JPH07323245A

JPH07323245A - 塗装機

Info

Publication number: JPH07323245A
Application number: JP6139529A
Authority: JP
Inventors: Shigeo Saito; 茂男齊藤; Shiyoushiyun Kon; 将俊近
Original assignee: ABB Ransburg KK
Current assignee: ABB Ransburg KK
Priority date: 1994-05-30
Filing date: 1994-05-30
Publication date: 1995-12-12

Abstract

(57)【要約】【目的】他の塗料との混色を防止すると共に、洗浄液
の使用量や洗浄時間の削減を図る。【構成】塗料等が供給される塗料通路１９Ａ〜１９Ｇ
を連通路５１で連通し、連通路５１からフィードチュー
ブ５７を介して回転霧化頭４５に塗料を吐出させると共
に、連通路５１と各塗料通路１９との間には、連通路５
１側への塗料等の流通のみを許すチェック弁５３Ａ〜５
３Ｇを設ける構成としているから、例えばチェック弁５
３Ａを介して連通路５１内を流通する塗料が他の塗料に
混入するのを各チェック弁５３Ｂ〜５３Ｇで防止するこ
とができ、塗装不良の発生を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車のボディ
や電化製品のように設定色が豊富な被塗物を塗装するの
に用いて好適な塗装機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、被塗物の塗装を行なう塗装機
は、回転霧化型静電塗装機、エア霧化ノズル型静電塗装
機、液圧霧化ノズル型静電塗装機等があるが、いずれの
塗装機もハウジングと、該ハウジングの先端側に設けら
れ、回転霧化頭、ノズルチップ等からなる塗料噴霧手段
と、色替弁装置から塗料配管等を介して供給される塗料
を該塗料噴霧手段に向けて供給する塗料供給手段とから
大略構成されている。また、前記各塗装機には、塗装機
内を流通する塗料に高電圧発生装置から直接的に高電圧
を印加する直接帯電方式の静電塗装機と、塗料噴霧手段
から噴霧された塗料に外部電極を介して高電圧を印加す
る間接帯電方式の静電塗装機とがある。

【０００３】さらに、昨今では、色替弁装置を用いた塗
装方法において生じていた問題、例えば色替作業に長時
間を要してしまうという問題、色替毎にシンナ等の洗浄
液を使用するためランニングコストの上昇を招くという
問題等を解決すべく、塗装頻度の高い専用色において
は、それぞれの塗料供給源から塗料配管，塗料弁，塗料
通路（フィードチューブ）等を介し、塗料毎の流通経路
で直接的に塗料噴霧手段に塗料を供給することにより、
色替時間の短縮、洗浄液の使用量削減を可能とした塗装
機、所謂「束状フィードチューブ式静電塗装機」が知ら
れている。

【０００４】そこで、図７ないし図９に従来技術による
塗装機として直接帯電方式を用いた束状フィードチュー
ブ式回転霧化型静電塗装機を例に挙げて説明する。

【０００５】図において、１は束状フィードチューブ式
回転霧化型静電塗装機のハウジングを示し、該ハウジン
グ１は絶縁性樹脂材料から基端側が閉塞され、先端側が
開口する有底の段付筒状に形成され、その先端側内周は
後述するエアモータ６が挿着されるモータ挿着部２とな
り、該モータ挿着部２の基端側には後述するチューブホ
ルダ１６が収容されるホルダ収容部３が縮径されて形成
されている。また、該ハウジング１の外周側には、後述
する高電圧発生装置２０が収容される収容室４が形成さ
れている。さらに、該ハウジング１は絶縁性樹脂材料か
らなるカバー５によって覆われている。

【０００６】６はハウジング１のモータ挿着部２内に設
けられたタービン型のエアモータを示し、該エアモータ
６は、後述するモータケース７，回転軸８およびエア軸
受９から大略構成されている。

【０００７】７はエアモータ６の外殻をなす段付筒状の
モータケースを示し、該モータケース７には、軸心に沿
って先端側から順に、軸挿通穴７Ａ，タービン室７Ｂ，
ホルダ接続穴７Ｃが形成されている。

