JPH0733071B2 - ラベル付物品の製造方法とその方法を用いたラベル付容器の製造方法及びその方法に使用されるラベル用予備成形装置 - Google Patents

ラベル付物品の製造方法とその方法を用いたラベル付容器の製造方法及びその方法に使用されるラベル用予備成形装置

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JPH0733071B2
JPH0733071B2 JP27472089A JP27472089A JPH0733071B2 JP H0733071 B2 JPH0733071 B2 JP H0733071B2 JP 27472089 A JP27472089 A JP 27472089A JP 27472089 A JP27472089 A JP 27472089A JP H0733071 B2 JPH0733071 B2 JP H0733071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は外周にラベルを装着してなる合成樹脂成形物,
主として容器の製造方法と、その方法に使用される装置
に関する。
(従来の技術) 従来、ラベル付容器の製法の一例としては、第10図に示
す様な手段が存在する。
この従来の手段は、同図(イ)の如く成形用金型4内に
紙製等のラベル18eを挿入させた後に、同図(ロ)の如
く樹脂シート2をプラグ5で金型4内に押し込んで容器
形状に成形するものである。
当該手段によれば、容器の成形と同時にその外周面にラ
ベル18eを一体化させることができ、一連の製造作業の
簡略化が図れる利点がある。
而して、係る作業に於いてラベル18eを容器側面に体裁
良く密着させるには、該ラベル18eを予め金型4の内面
と同一の寸法形状に正確に一致させておく必要がある。
そこで、従来では該ラベル18eの成形に際しては、例え
ば金型4の内面形状が円錐台上の場合には、第11図の如
く所定の扇状に打ち抜いたシート素材22eをそのまま所
定の形状,寸法通りに丸めてその両端部24,24を係止連
結させていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記従来の製造手段では、平面的なシー
ト素材22eをそのまま丸める等して所望寸法の立体的な
ラベル18eを成形させる作業が非常に難しく、当該作業
が非常に煩雑で能率が悪いものとなり、その製作費用が
高価となる問題点を生じていた。
しかも、係る製法では、その成形寸法に多少のばらつき
や誤差が発生することは避けられない。従って、その寸
法誤差に原因して、容器外周のラベルに皺,弛みが発生
したり、或いはラベルの寸法誤差に原因して容器の形状
も不体裁となる如き問題点が生じていた。
更に、従来の製法では、一枚のシートから形成されるラ
ベルはせいぜい円錐台状に形成される程度の内容に止ま
り、それ以上複雑な形状に成形することはかなり困難で
ある。従来では例えば第12図の如く、ラベル18eの下部
に折曲部18aが形成する様な場合には到底適用できず、
その製作作業に問題点を有していた。また、同様な問題
は、第13図の各図の如く楕円状のラベル18f、角部が丸
みを帯びた角状のラベル18g、三次曲面を有するラベル1
8h等を製作する上でも生じていた。
それ故、本発明は成形用金型内に予めラベルを挿入させ
た状態で合成樹脂を成形させてラベル付の容器等の樹脂
物品を成形させる場合に於いて、簡易な作業手段によっ
てラベルを成形用金型の内部形状に沿う所望の寸法形状
に正確に成形させ、もってラベルに皺等が存在しないラ
ベル付物品を適正に且つ効率良く製造させることを、そ
の目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は成形用金型内に挿入されるラベルを機械的に湾
曲させる等して金型の内面に合致した寸法形状に成形さ
せるのではなく、該ラベルを加熱収縮手段により所望の
正確な寸法形状に予備成形させることにより、上記従来
の課題を解決せんとするものである。
すなわち、第1に本発明は、筒状のラベル18を成形用金
型4の内面に沿わせて挿入した後に、加熱溶融又は加熱
軟化された合成樹脂2を前記成形用金型4内の形状に成
形して、前記合成樹脂2にラベル18を一体化させるラベ
