JPH073285B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は手動開弁型電磁安全弁を開弁状態に保持する炎
検知回路と熱発電素子とを備えた燃焼制御装置に関す
る。

（従来の技術） この種装置として、バーナへのガス供給路に介設され点
火操作に連動して開弁する電磁安全弁と、点火操作に連
動して作動する点火回路と、該電磁安全弁のコイルに接
続され該バーナで加熱される熱発電素子と、該バーナの
炎を検知したとき作動する炎検知回路とを備え、熱発電
素子から所定起電力を生じるまでは炎検知回路の作動に
よる電源からの電力で、所定起電力を生じたときはこの
起電力で該電磁安全弁を開弁状態に保持してバーナの燃
焼を継続させるようにしたものは提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来装置は点火操作を瞬時に終える
と具体的には例えば操作子の押圧操作を瞬時に解除する
と、電磁安全弁が開弁し、バーナにガスが供給されると
共に点火回路が瞬時だけ作動されるもので、燃焼器の使
用開始の際（以下これを「コールドスタート」と称
す。）には、バーナがその瞬時に着火してもしなくても
問題はないが、燃焼器の使用中バーナの消火操作を行な
い、その後直ちにバーナの再点火操作を行なう際（以下
これを「ホツトスタート」と称す。）には、バーナがそ
の瞬時に着火されないときでも、残存する熱により熱発
電素子から所定起電力が発生され続け、これにより電磁
安全弁が開弁状態に保持されるため、生ガスが放出され
て危険であるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はバーナの上記した危険な状態を無くすことので
きる装置を提供しようとするものであつて、バーナへの
ガス供給路に介設され点火操作に連動して開弁する電磁
安全弁と点火操作に連動して作動する点火回路と、該電
磁安全弁のコイルに接続され該バーナで加熱される熱発
電素子と、点火操作に連動して該熱発電素子から所定起
電力が発生されるまでの一定時間作動する第１タイマ回
路と、該第１タイマ回路の作動により作動準備状態にお
かれ該バーナの炎を検知したとき作動して前記電磁安全
弁を強制的に開弁保持する炎検知回路とを備えるものに
おいて、該点火回路に、瞬時の点火操作によつてもこれ
の作動を該バーナの着火に必要な所定時間継続させる第
２タイマ回路を組込んだことを特徴とする。

（作用） 本発明は上記構成によるもので、これによれば、瞬時の
点火操作によつても電磁安全弁は開弁し、バーナにガス
が供給されると共に点火回路が第２タイマ回路によりバ
ーナの着火に必要な所定時間作動され、これと同時に第
１タイマ回路が一定時間の作動を開始すると共に炎検知
回路が作動準備状態におかれる。

上記点火操作がコールドスタートの際であれば、バーナ
がその瞬時に着火したときは、炎検知回路が作動して電
源からの電力が電磁安全弁のコイルに供給され、電磁安
全弁が強制的に開弁状態に保持され、次いで熱発電素子
からの所定起電力が該コイルに供給され、該電磁安全弁
が開弁状態に保持されて、バーナの燃焼が継続され、ま
たバーナが瞬時に着火しないときは、当初は第１タイマ
回路が作動していても炎検知回路が作動せず、したがつ
て電源からの電力がコイルに供給されないので、電磁安
全弁は開弁状態に保持されず、速やかに閉弁され、バー
ナは停止状態に維持される。

上記点火操作がホツトスタートの際であれば、残存する
熱により熱発電素子から所定起電力が発生され続け、こ
れにより電磁安全弁が開弁状態に保持されているので、
バーナが瞬時に着火したときは、バーナの燃焼が継続さ
れ、またバーナが瞬時に着火しないときは、第２タイマ
回路の作動により点火回路の作動が所定時間継続される
ので、この所定時間内にバーナは確実に着火され、バー
ナの燃焼が開始される。

したがつて、ホツトスタートの際、点火操作を瞬時行な
つたとしても、バーナの燃焼は確実に開始されるから、
生ガスが放出されることがなくなつて、安全である。

又、周知のように、周囲温度が高く且つガスホース内が
ガスで充満しているホットスタート時には、周囲温度が
低く且つガスホース内のガスが空気と置換している虞が
あるコールドスタート時に比べて、極めて短い放電時間
で着火することができるので、ホットスタート時の生ガ
ス放出防止を目的とした第２タイマ回路の動作時間の設
定は、ホットスタート時の着火に必要とする短い時間で
足りる。そのため、第２タイマ回路の動作により点火回
路が放電して消費する電力はわずかで済む。

