JPH07328363A - バグフィルターにおける破損濾布検出方法 - Google Patents

バグフィルターにおける破損濾布検出方法

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JPH07328363A
JPH07328363A JP6133271A JP13327194A JPH07328363A JP H07328363 A JPH07328363 A JP H07328363A JP 6133271 A JP6133271 A JP 6133271A JP 13327194 A JP13327194 A JP 13327194A JP H07328363 A JPH07328363 A JP H07328363A
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filter cloth
filter
nozzle
dust concentration
row
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JP6133271A
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English (en)
Inventor
Sotoyuki Yamamura
外行 山村
Kenichi Mitsuta
憲一 光田
Yoshihiko Kubo
嘉彦 久保
Kunio Muneishi
邦男 宗石
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SHINKO KANKYO MAINTENANCE KK
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
SHINKO KANKYO MAINTENANCE KK
Kobe Steel Ltd
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルスエア式ダスト払い落とし機構を備えた
バグフィルターにおいて、多数の濾布のうちから破損し
ている濾布を短時間で正確に検出する。 【構成】 各濾布列BRそれぞれの上方に濾布列に沿って
延びるように配設され、濾布列BRを構成する各濾布Bの
開口部に対応する位置それぞれにノズルを有するダスト
払い落としのためのノズル付きパルスエアブロー管BT1
〜BT12を備えたバグフィルターにおいて、排気ダスト濃
度を監視することでバグフィルターの濾布の破損が察知
された場合、前記ノズル付きパルスエアブロー管を利用
して、これら各ノズル付きパルスエアブロー管によりそ
の下方に位置する濾布列の各濾布を通過した濾布通過ガ
スの一部をサンプル用ガスとして吸引し、そのダスト濃
度の測定結果に基づいて、孔のあいた破損濾布が存する
濾布列を検出し、次いでその濾布列うちから破損してい
る濾布を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パルスエアによるダ
スト払い落とし機構を備えたバグフィルター(濾過式集
塵機)において、多数の濾布のうちから破損している濾
布を短時間で正確に検出することができる、バグフィル
ターにおける破損濾布検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バグフィルターは、濾過式集塵機として
一般産業界では広く使用されており、近年では都市ごみ
焼却炉の排ガス処理用としても使用されている。バグフ
ィルターでは、連続して長時間使用し続けると濾布に堆
積したダストによって圧力損失を生じるため、堆積した
ダストの払い落としを行う必要がある。堆積ダストの払
い落とし方式の一つとして、構造が簡単であるという利
点を有するパルスエア方式がある。
【0003】図10は、パルスエアによるダスト払い落
とし機構を備えたバグフィルターの構成を模式的に示す
図である。バグフィルター51は、同図に示すように、
通風ダクトを構成するケース52内に、図における左右
