JPH07331416A - 蒸発用ボート及び蒸着装置 - Google Patents

蒸発用ボート及び蒸着装置

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JPH07331416A
JPH07331416A JP12287494A JP12287494A JPH07331416A JP H07331416 A JPH07331416 A JP H07331416A JP 12287494 A JP12287494 A JP 12287494A JP 12287494 A JP12287494 A JP 12287494A JP H07331416 A JPH07331416 A JP H07331416A
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JP
Japan
Prior art keywords
boat
evaporation
vapor deposition
deposition device
vacuum chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP12287494A
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English (en)
Inventor
Jun Tsuneyoshi
潤 恒吉
Hiroyuki Hoshina
宏行 保科
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Publication of JPH07331416A publication Critical patent/JPH07331416A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発速度分布に指向性を与えることができる
抵抗加熱蒸着用ボートおよび蒸着装置を提供する。 【構成】 ボート41のくぼみ12近傍に蒸発領域を制
限する遮蔽部4を形成し、蒸発速度分布に指向性を与え
る構造とした。 【効果】 蒸着物質が有効利用され、貴金属等の直材コ
ストが低減される。また、不要な方向への蒸着が抑制さ
れるため、チャンバのメンテナンス頻度が軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空装置内で用いられ
る抵抗加熱蒸発用ボート及び蒸着装置の改良に係わるも
のである。
【0002】
【従来の技術】金属薄膜を蒸着等により形成する方法の
一つとして、図5に示すような形状をした高融点金属か
らなるボート1のくぼみ2に蒸着すべき金属を充填し、
通電加熱により蒸発させ金属皮膜を形成する抵抗加熱蒸
着法がある。この蒸着方法に用いられるボートの形状
は、長手方向(電流を流す方向)の中心軸(Z軸)を含
む面(Y−Z平面)で面対称の形状となっている。
【0003】さて、ボートの鉛直上方をθ=0°として
X−Y平面の蒸発速度を測定すると、一般には図6に示
す図表中の従来例のような蒸発速度分布となる。同図表
は従来例の0°の位置の蒸発速度を1としたときの各位
置における相対的な蒸発速度を示している。もちろん、
くぼみ2の深さや開口角により多少の変化はあるが、蒸
発速度はボートの直上で最も大きく、θ=±40°以上
になると急激に低下している。
【0004】このような蒸発速度分布があるため、均一
な厚みの蒸着膜を得る目的で複数のボートを真空チャン
バ内に設置して蒸着が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7のよう
に2つのボートを使用して蒸着を行った場合、ボート1
1から蒸発した物質の半分近くは真空チャンバの側壁面
に析出し無駄となってしまう。特に、ロジウム(R
h)、金(Au)などの貴金属を蒸着する場合には、貴
金属の回収率の観点から不経済であった。一部の装置で
は、ボート21の側壁面側近傍に邪魔板3を設けて貴金
属の回収率を改善しているが、ボートに充填した貴金属
の利用率が変わるものではない。また、充填容量の大き
い大型ボートは高価で不経済である。
【0006】そこで、この発明の目的は、蒸着速度分布
に指向性をあたえることのでき、貴金属の利用率を向上
させることができる蒸発用ボート及び蒸着装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では蒸発用ボートの被蒸発物質を充填する
くぼみの近傍に蒸発領域を制限する遮蔽部を形成し、蒸
発速度分布に指向性を与える構造とした。
【0008】また、上記構造を有する複数のボートをそ
れぞれ遮蔽部が真空チャンバの側壁面側にくるように配
置し、被蒸発金属の利用率を向上させた蒸着装置を構成
した。
【0009】
【作用】本発明の蒸発用ボートにおいては、ボートのく
ぼみ近傍に起立して設けた遮蔽部が、蒸着する必要のな
い方向への蒸発を遮る構造となっており、真空チャンバ
側壁面への無駄な蒸発を抑制するように作用する。さら
に、遮蔽部自体も発熱ないし熱伝導で高温となるため、
ボートから蒸発して遮蔽部に衝突した粒子は、遮蔽部に
析出することなく再蒸発し、目的とする方向への蒸発速
度を高める作用をする。従って、ボートに充填した貴金
属の利用率が高められる他、蒸着時間の短縮も可能とな
る。
【0010】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。以
下の実施例では、厚さ約0.2mmのモリブデン(M
o)板を加工して作成した4種の蒸発用ボートを使用し
て、実際にAuの蒸着を行った。
【0011】図8は蒸発速度分布の測定のために用い
た、実験用蒸着装置の概略図である。蒸発速度分布は、
真空チャンバ15の中央部に設置した蒸発用ボート31
の長手方向(Z軸)に垂直な平面(X−Y平面)上で、
蒸発用ボート31を中心とした半径150mmの円弧上
で評価した。すなわち、その円弧上で、蒸発用ボート3
1の鉛直上方θ=0°の位置と、±80°(時計回りを
+とした)まで20°毎の位置に合計9枚の被蒸着部材
である基板6を配列し、蒸着した膜厚を各々比較した。
【0012】なお、蒸発速度分布を比較しやすいよう
に、従来例のボートを使用した場合の最大蒸発速度方
向、即ち、蒸発用ボート31の直上の蒸発速度を1とし
て、各々の実施例で蒸発速度の角度依存性を相対比較し
た。 (実施例1)ボートの直上より左側への蒸着を抑制する
構造の実施例であり、図1(a)に示すようにくぼみ1
2の左側に起立して遮蔽部4をボート41と一体に設け
た。図1(b)はくぼみ12中央付近の断面と、形状寸
法の一例を示したものである。このボート41にAu
2.0gを充填して、図8に示した実験用真空チャンバ
15内に設置した後、排気装置7で真空チャンバ15内
を5×10-5Torr以下に排気する。次いで、ボート41
への通電を開始し、2.0gのAuをすべて蒸発させ
る。基板6に形成された蒸着膜の一部をエッチングし、
