JPH07329884A - ウオータージェット推進機異物吸入防止装置 - Google Patents

ウオータージェット推進機異物吸入防止装置

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JPH07329884A
JPH07329884A JP12344394A JP12344394A JPH07329884A JP H07329884 A JPH07329884 A JP H07329884A JP 12344394 A JP12344394 A JP 12344394A JP 12344394 A JP12344394 A JP 12344394A JP H07329884 A JPH07329884 A JP H07329884A
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JP
Japan
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foreign matter
suction port
water
screen
pump
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JP12344394A
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Koichiro Suenaga
光一郎 末永
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、水中浮遊物が極力スクリーンにひっ
かからない防止手段を施して船艇の走行不能をなくした
ウオータージェット推進機異物吸入防止装置を提供する
ことを目的とする。 【構成】本発明のウオータージェット推進機異物吸入防
止装置は、船底に設けた吸入口と、前記吸入口から水を
吸い込ませた水流を加圧するポンプ羽根を駆動するポン
プと、前記ポンプ羽根で加圧した水流を船体の進行方向
後方へ噴流させるダクトを備えたウオータージェット推
進機において、水中に浮遊する浮遊物等の異物を規定深
さ内で検出判別するセンサと、前記吸入口近傍に設けた
異物浸入防止用スクリーンと、前記スクリーン付近で吸
入口を盲する盲プレートとを設け、前記センサの異物検
出判定情報により前記ポンプを停止又は逆回転作動させ
て、前記盲プレートによる前記吸入口の締切作動を行っ
ているので、異物の吸入防止を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウオータージェット推
進機の異物吸入防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船艇の推進機として用いられるウオータ
ージェット推進機は、一般に図16に示すように、船体
1の底部2に水中に開口した吸入口3と、この吸入口3
の開口面に鐵製の格子からなるスクリーン8を設けてい
る。この吸入口3からダクト4内に水を吸入し、この吸
入した水を原動機5,推進軸6により回転するポンプ羽
根車7によって加圧し、ダクト4の後端部に設けられた
ディフューザー9の案内羽根で整流した後、船尾のノズ
ル10から高速のジェット流として噴射し、これにより
船体1の推力を得るように構成されている。
【0003】このようなウオータージェット推進機にお
いて、吸入口3より吸い込んだ水の中にビニールシー
ト,ワイヤロープ,木片等の材木,海草などの海生物等
の浮遊物の異物が混じっていると、これら異物の衝突に
より推進軸6や羽根車7等が破損する恐れがあり、この
ため通常吸入口3にすのこ状格子で構成したスクリーン
8を設けて異物吸入を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異物吸
入によりスクリーンを壊したり、あるいは異物がスクリ
ーンに引っかかって目詰まりを生じ、終には吸入口を塞
ぐこととなり、ウオータージェット推進機のポンプ性能
を低下させ、騒音,振動の発生、最悪時には航行不能に
なるという問題があった。
【0005】そこで、スクリーンの目詰まりを常時監視
してスクリーンの目詰まりが生じると、航行を停止させ
てダイバーが水中に潜りスクリーンに詰まった水中浮遊
物の異物除去を行う等の作業が生じるので、この作業が
終わるまで船艇を完全に停止させねばならなかった。
【0006】このような極めてやっかいなスクリーンの
