JPH07318035A

JPH07318035A - 有機汚泥の燃焼処理方法

Info

Publication number: JPH07318035A
Application number: JP10553194A
Authority: JP
Inventors: Hideo Aono; 野秀夫青
Original assignee: AONO SHOKAI KK
Current assignee: AONO SHOKAI KK
Priority date: 1994-05-19
Filing date: 1994-05-19
Publication date: 1995-12-08

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、簡易な方法で、しかも、ランニング
コストの低減化を図って有機汚泥を処理することができ
る有機汚泥の燃焼処理方法を提供することを目的として
いる。【構成】有機汚泥の燃焼処理方法は、有機汚泥と固形燃
料剤を混合して前記有機汚泥中に前記固形燃料剤を分散
させた被燃焼物をバッチ式の炉に入れ、前記被燃焼物の
上部から燃焼させて前記固形燃料剤の燃焼により前記有
機汚泥中の水分を蒸発させて乾燥させ、前記被燃焼物の
上部から逐次燃焼させて前記有機汚泥を処理するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、有機汚泥の燃焼処理方
法に係り、特に、簡易な方法で、しかも、ランニングコ
ストの低減化を図って有機汚泥を処理することができる
有機汚泥の燃焼処理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】有機汚泥は、無機汚泥と異なり、一般的
な環境条件では、生物学的な変化を起し、放置しておく
と、腐敗して悪臭を発生したり、はえ、ねずみ、ゴキブ
リなどの発生源になりやすい。

【０００３】そのため、従来有機汚泥は燃焼処理されて
いるが、有機汚泥は含水率が高く、そのままでは燃焼で
きず、ロータリーキルン（回転炉）と称される焼却炉に
より処理されている。

【０００４】即ち、ロータリーキルンは、回転キルンと
称される部分に処理する有機汚泥を投入し、回転キルン
内に重油を燃焼した高温の熱ガスを導き、高温の熱ガス
により有機汚泥を回転させて乾燥させ、乾燥した有機汚
泥は前記高温の熱ガスにより燃焼し処理されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この処
理方法は、有機汚泥を乾燥・燃焼させるために、高温状
態の回転キルン（窯）を回転させ且つ有機汚泥と重油等
のオイルを逐次供給して燃焼させており、設備が大掛か
りになると共に処理する毎に多量の重油等のオイルを要
し、ランニングコストがかかるという欠点があった。

【０００６】又、従来、所謂バッチ式の炉においては、
有機汚泥それ自身では燃焼できないため、有機汚泥を燃
焼できず処理できないものとされていた。

【０００７】本発明は、処理する有機汚泥に固形燃料剤
を混合して前記有機汚泥中に前記固形燃料剤を分散させ
ることに着目して、上記欠点を解消するようにした有機
汚泥の燃焼処理方法を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の有機汚泥の燃焼処理方法は、有機汚泥と固
形燃料剤を混合して前記有機汚泥中に前記固形燃料剤を
分散させた被燃焼物をバッチ式の炉に入れ、前記被燃焼
物の上部から燃焼させて前記固形燃料剤の燃焼により前
記炉内の温度を上げ前記有機汚泥中の水分を蒸発させて
乾燥させ、前記被燃焼物の上方から下方に亙って逐次燃
焼させて前記有機汚泥を処理するものである。

【０００９】又、固形燃料剤は廃棄プラスチックであ
る。

【００１０】又、有機汚泥は含水率が７０％〜９０％で
ある。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例の有機汚泥の燃焼処理方法
を図面を参照して説明する。

【００１２】１は、バッチ式の炉で炉１は、例えば、
キャスタブル耐火物、耐火レンガ、耐火モルタル等の耐
熱材で形成された炉壁２で囲み、その内部を燃焼室３と
している。

【００１３】炉壁２の外側には、内部を空気通路31’、
32’、33’、34’としたケーシングが、例えば、４列、
31、32、33、34と設けられていて、一端は送風機４、他
端は炉壁２内の燃焼室３に臨み、空気供給口35、36、3
7、38を形成している。

