JPH07328704A - 鋼片の連続熱間圧延方法 - Google Patents

鋼片の連続熱間圧延方法

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JPH07328704A
JPH07328704A JP12368694A JP12368694A JPH07328704A JP H07328704 A JPH07328704 A JP H07328704A JP 12368694 A JP12368694 A JP 12368694A JP 12368694 A JP12368694 A JP 12368694A JP H07328704 A JPH07328704 A JP H07328704A
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Takeshi Hirabayashi
毅 平林
Hirosuke Yamada
博右 山田
Hideyuki Nikaido
英幸 二階堂
Shigeru Isoyama
茂 磯山
Toshiaki Amagasa
敏明 天笠
Katsuhiro Takebayashi
克浩 竹林
Kazuya Tsurusaki
一也 鶴崎
Mitsumasa Tsukada
光政 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱間圧延設備の入側にて、先行して搬送する
鋼片の後端部とこの鋼片に引き続いて搬送する鋼片の先
端部とを誘導加熱し、互いに向けて押圧して接合した
後、圧延を行う方法において、幅方向端部の接合不良に
起因して接合部が破断することを回避して、連続的な熱
間圧延を安定して行うことのできるようにする。 【構成】 鋼片幅方向端部に残る未接合領域の長さL
(mm)を、鋼片幅W(mm)及び熱間圧延設備のスタンド
間張力T(kgf/mm2 )との関係で次式 L≦W(5−T)/5 を満足させる。具体的には、磁極間距離Dを調整すれば
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼片の連続熱間圧延
方法に関し、特に良好な接合を行うことのできる方法を
提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延ラインにおいては、圧延
すべき鋼片を同時に複数本加熱しておき、この加熱の完
了後、一本ずつ粗圧延、次いで仕上圧延を行って所望の
板厚になる熱延板に仕上げていたが、かような圧延方式
では、仕上圧延の際に、圧延素材の噛み込み不良による
ライン停止を惹き起こし易く、また、圧延素材の先端
部、後端部の形状不良に由来した歩留まり低下が大きい
ため、このような問題を回避するために、仕上圧延に先
立ってこれらの鋼片の後端部、先端部を順次につなぎ合
わせ、これを仕上圧延に連続的に供給する圧延方法の実
現が望まれていた。
【0003】そのため、先行して圧延に供する鋼片(以
下、先行鋼片という)の後端部と、これに引き続いて圧
延に供する鋼片(以下、後行鋼片という)の先端部とを
接合する方法について、数々の試みがなされてきてい
る。これら種々の試みは、いずれも熱間圧延というプロ
セスに特徴的な工業的、技術的要求や、熱間圧延製品に
特徴的な品質要求を満足しつつ、確実に両鋼片を接合す
る必要があるため、それを意識したものとなっている。
【0004】すなわち、熱間圧延では、鋼片の圧延処理
に要する時間が、通常1本につき数十秒程度と、短いサ
イクルタイムであるために、鋼片の後端部、先端部を接
合する処理のために許される時間は数秒〜十数秒程度で
ある。接合処理にそれ以上の時間がかかると、一本当た
りの圧延処理サイクルタイムがいたずらに長時間化する
ことになって生産能率を落とす他、材料の温度が降下し
過ぎて、製品は所望の機械的性質が得られない場合もあ
るからである。
【0005】さらに、鋼片の接合には、熱間圧延製品の
良好な表面品質を確保すること、あるいは鋼片接合部分
の圧延時にロール表面に疵をつけ、それが被圧延鋼片の
表面に転写されるのを防止すること、といった観点か
ら、鋼片接合部分の接合処理後の形状変化が少ないこ
と、溶鋼飛散あとがない鋼片表面清浄性が確保されるこ
とといった技術的要求もあった。
【0006】これらの技術的要請を受け、短時間で鋼片
の後端部、先端部を接合することができ、しかも接合処
理後は、鋼片接合部分の形状変化が少なく、溶鋼飛散あ
と等がない鋼片表面清浄性を確保できる鋼片の接合方法
として、熱間圧延設備の入側にて、先行鋼片の後端部及