異物除去作業や、また破損,変形したスクリーンの補修
作業は、多数の日数を要する等、ウオータージェット推
進機の最大の欠点であった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は水中浮遊物が極力スクリーンにひっかか
らない防止手段、また水中浮遊物がひっかかった場合の
スクリーンの自動交換を可能とし、船艇の走行不能をな
くしたウオータージェット推進機異物吸入防止装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1のウオータージェット推進機異物
吸入防止装置は、船底に設けた吸入口と、前記吸入口か
ら水を吸い込ませた水流を加圧するポンプ羽根を駆動す
るポンプと、前記ポンプ羽根で加圧した水流を船体の進
行方向後方へ噴流させるダクトを備えたウオータージェ
ット推進機において、水中に浮遊する浮遊物等の異物を
規定深さ内で検出判別するセンサと、前記吸入口近傍に
設けた異物浸入防止用スクリーンと、前記スクリーン付
近で吸入口を盲する盲プレートとを設け、前記センサの
異物検出判定情報により前記ポンプを停止又は逆回転作
動させて、前記盲プレートによる前記吸入口の締切作動
を行うことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項2のウオータージェット推
進機異物吸入防止装置は、船底に設けた吸入口と、前記
吸入口から水を吸い込ませた水流を加圧するポンプ羽根
を駆動するポンプと、前記ポンプ羽根で加圧した水流を
船体の進行方向後方へ噴流させるダクトを備えたウオー
タージェット推進機において、前記吸入口近傍に設けた
異物浸入防止用スクリーンに付着した異物を検出する検
出センサと、前記吸入口から前記船底に沿ったガイドレ
ールと、前記ガイドレールにガイドされる前記複数のス
クリーンと、前記複数のスクリーンを前記ガイドレール
に固定するスクリーン固定機構と、前記検出センサーの
検出情報と前記ポンプの吸い込み性能低下検出信号およ
び前記吸入口付近に設置した水中カメラのスクリーン詰
まり撮像情報とにより前記スクリーン固定機構をはずし
て水中から前記スクリーンを取り出し、他のスクリーン
と移動交換することを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3は、請求項1または請求
項2記載のウオータージェット推進機異物吸入防止装置
において、前記スクリーンは、外枠とこの外枠の間をす
のこ状に取り付けた平板で構成され、前記吸入口への吸
入方向に対し凹凸状に配設され、かつ推進方向に対して
斜め又は流線型に配設されていることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項4は、請求項1または請求
項2記載のウオータージェット推進機異物吸入防止装置
において、前記吸込口の推進方向の前部の前記船底から
迫り出された翼又はフードを設けたことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項5は、請求項1または請求
項2記載のウオータージェット推進機異物吸入防止装置
において、前記吸入口の船体の前進方向の直線上位置と
前記吸入口の入口付近とに設けた異物を検出する検出セ
ンサと、前記吸入口と前記ポンプ羽根部までの途中に外
部に通じた逃がし管を設けた分岐管と、前記分岐管の分
岐点位置に水流を前記ポンプ側と前記逃がし管側とに切
り替える切り替え弁とを設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明(請求項1対応)によると、検出センサ
により水中の異物を検出し、ポンプの停止、または逆回
転により水の吸い込みの停止、吸入口の盲蓋での締切り
作動等により異物の吸入防止を行うことができる。
【0014】また、本発明(請求項2対応)によると、
圧力センサによりポンプ吸入性能測定および水中カメラ
とによりスクリーンの異物による目詰まりを判定し、他
のスクリーンへの取り替え作業を行うことができる。
【0015】本発明(請求項3対応)によると、異物が
スクリーンに当る接触面積を減少させ、目詰まりしにく
くすることができる。
【0016】本発明(請求項4対応)によると、水中の
異物が翼(フード)で流速が上げられることにより吸入
口への侵入を減少させることができる。
【0017】本発明(請求項5対応)によると、吸入ダ
