JPH07320868A - 電場発光素子およびその製造方法 - Google Patents

電場発光素子およびその製造方法

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JPH07320868A
JPH07320868A JP6109497A JP10949794A JPH07320868A JP H07320868 A JPH07320868 A JP H07320868A JP 6109497 A JP6109497 A JP 6109497A JP 10949794 A JP10949794 A JP 10949794A JP H07320868 A JPH07320868 A JP H07320868A
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insulating layer
transparent electrode
core material
thickness
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JP6109497A
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Inventor
Hiroyuki Ogura
広幸 小倉
Norifumi Hanano
規文 花野
Masaya Sugita
昌弥 杉田
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明電極層51の断線などの信頼性の低下を
招くことなく、電気的負荷の高い電極端子取出部59で
の絶縁破壊の発生を未然に防止する。 【構成】 導体膜55と導電性の芯材45との間の絶縁
層47の厚さを、他の部位の同厚さより厚く形成し、電
極端子取出部59における絶縁耐圧を高める。絶縁層4
7の厚く形成した部位47aと他の部位47bとの境界
部位47cの表面は、緩やかなテーパ面47dとするこ
とで、絶縁層47上に形成される蛍光体層49の表面も
テーパ面47dに沿った緩やかな面となり、この蛍光体
層49上に形成される透明電極層51は、前記境界部位
47cに対応する位置にて断線の発生が回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、導電性の芯材の周囲
に発光層を設け、この発光層の周囲に設けた透明電極層
と前記芯材との間に電場を与えて発光層を発光させる電
場発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電場発光素子は、例えば自動車
用計器における速度計や回転計などの指針として用いら
れる。この指針はEL(Electro Luminescence)指針と
呼ばれ、図4に示すように、主として細い導電性の金属
棒を芯材1とし、芯材1の周囲に絶縁層3、蛍光体層
5、透明電極層7、透明保護層9が順次積層して形成さ
れる。芯材1および透明電極層7の二つの電極から電極
端子11a,11bをそれぞれ取出し、この両電極間に
交流電源13により交流電圧を印加し、電極間に発生す
る電場により、蛍光体層5内の蛍光体が発光する。
【0003】透明電極層7の材料としては、ITO(ス
ズドープ酸化インジウム)やATO(アンチモンドープ
酸化スズ)などが使用される。これらの材料からなる電
極から電極端子11a,11bを直接取出すのは比較的
難しく、取出部にメッキを施したり、銀ペーストを塗布
した導体膜15を設けてから電極端子11a,11bを
取出すことが通常行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな材料からなる透明電極層7は、金属材料と比べる
と、抵抗値がかなり高く、銀ペーストなどの金属材料
(銀ペーストの場合、金属粉(粒)含有材料であるが)
かならる導体膜15を介して取出すにしても、両者相互
が接触している電極端子取出部17には、その両者の抵
抗値の差から電気的負荷が生じる。このような電気的負
荷は、例えば高温多湿時など周囲の環境状況によって
は、電極端子取出部17での電界強度が大きいことも考
