JPH07325268A - 投写型表示装置 - Google Patents

投写型表示装置

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JPH07325268A
JPH07325268A JP6110014A JP11001494A JPH07325268A JP H07325268 A JPH07325268 A JP H07325268A JP 6110014 A JP6110014 A JP 6110014A JP 11001494 A JP11001494 A JP 11001494A JP H07325268 A JPH07325268 A JP H07325268A
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projection
optical system
lens
display device
projection optical
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Hidekazu Tode
英一 都出
Kazuo Tsukagoshi
和夫 塚越
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 投写光学系での色の違いによる画質の劣化を
防止し、最適のフォーカス状態を保つことが可能な投写
型表示装置を提供する。 【構成】 赤,緑,青色の各投写光学系におけるCRT
1R,1G,1Bと投写レンズ2R,2G,2Bとの間
隔15R,15G,15Bを、赤,緑,青色光の波長に
合わせて15R>15G>15Bとなるように構成す
る。これにより各投写光学系の投写レンズ2R,2G,
2Bのレンズエレメントの構成は設計時の配置をほとん
ど変えずに、光線の波長差による焦点距離の差を補正す
ることができ、設計波長と異なる波長の光束に対しても
設計性能を保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大画面映像を容易に得
ることができる投写型表示装置に関し、詳しくは投写レ
ンズ及びその周辺部品の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】3つのモノクロCRTを映像表示素子と
した従来の3管式投写型表示装置の構成を図11を用い
て説明する。図において1R,1G,1Bはそれぞれ
赤,緑,青の映像表示素子を構成しているCRT(at
hode ay ube)であり、CRT1R,1G,1Bの
フェースプレート側には、スペーサ4R,4G,4Bを
夫々介して投写レンズ2R,2G,2Bが夫々設けられ
ている。CRT1R,1G,1Bから出射され、スペー
サ4R,4G,4B及び投写レンズ2R,2G,2Bを
経た光の各光軸5R,5G,5Bは、所定の角度にてス
クリーン3へ投影せしめられるようになっている。
【0003】CRTには赤,緑,青色の3原色に対応す
るモノクロのCRT1R,1G,1Bを用い、図11に
示すように、各CRT1R,1G,1B上に描かれた映
像は投写レンズ2によって拡大投影されスクリーン3上
に結像される。このときCRT1と投写レンズ2とを有
する投写光学系は、各光軸5R,5G,5Bがほぼスク
リーン3の中央で交差するように配されており、この光
軸5R,5G,5Bに沿った、投写レンズ2R,2G,
2Bからスクリーン3までの投写距離は等しくなるよう
に構成されている。
【0004】以下、フォーカス調整が必要な理由につい
て説明する。図12は図11に示す投写光学系の縦断面
図である。投写レンズ2は、スクリーン側から順に配置
されたレンズエレメントL1〜L6を鏡筒8にて支持し
た構成をなしている。鏡筒8は、レンズエレメントL1
〜L4とレンズエレメントL5,L6とを別々に支持
し、レンズエレメントL4とレンズエレメントL5との
間隔をネジにて調整するフォーカス調整機構9を備え
る。そしてCRT1のフェースプレート6と投写レンズ
2の鏡筒8とをスペーサ4にて固定してある。フェース
プレート6と最もCRT側に位置するレンズエレメント
L6とスペーサ4とにより囲まれた空間は冷却液7にて
充填されている。
【0005】フォーカス調整が必要な第一の理由は、投
写レンズ2は所定の投写距離と倍率で設計されている
が、実際に投写型表示装置を組み立てる際には、数百ミ
クロンの誤差を生じ、CRT1の映像をスクリーン3上
に結像させるときには微妙なフォーカスずれが生じ、設
計性能を達成することはできない。そこで一般的には図
のようなフォーカス調整機構9を設け、たとえば投写レ
ンズ2を構成する複数のレンズエレメントL1〜L6の
うち、レンズエレメントL1〜L4を支持する鏡筒8部
分を微小距離動かすことによりフォーカスずれを補正し
ている。
【0006】フォーカス調整が必要な第二の理由として
は、一般的に民生用の投写型表示装置ではコスト低減の
ために色収差補正はおこなっておらず、投写レンズ2は
透過する光束の波長、つまり色光によって焦点距離が変
化する。この従来例では赤,緑,青の3色の光学系にお
いて同じ構成の投写レンズを用いるので、例えば緑色の
波長で設計された投写レンズは赤および青の投写光学系
ではフォーカスずれを生じる。そこでやはりフォーカス
調整機構9を用いて最良の結像性能が得られるように調
整していた。
【0007】ここで、フォーカス調整のために投写レン
ズ2を構成する複数のレンズエレメントL1〜L6の
内、一部(L1からL4)だけを動かしているのは、投
写レンズ2とフェースプレート6との間には冷却液7が
封入されており、最終のレンズエレメントL6で接して
いるため、少なくとも最終のレンズエレメントL6はフ
