JPH0732747Y2 - ブロック式床パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、可撓性素材製のシート状の底板の上面に、同
じ高さ寸法の複数個のブロックを整列して取付けて成る
ブロック式床パネルに関するものである。

〔従来の技術〕

建物の床基盤上に軽量コンクリート製や強化プラスチッ
ク製等のブロック体を整列して敷設し、相隣接したブロ
ック体の側面の箇所にコード類を配線することが行われ
ている。その一例として、実開昭58-151237には、ブロ
ック体の側面にコード挿通溝を水平方向に延びるように
形成することが記載されている。

ところで、建物の床基盤は完全な平面ではなく、凹凸
（不陸）があるものである。しかるに、この実開昭58-1
51237号公報のようにブロック体を単に床基盤に敷設す
る構成では、ブロック体の面積が大きいと床基盤の上面
に凹凸に対応できず、さりとて、床基盤の凹凸にならっ
て敷設できるようにブロック体の面積を小さくすると、
ブロック体の個数が増大して敷設作業が厄介であると言
う問題があった。

この点について先行技術としての実開平1-154731号公報
には、可撓性素材製のシートに、多数個のブロック体
を、相隣したブロック体のコード挿通用の隙間が空くよ
うな状態にして固着することが記載されている。この実
開平1-154731号公報の考案によると、床基盤上に凹凸に
ならうようにブロック体を敷設することができ、また、
多数個のブロック体が１枚のシートに固着されているこ
とより、一度に多数個のブロック体を敷設できるから、
敷設作業の能率低下を防止できる利点がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記先行技術は、相隣接したブロック体の間の
隙間にコード類を挿通するものであるため、相隣接した
ブロック体間の間隔を広げると人の歩行や物品の載置が
困難となると共にブロック体の安定性も低下し、逆にブ
ロック体間の間隔を狭めるとコード類を確実に収容する
ことが困難になると言うように、コード類の収容の確実
性と床機能の保持とが相反すると言う問題があった。

この点については、実開平1-154731号公報のブロック体
を実開昭58-151237号公報のブロック体に置き換えて、
第３図に示すように、床パネル１′を、可撓性のシート
２′の上面に、側面3a′にコード挿通溝４′を形成した
ブロック体３′を多数個整列して固着した構成にすすれ
ば良いと考えられる。なお、符号７′はカーペットであ
る。

しかし、この第３図のような構成では、相隣接したブロ
ック体３′の上端部の箇所にはごく僅かの隙間しか空い
ていないため、床パネル３′を床基盤Ａ上に敷設した後
にコード類Ｂを出し入れすることが頗る厄介であると言
う問題が生じる。

本考案は、コード類の出し入れの容易性と、床機能の保
持と、コード類の収容の確実性とを同時に達成すること
を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、「床基盤に密着し得
る可撓性素材から成るシート状の底板の上面に、複数個
のブロック体を、相隣接したブロック体の間に若干の隙
間が空くようにして整列して取付け、相隣接したブロッ
ク体の相対向した両側面に、ブロック体の内部に向けて
えぐり込むようにしたコード挿通溝と、ブロック体の上
方からコード挿通溝にコード類を出し入れできるようコ
ード挿通溝に連通した状態で上向きに開口する切欠き溝
とを、両ブロック体のコード挿通溝と切欠き溝とが断面
略凸型を成した状態で水平方向に延びるように形成し、
更に、相隣接したブロック体の切欠き溝の箇所に、当該
切欠き溝を塞ぐ閉塞体を着脱自在に装着する」の構成に
した。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、床パネルは相隣接したブロック
体の箇所で屈曲自在となるから、床基盤に凹凸があって
も密着して敷設することができるのであり、また、複数
個のブロック体を一度に敷設できるから、敷設作業の能
率が低下することもない。

そして、閉塞体を取り外すことにより、コード挿通溝と
切欠き溝とを上方に大きく開口させることができるか
ら、床パネルを敷設した後においてもコード類の出し入
れ作業を至極容易に行うことができる。

また、コード挿通溝はブロック体の内部に向けてえぐり
込むようにして深い寸法に形成できるからコード類の収
容容積を大きくすることができ、従って、コード類の収
容の確実性も保持できる。