え合わせると、その部分で絶縁破壊を発生させる可能性
がある。
【0005】例えば、高温多湿時に、水分が最外層部で
ある透明保護層9を浸透して内部に浸入し、電気化学反
応により透明電極層7の抵抗値が大きくなった場合(あ
る程度大きくなっても発光はする)、電極端子取出部1
7での負荷がより大きくなり、その部分で絶縁破壊を起
こすのである。また、水分浸入によって起こる蛍光体層
5からの蛍光体成分(Zn,Sイオン)の溶出や、銀ペ
ーストなど金属材料からのイオンの蛍光体層5などへの
浸入による電極間抵抗の低下により、絶縁破壊へと発展
する可能性もあり、その場合も、電気的負荷の大きな電
極端子取出部17での発生が予想される。
【0006】この対策として考えられるのは、電極端子
取出部17における絶縁層3の厚さを増し、絶縁耐圧を
高めることである。例えば、図5のように、蛍光体層5
上に環状の絶縁体19を設け、電極端子取出部17にお
ける絶縁層厚を、絶縁層3に絶縁体19を加えた厚さと
して増大させることが考えられる。
【0007】ところで、図5(a)の場合、透明電極層
7は、蛍光体層5上に設けられ、その端部が絶縁体19
の端部に接触する構造であることから、銀ペーストなど
の導体膜15を、透明電極層7との電気的導通を図るた
めに、透明電極層7と絶縁体19との接触部分を越えて
透明電極層7上のA点付近まで伸ばす必要がある。この
ように、導体膜15をA点付近まで伸ばすことは、この
A点付近での絶縁層厚が絶縁層3の厚さのみとなり、絶
縁層厚を増すために絶縁体19を設けた意味が減じる。
【0008】一方、図5(b)は、透明電極層7を絶縁
体19上まで形成し、導体膜15は充分厚さのある絶縁
体19上にて透明電極層7に接続する構造である。しか
しながら、この場合には、透明電極層7を蛍光体層5か
ら絶縁体19にわたり連続して形成するため、蛍光体層
5と絶縁体19との境界部分における透明電極層7の付
着面の変化するB点にて、透明電極層7が断線する可能
性が大きく、信頼性の低下を招くことになる。例え、B
点における境界部分での変化を小さく抑えるために、絶
縁体19に緩やかな傾斜を設けたとしても、約1μmと
極めて薄い透明電極層7は、付着面が変化するB点での
断線を避けることはできない。
【0009】なお、特公昭50−19913号公報に
は、前記図4に示したものと同様に、図6に示すよう
に、芯材である棒状導電体21上に、下地ほうろう層2
3、電場発光体層25、透光性導電体層27、透光性保
護層29を順次積層した電場発光素子が開示されている
が、これは、透光性導電体層27の一部の外周に、導電
性金属粉末と硝子粉末との混合により成形された耐湿性
の良好な導電性リング31を設け、ここから電極端子を
取出すようにしている。
【0010】しかしながら、この例でも、前記図4に示
したものと同様に、電気的負荷の大きい電極端子取出部
での絶縁層の厚さは、他の部位と同じであって全体とし
て一定であり、電極端子取出部における電極間距離を広
く取っているわけではないので、この部位にて絶縁破壊
を招く恐れがある。
【0011】また、実公昭41−2595号公報では、
図7に示すように、芯材である基体導線33上に設けた
発光層35とほぼ同じ厚さの絶縁層37を、基体導線3
3上にて発光層35の端部に連続して形成し、この絶縁
層37上に電極端子取出部を形成する金属環39を設け
ている。透明電極層41は、金属環39の一方の端部付
近にまで製膜して両者相互を電気的に導通させ、この透
明電極層41上に透明保護層43を形成する。
【0012】ところが、この場合には、透明電極層41
の金属環39への接続端部付近は、付着面が発光層35
から金属環39へと変化する不連続面であり、透明電極
層41が途切れ断線する恐れがあって、信頼性の低下を
招く。また、絶縁層37の厚さは発光層35とほぼ同じ
で比較的厚く形成されているが、この絶縁層37は、絶
縁耐圧がそれほど高くない硝子などで構成されており、
発光層35と同じ厚さでは絶縁破壊に対して不安があ
る。
【0013】そこで、この発明は、透明電極層の断線な
どの信頼性の低下を招くことなく、電気的負荷の大きい