【０００８】８はモータケース７の軸挿通穴７Ａ，ター
ビン室７Ｂ内に亘って配設された回転軸を示し、該回転
軸８は、先端側がモータケース７から突出した中空軸８
Ａと、該中空軸８Ａの基端側に位置してタービン室７Ｂ
内に収容されたエアタービン８Ｂとから構成され、該回
転軸８はエア軸受９，９を介して回転自在に支持されて
いる。

【０００９】そして、このように構成されたエアモータ
６は、エア通路１０を介してタービン室７Ｂに圧縮エア
が供給されることにより、エアタービン８Ｂを介して回
転軸８を高速回転させるものである。また、該エアモー
タ６は、高電圧発生装置２０に接続され、該高電圧発生
装置２０からの高電圧を前記回転軸８を介して回転霧化
頭１１に印加している。

【００１０】１１は回転軸８の中空軸８Ａ先端に固着さ
れた塗料噴霧手段としてのベル型の回転霧化頭を示し、
該回転霧化頭１１は、基端側が前記中空軸８Ａに螺着さ
れ、先端側が拡開する朝顔状に形成されている。また、
該回転霧化頭１１には、先端側を閉塞するように円板状
のハブ部材１２が固着されている。

【００１１】ここで、前記ハブ部材１２の外周側には、
塗料、シンナを回転霧化頭１１の先端側に導くための第
１のハブ孔１２Ａ，１２Ａが複数個形成され、中央側に
は、先端側にシンナを供給する第２のハブ孔１２Ｂ，１
２Ｂが複数個（それぞれ２個のみ図示）形成されてい
る。

【００１２】そして、回転霧化頭１１は、前記回転軸８
と共に回転駆動されることにより、後述する各フィード
チューブ１８から供給される塗料を高電圧に帯電させつ
つ遠心力により液糸として噴霧し、被塗物との間の電気
力線（静電界）に沿って該被塗物に塗着させるものであ
る。

【００１３】１３は回転霧化頭１１の外周を囲むように
ハウジング１の先端側に設けられたエアノズルを示し、
該エアノズル１３の先端側には、複数個のエア噴出孔１
３Ａ，１３Ａ（２個のみ図示）が穿設され、該各エア噴
出孔１３Ａは、シェイピングエア供給通路１４を介して
供給されるエアをシェイピングエアとして回転霧化頭１
１の先端外周側に噴出し、該回転霧化頭１１から噴霧さ
れた塗料の塗装パターンを円形状にパターン成形するも
のである。

【００１４】１５はハウジング１の軸中心を軸方向に伸
長するように配設された塗料供給手段としての塗料供給
部を示し、該塗料供給部１５は、後述するチューブホル
ダ１６，フィードチューブ１８から大略構成されてい
る。

【００１５】１６はハウジング１のホルダ収容部３内に
収容されたチューブホルダで、該チューブホルダ１６
は、厚肉な段付円板状に形成され、その突出部１６Ａが
モータケース７のホルダ接続穴７Ｃに挿嵌されている。
また、該チューブホルダ１６には、多色の塗料またはシ
ンナ等が流通する７本の流通路１７Ａ，１７Ｂ，１７
Ｃ，１７Ｄ，１７Ｅ，１７Ｆ，１７Ｇ（全体として各流
通路１７という）が形成され、該各流通路１７は、図８
に示す如く、例えば回転霧化頭１１を洗浄するためのシ
ンナが流通する流通路１７Ｆを中心にして、各流通路１
７Ａ〜１７Ｅ，１７Ｇが六角形を形成するように周方向
に等間隔で配設されている。

【００１６】１８Ａ，１８Ｂ，１８Ｃ，１８Ｄ，１８
Ｅ，１８Ｆ，１８Ｇは回転軸８の中空軸８Ａ内に配設さ
れた７本のフィードチューブ（全体として各フィードチ
ューブ１８という）を示し、該各フィードチューブ１８
は、基端側が各流通路１７内に挿嵌され、先端側が中空
軸８Ａから回転霧化頭１１内に突出している。

【００１７】そして、塗料供給部１５は、ハウジング１
に形成された塗料通路１９Ａ，１９Ｂ，１９Ｃ，１９
Ｄ，１９Ｅ，１９Ｇおよびシンナ通路１９Ｆのうち、例
えば塗料通路１９ＡからＡ色塗料が供給されると、流通
路１７Ａを介してフィードチューブ１８Ａから回転霧化
頭１１に向けてＡ色塗料を吐出するものである。

