JPH0732592A - インクジェット記録装置および該装置用記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録装置および該装置用記録ヘッド

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JPH0732592A
JPH0732592A JP17787793A JP17787793A JPH0732592A JP H0732592 A JPH0732592 A JP H0732592A JP 17787793 A JP17787793 A JP 17787793A JP 17787793 A JP17787793 A JP 17787793A JP H0732592 A JPH0732592 A JP H0732592A
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JP
Japan
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recording head
recording
ink
ink jet
head chips
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JP17787793A
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English (en)
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Hirofumi Hirano
弘文 平野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色調を異にする複数のインクジェット記録ヘ
ッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置にあっ
て、装置の小型化およびCPUの負担軽減を図る。 【構成】 主走査方向に平行な回転軸(324e)のま
わりに、放射状に複数の記録ヘッド(322)を配設
し、選択的に記録媒体に対向させて記録を行うようにす
る。このような切替記録を行うようにすることにより、
記録ヘッドを並置して同時記録を行うような場合に比し
て装置幅を小とでき、かつCPUの負担を軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色,濃度等色調を異に
する複数種類のインクに対応して記録ヘッドを複数設け
たインクジェット記録装置および該装置用記録ヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインクジェット記録装
置、例えば色を異にする複数種類のインクに対応して各
色用の記録ヘッドを設けたカラーインクジェットプリン
タにおいては、各色のヘッドを紙,OHPフィルム,布
等の記録媒体に対向するように並置し、記録すべき画像
情報に応じてそれらヘッドを選択的に駆動して記録動作
を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような形態の装置
にあっては、各色の記録ヘッドを画像情報に応じて同時
に駆動することができるものの、そのような同時駆動を
行うのは制御用の手段(CPU等)の負担が大きくなる
ばかりでなく、画像情報によっては記録に関与しないヘ
ッドが大気にさらされるために、インクの増粘や固着が
生じて吐出不良が発生するおそれがある。かかる吐出不
良の発生を回避しようとすれば、記録動作を行わないと
きには所謂予備吐出を行うなどの吐出状態を良好に保つ
ための処理が頻繁に行われ、インク消費量を増大するこ
とがあった。
【0004】また、所謂シリアルプリンタにおいて、各
色ヘッドを主走査方向に並置すると装置の横幅が大きく
なり、シリアルプリンタ,ラインプリンタのいずれにお
いても副走査方向に並置すれば装置の高さが大きくなっ
てしまう。
【0005】さらに、予備吐出を行うときに吐出の有無
等吐出状態の検定を行うことができなかったので、十分
余裕をもってインクを多量に吐出する予備吐出を行うよ
うにしており、従ってインクの消費量が多大となり、ひ
いては装置のランニグコストが高くなるといった問題点
を有していた。
【0006】本発明の目的は、記録ヘッドを複数有する
形態のインクジェット記録装置にあって、装置の簡略
化,小型化を図ることにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、インク消費が
生じず、ランニングコストの低いインクジェット記録装
置を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、制御手段の負
担を軽減したインクジェット記録装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明インクジェット記
録装置は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッ
ドチップを複数用いて記録を行うインクジェット記録装
置において、前記記録媒体に対向して記録を行わせるこ
とが可能な位置と、前記記録媒体に対向しない位置と
に、前記複数の記録ヘッドチップを選択的に設定可能と
し、対向状態にある前記記録ヘッドチップのみを駆動す
るようにしたことを特徴とする。
【0010】ここで、前記複数の記録ヘッドチップは共
通の回転軸を中心に回動可能に保持され、当該回動によ
って前記記録媒体に対向する位置と対向しない位置とに
設定可能とすることができる。
【0011】さらに、前記複数の記録ヘッドチップは前
記回転軸のまわりの同一面内に放射状に配置されたもの
とすることができる。
【0012】また、前記複数の記録ヘッドチップは前記
記録媒体に対し所定方向に走査可能であり、前記回転軸
は前記所定方向に平行に配置されたものとすることがで
きるまた、前記複数の記録ヘッドチップを一体に組立て
た記録ヘッドを着脱可能に支持する支持手段を備えたも
のとすることができる。
【0013】また、前記複数の記録ヘッドチップを前記
記録媒体に対し所定方向に走査させるための駆動源を具
え、該駆動源を用いて前記記録媒体に対向する位置と対
向しない位置とに前記複数の記録ヘッドチップを選択的
に設定するための駆動力を伝達するようにすることがで
きる。
【0014】ここで、前記複数の記録ヘッドチップを一
体に組立てた記録ヘッドを着脱可能に支持して前記記録
媒体に対し所定方向に走査する手段を有し、該手段に前
記駆動源を搭載したものとすることができる。
【0015】そして、前記駆動力の伝達経路に摩擦クラ
ッチまたは電磁クラッチを設けることもできる。
【0016】また、前記記録ヘッドは前記回転軸に装着
されてその外側を覆うヘッドケースを有し、前記支持手
段は前記記録ヘッドに対して駆動信号を伝達するための
電気接続部材を有し、前記ヘッドケースの一部で、前記
電気接続部材を開閉するようにすることができる。
【0017】ここで、前記記録ヘッドを収納した前記ヘ
ッドケースを前記支持手段に装着後回転させて所定の位
置で固定されるようにするとともに、当該所定の位置で
前記電気接続部材の接続状態を閉成するようにすること
ができる。
【0018】また、前記支持手段は前記記録ヘッドに対
して駆動信号を伝達するための電気接続部材と、前記複
数の記録ヘッドチップのいずれかを前記記録媒体に対向
させた状態にあるときに前記記録ヘッドの回動をロック
するロック部材と、他の前記記録ヘッドチップを前記記
録媒体に対向させる動作に際して前記電気接続部材の接
続状態を開放するとともに前記ロック部材のロック状態
を解除する手段とを有するものとすることができる。
【0019】さらに、本発明インクジェット記録ヘッド
は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドチッ
プの複数を共通の回転軸を中心に回動可能に保持してな
ることを特徴とする。
【0020】ここで、前記複数の記録ヘッドチップは前
記回転軸のまわりの同一面内に放射状に配置されたもの
とすることができる。
【0021】以上の記録装置またはヘッドにおいて、前
記複数の記録ヘッドチップは同一のベースプレート上に
配設されたものとすることができる。
【0022】また、前記記録ヘッドチップの前記インク
を吐出するための吐出口を形成した面をキャッピング可
能なキャップ部材を前記複数の記録ヘッドチップのそれ
ぞれに対応して設けることができる。
【0023】ここで、前記キャップ部材は前記回転軸を
中心とした複数の記録ヘッドチップの回動に応じて開閉
され、前記記録ヘッドチップが吐出を行わないときには
前記キャッピングが行われるようにすることができる。