ル付物品の製造方法であって、前記筒状のラベル18とし
て熱収縮可能なものを用いて、成形用金型4内にラベル
18を挿入させる以前に、該ラベル18を、成形用金型4の
内周面部4aと合致した寸法形状の外周面部7aを備えた予
備成形用型7に外嵌させて加熱収縮させて、該予備成形
用型7の外周面部7aに沿う寸法形状に予め成形させる、
ラベル付物品の製造方法である。
第2に本発明は、上記方法を用いたラベル付容器の製造
方法として、予備成形用型7に外嵌された筒状のラベル
18を加熱収縮させる際に、該ラベル18の一端部を、成形
用金型4の内側底面部4bと合致した寸法形状に形成され
た予備成形用型7の端面部7bに沿わせて収縮させて、該
ラベル18の一端部に内側へ折曲する折曲部18aを形成
し、該折曲部18aを容器として成形される合成樹脂2の
底面部に配置させる、ラベル付容器の製造方法である。
更に、上記各方法を実施するために開発された装置とし
て、本発明は、成形用金型4の少なくとも内周面部4aと
合致する寸法形状に形成された外周面部7aを具備してな
る予備成形用型7と、該予備成形用金型7に外嵌された
筒状のラベル18を加熱して収縮させるためのラベル用加
熱装置17とから構成されてなる、ラベル用予備成形装置
である。
更に、本発明は上記装置構成に於いて、予備成形用型7
がコンベア8に取付けられて循環移動自在に設けられ、
且つ該コンベア8は、予備成形用型7に外嵌されてラベ
ル用加熱装置17により加熱収縮されたラベル18が前記コ
ンベア8の下方に配置される成形用金型4内に落下挿入
可能となるべくラベル用加熱装置17の配置位置よりも後
段の位置で予備成形用型7を上下逆様に変移させるべく
設定されてなる、ラベル用予備成形装置である。
(作用) 上記第1の方法に於いては、予備成形用型7に外嵌され
て加熱収縮されるラベル18は、予備成形用型7の外周面
部7aに正確に一致した寸法形状のラベル18として予備成
形され、その寸法誤差は殆ど無い。
而して、予備成形用型7は成形用金型4の内面形状と合
致した寸法形状に予め設定されたものであるから、前記
予備成形用型7に沿って予備成形されたラベル18は、そ
の後成形用金型4の内面に正確に沿わせた状態に挿入さ
れる。従って、ラベル18の寸法誤差に原因するラベル18
の皺や弛みの発生がなく、又成形素材となる樹脂2自身
も成形用金型4と不一致なラベル18によってその成形が
阻害される様なことがなく、成形用金型4の内面形状に
合致した所望の適切な形態に成形されるのである。
また、ラベル18の予備成形は、筒状に形成したラベル18
を予備成形用型7に外嵌させた状態で加熱収縮させて行
うが、その加熱収縮作業に際しては何ら手間を要するこ
とがなく、当該加熱収縮作業は容易に行える。しかも、
ラベル18を予備成形用型7に外嵌可能な筒状に形成する
場合には、該ラベル18を予備成形用型7に外嵌可能な適
当なサイズに形成すればよく、所定の寸法に合わせて正
確に製作する必要性はない。
更に、上記第2の方法に於いては、ラベル18を予備成形
用型7に沿わせて加熱収縮させる際に、該ラベル18の一
端部を内側に折曲させて折曲部18aを形成できるから、
その後係るラベル18を成形用金型4内に挿入して容器成
形を行えば、従来では製作が困難とされていた容器底部
にラベル18の折曲部18aが存在する形態のラベル付容器
の製造が行えることとなる。
更に、上記のラベル用予備成形装置に於いては、筒状の
ラベル18を予備成形用型7に外嵌させた後に、ラベル用
加熱装置17にて当該ラベル18を加熱させて所定の寸法形
状に予備成形できることとなり、上記本発明に係るラベ
ル付容器の製造方法に好適な使用が行えることとなる。
更に、予備成形用型7をコンベア8にて循環移動させ
て、ラベル用加熱装置17の配置位置を通過した後に上下
逆様に変移し得る様に設定した手段によれば、加熱収縮
して予備成形を終えたラベル18を、コンベア8の下方に
配置された成形用金型4内に直接落下させて挿入させ得
ることとなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
〔装置の実施例〕
先ず、装置構成から説明すれば、第1図中、1は従来既
知の容器成形装置で、樹脂シート2の加熱用ヒーター3,
雌型としての成形用金型4,及び後述する圧空成形用のプ
