JPH07331348A - 窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極及び この消耗電極を用いた窒素含有チタン合金インゴットの 製造方法 - Google Patents
窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極及び この消耗電極を用いた窒素含有チタン合金インゴットの 製造方法Info
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- JPH07331348A JPH07331348A JP12844494A JP12844494A JPH07331348A JP H07331348 A JPH07331348 A JP H07331348A JP 12844494 A JP12844494 A JP 12844494A JP 12844494 A JP12844494 A JP 12844494A JP H07331348 A JPH07331348 A JP H07331348A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 窒素含有チタン合金インゴットを真空アーク
溶解法により安全に量産する。 【構成】 TiN粉末とスポンジファインの混合体を内
包する複数のスポンジチタンコンパクトを溶接してなる
窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極。Ti
N粉末の粒径が0. 5〜10μm、スポンジファインの
粒径が20μm〜2mmである前記消耗電極。TiN粉
末とスポンジファインの混合体をチタン箔、または非金
属シートで囲繞した前記消耗電極。前記消耗電極を用い
て製造する窒素含有チタン合金インゴットの製造方法。
溶解法により安全に量産する。 【構成】 TiN粉末とスポンジファインの混合体を内
包する複数のスポンジチタンコンパクトを溶接してなる
窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極。Ti
N粉末の粒径が0. 5〜10μm、スポンジファインの
粒径が20μm〜2mmである前記消耗電極。TiN粉
末とスポンジファインの混合体をチタン箔、または非金
属シートで囲繞した前記消耗電極。前記消耗電極を用い
て製造する窒素含有チタン合金インゴットの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度・高延性を特
徴とする窒素含有チタン合金のインゴットを真空アーク
溶解法により製造する技術に関し、詳しくは、真空アー
ク溶解に用いる消耗電極の構成およびこの電極を用いた
窒素含有チタン合金の製造方法に関する。
徴とする窒素含有チタン合金のインゴットを真空アーク
溶解法により製造する技術に関し、詳しくは、真空アー
ク溶解に用いる消耗電極の構成およびこの電極を用いた
窒素含有チタン合金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒素を添加元素の一つとして含むチタン
合金インゴットの製造方法としては、真空アーク溶解法
において溶製時にフェロ窒化クロムや窒化マンガンのよ
うな低融点窒化合金を添加する方法が知られている。し
かしながら、この方法では合金元素として実質的に窒素
のみを含有するチタン合金、あるいは、バナジウム−ア
ルミニウムや鉄などのように窒素との間に低融点合金を
作らない金属を合金成分として含む窒素含有チタン合金
のインゴットは製造できない。
合金インゴットの製造方法としては、真空アーク溶解法
において溶製時にフェロ窒化クロムや窒化マンガンのよ
うな低融点窒化合金を添加する方法が知られている。し
かしながら、この方法では合金元素として実質的に窒素
のみを含有するチタン合金、あるいは、バナジウム−ア
ルミニウムや鉄などのように窒素との間に低融点合金を
作らない金属を合金成分として含む窒素含有チタン合金
のインゴットは製造できない。
【0003】チタンに窒素のみを添加することのできる
添加材としては、チタン自身の窒素化合物であるTiN
が考えられる。しかし、TiNの融点(3290℃)が
チタンの融点(1670℃)に比べて著しく高く、チタ
ン塊にTiN塊を添加して真空アーク溶解した場合、T
iNに溶け残りが生じ、均質なインゴットを得ることが
できない。溶け残り防止の目的でTiNを微粉末とした
場合には、これをチタン塊の中で均一に分散させるのが
難しく、結果的にTiNの偏在が生じる。TiNの偏在
が生じると、溶解時に溶湯プール表面にTiN被膜が生
成する。TiNは金属ではないので導電性が悪く、溶湯
表面のTiN被膜はサイドアークを誘発して、操業上極
めて危険である。このような事情から、窒素のみを合金
成分として含むチタン合金のインゴットは工業的には生
産されていない。