【0024】また、以上において、前記複数の記録ヘッ
ドチップは色調を異にするインクに対応して複数設けら
れたものすることができる。
【0025】また、前記複数の記録ヘッドチップのそれ
ぞれに対応してインク供給源をなすインクタンクを一体
に設けてなるものとすることができる。
【0026】さらに、前記記録ヘッドチップは前記イン
クを吐出するために利用されるエネルギとしてインクに
膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有する
ものとすることができる
【0027】
【作用】本発明によれば、複数の記録ヘッドチップを選
択的に記録媒体に対向させ、切替えを行いつつ記録を行
うようにしたので、記録ヘッドチップを並置する場合に
比して装置を小型化し、かつ制御手段の負担を軽減する
ことができる。
【0028】また、記録ヘッドチップのインク吐出口形
成面をキャッピング可能なキャップ部材をヘッドチップ
毎に設け、そのヘッドチップが記録や予備吐出などを行
わない状態ではキャッピングが行われるようにしたの
で、吐出状態を良好に保つための処理を頻繁に行う必要
がなくなる。
【0029】
【実施例】以下図面に示す実施例を用いて本発明の詳細
を説明する。
【0030】図1は本発明の一実施例を示す全体斜視
図、図2は図1に示した装置のキャリア部分を詳細に示
した部分斜視図である。
【0031】図1において1は装置のフレームである。
1aはフレーム1の左側板、1bは同じく右側板であ
り、底板1cに垂直に対向して設けられている。また、
1dは同じく前板であり、後述するフレキシブルケーブ
ルを貫通させるための開口部1eが形成されている。1
fはフレーム1の後板である。2は回復ユニットであ
り、フレーム1に取付けられている。該ユニットは図示
しない駆動モータによりポンプ(同じく図示せず)を駆
動して、後述するキャップを介し記録ヘッドの吐出口
(以下ノズルともいう)からインクを吸引し、ヘッド内
へのインクの充填や増粘インクの排出等を行うものであ
る。3は回復ユニット2に取付けられたキャップであ
り、必要に応じて前後に移動して後述するヘッドの吐出
口形成部に密着できるように取付けられる。また、前述
したポンプと連結され、ポンプの吸引圧により、ヘッド
のノズルよりインクを吸引するとともに非使用時や待機
時には吐出口形成部を密閉してインクの固着を防止する
機能をもつ。4は紙送りローラで、円筒形の基台の表面
にポリウレタン等の高摩擦係数の樹脂を塗布したもので
あり、内部は中空に形成されており、図示しない廃イン
ク吸収体が収納されている。紙送りローラ4は回復ユニ
ット2の側面に設けられた軸受部に一端4aを回動可能
に支持され、他端4bは右側板1bに回動可能に支持さ
れる。5は紙送りローラギヤであり、紙送りローラ4の
一端に固着されている。6は紙送りモータであり、左側
板1bに取付けられ図示しないピニオンギヤで、紙送り
ローラギヤ5に噛合している。また本実施例では紙送り
モータ6にパルスモータを用いており、駆動パルスによ
り正逆両方向に回動可能にしている。7は伝達ローラで
あり、図示しないばねにより付勢され、紙送りローラ4
の外周に圧接している。また後述する排紙ローラにも同
時に圧接し、紙送りローラの回動力を排紙ローラに伝達
している。伝達ローラ7は回動力を確実に伝達するため
にゴム等の高摩擦係数の材料で形成されており、その中
心部を貫通して軸7aが固着されている。8は排紙サポ
ータであり、伝達ローラ軸7aの両端部に腕8a,8b
により所定の摺動力をもって取付けられる。摺動力を付
与するためには、例えば排紙サポータ8をポリアセター
ル等の弾性部材で形成し適度の締付力で伝達ローラ軸7
aを嵌入すればよい。また、このとき排紙サポータ8の
嵌入穴にスリットを設けることにより、締付力の調整を
行うことも容易である。9は排紙ローラであり、表面は
高摩擦係数の材料で形成され図示しないプラテンに保持
される。排紙ローラ9の構成材料としては、ゴムやポリ
ウレタン等を適宜の部材上に塗布したものでもよくある
いはそれら弾性材料を一体に成形したものでもよい。
【0032】排紙ローラ9の中央部9aに対し両端部9
bを若干(およそ4%)大きく形成し、紙送りローラ4
の周速より排紙ローラ9の両端部9bの周速の方が若干
高くなるように設定することにより、紙その他の記録媒
体(以下用紙ともいう)にたるみ等が発生せず、その被
記録面は良好な状態に保たれる。また、用紙の搬送力は
排紙ローラ9に圧接する拍車(後述する)の圧接力が弱
いため、紙送りローラ4による用紙の送りピッチが基準
となるので、紙送り精度に影響を与えることがない。
【0033】10は拍車であり、フッ素樹脂等の撥水性
のある材料で形成され、外周縁部を鋭利にした所謂、そ
ろばん玉形状の断面を有している。拍車10は図示しな
いカバーにより、前後に揺動可能にしかも回動可能に保
持され、図示しないばね部材により所定の圧接力(およ
そ10g前後が好ましい)で付勢されている。また、拍
車10は排紙ローラ9の両端部9bに対向した位置に配
設される。
【0034】11はリードスクリューであり、外周に形
成されたリード溝11aと左側端部に形成された円盤部
11bとを有し、紙送りローラ4と平行に、左側板1
a,右側板1b間に回動しないように固着されている。
12は紙押え板でステンレス等の薄板弾性材料で形成さ
れ底板1cに取付けられ、前記紙送りローラ4に所定の
圧力で接触している。なお、紙押え板12は紙送りロー
ラ4の外周部で用紙を搬送するとき、用紙を圧接して搬
送力を与えるための機能を有するため、用紙との接触部
はフッ素コーティング等を施すのが望ましい。なお、小
径のピンチローラを設ければさらに好ましい。13はガ
イド軸であり、リードスクリュー11と平行に、左側板
1a,右側板1bとの間に取付けられる。14はキャリ
アであり、リードスクリュー11およびガイド軸13に
支持され、軸方向に自在に移動できるように両者に結合
されている。15はキャリアモータであり、キャリア1
4に搭載され、所定のパルスにより駆動されるパルスモ
ータまたは直流サーボモータが用いられる。15aは駆
動シャフトである。16はキャリアモータピニオンで、
キャリアモータ15の駆動シャフト15aに固着されて
いる。17はアイドルギヤであり、キャリア14の軸に
回動自在に支持されている。またキャリアモータピニオ
ン16と噛合している。18はドライブギヤであり、キ
ャリア14に回動自在に、かつ、軸方向に移動を規制さ
れて取付けられておりアイドルギヤ17にギヤ部18a
が噛合している。また、その中心部にはリードスクリュ
ー11が貫通し、図2に示すように内周面に形成された
係合部18bがリード溝11aと摺動可能に係合してい
る。さらに、全体をプラスチックマグネットで形成され
ており着磁部18cに所定の分割でN極,S極を交互に
着磁している。なお、この着磁部は他の磁性材料(フェ
ライト磁石やアルニコ磁石、希土類−遷移金属磁石)で
リング状に形成したものを嵌入してもよい。19はクラ
ッチギヤであり、アイドルギヤ17に噛合している。
【0035】図3を参照してクラッチ部の詳細を説明す
る。20は摩擦板でフェルトやコルク等の比較的高摩擦
係数の材料で円形に形成され、クラッチギヤ19と切替
えギヤ21との間に配設される。22はクラッチばねで
あり、切替えギヤ21を軸方向に付勢している圧縮ばね
である。23はクラッチギヤ軸であり、キャリア14の
所定の位置に立設している。24はグリップリングであ
り、クラッチギヤ軸に取付けられ、クラッチばね22の
付勢力を受けている。
【0036】クラッチ部は摩擦部材である摩擦板20を
介した摩擦クラッチを構成しており、入力としてのクラ
ッチギヤと出力としての切替えギヤとにより後述するヘ
ッドユニットの回動を行わせるものである。なお、クラ
ッチ部は、摩擦板を用いる代りに、着磁した磁性板を用
いて動力を伝達するいわゆるヒステリシスクラッチを用
いれば、より信頼性を向上することが可能である。
【0037】図2に戻ってキャリア14の詳細について
説明する。141はキャリア側板Aであり、後述するヘ
ッドユニットを取付時にその所定部分の挿入を受容する
ための溝部141aと、ヘッドユニットを回動可能に保
持するための軸受部141bとが形成されている。14
2はキャリア側板Bであり、キャリア側板A141と同
様に、溝部142aと軸受部142bとが形成されてい
る。また後述するヘッドケースの回動を規制するための
クリック部142cが形成されている。143はドライ
ブギヤ18のスラスト方向の規制を行うとともに後述す
るホームポジションセンサの取付部を兼ねるホルダー部
である。143aはリードスクリュー11が嵌入する軸
受部、144も同様の軸受部である。145はガイド軸
13が嵌入する軸受部である。146は後述するチェン