ォーカス調整のために動かせないからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のCRT投写型表
示装置は上述のような構成、作用を有するので、以下に
述べる問題点があった。投写レンズ2は冷却液7に接し
ているので、フォーカス調整のためにはレンズエレメン
トの一部を動かす必要がある。前述のように第一の調整
必要理由である配置誤差を吸収するためのフォーカス調
整は、スクリーン上でたかだか数百ミクロンから多くて
も数mm程度であるが、第二の調整必要理由である波
長、つまり色光の違いによるスクリーン上でのフォーカ
スずれは、40インチから50インチ程度のスクリーン
サイズの投写型表示装置においては数十mmから10c
mにもおよび、配置誤差に比べ100倍程度の大きなフ
ォーカスずれが生じ、投写レンズの調整機構で吸収しな
ければならなかった。この結果、赤,緑,青の投写光学
系における投写レンズの構成は、図12において、レン
ズエレメントL4とレンズエレメントL5の間隔を大き
く異なった状態にしなければ3色とも正しく結像するこ
とができなかった。
【0009】ところが一般に投写レンズはある所定の
色、たとえば緑色の波長にて設計し、所定の投写距離、
倍率において最良の収差補正がなされるように、各レン
ズエレメントの形状、間隔を決定している。このため、
図12中の赤色または青色投写光学系において、L4と
L5との間隔を大きく動かすと、フォーカス調整により
最適位置にあわせても設計された最適な収差補正がくず
れ、緑色以外の投写光学系では設計性能が得られないと
いう問題点があった。
【0010】実例として緑色(545nm)で設計した
図12の投写レンズの解像度特性(MTF)を図13
に、この投写レンズを赤色(610nm)で使用したと
きの最良フォーカス位置での解像度特性を図14に示
す。図において横軸は画面中心から最周辺部に至る像高
を示し、破線はメリジオナル方向(Mer)、実線はサ
ジタル方向(Sag)のMTFを示す。赤色投写光学系
で使用すると特に画面周辺部においてメリジオナル方向
で大きな性能劣化が生じることが分かる。
【0011】この現象の原因は、最近の投写型表示装置
の小型化および高輝度化にあり、投写レンズには広画角
化および低F値化の要求が強い。そこで図12の例のよ
うにレンズエレメントL1,L2,L5,L6には非球
面形状を導入したレンズを用い、強力な収差補正を施し
ている。非球面量も大きく、特に口径の周辺部では図の
ように目に見えるような変曲点も作られている。このた
め各レンズエレメントのわずかな相対位置の変化で、収
差補正がくずれやすくなっている。
【0012】図15は、投写レンズ2内の光路を示す模
式図であり、レンズエレメントL4,L5の部分のみを
示す。CRT1の蛍光面10において、画面周辺部の発
光点11から発せられた光束12は、レンズエレメント
L5,L4にて屈折せしめられる。13は緑色投写光学
系用に設計された設計状態でのレンズエレメントL4の
位置、14は赤色投写光学系でのレンズエレメントL4
の位置を示す。赤色投写光学系では焦点距離が長くなる
ため、フォーカス調整のためにレンズエレメントL1〜
L4をレンズエレメントL5から遠ざける必要がある。
画面周辺部である発光点11から斜め入射してきた光束
12はレンズエレメントL4の平行移動に伴って、入射
位置および角度が設計状態から微小量異なってくる。こ
のため設計状態での収差補正がくずれ、特に画面周辺部
での画質が劣化してしまうという問題点が発生してい
た。
【0013】これはこの従来例で示したレンズタイプだ
けでなく、一般的に非球面レンズを用いた投写レンズを
有する投写光学系において共通の問題点である。当然
赤,緑,青の色別にレンズを設計するか、または色収差
補正を考慮したレンズを用いれば解決できるが、特に民
生用途の投写型表示装置ではコストがかかり、非現実的
な対策である。
【0014】本発明は、斯かる問題点を解決するために
なされたもので、投写光学系での色の違いによる画質の
劣化を防ぎ、各色用の投写レンズを略同一構成としても
最良の画質を実現できる投写型表示装置を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の投写型表
示装置は、複数の映像表示素子と投写レンズとの間隔を
光の波長により投写光学系毎に異ならせてあることを特
徴とする。
【0016】請求項2記載の投写型表示装置は、請求項
1において、映像表示素子と投写レンズとの間隔の変更
を、スペーサの厚さを変えることによって行ったもので
ある。
【0017】請求項3記載の投写型表示装置は、請求項
2において、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学
系を備え、冷却液の厚みは、赤色用,緑色用,青色用の
順に順次薄く所定の厚みとなるように、前記スペーサの
長さを短くしてあることを特徴とする。
【0018】請求項4記載の投写型表示装置は、冷却液
の屈折率を光の波長により投写光学系毎に異ならせてあ
ることを特徴とする。
【0019】請求項5記載の投写型表示装置は、請求項
4において、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学
系を備え、前記冷却液の屈折率は、赤色用,緑色用,青
色用の順に順次大きくなしてあることを特徴とする。
【0020】請求項6記載の投写型表示装置は、映像表
示素子の表示面であるフェースプレートの中心厚さは、
光の波長により投写光学系毎に異ならせてあることを特
徴とする。
【0021】請求項7記載の投写型表示装置は、請求項