方向に所定ピッチで配設された多数個(図例では4個)
の濾布53によって構成された濾布列が、図の奥行き方
向に並列状に複数設けられたものである(図例では濾布
列としては1列のみが示されている)。ダスト(飛灰)
を含む排ガス(含じんガス)が、支え枠53aによって
支持され円筒袋状に形成された濾布53を通過すると
き、濾布表面で排ガス中のダストが捕集されるようにな
されている。
【0004】さらに、濾布列の上方にその濾布列に沿っ
て延びるように配設され、濾布列を構成する各濾布53
の開口部に対応する位置それぞれにノズル54aを取り
付けてなるノズル付きパルスエアブロー管54を有する
パルスエア式ダスト払い落とし機構が備えられている。
このノズル付きパルスエアブロー管54は、各濾布列そ
れぞれの上方に配設されている。
【0005】そして、バグフィルター51の入口部と出
口部とのガス圧力差(運転圧力損失)を検出してその値
が所定値(例えば150mmAq)に達した時、目詰ま
り状態となっている濾布53の内側に、各濾布列ごとに
配設された前記ノズル付きパルスエアブロー管54の各
ノズル54aより高圧の圧縮エアを瞬間的にパルスエア
として吐出することにより、各濾布53に捕集され付着
しているダストをパルスエアによる衝撃波で払い落とす
ことが行われている。
【0006】ところで、バグフィルターの濾布はその使
用にともない破損するが、濾布が破損したことを早期に
発見しないと、集じん性能を維持できないばかりか重大
な環境汚染につながる。そのため、前記パルスエアによ
るダスト払い落とし機構を有するバグフィルター51に
おいても、その出口側ダクトに排気ダスト濃度計DMを
設けて排気ダスト濃度を連続的に測定し監視すること
で、バグフィルター51の濾布の破損を察知するように
している。
【0007】そして、前記排気ダスト濃度計DMによる
ダスト濃度測定値が排出許容ダスト濃度値を超え、その
ことを示す警報が排気ダスト濃度計DMより出力された
場合には、バグフィルター51及びそのバグフィルター
51が備えられた都市ごみ焼却炉の運転が停止される。
しかる後、バグフィルター51の点検用上蓋を開放し、
破損して孔(穴)のあいた濾布を見つけだすために、多
数の濾布53を一つずつ目視点検することが行われてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、パル
スエアによるダスト払い落とし機構を備えたバグフィル
ターにおいてその排気ダスト濃度を監視することでバグ
フィルターの濾布の破損が察知された場合、多数の濾布
を一つずつ目視点検することで多数の濾布のうちから破
損している濾布を見つけだす方法がとられていたので、
点検作業に長時間を要するとともに点検結果の信頼性が
劣っていた。このため、破損濾布の検出からその修理完
了までに長時間を要し、バグフィルターを備えた都市ご
み焼却炉等の運転休止時間が長くなってしまうという問
題があった。
【0009】そこでこの発明は、パルスエアによるダス
ト払い落とし機構を備えたバグフィルターにおいて、排
気ダスト濃度を監視することでバグフィルターの濾布の
破損が察知された場合に、多数の濾布のうちから破損し
ている濾布を短時間で正確に検出することができ、これ
によって破損濾布の検出からその修理完了までに要する
時間を短縮し、バグフィルターを備えた都市ごみ焼却炉
等を短時間休止するだけで早期に運転再開できるように
した、バグフィルターにおける破損濾布検出方法の提供
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明によるバグフィルターにおける破損濾布
検出方法は、多数個の濾布によって構成された濾布列を
並列状に複数設けて通過気中のダストを捕集する一方、
前記各濾布列それぞれの上方に濾布列に沿って延びるよ
うに配設され、濾布列を構成する各濾布の開口部に対応
する位置それぞれにノズルを有するノズル付きパルスエ
アブロー管を備え、前記各濾布列ごとに前記ノズル付き
パルスエアブロー管の各ノズルより濾布内側にパルスエ
アを吐出することにより、その濾布列の各濾布に付着し
