JPH07328272A - 水平全回転かま - Google Patents

水平全回転かま

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JPH07328272A
JPH07328272A JP13063894A JP13063894A JPH07328272A JP H07328272 A JPH07328272 A JP H07328272A JP 13063894 A JP13063894 A JP 13063894A JP 13063894 A JP13063894 A JP 13063894A JP H07328272 A JPH07328272 A JP H07328272A
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JP
Japan
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hook
rotation
link member
rotary
pressing
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Application number
JP13063894A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Shimizu
浩充 清水
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Hirose Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Hirose Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油の貯留タンクおよび潤滑油供給に必要
な油路形成に伴う複雑な加工を不要にし、さらに潤滑油
による糸や縫製物の汚損を防止する。 【構成】 外かま本体51には、回転軸52が一体的に
形成され、その回転軸52の上端部には、カム部59が
設けられる。回転軸52には、カム部59に第2リンク
部材69が嵌り込み、カム部の下の部分67に上ラジア
ル軸受64が嵌り込み、他端部に下ラジアル軸受が嵌り
込む。上ラジアル軸受64および下ラジアル軸受65な
らびに第2リンク部材69の回転軸52と摺接する部分
は、潤滑剤を含む材料によって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンに設けられる水
平全回転かまに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、典型的な先行技術の水平全回転
かま1を示す断面図である。水平全回転かま1は、鉛直
な回転軸線を含む一平面で切断した断面が大略的にU字
形であり、内周に軌溝2を有する外かま本体3に、同軸
に回転軸4が形成される外かま5と、前記外かま本体3
の軌溝2に嵌り込む軌条6を有する内かま7と、前記回
転軸4を軸支する上軸受8および下軸受9とを含んで構
成される。
【0003】前記外かま本体3には、一端が前記軌溝2
に連通し、かつ他端が後述する収納孔10の上部空間1
0aに連通する第1潤滑油供給路11が形成される。
【0004】前記回転軸4の上端部には、回転軸4の回
転軸線から偏心したカム面12aを有するカム部12が
形成され、このカム部にはリンク部材13が嵌り込む。
回転軸4は上軸受8および下軸受9によって回転自在に
軸支される。さらに回転軸4には、収納孔10からリン
ク部材13に臨んで開口する第2潤滑油供給路14およ
び収納孔10から上軸受8に臨んで開口する第3潤滑油
供給路15が形成される。さらに回転軸4の下端部に
は、外周に螺旋状の潤滑油導入溝16が形成されるとと
もに、一端が前記潤滑油導入溝16に連通し、かつ他端
が収納孔10の下部空間10bに連通する第1通路17
が形成される。前記収納孔10には、糸やフェルトから
成る油芯18が収納され、油芯18は収納孔10の上部
空間に螺着された保持部材19によって回転軸4内に保
持される。保持部材19には、一端が油芯18の上端部
18aを保持部材19の前記上端部18aが嵌まり混む
嵌合凹所25との間の空間26に連通し、かつ他端が前
記上部空間10aに連通する第2通路20が形成され
る。回転軸4の下端部は潤滑油を貯留する貯留タンク2
1内の潤滑油22に浸漬される。
【0005】図示しないミシンの下軸からの回転動力
が、歯車23に伝達されて回転軸4が前記鉛直な回転軸
