JPH0732240U - ディスクブレーキ用パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型のディスクブレーキ用パッドに於いて、
ライニングの摩耗によりパッドを交換する際に、裏金を
分離して再使用できるようにする。 【構成】 ライニング１に補強板３を接着して、セグメ
ント４を構成する。裏金２の表面に突起９を形成し、補
強板３の裏面に形成した同形の凹部に凹凸係合させると
共に、セグメント４と裏金２とをリベット６により結合
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はディスクブレーキ用パッドに関し、特に大型ディスクブレーキ用パ ッドに有効に利用できるパッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ディスクブレーキ用パッドは、裏金にライニングを固着したもので、２個のパ ッドでロータの両側面を挟み、油圧力により両パッドをロータに圧接することに より、ロータを介して自動車の車輪を制動するようにして使用される。

【０００３】 従来の大型自動車用のパッドは、殆んどが、１枚の鋼の裏金に、１個又は数個 に分割されたライニングを接着等で固着したものであった。

【０００４】 図３は上記のような従来のディスクブレーキ用パッドを例示する正面図であっ て、ライニング１と裏金２とを接着剤により結合したものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

パッドは、ディスクブレーキの制動回数が多くなるに従って摩耗するので、こ れが使用限度になったならばパッドを交換する。

【０００６】 従来は、摩耗パッドの接着されたライニングと裏金とを分離して裏金を再使用 することは行なわず、裏金は摩耗したライニングと共に廃棄されていた。

【０００７】 しかし、大型自動車のディスクブレーキにおいては、パッドが大きくなり、こ れに伴って裏金も厚く、面積も広くなるので、パッド交換時にこれを廃棄したの では材料及び工作費の無駄が大きくなる。

【０００８】

【課題を解決する為の手段】 この考案は、ライニングと補強板とを接着したセグメントを、リベット、ボル ト等の取外し可能な結合手段により裏金に結合してパッドを構成するものである 。制動時に裏金と補強板との面方向に作用する力をリベット等の剪断力のみによ るよりも強力に支えるため、裏金と補強板とは凹凸係合させる。

【０００９】

【作用】

ライニング、補強板を接着したセグメントと裏金とは、リベット、ボルト等で 結合されて一体に結合されている。制動時に作用する、裏金とセグメントとを横 移動させようとする面方向の力は、裏金とセグメントとの凹凸係合により強力に 支持される。

【００１０】 裏金とセグメントとを分離するには、ボルト結合の場合はナットを外し、リベ ット結合の場合はリベットのかしめ端を削除すれば、両者は容易に分離し、裏金 は使用中及びこの分解時に損傷を受けることがなく、そのまま再使用できる。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案のパッドの構造を例示する分解斜視図、図２は図１の１つのリベ ット結合部におけるリベットに沿った拡大断面図である。以下の説明において、 上下は図面によるものとする。

【００１２】 ２個のライニング１は、補強板３に接着されてセグメント４を構成する。ライ ニングは全体を１個とし、又は３個以上に分割しても良い。補強板３の上面には 突起５を形成し、ライニングに形成した同形の凹部に係合させてライニングの下 面と凹凸結合して、ライニング１にはリベット６を挿入する大孔７ａ、小孔７ｂ を形成し、補強板３にはリベットを通す孔８を形成する。補強板３は、裏金２よ り薄い。

【００１３】 裏金２の上面には突起９を形成し、補強板３の下面には同形の凹部を形成して 、両者を凹凸係合させる。裏金２にはリベット６を通す小孔１０ａ、リベット６ の頭を入れる大孔１０ｂを形成する。このように形成されたセグメント４、裏金 ２を図２のように重ね、下方からリベット６を挿通し、その上端をかしめ潰して 図２のように結合する。

【００１４】 このように一体に構成したパッドをディスクブレーキに組込めば、裏金２、セ グメント４を結合したパッドは、一体となって制動作用をする。制動時にパッド に加わる面方向の力は、裏金２、補強板３の間では、突起９の凹凸係合により多 くの部分が支えられるから、両者の制動時の結合は強力に保たれる。この実施例 では、補強板３とライニング１とも突起５によりほぞ係合させて、接着剤による 面方向の力の支持を補強している。

【００１５】 ライニング１が摩耗してパッドを交換するときは、リベット６の上端のかしめ 潰し部を工具で削除すれば、リベットを抜き取ることができ、裏金２と補強板３ とは容易に分離する。裏金２にはブレーキとしての使用中や上記の分解作業中に 傷をつけることがないから、この裏金は新しいセグメントと組合せてそのまま再 使用することができる。ライニングと接着された薄い補強板は、材料費も僅かで あるから、廃棄する。この実施例では、セグメント４と裏金２との結合部材はリ ベットとしたが、結合部材としてはボルト等の取外し可能な部材であれば良い。

【００１６】

【考案の効果】

(1) 裏金は、セグメントとリベットやボルト等で結合されるから、これらの結合 部材を抜取ることにより容易にセグメントと分離できる。これのための工作費は 問題にならない位僅少である。

【００１７】 (2) 分離した裏金は、損傷がないから、そのまま再使用できる。

【００１８】 (3) 大型ディスクブレーキのパッドに使用する裏金は、厚く大きくなるが、これ を再使用することにより材料費、工作費を著しく節約することができる。

【００１９】 (4) 制動時の面方向の力は、リベット等の結合部材のみでなく裏金と補強板との 凹凸係合によっても支持するから、パッド全体の結合を十分強くすることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すパッドの分解斜視図。

【図２】図１の１つのリベット結合部に於けるリベット
に沿った拡大断面図。

【図３】従来のパッドを例示する正面図。

【符号の説明】

１ ライニング ２ 裏金 ３ 補強板 ４ セグメント ６ リベット ７ａ 大孔 ７ｂ 小孔 ８ 孔 ９ 突起 １０ａ 大孔 １０ｂ 小孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ライニング（１）と補強板（３）とを接
   着してセグメント（４）とし、補強板（３）と裏金
   （２）とを凹凸係合させて重ねると共に、セグメント
   （４）と裏金（２）とを取外し可能に結合して構成した
   ディスクブレーキ用パッド。
2. 【請求項２】 上記セグメント（４）と裏金（２）との
   結合は、リベット又はボルトにより構成したことを特徴
   とする請求項１記載のディスクブレーキ用パッド。