ているダストを払い落とすように構成されたバグフィル
ターにおける破損濾布検出方法において、各ノズル付き
パルスエアブロー管ごとに、その下方に位置する濾布列
の各濾布を通過した濾布通過ガスの一部をサンプル用ガ
スとして吸引してダスト濃度を測定し、そのダスト濃度
測定値と第1設定基準値とを比較して、前記第1設定基
準値より大きいダスト濃度測定値が測定されたノズル付
きパルスエアブロー管を検出し、次いで前記高いダスト
濃度が測定されたノズル付きパルスエアブロー管におい
て、いずれか一つ選択したノズルを除くその残り全部の
ノズルにより、それら各ノズルの真下に位置する濾布を
通過した濾布通過ガスの一部をサンプル用ガスとして吸
引し、そのダスト濃度を測定してダスト濃度測定値と第
2設定基準値とを比較し、この測定・比較動作を前記選
択するノズルを一つずつ変えるごとに行い、その比較結
果に基づいて、前記高いダスト濃度が測定されたノズル
付きパルスエアブロー管の下方に位置する濾布列のうち
から破損している濾布を検出すること、を特徴とするも
のである。
【0011】
【作用】この発明による破損濾布検出方法は、各濾布列
それぞれの上方に濾布列に沿って延びるように配設さ
れ、濾布列を構成する各濾布の開口部に対応する位置そ
れぞれにノズルを有するダスト払い落としのためのノズ
ル付きパルスエアブロー管を備えたバグフィルターにお
いて、排気ダスト濃度を監視することでバグフィルター
の濾布の破損が察知された場合、前記ノズル付きパルス
エアブロー管を利用して、これら各ノズル付きパルスエ
アブロー管によりその下方に位置する濾布列の各濾布を
通過した濾布通過ガスの一部をサンプル用ガスとして吸
引し、そのダスト濃度の測定結果に基づいて、孔(穴)
のあいた破損濾布が存する濾布列を検出し、次いでその
濾布列うちから破損している濾布を検出するように構成
されている。
【0012】この発明による破損濾布検出方法では、バ
グフィルターの排気ダスト濃度を監視することでバグフ
ィルターの濾布の破損が察知されると、まず、各ノズル
付きパルスエアブロー管ごとに、その下方に位置する濾
布列の各濾布を通過した濾布通過ガスの一部がサンプル
用ガスとして吸引されそのダスト濃度が測定されて、ダ
スト濃度測定値と第1設定基準値R1 とが比較される。
第1設定基準値R1 としてバグフィルターの排出許容ダ
スト濃度値を用い、各ノズル付きパルスエアブロー管の
うちから第1設定基準値R1 より大きいダスト濃度測定
値MBH が測定されたノズル付きパルスエアブロー管を
検出することにより、複数の濾布列のうちから破損濾布
が存する濾布列を検出することができる。
【0013】次いで、破損濾布が存する濾布列に対応す
る、前記高いダスト濃度MBH が測定されたノズル付き
パルスエアブロー管において、いずれか一つノズルを選
択し、例えばそのノズル先端口を塞ぐなどして、前記選
択した一つのノズルを除くその残り全部のノズルによ
り、それら各ノズルの真下に位置する濾布を通過した濾
布通過ガスの一部がサンプル用ガスとして吸引され、そ
のダスト濃度が測定されてダスト濃度測定値と第2設定
基準値R2 とが比較される。
【0014】そして、このような測定・比較動作が、第
2設定基準値R2 として前述した破損濾布が存する濾布
列検出の際に測定されたダスト濃度測定値MBH を用い
て、前記選択するノズルを一つずつ変えるごとに行われ
る。その結果、破損している濾布の真上に位置するノズ
ルのノズル先端口が塞がれた場合には、そのときのダス
ト濃度測定値が前記第2設定基準値R2 (R2 =M
H )を下回ることなどにより、前記高いダスト濃度測
定値MBH が測定されたノズル付きパルスエアブロー管
の下方に位置する濾布列のうちから目的とする破損濾布
を検出することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1はバグフィルターに備えられたこの発明を実施する
ための破損濾布検出装置の機械的構成を示す図、図2は
図1の要部断面説明図、図3は図1に示す破損濾布検出
