JPH07318924A - アクティブマトリックス型カラー液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリックス型カラー液晶表示装置

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JPH07318924A
JPH07318924A JP6108458A JP10845894A JPH07318924A JP H07318924 A JPH07318924 A JP H07318924A JP 6108458 A JP6108458 A JP 6108458A JP 10845894 A JP10845894 A JP 10845894A JP H07318924 A JPH07318924 A JP H07318924A
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哲志 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】反射型のアクティブマトリックス型カラー液晶
表示装置として、カラーフィルタを用いずに光を着色し
て高輝度の着色光を得るとともに液晶セルの基板および
偏光板での光吸収による光量ロスも少なくして明るいカ
ラー表示を得、しかも1つの画素で複数の色を表示する
ことができるものを提供する。 【構成】裏面側基板11の内面に画素電極13とTFT
(能動素子)を設け表面側基板12の内面に透明な対向
電極を設けたアクティブマトリックス型の液晶セル10
と、その表面側に配置した偏光板30とを備え、前記液
晶セル10の裏面側基板11に設けた画素電極13を光
を反射させる金属膜で形成するとともに、この画素電極
13の表面を散乱反射面Aとし、さらに前記偏光板30
は、その透過軸を液晶セル10の表面側基板12上にお
ける液晶分子の配向方向に対し斜めにずらして設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射型のアクティブマ
トリックス型カラー液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクティブマトリックス型の液晶
表示装置としては、TN(ツイステッド・ネマティッ
ク)方式のものが利用されている。このTN方式のアク
ティブマトリックス型液晶表示装置は、液晶の分子をほ
ぼ90°のツイスト角でツイスト配向させたアクティブ
マトリックス型の液晶セルと、この液晶セルをはさんで
配置された一対の偏光板とからなっており、一対の偏光
板は、その透過軸を互いに平行にするとともに、この透
過軸を液晶セルの一方の基板上における液晶分子の配向
方向とほぼ平行にして設けられている。
【0003】上記アクティブマトリックス型の液晶セル
は、表裏一対の透明基板間に液晶を挟持するとともに、
一方の基板の内面に複数の画素電極とこれら各画素電極
にそれぞれ対応する複数の能動素子(例えば薄膜トラン
ジスタ)とを配設し、他方の基板の内面に対向電極を設
けたものであり、液晶の分子は、両基板の電極形成面上
にそれぞれ設けた配向膜によって配向方向を規制され、
両基板間においてほぼ90°のツイスト角でツイスト配
向されている。なお、前記液晶には、誘電異方性が正の
ネマティック液晶が用いられている。
【0004】上記TN方式の液晶表示装置は、外部から
の入射光を一方の偏光板の偏光作用により直線偏光とし
て液晶セルに入射させ、液晶セルを通った光の透過を他
方の偏光板の検光作用により制御して表示するものであ
り、液晶セルの両基板の電極間にオン電圧を印加してい
ない状態、つまり液晶分子がツイスト配向している状態
では、液晶セルに入射した直線偏光がその偏光方向がほ
ぼ90°ずれた直線偏光となって液晶セルを出射し、こ
の直線偏光が他方の偏光板で吸収されて表示が暗状態に
なる。
【0005】また、液晶セルの電極間にオン電圧を印加
すると、液晶分子が基板面に対してほぼ垂直に立上り配
向し、液晶セルに入射した直線偏光がそのまま液晶セル
を出射し、この直線偏光が他方の偏光板を透過して表示
が明状態になる。
【0006】なお、上記液晶表示装置には、透過型のも
のと、裏面に反射板を配置した反射型のものとがあり、
反射型の液晶表示装置では、その表面側から入射した光
が、表面側の偏光板と液晶セルと裏面側の偏光板とを順
次通って前記反射板で反射され、この反射光が前記裏面
側の偏光板と液晶セルと表面側の偏光板とを順次通って
出射する。
【0007】ところで、上記TN型のアクティブマトリ
ックス型液晶表示装置として、多色カラー画像を表示す
るものがあり、このカラー画像を表示するカラー液晶表
示装置では、上記液晶セルの一方の基板に、複数の色、
例えば赤、緑、青の三色のカラーフィルタを各画素電極
に対応させて設けている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアクテ
ィブマトリックス型カラー液晶表示装置は、カラーフィ
ルタによって光を着色するものであるため、反射型の液
晶表示装置とすると、表示がほとんど視認できない程度
に暗くなってしまうという問題をもっている。
【0009】これは、カラーフィルタでの光の吸収によ
るものであり、カラーフィルタは、その色に対応する波
長帯域以外の光を吸収するだけでなく、前記波長帯域の