6において、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学
系を備え、前記フェースプレートの中心厚さは、赤色
用,緑色用,青色用の順に順次薄くなしてあることを特
徴とする。
【0022】請求項8記載の投写型表示装置は、最も映
像表示素子側に位置するレンズエレメントの中心厚さ
は、光の波長により投写光学系毎に異ならせてあること
を特徴とする。
【0023】請求項9記載の投写型表示装置は、請求項
8において、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学
系を備え、前記レンズエレメントの中心厚さは、赤色
用,緑色用,青色用の順に順次薄くなしてあることを特
徴とする。
【0024】請求項10記載の投写型表示装置は、投写
レンズからスクリーンまでの投写距離は、光の波長によ
り投写光学系毎に異ならせてあることを特徴とする。
【0025】請求項11記載の投写型表示装置は、請求
項10において、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写
光学系を備え、前記投写距離は、赤色用,緑色用,青色
用の順に順次短くなしてあることを特徴とする。
【0026】
【作用】請求項1記載の投写型表示装置にあっては、光
線の色の違い、即ち波長の違いによる焦点距離の違い
を、映像表示素子と投写レンズとの間隔を異ならせるこ
とで補正する。波長が異なる光を同一構成の投写レンズ
に通過せしめた場合、波長が長い光の焦点距離は波長が
短い光の焦点距離より長い。そこで各投写レンズから等
距離にあるスクリーン上で各色の光線が集束するよう
に、波長が長い光線に使用する投写光学系では、波長が
短い光線に使用する投写光学系よりも映像表示素子と投
写レンズとの間隔を長くする。従来はこのような波長の
違いによる焦点距離の調整は投写レンズにて行っていた
が、この必要がなくなるので、投写レンズ内での必要フ
ォーカス調整量を大幅に削減することができる。
【0027】請求項2記載の投写型表示装置にあって
は、前記間隔を異ならせるためにスペーサの光軸方向の
長さを変更する。これにより各投写光学系の映像表示素
子と投写レンズとの間隔を所定値に設定することができ
る。またこれに伴ってスペーサ内部に封入される冷却液
の厚みも異ならせることができる。
【0028】請求項3記載の投写型表示装置にあって
は、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学系を備え
る場合は、赤色用,緑色用,青色用の順にスペーサの光
軸方向の長さを順次短くする。緑色光より波長が長い赤
色光は、同一構成の投写レンズを使用しても、緑色光よ
り遠くで集束する。また緑色光より波長が短い青色光
は、同一構成の投写レンズを使用しても、緑色光より近
くで集束する。そこで赤色の投写光学系のスペーサの光
軸方向の長さは、緑色の投写光学系のスペーサの光軸方
向の長さよりも長くする。また青色の投写光学系のスペ
ーサの光軸方向の長さは、緑色の投写光学系のスペーサ
の光軸方向の長さよりも短くする。スペーサの長さの変
更により厚みが変化する冷却液における屈折率の変化も
考慮にいれてスペーサの長さを設定すれば、各投写光学
系毎の光線の焦点距離を容易に調整してスクリーン上に
て精度良く各光線を集束させることができる。
【0029】請求項4記載の投写型表示装置にあって
は、光線の色の違い、即ち波長の違いによるフォーカス
位置の違いを、冷却液の屈折率を異ならせて補正する。
前述の如く波長が異なる光を同一構成の投写レンズに通
過せしめた場合、波長が長い光の焦点距離は波長が短い
光の焦点距離より長い。そこで各投写レンズから等距離
にあるスクリーン上で各色の光線が集束するように、波
長が長い光線に使用する投写光学系では、波長が短い光
線に使用する投写光学系よりも低い屈折率を有する冷却
液を使用する。この本発明装置においても、請求項1の
本発明装置と同様、投写レンズのフォーカス調整機構に
よる調整量を削減することができる。
【0030】請求項5記載の投写型表示装置にあって
は、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学系を備え
る場合に、赤色用,緑色用,青色用の順に冷却液の屈折
率を順次大きくする。緑色光より焦点距離が長い赤色光
に使用する投写光学系では、比較的低い屈折率を有する
冷却液を使用し、投写レンズの映像表示素子側の光学距
離を長くする。これによりその他の構成が緑色光に使用
する投写光学系と同様であっても、スクリーン上で精度
良く光線を集束させることができる。また緑色光より焦
点距離が短い青色光に使用する投写光学系では、比較的
高い屈折率を有する冷却液を使用し、投写レンズの映像
表示素子側の光学距離を短くする。これによりその他の
構成が緑色光に使用する投写光学系と同様であっても、
スクリーン上で精度良く光線を集束させることができ
る。
【0031】請求項6記載の投写型表示装置にあって
は、光線の色の違い、即ち波長の違いによるフォーカス
位置の違いを、映像表示素子のフェースプレートの中心
厚さを色によって異ならせて補正する。即ち各投写レン
ズから等距離にあるスクリーン上で各色の光線が集束す
るように、波長が長い光線に使用する投写光学系では、
波長が短い光線に使用する投写光学系よりも中心厚さが
厚いフェースプレートを使用する。これにより映像形成
部分から出射された光線はフェースプレートにてより多
く屈折せしめられるので、投写レンズの映像表示素子側
の光学距離が長くなる。この本発明装置においても、請
求項1の本発明装置と同様、投写レンズのフォーカス調
整機構による調整量を削減することができる。