装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0016】まず、この発明が適用される、パルスエア
によるダスト払い落とし機構を備えたバグフィルターの
構成について説明する。図1では、バグフィルター31
は、その点検用上蓋35を開放した状態で上方からみた
構造が平面的に示されている。図1及び図2において、
バグフィルター31は、断面矩形のケース32内に、所
定ピッチで配設された多数個(図例では12個)の濾布
Bにより構成され図における左右方向に延びる濾布列B
Rが、並列状に複数設けられたものである。この例では
12列の濾布列BRが設けられている。
【0017】そして、第1列目の濾布列BRの上方に
は、その濾布列BRを構成する各濾布Bの開口部に対応
する位置それぞれにノズルN1 〜N12を有し、その第1
列目の濾布列BRに沿って延びるようにノズル付きパル
スエアブロー管BT1 が配設されている。同様にして、
この例では第2列目から第12列目までの各濾布列BR
の上方に、ノズル付きパルスエアブロー管BT2 〜BT
12がそれぞれ配設されている。なお、図1ではノズル付
きパルスエアブロー管BT1 〜BT12は簡略化のため単
なる実線で示している。
【0018】前記各ノズル付きパルスエアブロー管BT
1 〜BT12の基端側はヘッダ管33に取り付けられてい
る。図示しない高圧の圧縮エア源に接続されている前記
ヘッダ管33には、さらに、高圧の圧縮エアを瞬間的
(0.1秒程度)にパルスエアとして吐出させるための
ダイヤフラム(図示省略)を有するパルス弁34が各ノ
ズル付きパルスエアブロー管BT1 〜BT12ごとに設け
られ、パルスエアをノズル付きパルスエアブロー管BT
1 〜BT12内へ供給可能に構成されている。前記ノズル
付きパルスエアブロー管BT1 〜BT12、ヘッダ管3
3、パルス弁34及び前述した圧力制御式によるパルス
弁制御装置(図示省略)によりパルスエア式ダスト払い
落とし機構が構成されている。
【0019】次に、図1〜図3を参照しながら、この発
明を実施するための破損濾布検出装置について説明す
る。図1及び図2において、1はサンプルガス導入管で
あり、前記第1列目の濾布列BRに対応して配設された
第1列目のノズル付きパルスエアブロー管BT1 の先端
側は、ユニオン継手UJ1 とその途中に切替え用の電磁
弁MV1 が設けられた分岐管とを介して、ケース32の
外側に設けられた前記サンプルガス導入管1に接続され
ている。同様にして、第2列目から第12列目までの各
ノズル付きパルスエアブロー管BT2 〜BT12の先端側
は、それぞれ、各ユニオン継手UJ2 〜UJ12とその途
中に切替え用の電磁弁MV2 〜MV12が設けられた各分
岐管とを介して前記サンプルガス導入管1に接続されて
いる。
【0020】前記サンプルガス導入管1の下流側には、
後述するように各ノズル付きパルスエアブロー管BT1
〜BT12ごとに、その下方に位置する濾布列BRの各濾
布Bを通過した濾布通過ガスの一部をサンプル用ガスと
して吸引するための吸引用ブロワ2、及び、サンプルガ
ス導入管1内に吸引された前記サンプル用ガスのダスト
濃度を測定するためのダスト濃度計3が設けられてい
る。4はダスト濃度計3のゼロ調整のためのゼロ調整用
ストレーナである。前記ダスト濃度計3としては、光路
中にダスト粒子が存在すると光はダスト粒子により散乱
することを利用して、その散乱光強度を測定することで
ダスト濃度を検出するようにしたものを使用している。
【0021】バグフィルター上部における第1列目のノ
ズル付きパルスエアブロー管BT1に沿う辺の一方の角
部には第1のスプロケット5が配設され、他方の角部に
は第2のスプロケット6が配設されている。これらスプ
ロケット5,6間に第1の無端チェーン9が張設されて
いる。同様にして、バグフィルター上部における第12
列目のノズル付きパルスエアブロー管BT12に沿う辺の
一方の角部には第3のスプロケット7が配設され、他方
の角部には第4のスプロケット8が配設されている。こ
れらスプロケット7,8間に第2の無端チェーン10が
