JPH07320745A - 無機非水電解液電池 - Google Patents

無機非水電解液電池

Info

Publication number
JPH07320745A
JPH07320745A JP4346895A JP4346895A JPH07320745A JP H07320745 A JPH07320745 A JP H07320745A JP 4346895 A JP4346895 A JP 4346895A JP 4346895 A JP4346895 A JP 4346895A JP H07320745 A JPH07320745 A JP H07320745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
added
electrolyte
lewis acid
discharge
electrolytic solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4346895A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Ito
範幸 伊東
Kenichi Yokoyama
賢一 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP6035259A external-priority patent/JPH07220736A/ja
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP4346895A priority Critical patent/JPH07320745A/ja
Publication of JPH07320745A publication Critical patent/JPH07320745A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E60/12

Landscapes

  • Primary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温貯蔵または長期間貯蔵後の大電流放電に
おいても放電初期の電圧降下が小さく、かつ放電電圧の
回復時間が短く、しかも作動電圧の低下を伴わない無機
非水電解液電池を提供する。 【構成】 常温で液体のオキシハロゲン化物を正極活物
質および電解液の溶媒とし、アルカリ金属を負極活物質
とする無機非水電解液電池において、電解液に、次の一
般式(I) SiR1234 (I) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数2〜4のアルケン基または炭素数
6〜12のアリール基を表す。ただし、R1 、R2 、R
3 、R4 のうち一つは水素であってもよいが、2以上が
水素になることはない)で示される有機シラン化合物を
添加し、かつルイス酸を電解液中に存在するアルカリ金
属のハロゲン化物からなるルイス塩基の理論反応当量よ
りも過剰に溶解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機非水電解液電池に
関し、さらに詳しくは、貯蔵後における放電初期の電圧
降下が小さく、かつ放電電圧の回復時間が短い無機非水
電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホ
スホリルなどの常温(25℃)で液体のオキシハロゲン
化物を正極活物質および電解液の溶媒とし、リチウム、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属を負極活物質
とする無機非水電解液電池では、その代表的電池である
塩化チオニル−リチウム電池を例に挙げて説明すると、
正極活物質である塩化チオニルが負極のリチウムと直接
接触しているため、負極のリチウム上に塩化リチウムの
被膜が形成される。
【0003】この塩化リチウム被膜は、形成当初は粗な
膜であるが、高温貯蔵または長期間貯蔵した場合、緻密
な被膜となって成長し、負極の不働態化を招くことにな
る。
【0004】その結果、この電池を高温貯蔵または長期
間貯蔵した後に使用すると、放電初期に電圧降下が生
じ、所望の電圧値にまで達しないため、この電池を駆動
電源として使用した機器が作動できないという問題があ
る。
【0005】特に放電開始直後の数100μs〜数ms
の間に瞬間的に現れるヒゲ状の電圧降下が大きく、電池
の使用範囲が非常に制約されることになる。
【0006】しかも、この放電初期の電圧降下現象は、
未放電の電池を貯蔵した場合だけでなく、ある程度使用
した電池を貯蔵した場合にも、その貯蔵ごとに繰り返し
現れるという特異性がある。
【0007】そのため、従来からも特開昭61−220
279号公報に示されるように、電解液にハロゲン化有
機シラン化合物を添加して放電初期の電圧降下を抑制す
ることや、特開昭64−3961号公報に示されるよう
に、電解液に含酸素有機シラン化合物を添加して放電初
期の電圧降下を抑制することが提案されている。
【0008】しかしながら、上記のようにハロゲン化有
機シラン化合物や含酸素有機シラン化合物を電解液に添
