JPH07330381A - 機能性物品 - Google Patents
機能性物品Info
- Publication number
- JPH07330381A JPH07330381A JP12236994A JP12236994A JPH07330381A JP H07330381 A JPH07330381 A JP H07330381A JP 12236994 A JP12236994 A JP 12236994A JP 12236994 A JP12236994 A JP 12236994A JP H07330381 A JPH07330381 A JP H07330381A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- transparent
- metal
- film
- functional article
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】透明基体1上に、透明酸化物層2と金属層3と
が交互に積層され、最外層に透明酸化物層2が形成され
た機能性物品において、最外層の透明酸化物層2と最外
層から数えて1番目の金属層3との間に、少なくとも1
層の透明窒化物層5が形成された機能性物品。 【効果】耐湿性が向上し、保管にあたって、梱包を簡素
化でき、吸湿剤等の使用量を下げることができ、コスト
ダウンにつながる。
が交互に積層され、最外層に透明酸化物層2が形成され
た機能性物品において、最外層の透明酸化物層2と最外
層から数えて1番目の金属層3との間に、少なくとも1
層の透明窒化物層5が形成された機能性物品。 【効果】耐湿性が向上し、保管にあたって、梱包を簡素
化でき、吸湿剤等の使用量を下げることができ、コスト
ダウンにつながる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的耐久性に優れた
機能性物品に関する。
機能性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から省エネルギー効果、意匠性に優
れたソーラーコントロールガラス、Low−Eガラスが
ビルや家屋、自動車の窓ガラスに用いられている。
れたソーラーコントロールガラス、Low−Eガラスが
ビルや家屋、自動車の窓ガラスに用いられている。
【0003】ソーラーコントロールガラスは一般にステ
ンレス、チタン、クロム、錫などの金属膜や、それらの
金属の窒化物膜や、それらの金属の酸化物膜などを板ガ
ラス上に単層または多層でつけたものが知られている。
製造方法としては、オンラインスプレー法や、スパッタ
リング法などが知られている。
ンレス、チタン、クロム、錫などの金属膜や、それらの
金属の窒化物膜や、それらの金属の酸化物膜などを板ガ
ラス上に単層または多層でつけたものが知られている。
製造方法としては、オンラインスプレー法や、スパッタ
リング法などが知られている。
【0004】このガラスは可視光透過率を低くし、同時
に日射光に含まれる熱線(主として波長1〜3μm)の
透過率も抑えたもので、このガラスを用いることによ
り、窓ガラスからの熱線の流入量を低減し、夏期の冷房
負荷の低減につながる。
に日射光に含まれる熱線(主として波長1〜3μm)の
透過率も抑えたもので、このガラスを用いることによ
り、窓ガラスからの熱線の流入量を低減し、夏期の冷房
負荷の低減につながる。
【0005】また、Low−Eガラスとしては、ガラス
基板上に酸化錫(SnO2 )を単層つけたものや、銀
(Ag)と酸化亜鉛(ZnO)によるZnO/Ag/Z
nOの3層系や、ZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnO
の5層系などが知られている。製造方法としては、酸化
錫の単層系ではオンラインスプレー法またはCVD法
が、また、銀を用いるものについてはスパッタリング法
などが知られている。
基板上に酸化錫(SnO2 )を単層つけたものや、銀
(Ag)と酸化亜鉛(ZnO)によるZnO/Ag/Z
nOの3層系や、ZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnO
の5層系などが知られている。製造方法としては、酸化
錫の単層系ではオンラインスプレー法またはCVD法
が、また、銀を用いるものについてはスパッタリング法
などが知られている。
【0006】このガラスは一般に可視領域では高透過率
であり、日射光に含まれる熱線の透過率も高いが、長波