電極端子取出部での絶縁破壊の発生を未然に防止するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、第1に、導電性の芯材の周囲に、絶縁
層、発光体層、透明電極層および透明保護層を順次積層
して形成し、前記芯材と透明電極との間に電場を与えて
発光体層を発光させる電場発光素子において、前記透明
電極層の一部の周囲に、電極端子を取出すための導体膜
を設け、この導体膜と芯材との間における絶縁層と発光
体層との少くともいずれか一方の厚さを、他の部位の同
厚さより厚く形成した構成としてある。
【0015】第2に、第1の構成において、導体膜と芯
材との間における絶縁層の厚さを、他の部位の同厚さよ
り厚く形成した構成としてある。
【0016】第3に、第2の構成において、絶縁層の厚
く形成した部位と他の部位との境界部位に、絶縁層の厚
さが漸次変化するテーパ面を設けた構成としてある。
【0017】第4に、第2または第3の構成において、
絶縁層の厚く形成した部位は他の部位と一体化している
構成としてある。
【0018】第5に、第2または第3の構成において、
絶縁層の厚く形成した部位は、芯材全体を覆う一定厚さ
の主絶縁層と、環状の補助絶縁層とから構成されてい
る。
【0019】第6に、導電性の芯材の周囲に、絶縁層、
発光体層、透明電極層および透明保護層を順次積層して
形成し、前記芯材と透明電極との間に電場を与えて発光
体層を発光させる電場発光素子の製造方法において、前
記絶縁層、発光体層、透明電極層および透明保護層の各
層は、前記芯材を各層を形成するためのそれぞれの溶液
内に浸漬した状態から所定の速度で引上げることで形成
するもので、前記絶縁層については、第1の速度による
一定速度で所定位置まで引上げた後、徐々に速度を低下
させ、第2の速度になった時点で一定速度として引上げ
を完了することで形成し、この絶縁層上に発光体層およ
び透明電極層を形成した後、前記第1の速度により形成
された部位の絶縁層に対応する位置での透明電極層上
に、電極端子を取出すための導体膜を設ける製造方法と
してある。
【0020】
【作用】このような電場発光素子によれば、導体膜と芯
材との間における絶縁層と発光体層とを合わせた厚さ
が、他の部位の同厚さより厚く形成されていることによ
り、ここでの絶縁耐圧が高まり、電気的負荷の大きい電
極端子取出部における絶縁破壊が未然に防止される。ま
た、電極端子取出部における前記厚さを他の部位より厚
くすることで、透明電極層には厚い部位と他の薄い部位
との境界部分が形成されるが、透明電極層が付着する発
光体層は連続面を構成していることから、透明電極層は
境界部分で途切れることはなく断線は回避される。
【0021】また、導電膜と芯材との間における絶縁層
の厚さを厚くすることで、絶縁耐圧がより高まる。
【0022】さらに、絶縁層の厚く形成した部位と他の
部位との境界部位に、厚さが漸次変化するテーパ面を設
けることで、絶縁層上に発光体層を介して形成される透
明電極層も、境界部位において緩やかに屈曲し、ここで
の透明電極層の断線の発生が確実に防止される。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。
【0024】図1は、この発明の第1実施例を示す電場
発光素子における電極端子取出部付近の断面図である。
この電場発光素子も、前記図4に示したものと同様に、
例えば自動車用計器における速度計や回転計などのEL
指針として用いられるもので、導電性のステンレス(S
US420J2)からなる直径1mmの洗浄された芯材
45の周囲に、絶縁層47、発光体層である蛍光体層4
9、透明電極層51、透明保護層53が順次積層して形
成されている。
【0025】上記各層の積層部分の指針基端側(図中で
右側)の端部において、絶縁層47は絶縁層47の他の
部位に比べて厚く形成してある。絶縁層47の厚く形成
した部位47aと他の部位47bとの境界部位47cの
表面は、厚さが漸次変化するよう緩やかなテーパ面47
dとしてある。このような絶縁層47上に形成する蛍光
体層49および透明電極層51は、いずれも厚さが均一
であり、絶縁層47のテーパ面に沿って製膜される。そ
して、絶縁層47の厚く形成した部位47aに対応する
位置の透明電極層51上には、メッキや銀ペーストの塗