加した場合でも、放電開始後の数100μs〜数msの
間に現れるヒゲ状の大きな電圧降下を抑制したり、電圧
降下後の放電電圧の回復を早めることに対しては効果が
充分とは言えなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の無機非水電解液電池が持っていた高温貯蔵また
は長期間貯蔵後の放電初期に電圧降下が生じるという問
題点を解決し、高温貯蔵または長期間貯蔵後の大電流放
電においても放電初期の電圧降下が小さく、かつ放電電
圧の回復時間が短く、しかも作動電圧の低下を伴わない
無機非水電解液電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解液に、次
の一般式(I) SiR1234 (I) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数2〜4のアルケン基または炭素数
6〜12のアリール基を表し、R1 、R2 、R3、R4
は同一でもよく、また異なっていてもよい。ただし、R
1 、R2 、R3 、R4 のうち一つは水素であってもよい
が、2以上が水素になることはない)で示される有機シ
ラン化合物を添加し、かつAlCl3 、AlBr3 、G
aCl3 などのルイス酸を電解液中に存在するアルカリ
金属のハロゲン化物からなるルイス塩基の理論反応当量
よりも過剰に溶解させておくことによって、上記目的を
達成したものである。
【0011】すなわち、電解液に一般式(I)で示され
る有機シラン化合物を添加すると、該一般式(I)で示
される有機シラン化合物がリチウム表面に取り込まれ、
生成される塩化リチウムの結晶が大きく成長し、負極リ
チウム表面に形成される塩化リチウム被膜が非常に粗な
膜となり、高温貯蔵または長期間貯蔵後の大電流放電に
おいても、負極からの電荷の移行および負極からの電解
液へのリチウムイオンの拡散が塩化リチウム被膜によっ
て阻害されることなくスムーズに行われるようになり、
分極が小さくなって、放電初期の電圧降下が抑制され、
かつ放電電圧の回復時間が短くなる。
【0012】ただし、一般式(I)で示される有機シラ
ン化合物を添加しただけでは、上記一般式(I)で示さ
れる有機シラン化合物に起因して、電解液中からルイス
塩基が白色沈殿物として沈殿し、この白色沈殿物が電解
液の電導度を低下させ、作動電圧を低下させる。
【0013】そこで、本発明では、ルイス酸をルイス塩
基の理論反応当量よりも過剰に溶解させることによっ
て、ルイス塩基の白色沈殿物の生成を抑制し、電解液の
電導度を回復させて、作動電圧の低下を防止するのであ
る。
【0014】上記のように、電解液に一般式(I)で示
される有機シラン化合物を添加し、かつルイス酸をルイ
ス塩基の理論反応当量よりも過剰に溶解させておくこと
によって、負極のリチウム上に形成される塩化リチウム
被膜が粗な膜になり、ルイス塩基の白色沈殿物が消失
し、作動電圧の低下が防止される理由は、現在のところ
必ずしも明確ではないが、一般式(I)で示される有機
シラン化合物が電解液中でより安定に存在しようとし
て、電解液中に溶解させているルイス酸と反応して錯体
を形成することに基づくものと考えられる。
【0015】これを詳しく説明すると、当初、ルイス酸
は電解液中でルイス塩基と錯体を形成しているが、一般
式(I)で示される有機シラン化合物を添加すると、ル
イス酸とルイス塩基との結合が切れ、ルイス酸は一般式
(I)で示される有機シラン化合物と反応して、錯体を
形成する。このとき、ルイス酸と結合していたルイス塩
基は電解液中では溶解度が小さいため沈殿してしまう。
【0016】上記のようにしてルイス酸と錯体を形成し
た一般式(I)で示される有機シラン化合物は、ルイス
酸の性質を持つため負極リチウム近傍に存在し、リチウ
ム表面に析出する塩化リチウム結晶を粗大化させて、塩
化リチウム被膜を粗な膜にし、その結果、塩化リチウム
被膜の成長および緻密化が防止されて、放電初期の放電
電圧の降下が防止され、かつ放電電圧の回復時間が短く
なるものと考えられる。
【0017】また、上記のような一般式(I)で示され
る有機シラン化合物の添加により沈殿したルイス塩基
は、電解液の電導度の低下を引き起こし、作動電圧を低
下させるが、本発明では、前記のように過剰のルイス酸
を溶解させているので、沈殿したルイス塩基は上記ルイ
ス酸と錯体を形成し、電解液中に溶解した状態で存在す
るようになるため、電解液の電導度の低下や、作動電圧
の低下が防止されるようになるものと考えられる。
【0018】本発明において、電解液に添加する有機シ
ラン化合物は、前記したように、次の一般式(I) SiR1234 (I) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数2〜4のアルケン基または炭素数
6〜12のアリール基を表し、R1 、R2 、R3、R4
は同一でもよく、また異なっていてもよい。ただし、R
1 、R2 、R3 、R4 のうち一つは水素であってもよい
が、2以上が水素になることはない)で示されるもので
あり、そのアルキル基の具体例としては、たとえばCH
3 −、C25 −、C36 −、C49 −などが好適