クトの途中に分岐管を設け吸入口と船底とのセンサによ
り異物を検出し、切り替え弁によりポンプ側と異なった
方の分岐管である逃がし管へ異物を流すことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は、本発明の第1実施例(請求項1対応)の一
部断面で示した側面図であり、図2は図1の締切機構の
断面図である。図1および図2に示すように、船体1の
後方部の船体底部2に水を吸い込む吸入口3があり、こ
の吸入口3の開口面にすのこ状のスクリーン8を設けて
いる。吸入口3からダクト4,ディフューザー9を経て
船体後端のノズル10で外部に通じている。またポンプ
等の原動機5から推進軸6で連結したポンプ羽根7がダ
クト4に内蔵されるように構成されている。吸入口3の
先端部の船体底部2の相対した2箇所で対になった締切
駆動機構12を設けており、盲プレート14を介して油
圧シリンダ15を配置してある。なお、16はリニアガ
イドレール、17はパッキンである。
【0019】船首方向の船体底部2の付近で吸入口3と
一直線に結んだ位置に2個の超音波センサ11を配設し
ている。また、13は超音波センサ11の情報を入力し
原動機5や締切駆動機構12に指示するコントローラで
ある。
【0020】次に、本実施例の運転方法を図3のフロー
チャートを参照して説明する。原動機5が回転駆動する
(ステップS1)と、これに連結した推進軸6を経てポ
ンプ羽根7が回転する。これにより吸入口3のスクリー
ン8を通って水が吸収され、ダクト4を通りディフュー
ザー9で整流されノズル10を通して高圧ジェット水と
して外部へ噴出される。この噴出力で船体1は推進し航
行を始める。
【0021】航行中、超音波センサ11は超音波を規定
深さ(水中を浮遊する異物が吸入口から吸い込まれる最
大深さ、吸入口3と異物との距離のことであり、ポンプ
の吸い込み能力でこの深さもしくは距離は主に変わる)
まで水底へ向けて発射する。この超音波は規定深さまで
の水中浮遊の異物に当たると反射波が戻ってくる。この
反射波形を受ける(ステップS2)と、波形形状からこ
の異物を吸入するとスクリーン8の破損または目詰まり
等の害を生じるかどうかをコントローラ13で判定す
る。
【0022】この判定基準は既に実験等から決めてお
り、害となる限界の波形形状をコントローラ13のメモ
リに入れておき、これと実際の異物からの反射波の形状
との画像の比較から害または無害、すなわち異物の有無
を判定する(ステップS3)。害ありと判定すると、コ
ントローラ13から直ちに原動機5の運転の停止(ステ
ップS4)の信号が出力され、吸水停止および一時的に
原動機5の逆回転(ステップS5)させた後運転停止
(ステップS6)させる。
【0023】これらの動作と共にコントローラ13から
締切機構12へ締切作動指令を行う。この指令は締切指
示信号で、図示しないポンプによって事前に加圧された
図示しない加圧タンクの油が電磁弁が作動することで油
圧シリンダ15に入りこれに連結した盲プレート14が
締切移動する(ステップS7)。
【0024】この締切機構12は相対して各々1個あ
り、これらの動作は2個とも同時に行われ、両盲プレー
ト14が互いに吸入口3の開口部中央で当たることで締
切作動が完了する。無害と判定すると、締切機構12は
作動しないので盲プレート14は開いたままであり(ス
テップS8)、また、原動機5の運転も停止することな
く運転が継続する(ステップ9)。
【0025】本実施例によれば、航行中、水中に浮遊し
ている異物を超音波センサーで検出し、有害の有無を判
定し吸水の停止,逆回転および吸入口3の締切作動を行
い、異物の吸入を防止し、さらに逆回転作動によりスク
リーンに付着の異物を除去することができる。
【0026】図4は本発明の第2実施例(請求項2対
応)の断面図であり、図5は図4のスクリーン部の詳細
な断面図、図6は図4のスクリーン部の全体平面図であ
る。図4〜図6に示すように、吸入口3の開口端にスク
リーン8が2個連結しており、このスクリーン8は4個
の車輪23を介して2本のガイドレール18に当接し、
これにチェーン24をスプロケット20を介した駆動モ
ータ19に接続されている。また、スクリーン8を固定
するために4箇所から油圧シリンダの往復動作で固定す
る機構であるコッタ22が設けてある。また、水中カメ
ラ21が吸入口3の内部およびスクリーン8の外部に各
々設け、また吸入口3内の圧力を測定する図示しない圧
力ゲージがある。