長の熱線(波長約10μm)に対する反射率が高い。こ
のため、このガラスを用いると、室内の熱の窓を通した
放出量を低減するため、冬季の暖房負荷の低減につなが
る。
であり、日射光に含まれる熱線の透過率も高いが、長波
長の熱線(波長約10μm)に対する反射率が高い。こ
のため、このガラスを用いると、室内の熱の窓を通した
放出量を低減するため、冬季の暖房負荷の低減につなが
る。
【0007】しかし、前述したソーラーコントロールガ
ラスやLow−Eガラスは膜の機械的および化学的耐久
性に難があるので、単板ガラスでは使えず、ペアガラ
ス、または合わせガラスの形にして、膜面が室内または
戸外に露出しないようにして用いられる。
ラスやLow−Eガラスは膜の機械的および化学的耐久
性に難があるので、単板ガラスでは使えず、ペアガラ
ス、または合わせガラスの形にして、膜面が室内または
戸外に露出しないようにして用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】銀を用いて構成したも
のは、機械的および化学的耐久性、特に膜の耐湿性が弱
い。この膜系を単板で使用すると、銀の酸化により熱線
遮断性能の劣化、および白点(斑点上欠点)や白濁のよ
うな外観上の劣化が生ずるため、複層ガラスまたは合わ
せガラスにし、膜が外部に露出しないようにしなければ
ならず、複層ガラスまたは合わせガラスにするまでの保
管や取扱いにも注意を要していた。
のは、機械的および化学的耐久性、特に膜の耐湿性が弱
い。この膜系を単板で使用すると、銀の酸化により熱線
遮断性能の劣化、および白点(斑点上欠点)や白濁のよ
うな外観上の劣化が生ずるため、複層ガラスまたは合わ
せガラスにし、膜が外部に露出しないようにしなければ
ならず、複層ガラスまたは合わせガラスにするまでの保
管や取扱いにも注意を要していた。
【0009】耐湿性を改善する方法としては酸化亜鉛に
アルミニウム等の元素を添加し、酸化亜鉛膜の内部応力
を低減する方法が提案されているが(特開平4−357
025)、この方法でも白濁や斑点状欠点の発生は完全
には抑えられなかった。
アルミニウム等の元素を添加し、酸化亜鉛膜の内部応力
を低減する方法が提案されているが(特開平4−357
025)、この方法でも白濁や斑点状欠点の発生は完全
には抑えられなかった。
【0010】本発明は、前述の問題点を解決すべくなさ
れたものであり、耐湿性が改善された銀を用いたソーラ
ーコントロールガラスやLow−Eガラスを提供する。
れたものであり、耐湿性が改善された銀を用いたソーラ
ーコントロールガラスやLow−Eガラスを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基体上
に、透明酸化物層と金属層とが交互に積層され、最外層
に透明酸化物層が形成された機能性物品において、最外
層の透明酸化物層と最外層から数えて1番目の金属層と
の間に、少なくとも1層の透明窒化物層が形成されたこ
とを特徴とする機能性物品を提供する。
に、透明酸化物層と金属層とが交互に積層され、最外層
に透明酸化物層が形成された機能性物品において、最外
層の透明酸化物層と最外層から数えて1番目の金属層と
の間に、少なくとも1層の透明窒化物層が形成されたこ
とを特徴とする機能性物品を提供する。
【0012】本発明はまた、透明基体上に、透明酸化物
層と金属層とが交互に積層され、最外層に透明酸化物層
が形成された機能性物品において、最外層の透明酸化物
層と最外層から数えて1番目の金属層との間に、少なく
とも1層の透明窒化物層が形成され、かつ、該透明窒化
物層と金属層との間に、該金属層とは別種の金属からな
る層が形成されたことを特徴とする機能性物品を提供す
る。
層と金属層とが交互に積層され、最外層に透明酸化物層
が形成された機能性物品において、最外層の透明酸化物
層と最外層から数えて1番目の金属層との間に、少なく
とも1層の透明窒化物層が形成され、かつ、該透明窒化
物層と金属層との間に、該金属層とは別種の金属からな
る層が形成されたことを特徴とする機能性物品を提供す
る。
【0013】本発明は、最外層の透明酸化物層と最外層
から数えて1番目の金属との間に少なくとも1層の透明
窒化物層を挟み、金属への水の侵入を防ぐことを主眼と
している。
から数えて1番目の金属との間に少なくとも1層の透明
窒化物層を挟み、金属への水の侵入を防ぐことを主眼と
している。
【0014】本発明者は白濁、白色斑点発生のメカニズ
ムを解析した結果、水蒸気として存在する空気中の水
が、最外層の透明酸化物層、たとえば酸化亜鉛層中のピ