【0032】請求項7記載の投写型表示装置にあって
は、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学系を備え
る場合に、赤色用,緑色用,青色用の順にフェースプレ
ートの中心厚さを順次薄くする。緑色光より焦点距離が
長い赤色光に使用する投写光学系では、中心厚さが比較
的厚いフェースプレートを使用し、投写レンズの映像表
示素子側の光学距離を長くする。これによりその他の構
成が緑色光に使用する投写光学系と同様であっても、ス
クリーン上で精度良く光線を集束させることができる。
また緑色光より焦点距離が短い青色光に使用する投写光
学系では、中心厚さが比較的薄いフェースプレートを使
用し、投写レンズの映像表示素子側の光学距離を短くす
る。これによりその他の構成が緑色光に使用する投写光
学系と同様であっても、スクリーン上で精度良く光線を
集束させることができる。
【0033】請求項8記載の投写型表示装置にあって
は、光線の色の違い、即ち波長の違いによるフォーカス
位置の違いを、投写レンズの、映像表示素子に対向する
側のレンズエレメントの中心厚さを色によって異ならせ
ることにより補正する。即ち各投写レンズから等距離に
あるスクリーン上で各色の光線が集束するように、波長
が長い光線に使用する投写光学系では、波長が短い光線
に使用する投写光学系よりも中心厚さが厚いレンズエレ
メントを使用する。これにより映像表示素子から出射さ
れた光線はレンズエレメントにてより多く屈折せしめら
れるので、投写レンズのスクリーン側の光学距離が長く
なる。この本発明装置においても、請求項1の本発明装
置と同様、投写レンズのフォーカス調整機構による調整
量を削減することができる。
【0034】請求項9記載の投写型表示装置にあって
は、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学系を備え
る場合に、赤色用,緑色用,青色用の順に前記レンズエ
レメントの中心厚さを順次薄くする。緑色光より焦点距
離が長い赤色光に使用する投写光学系では、中心厚さが
比較的厚いレンズエレメントを使用し、投写レンズのス
クリーン側の光学距離を長くする。これによりその他の
構成が緑色光に使用する投写光学系と同様であっても、
スクリーン上で精度良く光線を集束させることができ
る。また緑色光より焦点距離が短い青色光に使用する投
写光学系では、中心厚さが比較的薄いレンズエレメント
を使用し、投写レンズのスクリーン側の光学距離を短く
する。これによりその他の構成が緑色光に使用する投写
光学系と同様であっても、スクリーン上で精度良く光線
を集束させることができる。
【0035】請求項10記載の投写型表示装置にあって
は、光線の色の違い、即ち波長の違いによるフォーカス
位置の違いを、映像表示素子からスクリーンまでの投写
距離を異ならせて補正する。即ち各投写レンズから等距
離にある映像表示素子で発光した各色の光線がスクリー
ン上で集束するように、波長が長い光線に使用する投写
光学系では、波長が短い光線に使用する投写光学系より
も前記投写距離を長くする。この本発明装置において
も、請求項1の本発明装置と同様、投写レンズのフォー
カス調整機構による調整量を削減することができる。
【0036】請求項11記載の投写型表示装置にあって
は、赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光学系を備え
る場合に、赤色用,緑色用,青色用の順に前記投写距離
を順次短くする。緑色光より焦点距離が長い赤色光に使
用する投写光学系では、前記投写距離を長くする。これ
によりその他の構成が緑色光に使用する投写光学系と同
様であっても、スクリーン上で精度良く光線を集束させ
ることができる。また緑色光より焦点距離が短い青色光
に使用する投写光学系では、前記焦点距離を短くする。
これによりその他の構成が緑色光に使用する投写光学系
と同様であっても、スクリーン上で精度良く光線を集束
させることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて詳述する。 実施例1.図1は、本発明に係る投写型表示装置の実施
例1を示す構成図である。図1において1R,1G,1
Bはそれぞれ赤,緑,青の映像表示素子を構成している
CRTであり、CRT1R,1G,1Bのフェースプレ
ート側には、スペーサ4R,4G,4Bを介して投写レ
ンズ2R,2G,2Bが夫々設けられている。15Rは
それぞれCRT1Rと投写レンズ2Rとの間隔であり、
15GはCRT1Gと投写レンズ2Gとの間隔であり、
15BはCRT1Bと投写レンズ2Bとの間隔である。
CRT1R,1G,1Bから出射され、投写レンズ2
R,2G,2Bを経た光の各光軸5R,5G,5Bが、
スクリーン3の中央部にて交叉するように各投写光学系
は所定の角度に配置されている。なお、投写レンズ2か
らスクリーン3までの光軸5R,5G,5Bに沿った投
写距離は、それぞれ同一長さになるように配置されてい
る。また投写レンズ2の構成をはじめとするその他の構
成は3つの投写光学系において全て同等になしてある。
【0038】本実施例では各間隔15R,15G,15
Bは異なり、緑色の投写光学系の間隔15Gを基準にし
て、赤色の投写光学系の間隔15Rは長く、青色の投写
光学系の間隔15Bは短くなしてある。緑色の投写光学
系の間隔15Gと赤色の投写光学系の間隔15R,青色
の投写光学系の間隔15Bとの差は、色の違いによる投
写レンズ2の集光位置の差にあわせておく。具体的に
は、緑色の投写光学系の間隔15Gを5mmとし、赤色の
投写光学系の間隔15Rを 5.5mmとし、青色の投写光学
系の間隔15Bを 4.5mmとなしてある。これら間隔15