線まわりに回転駆動されると、潤滑油22は、螺旋状の
潤滑油導入溝16によって汲上げられ、回転軸4の外周
面と下軸受9の内周面とが相互に摺接する摺接面を潤滑
しながら第1通路17を介して収納孔10内にに導か
れ、油芯18の毛細管現象によって油芯18の全体に含
浸される。油芯18に含浸した潤滑油22は、第3潤滑
油供給路15を介して、上軸受8の内周面および回転軸
4の外周面が相互に摺接する摺接面間に供給されるとと
もに、第2潤滑油供給路14を介してリンク部材13の
内周面およびカム部12の外周面が相互に摺接する摺接
面間に供給され、さらに第2通路および第1潤滑油供給
路11を介して軌溝2の内周面および軌条6の外周面が
相互に摺接する摺接面間に供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術で
は、各摺接面の潤滑は、貯留タンク内の潤滑油を収納孔
10、第1〜第3潤滑油供給路11,14,15ならび
に第1および第2通路17,20などを含む油路を介し
て導くことによって達成されるため、水平全回転かまの
製造過程において、油路を形成するために複雑な加工を
要する。また潤滑油によって糸や縫製物の汚損が生ず
る。さらに、長期間にわたって放置した場合、潤滑油が
劣化するとともに、再び始動させたときに潤滑油が油路
を上昇する時間が長くなり、始動直後には潤滑油の供給
量が不足するという不具合が生じ、応答性が悪い。さら
に回転軸の回転に伴う遠心力の作用によって潤滑油を汲
上げるため、高速回転から低速回転に切換えた直後には
過剰給油になり、また低速回転から高速回転に切換た直
後には油不足となって油切れを起こす。さらに、摺接面
において、油路の近傍で油量が適量となるように設定さ
れると、油路からの遠去かるにつれて供給される油量が
減少するといった問題がある。
【0007】したがって本発明の目的は、上述の潤滑に
関する不具合を克服し、糸や縫製物の油による汚損を防
止し、複雑な加工を要しない水平全回転かまを提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉛直な回転軸
線まわりに回転駆動される回転軸に、内かまが嵌り込む
外かま本体が一体的に形成される外かまと、この外かま
をミシンの機体に前記回転軸線まわりに回転自在に軸支
する軸受手段とを含む水平全回転かまにおいて、前記軸
受手段は、潤滑剤を含む材料から成ることを特徴とする
水平全回転かまである。
【0009】また本発明は、前記外かま本体の内周には
周方向に延びる凹溝が形成され、前記内かまの外周には
周方向に延びかつ前記凹溝に嵌まり込む突条が形成さ
れ、前記凹溝と突条との間には、滑り性のよい材料から
成る滑り部材が介在されることを特徴とする。
【0010】さらに本発明は、前記回転軸には、回転軸
の回転軸線に平行でかつ偏心した軸線を有するカム面を
有するカム部が形成されて、前記内かまは、外かまの回
転に同期して、前記外かまの回転方向とは逆方向に押圧
する押圧手段によって押圧され、前記押圧手段は、遊端
部に内かまを押圧する押圧部が形成される押圧部材と、
この押圧部材の基端部に長手方向一端部がピン結合さ
れ、長手方向他端部がミシンの機体に枢支される第1リ
ンク部材と、長手方向一端部が前記第1リンク部材の両
端部間にピン結合され、長手方向他端部は、前記回転軸
のカム部によって枢支される第2リンク部材とを含み、
第2リンク部材の長手方向他端部は、潤滑剤を含む材料
から成り、前記カム部に装着されるスリーブに連結され
ることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明に従えば、軸受手段は、潤滑剤を含む材
料によって形成される。これによって、軸受手段と回転
軸との間に潤滑油を供給する必要がなくなり、回転軸と
軸受手段とを常に一定の潤滑状態で摺接させて支持する
ことができ、回転軸および軸受手段間の摺接面を全面に
わたって潤滑することができる。また長期間にわたって
放置させた場合においても、潤滑油の劣化および始動直
後の油切れを生じない。
【0012】また本発明に従えば、外かま本体の内周に
形成される凹溝と、内かまの外周に形成される突条との
間には、滑り性のよい材料から成る滑り部材が介在され
る。これによって、凹溝と突条との間に潤滑油を導く必
要がなくなる。したがって外かまに油路を形成する必要
がなく、複雑な加工が不要となり、外かまの強度低下を
防止することができる。また、縫製中に糸や縫製物が潤
滑油によって汚損されることを防止することができる。