ラグ,打抜き刃等を備えたものである。
6は前記容器成形装置1の前段に設けられたラベル用予
備成形装置を示す。当該装置6を以下説明すれば、7は
コンベア8の循環駆動自在なベルト9にアタッチメント
10を介して複数箇所一定ピッチで取付けられた予備成形
用型を示す。
予備成形用型7は第2図(イ)の如く、その鍔状の基板
13よりも上方に形成された外周面部7aと先端面部7bが、
同図(ロ)の成形用金型4の内周面部4aと内側底面部4b
に夫々合致する形状に形成されている。尚、予備成形用
型7の外径Dは、容器用成形型4内の内面寸法Daよりも
後述するラベル18の厚み寸法分だけ小さく設定されてい
る。又、予備成形用型7の外周面部7aや先端面部7bの表
面はエンボス処理或いはシリコン処理がなされて、接着
性を有する素材に対して良好な剥離性を示すべく構成さ
れている。14は該予備成形用型7の上端面部7bや外周面
部7aに適宜穿設された空気吐出孔。15は予備成形用型7
がコンベア8の下面側の同図Aの位置に到達した際に前
記予備成形用型7の空気吐出孔14からエアが吐出する様
に該予備成形用型7内に圧縮エアを供給する圧縮エア供
給装置である。
17はコンベア8の上面側のコンベア下流位置の側方又は
側方と上方の両位置に設けられたラベル用加熱装置で、
遠赤外線を輻射するセラミックス製等のヒーター或いは
熱風送風装置等が適用される。
〔製造方法の実施例〕
次に、上記装置を使用してラベル付容器を製造する方法
の一例について説明する。
先ず、第3図に示す様なラベル18を予め製作しておく。
当該ラベル18は、例えば一軸延伸のポリプロピレン等の
如く熱収縮性を備えた合成樹脂製フィルム19の内面に商
品表示用等の適当な印刷層20が設けられ、更にその内面
には塩素化ポリプロピレン系樹脂等がコーティングして
形成された感熱性の接着層21が設けられたものである。
ここに、係るラベル18は同図(ロ)の如く、矩形状シー
ト22の両端部25,25aを接合して適当な筒状に形成するだ
けでよい。成形用金型4の内面形状が例えば逆円錐形状
であっても、これと同一形状に形成する必要はなく、そ
れよりも大径の適当な寸法の単なる円筒状に形成するだ
けでよい。
次に、前記円筒状のラベル18を予備成形装置6のコンベ
ア8で移送される予備成形用型7に外嵌させた後に、加
熱装置17の位置に移送させて当該ラベル18を加熱させ
る。これによって、熱収縮性フィルム19を基材とするラ
ベル18は熱収縮を生じて、第4図の如く予備成形用型7
の外周面部7aのテーパ形状に沿った形態に予備成形され
る。係る予備成形ではラベル18を予備成形用型7の寸
法,形状と正確に一致させ得るのである。また、ラベル
18の高さを予備成形用型7よりも高くしておけば、該ラ
ベル18の上部をその熱収縮作用によって予備成形用型7
の先端面部7bに沿う内側に折曲させて折曲部18aを形成
できることとなる。
前記の如くして予備成形が終了したラベル18はその後成
形用金型4内に挿入させる。当該作業は、予め容器成形
装置1側から成形用金型4をコンベア8の図面A位置の
直下に配置させておき、当該A位置にラベル18が移送さ
れた際に直接該ラベル18を成形用金型4内に落下させて
挿入させればよい。前記A位置では予備成形用型7が上
下逆向きとなって下側程小径となっており、且つ該予備
成形用型7の表面はエンボス或いはシリコン処理されて
剥離性が良好であるから、ラベル18の離脱落下は容易で
ある。又、予備成形用型7の空気吐出孔14からエアを吐
出させれば、係るラベル18の離脱作業が強制的に自動で
行える。
更に、その後はラベル18が挿入された成形用金型4を第
1図に示す容器成形装置1側に搬送して容器を成形す
る。係る作業は従来既知の容器成形手段を適用すればよ
い。即ち、先ずヒーター3にて加熱軟化された熱可塑性
の樹脂シート2を成形用金型4の上方に配置させた後
に、第6図(イ)の様にプラグ5で樹脂シート2を下方
に押圧させてラベル18内に進入させる。その後はプラグ
5からの圧空供給(必要に応じて加熱エアを使用)を行
わせると同時に成形用金型4内を真空引きさせて、同図
(ロ)の様に樹脂シート2を半径方向に拡張させ、成形
用金型4の内面形状と同一形状に成形させればよい。ラ
ベル18はその内面側の感熱性接着層21を介して容器成形
された樹脂シート2に対して確実強固に接着されるので