【００１８】２０はハウジング１の収容室４内に収容さ
れた高電圧発生装置で、該高電圧発生装置２０は、多倍
圧回路等からなる高電圧発生回路と安全保障のための高
圧用抵抗とから構成されている。また、該高電圧発生装
置２０の入力側は、リード線を介して外部電源（いずれ
も図示せず）と接続され、出力側は電極板２０Ａを介し
てエアモータ６のモータケース７に接続されている。そ
して、該高電圧発生装置２０は、外部電源から供給され
た電圧を所定の高電圧に変換し、この高電圧をモータケ
ース７から回転軸８を介して回転霧化頭１１に供給し、
該回転霧化頭１１を介して直接的に塗料を高電圧に帯電
させるものである。

【００１９】２１Ａ，２１Ｂ，２１Ｃ，２１Ｄ，２１
Ｅ，２１Ｆ，２１Ｇは、図９に示すように通路１９Ａ，
１９Ｂ，１９Ｃ，１９Ｄ，１９Ｅ，１９Ｆ，１９Ｇに接
続された供給配管（全体として各供給配管２１という）
を示し、該各供給配管２１のうち供給配管２１Ａ，２１
Ｂ，２１Ｃ，２１Ｄ，２１ＥはＡ色塗料のサーキュレー
ションライン２２Ａ，Ｂ色塗料のサーキュレーションラ
イン２２Ｂ，Ｃ色塗料のサーキュレーションライン２２
Ｃ，Ｄ色塗料のサーキュレーションライン２２Ｄ，Ｅ色
塗料のサーキュレーションライン２２Ｅにそれぞれ接続
され、シンナ通路１９Ｆはシンナ源２３に接続され、供
給配管２１Ｇは後述の色替弁装置２７等に接続されてい
る。ここで、前記Ａ色塗料〜Ｅ色塗料は、塗装頻度の高
い専用色である。

【００２０】２４Ａ，２４Ｂ，２４Ｃ，２４Ｄ，２４
Ｅ，２４Ｇは供給配管２１Ａ，２１Ｂ，２１Ｃ，２１
Ｄ，２１Ｅ，２１Ｇの途中に設けられた塗料弁、２４Ｆ
は供給配管２１Ｆの途中に設けられたシンナ弁をそれぞ
れ示し、該各弁２４は、パイロットエア式のスプリング
リターン型２ポート２位置切換弁（二方弁）として構成
されている。

【００２１】２５Ａ，２５Ｂ，２５Ｃ，２５Ｄ，２５
Ｅ，２５Ｇはサーキュレーションライン２２Ａ〜２２
Ｅ，色替弁装置２７と塗料弁２４Ａ〜２４Ｅ，２４Ｇと
の間に設けられたギヤポンプで、該各ギヤポンプ２５
は、図示しないクラッチを介して駆動モータ２６に接続
されている。

【００２２】一方、２７は供給配管２１Ｇの上流側に設
けられた色替弁装置を示し、該色替弁装置２７は、内部
に塗料通路（図示せず）が形成されたマニホールド２８
と、該マニホールド２８に対向してそれぞれ設けられ、
流出口（図示せず）が前記塗料通路に接続された複数個
の塗料弁２９Ａ，２９Ｂ，…２９Ｍ，２９Ｎと、該各塗
料弁２９の上流側に位置してマニホールド２８に設けら
れたエア弁３０およびシンナ弁３１とから構成され、前
記各塗料弁２９Ａ，２９Ｂ，…２９Ｍ，２９Ｎはそれぞ
れ塗料配管を介してＦ色，Ｇ色，…Ｍ色，Ｎ色塗料のサ
ーキュレーションラインに接続され、前記エア弁３０，
シンナ弁３１はエア源，シンナ源（いずれも図示せず）
に接続されている。

【００２３】３２は塗料弁２４Ｇとギヤポンプ２５Ｇと
の間に位置して供給配管２１Ｇに接続された排出管、３
３は該排出管３２の途中に設けられ、パイロットエア式
のスプリングリターン型２ポート２位置切換弁（二方
弁）からなる廃液弁をそれぞれ示し、前記排出管３２
は、その下流側が廃液タンク３４に接続されている。