ンホール等をつたわって金属層、たとえば銀層にまで達
し、金属の酸化および結晶粒径の増大を引き起こし、そ
れが内部応力が大きく界面付着力の弱い透明酸化物膜に
亀裂を生じさせ、ついで界面からの透明酸化物膜の剥離
が生じ、白濁および白色斑点が発生することを見いだし
た。そこで、水バリア性の膜を最外層から数えて1番目
の金属よりも最外層側に形成すれば、金属膜への水の侵
入を低減できるので、耐湿性は向上すると考えられる。
ムを解析した結果、水蒸気として存在する空気中の水
が、最外層の透明酸化物層、たとえば酸化亜鉛層中のピ
ンホール等をつたわって金属層、たとえば銀層にまで達
し、金属の酸化および結晶粒径の増大を引き起こし、そ
れが内部応力が大きく界面付着力の弱い透明酸化物膜に
亀裂を生じさせ、ついで界面からの透明酸化物膜の剥離
が生じ、白濁および白色斑点が発生することを見いだし
た。そこで、水バリア性の膜を最外層から数えて1番目
の金属よりも最外層側に形成すれば、金属膜への水の侵
入を低減できるので、耐湿性は向上すると考えられる。
【0015】そこで本発明者らは金属層への水の侵入を
低減させるために最外層から数えて1番目の金属層の最
外層側に様々な膜を挿入してみた。その結果、透明窒化
物層が全体の透過率を下げることなく、水の侵入を低減
させることを見いだした。
低減させるために最外層から数えて1番目の金属層の最
外層側に様々な膜を挿入してみた。その結果、透明窒化
物層が全体の透過率を下げることなく、水の侵入を低減
させることを見いだした。
【0016】本発明において用いられる透明窒化物層と
しては、ケイ素、ホウ素およびアルミニウムからなる群
から選ばれる少なくとも1種の金属の窒化物を主成分と
するものなどを挙げられる。これらの窒化物は、それぞ
れケイ素、ホウ素、アルミニウムのターゲットを用い
て、窒素雰囲気中での反応性スパッタリング法により得
られるが、その他、イオンプレーティング法、CVD法
なども使用できる。このうち、窒化ケイ素は水のバリア
性能が特に優れており耐湿性が向上するため、特に好ま
しい。
しては、ケイ素、ホウ素およびアルミニウムからなる群
から選ばれる少なくとも1種の金属の窒化物を主成分と
するものなどを挙げられる。これらの窒化物は、それぞ
れケイ素、ホウ素、アルミニウムのターゲットを用い
て、窒素雰囲気中での反応性スパッタリング法により得
られるが、その他、イオンプレーティング法、CVD法
なども使用できる。このうち、窒化ケイ素は水のバリア
性能が特に優れており耐湿性が向上するため、特に好ま
しい。
【0017】透明窒化物層の膜厚は特に限定されない
が、1〜30nmが好ましい。十分な耐湿性を付与する
ためには、少なくとも5nm程度必要であり、また、膜
厚の増加に応じて耐湿性が向上するが、10nmあれば
十分な耐湿性が得られる。
が、1〜30nmが好ましい。十分な耐湿性を付与する
ためには、少なくとも5nm程度必要であり、また、膜
厚の増加に応じて耐湿性が向上するが、10nmあれば
十分な耐湿性が得られる。
【0018】本発明において用いられる透明酸化物層と
しては、亜鉛、インジウム、錫、チタン、ビスマス、タ
ンタル、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物を主成分とす
るものなどを挙げられる。
しては、亜鉛、インジウム、錫、チタン、ビスマス、タ
ンタル、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物を主成分とす
るものなどを挙げられる。
【0019】本発明において用いる金属層としては、銀
を主成分とするものが好適であり、金、パラジウム、ま
たは銅などと銀との合金も用い得る。その厚さとして
は、5〜15nmが適当である。
を主成分とするものが好適であり、金、パラジウム、ま
たは銅などと銀との合金も用い得る。その厚さとして
は、5〜15nmが適当である。
【0020】通常、銀層の上にさらに酸化物層を、酸素
が含まれた雰囲気で反応性スパッタリングで積層する場
合には、雰囲気酸素により銀が酸化されてしまうことか
ら、酸化防止バリア層として、銀層の上に銀以外の金属
層(以下、バリア金属層という)を薄く成膜することが
行われている。
が含まれた雰囲気で反応性スパッタリングで積層する場
合には、雰囲気酸素により銀が酸化されてしまうことか
ら、酸化防止バリア層として、銀層の上に銀以外の金属
層(以下、バリア金属層という)を薄く成膜することが
行われている。
【0021】上に述べた透明窒化物層の効果はこの場合