布などによる導体膜55が形成され、この部位が電極端
子57を取出すための電極端子取出部59となる。
【0026】芯材45にも電極端子61が取出され、こ
の電極端子61と前記導体膜55上の電極端子57との
間に交流電源63を用いて交流電圧を印加することで、
芯材45と透明電極層51との間に電場が発生し、これ
により蛍光体層49内の蛍光体が発光する。
【0027】上記したEL指針は、金属材料である導体
膜55とITO(スズドープ酸化インジウム)などから
なる透明電極層51との抵抗値の差により電気的負荷が
高くなっている電極端子取出部59において、二つの電
極間の間隔、つまり芯材45と透明電極層51との間の
間隔(膜厚)が、絶縁層47を厚くすることで広く(厚
く)なっている。このため、この部位の絶縁耐圧が高
く、周囲の環境状況が高温多湿などとなった場合でも、
この部分での絶縁破壊を防止することができる。
【0028】透明電極層51は、途中に切れ目のない一
つの蛍光体層49上に製膜されており、しかも絶縁層4
7の厚い部位47aと他の部位47bとの境界部位47
cの表面は、厚さが漸次変化するよう緩やかなテーパ面
47dとしてあるので、蛍光体層49の透明電極層51
を形成する表面も緩やかなテーパ面であり、このため透
明電極層51の断線の発生は確実に防止され、信頼性が
確保される。
【0029】次に、上記したようなEL指針の製造方法
を説明する。
【0030】ここでは、芯材45を溶液中に浸漬した状
態から引上げることで各層を順次製膜して行く、いわゆ
るディップ法を用いている。引上げ速度は、膜厚を制御
する重要な要素であり、これをコントロールすることで
絶縁層47の膜厚を変化させる。
【0031】まず、芯材45をディップ装置に取り付
け、絶縁層47を形成するための白色フッ素樹脂溶液中
に芯材45を、電極端子取出部59を有する指針基端側
が上部、先端側が下部となる状態で浸漬する。この状態
から芯材45の引上げを開始するが、電極端子取出部5
9に相当する引き始め部分では、第1の速度である比較
的速い速度(約2mm/sec)の一定速度で引上げ、
5mmほど引き上げた時点で、徐々に減速させ、第2の
速度である約1mm/secの速度になった時点で、再
び一定速度とする。ディップ後には、80℃で10分、
170℃で10分それぞれ乾燥させる。
【0032】これにより、引き始めから5mmの部分
(電極端子取出部59)で膜厚約20μmの一定厚、そ
の後の3mmでテーパ面47dを形成して徐々に膜厚が
減少し、指針部分(発光部)では、7〜8μmの一定厚
となる。
【0033】次に、蛍光体粉と、蛍光体粉を分散させる
分散媒質となるシアノエチルセルロースなどの樹脂の溶
液(20重量%)とを、重量比7(蛍光体):3(樹脂
溶液)で混合し、蛍光体層49を形成するためのディッ
プ溶液を製作する。この溶液中に、前記絶縁層47を製
膜した芯材45を浸漬し、上記絶縁層47を製膜したと
きと同様の位置から引上げを開始する。引上げ速度は、
約0.2mm/secの一定速度で行い、ディップ後に
は、100℃で30分乾燥させる。これにより、約40
μmの一定厚の蛍光体層49が製膜されることになる。
【0034】蛍光体層49上に製膜する透明電極層51
は、ITOの微粒子膜形成用インクをディップ溶液と
し、この溶液中に浸漬した芯材45を、前記と同様の位
置から引上げを開始する。引上げ速度は、0.1mm/
secの一定速度とし、その後100℃で30分乾燥さ
せることで、厚さ約1μmの透明電極層51が製膜され
る。
【0035】そして、電極端子取出部59における透明
電極層51上に、銀ペーストを指針全体を回転させなが
ら塗布して導体膜55を形成し、90℃で2時間乾燥さ
せる。この導体膜55上に電線を巻き付けて固定し、端
子57として取出す。
【0036】最後に、透明保護層53を形成するのであ
るが、この際には上記銀ペーストの塗布工程を終了した
芯材45を、透明紫外線硬化型エポキシ樹脂溶液に浸漬
する。引上げ開始位置は、前記絶縁層47などを製膜し
たときの位置より指針基端側、つまり芯材45をエポキ
シ樹脂溶液中により深く浸漬した状態とする。引上げ速
度は、約0.1mm/secの一定速度とし、積算紫外