光もかなり高い吸収率で吸収するため、カラーフィルタ
で着色された光が、カラーフィルタに入射する前の前記
波長帯域の光に比べて大幅に光量を減じた光になってし
まう。
【0010】そして、透過型の液晶表示装置の場合は、
大光量のバックライトを使用することによって表示を明
るくすることができるが、自然光や室内照明光等の外光
を利用して表示する反射型の液晶表示装置では、入射光
量が限られるし、またカラーフィルタで着色された光が
反射されて液晶表示装置の表面側に出射する過程で再び
前記カラーフィルタを通るため、カラーフィルタでの光
の吸収がさらに大きくなって、表示がほとんど視認でき
ない程度に暗くなってしまう。
【0011】しかも、反射型の液晶表示装置の場合、上
記従来の液晶表示装置では、表面側から入射した光が再
び表面側に出射するまでの間に、液晶セルの両方の基板
をそれぞれ2回ずつ計4回通り、また表裏の偏光板をそ
れぞれ2回ずつ計4回通るため、液晶セルの基板および
偏光板での光吸収による光量ロスも大きく、そのために
表示がさらに暗くなってしまう。
【0012】さらに、上記従来の液晶表示装置では、そ
の表示色がカラーフィルタの色によって決まってしまう
ため、1つの画素で複数の色を表示することはできなか
った。
【0013】本発明は、反射型のアクティブマトリック
ス型カラー液晶表示装置として、カラーフィルタを用い
ずに光を着色して高輝度の着色光を得るとともに液晶セ
ルの基板および偏光板での光吸収による光量ロスも少な
くして明るいカラー表示を得ることができ、しかも、1
つの画素で複数の色を表示することができるものを提供
することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のアクティブマト
リックス型カラー液晶表示装置は、裏面側基板と透明な
表面側基板との間に液晶を挟持するとともに、一方の基
板の内面に複数の画素電極とこれら各画素電極にそれぞ
れ対応する複数の能動素子とを配設し、他方の基板の内
面に対向電極を設けたアクティブマトリックス型の液晶
セルと、前記液晶セルの表面側に配置された偏光板とを
備え、かつ、前記液晶セルの画素電極と対向電極とのう
ち、表面側基板に設けられた電極は透明導電膜で形成さ
れ、裏面側基板に設けられた電極は光を反射させる金属
膜で形成されるとともに、この金属膜からなる電極の表
面が散乱反射面となっており、前記偏光板は、その透過
軸を前記液晶セルの表面側基板上における液晶分子の配
向方向に対し斜めにずらして設けられていることを特徴
とするものである。
【0015】本発明の液晶表示装置において、前記金属
膜からなる電極の表面を散乱反射面とするには、例えば
前記電極の表面を微小な凹凸面とすればよく、その場合
は、前記電極を、微小な凹凸をもった下地面の上に前記
金属膜を成膜して形成すればよい。
【0016】また、本発明の液晶表示装置において、例
えば、前記液晶セルが、裏面側基板に画素電極と能動素
子を設け、表面側基板に対向電極を設けたものである場
合は、前記対向電極を透明導電膜で形成し、前記画素電
極を反射膜で形成するとともに、前記画素電極を、前記
能動素子を覆う保護絶縁膜の上に前記能動素子を覆って
設けて前記保護絶縁膜に形成したコンタクト孔において
前記能動素子に接続するのが望ましい。
【0017】さらに、本発明の液晶表示装置において
は、前記液晶セルと前記偏光板との間に位相差板を配置
してもよく、その場合は、この位相差板を、その遅相軸
を前記偏光板の透過軸に対して斜めにずらして配置す
る。
【0018】
【作用】本発明のアクティブマトリックス型カラー液晶
表示装置においては、その表面側からの入射光が偏光板
を通って液晶セルに入射し、その液晶層を通った光が液
晶セルの裏面側基板の内面において反射膜からなる電極
により反射され、再び液晶層を通って前記偏光板に入射
して、この偏光板を透過した光が液晶表示装置の表面側
に出射する。
【0019】そして、この液晶表示装置においては、前
記偏光板を通って入射した光が、液晶セルの液晶層を通
る過程でその複屈折効果により偏光状態を変えられると
ともに、前記液晶セルの裏面側基板の内面で反射されて
再び前記液晶層を通る過程でさらに偏光状態を変えられ
て前記偏光板に入射し、この偏光板を透過する偏光成分
の光が着色光となって出射する。
【0020】すなわち、この液晶表示装置は、カラーフ
ィルタを用いずに、液晶セルの液晶層の複屈折効果と偏
光板の偏光および検光作用とを利用して光を着色するも
のであり、この液晶表示装置では、偏光板を透過して出
射する着色光の光量が、前記偏光板を通って入射した直
線偏光のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量とほ
とんど変わらないから、高輝度の着色光が得られる。
【0021】また、この液晶表示装置は、反射型のもの
であるが、液晶セルの裏面側基板の内面に設けた電極で
光を反射させるようにしているため、液晶セルの両基板
のうち、光が通るのは表面側基板だけであり、また偏光
板も1枚だけであるため、液晶セルの基板および偏光板
での光吸収による光量ロスも少ない。
【0022】したがって、この液晶表示装置によれば、
反射型のものでありながら、明るいカラー表示を得るこ
とができる。また、この液晶表示装置においては、液晶