でも有効であり、最外側のバリア金属層と最外層の透明
酸化物膜との間に透明窒化物層を形成することにより、
銀層への水の侵入を低減することができる。
でも有効であり、最外側のバリア金属層と最外層の透明
酸化物膜との間に透明窒化物層を形成することにより、
銀層への水の侵入を低減することができる。
【0022】図1〜3は本発明に係る機能性物品の一例
の断面図である。1はガラスやプラスチックなどの透明
基板、2は透明酸化物層、3は金属層、4はバリア金属
層、5は透明窒化物層である。
の断面図である。1はガラスやプラスチックなどの透明
基板、2は透明酸化物層、3は金属層、4はバリア金属
層、5は透明窒化物層である。
【0023】金属層が複数ある場合には、金属層と透明
酸化物層との間のそれぞれに、透明窒化物層を形成する
と、耐湿性はさらに向上する。
酸化物層との間のそれぞれに、透明窒化物層を形成する
と、耐湿性はさらに向上する。
【0024】
【作用】本発明において、最外層から数えて1番目の金
属層と最外層の透明酸化物膜との間に形成した透明窒化
物層は、金属層への水の侵入を低減することにより、ソ
ーラーコントロールガラスやLow−Eガラスの耐湿性
を向上させる。
属層と最外層の透明酸化物膜との間に形成した透明窒化
物層は、金属層への水の侵入を低減することにより、ソ
ーラーコントロールガラスやLow−Eガラスの耐湿性
を向上させる。
【0025】透明窒化物層に水が接すると、水に接して
いる膜面が水中の酸素によって酸化され、一部酸化膜と
なり、この膜が水の侵入を妨ぐ働きをする。特に窒化ケ
イ素は水バリア性に優れた透明窒化物層として知られて
おり、窒化ケイ素を用いることにより、ソーラーコント
ロールガラスやLow−Eガラスの耐湿性は一段と向上
する。
いる膜面が水中の酸素によって酸化され、一部酸化膜と
なり、この膜が水の侵入を妨ぐ働きをする。特に窒化ケ
イ素は水バリア性に優れた透明窒化物層として知られて
おり、窒化ケイ素を用いることにより、ソーラーコント
ロールガラスやLow−Eガラスの耐湿性は一段と向上
する。
【0026】
<実施例1>洗浄した厚さ2mmのフロートガラス板を
スパッタリング装置内にセットし、10ー6Torr台ま
で排気した。次にO2 ガスをチャンバー内に導入し、圧
力を2×10-3Torrにし、Znターゲットをターゲ
ットの電力密度5.2W/cm2 でスパッタリングして
基板上にZnO(第1層)を40nm製膜した。
スパッタリング装置内にセットし、10ー6Torr台ま
で排気した。次にO2 ガスをチャンバー内に導入し、圧
力を2×10-3Torrにし、Znターゲットをターゲ
ットの電力密度5.2W/cm2 でスパッタリングして
基板上にZnO(第1層)を40nm製膜した。
【0027】次にチャンバー内をArのみとし、圧力を
2×10-3Torrにし、Agターゲットをターゲット
の電力密度0.8W/cm2 でスパッタリングし、Ag
(第2層)を10nm製膜した。
2×10-3Torrにし、Agターゲットをターゲット
の電力密度0.8W/cm2 でスパッタリングし、Ag
(第2層)を10nm製膜した。
【0028】次に同じArガスで、同圧力でバリア金属
層としてZn(第3層)を電力密度2W/cm2 で2n
m製膜した。次にチャンバー内をArとN2 の混合ガス
(流量比1:1)にし、圧力を2×10-3Torrに
し、アルミニウムドープのシリコンターゲットを電力密
度7.8W/cm2 でスパッタリングしてSiNx を1
0nm製膜した(第4層)。最後に再び第1層と同じ条
件でZnO(第5層)を40nm製膜した。
層としてZn(第3層)を電力密度2W/cm2 で2n
m製膜した。次にチャンバー内をArとN2 の混合ガス
(流量比1:1)にし、圧力を2×10-3Torrに
し、アルミニウムドープのシリコンターゲットを電力密
度7.8W/cm2 でスパッタリングしてSiNx を1
0nm製膜した(第4層)。最後に再び第1層と同じ条
件でZnO(第5層)を40nm製膜した。
【0029】このLow−Eガラスを50℃、相対湿度
95%の恒温恒湿槽に3週間保管した。このとき、膜面
には白色斑点、白濁は発生しなかった。
95%の恒温恒湿槽に3週間保管した。このとき、膜面
には白色斑点、白濁は発生しなかった。
【0030】<比較例1>第4層のSiNx の製膜工程
を省いた他は実施例1と同じ方法で、厚さ2mmのフロ
ートガラス基板上に、基板/ZnO(膜厚40nm)/
Ag(10nm)/Zn(2nm)/ZnO(40n
m)の4層膜を製膜した。