び後行鋼片の先端部を間隙をあけて対向させ、この対向
させた鋼片の後・先端部を挟んで配置する少なくとも1
対の誘導加熱用コイルから鋼片の厚み方向に貫く交番磁
界をかけることにより生ずる誘導電流によって前記鋼片
の後・先端部を加熱し、互いに向けて押圧して接合する
方法が開発され、特開昭62−234679号公報に記
載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭62−
234679号公報に記載された方法によれば、接合し
ようとする鋼片を上下に挟む配置になる誘導加熱用コイ
ル間の交番磁界によって鋼片に生ずる誘導電流に着目し
てみれば、対向させた鋼片の後、先端部近傍において、
幅方向端部を流れる電流が、幅方向中央部近傍における
電流に比べて小さい。そのため、突き合わせ接合面にお
いては、鋼片幅方向端部の昇温速度が、幅方向中央部近
傍の昇温速度よりも低くなり、この幅方向中央部近傍が
接合に適した温度に達したとしても、幅方向端部ではそ
の温度にまで達していないから、かような状態の鋼片を
突き合わせ押圧しても、幅方向端部は十分な強度で接合
するには至らなかった。また、幅方向端部が中央部より
も低温なため相対的に軟化していず、押圧に際して幅方
向端部がこの押圧力に抵抗するため、高温で軟化してい
る幅方向中央部へも、必要とされる接合強度を得るだけ
の十分な押圧力をかけ難かった。
【0008】これらの不都合から、鋼片の幅方向端部及
びその近傍においては、接合後の強度が、この領域以外
の領域、すなわち幅方向中央寄りの領域に比べて弱く、
接合後の熱間圧延の際には、接合強度が低い鋼片幅方向
端部にまず亀裂が生じ、この亀裂が中央部に向けて進展
してゆき、ついには接合部の全幅にわたって破断に至っ
てしまう結果、ラインの停止を招くという問題があっ
た。
【0009】このような鋼片幅方向端部を、接合に適す
る温度まで昇温させるために、長時間誘導加熱を行うこ
とも考えられるが、かかる場合は鋼片幅方向中央部が過
熱されて、融け落ちる問題があるばかりか、投入電力も
嵩む問題があった。
【0010】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、かかる幅方向端部の接合不良に起因して接合部
が破断することを回避して、連続的な熱間圧延を安定し
て行うことのできる鋼片の連続熱間圧延方法を提案する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、熱間圧延設
備の入側にて、先行して搬送する鋼片の後端部とこの鋼
片に引き続いて搬送する鋼片の先端部とを間隙を隔てて
対向させ、この対向させた鋼片の後・先端部を厚み方向
に挟んで配置する少なくとも1対の誘導加熱用コイルか
ら鋼片を貫く交番磁界をかけることにより生ずる誘導電
流によって前記鋼片の後・先端部を加熱し、互いに向け
て押圧して接合した後、圧延を行う方法において、鋼片
幅方向端部に残る未接合領域の長さL(mm)を、鋼片幅
W(mm)及び熱間圧延設備のスタンド間張力T(kgf/mm
2 )との関係で次式 L≦W(5−T)/5 を満足させることを特徴とする鋼片の連続熱間圧延方法
である。
【0012】この発明で接合することを想定している鋼
片の幅は、およそ600 mm以上であり、また、接合後に熱
間圧延を行う際の圧延設備のスタンド間張力は、諸条件
を考慮すると3kgf/mm2 程度は必要である。そこで、こ
のような条件の下でこの発明では、未接合部の長さLを
240 mm以下にする。
【0013】ここにおいて、上記鋼片幅方向端部に残る
未接合領域の長さL(mm)と一対の誘導加熱用コイルに
おける磁極間距離D(mm)とが次式 L=0.00227 ×D2 の関係になり、この磁極間距離Dを調整することによ
り、未接合領域の長さLを所定範囲内にすることができ
る。より具体的には、Dを325 mm以下にする。
【0014】なお、この発明において、鋼片幅方向端部
に残る未接合領域の長さLは、幅方向両端に生ずる未接
合部の長さの総量をいい、熱間圧延設備のスタンド間張
力Tは、接合部ではなく、定常部における張力をいう。
【0015】
【作用】以下、この発明を図面を用いてより具体的に説
明する。図1に、鋼片を接合するための加熱方法の一例
を模式的に示す。図中1は先行鋼片、2は後行鋼片であ
る。この先行鋼片1を、クランプ3a,3b により挟持
し、同様に後行鋼片2を、クランプ4a,4b により挟持
して、先行鋼片1の後端部と後行鋼片2の先端部とが小
ギャップをあけて対向するように配置する。この先行鋼
片1の後端部と後行鋼片2の先端部とが対向している位