セルの液晶層に印加する電圧の大きさに応じて液晶分子
の配向状態が変化し、それに応じて前記液晶層の複屈折
性が変化するため、液晶セルへの印加電圧を制御するこ
とによって前記着色光の色を変化させることができ、し
たがって、1つの画素で複数の色を表示することができ
る。
【0023】しかも、この液晶表示装置は、前記反射膜
を兼ねる電極の表面を散乱反射面としているため、表示
観察者の顔やその背景等の外部像が反射面に写ってその
像が表示画像と重なって見える、いわゆる外部像の写り
込みを生ずることはない。
【0024】また、この液晶表示装置においては、液晶
セルの裏面側基板の内面に設けた電極に光の反射膜を兼
ねさせているため、別に反射膜を設ける必要はないし、
また前記電極を、微小な凹凸をもった下地面の上に金属
膜を成膜して形成すれば、表面を微小な凹凸をもつ散乱
反射面とした電極を容易に形成して液晶セルの製造コス
トを低減できるから、液晶表示装置の低価格化をはかる
ことができる。
【0025】さらに、上記本発明の液晶表示装置におい
て、前記液晶セルが、裏面側基板に画素電極と能動素子
を設け、表面側基板に対向電極を設けたものであって、
前記対向電極が透明導電膜で形成され、前記画素電極が
光を反射させる金属膜で形成されている場合、前記画素
電極を、前記能動素子を覆う保護絶縁膜の上に前記能動
素子を覆って設ければ、画素電極の面積を大きくして開
口率を上げることができる。
【0026】また、上記本発明の液晶表示装置におい
て、上記液晶セルと偏光板との間に位相差板を配置すれ
ば、偏光板を通って入射した光が、液晶セルの液晶層を
通って再び前記偏光板に入射する過程で、前記位相差板
の複屈折効果によっても偏光状態を変えられるため、液
晶セルに液晶分子が基板面に対してほぼ垂直に立上がり
配向する電圧を印加したとき、つまり液晶層の複屈折効
果が見掛上ほとんどなくなったときでも、位相差板の複
屈折効果によって偏光状態を変えられた光を前記偏光板
に入射させて着色光を得ることができる。
【0027】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示すアクティブマ
トリックス型カラー液晶表示装置の一部分の断面図であ
る。この実施例の液晶表示装置は、アクティブマトリッ
クス型の液晶セル10と、1枚の偏光板30と、1枚の
位相差板40とで構成されており、偏光板30は液晶セ
ル10の表面側に配置され、位相差板40は液晶セル1
0と前記偏光板30との間に配置されている。
【0028】まず、上記液晶セル10について説明する
と、この液晶セル10は、薄膜トランジスタ(以下、T
FTと記す)を能動素子とするアクティブマトリックス
型セルであり、この実施例では、液晶27の分子を両基
板11,12間においてツイスト配向させたものを用い
ている。
【0029】この液晶セル10の液晶層をはさんで対向
する一対の基板11,12のうち、裏面側の基板(図1
において下側の基板)11は、ガラス板等からなる絶縁
性基板(ただし、透明である必要はない)であり、この
裏面側基板11の内面つまり液晶層との対向面には、複
数の画素電極13とこれら各画素電極13にそれぞれ対
応する複数のTFT14とが行方向および列方向にマト
リックス状に配設され、その上に透明な配向膜24が設
けられている。
【0030】上記TFT14は、基板11上に形成され
たゲート電極15と、このゲート電極15を覆って基板
11のほぼ全面に形成されたゲート絶縁膜16と、前記
ゲート絶縁膜16の上に前記ゲート電極15と対向させ
て形成されたa−Si (アモルファスシリコン)等から
なるi型半導体膜17と、このi型半導体膜17の両側
部に不純物をドープしたa−Si 等からなるn型半導体
膜18を介して形成されたソース電極19sおよびドレ
イン電極19dとからなっており、このTFT14は、
基板11のほぼ全面にわたって設けられた保護絶縁膜2
1で覆われている。
【0031】なお、20はi型半導体膜17のチャンネ
ル領域の上に形成されたブロッキング絶縁膜であり、こ
のブロッキング絶縁膜20は、n型半導体膜18のパタ
ーニング時にi型半導体膜17を保護するために設けら
れたものである。
【0032】また、図示しないが、上記裏面側基板11
の上には、上記TFT14のゲート電極15にゲート信
号を供給するゲートライン(アドレスライン)と、前記
TFT14のドレイン電極19dに画像データに応じた
データ信号を供給するデータラインとが配線されてい
る。
【0033】上記ゲートラインは、基板11上に、上記
TFT14のゲート電極15と一体に形成されており、
このゲートラインは、その端子部を除いて前記ゲート絶
縁膜16で覆われている。また、上記データラインは、
前記ゲート絶縁膜16の上に形成されており、このデー
タラインは上記TFT14のドレイン電極19dにつな
がっている。
【0034】そして、上記画素電極13は、上記保護絶
縁膜21の上に、上記TFT14を覆って設けられてお
り、各画素電極13はそれぞれ、前記保護絶縁膜21に
形成したコンタクト孔21aにおいて対応するTFT1
4のソース電極19sに接続されている。
【0035】この画素電極13は、光を反射させる金属
膜、例えばAl 系合金等の反射率の高い金属膜からなっ
ており、その表面は、微小な凹凸をもつ散乱反射面Aと
なっている。
【0036】図2は上記画素電極13の一部分の平面図