なものとして挙げられ、アルケン基の具体例としては、
たとえばCH2 =CH−などが好適なものとして挙げら
れ、アリール基の具体例としては、たとえばC65
−、C108 −などが好適なものとして挙げられる。
【0019】この一般式(I)で示される有機シラン化
合物の具体例を挙げると、たとえばテトラメチルシラン
〔(CH34 Si〕、トリエチルシラン〔(C2
53SiH〕、テトラエチルシラン〔(C254
Si〕、n−ブチルトリメチルシラン〔(C49 )S
i(CH33 〕、フェニルトリメチルシラン〔(CH
33 Si(C65 )〕、フェニルトリエチルシラン
〔(C253 Si(C65 )〕などが挙げられ、
それらのうち、テトラメチルシラン、トリエチルシラ
ン、テトラエチルシラン、n−ブチルトリメチルシラン
などが特に好適なものとして挙げられる。
【0020】これらの一般式(I)で示される有機シラ
ン化合物の電解液への添加量は、0.01mol/l〜
0.5mol/lの範囲にするのが好ましい。
【0021】すなわち、一般式(I)で示される有機シ
ラン化合物の電解液への添加量が上記範囲より少ない場
合は負極表面上に形成される塩化リチウム被膜を粗にす
る効果が充分に発現せず、また、一般式(I)で示され
る有機シラン化合物の電解液への添加量が上記範囲より
多くなっても、塩化リチウム被膜を粗にして放電初期の
電圧降下を抑制する効果はそれほど変わらず、むしろ一
般式(I)で示される有機シラン化合物の添加量の増加
に応じて電池内に充填できる正極活物質量が低下して放
電容量が低下するなど、好ましくない結果を招くことに
なる。
【0022】また、ルイス酸のルイス塩基の理論反応当
量より過剰に溶解させる量としては、モル数で、添加す
る有機シラン化合物のモル数の1/6〜3/4倍のモル
数の範囲、特に1/4〜1/2倍のモル数の範囲が好ま
しい。
【0023】すなわち、ルイス酸のルイス塩基の理論反
応当量より過剰に溶解させる量が、添加する一般式
(I)で示される有機シラン化合物のモル数の1/6倍
のモル数より少ない場合は、沈殿物であるルイス塩基が
ほとんど溶解せず、作動電圧の低下を招き、また、3/
4倍のモル数より多くなると、ルイス酸が過剰になり、
負極リチウムと反応して、リチウムを腐食させ、塩化リ
チウム被膜の緻密化を促進させることになり、一般式
(I)で示される有機シラン化合物を添加した効果が薄
れてしまう。
【0024】本発明の電池において、正極活物質として
は、たとえば塩化チオニル、塩化スルホリル、塩化スル
フリルなどの常温(25℃)で液体のオキシハロゲン化
物が用いられる。また、これらオキシハロゲン化物は正
極活物質であると共に電解液の溶媒としても用いられ
る。
【0025】電解液は、これらのオキシハロゲン化物に
LiAlCl4 、LiAlBr4 、LiGaCl4 、L
iB10Cl10などの支持電解質を溶解させることによっ
て調製される。なお、支持電解質はLiClとAlCl
3 をオキシハロゲン化物に添加して電解液中でLiAl
Cl4 の形で存在(ただし、イオン化してLi+ とAl
Cl4 - で存在)するようにしても良いし、また一般式
(I)で示される有機シラン化合物と過剰のルイス酸
は、既に調製された電解液に添加してもよいし、また電
解液調製時に支持電解質とともに添加したり、あるいは
支持電解質より先に添加してもい。
【0026】ルイス酸としては、たとえばAlCl3
AlBr3 、GaCl3 などの3価の金属のハロゲン化
物が用いられ、ルイス塩基としては、たとえばLiC
l、LiBr、NaCl、NaBr、KClなどのアル
カリ金属のハロゲン化物が用いられる。
【0027】そして、本発明の電池において、負極活物
質としては、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属が用いられる。
【0028】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0029】実施例1 正極活物質として塩化チオニルを用い、負極活物質とし
てリチウムを用いて単3形の塩化チオニル−リチウム電
池を作製した。
【0030】電解液は上記の塩化チオニルに支持電解質
としてのLiAlCl4 (ただし、塩化チオニルへの添
加時はLiClとAlCl3 とを添加)を1.2mol
/l溶解させたものであり、この電解液には、テトラメ
チルシランを0.30mol/l添加し、さらにルイス
酸であるAlCl3 をルイス塩基であるLiClの理論
反応当量より0.15mol/l過剰に添加し溶解させ
ている。
【0031】図1は上記電池を示すもので、図中、1は
負極であり、この負極はリチウムシートをステンレス鋼
製で有底円筒上の電池ケース2の内周面に圧着すること
によって形成され、円筒状をしている。
【0032】3は正極であり、この正極3はアセチレン
ブラックに結着剤としてポリテトラフルオロエチレンを
少量添加した炭素を主構成材料とする炭素多孔質成形体
からなり、前記負極1とはセパレータ4を介して設置さ
れている。
【0033】セパレータ4はガラス繊維不織布からな
り、円筒状をしている。5は電解液であり、この電解液
5は上記のように塩化チオニルにLiAlCl4 を1.