【0027】次に、本実施例の運転方法を図4〜図6を
参照して説明する。航行中、水中浮遊の異物を吸入する
とスクリーン8に異物が引っかかる。これを吸入口内部
と外部の2箇所の水中カメラ21により確認される。ま
た、コントローラ13のメモリに入れた目詰まり限界圧
力(設計値)と比較し、スクリーン8の目詰まりを判定
する。目詰まりの判定が出ると、スクリーン8に貫通し
ていた4箇所のコッタ22が外れ、駆動モータ19が回
転し、スプロケット20,チェーン24を介しスクリー
ン8がガイドレール18上を移動し、目詰まりしたスク
リーン8が吸入口3から移動し、これに連結した未使用
のスクリーン8が吸入口3まで移動し、4箇所のコッタ
22がスクリーン8の穴に挿入され固定が完了される。
また、ガイドレール18は船尾の水面上まで伸びてお
り、2個のスクリーン8が目詰まりを生じると、水面上
まで移動する。
【0028】上述したように、本実施例によれば航行中
水中の浮遊している異物でスクリーンが目詰まりした場
合、他のスクリーンと自動交換することができる。さら
に、交換した目詰まりのスクリーンは、水中に潜らずに
水面上で異物除去作業ができる。
【0029】(変形例)なお、上記第2実施例では、ス
クリーン8が2個連結されているが、2個が目詰まりし
てからモータ19で水面上に上げられ、除去作業を行う
方式であるが、経験上、2個以上航海中に詰まる恐れが
多い時はその分の数だけのスクリーン8を連結してお
く。しかし、この数が多くなると重量的,スペース的に
不都合が生じる場合がでてくる。このため2個のスクリ
ーンで交互に使用する方式とすることもできる。
【0030】そのためには2個のスクリーン8を互いに
連結させずに、図7に示すように船艇の両側から船底の
吸入口へガイドレール18を設け、各々のスクリーン8
に駆動用モータ19A,19Bを各々設け、同一のガイ
ドレール18上を各々単独にスクリーン8が摺動するよ
うにする。
【0031】この場合、航行中スクリーン8が目詰まり
すると、吸入口3から固定機構のコッタが外れ、モータ
19A駆動でチェーンにより船艇の側面の水面上までガ
イドレールに沿って移動し、もう一方の側面から新しい
スクリーン8が別のモータ19Bとチェーン駆動により
吸入口3に移動固定され自動交換される。水面上に上げ
られた目詰まりのスクリーン8は、すぐに異物除去作業
が行われ、現在取り付けられたスクリーン8の目詰まり
時にはすぐ交換できるように備える。以上の変形例にお
いても、航行中、スクリーン8が目詰まりしても船艇を
停止させずに、かつ水中に潜らずに水面上で異物除去作
業ができる。
【0032】図8は本発明の第3実施例(請求項3対
応)の側面図であり、図9は図8の正面図、図10は図
8のスクリーン部の詳細な断面図である。図8〜図10
に示すように、スクリーン8はプレート8B数枚を外枠
8Aに取り付けてすのこ状の平板を構成しており、航行
による水流と平行になるように構成されている。また、
各プレート8Bは流れに対して滑らかに斜め(やや流線
型)でかつその斜め面が各々交互に出入りしており、さ
らに高さ(スクリーン厚み)方向にも凹凸状に交互に高
さを変えている。
【0033】次に、本実施例の運転方法を図8〜図10
を参照して説明する。図8に示すように、船体1が航行
すると、船底の浮遊物は流速V1 で流れており、ポンプ
で吸入口から吸い込まれようとする流速がV3 である。
このうち流速V1 は、スクリーン8のすのこ状プレート
が流れに対して滑らかな斜め面(やや流線型)をしてい
ることで、異物は斜め面以降から流速V2 に急増する
(翼形状の浮上原理と同様)。これにより浮遊物の従来
の流速V1 より今回の流速V2 の方が吸入口への吸い込
み方向との相対速度比(V2 /V3 )が小さくなり、吸
入されにくくなるので、吸入されずに船艇の後方へ流さ
れる異物が多くなる。
【0034】ところで、各種の水中の異物の中でもビニ
ールシート等の軽量物よりワイヤー等の重量があるもの
(慣性が大きい物)に特に有効に作用する。これを式を
用いて説明すると、各流速はV1 <V2 <V3 であり、
斜面がない一般の平なプレートを用いたスクリーンの場
合、吸入口の流速との相対速度比はV1 /V3 であり、
本実施例のスクリーン8の場合の相対速度比はV2 /V
3 となる。ここで両者は(V1 /V3 )>(V2 /V3
)となり、相対速度比が小さくなることで従来の流速
V1 の時よりも今回の流速V2 にした方が、流速V3 の