【００２４】従来技術による束状フィードチューブ式回
転霧化型静電塗装機は上述の如き構成を有するもので、
次に、その作動について説明する。

【００２５】まず、自動車のボディ等の被塗物を例えば
専用色であるＡ色に塗装する場合には、塗料弁２４Ａを
パイロットエアによって開弁位置にすると共に、駆動モ
ータ２６を介してギヤポンプ２５Ａを駆動する。これに
より、サーキュレーションライン２２Ａ内を流通するＡ
色塗料が供給配管２１Ａを介して一定流量ずつ供給さ
れ、塗料通路１９Ａ，流通路１７Ａを介してフィードチ
ューブ１８Ａから回転霧化頭１１に向けて吐出される。
そして、フィードチューブ１８Ａから吐出されたＡ色塗
料は、ハブ部材１２の各ハブ孔１２Ａ，１２Ｂを介して
回転霧化頭１１から高電圧に帯電しつつ液糸として噴霧
され、静電霧化されて帯電粒子となる。この結果、帯電
粒子となったＡ色塗料は回転霧化頭１１と被塗物との間
の電気力線に沿って飛行し、該被塗物に塗着する。

【００２６】なお、被塗物をＢ色，Ｃ色，Ｄ色，Ｅ色に
塗装する場合も、Ａ色の塗装と格別変わるところはない
ものの、塗装色の色替時には、シンナ弁２４Ｆを開弁し
てシンナ源２３のシンナを供給配管２１Ｆ，シンナ通路
１９Ｆを介してフィードチューブ１８Ｆから回転霧化頭
１１に向けて吐出し、該回転霧化頭１１の洗浄を行なう
ようになっている。

【００２７】次に、被塗物を比較的塗装頻度の小さいＦ
色に塗装する場合には、色替弁装置２７の塗料弁２９Ａ
を開弁させ、ギヤポンプ２５Ｇを駆動すると共に、塗料
弁２４Ｇを開弁する。これにより、サーキュレーション
ライン内を流通するＦ色塗料は、供給配管２１Ｇ，塗料
通路１９Ｇを介してフィードチューブ１８Ｇから回転霧
化頭１１に向けて吐出され、該回転霧化頭１１から噴霧
されて被塗物に塗着する。

【００２８】また、塗装色をＦ色からＧ色に替えるとき
には、塗料弁２４Ｇを閉弁すると共に廃液弁３３を開弁
し、この状態でエア弁３０，シンナ弁３１を開弁してエ
ア，シンナを流通させ、マニホールド２８，供給配管２
１Ｇ等の内部に残ったＦ色塗料を廃液タンク３４に洗い
流す。そして、塗料弁２９Ｂを開弁してＧ色塗料を充填
した後、Ｆ色塗料と同様に塗装を行なうようになってい
る。

【００２９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による束状フィードチューブ式回転霧化型静電塗
装機では、各塗料弁２４Ａ〜２４Ｅ，２４Ｇを開，閉す
ることによって各フィードチューブ１８から塗料を吐出
させたり、塗料の吐出を停止させるようにしているか
ら、塗料の吐出が停止状態の場合でも塗料がフィードチ
ューブ１８内に充填された状態となっており、各フィー
ドチューブ１８内で充填状態にある塗料が塗装機の移動
時等に該フィードチューブ１８から回転霧化頭１１内に
垂れ落ちてしまうことがある。この結果、フィードチュ
ーブ１８から吐出されている塗料に垂れ落ちた他の塗料
が混ざって塗装不良を発生してしまい、塗装機に対する
信頼性が大幅に低下してしまうという問題がある。

【００３０】また、塗装色毎に７本のフィードチューブ
１８Ａ〜１８Ｇを設けているから、各フィードチューブ
１８を回転霧化頭１１の回転中心に配置できない。この
結果、フィードチューブ１８から吐出される塗料が回転
霧化頭１１の回転中心からずれた位置に吐出されるか
ら、高速回転する回転霧化頭１１によって周囲に飛び散
ってしまい、塗料が他のフィードチューブ１８に付着し
たり、フィードチューブ１８内に入り込んだりして、洗
浄時のシンナ使用量や洗浄時間が増大してしまい、コス
トの増大や生産性の低下を生じてしまうという問題があ
る。

【００３１】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、各塗料の混色を防止すると共に、洗浄液
の使用量や洗浄時間を削減できるようにした塗装機を提
供することを目的とする。

