共に螺合角度による電極
    の向きを調節可としている請求項4に記載の電極の電解
    液槽への取付装置。
  6. 【請求項6】 上記支持軸の両端を一対のガイドレール
    にスライド自在に組み付け、該ガイドレールを上記電解
    液槽の対向する上端面に着脱自在に固定して取り付け、
    上記ガイドレールに対して支持軸をY方向へ移動可と
    し、該支持軸に対して上記取付金具をX方向に移動可と
    し、該取付金具に上記調節軸をZ方向に移動可とし、か
    つ、上記X、Y,Z方向に移動後に所要位置で固定でき
    る構成としている請求項4または請求項5に記載の電極
    の電解液槽への取付装置。
  7. 【請求項7】 上記調節軸に取り付ける電極は、ワーク
    と対向する所要部分を除いて絶縁層で被覆している請求
    項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の電極の電解液
    槽への取付装置。
  8. 【請求項8】 上記電解液槽は、電解洗浄装置、電解メ
    ッキ装置、電解塗装装置あるいは電解研磨装置の電解液
    槽からなり、上記取付装置により電極の位置を調節し
    て、複数の電極と電解液槽内のワークとのそれぞれの間
    隔を略一定間隔に保持できる構成としている請求項4乃
    至請求項7のいずれか1項に記載の電極の電解液槽への
    取付装置。
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