【0013】さらに本発明に従えば、回転軸に設けられ
るカム部に嵌合する第2リンク部材のカム部と摺接する
部分には、潤滑剤を含む材料から成るスリーブが設けら
れる。これによって、カム部と第2リンク部材との間に
潤滑油を供給する必要がなくなる。したがってカム部の
動作を第2リンク部材に円滑に伝達することができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の水平全回転かま
50を示す断面図であり、図2は、その分解斜視図であ
る。水平全回転かま50は、鉛直な回転軸線L1を含む
一平面で切断した断面形状が大略的にU字形の外かま本
体51に、その外かま本体51に同軸の鉛直な回転軸線
L1まわりに回転駆動される回転軸52が一体的に形成
される外かま53と、前記外かま本体51に嵌り込む内
かま54と、前記回転軸52を回転自在に軸支する軸受
手段55とを含んで構成される。
【0015】前記外かま本体51は、筒部56と底部5
7とによって構成され、上方に臨んで開放される。筒部
56には、上糸を補足する剣先51aが形成される。ま
た筒部56の内周には、周方向に延びる凹溝58が形成
される。底部57は前記回転軸線L1に直角を成すよう
に形成され、底部57は回転軸線L1に対し、直角を成
す。前記回転軸52は、中実であり、上端部には回転軸
線L1に対して距離ΔLだけ離れた軸線L2を有するカ
ム面59aを有するカム部59が形成される。
【0016】このような回転軸52は、前記外かま本体
51の底部57から下方に延びて形成される。回転軸5
2には、水平な回転軸線L3まわりに回転駆動されるミ
シンの下軸60、この下軸60に設けられる第1傘歯車
61および第1傘歯車61に噛合する第2歯車62によ
って回転力が伝達される。
【0017】前記内かま54は、上方に開放した有底筒
状のいわば鍋形であり、外周には周方向に延びる突条6
3が形成される。内かま54は、前記突条63が前記凹
溝58に嵌り込んだ状態で前記外かま本体51に保持さ
れる。
【0018】前記軸受手段55は、上ラジアル軸受64
および下ラジアル軸受65から成る。上ラジアル軸受6
4は、フランジ64aを有する円筒状である。また、下
ラジアル軸受65は、フランジ65aを有する円筒状で
ある。これらの上ラジアル軸受64および下ラジアル軸
受65は、潤滑剤を含む材料によって形成され、この材
料としては、たとえば黒鉛を主体とする潤滑剤を焼結合
金の組織中に均一に分散させた構成の材料が用いられ
る。
【0019】このような潤滑材を含む材料から成る軸受
手段55は、その内周面66,68を回転軸52に摺接
させながら、回転軸52を回転自在に軸支する。上ラジ
アル軸受64は、回転軸52のカム部59の下の部分6
7に嵌合され、一方、下ラジアル軸受65は、回転軸5
2の下端部に嵌合され、回転軸52の半径方向のラジア
ル力を受ける。
【0020】このように上ラジアル軸受64と下ラジア
ル軸受65とから成る軸受手段55は、潤滑剤を含む材
料から成り、各ラジアル軸受64,65の回転軸52と
摺接する内周面66,68によって回転軸52を支持す
るようにするので、軸受手段55と回転軸52との間
に、潤滑油を導く供給路が不要になる。
【0021】前記回転軸52の上端部に形成されるカム
部59のカム面59aは、直円筒状である。このカム部
59には、後述するオープナ79に揺動運動を与える
「8」の字形の第2リンク部材69が嵌り込む。この第
2リンク部材の前記カム面59aと摺接する部分には、
前記軸受手段55と同一の材料から成るスリーブ70が
設けられる。この第2リンク部材69は、回転軸52の
スラスト力を受ける。このような潤滑剤を含む材料から
成るスリーブ70を設けることで、カム部59と第2リ
ンク部材69との間に潤滑油を供給する供給路が不要と
なる。
【0022】第2リンク部材69、ラジアル軸受64,
65は、図2に示すようにこの順序で、回転軸52のカ
ム部59に第2リンク部材69が、そのカム部59の下
の部分67にラジアル軸受64がフランジ64aを上に
して嵌まり込み、さらに下端部に軸受部65がフランジ
65aを上にして嵌まり込む。
【0023】図3は、外かま本体51の凹溝58、その
凹溝58に嵌込む内かま54の突条63の一部を拡大し
て示す断面図である。前記外かま本体51に形成される
凹溝58は、略U字状の内面58aによって形成され
る。前記内かま54に形成される突条63は、断面形状
が長方形であり、突条63には、断面形状が略U字状の
滑り部材71が固着される。この滑り部材71は、滑り