R,15G,15Bの値は冷却液7の液厚と同等であ
る。
【0039】図2に緑色,赤色の投写光学系を併せて描
いた説明図を示す。投写レンズ2R,2Gのフォーカス
調整を行わない状態では、図のように波長の長い赤色光
Rが緑色光Gより集光位置が遠いことが分かる。このと
き、図のようにCRT1Rの位置を投写レンズ2Rから
遠ざければ、ほぼフォーカスは合う。その後さらに投写
レンズ2のフォーカス調整機構9を用いて微調整すれば
精密にフォーカスを合わせることができる。
【0040】図3は、図1に示す投写光学系の構成を示
す縦断面図であり、緑色及び赤色の投写光学系を併せて
示している。投写レンズ2は、スクリーン側から順に配
置されたレンズエレメントL1〜L6を鏡筒8にて支持
した構成をなしている。鏡筒8は、レンズエレメントL
1〜L4とレンズエレメントL5,L6とを別々に支持
し、レンズエレメントL4とレンズエレメントL5との
間隔をネジにて調整するフォーカス調整機構9を備え
る。そしてCRT1のフェースプレート6と投写レンズ
2の鏡筒8とをスペーサ4にて固定してある。フェース
プレート6と最もCRT側に位置するレンズエレメント
L6とスペーサ4とにより囲まれた空間は冷却液7にて
充填されている。
【0041】図において赤色の投写光学系のスペーサ4
Rとフェースプレート6Rの位置を点線で描いており、
緑色の投写光学系のスペーサ4Gとフェースプレート6
Gの位置を実線で描いてある。赤色の投写光学系のスペ
ーサ4Rは、緑色の投写光学系のスペーサ4Gより光軸
方向の長さが長く、従ってフェースプレート6Rの位置
はフェースプレート6Gの位置より右側にずれている。
これによりスペーサ4R,4G内に封入されている冷却
液7の厚さも異なる。
【0042】図4は実施例1における投写レンズ2内の
光路を示す模式図であり、レンズエレメントL4,L5
の部分を示す図15に対応する図である。CRT1R,
1Gの蛍光面10R,10Gにおいて、画面周辺部の発
光点11R,11Gから発せられた光束12は、レンズ
エレメントL5,L4にて屈折せしめられる。レンズエ
レメントL5,L4を透過する光線の位置、入射角の差
は、図15に示す従来装置の場合より明らかに小さいの
で、たとえ緑色の投写光学系を基準に設計した投写レン
ズ2を赤色の投写光学系で使用しても設計時の収差補正
能力をほぼ保持でき、図13に示した設計性能を得るこ
とができる。したがって各色の投写光学系は画面周辺ま
で高画質性を実現できる。また図4では発光点11R,
11Gの面内位置が色により異なるが、実際には数百ミ
クロン程度の量なので問題は生じない。
【0043】本実施例では、色の違いによる大きなフォ
ーカスずれは投写レンズ2とCRT1との間隔を投写光
学系毎に変えることで補正する。これによりレンズエレ
メントL4とレンズエレメントL5との間隔を、波長の
違いに基づいて大きく変更する必要はなく、調整機構9
は微調整だけに用いることになる。従って高画質の投写
映像を実現することが可能となる。
【0044】以上の説明では、緑色の投写光学系を基準
として赤色の投写光学系および青色の投写光学系のCR
Tと投写レンズの間隔を変えるように記述したが、比視
感度の比較的高い赤色の投写光学系だけを所定の間隔に
変え、青色の投写光学系の間隔は変えなくとも投写画像
にはあまり影響をあたえない。なお調節機構9は、レン
ズエレメントL5とレンズエレメントL6との間隔を調
節する構成としてもよい。さらに非球面レンズを使用し
た投写レンズであっても同様の効果が得られる。
【0045】また、上記説明ではCRTを用いた投写型
表示装置について説明したが、たとえば液晶パネルのよ
うな平面の映像表示素子を用いてもよく、複数の光学系
に同一構成の投写レンズを用いる場合には同等の効果を
奏する。
【0046】なお、本発明における同一構成のレンズと
は、レンズエレメントの形状、鏡筒が同じという意味で
あり、無反射コーティング等の違いは各色の投写光学系
において別々でもよく、本発明とは関係がない。
【0047】実施例2.図5は、本発明に係る投写型表
示装置の実施例2を示す構成図である。実施例2におい
ては、投写レンズ2R,2G,2BとCRT1R,1
G,1Bとの夫々の間に、それぞれ封入された冷却液の
屈折率を色別に異ならせてある。緑色の投写光学系の冷
却液16Gの屈折率を基準にして、赤色の冷却液16R
の屈折率は低く、青色の冷却液16Bは高い屈折率に
し、これらの屈折率差は、投写レンズ2の色の違いによ
る集光位置の差に合わせている。具体的には、実施例1
において説明したものと同様の投写型表示装置におい
て、緑色の投写光学系の冷却液16Gの屈折率を1.40と
し、赤色の投写光学系の冷却液16Rの屈折率を1.35と
し、青色の投写光学系の冷却液16Bの屈折率を1.50と
する。冷却液の屈折率を異ならせる方法は、例えばエチ
レングリコール液と水との混合比を変えるか、又は特殊
な溶剤を添加することによっても行える。またCRT1
と投写レンズ2との間隔をはじめとするその他の構成は
3つの投写光学系において全て同等になしてある。実施
例1と同一構成である部分には、同符号を付して説明を
省略する。
【0048】図6は、図5に示す緑色の投写光学系にお
ける光路を説明するための模式図であり、図7は図5に
示す赤色の投写光学系における光路を説明するための模
式図である。図6では投写光学系における緑色光Gの光
路を実線で示し、赤色光Rを破線で示す。赤色光Rの場
合は、緑色光Gより波長が長いために焦点距離が長い。
従って破線で示す位置までCRTを移動させなければ焦
点が合わない。ここで図7に示す如く冷却液16Gより
屈折率が低い冷却液16Rを使用すれば、赤色光Rが図
6に示す場合より見かけの液厚である光学距離を長くす