（実施例） 次に本発明の実施例を図面に基いて説明する。

図面で（１）はバーナ（２）へのガス供給路（３）に介
設した手動開弁型電磁安全弁を示し、該電磁安全弁
（１）は電力消費の少ない複巻コイル（４）を有し、そ
の一方のコイル（4a）を該バーナ（２）で加熱される熱
発電素子たる熱電対（５）に接続すると共にその他方の
コイル（4b）を電源たる電池（６）に接続する構成とし
た。

該コイル（4b）を電池（６）に接続する回路（７）には
点火回路（８）と第１タイマ回路（９）と炎検知回路
（10）と安全弁駆動回路（11）とを介設した。

該点火回路（８）はコンデンサ（12）と小抵抗値の抵抗
（13）とから成る放電回路（14）及び該コンデンサ（1
2）と大抵抗値の抵抗（15）とから成る充電回路（16）
を備えた第２タイマ回路（17）を組込んだもので、バー
ナ（２）の点火操作の際切換わるホールドスイツチ（2
2）により電池（６）からの電力を発振回路（19）に直
接供給して、これを作動させて点火トランス（20）の二
次側に高電圧を発生させ、この高電圧を点火電極（21）
に印加させて電極間にスパークを生じさせまた点火操作
解除により開く解除スイツチ（18）により所定時間の間
コンデンサ（12）の充電を行なわせ、この所定時間中発
振回路（19）を作動させて上記ホールドスイツチ（22）
によるときと同様に電極間にスパークを生じさせる構成
のものとした。

該第１タイマ回路（９）は点火操作に連動して熱電対
（５）から所定起電力が発生されるまでの一定時間作動
するもので、バーナ（２）の点火操作の際切換わるホー
ルドスイツチ（22）によりコンデンサ（23）（23）を一
定時間充電させ、この間トランジスタ（24）（25）（2
6）を導通させて、該一定時間後段の炎検知回路（10）
に電池（６）の電圧を印加させ、炎検知回路（10）を作
動準備状態にする構成のものとした。

該炎検知回路（10）はフレームロツド式のもので、前記
第１タイマ回路（９）の作動により発振回路（27）を作
動させ、該発振回路（27）からの交流電圧をフレームロ
ツド（28）に印加させ、バーナ（２）が着火されたとき
に炎を介してフレームロツド（28）に流れる整流された
電流によりトランジスタ（29）を不導通にする構成のも
のとした。

該安全弁駆動回路（11）は２個のトランジスタ（30）
（31）と電流制限用の抵抗（32）とコイル（4b）とから
成り、該炎検知回路（10）のトランジスタ（29）が不導
通のときトランジスタ（30）が導通し、スイツイたるト
ランジスタ（31）が導通して電池（６）の電圧をコイル
（4b）に印加させる構成のものとした。

かくするときは、点火操作によつて電磁安全弁（１）は
開弁し、バーナ（２）にガスが供給されると共に点火ス
イツチ（18）が閉じ、点火回路（８）の所定時間の作動
が開始され、これと同時にホールドスイツチ（22）が切
換わり、第１タイマ回路（９）の一定時間の作動が開始
され、電池（６）の電圧がトランジスタ（26）を介して
炎検知回路（10）に印加され、炎検知回路（10）は作動
準備状態におかれる。この場合、点火操作解除後も第２
タイマ回路（17）により所定時間スパークが継続され
る。

ここで上記点火操作がコールドスタートの際であれば、
バーナ（２）が点火回路（８）のスパークにより瞬時に
着火したときは、フレームロツド（28）に整流電流が流
れ、炎検知回路（10）が作動して電池（６）の電圧が安
全弁駆動回路（11）のスイツチたるトランジスタ（31）
を介して電磁安全弁（１）のコイル（4b）に供給され、
該電磁安全弁（１）は第１タイマ回路（９）の一定時間
開弁状態に保持され、次いで電磁安全弁（１）はバーナ
（２）で加熱される熱電対（５）からの所定起電力によ
りコイル（4a）が通電されて開弁状態に保持されてバー
ナ（２）の燃焼が継続される。

また、バーナ（２）が点火回路（８）のスパークにより
瞬時に着火しないときは、フレームロツド（28）に電流
が流れず、炎検知回路（10）が不作動となつて電池
（６）の電圧がコイル（4b）に供給されず、電磁安全弁
（１）は速やかに閉弁され、バーナ（２）は停止状態に
維持される。