性のよい材料、たとえばポリテトラフルオロエチレン
(商品名テフロン)などの樹脂によって形成される。こ
の滑り部材71は、外表面が前記凹溝58に嵌合する略
U字状であり、内側に複数の柱部71aが形成される。
この柱部71aを前記突条63に埋込むようにして固着
することで軌条として働く。このように外かま本体51
の凹溝58と突条63との間に滑り性のよい材料から成
る滑り部材71を介在させることによって、凹溝58と
突条63との間に潤滑油を供給する供給路が不要にな
る。
【0024】上述のように軸受手段55およびスリーブ
70を、潤滑剤を含む材料によって形成し、滑り部材7
1を滑り性のよい材料によって形成することで、潤滑油
を摺接する面に導くための潤滑油供給路などの油路およ
び潤滑油を貯留するタンクなどが不要となり、製造工程
における複雑な加工が不要であり、同時に油路の形成に
伴う強度低下がなくなる。また、糸や被縫製物の潤滑油
による汚損が防止される。さらに長期にわたって放置し
ても摺接部材などの潤滑剤を含む材料に含有される潤滑
剤の劣化が生じることがなく、また潤滑の遅れが生じな
い。また、回転数を変化させて使用する際、たとえば高
速回転から低速回転へ変化させても過剰潤滑にならず、
円滑な回転状態が得られる。
【0025】図4は、オープナ79を含む分解斜視図で
ある。前記内かま54には、内かま54の外周に沿うよ
うに湾曲した調子ばね72が調子ばね取付部材72a,
72bによって取付けられる。前記調子ばね72は、内
かま54に収納される下糸の張力を調整する。また、内
かま54には、突条63を覆うように滑り部材71が固
着される。
【0026】前記外かま53には、前記カム部59が挿
通する挿通孔を有する半月状の底板74が、外かま本体
51の底部57の下側に底板取付ねじ部材74a,74
bによって取付けられる。また、外かま本体51には、
上糸を補足する剣先51aが設けられる。前記内かま5
4が嵌り込み、半リング状の内かま押え73が、内かま
押え取付ねじ部材73a,73bによって取付けられ
る。内かま押え73は、外かま53の回転時に内かま5
4が外かま本体51より飛び出さないように突条部63
を押える。前記底板74には、半円弧状の外周部分の一
部から立上った壁部74dが形成される。この壁部74
dは、針が外かまの剣先51aと衝突するのを防止す
る。
【0027】前記オープナ79は、遊端部78aに鈎形
を成す押圧部78eを有する長板状の押圧部材78と、
大略的にL字形の第1リンク部材75と「8」の字形の
第2リンク部材70とから成る。前記第2リンク部材6
9は、円筒状の第1貫通孔69aと、第2貫通孔69b
を有する。第1貫通孔69aは、上述のように回転軸5
2のカム部59に嵌り込む。一方第2貫通孔69bは、
大略的にL字形の第1リンク部材75の中央部75aに
段付ねじ部材76aおよび段付きねじ部材用ナット部材
76bによって枢支される。第1リンク部材75の長手
方向一端部には、ボス部75bが形成され、長手方向他
端部には、中央部75aに対しほぼ直角に立上がる立上
り部75cと、この立上がり部75cの先端部分に長手
方向に関して前記ボス部75bから遠ざかる方向に屈曲
するように首部75dが形成される。前記ボス部75b
には、第1揺動軸77が嵌合し、この第1揺動軸77
は、ミシンの機体に固定される。前記首部75dには、
遊端部78aに鈎形を成す押圧部78eを有する板状の
押圧部材78の基端部78bが、取付ねじ部材78cお
よび押圧部材の取付ねじ部材に装着されるワッシャ部材
78dによって固着される。
【0028】図5は、オープナ79の動作を説明する平
面図であり、図6は針板80を示す斜視図である。図5
には、水平全回転かま50が針板80の針穴81aと8
1bの中心位置に対して、点対称に2つ配置されてい
る。このような構成は、針2本を用いて縫製する場合の
構成である。これら2つの水平全回転かま51は、同じ
動作をするので、ここでは一方だけを参照しオープナ7
9の動作について説明する。
【0029】針板80の針抜き部81には、送り歯82
が取付けられており、針の上下運動に同期して楕円運動
を行い、被縫製物を送る。
【0030】水平全回転かま50が回転駆動されると外
かま本体51は、針の上下運動に同期して矢符A方向に
回転する。このとき外かま本体51に嵌り込んでいる内
かま54は、外かま本体51との摩擦力によって同方向
である矢符A方向の回転作用力を受ける。前記内かま5
4には、内かま止め凸部54aが設けられており、この
かま止め凸部54aは、前記針板80に、かま止め凹部