張設されている。前記第1のスプロケット5と第3のス
プロケット7とが、同一の支持軸(図示省略)に回転可
能に支持されており、前記第2のスプロケット6と第4
のスプロケット8とが、遮蔽板移動用モータ12(図3
参照)によって正逆回転される図示しない回転軸に固定
されている。
【0022】そして、前記無端チェーン9,10間にチ
ャンネル形状の遮蔽板11が取り付けられている。遮蔽
板移動用モータ12を駆動し、これによって無端チェー
ン9,10を介して遮蔽板11を図における左右方向へ
移動させることで、各ノズル付きパルスエアブロー管B
1 〜BT12において、各ノズルN1 〜N12のうちから
順次一つのノズルを選択し、そのノズルのノズル先端口
を塞ぐことができるようになっている。なお、破損濾布
の検出を行わないときには、遮蔽板11は、バグフィル
ター31の機能が損なわれないように退避位置に位置決
めされるようになっている。
【0023】図3において、13は検出処理部である。
検出処理部13は、バグフィルター31の出口側ダクト
に設けられた図示しない排気ダスト濃度計DMから、バ
グフィルター31の排気ダスト濃度が排出許容ダスト濃
度値(例えば、0.03g/Nm3 )を超えたことを示
す警報信号が入力されたときに、バグフィルター31の
破損して穴のあいている濾布を検出するための破損濾布
検出処理を行うものである。この検出処理部13は、C
PU(中央処理部)、制御プログラムが記憶・格納され
たROM(読出し専用メモリ)、制御用データ等が記憶
・格納されたRAM(随時読出し書込みメモリ)、及び
入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュー
タを用いて構成されている。
【0024】前記検出処理部13には、前記ダスト濃度
計3、前記切替え用の電磁弁MV1〜MV12を駆動する
ための電磁弁駆動回路14、前記遮蔽板移動用モータ1
2を駆動するためのモータ駆動回路15及び7セグメン
ト式の破損濾布表示器16が接続されている。電磁弁駆
動回路14は、検出処理部13より出力される制御用の
信号を受けて各電磁弁MV1 〜MV12を開閉動作させる
ものであり、モータ駆動回路15は、検出処理部13よ
り出力される制御用の信号を受けて遮蔽板移動用モータ
12を起動停止動作させるものである。また、ダスト濃
度計3より与えられるダスト濃度測定値を表すアナログ
信号は、検出処理部13内にてそのA/Dコンバータに
よってディジタル信号に変換されるようになっている。
【0025】図4はこの発明による方法の手順の一例を
示すフローチャート、図5は図4における検出処理2の
手順の一例を示すフローチャートである。以下、図4及
び図5に従って、前記のように構成される破損濾布検出
装置を用いて行われるこの発明による方法について説明
する。なお、破損濾布の検出中は、パルスエアによるダ
ストの払い落とし動作が停止されるようになっている。
【0026】まず、破損濾布が存する濾布列を検出する
ための検出処理1の手順を説明する。バグフィルター3
1の排気ダスト濃度が排出許容ダスト濃度値を超えたこ
とを示す警報信号が入力されると、ステップP1におい
て、列番号nとしてn=1がセットされる。ステップP
2で第1列目の電磁弁MV1 が所定時間開かれ、その間
に、ステップP3において、第1列目のノズル付きパル
スエアブロー管BT1により、その下方に位置する第1
列目の濾布列BRの各濾布Bを通過した濾布通過ガスの
一部がサンプル用ガスとして吸引され、そのダスト濃度
がダスト濃度計3で測定される。
【0027】次にステップP4でダスト濃度測定値が第
1設定基準値R1 より大きいか否かが判定される。この
とき、第1設定基準値R1 としては、バグフィルター3
1の排出許容ダスト濃度値を用いる。大きい場合には、
そのノズル付きパルスエアブロー管(この場合は第1列
目のブロー管BT1 )の下方に位置する濾布列BR(こ
の場合は第1列目の濾布列BR)に破損濾布が存在する
こととなるので、ステップP5でその高ダスト濃度が測
定されたノズル付きパルスエアブロー管の列番号及びそ