【００１４】又、燃焼室３は、通路５を介して煙突６に
接続され、煙突６の下方には、サイクロン室７が設けら
れている。

【００１５】そして、燃焼室３の上方部には、投入口９
が形成され、該投入口９は開閉蓋10により開閉され、投
入口９より後述する被燃焼物20が投入される。

【００１６】開閉蓋10は、開閉蓋10に取り付けられたロ
ーラ11が燃焼室３の上部に設けられたレール12上を移動
することにより手動又は自動により容易に開閉すること
ができる。

【００１７】次に、有機汚泥の燃焼処理方法について説
明する。有機汚泥 20Aは、例えば、食品加工残渣、アル
コール蒸留廃液、でんぷん粉製造廃液、紙パルプ廃液、
家畜糞尿等であり、有機汚泥の基質の大部分は、炭水化
物、蛋白質、油脂等である。

【００１８】先ず、有機汚泥 20Aと固形燃料剤 20B（固
形燃料剤 20Bは、例えば、プラスチック、廃棄プラスチ
ック、減容固化されたプラスチック、石炭、木等であ
る。）を図示しない撹拌機で混合し、前記有機汚泥 20A
中に前記固形燃料剤20B を分散させた被燃焼物20を形成
する。

【００１９】本実施例の有機汚泥の燃焼処理方法におい
ては、有機汚泥 20Aは含水率が５０％以上で良く、特
に、含水率が７０％〜９０％と高いものでも処理するこ
とができ、本実施例では、有機汚泥 20Aを例えば、含水
率が８５％程度の食品加工残渣とし、固形燃料剤 20Bを
例えば、廃棄プラスチックとし、その重量比を食品加工
残渣１に対して廃棄プラスチックを１とした。なお、有
機汚泥 20Aは含水率が高いため、有機汚泥 20Aは固形燃
料剤 20Bと簡単に混合し、有機汚泥 20A中に固形燃料剤
20Bを分散させることができる。

【００２０】有機汚泥 20A中に固形燃料剤 20Bを分散さ
せた被燃焼物20をバッチ式の炉１に例えば、通路５を塞
がない程度で、燃焼室３の上方に間隔Ｈを開ける程度入
れる（図７参照）。

【００２１】次に、空気供給口35より空気を入れた状態
で、被燃焼物20の上に図示しない木屑等を載せ、該木屑
等に点火して被燃焼物20を燃焼させる。すると、被燃焼
物20の上部から燃焼が開始し、燃焼ガスは通路５を通っ
て煙突６に導かれる。燃焼ガス中の小さい塵埃は、サイ
クロン室７内に堆積する。

【００２２】燃焼は、固形燃料剤 20Bから始まり、固形
燃料剤 20Bは被燃焼物20に分散しているため、燃焼は次
第に広まって激しくなり、それに伴い炉１内の温度が上
昇し、有機汚泥 20A中の水分が逐次蒸発して有機汚泥 2
0Aが乾燥し、有機汚泥 20A自体も燃焼する。しかも、燃
焼が進むにつれ、燃焼している被燃焼物20の下方の有機
汚泥 20Aの乾燥も逐次行なわれる。

【００２３】そして、燃焼状態に合わせて空気供給口35
と共に適宜空気供給口36、37、38より燃焼室３内に空気
を入れる。なお、空気通路31’、空気通路32’、空気通
路33’、空気通路34’にはそれぞれ通路を開閉調整する
図示しない調整バルブが設けられ、又、空気通路31’と
空気通路33’、空気通路32’と空気通路34’はそれぞれ
図示しない通路で接続されている。

