JPH0732027Y2 - 射出圧縮成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は製品キャビティに所定の樹脂を充填後、金型を
圧縮することにより、その充填樹脂を圧縮する射出圧縮
成形装置に関するものである。

（従来の技術） 可動盤を移動させて固定盤との間で金型の開閉を行なう
と共に、更に大きな力でその金型を圧縮した状態で金型
キャビティ内に樹脂材料を射出、充填し、かかる樹脂材
料を成形する射出成形機が従来から広く用いられてい
る。

しかしこのような射出成形機においては、金型キャビテ
ィ内に充填された樹脂材料の冷却、固化に伴う収縮によ
り、充分に寸法制度を確保し得ないという問題があっ
た。

そこで樹脂材料の冷却、固化に伴う収縮を見込んで、予
め定められた所定の隙間部だけ金型を開いた状態で、金
型キャビティ内に樹脂材料を射出、充填し、その後金型
を圧縮して樹脂材料を圧縮することにより、樹脂材料の
収縮に起因する変形を防止し、寸法精度の高い成形品が
得られるようにした射出圧縮成形機が、近年提案されて
いる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら第４図に示すような直圧式型締装置では、
型締シリンダ６に金型1,2の開閉に十分なだけのストロ
ークが必要で、金型の開き量がｌだけ開いた状態で、射
出、充填しても、金型キャビティ内の樹脂圧力は100kgf
/cm²以上の圧力が発生し、これが金型を開こうとする力
となる。

そしてこの力によって型締シリンダ６の油室Ａ′は圧縮
され、型締ストロークは450トンクラスで1000mmにもな
り、油の圧縮による金型の開き量だけで1mm以上にな
る。この圧縮ストロークを一定にコントロールするため
には、高応答、大容量のサーボバルブが必要で、特に0.
05〜0.2秒という高速にて樹脂材料を金型キャビティに
充填する場合は、その装置のコストが高くなり、メリッ
トが少なかった。また射出、充填後、金型の開き量ｌだ
けを圧縮するまでの時間が、この型締シリンダの油室の
作動油の圧縮性により遅れることになり、短時間での圧
縮ができなかった。なお、図中３は可動盤、４は固定盤
を示す。

本考案は前記従来の課題を解決するために提案されたも
のである。

（課題を解決するための手段） このため本考案は、固定側金型を保持する固定盤と、可
動側金型を保持する可動盤と、同可動盤を固定盤に対し
前後進させる油圧シリンダと、前記可動盤が固定盤に接
近し、固定側金型と可動側金型が型閉じをした後、固定
盤と結合固定されて型締めを行なうタイバーとを具備
し、同タイバーは可動盤又は固定盤に固定されており、
固定盤と可動盤との結合固定は、可動盤又は固定盤の金
型取付面と反対側に配設されたタイバーとほぼ直角方向
に開閉するハーフナットにより行なう型締装置と、可動
盤又は固定盤に配設された型締シリンダとによって成形
品を成形する射出圧縮成形装置において、前記型締シリ
ンダのストローク量は100〜300mmとし、固定側及び可動
側金型の型合せを可動盤を前後進させる油圧シリンダに
より一旦行なった後、同油圧シリンダの型閉側への圧油
を前記型締シリンダの型締側に切換えると共に、可動盤
の位置検出器により射出圧縮成形に必要な所定の隙間分
だけ型開きして射出動作を行なった後、前記型締シリン
ダによって圧縮をする様圧油を制御するサーボバルブを
有してなるもので、これを課題解決のための手段とする
ものである。

（作用） 型合せを可動盤を前後させる油圧シリンダにより一旦行
なった後、この油圧シリンダの型閉側の油圧を型締シリ
ンダの型締側に切換えて入れ、その後サーボバルブによ
り射出圧縮成形に必要な所定の型開き隙間分を開いて停
止させた後、射出動作を行ない、その後前記隙間分を圧
縮するため型締シリンダにより型締動作を行なう。また
型締シリンダのストロークを100mm〜300mmに抑えること
により油室Ａが小さくなり、射出中に発生する型開き力
がこの型締シリンダに加わっても、従来の1/3〜1/10（1
00〜300mm/1000mm）の作動油の圧縮性しか考える必要が
なく、型開き隙間分を一定に保つ作動油量は微小量、即
ち従来の1/3〜1/10（100〜300mm/1000mm）にて可能とな
る。