吸入口への流入が減少することがわかる。
【0035】また、スクリーン8の各プレート8Bの高
さ(厚み)を交互に変えたことによりスクリーン8に異
物が当たり、プレート8Bや外枠8Aに付着したとき、
図9に示すように、木片25等は各々のプレート8Bに
交互に接触することで各プレート8Bを交互に配設しな
かった場合より、接触面積が約半分減少することにな
る。付着接触面積が減ることは付着力が減少し、航行に
よる水流でスクリーン8からはがされる割合が高くな
る。これは各種の水中の異物の中でもビニールシート等
の軽量物に特に有効に作用する。このように、本実施例
によれば航行中スクリーン8に付着した異物を航行によ
る水流ではがし、付着量を減少させることができる。
【0036】図11は本発明の第4実施例(請求項4対
応)の断面図、図12は図11の下面の断面図である。
図11および図12は、本実施例であるウオータージェ
ット推進機の異物吸入防止装置とその運転方法を説明す
るものであり、その特徴は、吸入口3の船首側で船底か
ら吸入口3の上部まで迫り出したフード(翼)26を船
体底部2へ固着させている点である。
【0037】次に、本実施例の運転方法を図11および
図12を参照して説明する。本実施例によると、浮遊物
はスクリーン8の斜面を流れる場合は、前述の説明と同
様に、船艇が航行すると船底の流速はV1 であり、ポン
プで吸入口3から吸い込まれようとする流速がV3 であ
る。このうち流速V1 は、翼(フード)26が流れに対
して滑らかな斜め面(やや流線型)をしていることで異
物は斜め面以降から流速V2 に急増する(翼形状の浮遊
原理と同様)。
【0038】これにより、翼26がない(流速V1 の
時)より翼26がある時(流速V2 の時)の方が、吸入
口3への吸い込み速度との相対速度比(V1 /V3 )が
小さくなり、吸入されにくくなり吸入されずに船艇の後
方へ流される異物が多くなる。
【0039】各種の水中の異物、中でもビニールシート
等の軽量物よりワイヤ等の重量があるもの(慣性が大き
い物)に特に有効に作用する。これを式を用いて説明す
ると、V1 <V2 <V3 であり、翼26がない平の場合
の吸入口3への吸い込み速度との相対速度比はV1 /V
3 であり、本実施例の翼26のある吸入口3の場合の相
対速度比はV2 /V3 となる。
【0040】ここで、両者は(V1/V3 )>(V2 /
V3 )となり相対速度比が小さくなることで翼のない流
速V1 の時よりも翼を設けた本実施例の流速V2 にした
方が流速V3 の吸入口3への流入が減少することがわか
る。このように、本実施例によれば航行中水中の浮遊し
ている異物で吸入口へ吸い込まれる異物量を減少させ
る。
【0041】図13は本発明の第5実施例(請求項5対
応)の側面図、図14は図13の切り替え弁28A,2
8B部分の詳細な断面図である。図13および図14に
おいて、吸入口3からダクト4の途中で分岐されてお
り、一方はポンプ羽根7室へ、他方は逃がし管29とし
て外部へ抜けており、分岐部付近に各々に両者の流れを
切り替える切り替え弁28A,28Bを設けている。切
り替え弁28A,28Bはリンクで連結した油圧シリン
ダ27A,27Bによって制御される。
【0042】また、船首方向の船体底部2の付近で吸入
口3と一直線に結んだ位置に、2個の超音波センサ11
Aおよび吸入口3の内部に超音波センサ11Bを配設し
ている。超音波センサ11Aの情報を入力し、切り替え
弁28A,28Bの駆動機構に指示し、全体管理するコ
ントローラ13を配置している。
【0043】次に、本実施例の運転方法を図15のフロ
ーチャートを参照して説明する。原動機5が回転して船
体1が航行する(ステップS1)と、常に超音波センサ
11Aは超音波を規定深さ(水中を浮遊する異物が吸入
口から吸い込まれる最大深さ、吸入口3との距離のこと
であり、ポンプの吸い込み能力でこの深さもしくは距離
は主に変わる)まで水底へ向けて発射している。この超
音波は規定深さまで水中に浮遊している異物に当たると
反射音波が戻ってくる。この反射波形を受ける(ステッ
プS2)と、この波形形状からこの異物を吸入すると、
ポンプ羽根7の破損,巻き付き等の船艇に害を生じるか
どうかをコントローラ13で判定する。
【0044】この判定基準は既に実験等から決めた有害
となる限界の波形形状をコントローラ13のメモリに入
れておき、これと実際の異物からの反射波の波形形状と