ることができるので、投写レンズ2とCRT1との実際
の間隔を、緑色の投写光学系及び赤色の投写光学系にお
いて略同等にすることができる。その後、さらに投写レ
ンズ2のフォーカス調整機構9を用いて微調整すれば精
密にフォーカスを合わせることができる。
【0049】実施例2では、色の違いによる大きなフォ
ーカスずれを投写レンズ2のフォーカス調整機構9だけ
にたよるのではなく、CRT1と投写レンズ2の間に封
入されている冷却液の屈折率を色毎に変えることで補正
し、フォーカス調整機構9は微調整だけに用いるので、
投写レンズ2の各レンズエレメントは互いにほとんど相
対位置を変えなくて済む。したがって、緑色の投写光学
系を基準に設計した投写レンズ2を、赤色の投写光学系
又は青色の投写光学系で使用しても、十分な設計性能を
得ることができる。
【0050】実施例3.図8は、本発明に係る投写型表
示装置の実施例3を示す構成図である。実施例2では、
冷却液の屈折率を各色毎に変化させることで、各色毎の
焦点位置の違いを補正したが、本実施例では図8に示す
ように、冷却液の屈折率は同じものを用い、CRT1の
フェースプレートの中心厚さを各色毎に変化させてあ
る。緑色の投写光学系のフェースプレート17Gに比
べ、赤色の投写光学系のフェースプレート17Rの中心
厚さを厚くし、青色の投写光学系のフェースプレート1
7Bは逆に薄くしてある。具体的には、実施例1におい
て説明したものと同様の投写型表示装置において、緑色
の投写光学系のフェースプレート17Gの中心厚さを1
4.0とし、赤色の投写光学系のフェースプレート17R
の中心厚さを14.5とし、青色の投写光学系のフェースプ
レート17Bの中心厚さを13.5とする。その他の構成は
3つの投写光学系において全て同等になしてある。実施
例1,2と同一構成である部分には、同符号を付して説
明を省略する。
【0051】本実施例においては、図2に示す如き焦点
距離の違いをフェースプレートの厚さの違いにより補正
する。即ちCRT1の画像形成部分である蛍光面から出
射された光のうち、緑色光より波長が長い赤色光は、フ
ェースプレート17Gより厚いフェースプレート17R
により、投写レンズ2Rまでの光学距離を長くすること
ができる。そしてこの厚さを前述の如き値にすることに
より、赤色の投写光学系における焦点距離と緑色の投写
光学系における焦点距離との差を補正することができ
る。また青色の投写光学系においては、フェースプレー
ト17Gより薄いフェースプレート17Bを使用するこ
とにより、青色の投写光学系における焦点距離と緑色の
投写光学系における焦点距離との差を補正することがで
きる。このようにフェースプレートの厚さを異ならせる
ことで波長の違いによるフォーカスずれを補正すれば、
投写レンズ2内でのフォーカス調整量を削減することが
できる。
【0052】実施例4.図9は、本発明に係る投写型表
示装置の実施例4を示す構成図であり、各投写光学系の
要部を示す。本実施例では、冷却液7に接する、最もC
RT1側に位置するレンズエレメントL6の中心厚さを
色毎に異ならせてる。図においてL6rは赤色の投写レ
ンズ2Rのレンズエレメントであり、L6gは緑色の投
写レンズ2Gのレンズエレメントであり、L6bは青色
の投写レンズ2Bのレンズエレメントである。緑色の投
写レンズ2GのレンズエレメントL6gに比べて、赤色
の投写レンズ2RのレンズエレメントL6rの中心厚さ
を厚くし、青色の投写レンズ2BのレンズエレメントL
6bの中心厚さを薄くしてある。具体的には、実施例1
において説明したものと同様の投写型表示装置におい
て、緑色の投写光学系のレンズエレメントL6gの中心
厚さを3mmとし、赤色の投写光学系のレンズエレメント
L6rの中心厚さを 3.5mmとし、青色の投写光学系のレ
ンズエレメントL6bの中心厚さを 2.5mmとする。その
他の構成は3つの投写光学系において全て同等になして
ある。実施例1〜3と同一構成である部分には、同符号
を付して説明を省略する。
【0053】本実施例においては、図2に示す如き焦点
距離の違いをレンズエレメントの厚さの違いにより補正
する。即ちCRT1から出射された光のうち、緑色光よ
り波長が長い赤色光に使用する投写光学系においては、
レンズエレメントL6gより厚いレンズエレメントL6
rにより、投写レンズまでの光学距離、具体的には強い
集光作用を有するレンズエレメントL3,L4までの光
学距離を短くすることができる。そしてこの厚さを前述
の如き値にすることにより、赤色の投写光学系における
焦点距離と緑色の投写光学系における焦点距離との差を
補正することができる。また青色の投写光学系において
は、レンズエレメントL6gより薄いレンズエレメント
L6bを使用することにより、青色の投写光学系におけ
る焦点距離と緑色の投写光学系における焦点距離との差
を補正することができる。このようにレンズエレメント
の厚さを異ならせることで波長の違いによるフォーカス
ずれを補正すれば、投写レンズ2内でのフォーカス調整
量を削減することができる。
【0054】実施例5.図10は、本発明に係る投写型
表示装置の実施例4を示す構成図である。図において、
5Rは赤色の投写光学系の光軸、5Gは緑色の投写光学
系の光軸、5Bは青色の投写光学系の光軸である。上述
の実施例では投写距離を同一とし、3色の各投写光学系
における投写レンズ2とCRT1との間の光学距離を補
正する装置を示したが、実施例5では、投写レンズ2と
スクリーン3までの投写距離すなわち光軸5の長さを各
色ごとに少量ずつ異ならせてある。赤色の投写光学系の
光軸5Rは緑色の投写光学系の光軸5Gよりも長く、青
色の投写光学系の光軸5Bは緑色の投写光学系の光軸5
Gよりも短く設定されている。具体的には、実施例1に