添加材としては、チタン自身の窒素化合物であるTiN
が考えられる。しかし、TiNの融点(3290℃)が
チタンの融点(1670℃)に比べて著しく高く、チタ
ン塊にTiN塊を添加して真空アーク溶解した場合、T
iNに溶け残りが生じ、均質なインゴットを得ることが
できない。溶け残り防止の目的でTiNを微粉末とした
場合には、これをチタン塊の中で均一に分散させるのが
難しく、結果的にTiNの偏在が生じる。TiNの偏在
が生じると、溶解時に溶湯プール表面にTiN被膜が生
成する。TiNは金属ではないので導電性が悪く、溶湯
表面のTiN被膜はサイドアークを誘発して、操業上極
めて危険である。このような事情から、窒素のみを合金
成分として含むチタン合金のインゴットは工業的には生
産されていない。
【0004】チタン合金溶製時における添加材の溶け残
り問題はTiNに限ったものではなく、例えば高融点の
ニオブ(融点2470℃)の溶け残りを解消する手段と
して、ニオブをスポンジチタンに内包した構成を有する
ニオブチタン合金溶製用の消耗電極が特開昭61−95
29号公報に開示されている。この技術は、ニオブ粉末
を予め加圧成形し、得られたニオブコンパクトをスポン
ジチタン粒で内包して加圧成形し、これにより得られた
チタンコンパクトを複数個溶接して一体化したものであ
り、高融点金属を消耗電極の形で添加材として用いるこ
とを可能にした。しかしながら、この技術をTiNに適
用しても、TiNの偏在を避ける対策がとられていない
ので、溶解時のサイドアーク発生をなくすことはできな
い。
り問題はTiNに限ったものではなく、例えば高融点の
ニオブ(融点2470℃)の溶け残りを解消する手段と
して、ニオブをスポンジチタンに内包した構成を有する
ニオブチタン合金溶製用の消耗電極が特開昭61−95
29号公報に開示されている。この技術は、ニオブ粉末
を予め加圧成形し、得られたニオブコンパクトをスポン
ジチタン粒で内包して加圧成形し、これにより得られた
チタンコンパクトを複数個溶接して一体化したものであ
り、高融点金属を消耗電極の形で添加材として用いるこ
とを可能にした。しかしながら、この技術をTiNに適
用しても、TiNの偏在を避ける対策がとられていない
ので、溶解時のサイドアーク発生をなくすことはできな
い。
【0005】このように添加材としてTiNが使用でき
ない以上、窒素と直接に合金を作らないバナジウム−ア
ルミニウムや鉄を合金元素として含む窒素含有チタン合
金もまた工業的規模で得ることはできない。
ない以上、窒素と直接に合金を作らないバナジウム−ア
ルミニウムや鉄を合金元素として含む窒素含有チタン合
金もまた工業的規模で得ることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は合金元素と
して窒素を含むチタン合金インゴット製造上の前記問題
に鑑みてなされたものであって、通常の真空アーク溶解
法において消耗電極の形でTiNを添加し、合金成分で
ある窒素が均一に分布した窒素含有チタン合金インゴッ
トを得る技術を提供するものである。
して窒素を含むチタン合金インゴット製造上の前記問題
に鑑みてなされたものであって、通常の真空アーク溶解
法において消耗電極の形でTiNを添加し、合金成分で
ある窒素が均一に分布した窒素含有チタン合金インゴッ
トを得る技術を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本願発明者
は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に述
べる手段によりTiNを窒素含有チタン合金製造用の窒
素添加材として使用できることを見い出した。すなわ
ち、本願第1発明によれば、合金元素として実質的に窒
素のみを含む窒素含有チタン合金の製造に好適な消耗電
極であって、TiN粉末とスポンジファイン(細粒のス
ポンジチタンであって、チタンスポンジの製造方法は問
わない)との混合物を内包する複数のスポンジチタンコ
ンパクトを溶接してなる窒素含有チタン合金インゴット
製造用消耗電極が提供される。
は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に述
べる手段によりTiNを窒素含有チタン合金製造用の窒
素添加材として使用できることを見い出した。すなわ
ち、本願第1発明によれば、合金元素として実質的に窒
素のみを含む窒素含有チタン合金の製造に好適な消耗電
極であって、TiN粉末とスポンジファイン(細粒のス
ポンジチタンであって、チタンスポンジの製造方法は問
わない)との混合物を内包する複数のスポンジチタンコ
ンパクトを溶接してなる窒素含有チタン合金インゴット
製造用消耗電極が提供される。
【0008】また本願第2発明によれば、合金元素とし
て窒素と直接合金を作らない金属成分を含む窒素含有チ
タン合金の製造に好適な消耗電極であって、TiN粉末