【００３２】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用する塗装機は、ハウジングと、該
ハウジングの先端側に設けられた塗料噴霧手段と、該塗
料噴霧手段に向けて塗料を供給する塗料供給手段とを備
え、該塗料供給手段は、一端側が異なる塗料配管，塗料
弁を介して異なる塗料供給源に接続された複数の塗料流
路と、該各塗料流路の他端側を連通する連通路と、基端
側が該連通路に接続され、先端側が前記塗料噴霧手段に
向けて伸長した吐出通路と、前記各塗料流路と連通路と
の間にそれぞれ設けられ、連通路に対して塗料通路を連
通，遮断する開閉弁とから構成してなる。

【００３３】また、前記塗料供給手段の各開閉弁は、前
記塗料弁の開弁時に塗料配管を介して一側から他側に向
けて供給される塗料の圧力を受承したときのみ開弁する
チェック弁とするのが好ましい。

【００３４】さらに、前記塗料供給手段の各開閉弁は、
塗料の圧力を受承することにより撓みを生じて開弁する
弾性材料から形成された弁体を用いてもよい。

【００３５】

【作用】上記構成により、塗料供給源から供給される塗
料は、塗料配管，塗料弁を介して塗料供給手段の塗料通
路内に流入し、連通路を介して吐出通路から塗料噴霧手
段に向けて吐出され、該塗料噴霧手段から被塗物に向け
て噴霧される。このときに、各開閉弁は、連通路内を流
通する塗料が他の塗料通路内に混入するのを防止してい
る。

【００３６】

【実施例】以下、本発明の実施例による直接帯電方式の
回転霧化型静電塗装機を図１ないし図５に基づいて説明
する。なお、実施例では前述した図７ないし図９に示す
従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説
明を省略する。

【００３７】図において、４１はハウジング１のモータ
挿着部２内に設けられた本実施例によるタービン型のエ
アモータを示し、該エアモータ４１は、後述するモータ
ケース４２，回転軸４３およびエア軸受４４から大略構
成されている。

【００３８】４２はエアモータ４１の外殻をなす段付筒
状のモータケースを示し、該モータケース４２には、従
来技術で述べたモータケース７と同様に、軸心に沿って
先端側から順に、軸挿通穴４２Ａ，タービン室４２Ｂ，
ホルダ接続穴４２Ｃが形成されているものの、前記軸挿
通穴４２Ａは、従来技術による軸挿通穴７Ａに比較して
小径に形成されている。

【００３９】４３はモータケース４２の軸挿通穴４２
Ａ，タービン室４２Ｂ内に亘って配設された回転軸を示
し、該回転軸４３は、従来技術で述べた回転軸８とほぼ
同様に、先端側がモータケース４２から突出した中空軸
４３Ａと、該中空軸４３Ａの基端側に位置してタービン
室４２Ｂ内に収容されたエアタービン４３Ｂとから構成
され、エア軸受４４，４４を介して回転自在に支持され
ているものの、前記中空軸４３Ａは、従来技術による中
空軸８Ａよりも小径に形成されている。

【００４０】４５は回転軸４３の中空軸４３Ａ先端に固
着された塗料噴霧手段としてのベル型の回転霧化頭を示
し、該回転霧化頭４５は、基端側が前記中空軸４３Ａに
螺着され、先端側が拡開する朝顔状に形成されている。
また、該回転霧化頭４５には、先端側を閉塞するように
配設され、第１のハブ孔４６Ａ，４６Ａおよび第２のハ
ブ孔４６Ｂ，４６Ｂを有する円板状のハブ部材１２が固
着されている。

【００４１】４７はハウジング１の中心部に配設された
本実施例による塗料供給手段としての塗料供給部を示
し、該塗料供給部４７は、図２に示す如く、後述するチ
ューブホルダ４８，チェック弁５３，フィードチューブ
５７等から構成されている。

【００４２】４８はハウジング１のホルダ収容部３内に
収容された本実施例によるチューブホルダを示し、該チ
ューブホルダ４８は、後述するホルダ本体４９と押さえ
板５２とから構成されている。