であり、この画素電極13は、上記保護絶縁膜21およ
びその下のゲート絶縁膜16に、画素電極13を設ける
部分のうちのTFT14部分を除く領域のほぼ全体にわ
たって、多数の小孔(図2ではほぼ方形孔)22を小間
隔で点在させて設けて(フォトリソグラフィ法で形
成)、微小な凹凸をもつ下地面を形成し、この下地面の
上に前記Al 系合金等の金属膜をスパッタ装置により成
膜して、この金属膜をフォトリソグラフィ法によってパ
ターニングする方法で形成されている。
【0037】すなわち、上記画素電極13は、上記保護
絶縁膜21およびゲート絶縁膜16に設けた小孔22に
対応する部分(基板11上に成膜された部分)が凹入す
る金属膜からなっており、その表面の凹凸面が散乱反射
面Aとなっている。
【0038】なお、上記小孔22は、上記保護絶縁膜2
1のTFT14上の部分には設けられていないが、この
TFT14上の保護絶縁膜21の膜面はTFT14の表
面の段差(ソース,ドレイン電極19s,19dのブロ
ッキング絶縁膜20上の部分と他の部分との間の段差
や、これら電極19s,19dの表面とブロッキング絶
縁膜20の表面との間の段差等)に応じた凹凸面となっ
ており、したがって、画素電極13のTFT14を覆う
部分の表面も、微小な凹凸をもつ散乱反射面Aとなって
いる。
【0039】さらに、上記裏面側基板11の上には、上
記ゲート絶縁膜16および保護絶縁膜21をはさんで各
画素電極13とそれぞれ対向するキャパシタ電極23が
設けられており、このキャパシタ電極23と画素電極1
3およびその間の絶縁膜16,21とによって、非選択
期間における画素の保持電圧を補償する補償容量(スト
レージキャパシタ)Cs が構成されている。なお、図示
しないが、上記裏面側基板11の上には、前記キャパシ
タ電極23と一体に形成したキャパシタラインが配線さ
れており、各キャパシタ電極23は、前記キャパシタラ
インを介して基準電位に接続される。
【0040】一方、液晶セル10の表面側基板(図1に
おいて上側の基板)12は、ガラス板または透明樹脂フ
ィルム等からなる透明基板(図ではガラス板)であり、
この表面側基板12の内面つまり液晶層との対向面に
は、上記裏面側基板11に配設した画素電極13の全て
に対向する一枚膜状の透明な対向電極25が設けられる
とともに、その上に透明な配向膜26が設けられてい
る。
【0041】そして、上記裏面側基板11と表面側基板
12とは、図示しないが、その外周縁部において枠状の
シール材を介して接合されており、液晶27は両基板1
1,12間の前記シール材で囲まれた領域に充填されて
いる。
【0042】この液晶27は、誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶であり、この液晶27の分子は、両基板1
1,12に設けた配向膜24,26によってそれぞれの
基板11,12上での配向方向を規制され、両基板1
1,12間においてツイスト配向されている。なお、上
記配向膜24,26は、ポリイミド等からなる水平配向
膜であり、その膜面にはラビングによる配向処理が施さ
れている。
【0043】また、上記位相差板40は、ポリカーボネ
ート等の一軸延伸フィルムからなっており、この位相差
板40は、上記液晶セル10の表面側に配置された偏光
板30と前記液晶セル10との間に、位相差板40の遅
相軸(延伸軸)と偏光板30の透過軸とを所定角度斜め
にずらした状態で配置されている。なお、この位相差板
40は液晶セル10の表面(表面側基板12の外面)に
接着され、偏光板30は位相差板40の表面に接着され
ている。
【0044】そして、この実施例の液晶表示装置では、
上記液晶セル10の両基板11,12上における液晶分
子の配向方向(配向膜24,26のラビング方向)と、
偏光板30の透過軸の方向および位相差板40の遅相軸
の方向を次のように設定している。
【0045】なお、この実施例では、液晶セル10の裏
面側基板11上における液晶分子配向方向を方位角0°
の方向とし、この方向を基準として、液晶セル10の表
面側基板12上における液晶分子配向方向と偏光板30
の透過軸方向および位相差板40の遅相軸方向を設定し
ている。
【0046】すなわち、図3は上記液晶表示装置におけ
る液晶セル10の液晶分子配向方向と、位相差板40の
遅相軸と、偏光板30の透過軸とを示す平面図であり、
図において11aは液晶セル10の裏面側基板11上に
おける液晶分子の配向方向、12aは液晶セル10の表
面側基板12上における液晶分子の配向方向を示してい
る。
【0047】この図3のように、液晶セル10の表面側
基板12上における液晶分子配向方向12aは、裏面側
基板11上における液晶分子配向方向11a、つまり方
位角0°の方向に対し、表面側から見て左回りにほぼ9
0°ずれており、液晶の分子は両基板11,12間にお
いてほぼ90°のツイスト角でツイスト配向されてい
る。
【0048】また、図3において、30aは偏光板30
の透過軸を示しており、この偏光板30の透過軸30a
は、上記方位角0°の方向に対し、表面側から見て左回
りにほぼ45°の方向にある。つまり、この偏光板30
の透過軸30aは、液晶セル10の表面側基板12上に
おける液晶分子配向方向12aに対して、ほぼ45°斜
めにずれている。
【0049】さらに、図3において、40aは位相差板