線光量3000mJの照射と、100℃で10分の加熱
によ製膜し、厚さ約150μmの透明保護層53が作ら
れる。この層は、電極端子取出部59から指針先端まで
の有機分散型EL素子部分を一括してモールドし、外界
の影響を防ぐとともに、電気的に外部と絶縁する。
【0037】上記例によるEL指針は、蛍光体層49に
おける蛍光体粉を分散させる分散媒質として有機物を使
用した有機分散型としてあるが、分散媒質としてガラス
質のような無機物を使用した無機分散型でも、また分散
媒質に有機物および無機物の双方を使用した、いわゆる
有機・無機ハイブリッド型でも構わない。
【0038】図2は、この発明の第2実施例を示す電場
発光素子における電極端子取出部59付近の断面図であ
る。この実施例は、電極端子取出部59における芯材4
5の周囲に補助絶縁層としての環状の絶縁膜65を形成
し、この絶縁膜65上および芯材45上に通常の厚さ一
定の主絶縁層67を製膜する。
【0039】絶縁膜65は、指針の先端側(図中で左
側)の端部にテーパ面65aが形成され、この形状に沿
って主絶縁層67が製膜され、さらにその上に、前記図
1のもものと同様に蛍光体層49および透明電極層51
がそれぞれ製膜される。
【0040】図3は、上記図2の第2実施例の変形例を
示すもので、芯材45の周囲に厚さ一定の主絶縁層67
を製膜した後、電極端子取出部59における主絶縁層6
7の周囲に、上記図2におけるものと同様な環状の絶縁
膜65を形成したものである。
【0041】上記図2および図3の例ともに、絶縁膜6
5を設けることで、電極端子取出部59における芯材4
5と導体膜55との間の絶縁層厚を他の部位より厚く
し、これにより絶縁耐圧が高まり、絶縁破壊の防止が達
成される。また、透明電極層51は、前記図1の実施例
と同様に途中に切れ目のない一つの蛍光体層49上に製
膜されており、しかも電極端子取出部59と他の部位と
の境界部位においては、透明電極層51が付着する蛍光
体層49の表面が、絶縁膜65のテーパ面65aに沿っ
て緩やかに傾斜しているので、透明電極層51の断線の
発生は防止され、信頼性が確保される。
【0042】なお、絶縁膜65を設けることにより、図
2の例では、主絶縁層67を製膜するための付着面が、
絶縁膜65と芯材45との境界部分で変化し、また図3
の例では、蛍光体層49を製膜する付着面が、絶縁膜6
5と主絶縁層67との境界部分で変化するが、主絶縁層
67および蛍光体層49は、層厚がそれぞれ約10μm
および約40μmと透明電極層51の1μm以下に比べ
て充分に厚いので、付着面が変化しても、主絶縁層67
(図2の場合)および蛍光体層49(図3の場合)が断
線するようなことは回避される。
【0043】なお、前記図1〜図3の例では、電極端子
取出部59において、絶縁性能の高い絶縁層厚を増すこ
とで、絶縁耐圧を高めているが、絶縁層厚を一定として
蛍光体層を厚くしてもよく、また絶縁層および蛍光体層
の双方を厚くし、これらにより電極端子取出部59の絶
縁耐圧を高めるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、電極端子を取出すための導電膜と芯材との間にお
ける絶縁層と発光体層との少くともいずれか一方の厚さ
を、他の部位の同厚さより厚く形成したので、ここでの
絶縁耐圧が高まり、電気的負荷の大きい電極端子取出部
における絶縁破壊を未然に防止することができる。ま
た、電極端子取出部における前記厚さを他の部位より厚
くすることで、発光体層上に形成される透明電極層に
は、前記厚い部位と他の薄い部位との境界部分が形成さ
れるが、透明電極層が付着する発光体層は連続面を構成
していることから、透明電極層の前記境界部分での断線
を防止することができ、信頼性の向上を図ることができ
る。
【0045】また、導電膜と芯材との間の絶縁層の厚さ
を、他の部位の同厚さより厚くすることにより、電極端
子取出部における絶縁耐圧をより高めることができる。
【0046】さらに、絶縁層の厚く形成した部位と他の
部位との境界部位を、厚さが漸次変化するようテーパ面
とすることで、透明電極層も境界部位においてテーパ面
に沿って緩やかに屈曲し、透明電極層の境界部位での断
