JPH0731894U - 丸編み機のカム無段変速布巻取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、カム無段変速装置を利用して変速
を調整し、かつ調整記録の表示効果を設け、実用性を増
し、故障率を低くした丸編み機のカム無段変速布巻取装
置を提供することを目的とする。 【構成】 本考案は一種の丸編み機の布巻取装置であ
り、特に回転フレーム、主伝動歯車箱、変速箱等から構
成し、この変速箱はカム無段変速装置を利用して速度を
調整し、かつ変速箱上に調整記録表示装置を設け、正確
な微調整を行い、さらに出力軸上に張力調整装置を設け
て布逆を防止し、回転フレーム底部の受け板により布の
汚れを防止することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一種の丸編み機の布巻取装置に関し、特に、カム無段変速装置を利 用して変速を調整し、かつ調整記録の表示効果を設け、実用性を増し、故障率を 低くした丸編み機のカム無段変速布巻取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

丸編み機（ＲＯＵＮＤ ＷＥＡＶＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥ）の設計は、日々改 良が加えられているが、これの下方に付属する布巻取装置（ＣＬＯＴＨ ＷＩＮ ＤＥＲ）に関しては、製造コストがもともと低いために、各業者はあまり研究開 発を行っていない。しかし、布巻取装置の重要性をあらためて考えるとき、従来 の布巻取装置には、以下のような欠点があることがわかる。 （イ） 布巻取装置でもっとも重要なのは、主伝動歯車箱と変速箱の設計であ る。伝統的な変速箱は、ベルト圧式、チェーン圧式、ディスク圧式、鋼珠圧式あ るいは曲軸式の変速箱が用いられているが、これらはいずれも体積が大きく、滑 りやすく、停止調整が行えず、リセット機能がなく、かつ故障率が高く、寿命が 短いなどの欠点があった。 （ロ）従来の布巻取装置は布を受け取る装置がなく、布が地面に落ちて汚れる ことがあった。 （ハ）従来の布巻取装置の変速箱の段速は有限であり、微調整が行えず、さら に調整記録の表示機能がなかった。そのため同種の布を異なる時間で巻き取る時 には同様に変速して同じきつさで巻き上げることができない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主な課題は、丸編み機の布巻取装置に無段変速機能をもたせ、また調 整記録表示装置を設けることで、同種の布を巻き取るときに、正確に同じ巻き取 り速度に調整して同じきつさで巻き上げることである。

【０００４】 本考案の次の課題は、丸編み機の布巻取装置に布の受け板を設けて、布が地面 に落ちて汚れることを防ぐことである。

【０００５】 本考案の第３の課題は、布の逆転を防止する張力調整装置を設け、布巻取装置 が停止する時に、巻取り棒上の布が逆巻きすることを防ぐことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、主に、回転フレーム（１）と、主伝動歯車箱（２）、張力調製装置 （５）を設けた丸編み機のカム無段変速布巻取装置であり、上記回転フレーム（ １）には巻取りローラー（１１）および巻取り棒（１２）を設け、上記主伝動歯 車箱（２）は、上記回転フレーム（１）の底部に設け、その底端は底盤（２１） 上に固定し、主伝動歯車箱（２）の内には傘歯車組を設け、また主伝動歯車箱（ ２）には、この傘歯車組に連動する伝動軸（２４）を設けてその一端を回転フレ ーム（１）の一報の側体に差し込み、これに連動する巻取り棒（１２）を設け、 主伝動歯車箱（２）の横には、伝動軸（２４）のもう一端に連動する変速箱（３ ）を設ける。

【０００７】 また、上記変速箱（３）の上方に変速箱（３）内のスクリュー（４６）の位置 を調整する調整盤（３３）を設け、この調製盤（３３）上に止めブロック（３３ １）を設け、調製盤（３３）の上方にこの止めブロック（３３１）と噛み合う星 型歯車（３４）を設ける。さらに、回転盤（３５）を調製盤（３３）上にボルト （３６）で固定する。なお、回転盤（３５）が一回転する時、星型歯車（３４） は一歯分回転する。また回転盤（３５）と星型歯車（３４）上には目盛りを設け る。

【０００８】 上記張力調製装置（５）は、上記変速箱（３）の出力軸（３１）上に設け、主 に、ケース（５１）、締め具合を調整できる止め輪（５２）、ケース（５１）上 に固定したソケット管（５３）、ソケット管（５３）およびばね（５５）を貫通 するスクリュー（５４）から構成し、上記スクリュー（５４）は、上記止め輪（ ５２）の上部を貫通し、止め輪（５２）の張力による締め具合を調整する。