ある。その後は、同図(ハ),(ニ)の如く成形用金型
4から成形された樹脂2を離脱させ、打抜き刃16により
個々の容器として切断分離させればよい。
而して、成形用金型4内に予め挿入されたラベル18は、
当該成形用金型4の内面部と合致した寸法形状に形成さ
れた予備成形用型7に沿った寸法形状に予め予備成形さ
れたものである。従って、ラベル18は前記成形用金型4
の内面形状に沿って成形される樹脂シート2と何ら不当
なギャップを生じることがなく、ラベル18の外面部の各
部は何れの部位も樹脂シート2と面一状態となる。ま
た、ラベル18に多大な皺や弛みが生じることもなく、ラ
ベル18によって樹脂シート2の拡張成形が不当に制限さ
れる様なこともない。
尚、上記の如くして製造されたラベル付容器は第7図の
如く、容器本体23の外周面にラベル18が面一状態で装着
されていることは勿論であるが、容器本体23の底部23a
にもラベル18の折曲部18aが面一状態で配置されてい
る。係る容器では、容器本体23がその底部23aから外周
面部に渡って位置する一体物のラベル18によって補強さ
れるから、その容器強度は非常に大きくなる。よって、
容器本体23が強度に劣る樹脂製であってもその肉厚を小
さくでき、省資源化が図れる。また、ラベル18の折曲部
18aが容器本体23の底部23aと面一であるから、当該容器
の底部をテーブル上で引きずっても、当該ラベル18の折
曲部18aがテーブル上の凹凸部に引っ掛かりを生じるこ
とがなく、不当な破損を生じ難いものとなる利点があ
る。
しかるに、本発明では上記実施例の如く必ずしもラベル
18に折曲部18aを形成する必要はない。従来例の第10図
で示すものの如く容器本体の外周面にのみ配置される筒
状のラベル18として形成するだけであっても構わない。
また、本発明では第8図の如き作業を行ってもよい。即
ち、先ず同図(イ)の如くラベル18の上部に折曲部18a
を形成した後に、同図(ロ)の如くその上面側に別材で
形成された補助ラベル18kを貼付し、その後当該ラベル1
8を同図(ハ),(ニ)の如く樹脂シート2と一体化さ
せるものである。係る手段では、容器成形された樹脂シ
ート2の底部の全面に渡ってラベル18を配設させること
ができ、その断熱性や強度を一層向上させ得る利点があ
る。尚、補助ラベル18kに孔30を穿設しておけば、容器
用成形型4での真空引きに不都合を生じさせない。係る
作業では、予備成形以外の手段を一部採用しているが、
本発明はこの様な場合もその技術的範囲に包括するもの
である。
更に、本発明は成形用金型4や予備成形用型7の具体的
な形状は上記の如く特定されないことは勿論のこと、樹
脂成形方法も決して上記実施例の如く樹脂シートを用い
る手段に限定されない。
例えば第9図の様な射出成形にも適用できるものであ
る。すなわち、当該手段は同図(ロ)の如く射出成形用
の雌雄一対の成形用金型4,4Aを用いるもので、一方の雌
型4の内周面に沿わせてラベル18を挿入させた状態で、
金型4,4Aのキャビティ内に溶融樹脂を射出させて成形す
るものである。本発明では射出成形の場合であっても、
同図(イ)の如く雌型4の内周面部4aと同一寸法形状の
外周面部7aを備えた予備成形用型7に筒状のラベル18を
外嵌させて予め加熱収縮させておくことにより、該ラベ
ル18を雌型4の内周面部4aに的確に沿わせることができ
る。
従って、射出成形されて容器として成形される樹脂2の
外面が球面の如き三次曲面を有している場合であって
も、同図(ハ)の如くラベル18に皺を発生させない美麗
な状態に仕上げることができる。
この様に、本発明ではラベルの予備成形を行った後の具
体的な樹脂成形手段は決して特定されない。筒状のラベ
ル18を成形用金型4の内面に沿わせて挿入した後に、当
該成形用金型4を用いて樹脂成形を行う方法であればあ
らゆる成形法に適用できるものである。
また、請求項第1項に記載の本発明では、その成形物は
容器に限定されない。容器以外の様々な樹脂物品に適用
可能である。従って、使用される成形用金型4の形状等
は当然ながら一切限定されない。
更に、本発明で使用される予備成形用型7は、少なくと
も成形用金型4の内周面部4aと合致する寸法形状の外周
面部7aを備えている必要はあるが、それ以外の部位の寸
法や形状等は必ずしも成形用金型4の内面に合致させる