のダスト濃度測定値MBH をRAMに記憶し、ステップ
P6に進む。ステップP4でNOの場合にもステップP
6に進む。
【0028】ステップP6で列番号nがその上限値n
max (図1の例では12列であるのでnmax =12)に
達したか否かが判定される。ステップP6でNOの場合
には、ステップP7で列番号nが+1され、前記ステッ
プP2へ戻ることになる。このようにしてステップP2
〜P7を繰り返すことにより、各ノズル付きパルスエア
ブロー管BT1 〜BT12について前記第1設定基準値R
1 より大きいダスト濃度測定値MBH が測定されたノズ
ル付きパルスエアブロー管の検出、つまり破損濾布が存
する濾布列BRの検出が終了すると(ステップP6でY
ES)、処理が後述する検出処理2へ移行する。
【0029】次に、前記高いダスト濃度測定値MBH
測定されたノズル付きパルスエアブロー管の下方に位置
する濾布列BRのうちから破損濾布を検出するための検
出処理2の手順を説明する。
【0030】まず、ステップS1において、前記検出処
理1で前記高いダスト濃度MBH が測定されたノズル付
きパルスエアブロー管に対応する電磁弁を開く。例えば
第1列目のノズル付きパルスエアブロー管BT1 で前記
高いダスト濃度測定値MBHが測定されたとすると、第
1列目の電磁弁MV1 が開かれる。ステップS2でノズ
ル番号iとしてi=1がセットされる。
【0031】次にステップS3において、遮蔽板11を
移動して第1番目のノズルN1 のノズル先端口を塞いだ
状態で、その残りのノズルN2 〜N12により、それら各
ノズルの真下に位置する濾布Bを通過した濾布通過ガス
の一部がサンプル用ガスとして吸引され、そのダスト濃
度がダスト濃度計3で測定される。しかる後、ステップ
S4で、ダスト濃度測定値と第2設定基準値R2 とが比
較され、その大小関係がRAMに記憶される。比較に際
し、第2設定基準値R2 としては、前記検出処理1で測
定されたダスト濃度測定値MBH を用いる。
【0032】次にステップS5でノズル番号iがその上
限値imax (図1の例では12個であるのでimax =1
2)に達したか否かが判定される。ステップS5でNO
の場合には、ステップS6でノズル番号iが+1され、
前記ステップS3へ戻ることになる。このようにしてス
テップS3〜S6を繰り返し、図1の例では、まず第1
番目のノズルN1 のノズル先端口を塞いだ状態でその残
りのノズルN2 〜N12によりサンプル用ガスを吸引し、
そのダスト濃度測定値と第2設定基準値R2 とを比較
し、次に第2番目のノズルN2 のノズル先端口を塞いだ
状態でその残りのノズルN1 ,N3 〜N12によりサンプ
ル用ガスを吸引し、そのダスト濃度測定値と第2設定基
準値R2 とを比較し、というようにして第12番目のノ
ズルN12に至るまで順に測定・比較動作を行い、それが
終了すると(ステップS5でYES)、ステップS7に
進む。
【0033】そしてステップS7おいて、前記ステップ
S4で得られた比較結果に基づいて破損濾布が検出され
て、その破損濾布の番号及びその破損濾布が存する濾布
列番号が表示される。ここで、ステップS7で行う破損
濾布の検出について、理解を容易にするため、濾布列が
4個の濾布Bで構成されている場合を例として、説明す
る。
【0034】図6に示すように、4個の濾布Bによって
構成される濾布列において△印で示す1個の濾布Bが破
損している場合、その破損している△印で示す濾布Bの
真上に位置するノズルのノズル先端口が遮蔽板11によ
って塞がれたときには、そのときのダスト濃度測定値が
前記第2設定基準値R2 (R2 =MBH )を下回ること
から、その濾布列のうちから破損している濾布を検出す
ることができる。なお、この例のように、濾布列のうち
破損濾布が1個である場合が一般的であり、後述する図
7〜図9のように、ほぼ同時に複数の濾布が破損するこ
とはまれなことである。
【0035】図7に示すように、4個の濾布Bによって
構成される濾布列において△印で示す2個の濾布Bが破
損している場合、図7の(a)及び(d)のように、○