を省いた他は実施例1と同じ方法で、厚さ2mmのフロ
ートガラス基板上に、基板/ZnO(膜厚40nm)/
Ag(10nm)/Zn(2nm)/ZnO(40n
m)の4層膜を製膜した。
【0031】このLow−Eガラスを実施例1と同じ条
件で恒温恒湿槽に保管した。その結果、膜面には径1〜
2mmの白点が10個/cm2 以上発生した。以上よ
り、比較例1の膜は実施例1の膜より耐湿性が劣ること
が判明した。
件で恒温恒湿槽に保管した。その結果、膜面には径1〜
2mmの白点が10個/cm2 以上発生した。以上よ
り、比較例1の膜は実施例1の膜より耐湿性が劣ること
が判明した。
【0032】<実施例2>最外層のZnOの膜厚を80
nmにした他は実施例1と同じ方法で、厚さ2mmのフ
ロートガラス基板上に、ZnO(膜厚40nm)/Ag
(10nm)/Zn(2nm)/SiNx (10nm)
/ZnO(80nm)の5層膜を製膜した。さらに引き
続いて、同じように、Ag(第6層)を10nm、バリ
ア金属層としてZn(第7層)を2nm、SiNx (第
8層)を10nm、ZnO(第9層)を40nm製膜し
た。
nmにした他は実施例1と同じ方法で、厚さ2mmのフ
ロートガラス基板上に、ZnO(膜厚40nm)/Ag
(10nm)/Zn(2nm)/SiNx (10nm)
/ZnO(80nm)の5層膜を製膜した。さらに引き
続いて、同じように、Ag(第6層)を10nm、バリ
ア金属層としてZn(第7層)を2nm、SiNx (第
8層)を10nm、ZnO(第9層)を40nm製膜し
た。
【0033】このLow−Eガラスを実施例1と同じ条
件で恒温恒湿槽に保管した。このとき、膜面には白色斑
点、白濁は発生しなかった。
件で恒温恒湿槽に保管した。このとき、膜面には白色斑
点、白濁は発生しなかった。
【0034】<比較例2>最外層のZnOの膜厚を80
nmにした他は比較例1と同じ方法で、厚さ2mmのフ
ロートガラス基板上にZnO(膜厚40nm)/Ag
(10nm)/Zn(2nm)/ZnO(80nm)の
4層膜を製膜した。さらに引き続いて、同じように、A
g(第5層)を10nm、バリア金属層Zn(第6層)
を2nm、ZnO(第7層)を40nm製膜した。
nmにした他は比較例1と同じ方法で、厚さ2mmのフ
ロートガラス基板上にZnO(膜厚40nm)/Ag
(10nm)/Zn(2nm)/ZnO(80nm)の
4層膜を製膜した。さらに引き続いて、同じように、A
g(第5層)を10nm、バリア金属層Zn(第6層)
を2nm、ZnO(第7層)を40nm製膜した。
【0035】このLow−Eガラスを実施例1と同じ条
件で恒温恒湿槽に保管した。このとき、径0.5〜1m
mの白色斑点が5個/cm2 程度発生した。以上より、
比較例2の膜は実施例2の膜より耐湿性が劣ることが判
明した。
件で恒温恒湿槽に保管した。このとき、径0.5〜1m
mの白色斑点が5個/cm2 程度発生した。以上より、
比較例2の膜は実施例2の膜より耐湿性が劣ることが判
明した。
【0036】<実施例3>最外層のZnOの膜厚を20
nmにした他は比較例1と同じ方法で、厚さ2mmのフ
ロートガラス基板上に、ZnO(膜厚40nm)/Ag
(10nm)/Zn(2nm)/ZnO(20nm)の
4層膜を成膜した。さらに引き続いてSiNx を5n
m、ZnOを20nm成膜した。
nmにした他は比較例1と同じ方法で、厚さ2mmのフ
ロートガラス基板上に、ZnO(膜厚40nm)/Ag
(10nm)/Zn(2nm)/ZnO(20nm)の
4層膜を成膜した。さらに引き続いてSiNx を5n
m、ZnOを20nm成膜した。
【0037】このLow−Eガラスを実施例1と同じ条
件で恒温恒湿槽に保管した。このとき、白濁、白色斑点
は発生しなかった。以上より、実施例3の膜はSiNx
を形成しなかった比較例1の膜よりも耐湿性が向上して
いることが判明した。
件で恒温恒湿槽に保管した。このとき、白濁、白色斑点
は発生しなかった。以上より、実施例3の膜はSiNx
を形成しなかった比較例1の膜よりも耐湿性が向上して
いることが判明した。
【0038】
【発明の効果】本発明のAg系のソーラーコントロール
ガラスやLow−Eガラスは耐湿性が向上しているた
め、保管にあたって、梱包を簡素化でき、吸湿剤等の使
用量を下げることができ、コストダウンにつながる。ま
た、本発明では透明窒化物層を用いているため、膜系全
体の透過率を下げることがない。
ガラスやLow−Eガラスは耐湿性が向上しているた
め、保管にあたって、梱包を簡素化でき、吸湿剤等の使