【００４３】４９はチューブホルダ４８の本体をなすホ
ルダ本体を示し、該ホルダ本体４９は、厚肉な段付円板
状に形成され、その突出部４９Ａがモータケース４２の
ホルダ接続穴４２Ｃに挿嵌されている。また、該ホルダ
本体４９には、後述するニードルホルダ５４，可撓弁体
５６が取付けられる段付状の取付穴５０Ａ，５０Ｂ，５
０Ｃ，５０Ｄ，５０Ｅ，５０Ｆ，５０Ｇが形成され、該
各取付穴５０は、図３に示すように、取付穴５０Ａを中
心にして、取付穴５０Ｂ〜５０Ｇが六角形を形成するよ
うに周方向に等間隔で配設されている。

【００４４】さらに、前記ホルダ本体４９には、前記取
付穴５０Ａ〜５０Ｇ間を連通する連通路５１が形成さ
れ、該連通路５１は、シンナが流通する取付穴５０Ｆを
上流端として取付穴５０Ｇ，５０Ｅ，５０Ｄ，５０Ｃ，
５０Ａ，５０Ｂの順で連通し、該取付穴５０Ｂからフィ
ードチューブ５７に連通するように軸方向に伸長してい
る。

【００４５】５２はホルダ本体４９の一端側に衝合する
ように配設された押さえ板で、該押さえ板５２には、各
ニードルホルダ５４の底部側が挿通される挿通穴５２
Ａ，５２Ａ，…が形成されている。

【００４６】５３Ａ，５３Ｂ，５３Ｃ，５３Ｄ，５３
Ｅ，５３Ｆ，５３Ｇは取付穴５０Ａ〜５０Ｇ内に取付け
られた開閉弁としてのチェック弁（全体として各チェッ
ク弁５３という）を示し、該各チェック弁５３は、ニー
ドルホルダ５４，ニードル５５，弁板５６から構成され
ている。

【００４７】５４はホルダ本体４９の取付穴５０と押さ
え板５２の挿通穴５２Ａに亘って設けられ、有底の段付
筒状に形成されたニードルホルダで、該ニードルホルダ
５４の底部側には、中央部に位置して塗料通路１９と共
に塗料流路を構成する流通穴５４Ａが穿設され、内周側
に位置して雌ねじ部５４Ｂが形成されている。そして、
該ニードルホルダ５４は、ホルダ本体４９に押さえ板５
２がねじ止めされることにより、各弁板５６と共に各取
付穴５０内に固定されている。

【００４８】５５はニードルホルダ５４内に配設された
ニードルで、該ニードル５５は、図４に示すように、基
端側がニードルホルダ５４の雌ねじ部５４Ｂに螺着され
る雄ねじ部５５Ａとなり、先端側がニードルホルダ５４
から突出する円錐部５５Ｂとなっている。また、該ニー
ドル５５には、基端側に位置して径方向に貫通するよう
に切欠溝５５Ｃが形成され、該切欠溝５５Ｃは塗料等の
流れを確保するものである。

【００４９】５６はニードル５５の先端側に設けられた
可撓弁体で、該可撓弁体５６はゴム等の弾性材料から円
環状に形成され、その外周側はホルダ本体４９とニード
ルホルダ５５との間に挟持、固定されている。そして、
該可撓弁体５６は、内周側をニードル５５の円錐部５５
Ｂに弾性的に押付けることで、ニードルホルダ５４内か
ら連通路５１側に圧力が作用したときには、図５に示す
ように内周側を撓ませて塗料等の流通を許し、連通路５
１側からの圧力に対しては円錐部５５Ｂに密着して遮断
するようになっている。

【００５０】５７は回転軸４３内に位置して軸中心（回
転中心）を軸方向に伸長するように設けられた吐出通路
としてのフィードチューブで、該フィードチューブ５７
は、基端側がホルダ本体４９に挿嵌されて連通路５１と
連通し、先端側が前記回転軸４３から回転霧化頭４５内
に突出している。また、該フィードチューブ５７の外周
側にはカバー５８が設けられている。そして、該フィー
ドチューブ５７は、連通路５１から供給される塗料等を
回転霧化頭４５の回転中心に向けて吐出するものであ
る。