40の遅相軸を示しており、この位相差板40の遅相軸
40aは、前記方位角0°の方向に対し、表面側から見
て左回りにほぼ140°の方向にある。つまり、この位
相差板40の遅相軸40aは、上記偏光板30の透過軸
30aに対して、表面側から見て左回りにほぼ95°斜
めにずれている。
【0050】この液晶表示装置は、自然光または室内照
明光等の外光を利用して表示するものであり、その表面
側から入射する外光は、偏光板30と位相差板40とを
通って液晶セル10に入射し、その液晶層を通った光が
液晶セル10の裏面側基板11の内面に設けた反射膜を
兼ねる画素電極13で反射され、再び液晶層と前記位相
差板40とを通って前記偏光板30に入射して、この偏
光板30を透過した光が液晶表示装置の表面側に出射す
る。
【0051】すなわち、この液晶表示装置は、液晶セル
10の裏面側基板11の内面に設けた画素電極13を光
を反射させる金属膜で形成することによって、液晶セル
10にその表面側から入射した光をこの液晶セル10の
裏面側基板11の内面において前記画素電極13により
反射させるとともに、液晶セル10の表面側だけに1枚
の偏光板30を設けて、この偏光板30に、入射光を直
線偏光にする偏光作用と光の出射を制御する検光作用と
をもたせたものである。
【0052】上記液晶表示装置の表示動作を説明する
と、この液晶表示装置においては、偏光板30の透過軸
30aに対して位相差板40の遅相軸40aが斜めにず
れているため、前記偏光板30を通って入射した直線偏
光が、位相差板40を通る過程でその複屈折効果により
偏光状態を変えられて楕円偏光となり、この楕円偏光
が、液晶セル10の液晶層を通る過程でその複屈折効果
によりさらに偏光状態を変えられるとともに、液晶セル
10の裏面側基板11の内面で画素電極13により反射
され、再び前記液晶層および位相差板40を通る過程で
これらの複屈折効果によりさらに偏光状態を変えられて
前記偏光板30に入射する。
【0053】そして、この偏光板30に入射した反射光
は、上記位相差板40と液晶層の複屈折効果により偏光
状態を変えられた非直線偏光であるため、その光のう
ち、前記偏光板30を透過する偏光成分の波長光だけが
この偏光板30を透過して出射し、この出射光がその波
長に対応した着色光となる。
【0054】つまり、この液晶表示装置は、位相差板4
0および液晶セル10の液晶層の複屈折効果と偏光板3
0の偏光および検光作用とを利用して光を着色するもの
であり、この液晶表示装置によれば、カラーフィルタを
用いている従来のカラー液晶表示装置に比べて、非常に
明るい着色光を得ることができる。
【0055】すなわち、カラーフィルタは、その色に対
応する波長域以外の波長光を吸収して光を着色するが、
このカラーフィルタは、その色に対応する波長域の光も
かなり高い吸収率で吸収するため、カラーフィルタによ
って光を着色する液晶表示装置では、表示装置に入射す
る光のうちの着色光となる波長帯域の光量に比べて、カ
ラーフィルタを通った着色光の光量がかなり減少する。
【0056】この点、上記実施例の液晶表示装置は、カ
ラーフィルタを用いずに透過光を着色するものであるた
め、カラーフィルタによる光吸収はないし、また、位相
差板40と液晶層は、透過光の偏光状態を変えるだけで
ほとんど光を吸収しないため、これらの複屈折効果によ
り偏光状態を変えられた後に偏光板30を透過して出射
する着色光の光量は、前記偏光板30を通って入射した
直線偏光のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量と
ほとんど変わらないから、高輝度の着色光が得られる。
【0057】また、カラーフィルタによって光を着色す
る液晶表示装置では、その表示色がカラーフィルタの色
によって決まるため、1つの画素で複数の色を表示する
ことはできなかったが、上記実施例の液晶表示装置によ
れば、1つの画素で複数の色を表示することができる。
【0058】すなわち、上記実施例の液晶表示装置にお
いては、位相差板40の複屈折効果は変化しないが、液
晶セル10の液晶層の複屈折効果は、画素電極13と対
向電極25との間に印加する電圧の大きさに応じて液晶
分子の配向状態が変化するのにともなって変化する。
【0059】また、液晶セル10の電極13,25間に
液晶分子が基板11,12面に対してほぼ垂直に立上が
り配向する電圧を印加したときは、液晶層の複屈折効果
が見掛上ほとんどなくなるが、そのときでも、偏光板3
0を通って入射した光が位相差板40の複屈折効果によ
って偏光状態を変えられる。
【0060】このため、液晶セル10への印加電圧を制
御して、その液晶層の複屈折効果を変化させてやれば、
それに応じて、位相差板40と液晶セル10の液晶層と
を通った光の偏光状態が変化するから、偏光板30を透
過して出射する着色光の色を変化させることができ、し
たがって、1つの画素で複数の色を表示することができ
る。
【0061】なお、この液晶表示装置の表示駆動は、基
本的には、一般に知られているアクティブマトリックス
液晶表示装置(TFTを能動素子とするもの)の表示駆
動と同様に、液晶セル10の対向電極25に同期信号に
同期した波形の基準信号を供給し、各ゲートラインに前
記同期信号に同期させて順次ゲート信号を供給するとと
もに、それに同期させて各データラインに画像データに
応じた電位のデータ信号を供給することによって行なえ