更に、相隣接したブロック体の下端部間には、ブロック
体が床基盤の凹凸にならって密着するように床パネルの
変形を許容できる程度の若干の隙間が空いておれば足
り、各ブロック体の底面積を小さくする必要はないかか
ら、ブロック体の安定性が低下することもない一方、切
欠き溝は閉塞体で塞がれているから、床パネル上を人が
歩行したり物品を載置したりすることにはなんら支障は
ない。すなわち、床としての機能が損なわれることはな
い。

従って本考案は、敷設作業の能率を低下することなく床
基盤の凹凸にならって敷設できるようにした床パネルに
おいて、床機能の保持と、コード類の収容の確実性と、
コード類の出し入れの容易性とを同時に達成できる効果
を有する。

〔実施例〕

次に、本考案の第１実施例を第１図に基づいて説明す
る。

床パネル１は、合成樹脂や布又は薄金属板若しくは網状
体等の可撓性を有する素材にて平面視矩形に形成したシ
ート状の底板２と、第３図と同様の状態で底板２上に整
列して取り付けた多数個のブロック体３とを備えてい
る。ブロック体３は、軽量気泡コンクリートや合成樹脂
又はアルミ等の適宜素材で平面視適宜形状に形成されて
いる。

床パネル１は床基盤Ａの凹凸にならって変形することを
許容するために、各ブロック体３は側面3a間に若干の隙
間が空くようにして底板２に取付けられている。ブロッ
ク体３は、貼着やねじ止め等の適宜手段で底板２に取付
けられている。

各ブロック体３の側面3aには、水平方向に沿って延びる
コード挿通溝４と、該コード挿通溝４に連通した状態で
上方に開口する切欠き溝５とが形成されている。コード
挿通溝４は、切欠き溝５よりも更にブロック体３の内部
に向けてえぐり込むように形成されている。従って、相
隣接したブロック体３のコード挿通溝４と切欠き溝５と
は断面略凸型になる。

そして、相隣接したブロック体３の両切欠き溝５に、当
該両切欠き溝５を塞ぐ閉塞体７を、その上面がブロック
体２の上面と同一平面状になるようにして上方から着脱
自在に嵌め込む。床パネル１の変形を許容するため、閉
塞体６の横巾寸法は両ブロック体２の切欠き溝５間の間
隔寸法よりも若干小さい寸法に設定している。

床パネル１の上面にはカーペット７を敷いている。

このように構成すると、閉塞体６を取り外すことによ
り、コード挿通溝４と切欠き溝５とが上方に大きく開口
するから、床パネル１を敷設した後においてコード類Ｂ
の出し入れ作業を至極容易に行えるのである。コード挿
通溝４はブロック体３の内部に向けてえぐり込んで深い
寸法に形成できるから、コード類Ｂの収容に支障をきた
すこともない。

更に、相隣接したブロック体３の下端部間には若干の隙
間があれば足りるから、各ブロック体３の安定性が低下
することはない一方、切欠き溝５は閉塞体６で塞がれて
いるから、床パネル１上を人が歩行したり物品を載置し
たりすることにはなんら支障はないのである。

第２図に示すのは第２実施例であり、この実施例では、
床パネル１の上面に板状の閉塞体６を載置することによ
って切欠き溝５を塞ぐようにしている。この場合、閉塞
体６の下面に、各ブロック体３の切欠き溝５に嵌まる位
置決め用の突起6aを下向きに突設している。

この第２実施例の形態にすると、切欠き溝６にもコード
Ｂを収容できるのでコードＢの収容量を増大できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す断面図、第２図は本
考案の第２実施例を示す断面図、第３図は本考案に至る
前の床パネルの図である。 Ａ……床基盤、Ｂ……コード、１……床パネル、２……
底板、３……ブロック体、４……コード挿通溝、５……
切欠き溝、６……閉塞体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床基盤に密着し得る可撓性素材から成るシ
   ート状の底板の上面に、複数個のブロック体を、相隣接
   したブロック体の間に若干の隙間が空くようにして整列
   して取付け、相隣接したブロック体の相対向した両側面
   に、ブロック体の内部に向けてえぐり込むようにしたコ
   ード挿通溝と、ブロック体の上方からコード挿通溝にコ
   ード類を出し入れできるようコード挿通溝に連通した状
   態で上向きに開口する切欠き溝とを、両ブロック体のコ
   ード挿通溝と切欠き溝とが断面略凸型を成した状態で水
   平方向に延びるように形成し、更に、相隣接したブロッ
   ク体の切欠き溝の箇所に、当該切欠き溝を塞ぐ閉塞体を
   着脱自在に装着したことを特徴とするブロック式床パネ
   ル。