ジレバーの軸部を回動可能に支持するための軸受部、1
47も同様の軸受部である。25はチェンジレバーで、
25aは軸部、25bはロック部、25cは作動腕部、
25dは解除腕部であり、軸部25aはキャリア25の
軸受部146,147に回動自在に支持されている。ま
た、軸部25aはスラスト方向にも規制部材(図示せ
ず)により固定されており、ロック部25bは軸部25
aを回転中心として回動方向にのみ動作できるようにな
っている。26はキャップレバーであり、キャリア14
の所定の位置に立設されている。27は切替えソレノイ
ドであり、プランジャ形式の構成になっており、通電に
応じてプランジャ27aが吸引される。
【0038】プランジャ27aの端部にはチェンジレバ
ー25の作動腕部25cの端部と回動自在に連結されて
おり、前述したように、通電に応じたプランジャ27a
の作動によりチェンジレバー25は図2の反時計方向
(矢印A方向)に回動する。また、通電を停止すれば図
示しない戻しばねによりプランジャ27aは復帰し、チ
ェンジレバー25も元の位置に復帰する。28は接点レ
バーであり、回動軸28a,回動レバー28bおよびセ
ットレバー28cが一体に形成されたものであり、キャ
リア14の図示しない軸受部に回動自在に支持されてい
る。
【0039】接点レバー28の裏面にはフレキシブルケ
ーブルの端部(図示せず)が所定の位置に取付けられて
おり、後述する記録ヘッドの接触部に相対した位置に半
球状の突起が接点部として形成され、導通可能としてい
る。
【0040】なお、接点レバー28は図示しない圧接ば
ねで付勢されており、所定の圧力で接点部が接触するよ
うに構成されている。また、回動レバー28bは前述し
たチェンジレバー25の解除腕部25dの上部に位置
し、これと係合しているので、チェンジレバー25の回
動により接点レバー28も同期して回動するように構成
されている。29は予備吐出検出センサ(以下予備吐出
センサと略す)であり、後述する記録ヘッドが所定の角
度で停止したときに相対する位置に取付けられている。
【0041】予備吐出センサは、所謂マイクロホンと同
様の構成であり、図4にその詳細な構成例を示す。29
1はケースであり、円筒形に形成されており、底板29
1bが一体に形成される。292は鉄心であり、強磁性
体すなわち高透磁率の材料(鉄等)等で円柱状に形成さ
れた鉄心部292aの一端には円板状の底板292bが
一体に形成されており、その底板292bには小穴29
2cが開けられている。小穴292cは後述する振動板
の揺動を容易にするとともに、小穴から位相差のある音
波を加えることで、密閉形では全指向性になるところを
単一指向性に特性を変えている(一部背面に指向をも
つ)。これは、予備吐出の検出時、外来ノイズとしての
音波を極力減らすためである。鉄心292はヨークの下
端面に固着される。293はボビンであり、294はコ
イルである。コイルからの出力端子(図示せず)は後述
するフレキシブルケーブルに接続される。ボビン293
は鉄心292に嵌入される。295はマグネットであ
り、円筒状に形成され、両端にNおよびS極を着磁して
ある。マグネット295は内径がボビン293より若干
大きく、また外径がヨーク291より若干小さく形成さ
れており、底板292bに取付けられる。296は振動
板であり、高透磁率の材料(鉄等)で薄板の円盤状に形
成され、マグネット295の上面に取付けられる。29
7は予備吐出インク吸収体(以下予備吐出吸収体と略
す)であり、振動板296の上部に若干の空隙をもって
配置されており、中央部にスリット状の開口部297a
が形成されている。予備吐出吸収体297はポリオレフ
ィン焼結体のような多孔質材料で形成されており、親水
処理が施されている。
【0042】図5は予備吐出センサ29の断面を示す。
マグネット295の磁力は鉄心292の底板292b,
鉄心292aおよび振動板296を通り、鉄心292a
と、振動板296の間の微少空隙に起磁力が集中してい
る。ここで、振動板296が音波や後述するインク滴を
受けて振動すると、空隙が変化し、磁束変化が起きるの
で、ファラディの電磁誘導の法則に従って起電力が発生
する。この起電力を増幅して、適度なしきい値で出力を
取り出すことにより、予備吐出のインク滴着弾を知るこ
とが可能になる。30はキャリア吸収体であり、前述し
た予備吐出吸収体297と同様に親水性の多孔質材料で
形成され、キャリア14の所定の位置に取付けられ前記
予備吐出吸収体297と一部で接触している。そして、
予備吐出吸収体297の吸収能力を超えたインクは接触
部より毛管現象で移動するようになっている。
【0043】図2およびその部分断面を示す図6を参照
するに、31はホームポジションセンサであり、前記キ
ャリア14のホルダー部143の所定の位置に取付けら
れている。このホームポジションセンサ31にあっては
発光ダイオード31a、および受光トランジスタ31b
が対向して、しかもリードスクリュー11のリード溝1
1aのリード角と同じ角度で同方向になるように設けら
れており、リードスクリュー11のリード溝11aの検
出と円盤部11bの検出とが行えるフォトインタラプタ
を構成している。32は記録ヘッドである。321はA
l等の金属材料を用いて形成した円盤状のベースプレー
トであり、等角度で4カ所にヘッドチップの固定部32
1a〜321dが形成されており、また、フレキシブル
配線板の端部が通過するための開口部321e〜321
hが形成されている。321iは後述するインクタンク
の位置決め用の穴である。また、図6において322は
ヘッドチップであり、シリコンウェハー上に抵抗素子や
回路パターンを形成してある。
【0044】本実施例では加熱によって生じるインク中
の発泡によりインク吐出する方式のインクジェットヘッ
ドを用いている。この詳細を説明するに、ヘッドチップ
322の一端面には前述した各記録ヘッドに対応すべ
く、1列に発熱部322aを有し、また他端部には各素
子に対応した接続用パターン部322bを有している。
ヘッドチップ322はベースプレート321の所定の位
置に固着される。323は溝付天板で、ヘッドチップ3
22の発熱体に対向して複数の溝が形成されており、こ
の溝323aがインクの発泡室になる。また前面のフェ
イス面323bには各溝に対応した小穴(ノズル)32
3cが形成されている。なお、フェイス面323bは後
述するヘッドキャップに対応して所定の角度をもって形
成される。323dは共通液室、323eはインク導入
部である。324はインクタンクであり、溝付天板32
3を押し付けて固定するとともに、各色用にインク室3
24a〜324dを一体に形成して有している(インク
室は本実施例では4色分なので扇形に円を4等分した形
になる)。その中心部には軸部324eを有し、一端部
にはキャリア14に装着した時に切替えギヤ21と噛合
するためのヘッドギヤ324fが形成されている。32
4gは後述するヘッドキャップのスライド時にガイドを
行うためのガイド溝、324hは位置決めピンであり、
ベースプレート321の位置決め用の穴321iに係合
して固着されている。324iは回転位置決め穴であ
る。324jはインク保持材であり、連通孔を有したス
ポンジ状のもので形成され、インクタンク324のイン
ク室324aに収納されて各色のインクがそれぞれ含浸
されている。325はヘッドキャップであり、溝付天板
323のフェイス面323bを覆うキャップ部325a
とインクタンク324のガイド溝324gと係合するガ
イド部325bとを有し、またキャップレバー26と係
合するための作動溝325cが形成されている。ガイド
部325bとガイド溝324gとは係合しており、ヘッ
ドキャップ325はガイド溝に沿って移動可能である。
326はキャップ戻しばねであり、ヘッドキャップ32
5を常にキャッピングする方向に付勢している。327
は接点フレキシブル配線板であり、ヘッドチップ322
と接続するための接続部327aを4カ所有し、ベース
プレート321の開口部321e〜321hを通り、ヘ
ッドチップ322と導通面で接合している。327bは
接点部であり、ヘッドチップ322からの信号線を適度
な間隔を置いて配置してあり、また円周方向に所定の角
度をもって同心に配置されている。なお接点の数を減ら
すために、前述したヘッドチップ322にダイオードを
作り込んでマトリクス駆動を行うようにしたり、ICを
作り込んでシリアル信号で駆動を行うようにしてもよ
い。
【0045】接点部327bは4カ所に同形状に配置し
てあるが、図では一部省略してある。33はヘッドケー
スであり、ケース側板33aが両端に対向して設けてあ
り、記録ヘッド32の軸部323eが挿入される軸受部
33bおよび位置決めピン33cが両側板に形成されて
いる。位置決めピン33cはキャリア14のクリック部
142cと係合する位置にあり、所定の圧力をもったク