ばよく、前記データ信号の電位を画像データに応じて制
御すれば、各行の画素の選択期間に前記画像データに応
じた電位のデータ信号がTFT14を介して画素電極1
3に供給され、その電荷が補償容量Csに蓄積されて、
この補償容量Cs の蓄積電荷量に応じた電圧が、非選択
期間中、画素電極13と対向電極25との間に印加され
る。
【0062】上記液晶表示装置の表示色について説明す
ると、例えば上述したように、液晶セル10が液晶分子
を両基板11,12間においてほぼ90°のツイスト角
でツイスト配向させたものであって、その両基板11,
12上における液晶分子の配向方向11a,12aと、
偏光板30の透過軸30aと、位相差板40の遅相軸4
0aとがそれぞれ図3に示した方向にあり、かつ、液晶
セル10のΔn・d(液晶27の屈折率異方性Δnと液
晶層厚dとの積)の値が約1000nm、位相差板40
のリタデーションの値が約600nmである場合は、1
つの画素で赤、緑、青、白の色を表示することができ
る。
【0063】図4は、上記液晶表示装置の印加電圧に対
する出射光の色変化を示すCIE色度図であり、液晶表
示装置にその法線に対して30°の方向(方位は任意で
よい)から白色光を入射させ、液晶表示装置の法線方向
から出射光を観察した結果を示している。
【0064】この図4のように、上記液晶表示装置にお
いては、液晶セル10の電極13,25間に印加する電
圧値を大きくしてゆくのにともなって、出射光の色がP
S 点からPe 点まで矢印のように変化してゆき、その途
中で、光強度が高くかつ色純度もよい、緑G、青B、赤
R、白Wの色になる。
【0065】これら各色G,B,R,Wのxコーデネイ
ト値とyコーデネイト値は、緑Gでx=0.299,y
=0.396、青Bでx=0.247,y=0.23
3、赤Rでx=0.399,y=0.402、白Wでx
=0.332,y=0.351であり、いずれも十分満
足できる色純度をもっている。
【0066】なお、上記液晶表示装置においては、図4
のように、出射光の色が、緑Gから青Bに変化してゆく
途中においても白Wに近い色になるが、この付近では、
電圧の変化に対する色変化が大きく、したがって、この
色を表示させるための電圧制御が面倒であるから、白W
の表示は、赤Rの表示色を得る電圧より高い電圧によっ
て表示させるのが望ましい。
【0067】このように、上記液晶表示装置は、その出
射光の色が印加電圧に応じて緑G、青B、赤R、白Wの
色になるため、1つの画素で赤、緑、青、白の色を表示
することができるし、また隣接する複数の画素に異なる
色を表示させることにより、前記赤、緑、青、白のうち
の複数の色による混色を表示させることもできる。
【0068】なお、上記実施例の液晶表示装置は、赤、
緑、青、白の色を表示するものであるが、この液晶表示
装置の表示色は、印加電圧と、液晶セル10の両基板1
1,12上における液晶分子の配向方向11a,12a
および液晶分子のツイスト角と、偏光板30の透過軸3
0aの方向および位相差板40の遅相軸40aの方向と
によって決まるから、これらの条件を選択すれば、液晶
表示装置の表示色を任意に選ぶことができる。
【0069】しかも、上記液晶表示装置は反射型のもの
であるが、液晶セル10の裏面側基板11の内面に設け
た画素電極13を反射膜を兼ねる電極とし、液晶セル1
0の裏面側基板11の内面において前記画素電極13に
より光を反射させるようにしているため、液晶セル10
の両基板11,12のうち、光が通るのは表面側基板1
2だけであり、また偏光板30も1枚だけであるため、
液晶セルの基板および偏光板での光吸収による光量ロス
を少なくすることができる。
【0070】なお、この液晶表示装置においては、光
が、位相差板40と液晶セル10の液晶層も通るが、こ
の位相差板40と液晶層は前述したようにほとんど光を
吸収しないため、これらによる光量ロスはほとんどな
い。
【0071】上述したように、上記液晶表示装置は、カ
ラーフィルタを用いずに透過光を着色するものであるた
め、高輝度の着色光が得られるし、また液晶セルの基板
および偏光板での光吸収による光量ロスも少ないため、
反射型のものでありながら、明るいカラー表示を得るこ
とができ、しかも、1つの画素で複数の色を表示するこ
とができる。
【0072】また、上記液晶表示装置においては、反射
膜を兼ねる画素電極13の表面を散乱反射面Aとしてい
るため、表示観察者の顔やその背景等の外部像が反射面
に写ってその像が表示画像と重なって見える、いわゆる
外部像の写り込みを生ずることはない。
【0073】すなわち、上記液晶表示装置は、カラーフ
ィルタを用いずに光を着色するものであって、光の透過
率が高いため、光の反射面が鏡面であると、表示観察者
の顔やその背景等の外部像が前記反射面に写ってその像
が表示画像と重なって見えてしまうが、上述したように
反射膜を兼ねる画素電極13の表面が散乱反射面Aとな
っていれば、外部像の写り込みは生じない。
【0074】なお、上記散乱反射面Aの散乱効果が大き
すぎると光が大きく散乱されて表示画像が不鮮明にな
り、また散乱効果が小さいと外部像の写り込みを生じる
ため、散乱反射面Aの凹凸の大きさ、つまり凹部および
凸面の幅と凹凸のピッチは、表示画像を不鮮明にするこ
となく外部像の写り込みを防止できる適度な散乱効果が
得られるように設定する。