用量を下げることができ、コストダウンにつながる。ま
た、本発明では透明窒化物層を用いているため、膜系全
体の透過率を下げることがない。
【図1】本発明の機能性物品の一例の断面図
【図2】本発明の機能性物品の他の例の断面図
【図3】本発明の機能性物品の他の例の断面図
1:透明基体 2:透明酸化物層 3:金属層 4:金属層と透明酸化物層との間のバリア金属層 5:透明窒化物層
フロントページの続き (72)発明者 林 泰夫 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】透明基体上に、透明酸化物層と金属層とが
交互に積層され、最外層に透明酸化物層が形成された機
能性物品において、最上層の透明酸化物層と最外層から
数えて1番目の金属層との間に、少なくとも1層の透明
窒化物層が形成されたことを特徴とする機能性物品。 - 【請求項2】透明基体上に、透明酸化物層と金属層とが
交互に積層され、最外層に透明酸化物層が形成された機
能性物品において、最外層の透明酸化物層と最外層から
数えて1番目の金属層との間に、少なくとも1層の透明
窒化物層が形成され、かつ、該透明窒化物層と金属層と
の間に、該金属層とは別種の金属からなる層が形成され
たことを特徴とする機能性物品。 - 【請求項3】前記透明窒化物層の主成分がケイ素、ホウ
素およびアルミニウムからなる群から選ばれる少なくと
も1種の金属の窒化物であることを特徴とする請求項1
または2の機能性物品。 - 【請求項4】前記透明窒化物層の厚さが1〜30nmで
あることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項の機能
性物品。 - 【請求項5】前記金属層は、厚さが5〜15nmであ
り、かつ、銀を主成分とすることを特徴とする請求項1
〜4いずれか1項の機能性物品。 - 【請求項6】前記透明酸化物層は、亜鉛、インジウム、
錫、チタン、ビスマス、タンタル、アルミニウムおよび
ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の
金属の酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1
〜5いずれか1項の機能性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12236994A JPH07330381A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 機能性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12236994A JPH07330381A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 機能性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330381A true JPH07330381A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14834160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12236994A Pending JPH07330381A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 機能性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330381A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002173343A (ja) * | 2001-09-25 | 2002-06-21 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 低放射率透明積層体の製造方法 |
JP2007527328A (ja) * | 2003-06-26 | 2007-09-27 | サン−ゴバン グラス フランス | 機械的抵抗性を有する被膜を含んでなる透明基板 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP12236994A patent/JPH07330381A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002173343A (ja) * | 2001-09-25 | 2002-06-21 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 低放射率透明積層体の製造方法 |