リックにより回動が規制されるようになっている。33
dはセットカムで接点レバー28のセットレバー28c
と係合する位置に円錐状に形成されている。セットカム
33dは片側、つまり接点レバー28の側にのみ形成さ
れている。33eはケースツマミである。
【0046】ヘッドケース33は記録ヘッド32の外周
を覆うように装着され、円筒形状の記録ヘッド32の取
扱いを容易にしている。しかもケース側板33aは、記
録ヘッド32の外周より大きく設定されるので、図示の
ように平坦部33fを設けておく等により、記録ヘッド
を取り外して机上等に置いても転がるのを防止すること
もできる。
【0047】再び図1を参照するに、34はキャリアフ
レキシブルケーブルであり、キャリア14に一端を固定
し、前述したキャリアモータ15,予備吐出センサ2
9,接点レバー28のコンタクト部ホームポジションセ
ンサ31等に接続あるいは形成している。また、後述す
るタイミングパルス検出器にも接続している。キャリア
フレキシブルケーブル34の他端34aはフレーム1の
開口部1eを通り、後述する制御基板に接続される。3
5はタイミングパルス検出器で、鉄心35aにコイルを
巻付けてあり、前記ドライブギヤ18の着磁部18cに
一端を近接して、前記キャリア14に取付けられてお
り、前記着磁部の回転により、タイミングパルス検出器
35のコイルに電磁誘導作用による起電力が発生するの
でアナログ−デジタル変換して、タイミングパルスとし
て、記録ヘッドの駆動制御に用いる。なお、コイルの末
端は前記キャリアフレキシブルケーブル34の端部に接
続される。
【0048】図7は本実施例の外装関係を説明するため
の断面図であり、内部の機構で、前述した部分には同じ
番号を付してある。50は下ケースであり、底部には記
録用紙51を供給するための開口部50aが形成されて
いる。52は上ケースであり、下ケース50と組み合せ
ることにより箱形のプリンタケースとして機能する。5
3はカバーであり、記録後の用紙を積層するためのスタ
ッカとしての機能をもたせるために所定の角度で停止で
きるように構成される。53aはヒンジである。54は
制御基板であり、CPU(マイクロプロセッサ)や、イ
ンターフェース、メモリ等の各種電気素子が載ってい
る。55はバッテリーであり、本実施例では外部電源の
ない場所でも使用できるようにして装置を携帯可能にし
ている。56は前述した予備吐出センサと同様のものを
基板上に実装したセンサであり、音波や振動等、外部ノ
イズを検知するためのものである。なお下ケースに一部
開口を設けて音波の侵入を容易にしてもよい。
【0049】次に、以上の構成についてその動作を説明
する。制御基板54より記録指令が与えられると、ま
ず、キャリアモータ15を駆動し、キャリア14を主走
査方向に移動させる。この時、キャリアモータ15の駆
動力はキャリアモータピニオン16からアイドルギヤ1
7を経由してドライブギヤ18に伝達され、ドライブギ
ヤ18の回転により、内面に設けられた係合部18bが
リードスクリュー11のリード溝11aに沿って動こう
とするが、前述のようにリードスクリュー11はフレー
ム側板1a,1b間に回転しないように取付けられてい
るため、ドライブギヤ18が主走査方向に移動すること
になる。ドライブギヤ18の移動は、ホルダー部143
の移動を生じさせ、従ってキャリア14が、移動するこ
とになる。
【0050】ドライブギヤ18が回転すると、着磁部1
8cも同期して回転しているためタイミングパルス発生
器35に起電力が発生し、タイミングパルスに変換され
たものが、制御基板54のCPUに入力される。
【0051】図8は信号関係の出力についての説明図で
ある。前述したように、タイミングパルス(TP)はド
ライブギヤ18の回転により生じ、等速で回転していれ
ば等間隔のパルスとして出力される。またキャリア14
の移動により、ホームポジションセンサ31の光路はリ
ードスクリュー11のリード溝11aの位置では出力波
形が得られる。ここでリードスクリュー11のリード溝
11aを記録ドットピッチの整数倍にとっておけば、一
定のタイミングパルスTP毎に波形が得られることにな
り、後述する双方向記録時のゾーン検出に用いることが
可能である。ここでホームポジションセンサ31のリー
ド溝11aの検出出力をゾーンパルスZPと呼ぶ。
【0052】またリードスクリュー11のホームポジシ
ョン側に設けられた円盤部11bは前述したリード溝1
1aの間隔より十分小さい厚さである。センサ31の光
軸は斜めであるので、円盤部11bは実際より大きい幅
として検出されるが円盤部11bの厚さを適切に定めれ
ば、ホームポジション信号H・Pを問題なく識別でき
る。
【0053】図8においてはタイミングパルスTP1と
TP2との間でホームポジション信号H・Pを検出し、
さらに右方向にキャリア14を移動すればタイミングパ
ルスTP4とTP5との間でゾーンパルスZP1が出力
され、さらにキャリア14を移動していくと、TP7と
TP8との間でZP2が、TP10とTP11の間でZ
P3が出力される。ゾーンパルスZ・Pは一定間隔で出
力される。従って、キャリアモータ15を駆動してホー
ムポジション信号H・Pを検出した後、ゾーンパルスZ
P1検出後のタイミングパルスTP5の立上り信号を使
って記録ヘッド32に駆動パルスを与え、インクを吐出
させればよい。ここで、タイミングパルスTPを多く出
力するように着磁部18cの着磁極数を多くしても良い
し、また、各タイミングパルス間を分割したタイミング
信号をCPUで作成して記録タイミングとしてもよい。
ここではキャリア14の移動に伴って出力されるタイミ
ング信号TPによって記録を行わせるので、基準パルス
を用いてモータ(この場合パルスモータが多く使われ
る)の駆動と吐出駆動とを行うオープンループ制御に比
べてインク滴の着弾精度を向上させることができる。
【0054】なお、本例のようにリードスクリュー11
を固定し、ドライブギヤ18を回転させてタイミング出
力を得ること、およびリード溝11aによりゾーン信号
を得ることによって、駆動機構と信号出力機構とを同一
にすることができキャリア14のガタや倒れ、さらに機
構部分のたわみによる信号ずれを最小にすることができ
る。また、往復(双方向)記録を行う際、キャリアの反
転時にタイミング信号TPの出力波形が乱れ、正確なカ
ウントができなくなることに対応するべく、ゾーン信号
ZPを用いている。つまり、双方向印字は各ゾーン毎に
区切られた範囲内でのみ行い、ゾーンの中(ZPとZP
との間)では反転動作を行わないようにしてある。この
ため、反転後はゾーンパルスを検出した後のタイミング
パルスが正確にカウント可能になるので、ゾーン単位で
最短双方向印字を行うことが可能になっている。
【0055】次に、図9を用いて記録ヘッド32を装着
する時の動作について説明する。
【0056】ヘッドケース33に収納した記録ヘッド3
2を装着する際はツマミ33eを持って真上からキャリ
ア14のキャリア側板A141,キャリア側板B142
の溝部141a,142bに沿ってインクタンク324
の軸部324eを差し込み、軸受部141b,142b
に回動可能に支持させる。
【0057】この時、ヘッドケース33のセットカム3
3bは、接点レバー28と一体に形成されたセットレバ
ー28cと係合しており、接点レバー28は回動軸28
aを中心に所定量回動し、記録ヘッド32のコンタクト
部との接触を解除している(図9(A))。次に、ヘッ
ドケース33を図9(B)に示す矢印方向に回動する
と、セットカム33dとセットレバー28cとの係合が
解かれ、接点レバー28は図示しないばねの付勢によ
り、記録ヘッド32のコンタクト部と接触し、キャリア
フレキシブルケーブル34との導通が可能になる。な
お、ヘッドケース33の位置決めピン33cがキャリア
14のクリック部142cに係合しており、ヘッドケー
ス33の回動は規制される。
【0058】次に、色切替え動作について図10および
図11を用いて説明する。
【0059】図10(A)は記録用紙にマゼンタMのヘ
ッドが対向しているときの状態を示している。この時キ
ャリアモータ15の駆動力はキャリアモータピニオン1
6からアイドルギヤ17,クラッチギヤ19へと伝達さ
れ、さらに摩擦板20を介して切替えギヤ21に伝達さ
れ、記録ヘッド32のヘッドギヤ323fと噛合して記
録ヘッド32を回転させる力として働いている。しか
し、記録ヘッド32はチェンジレバー25のロック部2
5aが記録ヘッド32の回転位置決め穴324iと係合
しているため、回転することがなく、駆動力は摩擦板2
0のすべりにより吸収されている。
【0060】さて、色替え時にはキャリアモータ15を
駆動させながら切替ソレノイド27に通電し、チェンジ
レバー25を回動しロック部25aと回転位置決め穴3