必要はない。又、本発明で言う合致とは、寸法形状が極
めて高精度に完全に一致する場合に限らず、実用上支障
の無い程度での誤差は許容されるものである。予備成形
用型7の寸法は、ラベル18の厚み寸法分だけ成形用金型
4よりも小さくする必要はあるが、実用上許容されるの
であれば、ラベル18の厚み寸法以上に小さくてもよいこ
とは勿論である。
一方、本発明に係るラベル用予備成形装置では、必ずし
も複数の予備成形用型7をコンベア8によって循環移動
させる必要もない。予備成形用型7とラベル用加熱装置
17との二者のみで構成されていてもよい。即ち、予備成
形用型7が一定位置に固定的に設けられていてもよい。
装置各部の具体的な構成は全て本発明の意図する範囲内
で任意に設計変更自在である。
尚、予備成形用型7を上下逆様に設定して当該予備成形
用型7から成形用金型4内にラベル18を落下挿入させる
場合に於いては、上記実施例の如く成形用金型4の外面
部に空気吐出孔14を設ける手段の代わりに、ラベル18の
外面部を機械的に挟んで掻き降ろす装置を採用すること
も可能である。
(発明の効果) 叙上の様に、本発明はラベルとして熱収縮可能なものを
用いて、該ラベルを成形用金型内に挿入させる以前に於
いて、該ラベルを加熱収縮させて成形用金型の内周面部
と合致した寸法形状に設定した予備成形用型に沿わせる
予備成形を行うために、係る予備成形されたラベルは容
器用成形型の内周面部と正確に一致した寸法形状となっ
て、その後容器を成形する際に、従来の如くラベルの寸
法誤差に原因してラベルに皺や弛み等を発生させたり、
或いは成形される容器がラベルの影響を受けて不当な形
態に成形される様なことがなく、美麗なラベル付物品を
成形できる他、ラベルの予備成形に際してはラベルは金
型内面と正確に一致した形態に製作する必要がなくなっ
て、単に予備成形用型に外嵌し得る筒状に形成するだけ
でよいこととなった。
よって、本発明ではラベルを成形用金型内に挿入させる
前の、ラベルの成形作業が格段簡易化され、係る製造作
業が非常に容易で且つラベル付物品の製造コストを安価
にできるという格別な効果を有するに至った。
特に、本発明では従来では到底困難とされていた樹脂物
品の球面状等の三次曲面状側面に対してラベルを皺なく
美麗に装着できるものであり、その使用用途の拡大が図
れる実益がある。
また、本発明のラベルを予備成形用型に沿わせて加熱収
縮させて予備成形させる際に、ラベルの一端部を予備成
形用型の所定の一端面部に沿わせて収縮させる手段によ
れば、該ラベルの一端部を内側に折曲させて折曲部を形
成できるために、その後係るラベルを容器用成形型内に
挿入して容器成形を行うことにより、従来では製作が困
難とされていた容器底部にラベルの折曲部が存在する形
態の強度的に優れたラベル付容器の製造が行えるという
優れた実益が得られる。
更に、本発明の予備成形用型とラベル用加熱装置とから
構成されたラベル用予備成形装置では、筒状のラベルを
予備成形用型に外嵌させた後に、ラベル用加熱装置にて
当該ラベルを加熱させて所定の寸法形状に予備成形でき
ることとなり、上記本発明に係るラベル付容器の製造方
法に適切な使用が行え、実用的である。
特に本発明の予備成形用型をコンベアにて循環移動させ
て、ラベル用加熱装置の配置位置を通過した後に上下逆
様に変移し得る用に設定した手段によれば、加熱収縮し
て予備成形を終えたラベルを、コンベアの下方に配置さ
れた容器用成形型内に直接落下させて挿入させ得て、ラ
ベルの予備成形工程から容器成形工程への作業移行がス
ムース且つ迅速に行え、一連の作業能率の向上が図れる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るラベル付容器の製造装置の一例を
示す説明図。 第2図(イ)は予備成形用型の一例を示す要部断面図、
第2図(ロ)は成形用金型の一例を示す説明図。 第3図は予備成形前のラベルを示し、同図(イ)は断面
図、同図(ロ)は製造過程を示す斜視図。 第4図はラベルの予備成形作業を示す断面図。 第5図はラベルを成形用金型内に挿入させる作業を示す
要部断面図。 第6図(イ),(ロ),(ハ),(ニ)はラベル付容器
の製造過程を示す断面図。 第7図は製造されたラベル付容器を示す断面図。 第8図(イ),(ロ),(ハ),(ニ)は本発明の他の