置に、これらの鋼片を上下に挟むように一対の誘導加熱
用コイル5を配置し、この誘導加熱用コイル5から鋼片
の厚み方向に貫く交番磁界を印加して先行鋼片1の後端
部及び後行鋼片2の先端部の双方に誘導電流を生起させ
ることによって、先行鋼片1の後端部及び後行鋼片2の
先端部とを加熱する。
【0016】このような加熱法を用いて、鋼片の接合実
験を行った。先行鋼片及び後行鋼片に、極低炭素鋼(厚
み:30mm、幅:600 mm、)を用い、この先行鋼片の後端
部と後行鋼片の先端部とを5mmの間隙をあけて対向さ
せ、この対向させた領域に、誘導加熱用コイル(コイル
断面における幅:1000mm、長さ:240 mm、鋼片を挟んだ
磁極間の距離:210 mm)から交番磁界を、周波数:650
Hz、投入電力:588 kWの条件で印加して12.5秒間加熱
し、次いで押圧力2kgf/mm2 でこれらの鋼片を押圧する
ことで接合を完了した。この実験の加熱に際して、各鋼
片の突き合わせ面から1.5mm 後退した面の厚み方向中心
における昇温速度について、鋼片幅方向に測定した。そ
の結果を鋼片側縁からの距離で図2に示す。
【0017】図2からも明らかなように、鋼片側縁から
100 mm程度(両幅合計では200 mm程度)の範囲は、それ
以外の領域に比べて昇温速度が低かった。したがって、
幅方向端部では接合に適した温度に達していないから、
かような状態の鋼片を突き合わせ押圧しても、幅方向端
部は十分な強度で接合するには至らなかった。また、幅
方向端部が中央部よりも低温なため相対的に軟化してい
ず、押圧に際して幅方向端部がこの押圧力に抵抗するこ
とも、幅方向端部が必要とされる接合強度を得るための
妨げになっていた。これにより、接合後には、図3に示
すように接合部の幅方向両端部に未接合部6が残ってし
まい、圧延の際は、この未接合部6から亀裂さらに進展
してゆき、ついには鋼片の破断に至っていたのである。
【0018】そこで発明者らは、図3に示す両幅端部の
未接合部長さをどの程度まで抑制できれば、その後の圧
延による接合鋼片の破断を防止することができるかを調
べた。まず、図4に示すような実験を行った。すなわ
ち、2台の圧延機7及び8をタンデムに配置し、両幅端
部に未接合部の存在する被圧延材を上記の2台の圧延機
7,8間の張力を所定の値に保ちながら圧延する実験で
ある。
【0019】かような実験において、2台の圧延機間の
張力を種々の値で実験した結果、張力が、ある一定値を
超えると、両幅端部の未接合部から亀裂が進展していっ
て破断に至ることが分かった。さらに、破断は、全て第
1番目スタンドのロールバイトのすぐ出側で起こってい
ることが分かった。このことは、両幅端部に未接合部が
存在する被圧延材を圧延する際に破断が生ずるか否か
は、圧延(ロールバイト)による変形ではなく、第1番
目と第2番目の圧延機間に働く張力によって決定される
ということを示している。
【0020】次に、この被圧延材の破断応力に及ぼす未
接合部の影響を調べてみた。この調査では、未接合部の
最大許容値を調べるべく、最も破断応力が小さい材料す
なわち極低炭素鋼を被験材に用いた。被験材の温度は80
0 ℃であった。その結果を図5に示す。破断応力が最も
小さい極低炭素鋼の場合、未接合部が全くなければ接合
部の破断応力は定常部(接合部でない、という意味)の
破断応力値と等しく、6kgf/mm2 であるが、未接合部
が、片側あたり50mm以上(両側にて100 mm以上)存在す
れば、接合部の破断応力は5kgf/mm2 であって、未接合
部が全くない場合に比べて約80%に低下することが分か
った。(上記の応力値5kgf/mm2 は、定常値(接合部で
ない、という意味)応力×接合部の「板厚×板幅」/定
常部の「板厚×板幅」の値)
【0021】このように、鋼片の幅方向両端に未接合部
が存在することによって接合部の破断応力が低下する理
由は、図6にスタンド間張力による引張応力の鋼片幅方
向分布を示すように、スタンド間張力によって、被圧延
材に働く応力が未接合部(いうなれば切り欠き)の開始
する部分に集中するためと推定される。
【0022】図5に示された結果から、未接合部が片側
あたり50mm以上残存する場合に、定常部のスタンド間張
力に対して、許容できる片側あたりの未接合部の長さが
どれだけであるかを示したのが、図7である。この図7
からも分かるように、鋼片の幅が狭いほど、全幅に対す
る未接合幅の割合が大きくなるために許容未接合幅が小
さくなる。鋼片幅W(mm)の場合の片側あたりの許容未
接合長さをw(mm)、定常部のスタンド間張力をT(kg