23iとの係合を解く。キャリアモータ15の駆動力は
常に、記録ヘッド32を回転させる方向に働いているの
で、記録ヘッド32は図10(B)に示すようにC方向
に回動する。また、この時、図11(A)に示すように
チェンジレバー25の回動に伴い解除腕部25dも回動
し、係合している接点レバー28の回動レバー28bを
押し上げる。回動レバー28の回動により、図11
(B)に示すように接点レバー28は矢印D方向に回動
し、記録ヘッド32のコンタクトへの押圧を解除し、記
録ヘッド32の回動を容易にするとともにコンタクト部
の摩耗も防いでいる。
【0061】さて、図10に戻るに、記録ヘッド32は
回転を続けるが、途中で切替ソレノイド27の通電は停
止してもよい。記録ヘッド32が所定の位置、つまり図
10(C)に示すイエローYが記録用紙に対向したとこ
ろでロック部25aと回転位置決め穴324iとが係合
し、記録ヘッド32は回動を停止する。
【0062】次に、図12を用いて色切替え時のキャッ
プの開閉動作について説明する。
【0063】記録ヘッド32の吐出動作時には、図12
(A)に示すようにノズル323cが露出し、ヘッドキ
ャップ325は、キャップレバー26により開放されて
いる。記録ヘッド32が、色替えのために回動途中にあ
る時の図が図12(B)であり、マゼンタM,イエロー
Yともキャッピングされている。さらに記録ヘッド32
が回動すると、キャップレバー26とヘッドキャップ3
25の作動溝325cとが係合し、回動に伴いヘッドキ
ャップ325は徐々に開放されて行き、次の色(図では
イエロー)が記録用紙に対向した時にはキャップは完全
に開放されている(図12(C))。なお、記録に使用
する色の選択は各色毎のコンタクト部に識別用接点を設
けて行うようにしてもよく、また一カ所にのみ設けて、
回転時に順次カウントを行いながら操作が行われるよう
にしてもよい。
【0064】さて、色替え時にはその直前まで使用して
いなかったヘッドを使用することになるため、増粘イン
クの排出を行って吐出状態を良好にしておくのが好まし
い。これは記録ヘッド32が回動している途中で、しか
もヘッドキャップ325が開いている位置(少なくとも
ノズル部が開いていれば足り、ヘッドキャップ325が
完全に開いている必要はない)で対向している予備吐出
センサ29に対し記録時と同じくインク吐出を行わせる
ことで達成される。
【0065】図13にその動作を示す。記録ヘッド32
より吐出されたインク滴は空中を飛行し、予備吐出吸収
体297の開口部297aを通過し、振動板296に衝
突する。この時に振動板296が振動し、予備吐出セン
サ29の磁気回路の空隙が変化し、コイル294に起電
力が発生する。予備吐出は、ノズルの数だけ順次行い、
規定数2〜10回の吐出により着弾が確認されれば、次
のノズルに移るようにしている。これにより無駄なイン
クの消費を防止できる。なお、図13(C)に示すよう
に、吐出インクが所定量以上になると予備吐出インク吸
収体297に毛管現象で吸いとられ、振動板296上の
インク量は規制される。
【0066】図14を用いて、予備吐出センサ29の出
力波形について説明する。
【0067】記録ヘッド32に通電してインクを吐出さ
せ予備吐出センサ29より出力される波形がセンサ出力
であり、この場合2番目のノズルについての吐出の出力
がなかった(2番目のノズルのインクが吐出不能であっ
た)と仮定している。その2番目のノズルについてのセ
ンサ出力は破線で示してある。次に、振動板296は外
部ノイズつまり音波や振動等も容易に検出して外部ノイ
ズとして出力してしまうおそれがある。ここで、実際の
予備吐出センサ29の出力は合成出力1として出力さ
れ、たまたま外部ノイズの高出力部が、予備吐出の周期
と合致した場合、低出力のノイズをカットするためにス
レッショルドを高めに設定してもノイズをひろってしま
い、2番目のノズルの不吐出が検知できなくなってしま
うおそれがある。これを避けるためには、動作を数回く
り返して行うか、1つのノズルから数回吐出動作を行わ
せるか、またはヘッドの吐出周波数を変化させて(例え
ば4kHzの記録ヘッドなら3.5kHz,3.7kH
z,4kHzと3段階で行う等)外部ノイズとの同期を
回避することも有効である。また、予備吐出センサ29
を2個設け、一方のセンサにて外部ノイズのみを検出す
るようにし(これは例えば装置の制御基板上に搭載して
おくことができ、これによって配線等が容易となる)、
その出力波形を処理して反転し、これをキャンセルセン
サ出力として、予備吐出を受けている他方のセンサ出力
と合成することにより、合成出力2を得ることも可能で
ある。ここで、基準パルス(この時、キャリアは動いて
いないのでタイミングパルスは出力されていない。そこ
でCPUでこの基準パルスを作成することができる)よ
り、センサ出力(合成出力2)までの時間ΔtをCPU
で計測することにより、吐出の有無だけでなく吐出スピ
ードの検知も可能であり、画像品位の低下につながるド
ットヨレも検出可能とすることができる。
【0068】また、不吐出のノズルについては吐出する
までくり返し、吐出パルスを加えるか、または故意に低
い周波数や長いパルスを加える等、インクの吸引動作を
極力行わないで、ノズルの回復動作を行うようにするこ
とも可能である。
【0069】さて、本実施例では色替えの途中で予備吐
出センサ29に予備吐出を行いノズルの吐出状況をチェ
ックしてから次の色の記録を行うようにしているが、ホ
ストコンピュータから各色(イエロー,マゼンタ,シア
ン,ブラック)の色情報毎にドットイメージデータを転
送するようにすればプリンタのラインバッファは単色記
録の装置と同じ容量だけあればよく、さらに、記録制御
も通常の単色(例えば黒一色)の記録と何ら変わらない
ので、同様に扱うことができる。
【0070】次に、記録中および記録後の記録用紙の搬
送について述べる。
【0071】図15(A)は、記録中の状態を示す図で
あり、記録用紙51は実質的に水平に搬送され、記録ヘ
ッド32は下向きにインクを吐出して記録を行ってい
る。この時、紙送りローラ4は図中時計方向(矢印E)
に回転しており、伝達ローラ7は反時計方向に回転して
いる。排紙サポータ8は摺動力により伝達ローラ7を中
心として同方向に回動して行くが、図示しない位置決め
部材に当接し、所定の位置で係止されている。この位置
はプリンタから搬出された記録用紙51の接線上または
若干上側であり、記録用紙51の先端が先に記録されて
カバー53上に積載されている用紙に触れないように設
定されている。
【0072】さて、図15(B)に示すように、記録が
終了して排紙ローラ9より排出されると、記録用紙51
の後端部は上方に大きく曲がって、記録用紙51は停止
する。
【0073】ここで、図15(C)に示すように紙送り
ローラ4を反時計方向(矢印F)に回転させると伝達ロ
ーラ7は時計方向に回転し、排紙サポータ8も時計方向
に回転して、上ケース52の内側に収納される。記録用
紙51の後端部は排紙レポータ8の収納と同時にカバー
53の上に整列して積載される。
【0074】紙送りローラ4の反時計方向への回転は記
録後であるので、何ら問題は生じない。また、オートシ
ートフィーダ(図示せず)の動力をプリンタの紙送りモ
ータ6で兼用する場合、トリガーとして逆転する場合が
多く、時間的にも無駄が生じないのでスループットを低
下させることもない。
【0075】次に、本実施例における記録ヘッドの構成
について詳細に説明する。
【0076】図16(A)および(B)は記録ヘッドの
部分断面図である。ここで、323fは前述した溝付天
板323に形成されたインク流路であり、インク導入部
323eを通ったインクはこの流路323fを経由し
て、共通液室323dに導入され、その内部に所定量の
インクが貯蔵されて液路323aに供給される。液路3
23aに臨んだ面には、ヘッドチップ322の発熱体が
あり、これに通電を行うことによりインクが発泡し、ノ
ズル323cよりインクが吐出される。
【0077】一方、インク導入部323eから分岐して
バイパス流路323gが形成され、液路323a′を介
してインク残量検知用ノズル(以下残検ノズルという)
323hまでインクを供給している。液路323a′に
対しても発熱体が設けられ、これにより残検ノズル32
3hからの吐出も可能である。かかる残検ノズル323
h等を有した記録ヘッドは、通常の記録ヘッドの製造工
程と同様にして液路323a等の他に液路323a′等
とも同時に形成することにより製造することができる。
【0078】図16(A)および(B)を用いてインク
の残量検知について説明する。
【0079】上記した予備吐出にて各ノズルの吐出状態
をチェックし、結果が良好であれば、残量検知を行う。
この場合バイパス流路323gと液路323aとを合計
した容量分のインクの吐出を行う。例えば、液路323