印で示す破損のない濾布Bの真上に位置するノズルのノ
ズル先端口が遮蔽板11によって塞がれたときには、そ
のときのダスト濃度測定値が前記第2設定基準値R
2(R2 =MBH )とほぼ同じとなる。これに対して、
(b)及び(c)のように、破損している△印で示す濾
布Bの真上に位置するノズルのノズル先端口が遮蔽板1
1によって塞がれたときには、そのときのダスト濃度測
定値が前記第2設定基準値R2 (R2 =MBH )を下回
る。このことから、濾布列のうちから破損している濾布
を検出することができる。
【0036】同様にして、図8に示すように、4個の濾
布Bによって構成される濾布列において△印で示す3個
の濾布Bが破損している場合にも、破損している△印で
示す濾布Bの真上に位置するノズルのノズル先端口が遮
蔽板11によって塞がれたときには、そのときのダスト
濃度測定値が前記第2設定基準値R2 (R2 =MBH
を下回ることから、これによって濾布列のうちから破損
している濾布を検出することができる。
【0037】図9に示すように、4個の濾布Bによって
構成される濾布列において△印で示す4個全部の濾布B
が破損している場合、(a)〜(d)のように、いずれ
のノズルのノズル先端口が遮蔽板11によって塞がれた
ときにも、ダスト濃度測定値が前記第2設定基準値R2
(R2 =MBH )とほぼ同じとなる。これによって濾布
列を構成する全ての濾布Bが破損していることを検出で
きる。
【0038】このようにして、前記高いダスト濃度測定
値MBH が測定されたノズル付きパルスエアブロー管の
下方に位置する濾布列BRのうちから破損濾布が検出さ
れる。なお、前記高いダスト濃度測定値MBH が測定さ
れたノズル付きパルスエアブロー管が他にもある場合に
は、当然ながら、そのノズル付きパルスエアブロー管に
ついて前記検出処理2が実施されることとなる。
【0039】以上の結果、パルスエアによるダスト払い
落とし機構を備えたバグフィルターにおいて、排気ダス
ト濃度を監視することでバグフィルターの濾布の破損が
察知された場合に、バグフィルターの全ての点検用上蓋
を開放して多数の濾布を一つずつ目視点検するというこ
となく、多数の濾布のうちから破損している濾布を短時
間で正確に検出することができ、これにより、従来に比
較して、破損濾布の検出からその修理完了までに要する
時間を短縮し、バグフィルターを備えた都市ごみ焼却炉
等を短時間休止するだけで早期に運転再開することがで
きる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によるバグ
フィルターにおける破損濾布検出方法によると、各濾布
列それぞれの上方に濾布列に沿って延びるように配設さ
れ、濾布列を構成する各濾布の開口部に対応する位置そ
れぞれにノズルを有するダスト払い落としのためのノズ
ル付きパルスエアブロー管を備えたバグフィルターにお
いて、排気ダスト濃度を監視することでバグフィルター
の濾布の破損が察知された場合、前記ノズル付きパルス
エアブロー管を利用して、これら各ノズル付きパルスエ
アブロー管によりその下方に位置する濾布列の各濾布を
通過した濾布通過ガスの一部をサンプル用ガスとして吸
引し、そのダスト濃度の測定結果に基づいて、孔のあい
た破損濾布が存する濾布列を検出し、次いでその濾布列
うちから破損している濾布を検出し得るようにしたもの
であるから、バグフィルターの全ての点検用上蓋を開放
して多数の濾布を一つずつ目視点検するということな
く、多数の濾布のうちから破損している濾布を短時間で
正確に検出することができ、これにより、従来に比較し
て、破損濾布の検出からその修理完了までに要する時間
を短縮し、バグフィルターを備えた都市ごみ焼却炉等を
短時間休止するだけで早期に運転再開することができる
という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バグフィルターに備えられたこの発明を実施す
るための破損濾布検出装置の機械的構成を示す図であ
る。
【図2】図1の要部断面説明図である。
【図3】図1に示す破損濾布検出装置の電気的構成を示