線の発生を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す電場発光素子にお
ける電極端子取出部付近の断面図である。
【図2】この発明の第2実施例を示す電場発光素子にお
ける電極端子取出部付近の断面図である。
【図3】図2の第2実施例の変形例を示す電極端子取出
部付近の断面図である。
【図4】従来例を示す電場発光素子の断面図である。
【図5】図4の従来例の電場発光素子における不具合を
解消するための具体例を示す要部の断面図である。
【図6】他の従来例を示す電場発光素子の断面図であ
る。
【図7】さらに他の従来例を示す電場発光素子の断面図
である。
【符号の説明】
45 芯材 47 絶縁層 47a 絶縁層の厚く形成した部位 47b 他の部位 47c 境界部位 47d テーパ面 49 蛍光体層(発光体層) 51 透明電極層 53 透明保護層 55 導体膜 65 絶縁膜(補助絶縁層) 67 主絶縁層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の芯材の周囲に、絶縁層、発光体
    層、透明電極層および透明保護層を順次積層して形成
    し、前記芯材と透明電極層との間に電場を与えて発光体
    層を発光させる電場発光素子において、前記透明電極層
    の一部の周囲に、電極端子を取出すための導体膜を設
    け、この導体膜と芯材との間における絶縁層と発光体層
    との少くともいずれか一方の厚さを、他の部位の同厚さ
    より厚く形成したことを特徴とする電場発光素子。
  2. 【請求項2】 導体膜と芯材との間における絶縁層の厚
    さを、他の部位の同厚さより厚く形成したことを特徴と
    する請求項1記載の電場発光素子。
  3. 【請求項3】 絶縁層の厚く形成した部位と他の部位と
    の境界部位に、絶縁層の厚さが漸次変化するテーパ面を
    設けたことを特徴とする請求項2記載の電場発光素子。
  4. 【請求項4】 絶縁層の厚く形成した部位は、他の部位
    と一体化していることを特徴とする請求項2または3記
    載の電場発光素子。
  5. 【請求項5】 絶縁層の厚く形成した部位は、芯材の全
    体を覆う一定厚さの主絶縁層と、環状の補助絶縁層とか
    ら構成されていることを特徴とする請求項2または3記
    載の電場発光素子。
  6. 【請求項6】 導電性の芯材の周囲に、絶縁層、発光体
    層、透明電極層および透明保護層を順次積層して形成
    し、前記芯材と透明電極との間に電場を与えて発光体層
    を発光させる電場発光素子の製造方法において、前記絶
    縁層、発光体層、透明電極層および透明保護層の各層
    は、前記芯材を各層を形成するためのそれぞれの溶液内
    に浸漬した状態から所定の速度で引上げることで形成す
    るもので、前記絶縁層については、第1の速度による一
    定速度で所定位置まで引上げた後、徐々に速度を低下さ
    せ、第2の速度になった時点で一定速度として引上げを
    完了することで形成し、この絶縁層上に発光体層および
    透明電極層を形成した後、前記第1の速度により形成さ
    れた部位の絶縁層に対応する位置での透明電極層上に、
    電極端子を取出すための導体膜を設けることを特徴とす
    る電場発光素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0924966A1 (en) * 1997-06-30 1999-06-23 Aventis Research & Technologies GmbH & Co. KG Thin film electrode for planar organic light-emitting devices and method for its production
JP2013514607A (ja) * 2009-12-18 2013-04-25 フランツ ビンダー ゲーエムベーハー プラス カンパニー エレクトリシェ ボーエレメンツ カーゲー 光部品製造方法

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