実施例を示す説明図。 第9図は射出成形を適用した本発明の他の実施例を示
し、同図(イ)は予備成形を行う際の断面図、同図
(ロ)は射出成形を行う際の断面図、同図(ハ)は製造
された製品の一部切欠断面図斜視図。 第10図及び第11図は従来例を示し、第10図(イ)及び第
10図(ロ)は要部断面図、第11図はラベルの成形作業の
斜視図。 第12図及び第13図は他のラベルを示し、第12図は断面
図、第13図(イ),(ロ),(ハ)は斜視図。 2……樹脂、4,4A……成形用金型 4a……内周面部、4b……内側底面部 7……予備成形用型、7a……外周面部 7b……端面部、8……コンベア 17……ラベル用加熱装置、18……ラベル 18a……折曲部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状のラベル18を成形用金型4の内面に沿
    わせて挿入した後に、加熱溶融又は加熱軟化された合成
    樹脂2を前記成形用金型4内の形状に成形して、前記合
    成樹脂2にラベル18を一体化させるラベル付物品の製造
    方法であって、前記筒状のラベル18として熱収縮可能な
    ものを用いて、成形用金型4内にラベル18を挿入させる
    以前に、該ラベル18を、成形用金型4の内周面部4aと合
    致した寸法形状の外周面部7aを備えた予備成形用型7に
    外嵌させて加熱収縮させて、該予備成形用型7の外周面
    部7aに沿う寸法形状に予め成形させることを特徴とする
    ラベル付物品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載のラベル付物品の製造方
    法に於いて、雌型としての成形用金型4の内周面部4aに
    ラベル18を沿わせて挿入した後に、熱可塑性の加熱軟化
    された樹脂シート2を成形用金型4の内面に沿う容器と
    して成形することを特徴とするラベル付容器の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項第1項記載のラベル付物品の製造方
    法に於いて、雌雄一対の成形用金型4,4Aのうち雌型の成
    形用金型4の内周面部4aにラベル18を沿わせて挿入した
    後に、成形用金型4,4Aのキャビティ内に溶融された合成
    樹脂2を射出させて該合成樹脂2を成形用金型4,4aのキ
    ャビティ形状に沿う容器として成形することを特徴とす
    るラベル付容器の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項第2項又は第3項記載のラベル付容
    器の製造方法に於いて、予備成形用型7に外嵌された筒
    状のラベル18を加熱収縮させる際に、該ラベル18の一端
    部を、成形用金型4の内側底面部4bと合致した寸法形状
    に形成された予備成形用型7の端面部7bに沿わせて収縮
    させて、該ラベル18の一端部に内側へ折曲する折曲部18
    aを形成し、該折曲部18aを容器として成形される合成樹
    脂2の底面部に配置させることを特徴とするラベル付容
    器の製造方法。
  5. 【請求項5】成形用金型4の少なくとも内周面部4aと合
    致する寸法形状に形成された外周面部7aを具備してなる
    予備成形用型7と、該予備成形用型7に外嵌された筒状
    のラベル18を加熱して収縮させるためのラベル用加熱装
    置17とから構成されてなることを特徴とするラベル用予
    備成形装置。
  6. 【請求項6】請求項第5項記載のラベル用予備成形装置
    に於いて、予備成形用型7がコンベア8に取付けられて
    循環移動自在に設けられ、且つ該コンベア8は、予備成
    形用型7に外嵌されてラベル用加熱装置17により加熱収
    縮されたラベル18が前記コンベア8の下方に配置される
    成形用金型4内に落下挿入可能となるべくラベル用加熱
    装置17の配置位置よりも後段の位置で予備成形用型7を
    上下逆様に変移させるべく設定されてなることを特徴と
    するラベル用予備成形装置。
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