と母合金粉末並びにスポンジファインの混合物を内包す
る複数のスポンジチタンコンパクトを溶接してなる窒素
含有チタン合金インゴット製造用消耗電極が提供され
る。
て窒素と直接合金を作らない金属成分を含む窒素含有チ
タン合金の製造に好適な消耗電極であって、TiN粉末
と母合金粉末並びにスポンジファインの混合物を内包す
る複数のスポンジチタンコンパクトを溶接してなる窒素
含有チタン合金インゴット製造用消耗電極が提供され
る。
【0009】本願第3発明は、スポンジチタンコンパク
トを製造するに際して、TiN粉末とスポンジファイン
の混合体をチタン箔または非金属シートで囲繞した構成
を有する前記消耗電極である。
トを製造するに際して、TiN粉末とスポンジファイン
の混合体をチタン箔または非金属シートで囲繞した構成
を有する前記消耗電極である。
【0010】本願第4発明は、スポンジチタンコンパク
トを製造するに際して、TiN粉末と母合金粉末並びに
スポンジファインの混合体を金属箔または非金属シート
で囲繞した構成を有する前記消耗電極である。
トを製造するに際して、TiN粉末と母合金粉末並びに
スポンジファインの混合体を金属箔または非金属シート
で囲繞した構成を有する前記消耗電極である。
【0011】本願第5発明は、使用するTiN粉末およ
びスポンジファインの粒度範囲を規定したものであっ
て、TiN粉末の粒度範囲が0. 5〜10μm、スポン
ジファインの粒度範囲が20μm〜2mmであることを
特徴とする前記消耗電極である。
びスポンジファインの粒度範囲を規定したものであっ
て、TiN粉末の粒度範囲が0. 5〜10μm、スポン
ジファインの粒度範囲が20μm〜2mmであることを
特徴とする前記消耗電極である。
【0012】上記の消耗電極を用いることにより、本願
第5発明である合金元素が実質的に窒素のみからなる窒
素含有チタン合金の製造方法、及び第6発明であるバナ
ジウム−アルミニウムや鉄などのように窒素との間に低
融点合金を作らない金属を合金成分として含む窒素含有
チタン合金インゴットの製造方法が提供される。
第5発明である合金元素が実質的に窒素のみからなる窒
素含有チタン合金の製造方法、及び第6発明であるバナ
ジウム−アルミニウムや鉄などのように窒素との間に低
融点合金を作らない金属を合金成分として含む窒素含有
チタン合金インゴットの製造方法が提供される。
【0013】以下に本願発明を詳細に説明する。図1は
本願発明の主要部を構成する消耗電極用コンパクトの概
念図(断面図)である。先ず、TiN粉末とスポンジフ
ァインを十分に混合し、この混合体をチタン箔あるいは
非金属シートで包んだ後、まわりにスポンジチタン粒を
配し、加圧成形機を用いてコンパクト(圧縮成形体)を
製造する。窒素のみを含有するチタン合金インゴットを
製造する場合にはチタン箔を使用するが、窒素と直接に
合金を作らないバナジウム−アルミニウムや鉄などを合
金成分として含む窒素含有チタン合金インゴットを製造
する場合には、TiN粉末に加えてそれら母合金の粉末
を所定量添加して混合し、箔としては溶解後にそれぞれ
添加合金成分の一部を形成するような成分を有する金属
箔を便宜に使用することができる。この場合にもチタン
箔を用いることができるのは言うまでもない。このコン
パクトを溶接等により接合して消耗電極に組み立て、通
常のチタンインゴット溶製プロセス(例えば、真空アー
ク溶解法)によりインゴットを製造する。
本願発明の主要部を構成する消耗電極用コンパクトの概
念図(断面図)である。先ず、TiN粉末とスポンジフ
ァインを十分に混合し、この混合体をチタン箔あるいは
非金属シートで包んだ後、まわりにスポンジチタン粒を
配し、加圧成形機を用いてコンパクト(圧縮成形体)を
製造する。窒素のみを含有するチタン合金インゴットを
製造する場合にはチタン箔を使用するが、窒素と直接に
合金を作らないバナジウム−アルミニウムや鉄などを合
金成分として含む窒素含有チタン合金インゴットを製造
する場合には、TiN粉末に加えてそれら母合金の粉末
を所定量添加して混合し、箔としては溶解後にそれぞれ
添加合金成分の一部を形成するような成分を有する金属
箔を便宜に使用することができる。この場合にもチタン
箔を用いることができるのは言うまでもない。このコン
パクトを溶接等により接合して消耗電極に組み立て、通
常のチタンインゴット溶製プロセス(例えば、真空アー
ク溶解法)によりインゴットを製造する。
【0014】TiN粉末とスポンジファインを混合する
ことで、融点の高いTiNが分散されるため、大量のT
iNを添加しても溶湯プール表面にTiN被膜が形成さ
れることはない。これにより溶解中のサイドアーク発生
は回避される。また、微細粉を用いているのでTiNの
溶け残りが生ずることもなく、窒素はチタン中に均一に
固溶される。用いるTiN粉末は、コンパクト製造時の
ハンドリング性およびチタン溶湯中への溶解性の観点か
ら、0.5〜10μmの範囲にあることが望ましい。0.