【0075】また、上記液晶表示装置においては、液晶
セル10の裏面側基板11の内面に配設したTFT14
を保護絶縁膜21で覆い、反射膜を兼ねる画素電極13
を、前記保護絶縁膜21の上に前記TFT14を覆って
設けているため、この画素電極13の面積を大きくして
開口率を上げることができる。
【0076】しかも、上記液晶表示装置においては、液
晶セル10の裏面側基板11の内面に設けた画素電極1
3に光の反射膜を兼ねさせているため、別に反射膜を設
ける必要はないし、また前記画素電極13を、微小な凹
凸をもった下地面の上に金属膜を成膜して形成すれば、
表面を微小な凹凸をもつ散乱反射面とした画素電極13
を容易に形成して液晶セル10の製造コストを低減でき
るから、液晶表示装置の低価格化をはかることができ
る。
【0077】なお、上記実施例の液晶表示装置では、液
晶セル10と偏光板30との間に位相差板40を配置し
ているが、この位相差板40はなくてもよく、その場合
でも、偏光板30の透過軸を液晶セル10の表面側基板
12上における液晶分子の配向方向に対して斜めにずら
しておけば、偏光板30を通って入射した光が、液晶セ
ル10の液晶層を通る過程でその複屈折効果により偏光
状態を変えられるとともに、前記液晶セル10の裏面側
基板11の内面において画素電極13で反射され、再び
前記液晶層を通る過程でさらに偏光状態を変えられて前
記偏光板30に入射するため、この偏光板30を透過す
る偏光成分の光を着色光として出射させることができる
し、また、液晶セル10への印加電圧を制御することに
よって前記着色光の色を変化させることができる。
【0078】ただし、上記実施例のように、液晶セル1
0と偏光板30との間に位相差板40を配置すれば、偏
光板30を通って入射した光が、液晶セル10の液晶層
を通って再び前記偏光板30に入射する過程で、位相差
板40の複屈折効果によっても偏光状態を変えられるた
め、液晶セル10に液晶分子が基板11,12面に対し
てほぼ垂直に立上がり配向する電圧を印加したとき、つ
まり液晶層の複屈折効果が見掛上ほとんどなくなったと
きでも、位相差板40の複屈折効果によって偏光状態を
変えられた光を前記偏光板30に入射させて着色光を得
ることができる。なお、この場合、位相差板は2枚以上
重ねて配置してもよい。
【0079】また、上記実施例では、液晶表示装置の開
口率を高くするために、液晶セル10の裏面側基板11
に設けたTFT14を覆う保護絶縁膜21を前記基板1
1のほぼ全面にわたって形成し、この保護絶縁膜21の
上に反射膜を兼ねる画素電極13を前記TFT14を覆
って設けているが、開口率を特に高くする必要がない場
合は、前記画素電極13をTFT14の上を避けてその
側方に設けてもよく、その場合は、前記保護絶縁膜21
をTFT14部分だけに設け、ゲート絶縁膜16の上に
前記画素電極13を形成して、この画素電極をその一側
縁部においてTFT14のソース電極19sに接続して
もよい。
【0080】なお、この場合は、前記ゲート絶縁膜16
に多数の小孔22を設けて微小な凹凸をもった下地面と
し、その上に金属膜を成膜して、表面を微小な凹凸をも
つ散乱反射面Aとした画素電極13を形成すればよい。
【0081】さらに、上記実施例では、液晶セル10と
して、裏面側基板11に画素電極13とTFT14を設
けたものを用いたが、この液晶セル10は、表面側基板
の内面に画素電極とTFTを配設し、裏面側基板の内面
に対向電極を設けたものであってもよく、その場合は、
表面側基板に設ける画素電極を透明導電膜で形成し、裏
面側基板に設ける対向電極を光を反射させる金属膜で形
成するとともに、この対向電極の表面を散乱反射面とす
ればよい。
【0082】この場合、前記対向電極は、例えば裏面側
基板の内面を粗面化エッチングしてこの基板面を微小な
凹凸をもった下地面とし、その上に金属膜を成膜して形
成すればよい。
【0083】また、上記実施例では、液晶セル10とし
て、TFT14を能動素子とするアクティブマトリック
ス型セルを用いたが、この液晶セルは、MIMや薄膜ダ
イオード等の2端子の非線形抵抗素子を能動素子とする
アクティブマトリックス型セルであってもよく、また液
晶分子のツイスト角も90°に限らず、例えば180〜
270°としてもよいし、さらにこの液晶セル10は、
液晶分子をホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、
ハイブリッド配向等の配向状態に配向させたものでもよ
い。
【0084】
【発明の効果】本発明のアクティブマトリックス型カラ
ー液晶表示装置によれば、カラーフィルタを用いずに光
を着色して高輝度の着色光を得るとともに、液晶セルの
基板および偏光板での光吸収による光量ロスも少なくす
ることができるから、反射型のものでありながら、明る
いカラー表示を得ることができるし、しかも、1つの画
素で複数の色を表示することができる。
【0085】しかも、この液晶表示装置は、前記反射膜
を兼ねる電極の表面を散乱反射面としているため、表示
観察者の顔やその背景等の外部像が反射面に写ってその
像が表示画像と重なって見える、いわゆる外部像の写り
込みを生ずることはない。
【0086】また、この液晶表示装置においては、液晶
セルの裏面側基板の内面に設けた電極に光の反射膜を兼
ねさせているため、別に反射膜を設ける必要はないし、