a′が0.04mm角,長さ0.2mm程度であり、バ
イパス流路323gが0.04mm角,長さ1mm程度
であるとすると、容量は1.92×10-6ccとなる。
一方、1駆動パルスあたりのインク吐出量を仮に7×1
-8ccとすれば約27パルス分吐出駆動を行えば、バ
イパス流路323g,液路323a′内のインクが消費
される。実際には前述した合計容量より若干多めに吐出
を行わせ、予備吐出センサ29で着弾が確認できれば、
インク導入路323e内にインクが充填していると判断
し、逆に、図16(B)に示すように、インク導入路3
23e内のインクがなければ、バイパス流路323g内
のインクを消費してしまえば予備吐出センサ29に着弾
がなくなるので、これによりインク無しと判断できる。
そして、このインク無しの判定によりインクの補充を促
すランプやブザー等の警告手段を作動させればよい。な
お、インク残量はほとんどないがインク導入部323e
内にインクが若干でも残っている場合にもインク有りと
判断されるが、共通液室323dと流路323fとの合
計容量を少なくとも記録の1行分のライン量が確保され
るように定めておき、1行毎に残量検知を行えば問題は
生じない。
【0080】(他の実施例)図17,図18,図19〜
図21,図22,図23および図24ならびに図25〜
図28を用いて装置各部の他の諸実施例を説明する。
【0081】まず、図17(A)および(B)はヘッド
キャップ機構の他の実施例を示し、この例では記録ヘッ
ド32のキャップ325を押圧しているばねを一体に成
形してあり、ばね部325dは同図(B)に示すように
U字形に変形して収納される。この場合、キャップ32
5はクリープが少なく、弾性を有するプラスチック材
料、例えばポリアセタール,ナイロン等で成形すること
ができる。
【0082】図18(A)および(B)は、それぞれ予
備吐出センサの他の実施例を示す断面図および回路図で
ある。この例では、振動板60を弾性体の樹脂薄膜にア
ルミニウムを蒸着して形成したものであり、内部に設け
た導体板61とコンデンサを形成してる。そして、振動
板60の振動による静電容量の変化をIC62で増幅し
て出力するようにしたもので、構成はコンデンサ型マイ
クロホンと同じにしてある。しかし、応答周波数帯域は
狭くてよく、インクの着弾時の衝撃を検知すればよいの
で、振動板は数百ミクロンの厚さでも使用可能である。
【0083】図19は予備吐出センサ29近傍の構成の
他の実施例を示す断面図である。本例は、前述したイン
ク吸収性の良い多孔質吸収体で形成された予備吐出イン
ク吸収体297の開口部297aを、面取り(図13参
照)を施さずにないストレートのスリットとして開口部
の近傍のインク吸収能力の向上を図るとともに、インク
吐出方向の傾き(ヨレ)を、当該インクをスリット外側
の溝297b側に逃がすことにより検出し易くしたもの
である。
【0084】図20(A)および(B)は予備吐出セン
サ近傍の構成のさらに他の実施例を示す正面図および平
面図である。298はインク除去板であり、金属やプラ
スチック等の一般構造部材で形成され、予備吐出インク
を吐出センサ29に受容するために中央部に設けたスリ
ット状の開口部298aと、それに続くテーパ状の溝2
98bと、キャリア吸収体30に連続する細いスリット
298cとが形成されており、着弾したインク滴は毛管
現象で下部に配置したキャリア吸収体30に導かれ、こ
れに吸収されるようにしてある。本実施例では、予備吐
出吸収体297に比べて廉価な材料でインク除去板29
8が製作できるので、装置をさらに廉価に提供できる。
【0085】図21は予備吐出センサ29近傍の構成の
さらに他の実施例で、予備吐出センサ29の振動板29
6の表面に撥水剤の層299(フッ素樹脂等)をコーテ
ィングし(または振動板296自体を撥水材料で形成し
てもよい)、着弾したインク滴100を下方に流すよう
にしたものである。そして、そのインクは下方に位置し
たキャリア吸収体30に吸収される。このとき、振動板
296は水平線に対し、所定の角度θで取り付けられる
が、この角度θは前述した撥水処理の特性により適宜決
められる。
【0086】図22は接点フレキシブル配線板取付部の
他の実施例で示す。本例は、図6の構成に比べ、ベース
プレート321の中央部を大きく開口させるとともに、
インクタンク324の端面を延長させてベースプレート
と同一平面に位置づけられるようにし、その端面に接点
フレキシブル配線板327を密着して取り付けるように
したものである。この構成によれば、接点フレキシブル
配線板327を組立てる際に、図6について前述したよ
うにベースプレート321の開口部を通過させる必要が
なく、組立性を高くすることができる。
【0087】図23は接点フレキシブル配線板取付部の
さらに他の実施例である。本例はベースプレート321
の開口部321e〜321hの片側を円弧状に大きく拡
大した大開口部321jを設けたもので、接点フレキシ
ブル配線板327を組立てる際には、同図(A)に示す
ように接続部327aが前述した大開口部321jに入
りこむようにして装着を行い、その後、同図(B)に示
すように接点フレキシブル配線板327を回動させてヘ
ッドチップ322と接合部が対向させるようにしてこの
状態で圧接し、半田付等を行えばよい。本例の場合、接
続部327aをヘッドチップ接合部と対向するようにあ
らかじめ折り曲げておけるので、組立性が向上する。
【0088】図24は図3に示したクラッチ部の他の実
施例を示す図である。本例のクラッチギヤ19には電磁
クラッチ200の本体部200aの回転伝達部200b
が、また切替えギヤ21には電磁クラッチ200の吸着
板200cが、それぞれ取り付けられており、吸着板2
00bの吸着面にはコルク等の高摩擦係数の材料でライ
ニング200dが施されている。図24および図25を
参照して記録色の切替え動作を説明するに、ヘッド32
を回転させようとした時は、まず、前述したように切替
えソレノイド27を作動させ、チェンジレバー27を回
動させてロック部25bを解除し、次に電磁クラッチ2
00に通電して吸着板200bを吸着し、ヘッド32を
所定量回転させた後電磁クラッチ200への通電を断つ
ことによって動力の伝達を切り、ロック部25aをヘッ
ド32の位置決め用の穴321iに係合させるようにす
る。本例の場合、記録色の切替え以外は、モータ負荷が
かからないので、モータを小形化できる利点がある。
【0089】図25はインク残量検知のための記録ヘッ
ドの構成の他の実施例である。本例は、前述した流路3
23fを屈曲させてスペースを確保し、分岐部よりのイ
ンク容量を多くしたものである。本例によれば、残量検
知後の記録可能行数を多くすることができるので、一行
ごとに残量検知動作を行う必要がなく、その分スループ
ットを向上することができる。
【0090】図26は同じく記録ヘッドの構成のさらに
他の実施例を示す。本例は、バイパス流路323gを直
接インクタンク内に延長したものであり、インクタンク
の姿勢を考慮して、インク導入部323eより上方から
インクを供給すれば、共通液室323dやインク流路の
容積に制限を与えないので、残量検知動作の回数をさら
に減らすことが可能である。
【0091】図27は同じく記録ヘッドの構成のさらな
る実施例を示し、残量検知用ノズル323hを記録ノズ
ル323cより大きくしたものである。これによると、
残量検知時の吐出駆動回数を減らすことができ、記録時
間を短縮できる効果がある。
【0092】図28は同じく記録ヘッドのさらに他の実
施例を示す。本例は予備吐出センサ29の中央付近でイ
ンク滴が着弾するようにしたものであり、これは記録ヘ
ッド32の回動途中の停止位置を変えるだけで実現でき
るので、予備吐出センサ29の応答特性の良い場所を使
用してセンシングをより精度高く行うことができる。
【0093】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0094】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0095】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0096】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0097】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0098】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0099】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。すな
わち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体