形成部材83a,83bによって形成されるかま止め凹
部83に嵌り込む。これによって内かま54は、前記回
転作用力に抗して回転防止される。
【0031】また回転軸52に設けられたカム部59に
嵌り込んでいる第2リンク部材69は、外かま53の回
転に同期した後、針の上下運動に同期して、第1リンク
部材75に第1リンク部材揺動軸77を中心とする矢符
B/C方向の揺動運動を与える。第1リンク部材75が
C方向に移動するとき、第1リンク部材75に固着され
ている押圧部材78の遊端部78aの押圧部78eは、
内かま54に形成される押圧部材当接部54cに当接
し、内かま54は、外かま本体51の回転方向とは逆方
向の押圧を受ける。
【0032】内かま54は、このオープナ79による作
用および前記外かま本体51の回転による作用によって
針の上下運動に同期して角変位揺動する。この角変位揺
動によって前記内かま54のかま止め凸部54aはかま
止め凹部形成部材83aまたは83bとの間に交互に隙
間を形成する。
【0033】前記外かま本体51には、先端の尖った剣
先51aが形成されており、この剣先51aは、針によ
ってもたらされる上糸のループの補足し、内かま54の
周囲を1周する。このとき上糸は、上述の内かま54の
角変位揺動によって形成される隙間を通過して行く。
【0034】一方、内かま54には、下糸を巻付けたボ
ビン84が収納されており、下糸は内かま54に取付け
られる調子ばね72の先端Pより繰り出される。前記剣
先51aが上糸ループを捕捉しながら内かま54を糸越
しすることで、上糸と下糸が係合され、1つの縫い目が
形成される。
【0035】上述の実施例のように外かま53と摺接す
る面を形成する部分を潤滑剤を含む材料によって形成す
ることによって、摺接する部材間に、潤滑油を導き入れ
る必要がなくなる。したがって、油による糸や縫製物の
汚損が防止され、また、潤滑油のメンテナンスが不要と
なり、縫製製品の品質を向上させることができるとも
に、保守作業が簡素化できる。また、収納孔、潤滑油供
給路などの油路の不要によって加工が簡素化できる。
【0036】図7は、本発明の他の実施例の外かま本体
51の凹溝58およびその凹溝58に嵌り込む内かま5
4の突条63を示す一部を拡大した断面図である。図3
に示した実施例において滑り部材71は、内かま54に
形成される突条63に固着されたが、図7に示す実施例
において滑り部材85は、外かま51に形成される凹溝
に固着される。
【0037】前記滑り部材85は、断面形状が略U字状
であり、周方向と直角な方向に突出する複数の突出部8
5bが形成され、滑り部材85に形成される溝85a
は、略U字状の面によって形成される。この滑り部材8
5は突出部85bを外がま本体51に埋込むようにして
固着される。
【0038】前記突条63は、断面形状が長方形であり
滑り部材85に形成される溝85aに嵌合する。図7に
示す実施例の滑り部材85は、図3に示した実施例の滑
り部材71と同一の材料によって形成され、同様の効果
を得ることができる。
【0039】上述の実施例において、軸受手段55は、
回転軸52と摺接する部分のみが潤滑材を含む材料によ
って形成されていてもよく、また第2リンク部材69
は、その全体を潤滑剤を含む材料によって形成されても
よい。また前記滑り部材71,85は、突条68あるい
は凹溝58に取付けずに突条63および凹溝68の両者
と摺接するようにしてもよい。この滑り部材71,85
の材料は、前記ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂
でもよく、軸受手段55、スリーブ70に用いられる潤
滑剤を含む材料であってもよい。また本発明の他の実施
例として、前記潤滑剤を含む材料は、含油アセタール樹
脂、含油ポレオレフィン樹脂、含油ポリアミド樹脂、含
油ポリエステル樹脂、エラストマ樹脂、ポリウレタン樹
脂、4フッ化エチレン樹脂、および高力黄銅系または青
銅系固体潤滑剤分散金属などから適宜選択して用いるよ
うにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外かま本
体と一体的に形成される回転軸を回転自在に軸支する軸
受手段は、潤滑剤を含む材料から成り、回転軸および軸
受手段の摺接面に潤滑油を導く必要がないため、一定の
回転状態で回転軸を支持することができる。また、長期
間放置しても潤滑油の劣化や始動直後の給油の遅れなど
が生じないため、再始動する際の手間を省略することが
できる。
【0041】また本発明によれば、外かま本体の内周面