5μm下の微粒が混在するとハンドリング時に微粒が飛
散し、一方、10μm超の粒が混在すると溶解時に溶け
残りを生ずることがある。
ことで、融点の高いTiNが分散されるため、大量のT
iNを添加しても溶湯プール表面にTiN被膜が形成さ
れることはない。これにより溶解中のサイドアーク発生
は回避される。また、微細粉を用いているのでTiNの
溶け残りが生ずることもなく、窒素はチタン中に均一に
固溶される。用いるTiN粉末は、コンパクト製造時の
ハンドリング性およびチタン溶湯中への溶解性の観点か
ら、0.5〜10μmの範囲にあることが望ましい。0.
5μm下の微粒が混在するとハンドリング時に微粒が飛
散し、一方、10μm超の粒が混在すると溶解時に溶け
残りを生ずることがある。
【0015】本願発明に用いるスポンジチタンは、Ti
N粉末と混合されるスポンジファイン(細粒のスポンジ
チタン:前述のようにその製法は問わない)および T
iN粉末との混合体を囲繞するように配置されるスポン
ジチタン粒の2種類から構成される。
N粉末と混合されるスポンジファイン(細粒のスポンジ
チタン:前述のようにその製法は問わない)および T
iN粉末との混合体を囲繞するように配置されるスポン
ジチタン粒の2種類から構成される。
【0016】本願発明者が実験を重ねた結果、スポンジ
ファインは20μm〜2mmの粒度範囲にあることが好
ましいことが分かった。20μm下の微粒を使用すると
インゴット中の不純物酸素濃度が高くなり(粉末表面の
酸素に起因)、インゴット成分の内の酸素量を所望値に
コントロールできなくなる。一方、粒径が2mmを越え
ると見掛けの嵩が大きくなり、TiNを大量に添加する
場合にスポンジチタン粒による内包ができなくなる。ま
た、TiN粉末が非常に微細であるため(例えば、平均
粒径が2〜3μm)、これとの均一混合に問題が生じ
る。
ファインは20μm〜2mmの粒度範囲にあることが好
ましいことが分かった。20μm下の微粒を使用すると
インゴット中の不純物酸素濃度が高くなり(粉末表面の
酸素に起因)、インゴット成分の内の酸素量を所望値に
コントロールできなくなる。一方、粒径が2mmを越え
ると見掛けの嵩が大きくなり、TiNを大量に添加する
場合にスポンジチタン粒による内包ができなくなる。ま
た、TiN粉末が非常に微細であるため(例えば、平均
粒径が2〜3μm)、これとの均一混合に問題が生じ
る。
【0017】混合体を形成するスポンジファインと異な
り、混合体を内包するスポンジチタン粒の大きさは特に
限定されない。しかし、ハンドリング上およびコンパク
ト作成上の作業性を考慮すると、平均粒径が10mm程
度のものを使用するのが便利である。このスポンジチタ
ン粒は、その一部をチタンスクラップに置きかえてもよ
い。
り、混合体を内包するスポンジチタン粒の大きさは特に
限定されない。しかし、ハンドリング上およびコンパク
ト作成上の作業性を考慮すると、平均粒径が10mm程
度のものを使用するのが便利である。このスポンジチタ
ン粒は、その一部をチタンスクラップに置きかえてもよ
い。
【0018】TiN粉末とスポンジファインの混合割合
はTiN粉末/スポンジファインの比が1を超えない範
囲が望ましい。TiNの混合量がこの比率を上回ると、
本発明の技術を用いても、真空アーク溶解の際にTiN
がプール表面に集中して被膜を形成し、サイドアークが
発生して非常に危険である。この制限から本願発明で製
造可能なチタン合金の窒素含有量の上限値は、概ね2%
になる。
はTiN粉末/スポンジファインの比が1を超えない範
囲が望ましい。TiNの混合量がこの比率を上回ると、
本発明の技術を用いても、真空アーク溶解の際にTiN
がプール表面に集中して被膜を形成し、サイドアークが
発生して非常に危険である。この制限から本願発明で製
造可能なチタン合金の窒素含有量の上限値は、概ね2%
になる。
【0019】添加材としてTiN以外の母合金を上記混
合体に含めて加える場合には、この母合金はサイドアー
ク発生の原因にはならないので、その大きさはスポンジ
チタン粒に準じたものでよく、また、混合量についても
TiNのような制限はない。
合体に含めて加える場合には、この母合金はサイドアー
ク発生の原因にはならないので、その大きさはスポンジ
チタン粒に準じたものでよく、また、混合量についても