おいて説明したものと同様の投写型表示装置において、
緑色の投写光学系の光軸5Gを 690mmとし、赤色の投写
光学系の光軸5Rを 720mmとし、青色の投写光学系の光
軸5Bを 660mmとする。その他の構成は3つの投写光学
系において全て同等になしてある。その他、実施例1〜
4と同一構成である部分には、同符号を付して説明を省
略する。
【0055】前述した通り色の波長の違いにより焦点距
離が異なることは明らかである。例えば赤色は緑色より
波長が長いため、緑色の投写光学系で基準設計された投
写レンズを赤色用として使用した場合、焦点位置が遠く
なることが明らかである。従って実施例5では予め赤色
の投写距離を緑色に対し長く設定してある。また青色は
緑色より波長が短いため、緑色の投写光学系で基準設計
された投写レンズを青色用として使用した場合、焦点位
置が近くなることが明らかである。従って実施例5では
予め青色の投写距離を緑色に対し短く設定してある。こ
れにより焦点位置の違いを補正するための、投写レンズ
のフォーカス調整機構の調整量を少なくすることがで
き、また赤色の投写光学系及び青色の投写光学系でも緑
色の投写光学系で設計された投写レンズの設計性能を十
分発揮することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上説明してきたように構成
されているので、以下に示すような効果を奏する。請求
項1記載の投写型表示装置によれば、色によるフォーカ
ス位置の違いを、投写レンズの調整機構を使用せずに、
投写レンズと映像表示素子の間隔を投写光学系毎に異な
らせることで補正したので、投写レンズの設計性能を活
かした複数の投写光学系を実現でき、画面周辺部におい
ても高解像度性を保持することができる。
【0057】請求項2,3記載の投写型表示装置によれ
ば、映像表示素子と投写レンズとを接続し、その内部に
冷却液を封入するためのスペーサを、投写光学系毎に光
軸方向の長さが異なるものを予め用意することにより、
容易に投写レンズと映像表示素子の間隔を所定量に設定
でき、レンズの性能を最大限引き出すことができる。特
に広角、低F値の投写レンズに対し有効であり、コンパ
クトで高輝度の投写型表示装置の性能の最適化が実現で
きる効果がある。
【0058】請求項4,5記載の投写型表示装置によれ
ば、投写光学系の色の違いによるフォーカス位置の違い
を、冷却液の屈折率を投写光学系毎に異ならせるという
簡単な方法によって補正するので、投写レンズのフォー
カス調整機構による調整量を減らすことができ、設計し
た色以外の色に用いたときの投写レンズの無理な調整を
しなくてもよいため、投写レンズの設計性能を最大限に
生かすことができ、同一構成の投写レンズを用いた複数
の投写光学系を安価に得ることができる。
【0059】請求項6,7記載の投写型表示装置によれ
ば、映像表示素子のフェースプレートの中心厚さを投写
光学系毎に異ならせて、投写光学系の色の違いによるフ
ォーカス位置の違いを補正するので、設計した色以外の
色に用いたときの投写レンズのフォーカス調整機構によ
る調整量を軽減でき、よって投写レンズの設計性能を最
大限に生かせるため、同一構成の投写レンズを用いた複
数の投写光学系を得ることができる。
【0060】請求項8,9記載の投写型表示装置によれ
ば、投写レンズの映像表示素子に対向する側のレンズエ
レメントの中心厚さを投写光学系毎に異ならせて、投写
光学系の色の違いによるフォーカス位置の違いを補正す
るので、設計した色以外の色に用いたときの投写レンズ
のフォーカス調整機構による調整量を軽減できる。よっ
て投写レンズの設計性能を最大限に生かせると共に、形
状変化が金型費用の大幅な増加を伴う他のレンズエレメ
ントを同一構成とすることができる投写レンズを用いて
複数の投写光学系を得ることができる。
【0061】請求項10,11記載の投写型表示装置に
よれば、映像表示素子からスクリーンまでの投写距離を
投写光学系毎に異ならせて、投写光学系の色の違いによ
るフォーカス位置の違いを補正するので、設計した色以
外の色に用いたときの投写レンズのフォーカス調整機構
による調整量を軽減できる。よって投写レンズの設計性
能を最大限に生かせるため、同一構成の投写レンズを用
いた複数の投写光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係る投写型表示装置を示
す構成図である。
【図2】 図1に示す緑色,赤色の投写光学系における
光路を示す説明図である。
【図3】 図1に示す投写光学系の構成を示す縦断面図
である。
【図4】 実施例1における光束の光路を示す図であ
る。
【図5】 本発明の実施例2の投写型表示装置を示す構
成図である。
【図6】 図5に示す緑色の投写光学系における光路を
説明するための模式図である。
【図7】 図5に示す赤色の投写光学系における光路を
説明するための模式図である。
【図8】 本発明の実施例3に係る投写型表示装置を示
す構成図である。
【図9】 本発明の実施例4に係る投写型表示装置を示
す構成図である。
【図10】 本発明の実施例4に係る投写型表示装置を
示す構成図である。
【図11】 従来の3管式投写型表示装置の構成を示す
構成図である。
【図12】 図11に示す投写光学系の縦断面図であ
る。
【図13】 図11に示す投写レンズを緑色光(545
nm)で使用したときの最良フォーカス位置での解像度
特性を示すグラフである。
【図14】 図11に示す投写レンズを赤色光(610
nm)で使用したときの最良フォーカス位置での解像度
特性を示すグラフである。
【図15】 投写レンズ内における光路を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1,1R,1G,1B CRT、2,2R,2G,2B