【００５１】本実施例による回転霧化型静電塗装機は上
述の如き構成を有するもので、次に、その作動について
塗料供給部４７を中心に説明する。

【００５２】まず、Ａ色塗料が塗料通路１９Ａを介して
供給されると、このＡ色塗料はニードルホルダ５４の流
通穴５４Ａ，ニードル５５の切欠溝５５Ｃを介してチェ
ック弁５３Ａ内に流入する。これにより、可撓弁体５６
がＡ色塗料の圧力を受承して連通路５１側に撓み、ニー
ドル５５の円錐部５５Ｂから離間してＡ色塗料が連通路
５１側に流通するのを許す。そして、連通路５１側に供
給されたＡ色塗料はフィードチューブ５７を介して回転
霧化頭４５（ハブ部材４６）の回転中心に向けて吐出さ
れ、該回転霧化頭４５から噴霧される。

【００５３】また、このＡ色塗料の噴霧時には、連通路
５１内を流通するＡ色塗料の圧力が可撓弁体５６に作用
するから、この圧力によって可撓弁体５６がニードル５
５の円錐部５５Ｂに密着して他のチェック弁５３Ｂ〜５
３Ｇ内へのＡ色塗料の混入を防止している。

【００５４】一方、色替を行なうときには、Ａ色塗料の
供給を停止して可撓弁体５６をニードル５５の円錐部５
５Ｂに密着させる。次に、シンナ通路１９Ｆを介してシ
ンナを供給し、シンナの圧力によって上流端に位置する
チェック弁５３Ｆを開弁させてシンナを連通路５１内に
流通させる。これにより、連通路５１内に流入したシン
ナは、Ａ色塗料を押出しつつ連通路５１，フィードチュ
ーブ５７，回転霧化頭４５の順で洗浄を行なうようにな
っている。また、このときに他のチェック弁５３Ａ〜５
３Ｅ，５３Ｇは前述したＡ色塗料の塗装時と同様にシン
ナの混入を防止している。さらに、弾性材料から円環状
に形成された可撓弁体５６をニードル５５の円錐部５５
Ｂに押付けるという簡単な構造のチェック弁５３として
いるから、連通路５１側に形成される凹凸を小さくで
き、シンナによる連通路５１内の洗浄を短時間で行なう
ことができる。

【００５５】かくして、本実施例によれば、７本の通路
１９Ａ〜１９Ｆを連通路５１によって連通し、該連通路
５１から１本のフィードチューブ５７を介して回転霧化
頭４５に向けて塗料を吐出させると共に、前記連通路５
１と各通路１９との間にはそれぞれチェック弁５３を設
けるようにしているから、従来技術のように塗装時に他
の塗料が垂れ落ちて混色を生じるのを確実に防止するこ
とができ、混色による塗装不良の発生を防止して、塗装
機に対する信頼性を大幅に向上することができる。

【００５６】また、７本の通路１９Ａ〜１９Ｆから連通
路５１を介して１本のフィードチューブ５７にまとめる
ようにしているから、従来技術で用いている束状フィー
ドチューブ式の利点を損なうことなくフィードチューブ
５７を回転霧化頭４５の回転中心に配置することがで
き、該フィードチューブ５７から吐出された塗料を周囲
に飛散させることなく回転霧化頭４５で霧化させて、回
転霧化頭４５やフィードチューブ５７先端が塗料によっ
て汚れるのを防止でき、これにより、シンナ使用量の削
減や洗浄時間の短縮を図ることができ、コストの低減や
生産性の向上を図ることができる。

【００５７】さらに、連通路５１と各通路１９Ａ〜１９
Ｇとの間にはそれぞれチェック弁５３Ａ〜５３Ｇを設け
るようにしているから、連通路５１内を流通する塗料が
他の塗料と混色するのを防止でき、このことからも塗装
不良の発生を防止することができる。

【００５８】また、各チェック弁５３を弾性材料から円
環状に形成された可撓弁体５６をニードル５５の円錐部
５５Ｂに押付けるという簡単な構造としているから、塗
料供給部４７が大きくなるのを抑制して塗装機が大型化
するのを防止することができる上に、連通路５１側に形
成される凹凸を極力小さくでき、色替時に連通路５１を
洗浄するときのシンナ使用量や洗浄時間を削減でき、こ
のことからも、コストの低減や生産性の向上を図ること
ができる。

【００５９】なお、前記実施例では、チェック弁５３Ａ
〜５３Ｇは弾性材料から円環状に形成された可撓弁体５
６をニードル５５の円錐部５５Ｂに押付ける構成とした
ものを例示したが、例えば図６に示す変形例の如く、各
チェック弁６１を、弁座６２に離，着座可能に設けたボ
ール弁６３と、該ボール弁６３を着座方向に付勢する引
張コイルばね６４とから構成するようにしてもよい。

