JPH07324864A - 穀物乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 穀物が入れられる貯留部に外気を供給するダ
クトを接続し、ダクトにバーナを配置して、ダクト内に
供給された低温の外気とバーナからの高温空気とを混合
し、貯留部に送り込むように構成した穀物乾燥機におい
て、低温の外気とバーナからの高温空気とができるだけ
均一に混合されるようにする。 【構成】 バーナ９の下手側（上側）のダクト２内にお
いて、バーナ９からの高温空気の流れの位置に、バーナ
９からの高温空気の流れと交差する円形の攪拌部材１６
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は穀物乾燥機において、穀
物を貯留する貯留部に乾燥用の空気を送り込む部分の構
成に関する。

【０００２】

【従来の技術】穀物乾燥機においては例えば特開平３‐
１８６１８５号公報に開示されているように、穀物を貯
留する貯留部にダクト（前記公報の第１図及び第２図中
の４Ａ，９）を接続して、ダクトにバーナ（前記公報の
第１図及び第２図中の７，８）を配置して、ダクト内に
供給された外気とバーナからの高温空気とを混合し、ダ
クトを介して貯留部に送り込むように構成しているもの
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、低温の
外気とバーナからの高温空気とを混合し貯留部に送り込
んで穀物を乾燥させる場合、貯留部の穀物を乾燥ムラな
く均一に乾燥させる為には、低温の外気とバーナからの
高温空気とをできるだけ温度ムラなく均一に混合して、
貯留部に送り込む必要がある。

【０００４】そこで、前記公報の構造ではバーナに対向
する位置に攪拌部材（前記公報の第２図中の１１）を設
けて、低温の外気とバーナからの高温空気とができるだ
け均一に混合されるようにしている。本発明はバーナを
使用した穀物乾燥機において、前述の攪拌部材に改良を
施すことにより、低温の外気とバーナからの高温空気と
がさらに均一に混合されるようにすることを目的として
いる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな穀物乾燥機において、次のように構成することにあ
る。つまり、 〔１〕穀物を貯留する貯留部に外気を供給するダクトを
接続し、ダクトにバーナを配置して、ダクト内に供給さ
れた外気とバーナからの高温空気とを混合し、ダクトを
介して貯留部に送り込むように構成すると共に、バーナ
の下手側のダクト内において、バーナからの高温空気の
流れの位置に、高温空気の流れと交差する円形の攪拌部
材を備えてある。

【０００６】〔２〕前項〔１〕の構成において、攪拌部
材を高温空気の流れと交差する軸芯周りに角度変更自在
に支持してある。 〔３〕前項〔２〕の構成において、攪拌部材に沿って案
内される高温空気の流れの下手側の攪拌部材の端部に、
高温空気の流れに交差する補助攪拌部材を備えてある。

【０００７】

【作用】

〔Ｉ〕前項〔１〕のように構成すると例えば図２及び図
３に示すように、ダクト２に送り込まれた低温の外気
が、バーナ９の外周部を通過しながらダクト２内の外周
部付近を流れていき、円形の攪拌部材１６の外周部を３
６０°囲むようにして流れていく。これに対し、バーナ
９からの高温空気はダクト２内の中央付近を流れてい
き、円形の攪拌部材１６の中央付近に当たる。

【０００８】この場合、攪拌部材１６は円形であるの
で、その中央から外周部までの距離（攪拌部材１６の半
径）は３６０°の全周に亘って同じである。これによ
り、バーナ９からの高温空気が円形の攪拌部材１６の中
央付近に当たると、この高温空気は攪拌部材１６の面に
沿って３６０°の向きに略均等に分散していき、攪拌部
材１６の外周部に達する。従って、攪拌部材１６の外周
部付近を囲むように流れてくる低温の外気に、攪拌部材
１６の外周部に達した高温空気が当たり、低温の外気と
バーナ９からの高温空気とが均一に混合されるのであ
る。

【０００９】〔ＩＩ〕前項〔２〕のように構成すると、
前項〔１〕の構成の場合と同様に前項〔Ｉ〕に記載の
「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作
用」を備えている。ダクトに供給される低温の外気の速
度が低い場合には、前述の攪拌部材が逆に流れの抵抗に
なるような場合がある。このような場合には例えば図３
に示すように、軸芯Ｐ１周りに攪拌部材１６の角度を斜
めに変更することによって、低温の外気の流れに対する
攪拌部材１６の投影面積を小さくして、攪拌部材１６が
抵抗にならないようにすることができる。