f/mm2 )とすると、 T×{W/(W−2w)}≦5(kgf/mm2 ) … (1) よって、w≦W(5−T)/10 … (2) であれば、スタンド間張力によって破断することはな
い。ここで、鋼片幅方向に残る未接合領域の長さ、換言
すれば両側の未接合部の長さLは、L=2wであるか
ら、(2) 式は、 L≦W(5−T)/5 … (3) で表すことができる。すなわち、接合しようとする鋼片
幅W及びスタンド間張力Tに応じて(3) 式を満たすよう
な未接合部であれば、圧延時の破断を完全に防止できる
ことがこの発明により判明したのである。
【0023】(3) 式から、鋼片幅方向に残る未接合領域
の長さLの最大値を求める。この発明で接合することを
想定している鋼片幅Wの下限は、600 mmである。また、
スタンド間張力が3kgf/mm2 未満では、張力制御が困難
であるのでスタンド間張力の下限は3kgf/mm2 である。
これらの値を代入して、 L≦600 ×(5−3)/5=240 (mm) … (4) すなわち、未接合領域の長さLが240 mm以下であれば、
どのような条件であっても圧延による破断を招くことが
ないのである。
【0024】次に、(3) 式を満足するような未接合領域
の長さにするための具体的手段について説明する。発明
者らは、上述したような未接合領域の長さの限界値を求
める実験の過程で、誘導加熱用コイルにおける磁極間距
離が、かかる未接合領域の長さとは密接な関係にあるこ
とを見出した。その関係について図8にグラフで示す。
図8からも明らかなように、鋼片幅方向端部に残る未接
合領域の長さL(mm)は、一対の誘導加熱用コイルにお
ける磁極間距離D(mm)の二乗に比例し、次式 L=0.00227 ×D2 …(5) の関係になる。そこで、(5) の関係式を用いて、未接合
領域の長さが、鋼片幅及びスタンド間張力との関係で前
記(3) 式を満足するように磁極間距離Dを調整して誘導
加熱を行うことで、圧延時の破断を確実に回避すること
ができる。
【0025】また、前記(4) 式を満足するような磁極間
距離Dは、上記(5) 式にL=240 mmを代入して 240 ≧0.00227 ×D2 ∴D≦325 すなわち、磁極間距離Dを325 mm以下にすることによ
り、いかなる条件であっても、未接合領域が残存しても
圧延により破断を来すことはないのである。
【0026】このように、誘導加熱用コイルの上下磁極
間距離が長くなると、未接合領域の長さが長くなる原因
は、図9に磁極間距離が小さい場合(同図(a) )及び大
きい場合(同図 (b))での磁束を模式的に示すように、
誘導加熱用コイルの磁極間距離が長くなるほど、鋼片を
貫通せずに漏洩する磁束の割合が大きくなるため、鋼片
幅方向端部における磁束貫通密度が小さくなるためと推
測される。
【0027】以上、磁極間距離Dを調整することにより
未接合領域の長さを所定範囲内にする方法について述べ
たが、この発明では、この例に限らず、前記(3) 式から
判るように、ルーパによりスタンド間張力を制御するこ
とにより述べたが、この発明では、ルーパーの張力を低
減することで未接合領域先端を起点とした亀裂の進展、
破断を防止することもできる。
【0028】
【実施例】熱間圧延の圧延設備の入側にて、先行鋼片と
後行鋼片とを接合した。この先行鋼片、後行鋼片はいず
れも極低炭素鋼であり、鋼片サイズは厚み30mm、幅600
mm、長さ6000mm、鋼片温度は900 ℃である。かかる先行
鋼片と後行鋼片との間に微小ギャップ(5mm)を形成し
た状態で両鋼片を対向させ、誘導加熱用コイルに交流を
通電して両鋼片を垂直方向に貫通する交番磁界を印加し
て加熱を行った。この誘導加熱用コイルの鋼片に平行な
断面のサイズは幅1000mm、長さ240mm であり、上下の磁
極間距離は、210 mmとした。また、交番磁界の周波数は
650 Hz、投入電力は600 kWとした。このような誘導加熱
を12.5秒間行った後、押圧変位量5mmで接合を完了させ
た。
【0029】次に、接合した先行鋼片及び後行鋼片を、
連続的に6スタンドの熱間仕上圧延に供した。このスタ
ンド間張力は最大となるスタンド間で3kgf/mm2 であっ
た。その結果、接合部が破断することは皆無であった。
【0030】
【発明の効果】この発明の鋼片の連続熱間圧延方法は、
鋼片幅方向端部に残る未接合領域の長さL(mm)を、鋼
片幅W(mm)及び熱間圧延設備のスタンド間張力T(kg
f/mm2)との関係で次式L≦W(5−T)/5を満足さ
せるようにしてから圧延に供することから、圧延時に接
合部から破断が生ずることを完全に防止することができ
るようになった。