2mol/l溶解させ、さらにテトラメチルシランを
0.30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.15mol/l過剰に添加し溶解させている。
【0034】この電池では、上記のように正極活物質の
塩化チオニルが電解液の溶媒を兼ねている関係で、他の
電池とは異なり、多量の電解液5が電池内に注入されて
おり、塩化チオニルが正極活物質であることからみても
わかるように、前記正極3はそれ自身が反応するもので
はなく、正極活物質の塩化チオニルと負極1からイオン
化して溶出してきたリチウムイオンとの反応場所を提供
するものである。
【0035】6はステンレス鋼棒からなる正極集電体
で、7は電池蓋であり、この電池蓋7はボディ8とガラ
ス層9と正極端子10を有し、ボディ8はステンレス鋼
で形成されていて、その立ち上がった外周部が前記電池
ケース2の開口端部と溶接により接合されている。
【0036】ガラス層9はボディ8の内周側に設けられ
ていて、このガラス層9はボディ8と正極端子10とを
絶縁するとともに、外周面でその構成ガラスがボディ8
の内周面に融着し、内周面でその構成ガラスが正極端子
10の外周面に融着して、ボディ8と正極端子10との
間をシールしている。
【0037】正極端子10はステンレス鋼製で、その一
部は電池組立時はパイプ状をしていて、電解液注入口と
して使用され、その上端部を電解液注入後にその中空部
内に挿入された正極集電体6の上部と溶接して封止した
ものである。
【0038】11は底部絶縁材であり、この底部絶縁材
11はガラス繊維不織布からなり、負極端子を兼ねる電
池ケース2と正極3とを絶縁している。12は上部絶縁
材であり、この上部絶縁材12は上記底部絶縁材11と
同様にガラス繊維不織布からなり、負極端子を兼ねる電
池蓋7のボディ8と正極3とを絶縁している。
【0039】電池ケース2は前記のようにステンレス鋼
で形成されているが、この図1では図示していないもの
の、その底部に電池の高圧化での破裂を防止するための
薄肉部をたとえば十字状に設けておいてもよい。
【0040】実施例2 テトラメチルシランに代えて、トリエチルシランを0.