（実施例） 以下本考案を図面の実施例について説明すると、第１図
は本考案の１実施例の型締装置を示す。なお、第１図に
おいて前記第３図と同一部分は同一の符号を用いて説明
することにする。さて図における型締装置は、固定側金
型２を保持する固定盤４と、可動側金型１を保持する可
動盤３と、同可動盤３を固定盤４に対し前後進動作する
型開閉シリンダ10と、可動盤３が固定盤４に接近して固
定側金型２と可動側金型１が型閉じした後、固定盤４と
結合固定されて型締めを行なうタイバー13を備えてお
り、このタイバー13は固定盤４に固定され、固定盤４と
可動盤３との結合固定は、可動盤３の金型取付面の反対
側に配設され、タイバー13とほぼ直角方向に開閉するハ
ーフナット９により行なうもので、第２図にこの型締装
置で射出圧縮を行なう時のシーケンスを示す。

次に第３図に示すように、タイバー13のハーフナット９
の噛合溝部13aと、可動盤３に公知の図示しない手段で
タイバー13の軸方向に金型厚み調整機構を持ったハーフ
ナット９の噛合溝部9aとの結合を外した状態で、油圧源
からサーボバルブ11を介して圧油を型開閉シリンダ10の
ポートＡに送り、可動盤３を前進させて、可動側金型１
と固定盤４に取付けられた固定側金型２とを一旦合わせ
る。

次に型合せをした状態で、タイバー13の噛合溝部13aへ
ハーフナット９を入れ、可動盤３と固定盤４とを一旦結
合固定状態にし、次いで切換弁12を切換えて、型開きは
型開閉シリンダ10のポートＢへの圧油供給により、また
型締は型締シリンダ14への圧油供給により行なえる状態
にする。また射出圧縮に必要な所定の金型の開き量ｌだ
け型開きするため、可動側金型１を位置検出器15で検出
しながら、制御装置16、アンプ17を介してサーボバルブ
11を作動させながら開く。

そしてこの圧縮代の金型が開き量ｌだけ開いたところで
射出動作を行ない、射出が完了したらサーボバルブ11に
図示しない設定器より型締信号を送り、型締シリンダ14
にサーボバルブ11から圧油を供給して可動側金型１と固
定側金型２を圧縮（昇圧）して冷却し、成形品の射出圧
縮成形を行なう。なお、第１図においては、ハーフナッ
ト９と型締シリンダ14を可動盤４に配設した例で説明し
たが、これらを固定側に配設しても同様の作用と効果が
得られる。

（考案の効果） 以上詳細に説明した如く本考案は構成されているので、
従来の直圧式型締装置に比べて、型開閉に使用するサー
ボバルブの定格流量は従来に比べて1/10〜1/3の小型の
もので良く、また型締シリンダに入っている作動油量が
少ないため、安価で、かつ型閉め応答性の高い射出圧縮
成形装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る射出圧縮成形装置におけ
る型締装置の断面図、第２図は第１図の場合のシーケン
ス図、第３図は第１図におけるハーフナット部の噛合結
合を外した状態を示す断面図、第４図は従来の型締装置
の断面図である。 図の主要部分の説明 １…可動側金型 ２…固定側金型 ３…可動盤 ４…固定盤 ９…ハーフナット 10…型開閉シリンダ 11…サーボバルブ 12…切換弁 13…タイバー 15…位置検出器 16…制御装置 17…アンプ 18…戻し用スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定側金型を保持する固定盤と、可動側金
   型を保持する可動盤と、同可動盤を固定盤に対し前後進
   させる油圧シリンダと、前記可動盤が固定盤に接近し、
   固定側金型と可動側金型が型閉じをした後、固定盤と結
   合固定されて型締めを行なうタイバーとを具備し、同タ
   イバーは可動盤又は固定盤に固定されており、固定盤と
   可動盤との結合固定は、可動盤又は固定盤の金型取付面
   と反対側に配設されたタイバーとほぼ直角方向に開閉す
   るハーフナットにより行なう型締装置と、可動盤又は固
   定盤に配設された型締シリンダとによって成形品を成形
   する射出圧縮成形装置において、前記型締シリンダのス
   トローク量は100〜300mmとし、固定側及び可動側金型の
   型合せを可動盤を前後進させる油圧シリンダにより一旦
   行なった後、同油圧シリンダの型閉側への圧油を前記型
   締シリンダの型締側に切換えると共に、可動盤の位置検
   出器により射出圧縮成形に必要な所定の隙間分だけ型開
   きして射出動作を行なった後、前記型締シリンダによっ
   て圧縮をする様圧油を制御するサーボバルブを有するこ
   とを特徴とする射出圧縮成形装置。