TiNのような制限はない。
【0020】TiN粉末とスポンジファインの混合体を
金属箔(実質的に窒素のみを合金元素として含む場合は
チタン箔)で包むことにより、ハンドリング時や溶接時
のTiN粉末の飛散・減量が防止でき、所定の窒素量を
正確にチタン中に添加することが可能となる。ここで金
属箔に代えて、最終成分に影響を与えない非金属シート
(例えば、紙や食品包装用の樹脂シート)を用いてもよ
い。
金属箔(実質的に窒素のみを合金元素として含む場合は
チタン箔)で包むことにより、ハンドリング時や溶接時
のTiN粉末の飛散・減量が防止でき、所定の窒素量を
正確にチタン中に添加することが可能となる。ここで金
属箔に代えて、最終成分に影響を与えない非金属シート
(例えば、紙や食品包装用の樹脂シート)を用いてもよ
い。
【0021】
【実施例】本願発明の実施例について説明する。
【0022】〔実施例1〕粒径を0. 5〜5μmの範囲
に調整したTiN粉末410g(平均粒径=2.3μ
m)と、同じく粒径を20μm〜2mmの範囲に調整し
たスポンジファイン1200gをVブレンダーを用いて
十分に混合した。混合後これを10等分し、それぞれを
厚み30μmのチタン箔で包んで、囲包混合体10個を
得た。囲包混合体の1個を粒径5〜15mmに調整した
スポンジチタン2560gに内包し、油圧式成形機を用
いて圧縮成形して直径100mm×高さ80mmの成形
体(コンパクト)を得た。成形荷重は420tonであ
った。同様にして得られた他の9個と合わせ、10個の
成形体をプラズマ溶接で接合して消耗電極を製作した。
この消耗電極を用いて、鋳型径150mmの真空アーク
溶解炉にてインゴットを溶製した。溶解に際して、サイ
ドアークは全く発生しなかった。得られたインゴットは
直径200mmの鋳型を用いて再度真空アーク溶解法で
溶解した。再溶解で得られた20kgインゴットについ
て、インゴットの1/2高さで成分分析した結果を表1
に示す。
に調整したTiN粉末410g(平均粒径=2.3μ
m)と、同じく粒径を20μm〜2mmの範囲に調整し
たスポンジファイン1200gをVブレンダーを用いて
十分に混合した。混合後これを10等分し、それぞれを
厚み30μmのチタン箔で包んで、囲包混合体10個を
得た。囲包混合体の1個を粒径5〜15mmに調整した
スポンジチタン2560gに内包し、油圧式成形機を用
いて圧縮成形して直径100mm×高さ80mmの成形
体(コンパクト)を得た。成形荷重は420tonであ
った。同様にして得られた他の9個と合わせ、10個の
成形体をプラズマ溶接で接合して消耗電極を製作した。
この消耗電極を用いて、鋳型径150mmの真空アーク
溶解炉にてインゴットを溶製した。溶解に際して、サイ
ドアークは全く発生しなかった。得られたインゴットは
直径200mmの鋳型を用いて再度真空アーク溶解法で
溶解した。再溶解で得られた20kgインゴットについ
て、インゴットの1/2高さで成分分析した結果を表1
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、本願発明によ
り、合金成分として実質的に窒素のみを含み、その窒素
が均一に分布したチタン合金インゴットが、真空アーク
溶解法によりサイドアークの発生なしに得られた。光学
顕微鏡および電子顕微鏡による観察結果においても、T
iNの溶け残りは観察されなかった。
り、合金成分として実質的に窒素のみを含み、その窒素
が均一に分布したチタン合金インゴットが、真空アーク
溶解法によりサイドアークの発生なしに得られた。光学
顕微鏡および電子顕微鏡による観察結果においても、T
iNの溶け残りは観察されなかった。
【0025】〔実施例2〕TiN粉末の粒度以外はすべ
て実施例1と同じ条件でインゴットを作成した。TiN
粉末の粒度は上限を10μmとし、0. 5〜10μmの
範囲のものを使用した。この場合においても、TiNの
溶け残りは観察されなかった。
て実施例1と同じ条件でインゴットを作成した。TiN
粉末の粒度は上限を10μmとし、0. 5〜10μmの
範囲のものを使用した。この場合においても、TiNの
溶け残りは観察されなかった。
【0026】
【発明の効果】実質的に窒素のみを含有するチタン合
金、あるいは、バナジウム−アルミニウムや鉄などのよ