【０００９】 さらに、上記回転フレーム（１）底部を、中央が突出した一枚の受け板（６） で覆う。

【００１０】 また、上記変速箱（３）は、カム無段変速装置とし、内部に入力軸（３２）に 連動する数個の異なる方向のカムから構成するカム組（４１）を設け、また対応 する各カム（４１）上には中央のリングの外周の上下に互いに平行な、水平の反 対方向に突出する突出部を設けた形状の押しアーム（４２）を設け、この押しア ーム（４２）は、この押しアーム（４２）の中央のリングの内側に単方向軸受（ ４３）を設けてこれを出力軸（３１）上に固定し、押しアーム（４２）の前端は それぞれカム（４１）を圧するように、後端は昇降板（４４）に押されるように 設け、押しアーム（４２）の尾端には上に引っ張られるばね（４５）を設け、調 整盤（３３）に連動するスクリュー（４６）により昇降板（４４）の上下の位置 を制御し、このように異なる方向のカム（４１）の転換により直接押しアーム（ ４２）を駆動して上げ下げし、並びに調整盤（３３）で、押しアーム（４２）と カム（４１）の接合程度を調整し、無段変速の微調整を行う。

【００１１】

【作用】

本考案の丸編み機のカム無段変速布巻取装置は、特に回転フレーム、主伝動歯 車箱、変速箱等から構成し、この変速箱はカム無段変速装置を利用して速度を調 整し、かつ変速箱上に調整記録表示装置を設け、正確な微調整を行い、さらに出 力軸上に張力調整装置を設けて布の逆巻きを防止し、回転フレーム底部の受け板 により布の汚れを防止する。

【００１２】

【実施例】

図１及び図２に示されるように、本考案は、主に、回転フレーム（１）を設け てその上に、巻取りローラー（１１）及び巻取り棒（１２）を設ける。さらに回 転フレーム（１）の両側の内部に巻取りローラー（１１）と巻取り棒（１２）に 伝動するチェーン伝動機構を設ける。以上は従来の技術であるので、ここでは詳 細な説明を省く。

【００１３】 上記回転フレーム（１）の底部には主伝動歯車箱（２）を設ける。この主伝動 歯車箱（２）の底端は底盤（２１）上に固定する。よって丸編み機に連動して回 転フレーム（１）が回転するとき、底盤（２１）の中心軸（２１１）を回転の中 心とし、主伝動歯車箱（２）内の大傘歯車（２２）が連動して回転し、、これに 小傘歯車（２３）が連動して回転し、小傘歯車（２３）に伝動軸（２４）が連動 して回転する。さらにこの伝動軸（２４）の一端は回転フレーム（１）の一つの 側体内に進入し、巻取り棒（１２）がこれに連動する。また伝動軸（２４）のも う一端に主伝動歯車箱（２）の横の変速箱（３）が連動し、この変速箱（３）の 出力軸（３１）に巻取りローラー（１１）が連動する。

【００１４】 図３および図４に示されるように、主伝動歯車箱（２）の伝動軸（２４）に大 傘歯車（２２）が連動して回転すると、それに連動して変速箱（３）の入力軸（ ３２）上の小傘歯車（３２１）が回転し、この変速箱（３）より必要な速度の回 転が出力軸（３１）に与えられる。

【００１５】 変速箱（３）の上方の調整盤（３３）は、変速箱（３）内のスクリュー（４６ ）の位置を調整することでその位置を調整し、それにより出力軸（３１）の回転 速度を調整する（図４に示す）。正確にこの調整盤（３３）の回転数を知るため に、本考案では調整盤（３３）上に止めブロック（３３１）を設け、調整盤（３ ３）の上方にこの止めブロック（３３１）とかみ合う星型歯車（３４）を設け、 星型歯車（３４）上には回転数を表示するための数字を設ける。