の画像の比較から有害,無害を判定する(ステップS
3)。
【0045】害ありと判定すると、コントローラ13か
ら直ちに2つの切り替え弁28A,28Bの作動信号が
出力され、図示しないポンプによって常時加圧され、内
蔵された図示しない加圧タンクの油が電磁弁の切り替え
により油圧シリンダ27A,27Bに入り、これにリン
クで連結した切り替え弁28A,28Bの切り替え作動
が開始される。
【0046】通常は、切り替え弁28Aが開き、切り替
え弁28Bが閉じて航行しているが前述のコントローラ
13の切り替え指示信号で油圧シリンダ27Aが作動し
切り替え弁28Aを閉じ始め、油圧シリンダ27Bが作
動し切り替え弁28Bが開き始める。これによりポンプ
羽根7側に流れていた水流が2つの切り替え弁28A,
28Bの作動で逃がし管29へ切り替わっていく(ステ
ップS4)。
【0047】吸入口3の付近の超音波センサ11Bが異
物の通過を検出する(ステップS5)と、前述の2つの
切り替え弁28A,28Bの作動で切り替え作業は完了
し、ポンプ羽根7側へ流れていた水が止まり、他方の逃
がし管29へ流れる。
【0048】超音波センサ11Aが異物を検出して、あ
る規定時間内(異物が超音波センサ11Aから超音波セ
ンサ11Bまでの通過時間)に超音波センサ11Bが異
物の通過を検出しなければ(ステップ6,ステップ
7)、異物は吸入されなかったと判断し、直ちに2つの
切り替え弁28A,28Bは元に復帰を開始する。
【0049】また、超音波センサ11Bが異物検出をや
め、さらに超音波センサ11Aが異物が害無(ステップ
S3)、または非検出の信号が出れば、前記の切り替え
の逆の作業を行い、ポンプ羽根側7へ水流が切り替わり
(ステップS8,ステップS9)通常航行状態になる。
【0050】このように、本実施例によれば、航行中水
中に浮遊している異物を超音波センサで検出,判定し、
ポンプ羽根7側のダクト3への流量を阻止し、他方の逃
がし管29へ切替え、異物を外部に放出することで、ポ
ンプ羽根7への異物の吸入を防止することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
航行中、水中の浮遊物を吸い込むことで航行不能となっ
て船艇を停止させることがなくなり、安定した航行がで
きる。また、航行中、水中の浮遊物を吸い込むことを防
止でき、逆転作動によりスクリーンに付着の異物をとる
ことができ、異物除去作業の頻度を減少できる。
【0052】さらに、航行中、水中の浮遊物を吸い込み
スクリーンの目詰まりで吸入口への塞ぎが発生した場
合、他のスクリーンへ自動交換することで、航行途中に
停止して異物の除去作業をなくすことで安定航行でき
る。また、交換した目詰まりのスクリーンは水中の異物
除去作業でなく、水面上で行うことができるので作業効
率が上がる。しかも、航行中、吸入口への水中の浮遊異
物の吸い込み量が減少し、これによりスクリーンの目詰
まりするまでの使用時間が増加、このため目詰まりでの
交換作業頻度が減り、交換して行う異物除去作業が減少
し作業効率向上と安定航行が可能となる。
【0053】さらにまた、水中の浮遊物を吸い込むこと
を防止するスクリーンが不要であり、目詰まりしたスク
リーンの交換作業,異物除去作業がなくなり作業効率向
上と安定航行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の側面図。
【図2】図1の締切機構の断面図。
【図3】図1の運転方法のフローチャート。
【図4】本発明の第2実施例の側面図。
【図5】図4のスクリーン部の詳細な断面図。
【図6】図4のスクリーン部の全体平面図。
【図7】図4の第2実施例の変形例の断面図。
【図8】本発明の第3実施例の側面図。
【図9】図8の正面図。
【図10】図8のスクリーン部の詳細な断面図。
【図11】本発明の第4実施例の断面図。
【図12】図11の下面の平面図。
【図13】本発明の第5実施例の側面図。
【図14】図13の切り替え弁の詳細な断面図。
【図15】図14の運転方法のフローチャート。
【図16】従来のウオータージェット推進機の異物吸入
防止装置の側面図。
【符号の説明】
1…船体、2…船体底部、3…吸入口、4…ダクト、5
…原動機、6…推進軸、7…ポンプ羽根、8…スクリー
ン、8A…外枠、8B…プレート、9…ディフューザ、
10…ダクト、11…超音波センサ、12…締切機構、
13…コントローラ、14…盲プレート、15…油圧シ