また前記電極を、微小な凹凸をもった下地面の上に金属
膜を成膜して形成すれば、表面を微小な凹凸をもつ散乱
反射面とした電極を容易に形成して液晶セルの製造コス
トを低減できるから、液晶表示装置の低価格化をはかる
ことができる。
【0087】さらに、上記本発明の液晶表示装置におい
て、前記液晶セルが、裏面側基板に画素電極と能動素子
を設け、表面側基板に対向電極を設けたものであって、
前記対向電極が透明導電膜で形成され、前記画素電極が
光を反射させる金属膜で形成されている場合、前記画素
電極を、前記能動素子を覆う保護絶縁膜の上に前記能動
素子を覆って設ければ、画素電極の面積を大きくして開
口率を上げることができる。
【0088】また、上記本発明の液晶表示装置におい
て、上記液晶セルと偏光板との間に位相差板を配置すれ
ば、偏光板を通って入射した光が、液晶セルの液晶層を
通って再び前記偏光板に入射する過程で、前記位相差板
の複屈折効果によっても偏光状態を変えられるため、液
晶セルに液晶分子が基板面に対してほぼ垂直に立上がり
配向する電圧を印加したとき、つまり液晶層の複屈折効
果が見掛上ほとんどなくなったときでも、位相差板の複
屈折効果によって偏光状態を変えられた光を前記偏光板
に入射させて着色光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアクティブマトリック
ス型カラー液晶表示装置の一部分の断面図。
【図2】反射膜を兼ねる画素電極の一部分の平面図。
【図3】液晶セルの液晶分子配向方向と、位相差板の遅
相軸と、偏光板の透過軸とを示す平面図。
【図4】印加電圧に対する出射光の色変化を示すCIE
色度図。
【符号の説明】 10…液晶セル 11…裏面側基板 12…表面側基板 13…画素電極(反射膜) A…散乱反射面 14…TFT(能動素子) 21…保護絶縁膜 21a…コンタクト孔 24…配向膜 25…対向電極 26…配向膜 27…液晶 30…偏光板 40…位相差板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射型のアクティブマトリックス型カラー
    液晶表示装置であって、 裏面側基板と透明な表面側基板との間に液晶を挟持する
    とともに、一方の基板の内面に複数の画素電極とこれら
    各画素電極にそれぞれ対応する複数の能動素子とを配設
    し、他方の基板の内面に対向電極を設けたアクティブマ
    トリックス型の液晶セルと、前記液晶セルの表面側に配
    置された偏光板とを備え、 かつ、前記液晶セルの画素電極と対向電極とのうち、表
    面側基板に設けられた電極は透明導電膜で形成され、裏
    面側基板に設けられた電極は光を反射させる金属膜で形
    成されるとともに、この金属膜からなる電極の表面が散
    乱反射面となっており、 前記偏光板は、その透過軸を前記液晶セルの表面側基板
    上における液晶分子の配向方向に対し斜めにずらして設
    けられていることを特徴とするアクティブマトリックス
    型カラー液晶表示装置。
  2. 【請求項2】金属膜からなる電極の表面は、微小な凹凸
    面であることを特徴とする請求項1に記載のアクティブ
    マトリックス型カラー液晶表示装置。
  3. 【請求項3】金属膜からなる電極は、微小な凹凸をもつ
    下地面の上に前記金属膜を成膜して形成されていること
    を特徴とする請求項2に記載のアクティブマトリックス
    型カラー液晶表示装置。
  4. 【請求項4】液晶セルは、裏面側基板に画素電極と能動
    素子を設け、表面側基板に対向電極を設けたものであっ
    て、前記対向電極が透明導電膜で形成され、前記画素電
    極が光を反射させる金属膜で形成されており、かつ、前
    記画素電極は、前記能動素子を覆う保護絶縁膜の上に前
    記能動素子を覆って設けられて前記保護絶縁膜に形成し
    たコンタクト孔において前記能動素子に接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに
    記載のアクティブマトリックス型カラー液晶表示装置。
  5. 【請求項5】液晶セルと偏光板との間に位相差板が配置
    されており、この位相差板の遅相軸が前記偏光板の透過
    軸に対して斜めにずれていることを特徴とする請求項1
    に記載のアクティブマトリックス型カラー液晶表示装
    置。
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US08/438,497 US5734455A (en) 1994-05-12 1995-05-10 Reflective birefringent type color liquid crystal display employing black mask
CN95105465A CN1072808C (zh) 1994-05-12 1995-05-12 反射型彩色液晶显示装置
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CN100416381C (zh) * 2001-04-11 2008-09-03 夏普公司 液晶显示器

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