【００２４】炉１内においては、被燃焼物20の燃焼が被
燃焼物20の上方から下方に亙って逐次進行し、被燃焼物
20中の有機汚泥 20Aが燃焼して処理される。

【００２５】従って、本実施例の有機汚泥の燃焼処理方
法によれば、有機汚泥 20Aそれ自身では燃焼できないも
のを固形燃料剤 20Bを混合して有機汚泥 20A中に固形燃
料剤20Bを分散させた被燃焼物20とし、この被燃焼物20
中の固形燃料剤 20Bを燃焼させることにより、この固形
燃料剤 20Bの燃焼温度を利用して、有機汚泥 20Aを乾燥
させて燃焼させることができ、従来のように、高温状態
のキルンを回転させることも、有機汚泥と重油等のオイ
ルを逐次供給することも、それに伴う制御も必要なく、
単に、有機汚泥 20Aと固形燃料剤 20Bを混合して有機汚
泥 20A中に固形燃料剤20Bを分散させた被燃焼物20をバ
ッチ式の炉１に入れて、被燃焼物20の上部から燃焼させ
るから設備が大掛かりとならず、簡易な方法で、しか
も、処理するために重油等のオイルを要せず、ランニン
グコストの低減化を図って有機汚泥を燃焼処理すること
ができる。

【００２６】又、固形燃料剤 20Bとして廃棄プラスチッ
クを利用すれば、安価に入手でき、しかも、該プラスチ
ックの高カロリーの燃焼が有機汚泥の乾燥をより促進さ
せることができ、更に、廃棄プラスチック自身をも処理
することができる利点を有する。

【００２７】

【発明の効果】本発明の有機汚泥の燃焼処理方法は、有
機汚泥と固形燃料剤を混合して前記有機汚泥中に前記固
形燃料剤を分散させた被燃焼物をバッチ式の炉に入れ、
前記被燃焼物の上部から燃焼させて前記固形燃料剤の燃
焼により前記有機汚泥中の水分を蒸発させて乾燥させ、
前記被燃焼物の上部から逐次燃焼させて前記有機汚泥を
処理するから、有機汚泥それ自身では燃焼できないもの
を固形燃料剤を混合して前記有機汚泥中に前記固形燃料
剤を分散させた被燃焼物とし、この被燃焼物中の固形燃
料剤を燃焼させることにより、この固形燃料剤の燃焼温
度を利用して、有機汚泥を乾燥させて燃焼させることが
でき、従来のように、高温状態のキルンを回転させるこ
とも、有機汚泥と重油等のオイルを逐次供給すること
も、それに伴う制御も必要なく、単に、有機汚泥と固形
燃料剤を混合して前記有機汚泥中に前記固形燃料剤を分
散させた被燃焼物をバッチ式の炉に入れて、前記被燃焼
物の上部から燃焼させるから設備が大掛かりとならず、
簡易な方法で、しかも、処理するために重油等のオイル
を要せず、ランニングコストの低減化を図って有機汚泥
を燃焼処理することができ、又、固形燃料剤を廃棄プラ
スチックとすれば、安価に入手でき、しかも、該プラス
チックの高カロリーの燃焼が有機汚泥の乾燥をより促進
させることができ、更に、廃棄プラスチック自身をも処
理することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の有機汚泥の燃焼処理方法を実
施するためのバッチ式の炉を概略的に示す斜視図であ
る。

【図２】図２は、図１の概略的正面図である。

【図３】図３は、図２のＡ−Ａ線による概略的断面図で
ある。

【図４】図４は、図１の概略的平面図である。

【図５】図５は、図４のＢ−Ｂ線による概略的一部断面
図である。

【図６】図６は、図４のＣ−Ｃ線による概略的断面図で
ある。

【図７】図７は、有機汚泥中に固形燃料剤を分散させた
被燃焼物をバッチ式の炉に入れた状態の概略的説明図で
ある。

【符号の説明】

１・・・炉３・・・燃焼室

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】有機汚泥と固形燃料剤を混合して前記有機
汚泥中に前記固形燃料剤を分散させた被燃焼物をバッチ
式の炉に入れ、前記被燃焼物の上部から燃焼させて前記
固形燃料剤の燃焼により前記炉内の温度を上げ前記有機
汚泥中の水分を蒸発させて乾燥させ、前記被燃焼物の上
方から下方に亙って逐次燃焼させて前記有機汚泥を処理
することを特徴とする有機汚泥の燃焼処理方法。
【請求項２】固形燃料剤が廃棄プラスチックであること
を特徴とする請求項１記載の有機汚泥の燃焼処理方法。
【請求項３】有機汚泥は含水率が７０％〜９０％である
ことを特徴とする請求項１記載の有機汚泥の燃焼処理方
法。