的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでも
よいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフル
カラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置に
も本発明は極めて有効である。
【0100】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0101】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の記録ヘッドチップを選択的に記録媒体に対向さ
せ、切替えを行いつつ記録を行うようにしたので、記録
ヘッドチップを並置する場合に比して装置を小型化し、
かつ制御手段の負担を軽減することができる。
【0103】また、記録ヘッドチップのインク吐出口形
成面をキャッピング可能なキャップ部材をヘッドチップ
毎に設け、そのヘッドチップが記録や予備吐出などを行
わない状態ではキャッピングが行われるようにしたの
で、吐出状態を良好に保つための処理を頻繁に行う必要
がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明インクジェット記録装置の一実施例を示
す全体斜視図である。
【図2】図1に示した装置のキャリア部分を詳細に示す
部分斜視図である。
【図3】図2におけるクラッチ部の詳細を示す分解斜視
図である。
【図4】同じく予備吐出センサの詳細を示す分解斜視図
である。
【図5】その予備吐出センサの断面図である。
【図6】図1に示した装置の部分断面図である。
【図7】図1に示した装置の外装を説明するための断面
図である。
【図8】図1に示した装置のタイミングパルスとリード
スクリュのリード溝の検出出力との関係を説明するため
の説明図である。
【図9】(A)および(B)は図1に示した装置に記録
ヘッドを装着するときの動作を説明するための説明図で
ある。
【図10】(A)〜(C)は記録ヘッドの色切替え動作
の説明図である。
【図11】(A)および(B)は色切替え動作の説明図
である。
【図12】(A)〜(C)は色切替え時の図1における
キャップの開閉動作の説明図である。
【図13】(A)〜(C)は色切替え時に行う増粘イン
クの排出動作の説明図である。
【図14】予備吐出センサの出力波形の説明図である。
【図15】(A)〜(C)は記録中ないし記録後の記録
媒体の搬送を説明するための説明図である。
【図16】(A)および(B)は本実施例で用いた記録
ヘッドの詳細な構造およびその構造によるインク残量検
知動作を説明するための説明図である。
【図17】(A)および(B)はヘッドキャップの他の
実施例の構成および動作を説明するための説明図であ
る。
【図18】(A)および(B)は、それぞれ、予備吐出
センサの他の実施例を示す断面図および回路図である。
【図19】図1における予備吐出センサ近傍の構成の他
の実施例を示す断面図である。
【図20】(A)および(B)は、それぞれ、予備吐出
センサ近傍の構成のさらに他の実施例を示す正面図およ
び平面図である。
【図21】予備吐出センサのさらに他の実施例を示す側
面図である。
【図22】図2における接点フレキシブル配線板取付け
部の他の実施例を示す断面図である。
【図23】図2における接点フレキシブル配線板取付け
部のさらに他の実施例の構成および取付け動作を説明す
るための説明図である。
【図24】図3に示したクラッチ部の他の実施例を示す
分解斜視図である。
【図25】記録ヘッドにおけるインク残量検知のための
構成の他の実施例を示す部分断面図である。
【図26】同じくさらに他の実施例を示す部分断面図で
ある。
【図27】同じくさらなる実施例を示す正面図である。
【図28】同じくさらに別の実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 フレーム 2 回復ユニット 3 キャップ 4 紙送りローラ 7 紙送りローラギヤ 8 排紙サポータ 9 排紙ローラ 11 リードスクリュ 14 キャリア 19 クラッチギヤ 20 摩擦板 21 切替えギヤ 22 クラッチばね 25 チェンジレバー 26 キャップレバー 27 切替えソレノイド 28 接点レバー 29 予備吐出センサ 30 キャリア吸収体 31 ホームポジションセンサ 32 記録ヘッド 33 ヘッドケース 34 フレキシキブルケーブル 35 タイミングパルス検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 25/34 B41J 25/28 Z

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対してインクを吐出する記録
    ヘッドチップを複数用いて記録を行うインクジェット記
    録装置において、前記記録媒体に対向して記録を行わせ
    ることが可能な位置と、前記記録媒体に対向しない位置
    とに、前記複数の記録ヘッドチップを選択的に設定可能
    とし、対向状態にある前記記録ヘッドチップのみを駆動
    するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記複数の記録ヘッドチップは共通の回
    転軸を中心に回動可能に保持され、当該回動によって前
    記記録媒体に対向する位置と対向しない位置とに設定可
    能であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の記録ヘッドチップは前記回転
    軸のまわりの同一面内に放射状に配置されていることを
    特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の記録ヘッドチップは前記記録
    媒体に対し所定方向に走査可能であり、前記回転軸は前
    記所定方向に平行に配置されることを特徴とする請求項
    2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の記録ヘッドチップは同一のベ
    ースプレート上に配設されていることを特徴とする請求
    項2ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記複数の記録ヘッドチップを一体に組
    立てた記録ヘッドを着脱可能に支持する支持手段を備え
    たことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
    のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の記録ヘッドチップを前記記録
    媒体に対し所定方向に走査させるための駆動源を具え、
    該駆動源を用いて前記記録媒体に対向する位置と対向し
    ない位置とに前記複数の記録ヘッドチップを選択的に設
    定するための駆動力を伝達するようにしたことを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の記録ヘッドチップを一体に組
    立てた記録ヘッドを着脱可能に支持して前記記録媒体に
    対し所定方向に走査する手段を有し、該手段に前記駆動
    源を搭載したことを特徴とする請求項7に記載のインク
    ジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動力の伝達経路に摩擦クラッチを
    設けたことを特徴とする請求項7または8に記載のイン
    クジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動力の伝達回路に電磁クラッチ
    を設けたことを特徴とする請求項7または8に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドは前記回転軸に装着さ
    れてその外側を覆うヘッドケースを有し、前記支持手段
    は前記記録ヘッドに対して駆動信号を伝達するための電
    気接続部材を有し、前記ヘッドケースの一部で、前記電
    気接続部材を開閉するようにしたことを特徴とする請求
    項6に記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッドを収納した前記ヘッド
    ケースを前記支持手段に装着後回転させて所定の位置で
    固定されるようにするとともに、当該所定の位置で前記
    電気接続部材の接続状態を閉成するようにしたことを特
    徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記支持手段は前記記録ヘッドに対し
    て駆動信号を伝達するための電気接続部材と、前記複数
    の記録ヘッドチップのいずれかを前記記録媒体に対向さ
    せた状態にあるときに前記記録ヘッドの回動をロックす
    るロック部材と、他の前記記録ヘッドチップを前記記録
    媒体に対向させる動作に際して前記電気接続部材の接続
    状態を開放するとともに前記ロック部材のロック状態を
    解除する手段とを有することを特徴とする請求項6に記
    載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記ベースプレートの一方の面側に前
    記複数の記録ヘッドチップが配設され、当該ベースプレ
    ートには前記複数の記録ヘッドチップのそれぞれに対応
    して開口部が形成されるとともに、前記ベースプレート
    の他方の面側には、前記開口部を介してそれぞれの前記
    記録ヘッドチップと接続される部分と前記記録ヘッドチ
    ップに伝達すべき駆動信号を受容するための部分とを有
    した配線部材を配設したことを特徴とする請求項5に記
    載のインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 前記配線部材はフレキシブル配線板の
    形態を有し、前記駆動信号を受容するための部分は前記
    回転軸を中心に所定範囲にわたって形成されたコンタク
    トパターンであることを特徴とする請求項14に記載の
    インクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 前記記録ヘッドチップの前記インクを
    吐出するための吐出口を形成した面をキャッピング可能
    なキャップ部材を前記複数の記録ヘッドチップのそれぞ
    れに対応して設けたことを特徴とする請求項1ないし3
    に記載のインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 前記キャップ部材は前記回転軸を中心
    とした複数の記録ヘッドチップの回動に応じて開閉さ
    れ、前記記録ヘッドチップが吐出を行わないときには前
    記キャッピングが行われるようにしたことを特徴とする
    請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】 前記複数の記録ヘッドチップは色調を
    異にするインクに対応して複数設けられていることを特
    徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記複数の記録ヘッドチップのそれぞ
    れに対応してインク供給源をなすインクタンクを一体に
    設けてなることを特徴とする請求項1ないし18のいず
    れかに記載のインクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 前記記録ヘッドチップは前記インクを
    吐出するために利用されるエネルギとしてインクに膜沸
    騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有すること
    を特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  21. 【請求項21】 記録媒体に対してインクを吐出する記
    録ヘッドチップの複数を共通の回転軸を中心に回動可能
    に保持してなることを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  22. 【請求項22】 前記複数の記録ヘッドチップは前記回
    転軸のまわりの同一面内に放射状に配置されていること
    を特徴とする請求項21に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  23. 【請求項23】 前記複数の記録ヘッドチップは同一の
    ベースプレート上に配設されていることを特徴とする請
    求項21または22に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  24. 【請求項24】 前記ベースプレートの一方の面側に前
    記複数の記録ヘッドチップが配設され、当該ベースプレ
    ートには前記複数の記録ヘッドチップのそれぞれに対応
    して開口部が形成されるとともに、前記ベースプレート
    の他方の面側には、前記開口部を介してそれぞれの前記
    記録ヘッドチップと接続される部分と前記記録ヘッドチ
    ップに伝達すべき駆動信号を受容するための部分とを有
    した配線部材を配設したことを特徴とする請求項23に
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  25. 【請求項25】 前記配線部材はフレキシブル配線板の
    形態を有し、前記駆動信号を受容するための部分は前記
    回転軸を中心に所定範囲にわたって形成されたコンタク
    トパターンであることを特徴とする請求項24に記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  26. 【請求項26】 前記記録ヘッドチップの前記インクを
    吐出するための吐出口を形成した面をキャッピング可能
    なキャップ部材を前記複数の記録ヘッドチップのそれぞ
    れに対応して設けたことを特徴とする請求項21ないし
    25に記載のインクジェット記録ヘッド。
  27. 【請求項27】 前記キャップ部材は前記回転軸を中心
    とした複数の記録ヘッドチップの回動に応じて開閉さ
    れ、前記記録ヘッドチップが吐出を行わないときには前
    記キャッピングが行われるようにしたことを特徴とする
    請求項26に記載のインクジェット記録ヘッド。
  28. 【請求項28】 前記複数の記録ヘッドチップは色調を
    異にするインクに対応して複数設けられていることを特
    徴とする請求項21ないし27のいずれかに記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  29. 【請求項29】 前記複数の記録ヘッドチップのそれぞ
    れに対応してインク供給源をなすインクタンクを一体に
    設けてなることを特徴とする請求項21ないし28のい
    ずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  30. 【請求項30】 前記記録ヘッドチップは前記インクを
    吐出するために利用されるエネルギとしてインクに膜沸
    騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有すること
    を特徴とする請求項21ないし29のいずれかに記載の
    インクジェット記録ヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102390182A (zh) * 2010-07-09 2012-03-28 精工爱普生株式会社 喷墨记录方法以及喷墨记录装置
JP2019142224A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフトHeidelberger Druckmaschinen AG 印刷ヘッド調整装置
JP2019166833A (ja) * 2018-03-21 2019-10-03 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフトHeidelberger Druckmaschinen AG 補償継手およびこのような補償継手を備えた印刷バー

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102390182A (zh) * 2010-07-09 2012-03-28 精工爱普生株式会社 喷墨记录方法以及喷墨记录装置
CN102390182B (zh) * 2010-07-09 2016-05-18 精工爱普生株式会社 喷墨记录方法以及喷墨记录装置
JP2019142224A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフトHeidelberger Druckmaschinen AG 印刷ヘッド調整装置
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