【００１０】〔ＩＩＩ〕前項〔３〕のように構成する
と、前項〔１〕及び〔２〕の構成の場合と同様に前項
〔Ｉ〕及び〔ＩＩ〕に記載の「作用」を備えており、こ
れに加えて以下のような「作用」を備えている。攪拌部
材１６を例えば図３に示すような斜めの角度に設定する
と、攪拌部材１６の中央付近に当たった高温空気が、攪
拌部材１６に沿って紙面左側に多く流れるようになる。
この場合、前項〔３〕のような補助攪拌部材１６ａを設
けると、攪拌部材１６に沿って紙面左側に流れた高温空
気が、補助攪拌部材１６ａに当たって流れがある程度止
められるので、このような攪拌部材１６を斜めに設定し
た場合の高温空気の流れ過ぎが防止される。

【００１１】

【発明の効果】請求項１のように、バーナからの高温空
気を攪拌部材により３６０°の方向に均等に分散させる
ことにより、攪拌部材の外周部を流れる低温の外気にバ
ーナからの高温の空気が均一に混合されるようになり、
穀物を乾燥ムラなく均一に乾燥させることができるよう
になって、穀物乾燥機の乾燥性能を向上させることがで
きた。

【００１２】請求項２のように構成すると、請求項１の
ように構成した場合と同様に前述の請求項１の「発明の
効果」を備えている。そして、請求項２のように構成す
ると、攪拌部材の角度を変更することによって、攪拌部
材が逆に抵抗になるような事態を防止することができ、
穀物乾燥機の乾燥性能をさらに向上させることができ
る。

【００１３】請求項３のように構成すると、請求項１及
び２のように構成した場合と同様に前述の請求項１及び
２の「発明の効果」を備えている。そして、請求項３の
ように構成すると、攪拌部材の角度を変更した場合に高
温空気が一方に多く流れすぎるような事態を防止できる
ので、攪拌部材の角度を変更した際に低温の外気とバー
ナからの高温空気とが均一に混合されないと言うような
弊害を防止することができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１（イ）（ロ）に穀物乾燥機の全体を示してい
る。この穀物乾燥機では穀物が入れられる乾燥塔１（貯
留部に相当）と、乾燥塔１に乾燥用の空気を送り込むダ
クト２とにより構成されている。乾燥塔１においては、
未乾燥の新しい穀物が供給されてくる上部タンク３、上
部タンク３から下方に左右一対形成される乾燥路４、乾
燥路４の下端から乾燥後の穀物を搬出するスクリュウコ
ンベア５、左右の乾燥路４の間に形成される乾燥用の空
気の供給室６、左右の乾燥路４の左右外側に形成される
一対の排風室７を備えて構成されている。

【００１５】乾燥路４の側面は網目状に形成されて、空
気は通過可能であるが穀物は通過できないように構成さ
れており、中央の供給室６と左右の排風室７とは乾燥路
４によって遮断されている。そして、上部タンク３内の
未乾燥の穀物が左右の乾燥路４を通って次第に下方に落
ちていき、乾燥路４の下端のスクリュウコンベア５によ
って外部に排出されていく。ダクト２においては図１
（ロ）に示すように、ダクト２の下端に接続されて外気
をダクト２に強制的に送り込むファン８、ファン８の上
側においてダクト２内に配置されるバーナ９、バーナ９
用のターボブロア１０等を備えて構成されている。

【００１６】以上の構造により、ファン８から低温の外
気がダクト２に上向きに供給され、低温の外気がバーナ
９の外周部を通過しながら上昇していき、この低温の外
気とバーナ９からの高温空気とが混合する。そして、混
合された乾燥用の空気がダクト２を通り乾燥塔１の供給
室６に送り込まれ、図１（ロ）の矢印に示すように供給
室６内を紙面反時計方向に旋回しながら、図１（イ）の
矢印に示すように左右の乾燥路４を横断して左右の排風
室６に入り込むのであり、この間に乾燥路４を落ちてい
く穀物が乾燥される。以上のようにして、左右の排風室
６に入った乾燥用の空気は、排出ダクト１１及び排出フ
ァン１２を介して外部に排出されていき、湿式の集塵機
（図示せず）に送りこまれ大気中に放出される。

【００１７】次に、ファン８からの低温の外気とバーナ
９からの高温空気とを、ダクト２内で均一に混合させる
構造について説明する。図２，３，４に示すように、ダ
クト２において断面積の変化しない直線部分２ａの中央
にバーナ９が配置されており、バーナ９の外周がシュラ
ウド１３によって覆われている。ダクト２の直線部分２
ａにおいて、シュラウド１３の上端から所定高さの前後
左右の位置に４組の風向案内部材１４を設けている。風
向案内部材１４は図３に示すように、側面視逆Ｌ字状の
支持ステー１４ａに断面逆Ｖ字状のアングル部材１４ｂ
を所定間隔を置いて配置したような構造をしており、図
２に示すように４組の風向案内部材１４の各接続部分に
三角形状の案内板１５を固定している。