に形成される凹溝と、内かまの外周に形成される突条と
の間には滑り性のよい材料から成る滑り部材が介在さ
れ、凹溝と突条との間には、潤滑油を導く必要がなく、
潤滑油を導く潤滑油供給路などの複雑な油路が不要であ
り、かま全体の強度低下が防止でき、高速回転での縫製
作業にも耐え得る。また、長期間にわたって放置した後
に動作させた場合にも、潤滑油の劣化あるいは供給の遅
れなどが生じることがない。また、縫製中に内かまの周
囲を糸が通過しても油による汚損が生じることなく、油
の飛散、つまり縫製物の汚損も生じないため、縫製物の
品質低下が防止できる。
【0042】さらに本発明によれば、前記回転軸に設け
られるカム部に嵌合する第2リンク部材には、カム部と
摺接する部分に潤滑剤を含む材料から成るスリーブが設
けられ、カム部と第2リンク部材との間に隙間をなくす
ことができ、カム部の動作を第2リンク部材に確実に伝
達でき、この動作に基因するかま全体の動作の外かまの
回転に忠実に同期して行われることによって一律に縫製
物を形成することができ、縫製物の品質を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の水平全回転かま50の断面
図である。
【図2】水平全回転かま50の分解斜視図である。
【図3】外かま本体51の凹溝58およびその凹溝58
に嵌り込む内かま54の突条63を示す一部を拡大した
断面図である。
【図4】オープナ79を含む水平全回転かま50の分解
斜視図である。
【図5】オープナ79の動作を説明するための平面図で
ある。
【図6】針板80の斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例の外かま本体51の凹溝5
8およびその凹溝に嵌り込む内かま54の突条53と一
部を拡大した断面図である。
【図8】典型的な先行技術の水平全回転かま1の断面図
である。
【符号の説明】
1,50 水平全回転かま 3,51 外かま本体 4,52 回転軸 5,53 外かま 6,54 内かま 8 上軸受 9 下軸受 10 収納孔 12,59 カム部 58 油芯 21 貯留タンク 22 潤滑油 55 軸受手段 66 上ラジアル軸受 65 下ラジアル軸受 66,68 摺接部材 69 第2リンク部材 70 スリーブ 71,85 滑り部材 79 オープナ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直な回転軸線まわりに回転駆動される
    回転軸に、内かまが嵌り込む外かま本体が一体的に形成
    される外かまと、この外かまをミシンの機体に前記回転
    軸線まわりに回転自在に軸支する軸受手段とを含む水平
    全回転かまにおいて、 前記軸受手段は、潤滑剤を含む材料から成ることを特徴
    とする水平全回転かま。
  2. 【請求項2】 前記外かま本体の内周には、周方向に延
    びる凹溝が形成され、前記内かまの外周には、周方向に
    延びかつ前記凹溝が嵌まり込む突条が形成され、前記凹
    溝と突条との間には、滑り性のよい材料から成る滑り部
    材が介在されることを特徴とする請求項1記載の水平全
    回転かま。
  3. 【請求項3】 前記回転軸には、回転軸の回転軸線に平
    行でかつ偏心した軸線を有するカム面を有するカム部が
    形成され、前記内かまは、外かまの回転に同期して、前
    記外かまの回転方向とは逆方向に押圧する押圧手段によ
    って押圧され、 前記押圧手段は、 遊端部に内かまを前記外かまの回転方向とは逆方向に押
    圧する押圧部が形成される押圧部材と、 この押圧部材の基端部に長手方向一端部がピン結合さ
    れ、長手方向他端部がミシンの機体に枢支される第1リ
    ンク部材と、 長手方向一端部が前記第1リンク部材の両端部間にピン
    結合され、長手方向他端部は、前記回転軸のカム部によ
    って枢支される第2リンク部材とを含み、 第2リンク部材の長手方向他端部は、潤滑剤を含む材料
    から成り、前記カム部に装着されるスリーブに連結され
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の水平全回
    転かま。
JP13063894A 1994-06-13 1994-06-13 水平全回転かま Pending JPH07328272A (ja)

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