すブロック図である。
【図4】この発明による方法の手順の一例を示すフロー
チャートである。
【図5】図4における検出処理2の手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図6】4個の濾布によって構成される濾布列において
△印で示す1個の濾布が破損している場合の破損濾布の
検出を説明するための図である。
【図7】4個の濾布によって構成される濾布列において
△印で示す2個の濾布が破損している場合の破損濾布の
検出を説明するための図である。
【図8】4個の濾布によって構成される濾布列において
△印で示す3個の濾布が破損している場合の破損濾布の
検出を説明するための図である。
【図9】4個の濾布によって構成される濾布列において
△印で示す4個全部の濾布が破損している場合の破損濾
布の検出を説明するための図である。
【図10】従来技術を説明するための、パルスエアによ
るダスト払い落とし機構を備えたバグフィルターの構成
を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…サンプルガス導入管 2…吸引用ブロワ 3…ダス
ト濃度計 4…ゼロ調整用ストレーナ 5〜8…スプロ
ケット 9,10…無端チェーン 11…遮蔽板 12
…遮蔽板移動用モータ 13…検出処理部 14…電磁
弁駆動回路 15…モータ駆動回路 16…破損濾布表
示器 UJ1 〜UJ12…ユニオン継手 MV1 〜MV12…電磁弁 31…バグフィルター 32
…ケース 33…ヘッダ管 34…パルス弁 35…点
検用上蓋 B…濾布 BR…濾布列 N1 〜N12…ノズ
ル BT1 〜BT12…ノズル付きパルスエアブロー管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 嘉彦 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 宗石 邦男 兵庫県神戸市灘区岩屋北町4丁目3番35号 神鋼環境メンテナンス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数個の濾布によって構成された濾布列
    を並列状に複数設けて通過気中のダストを捕集する一
    方、前記各濾布列それぞれの上方に濾布列に沿って延び
    るように配設され、濾布列を構成する各濾布の開口部に
    対応する位置それぞれにノズルを有するノズル付きパル
    スエアブロー管を備え、前記各濾布列ごとに前記ノズル
    付きパルスエアブロー管の各ノズルより濾布内側にパル
    スエアを吐出することにより、その濾布列の各濾布に付
    着しているダストを払い落とすように構成されたバグフ
    ィルターにおける破損濾布検出方法において、 各ノズル付きパルスエアブロー管ごとに、その下方に位
    置する濾布列の各濾布を通過した濾布通過ガスの一部を
    サンプル用ガスとして吸引してダスト濃度を測定し、そ
    のダスト濃度測定値と第1設定基準値とを比較して、前
    記第1設定基準値より大きいダスト濃度測定値が測定さ
    れたノズル付きパルスエアブロー管を検出し、 次いで前記高いダスト濃度が測定されたノズル付きパル
    スエアブロー管において、いずれか一つ選択したノズル
    を除くその残り全部のノズルにより、それら各ノズルの
    真下に位置する濾布を通過した濾布通過ガスの一部をサ
    ンプル用ガスとして吸引し、そのダスト濃度を測定して
    ダスト濃度測定値と第2設定基準値とを比較し、 この測定・比較動作を前記選択するノズルを一つずつ変
    えるごとに行い、その比較結果に基づいて、前記高いダ
    スト濃度が測定されたノズル付きパルスエアブロー管の
    下方に位置する濾布列のうちから破損している濾布を検
    出すること、を特徴とするバグフィルターにおける破損
    濾布検出方法。
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