【００１６】 また上面に目盛りを設けた回転盤（３５）をボルト（３６）で調整盤（３３） 上に固定し、この回転盤（３５）が回転するとき、調整盤（３３）もそれに伴っ て回転する。回転盤（３５）が一回転すると、止めブロック（３３１）は星型歯 車（３４）を撥ねて１歯分回転させる。すなわち、変速箱（３）内のスクリュー （４６）を何回転か、正転あるいは逆転したとき、回転盤（３５）上の数字によ り、スクリュー（４６）の回転回数を知ることができる。星型歯車（３４）およ び回転盤（３５）上には１２個ずつ目盛りが入れられており、１２×１２＝１４ ４で、本考案の変速箱（３）は、少なくとも１４４種の速度に調整でき、正転あ るいは逆転もできる。このため、布を巻取る時に適合する回転速度を記録するこ とで、以後同種の布を巻取る際にはこの記録された回転速度に調整することで、 同じきつさで巻き取ることができる。かつ本考案は機械的な伝動方式を利用して いるために、簡単に回転速度の調整が行え、また故障率も低い。

【００１７】 本考案で使用する変速箱（３）は、一種のカム無段変速装置であり、その入力 軸（３２）に変速箱（３）内のカム（４１）が連動する。このカム（４１）は数 個の異なる方向のカムから構成し、また各カム（４１）上には押しアーム（４２ ）を設ける。この押しアーム（４２）は、リングの外周に、二つの互いに平行で 、水平の反対方向に突出する突出部を設けた形状であり。この押しアーム（４２ ）の中間のリングの内側に単方向軸受（４３）を設けてこれを出力軸（３１）上 に固定する。押しアーム（４２）の前端はそれぞれカム（４１）を圧し、後端は 昇降板（４４）に押される。尾端には上に引っ張られるばね（４５）を設ける。 上記昇降板（４４）は、調整盤（３３）にスクリュー（４６）が連動することで その位置を制御される。このように異なる方向のカム（４１）の転換により直接 押しアーム（４２）を駆動して上げ下げし、並びに調整盤（３３）で、押しアー ム（４２）とカム（４１）の密接程度を調整することで、無段変速の微調整を行 うことができる。また本考案の変速箱（３）は体積が小さく、大きな空間を必要 としない。かつ正確な回転速度の微調整が行え、リセット機能も有する。

【００１８】 さらに、図３および図５に示されるように、本考案の張力調整装置（５）は変 速箱（３）の出力軸（３１）上に設け、主に、ケース（５１）、可調式の止め輪 （５２）、ケース（５１）上に固定したソケット管（５３）、ソケット管（５３ ）およびばね（５５）を貫通するスクリュー（５４）から構成する。上記スクリ ュー（５４）は、上記止め輪（５２）の上部を貫通し、このスクリュー（５４） の頭部（５４１）を回転させることで、止め輪（５２）の張力による締め具合を 調整する。また上記出力軸（３１）を止め輪（５２）に嵌め、この出力軸（３１ ）が単方向に回転するために、布巻取装置が停止する際の巻取り棒（１２）の逆 回転を防止し、布を噛むことがない。さらに、ケース（５１）内には潤滑液（５ ６）を入れ、止め輪（５２）と出力軸（３１）間の摩擦を緩和する。

【００１９】 さらに、図６に示されるように、本考案は回転フレーム（１）の底部の、主伝 動歯車箱（２）および変速箱（３）の上方に、一片の中央が突出する受け板（６ ）を設ける。ならびにこの受け板（６）上には一つの穴（６１）を設け、回転盤 （３５）および星型歯車（３４）を露出させる。このため調整およびその記録に 便利であり、またこの受け板（６）は巻取り棒（１２）に巻き取られる布を受け て布が直接地面に落ちて汚れることを防ぐ機能を有する。

【００２０】

【考案の効果】

本考案の丸編み機の布巻取装置に無段変速機能を設け、また調整記録表示装置 を設けることで、同種の布を巻き取るときに、正確に同じ巻き取り速度に調整し て同じきつさで巻き上げることができる。

【００２１】 また、布巻取装置に設けた受け板により、布が地面に落ちて汚れることを防ぐ ことができる。

【００２２】 さらに、本考案は張力調整装置を設けたことで、布巻取装置が停止する時に、 巻取り棒上の布が逆巻きすることを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の立体図である。

【図２】本考案の伝動構造を示す、一部内部構造を示し
た正面図である。

【図３】本考案の伝動構造を示す、分解図である。

【図４】本考案の変速箱の内部構造を示す立体図であ
る。

【図５】本考案の張力調整装置の断面図である。

【図６】本考案の実施例を示す立体図である。

【符号の説明】

（１）回転フレーム （１１）巻取りローラー
（１２）巻取り棒 （２）主伝動歯車箱 （２１）底盤 （２１１）中
心軸 （２２）大傘歯車 （２３）小傘歯車 （２４）伝
動軸 （３）変速箱 （３１）出力軸 （３２）入力軸 （３３）調整盤 （３３１）止めブロック （３４）星型歯車 （３
５）回転盤 （３６）ボルト （４１）カム （４２）押しアー
ム （４３）単方向軸受 （４４）昇降板 （４５）ば
ね （４６）スクリュー （５）張力調整装置 （５
１）ケース （５２）止め輪 （５３）ソケット管 （５４）ス
クリュー （５４１）頭部 （５５）ばね （５６）潤滑液
（６）受け板 （６１）穴