うに窒素との間に低融点合金を作らない金属を合金成分
として含む窒素含有チタン合金のインゴットを、通常の
真空アーク溶解法により安全に製造することができる。
金、あるいは、バナジウム−アルミニウムや鉄などのよ
うに窒素との間に低融点合金を作らない金属を合金成分
として含む窒素含有チタン合金のインゴットを、通常の
真空アーク溶解法により安全に製造することができる。
【図1】図1は本願発明の主要部を構成する消耗電極用
コンパクトの断面概念図である。
コンパクトの断面概念図である。
1 コンパクト(成形体) 2 スポンジチタン粒 3 TiN粉末とスポンジファインの混合体 4 チタン箔
Claims (6)
- 【請求項1】 TiN粉末とスポンジファインとの混合
体を内包する複数のスポンジチタンコンパクトを溶接し
てなる窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電
極。 - 【請求項2】 TiN粉末と母合金粉末並びにスポンジ
ファインの混合体を内包する複数のスポンジチタンコン
パクトを溶接してなる窒素含有チタン合金インゴット製
造用の消耗電極。 - 【請求項3】 TiN粉末とスポンジファインとの混合
体をチタン箔または非金属シートで囲繞した後、スポン
ジチタンコンパクトに内包させた請求項1に記載の消耗
電極。 - 【請求項4】 TiN粉末と母合金粉末並びにスポンジ
ファインの混合体を金属箔または非金属シートで囲繞し
た後、スポンジチタンコンパクトに内包させた請求項2
に記載の消耗電極。 - 【請求項5】 TiN粉末の粒径が0. 5〜10μm、
スポンジファインの粒径が20μm〜2mmである請求
項1ないし4のいずれか1項に記載の消耗電極。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
の消耗電極を用いて製造する窒素含有チタン合金インゴ
ットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12844494A JP3161224B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極及びこの消耗電極を用いた窒素含有チタン合金インゴットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12844494A JP3161224B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極及びこの消耗電極を用いた窒素含有チタン合金インゴットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07331348A true JPH07331348A (ja) | 1995-12-19 |
JP3161224B2 JP3161224B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=14984880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12844494A Expired - Fee Related JP3161224B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 窒素含有チタン合金インゴット製造用の消耗電極及びこの消耗電極を用いた窒素含有チタン合金インゴットの製造方法 |
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JP2021028410A (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-25 | 日本製鉄株式会社 | 溶解原料および溶解素材と鋳塊の製造方法 |
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1994
- 1994-06-10 JP JP12844494A patent/JP3161224B2/ja not_active Expired - Fee Related
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