JP4733880B2 (ja) * | 2001-09-25 | 2011-07-27 | 日本板硝子株式会社 | 低放射率透明積層体の製造方法 |
JP2007527328A (ja) * | 2003-06-26 | 2007-09-27 | サン−ゴバン グラス フランス | 機械的抵抗性を有する被膜を含んでなる透明基板 |
JP2012153599A (ja) * | 2003-06-26 | 2012-08-16 | Saint-Gobain Glass France | 機械的抵抗性を有する被膜を含んでなる透明基板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1558950B1 (en) | An infra-red reflecting layered structure | |
US11885174B2 (en) | Solar control coatings with quadruple metallic layers | |
EP0934913B1 (en) | Sunlight shielding translucent glass panel and sunlight shielding translucent multilayer glass panel assembly | |
JPH0791089B2 (ja) | 熱線反射ガラス | |
US12077468B2 (en) | Coated article having a protective coating containing silicon nitride and/or silicon oxynitride | |
CZ299337B6 (cs) | Zpusob vytvárení povlaku na skle magnetronovým naprašováním, sklenený tabulovitý dílec s transparentním tenkovrstvým systémem, a dvojsklo obsahující takový dílec | |
CA2328910A1 (en) | Zinc-tin alloy sputtering target | |
KR20140045329A (ko) | 저방사율 코팅을 포함하는 코팅된 물품, 코팅된 물품을 포함하는 절연 유리 유닛, 및/또는 이의 제조방법 | |
KR20140012998A (ko) | Ni 및/또는 Ti를 포함하는 배리어층, 배리어층을 함유하는 코팅된 물품, 및 이를 제조하는 방법 | |
GB2386127A (en) | Transparent laminate having low emissivity | |
JPH02289449A (ja) | 被覆ガラス材料及びその被覆方法 | |
CA2374768A1 (en) | Protective layers for sputter coated article | |
RU2759407C2 (ru) | Изделие с низкоэмиссионным покрытием, имеющее отражающую ик-излучение систему, включающую барьерный слой или слои на основе серебра и цинка | |
JP4114429B2 (ja) | 積層体および構造体 | |
JP3053668B2 (ja) | 熱線遮断膜 | |
JP3335384B2 (ja) | 熱線遮断膜 | |
JP2000302486A (ja) | 日射遮蔽性透光板およびこれを用いた日射遮蔽性複層透光板 | |
JP2007070146A (ja) | 低放射複層ガラス | |
JP3724936B2 (ja) | 低放射ガラス積層体 | |
JP3392000B2 (ja) | 断熱ガラス | |
JPH03187735A (ja) | 選択透過膜付きガラスの製造方法 | |
JP2001226765A (ja) | 高耐熱性反射膜及びこの反射膜を用いた積層体 | |
JPH07330381A (ja) | 機能性物品 | |
JP3053669B2 (ja) | 熱線遮断膜 | |
JP3335599B2 (ja) | 熱線遮断膜 |