【００６０】また、前記実施例では、塗装機として直接
帯電方式の回転霧化型静電塗装機を例に挙げて説明した
が、これに替えて、エア霧化ノズル型静電塗装機や液圧
霧化ノズル型静電塗装機等の他の塗装機に適用してもよ
く、塗料の帯電方式に関しても外部電極を有する間接帯
電方式の塗装機に適用してもよい。

【００６１】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、塗
料噴霧手段に向けて塗料を供給する塗料供給手段を、一
端側が異なる塗料配管，塗料弁を介して異なる塗料供給
源に接続された複数の塗料流路と、該各塗料流路の他端
側を連通する連通路と、基端側が該連通路に接続され、
先端側が前記塗料噴霧手段に向けて伸長した吐出通路
と、前記各塗料流路と連通路との間にそれぞれ設けら
れ、連通路に対して塗料通路を連通，遮断する開閉弁と
から構成しているから、塗料供給源から塗料配管，塗料
弁を介して塗料供給手段の塗料通路内に流入する塗料を
開閉弁を介して連通路に流入させ、吐出通路から塗料噴
霧手段に向けて吐出させることができる上に、このとき
に、各開閉弁によって連通路内を流通する塗料が他の塗
料通路内に混入するのを防止することができ、混色によ
る塗装不良の発生を防止して、塗装機に対する信頼性を
向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による直接帯電方式を用いた回
転霧化型静電塗装機を示す縦断面図である。

【図２】塗料供給部の内部構造を図１中の矢示II−II方
向から拡大して示す縦断面図である。

【図３】ホルダ本体の各取付穴，連通路の配設状態を図
２中の矢示 III−III 方向から示す横断面図である。

【図４】ニードルを拡大して示す外観図である。

【図５】塗料の流通状態を示すチェック弁等の要部拡大
縦断面図である。

【図６】本発明の変形例によるチェック弁等を拡大して
示す縦断面図である。

【図７】従来技術による直接帯電方式を用いた束状フィ
ードチューブ式回転霧化型静電塗装機を示す縦断面図で
ある。

【図８】塗料供給部の各フィードチューブ等の配設状態
を図７中の矢示VIII−VIII方向から拡大して示す横断面
図である。

【図９】束状フィードチューブ式回転霧化型静電塗装機
の全体構成を示す構成説明図である。

【符号の説明】

１ハウジング２１Ａ〜２１Ｇ供給配管（塗料配管）２２Ａ〜２２Ｅサーキュレーションライン（塗料源）２３シンナ源（塗料源）２４Ａ〜２４Ｅ，２４Ｇ塗料弁２４Ｆシンナ弁（塗料弁）４５回転霧化頭（塗料噴霧手段）４７塗料供給部（塗料供給手段）５４ニードルホルダ５４Ａ流通穴（塗料流路）５１連通路５３Ａ〜５３Ｇ，６１チェック弁（開閉弁）５６可撓弁体５７フィードチューブ（吐出通路）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ハウジングと、該ハウジングの先端側に
設けられた塗料噴霧手段と、該塗料噴霧手段に向けて塗
料を供給する塗料供給手段とを備え、該塗料供給手段
は、一端側が異なる塗料配管，塗料弁を介して異なる塗
料供給源に接続された複数の塗料流路と、該各塗料流路
の他端側を連通する連通路と、基端側が該連通路に接続
され、先端側が前記塗料噴霧手段に向けて伸長した吐出
通路と、前記各塗料流路と連通路との間にそれぞれ設け
られ、連通路に対して塗料通路を連通，遮断する開閉弁
とから構成してなる塗装機。
【請求項２】前記塗料供給手段の各開閉弁は、前記塗
料弁の開弁時に塗料配管を介して一側から他側に向けて
供給される塗料の圧力を受承したときのみ開弁するチェ
ック弁としてなる請求項１に記載の塗装機。
【請求項３】前記塗料供給手段の各開閉弁は、塗料の
圧力を受承することにより撓みを生じて開弁する弾性材
料から形成された弁体を用いてなる請求項１に記載の塗
装機。