【0031】また、上式の関係を満足させるために磁極
間距離Dを制御手段とすることで、簡便な制御で未接合
領域の長さを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼片を接合するための加熱方法の一例を示す模
式図である。
【図2】従来の鋼片接合方法による、鋼片端部における
昇温速度の幅方向分布を示す図である。
【図3】従来の鋼片接合方法による接合後の鋼片を示す
図である。
【図4】両幅端部に未接合部が存在する鋼片を、2スタ
ンドタンデム圧延実験をした様子を模式的に示した図で
ある。
【図5】被圧延材の破断応力に及ぼす未接合部長さの影
響を示すグラフである。
【図6】スタンド間張力による引張応力の鋼片幅方向分
布を示す図である。
【図7】未接合部が片側あたり50mm以上残存する場合
に、定常部のスタンド間張力と許容できる片側あたりの
未接合部の長さとの関係を示すグラフである。
【図8】誘導加熱用コイルにおける磁極間距離と未接合
領域の長さとの関係を示すグラフである。
【図9】磁極間距離が小さい場合(同図(a) )及び大き
い場合(同図 (b))での磁束を模式的に示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 先行鋼片 2 後行鋼片 3a,3b クランプ 4a,4b クランプ 5 誘導加熱用コイル 6 未接合部 7 圧延機 8 圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 毅 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 博右 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 磯山 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 天笠 敏明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 竹林 克浩 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 鶴崎 一也 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 塚田 光政 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社伊丹製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延設備の入側にて、先行して搬送
    する鋼片の後端部とこの鋼片に引き続いて搬送する鋼片
    の先端部とを間隙を隔てて対向させ、この対向させた鋼
    片の後・先端部を厚み方向に挟んで配置する少なくとも
    1対の誘導加熱用コイルから鋼片を貫く交番磁界をかけ
    ることにより生ずる誘導電流によって前記鋼片の後・先
    端部を加熱し、互いに向けて押圧して接合した後、圧延
    を行う方法において、 鋼片幅方向端部に残る未接合領域の長さL(mm)を、鋼
    片幅W(mm)及び熱間圧延設備のスタンド間張力T(kg
    f/mm2 )との関係で次式 L≦W(5−T)/5 を満足させることを特徴とする鋼片の連続熱間圧延方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼片幅Wが600 mm以
    上、熱間圧延設備のスタンド間張力Tが3kgf/mm2 以上
    の場合に、未接合領域の長さLを240 mm以下にすること
    を特徴とする鋼片の連続熱間圧延方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、鋼片幅方向端
    部に残る未接合領域の長さL(mm)と一対の誘導加熱用
    コイルにおける磁極間距離D(mm)とが次式 L=0.00227 ×D2 の関係になり、この磁極間距離Dを調整することによ
    り、未接合領域の長さLを所定範囲内にすることを特徴
    とする鋼片の連続熱間圧延方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、一対の誘導加
    熱用コイルにおける磁極間距離Dを325 mm以下にするこ
    とにより、未接合領域の長さLを所定範囲内にすること
    を特徴とする鋼片の連続熱間圧延方法。
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