段差計で膜厚を測定した。測定結果は図6の実施例1の
行に示す通りである。
【0013】(実施例2)実施例1の右側方向の蒸発速
度分布を改善させる構造の実施例であり、図2(a)に
示すようにくぼみ22から60°の角度で起立した一対
の遮蔽部14をボート51と一体に設けた。図2(b)
はくぼみ22中央付近の断面と、形状寸法の一例を示し
たものである。このボート51を使用して、実施例1と
同様に蒸発速度分布を測定した。測定結果は図6の実施
例2の行に示す通りである。
【0014】(実施例3)実施例2の指向性をさらに強
める構造の実施例であり、図3(a)に示すようにくぼ
み32の両側に傾斜して起立した遮蔽部24をボート6
1と一体に設けた。図3(b)はくぼみ32中央付近の
断面と、形状寸法の一例を示したものである。このボー
ト61を使用して、実施例1と同様に蒸発速度分布を測
定した。測定結果は図6の実施例3の行に示す通りであ
る。 (実施例4)ボート直上方向への蒸着を狙った構造の実
施例であり、図4(a)に示すようにくぼみ42の両側
に起立した遮蔽部34をボート71と一体に設けた。図
4(b)はくぼみ42中央付近の断面と、形状寸法の一
例を示したものである。このボート71を使用して、実
施例1と同様に蒸発速度分布を測定した。測定結果図6
の実施例4の行に示す通りである。
【0015】以上の結果より明らかなように、ボートの
くぼみ近傍に蒸発領域を制限する遮蔽部を形成すること
で、蒸発速度分布に指向性を与えることが可能となっ
た。また、遮蔽部自体も高温となるため、蒸発物質は遮
蔽部に析出することなく再蒸発するので、目的方向の蒸
発速度が高まる。従って、ボートに充填した貴金属の利
用率が高められる他、蒸着時間も短縮される。
【0016】また、図7のように2つのボートを使用し
て蒸着を行う場合は、それぞれのボートの遮蔽部が真空
チャンバ5の側壁面側にくるように配置することにより
貴金属の利用率が高く、蒸着時間の短い蒸着装置が実現
できる。実施例においては、4種類の形状についてのみ
言及したが、本発明はこの形状に限定したものではな
く、蒸発領域を意図的に制限する遮蔽部が構成されてい
るボートにおいて、同様な効果が期待されることは自明
である。
【0017】
【発明の効果】本発明の蒸着用ボート及び蒸着装置は、
蒸着速度分布をコントロールできるので、被蒸着物への
指向性蒸着ができ、チャンバ側壁面への無駄な析出を抑
制することができる。従って、従来では側壁面ないし邪
魔板に析出していた蒸発物質を、有効に被蒸着物に蒸着
することができるため、貴金属などのコーティングでは
利用率改善によるコストダウンがはかられる。また、真
空チャンバ壁面への析出量が減少するため、蒸着装置の
メンテナンス頻度を少なくする効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例1のボートの斜視図、
(b)はその断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施例2のボートの斜視図、
(b)はその断面図である。
【図3】(a)は本発明の実施例3のボートの斜視図、
(b)はその断面図である。
【図4】(a)は本発明の実施例4のボートの斜視図、
(b)はその断面図である。
【図5】(a)は従来のボートの斜視図、(b)はその
断面図である。
【図6】各形状のボートに対する蒸着速度分布の相対値
を示す図表である。
【図7】従来の蒸着装置の概略図である。
【図8】本発明の実施例に使用した実験用蒸着装置の概
略図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41、51、61、71 蒸発
用ボート 2、12、22、32、42 くぼみ 3 邪魔板 4、14、24、34 遮蔽部 5、15 真空チャンバ 6 基板 7 排気装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空装置内で、充填した物質を通電によ
    り蒸発、昇華させる抵抗加熱用ボートであって、被蒸発
    物質を充填するくぼみと、前記くぼみ近傍に起立形成さ
    れ、前記ボートの本体と一体を成す遮蔽部を備えたこと
    を特徴とする蒸発用ボート。
  2. 【請求項2】 真空チャンバ内に設置した複数の蒸発用
    ボートと、前記蒸発用ボートと一体に形成され、蒸発速
    度分布に指向性を持たせるための遮蔽部を、各々前記真
    空チャンバの側壁面側に対向配置した構成であることを
    特徴とする蒸着装置。
JP12287494A 1994-06-03 1994-06-03 蒸発用ボート及び蒸着装置 Pending JPH07331416A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12287494A JPH07331416A (ja) 1994-06-03 1994-06-03 蒸発用ボート及び蒸着装置

Applications Claiming Priority (1)

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JP12287494A JPH07331416A (ja) 1994-06-03 1994-06-03 蒸発用ボート及び蒸着装置

Publications (1)

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JPH07331416A true JPH07331416A (ja) 1995-12-19

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ID=14846769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12287494A Pending JPH07331416A (ja) 1994-06-03 1994-06-03 蒸発用ボート及び蒸着装置

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JP (1) JPH07331416A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299372A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Toppan Printing Co Ltd 蒸着方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299372A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Toppan Printing Co Ltd 蒸着方法

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