上記点火操作がホツトスタートの際であれば、残存する
熱により熱電対（５）からは所定起電力が発生され続
け、これがコイル（4b）に供給され、電磁安全弁（１）
が開弁状態に保持されるので、バーナ（２）が点火回路
（８）のスパークにより瞬時に着火したときは、バーナ
（２）の燃焼が継続される。

また、バーナ（２）が点火回路（８）のスパークにより
瞬時に着火しないときは第２タイマ回路（17）の作動に
より点火回路（８）の作動が所定時間継続されるので、
この所定時間内にバーナ（２）は確実に着火され、バー
ナ（２）の燃焼が開始される。

したがつて、点火操作を十分な時間をかけて行なう場合
は勿論のこと瞬時に行なう場合であつても生ガスの放出
が継続されることがなく安全である。

尚、上記実施例では熱電対（５）の外に熱電対（33）を
用意し、両者（５）（33）を互いに逆極性に接続し、こ
れをコイル（4a）に接続する構成として、バーナ（２）
が酸欠状態になつたとき、熱電対（33）から熱電対
（５）とは逆方向の起電力が発生するようにし、両者
（５）（33）の起電力が相殺されて電磁安全弁（１）が
閉じるようにした。

尚、本実施例では点火操作を行なう操作子としては、プ
ツシユ・プツシユ式のものを用いるもので、押圧解除時
に、解除スイッチ（18）が開かれ、第２タイマ回路（1
7）が作動を開始されるようにしたが、押圧開始時、押
圧中に第２タイマ回路（17）が作動を開始されるように
しても良い。ここで押圧解除時に第２タイマ回路（17）
が作動を開始されるようにした場合には、押圧開始時や
押圧中に第２タイマ回路（17）が作動を開始されるよう
にした場合よりもバーナ（２）の着火をより一層確実に
することができる。また、操作子として押し回し式のも
のを用いることもでき、この場合には、回動終了時に、
解除スイッチ（18）が開かれ、第２タイマ回路（17）が
作動を開始されるようにすることが好ましいが、回動開
始時、回動中に第２タイマ回路（17）が作動を開始され
るようにしても良い。

操作子としてプツシユ・プツシユ式のものを用いた場合
でも押し回し式のものを用いた場合でも消火操作時にホ
ールドスイツチ（22）が元の位置に復帰するようにし
た。

（発明の効果） このように本発明によるときは、コールドスタートの際
には、点火操作時にバーナに着火しなかった場合には、
炎検知回路の働きで点火操作の終了と同時に電磁安全弁
が閉弁され、生ガスの発生が防止される。又、ホットス
タートの際には、点火操作時間が短いためバーナに着火
しなかった場合でも熱発電素子の残存する熱により電磁
安全弁が開弁状態に保持されるが、第２タイマ回路を動
作させて放電を継続させているので、ホットスタート時
の点火を確実なものとして生ガスの放出を防止すること
ができる。従ってコールドスタート時にもホットスター
ト時にも生ガスが放出されることはなく、安全対策上有
利である。

更に、第２タイマ回路はホットスタートのときの再点火
に必要な短時間のみ作動すればよく、電池の寿命を長く
保つことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施の１例を示す回路図である。 （１）…電磁安全弁、（２）…バーナ （３）…ガス供給路、（４）（4a）（4b）…コイル （５）…熱電対（熱発電素子）、（６）…電池（電源） （８）…点火回路、（９）…第１タイマ回路 （10）…炎検知回路、（17）…第２タイマ回路

フロントページの続き (72)発明者 幸村 正彦 愛知県名古屋市中川区福住町２番26号 リ ンナイ株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−143264（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】バーナへのガス供給路に介設され点火操作
   に連動して開弁する電磁安全弁と、点火操作に連動して
   作動する点火回路と、該電磁安全弁のコイルに接続され
   該バーナで加熱される熱発電素子と、点火操作に連動し
   て該熱発電素子から所定起電力が発生されるまでの一定
   時間作動する第１タイマ回路と、該第１タイマ回路の作
   動により作動準備状態におかれ該バーナの炎を検知した
   とき作動して前記電磁安全弁を強制的に開弁保持する炎
   検知回路とを備えるものにおいて、該点火回路に、瞬時
   の点火操作によってもこれの作動を該バーナの着火に必
   要な所定時間継続させる第２タイマ回路を組込んだこと
   を特徴とする燃焼制御装置。