リンダ、16…リニアガイドレール、17…パッキン、
18…ガイドレール、19,19A,19B…モータ、
20…スプロケット、21…水中カメラ、22…コッ
タ、23…車輪、24…チェーン、26…翼(フー
ド)、27A,27B…油圧シリンダ、28A,28B
…切り替え弁、29…逃がし管。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船底に設けた吸入口と、前記吸入口から
    水を吸い込ませた水流を加圧するポンプ羽根を駆動する
    ポンプと、前記ポンプ羽根で加圧した水流を船体の進行
    方向後方へ噴流させるダクトを備えたウオータージェッ
    ト推進機において、水中に浮遊する浮遊物等の異物を規
    定深さ内で検出判別するセンサーと、前記吸入口近傍に
    設けた異物浸入防止用スクリーンと、前記スクリーン付
    近で吸入口を盲する盲プレートとを設け、前記センサの
    異物検出判定情報により前記ポンプを停止又は逆回転作
    動させて、前記盲プレートによる前記吸入口の締切作動
    を行うことを特徴とするウオータージェット推進機異物
    吸入防止装置。
  2. 【請求項2】 船底に設けた吸入口と、前記吸入口から
    水を吸い込ませた水流を加圧するポンプ羽根を駆動する
    ポンプと、前記ポンプ羽根で加圧した水流を船体の進行
    方向後方へ噴流させるダクトを備えたウオータージェッ
    ト推進機において、前記吸入口近傍に設けた異物浸入防
    止用スクリーンに付着した異物を検出する検出センサ
    と、前記吸入口から前記船底に沿ったガイドレールと、
    前記ガイドレールにガイドされる前記複数のスクリーン
    と、前記複数のスクリーンを前記ガイドレールに固定す
    るスクリーン固定機構と、前記検出センサーの検出情報
    と前記ポンプの吸い込み性能低下検出信号および前記吸
    入口付近に設置した水中カメラのスクリーン詰まり撮像
    情報とにより前記スクリーン固定機構をはずして水中か
    ら前記スクリーンを取り出し、他のスクリーンと移動交
    換することを特徴とするウオータージェット推進機異物
    吸入防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のウオータ
    ージェット推進機異物吸入防止装置において、前記スク
    リーンは、外枠とこの外枠の間をすのこ状に取り付けた
    平板で構成され、前記吸入口への吸入方向に対し凹凸状
    に配設され、かつ推進方向に対して斜め又は流線型に配
    設されていることを特徴とするウオータージェット推進
    機異物吸入防止装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のウオータ
    ージェット推進機異物吸入防止装置において、前記吸込
    口の推進方向の前部の前記船底から迫り出された翼又は
    フードを設けたことを特徴とするウオータージェット推
    進機異物吸入防止装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載のウオータ
    ージェット推進機異物吸入防止装置において、前記吸入
    口の船体の前進方向の直線上位置と前記吸入口の入口付
    近とに設けた異物を検出する検出センサと、前記吸入口
    と前記ポンプ羽根部までの途中に外部に通じた逃がし管
    を設けた分岐管と、前記分岐管の分岐点位置に水流を前
    記ポンプ側と前記逃がし管側とに切り替える切り替え弁
    とを設けたことを特徴とするウオータージェット推進機
    異物吸入防止装置。
JP12344394A 1994-06-06 1994-06-06 ウオータージェット推進機異物吸入防止装置 Pending JPH07329884A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104332091A (zh) * 2014-11-20 2015-02-04 江苏科技大学 泵喷水推进器的简易实验装置
CN108839786A (zh) * 2018-06-27 2018-11-20 深圳市中科金朗产业研究院有限公司 入水口除污装置、喷水推进器及除污方法

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