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 （イ）主に、回転フレーム（１）と、主
   伝動歯車箱（２）、張力調製装置（５）を設けた丸編み
   機のカム無段変速布巻取装置であり、上記回転フレーム
   （１）には巻取りローラー（１１）および巻取り棒（１
   ２）を設け、上記主伝動歯車箱（２）は、上記回転フレ
   ーム（１）の底部に、底端を底盤（２１）上に固定して
   設け、回転フレーム（１）の回転に連動して回転し、主
   伝動歯車箱（２）の内には傘歯車組を設け、また主伝動
   歯車箱（２）には、この傘歯車組に連動する伝動軸（２
   ４）を設けてその一端を回転フレーム（１）の一方の側
   体に差し込み、これに連動する巻取り棒（１２）を設
   け、主伝動歯車箱（２）の横には、伝動軸（２４）のも
   う一端に連動する変速箱（３）を設ける。 （ロ）上記変速箱（３）の上方に調整盤（３３）を設け
   て変速箱（３）内のスクリュー（４６）の位置を調整
   し、かつこの調製盤（３３）上に止めブロック（３３
   １）を設け、調製盤（３３）の上方にこの止めブロック
   （３３１）と噛み合う星型歯車（３４）を設け、回転盤
   （３５）を調製盤（３３）上にボルト（３６）で固定
   し、回転盤（３５）と星型歯車（３４）上には目盛りを
   設け、回転盤（３５）が一回転する時、星型歯車（３
   ４）は一歯分回転し、布巻取装置の回転速度の表示およ
   び微調整を行う。 （ハ）上記張力調製装置（５）は、上記変速箱（３）の
   出力軸（３１）上に設け、主に、ケース（５１）、締め
   具合を調整できる止め輪（５２）、ケース（５１）上に
   固定したソケット管（５３）、ソケット管（５３）およ
   びばね（５５）を貫通するスクリュー（５４）から構成
   し、上記スクリュー（５４）は、上記止め輪（５２）の
   上部を貫通し、止め輪（５２）の張力による締め具合を
   調整する。 （ニ）以上の構成より成り、布巻取装置の回転を円滑に
   行い、かつ正確な微調整および布の逆転を防止する丸編
   み機のカム無段変速布巻取装置。
2. 【請求項２】 請求項１の回転フレーム（１）底部は、
   巻取り棒（１２）に巻き取られる布を受けて布が直接地
   面に落ちて汚れることを防ぐために、中央が突出した一
   枚の受け板（６）で覆ってもよい、請求項１に記載の丸
   編み機のカム無段変速布巻取装置。
3. 【請求項３】 変速箱（３）は、カム無段変速装置と
   し、内部に入力軸（３２）に連動する数個の異なる方向
   のカムから構成するカム組（４１）を設け、また対応す
   る各カム（４１）上には中央のリングの外周の上下に互
   いに平行な、水平の反対方向に突出する突出部を設けた
   形状の押しアーム（４２）を設け、この押しアーム（４
   ２）は、この押しアーム（４２）の中央のリングの内側
   に単方向軸受（４３）を設けてこれを出力軸（３１）上
   に固定し、押しアーム（４２）の前端はそれぞれカム
   （４１）を圧するように、後端は昇降板（４４）に押さ
   れるように設け、押しアーム（４２）の尾端には上に引
   っ張られるばね（４５）を設け、調整盤（３３）に連動
   するスクリュー（４６）により昇降板（４４）の上下の
   位置を制御し、このように異なる方向のカム（４１）の
   転換により直接押しアーム（４２）を駆動して上げ下げ
   し、並びに調整盤（３３）で、押しアーム（４２）とカ
   ム（４１）の接合程度を調整することで、無段変速の微
   調整を行うことができ、この変速箱（３）は、布巻取装
   置以外にも、自動車やオートバイ、あるいはその他の単
   方向変速機構に用いることができる、請求項１に記載の
   丸編み機のカム無段変速布巻取装置。