30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlCl3
をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より0.1
5mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を用いたほ
かは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオニル−リ
チウム電池を作製した。
【0041】実施例3 テトラメチルシランに代えて、n−ブチルトリメチルシ
ランを0.30mol/l添加し、かつルイス酸である
AlCl3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量
より0.15mol/l過剰に添加し溶解させた電解液
を用いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チ
オニル−リチウム電池を作製した。
【0042】実施例4 テトラメチルシランを0.03mol/l添加し、かつ
ルイス酸であるAlCl3 をルイス塩基であるLiCl
の理論反応当量より0.015mol/l過剰に添加し
溶解させた電解液を用いたほかは、実施例1と同様の構
成からなる塩化チオニル−リチウム電池を作製した。
【0043】実施例5 テトラメチルシランに代えて、テトラエチルシランを
0.50mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.25mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を用
いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオニ
ル−リチウム電池を作製した。
【0044】実施例6 テトラメチルシランに代えて、テトラエチルシランを
0.30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.075mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を
用いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオ
ニル−リチウム電池を作製した。
【0045】実施例7 テトラメチルシランに代えて、テトラエチルシランを
0.30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.15mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を用
いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオニ
ル−リチウム電池を作製した。
【0046】実施例8 テトラメチルシランに代えて、テトラエチルシランを
0.30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.05mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を用
いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオニ
ル−リチウム電池を作製した。
【0047】実施例9 テトラメチルシランに代えて、テトラエチルシランを
0.30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.225mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を
用いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオ
ニル−リチウム電池を作製した。
【0048】実施例10 テトラメチルシランに代えて、テトラエチルシランを
0.30mol/l添加し、かつルイス酸であるAlC
3 をルイス塩基であるLiClの理論反応当量より
0.30mol/l過剰に添加し溶解させた電解液を用
いたほかは、実施例1と同様の構成からなる塩化チオニ
ル−リチウム電池を作製した。
【0049】比較例1 塩化チオニルにLiAlCl4 を1.2mol/l溶解
させただけの電解液を用いたほかは、実施例1と同様の
構成からなる塩化チオニル−リチウム電池を作製した。
【0050】比較例2 テトラエチルシランを0.30mol/l添加しただけ
の電解液を用いたほかは、実施例1と同様の構成からな
る塩化チオニル−リチウム電池を作製した。
【0051】比較例3 テトラエチルシランを0.30mol/l添加し、ルイ
ス酸であるAlCl3をルイス塩基であるLiClの理
論反応当量より0.03mol/lしか過剰に添加溶解
しなかった電解液を用いたほかは、実施例1と同様の構
成からなる塩化チオニル−リチウム電池を作製した。
【0052】上記実施例1〜10および比較例1〜3の
電池を60℃で40日間貯蔵した後、20℃、抵抗30
0Ωで5秒間放電したときの最低電圧(TMV)および
放電開始から5秒後の電圧(EDV)を測定し、かつ抵
抗300Ωで連続放電し24時間後の作動電圧を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】上記のように、60℃で40日間貯蔵後に
抵抗300Ωという大電流で放電させた場合でも、実施
例1〜10の電池は、表1に示すように、有機シラン化
合物の相違や添加量の相違により若干の差があるもの
の、最低電圧が3V以上あり、放電初期の大きな電圧降
下は認められず、また5秒後の電圧が高くなっていて、
放電電圧の回復に要する時間が短いことを示していた。
【0055】しかし、有機シラン化合物を添加していな
い電解液を用いた比較例1の電池は、最低電圧が2.5
2Vであり、放電初期に大きな電圧降下が認められた。
【0056】また、ルイス酸であるAlCl3 を過剰に
添加していない比較例2の電池やAlCl3 の過剰量が
非常に少ない比較例3の電池は、放電開始直後の電圧降
下は解消されているものの、24時間後の作動電圧が実
施例の電池に比べて低くなっていた。
【0057】実施例の電池の中でも、ルイス酸であるA
lCl3 の過剰量が一般式(I)で示される有機シラン
化合物の添加量のモル数の1/6〜3/4倍のモル数の
範囲内にある実施例1〜9の電池は、24時間後の作動
電圧が高く、特にその過剰量が一般式(I)で示される
有機シラン化合物の添加量のモル数の1/4〜1/2倍
のモル数の範囲内にある実施例1〜7の電池は、24時
間後の作動電圧が3.50V以上あって、特に好ましい
特性向上が認められた。
【0058】しかし、ルイス酸であるAlCl3 の過剰
量が一般式(I)で示される有機シラン化合物の添加量
のモル数の3/4倍のモル数を超えている実施例10の
電池では、24時間後の作動電圧が低下する傾向が見ら
れた。
【0059】これは、ルイス酸であるAlCl3 を一般
式(I)で示される有機シラン化合物の添加により沈殿
してくるLiClとの錯体形成に要する量以上に添加す
ると、錯体を形成しないAlCl3 が負極リチウムと反
応して、緻密な塩化リチウムの被膜を生成することにな
り、一般式(I)で示される有機シラン化合物の添加効
果が薄れてしまい、また被膜が緻密になることによっ
て、放電初期の電圧降下や作動電圧の低下を抑制する効
果が減少してしまうことによるものと考えられる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、電解
液に一般式(I)で示される有機シラン化合物を添加