【００１８】図２，３，４に示すように、ダクト２にお
いて断面積が次第に小さくなっている絞り部分２ｂに、
平面視円形の第１攪拌板１６（攪拌部材に相当）が、横
軸芯Ｐ１（バーナ９からの高温空気の流れと交差する軸
芯に相当）周りに角度変更自在に支持されて、バーナ９
からの高温空気の流れの位置に交差するように第１攪拌
板１６が配置されている。第１攪拌板１６の両横部（横
軸芯Ｐ１の位置）には、第１攪拌板１６と一体で横軸芯
Ｐ１周りに角度変更される長方形状の第２攪拌板１７が
固定されており、第１攪拌板１６の紙面左側の端部に下
向きの補助攪拌部材１６ａが固定されている。第１攪拌
板１６の上側に断面逆Ｖ字状のアングル部材１８が複数
本固定されている。

【００１９】以上の構造により、ファン８によって低温
の外気がダクト２に上向きに供給され、低温の外気がバ
ーナ９（シュラウド１３）の外周部を通過しながら上昇
していき、風向案内部材１４によって低温の外気が中央
側に寄せられて、バーナ９から上向きに出てくる高温空
気に外周から当たるのであり、低温の外気とバーナ９か
らの高温空気とがこの時点である程度混合される。次
に、バーナ９からの高温空気が上昇して第１攪拌板１６
の下面の中央部に当たる。これにより、高温空気が第１
攪拌板１６の中央部から下面に沿って、３６０°の向き
に分散し第１攪拌板１６の下面の外周部に達するのであ
り、第１攪拌板１６の外周部付近を上昇してくる低温の
外気に、第１攪拌板１６の下面の外周部に達した高温空
気が当たり、低温の外気とバーナ９からの高温空気とが
この時点でさらに混合される。

【００２０】この場合、第１攪拌板１６を図３に示すよ
うな角度に設定していると、第１攪拌板１６の下面の中
央部に当たったバーナ９からの高温空気が、第１攪拌板
１６の下面に沿って紙面左側（乾燥塔１側）に多く流れ
るようになるが、補助攪拌部材１６ａによってこのよう
な高温空気の流れ過ぎが阻止される。そして、ダクト２
の絞り部分２ｂに第１攪拌板１６を配置し、ファン８か
らの低温の外気及びバーナ９からの高温空気の速度を高
めながら、前述のような第１攪拌板１６による混合が行
われるようにしている。このように速度を高めてやる
と、第１攪拌板１６の外周部からカルマン渦が多く発生
し易くなり、低温の外気とバーナ９からの高温空気との
混合がさらに促進される。

【００２１】以上のようにして、風向案内部材１４の位
置及び第１攪拌板１６の位置において、低温の外気とバ
ーナ９からの高温空気とが混合されると、この混合され
た乾燥用の空気がアングル部材１８に当たり攪拌され、
さらに良く均一に混合されて乾燥塔１の供給室６に送り
込まれていく。

【００２２】〔別実施例〕図３の構造において、ダクト
２及びバーナ９を縦向きではなく横向きに配置してもよ
い。又、円形の第１攪拌板１６を単純な平板ではなく、
空気がある程度通過可能なパンチングメタルやメッシュ
等で構成してもよい。

【００２３】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】乾燥塔の正面（イ）及び乾燥塔付近の側面
（ロ）を示す図

【図２】ダクトにおける第１攪拌板付近の横断平面図

【図３】ダクトにおける第１攪拌板付近の縦断側面図

【図４】ダクトにおける第１攪拌板付近の背面図

【符号の説明】

１ 貯留部 ２ ダクト ９ バーナ １６ 攪拌部材 １６ａ 補助攪拌部材 Ｐ１ 軸芯

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀物を貯留する貯留部（１）に外気を供
   給するダクト（２）を接続し、前記ダクト（２）にバー
   ナ（９）を配置して、前記ダクト（２）内に供給された
   外気と前記バーナ（９）からの高温空気とを混合し、前
   記ダクト（２）を介して前記貯留部（１）に送り込むよ
   うに構成すると共に、 前記バーナ（９）の下手側の前記ダクト（２）内におい
   て、前記バーナ（９）からの高温空気の流れの位置に、
   前記高温空気の流れと交差する円形の攪拌部材（１６）
   を備えてある穀物乾燥機。
2. 【請求項２】 前記攪拌部材（１６）を前記高温空気の
   流れと交差する軸芯（Ｐ１）周りに角度変更自在に支持
   してある請求項１記載の穀物乾燥機。
3. 【請求項３】 前記攪拌部材（１６）に沿って案内され
   る高温空気の流れの下手側の前記攪拌部材（１６）の端
   部に、高温空気の流れに交差する補助攪拌部材（１６
   ａ）を備えてある請求項２記載の穀物乾燥機。