投写レンズ、3,3R,3G,3B スクリーン、
4,4R,4G,4B スペーサ、5,5R,5G,5
B 光軸、6,6R,6G,17R,17G,17B
フェースプレート、7,16R,16G,16B 冷却
液、15R,15G,15B 間隔、L6r,L6g,
L6b レンズエレメント、R 赤色光、G 緑色光。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】以上の説明では、緑色の投写光学系を基準
として赤色の投写光学系および青色の投写光学系のCR
Tと投写レンズの間隔を変えるように記述したが、比視
感度の比較的高い赤色の投写光学系だけを所定の間隔に
変え、青色の投写光学系の間隔は変えなくとも投写画像
にはあまり影響をあたえない。なお調節機構9は、レン
ズエレメントL5とレンズエレメントL6との間隔を調
節する構成としてもよい。さらに本発明は上述した図3
の投写レンズの構成に限らず、非球面レンズを使用した
投写レンズであれば同様の効果が得られる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色用の映像表示素子と夫々に対応す
    る投写レンズとを有する複数組の投写光学系を備え、複
    数の映像表示素子から発せられた複数の光線を、各投写
    レンズにて拡大してスクリーンに投写する投写型表示装
    置において、前記複数の映像表示素子と前記投写レンズ
    との間隔は前記光線の波長により投写光学系毎に異なら
    せてあることを特徴とする投写型表示装置。
  2. 【請求項2】 映像表示素子,投写レンズ間の距離を規
    定するスペーサを備え、これら映像表示素子,投写レン
    ズ及びスペーサにより形成される空間には冷却液が封入
    されており、前記光線の光軸方向におけるスペーサの長
    さを前記光線の波長により投写光学系毎に異ならせてあ
    ることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光
    学系を備え、冷却液の厚みが、赤色用,緑色用,青色用
    の順に順次薄くなるように、前記スペーサの長さを短く
    してあることを特徴とする請求項2記載の投写型表示装
    置。
  4. 【請求項4】 複数色用の映像表示素子と夫々に対応す
    る投写レンズとの間に冷却液が夫々介在させてある複数
    組の投写光学系を備え、複数色用の複数の映像表示素子
    から発せられた複数の光線を、各投写レンズにて拡大し
    てスクリーンに投写する投写型表示装置において、前記
    冷却液の屈折率は前記光線の波長により投写光学系毎に
    異ならせてあることを特徴とする投写型表示装置。
  5. 【請求項5】 赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光
    学系を備え、前記冷却液の屈折率は、赤色用,緑色用,
    青色用の順に順次大きくなしてあることを特徴とする請
    求項4記載の投写型表示装置。
  6. 【請求項6】 複数色用の映像表示素子と夫々に対応す
    る投写レンズとを有する複数組の投写光学系を備え、複
    数色用の複数の映像表示素子から発せられた複数の光線
    を、各投写レンズにて拡大してスクリーンに投写する投
    写型表示装置において、前記映像表示素子の表示面であ
    るフェースプレートの中心厚さは、前記光線の波長によ
    り投写光学系毎に異ならせてあることを特徴とする投写
    型表示装置。
  7. 【請求項7】 赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光
    学系を備え、前記フェースプレートの中心厚さは、赤色
    用,緑色用,青色用の順に順次薄くなしてあることを特
    徴とする請求項6記載の投写型表示装置。
  8. 【請求項8】 複数色用の映像表示素子と夫々に対応し
    ており、複数のレンズエレメントを含む投写レンズとを
    有する複数組の投写光学系を備え、複数色用の複数の映
    像表示素子から発せられた複数の光線を、各投写レンズ
    にて拡大してスクリーンに投写する投写型表示装置にお
    いて、最も映像表示素子側に位置するレンズエレメント
    の中心厚さは、前記光線の波長により投写光学系毎に異
    ならせてあることを特徴とする投写型表示装置。
  9. 【請求項9】 赤色用,緑色用,青色用の3つの投写光
    学系を備え、前記レンズエレメントの中心厚さは、赤色
    用,緑色用,青色用の順に順次薄くなしてあることを特
    徴とする請求項8記載の投写型表示装置。
  10. 【請求項10】 複数色用の映像表示素子と夫々に対応
    する投写レンズとを有する複数組の投写光学系を備え、
    複数色用の複数の映像表示素子から発せられた複数の光
    線を、各投写レンズにて拡大してスクリーンに投写する
    投写型表示装置において、前記投写レンズから前記スク
    リーンまでの投写距離は、前記光線の波長により投写光
    学系毎に異ならせてあることを特徴とする投写型表示装
    置。
  11. 【請求項11】 赤色用,緑色用,青色用の3つの投写
    光学系を備え、前記投写距離は、赤色用,緑色用,青色
    用の順に順次短くなしてあることを特徴とする請求項1
    0記載の投写型表示装置。
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