し、かつルイス酸を電解液中に存在するルイス塩基の理
論反応当量より過剰に溶解させることによって、貯蔵後
の大電流放電時においても放電初期の電圧降下、特に放
電開始直後の大きな電圧降下を防止し、放電電圧の回復
時間が短く、しかも一般式(I)で示される有機シラン
化合物の添加に基づく作動電圧の低下を伴わない無機非
水電解液電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無機非水電解液電池の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 負極 3 正極 4 セパレータ 5 電解液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液体のオキシハロゲン化物を正極
    活物質および電解液の溶媒とし、アルカリ金属を負極活
    物質とする無機非水電解液電池において、電解液に、次
    の一般式(I) SiR1234 (I) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素、炭素数1〜4
    のアルキル基、炭素数2〜4のアルケン基または炭素数
    6〜12のアリール基を表し、R1 、R2 、R3、R4
    は同一でもよく、また異なっていてもよい。ただし、R
    1 、R2 、R3 、R4 のうち一つは水素であってもよい
    が、2以上が水素になることはない)で示される有機シ
    ラン化合物を添加し、かつルイス酸を電解液中に存在す
    るアルカリ金属のハロゲン化物からなるルイス塩基の理
    論反応当量よりも過剰に溶解させたことを特徴とする無
    機非水電解液電池。
  2. 【請求項2】 有機シラン化合物が、テトラメチルシラ
    ン、トリエチルシラン、テトラエチルシランおよびn−
    ブチルトリメチルシランよりなる群から選ばれた少なく
    とも1種である請求項1記載の無機非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 有機シラン化合物の電解液への添加量
    が、0.01mol/l〜0.5mol/lである請求
    項1記載の無機非水電解液電池。
  4. 【請求項4】 ルイス酸の過剰量が、添加する有機シラ
    ン化合物のモル数の1/6〜3/4倍のモル数である請
    求項1記載の無機非水電解液電池。
JP4346895A 1994-02-07 1995-02-07 無機非水電解液電池 Withdrawn JPH07320745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4346895A JPH07320745A (ja) 1994-02-07 1995-02-07 無機非水電解液電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-35259 1994-02-07
JP6035259A JPH07220736A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 無機非水電解液電池
JP4346895A JPH07320745A (ja) 1994-02-07 1995-02-07 無機非水電解液電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07320745A true JPH07320745A (ja) 1995-12-08

Family

ID=26374211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4346895A Withdrawn JPH07320745A (ja) 1994-02-07 1995-02-07 無機非水電解液電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07320745A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003242991A (ja) * 2002-02-04 2003-08-29 Lithdyne Internatl Inc アルコキシシランを含有する安定化リチウム電気化学的セル
CN100454629C (zh) * 2004-04-08 2009-01-21 东芝电池株式会社 液体作用物质电池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003242991A (ja) * 2002-02-04 2003-08-29 Lithdyne Internatl Inc アルコキシシランを含有する安定化リチウム電気化学的セル
CN100454629C (zh) * 2004-04-08 2009-01-21 东芝电池株式会社 液体作用物质电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4218523A (en) Nonaqueous electrochemical cell
EP0296589B1 (en) Non-aqueous electrochemical cell
US6713212B2 (en) High-energy, rechargeable electrochemical cells
EP1205003A1 (en) Magnesium-based primary (non-rechargeable) and secondary (rechargeable) batteries
JPS6158946B2 (ja)
US20030211389A1 (en) Guanidine derivatives as cations for ambient temperature molten salts in electrochemical power sources
IE49928B1 (en) Nonaqueous cell
JP3380930B2 (ja) アルミニウム非水電解液二次電池
JPH07220736A (ja) 無機非水電解液電池
JP3398165B2 (ja) 無機非水電解液電池
JPH07320745A (ja) 無機非水電解液電池
US10305139B2 (en) Energy storage system
US7709158B1 (en) Guanidine derivatives as cations for ambient temperature molten sales in electrochemical power sources
JPH087923A (ja) リチウム2次電池用電解液
JP3223035B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH02170346A (ja) 無機非水電解液電池
US4327160A (en) Non-aqueous cell
KR100943364B1 (ko) 비수전해액 전지
JPS61161663A (ja) ホウ素含有添加剤を含む正極‐電解質溶液を使用する非水性電池
JPH07101611B2 (ja) 無機非水電解液電池
JPS61220279A (ja) 非水溶媒電池
JPH02170347A (ja) 無機非水電解液電池
GB2038078A (en) Sulfur trioxide soluble cathode primary cell
JPH07101610B2 (ja) 無機非水電解液電池
JPS6342377B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507