JPH0731796A - 乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衣類等を乾燥させる、乾燥性能の良い乾燥機
を得ることを目的とする。 【構成】 被乾燥物１２を放射状に掛けるハンガー１１
と、このハンガー１１を放射の中心を軸として回転させ
るモーター８と、被乾燥物１２の下方からこの被乾燥物
に温風を吹き出す温風機１とを備え、ハンガー１１はそ
の放射の中心の側がそれぞれ回転方向に対してずれるよ
うに設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、衣類などを乾燥させ
る乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は特開昭５４−５２３６３号広報に
示された従来の乾燥機のカバーを一部切除して示す全体
の斜視図であり、図６はその断面図である。図において
２０はヒータ、２１、２２はその上流に設けられた吸い
込み口、及び送風ファン、２３はその下流に設けられた
吹き出し口である。またその上方には支柱２４を中心軸
として、モーター２５にて回転駆動できるように放射状
にハンガー２６が配置され、ハンガー２６には被乾燥物
が掛けられている。更にその周囲はカバー２８で覆われ
ている。

【０００３】次に動作について説明する。送風用ファン
２２により、吸い込み口２１から吸い込まれヒータ２０
で加熱された空気は、吹き出し口２３を通って、カバー
２８で覆われた空間内に吹き出される。吹き出された温
風は支柱２４を中心にモーター２５により回転している
被乾燥物２７と接触することにより被乾燥物２７を乾燥
させ、再び吸い込み口２１より送風ファン２２に吸い込
まれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の乾燥機は以上の
ように構成されているので、温風と被乾燥物との接触が
不充分で乾燥時間がかかるという問題があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、乾燥性能を向上させた乾燥機を
得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る乾燥機
は、被乾燥物を放射状に掛ける掛け具と、この掛け具を
放射の中心を軸として回転させる回転手段と、上記被乾
燥物の下方からこの被乾燥物へ温風を吹き出す温風機と
を備え、上記掛け具の中心の側をそれぞれ回転方向に対
してずらしたものである。また、温風機内に蒸発器と凝
縮器とを設けたものである。

【０００７】

【作用】この発明に係る乾燥機においては、被乾燥物の
下方から吹き出される温風が被乾燥物に接触して流れが
曲げられるため、被乾燥物との接触時間が長くなり、乾
燥性能が向上する。また、温風機内に蒸発器と凝縮器と
を設けたので、吹き出される温風は低湿度となり、乾燥
性能がより向上する。

【０００８】

【実施例】

実施例１．以下、請求項１の一実施例を説明する。図１
はこの発明に係る乾燥機の側面図であり、一部を断面図
としたものである。図において、１は温風機であり、温
風機１内の風路３の中に設けられた送風ファン２と、送
風ファン２の上流に設けられた吸い込み口４及びフィル
ター５と、下流に設けられたヒータ６及び吹き出し口７
とで構成されている。温風機１の上部にはモータ８が設
けられ、その軸９に回転支柱１０が接続されている。回
転支柱１０の上端部にはハンガー１１が放射状にかつ図
２に示すように中心線に対して回転方向に、θだけずれ
るように、すなわちハンガーの中心の側が回転方向と反
対方向にずれるように取り付けられている。１２はハン
ガー１１に掛けられた被乾燥物である。

【０００９】次に動作について説明する。送風ファン２
とヒータ６に通電が開始されると、吸い込み口４とフィ
ルター５を通って空気が吸い込まれ、加熱が行なわれ
る。更に風路３、吹き出し口７を通って温風が上方に吹
き出される。そしてモータ８により回転支柱１０が回転
し、それに伴い被乾燥物１２も回転する。この際、下か
ら吹き出される温風は被乾燥物１２に接触して、回転の
中心すなわち乾燥機の内側に向かって流れが曲げられる
ため、被乾燥物との接触時間が長くなり、かつ熱が周囲
に逃げにくくなるため、均一に乾燥が行なわれ、乾燥性
能が向上する。

【００１０】実施例２．実施例１ではハンガー１１を放
射状に、かつその中心の側が回転方向と反対方向にずれ
るように設けたが、逆に回転方向にずらして設けてもよ
い。この場合、上方に吹き出された温風は乾燥機の外側
に向かって流れが曲げられるため、実施例１と同様に被
乾燥物との接触時間が長くなる点で、効果がある。

【００１１】実施例３．以下、請求項２の実施例につい
て図を用いて説明する。図３において、１４及び１５は
吸い込み口４と送風ファン２との間の風路３に設けられ
た凝縮器及び蒸発器である。１６は冷媒配管を介して凝
縮器１４及び蒸発器１５に接続されているコンプレッサ
ーである。１７は蒸発器１５の下方に設けられたドレン
タンクである。

【００１２】まず、コンプレッサー１６より冷媒が圧縮
され凝縮器１４に送られる。凝縮器１４では送風ファン
２により吸い込み口４から吸い込まれた空気により冷媒
の冷却が行なわれるため冷媒は凝縮する。更に冷媒は毛
細管等の圧力損失の大きいものを通って蒸発器１５に送
られる。それにより冷媒は圧力低下し、断熱膨張するこ
とにより温度が低下し、気液混合状態となり蒸発器１５
に入る。蒸発器１５では吸い込まれた空気により加熱さ
れることにより冷媒は気化し、コンプレッサー１６に戻
る。その際蒸発器１５では吸い込まれた空気は逆に冷却
されるため、低温となり飽和蒸気圧が下がる。これによ
り水分の凝縮が行なわれる。更に空気は凝縮器１４を通
過する際冷媒により加熱され相対湿度の下がった空気と
なり、更にヒーター６により加熱され、低湿度の乾燥温
風として吹き出し口７により吹き出され、回転している
被乾燥物１２と接触し乾燥を行なう。このとき温風は低
湿度であるため、更に含有可能な水分量も多く、乾燥は
促進される。また、乾燥物１２より蒸発した水分は、湿
り空気として吸い込み口３より吸い込まれ蒸発器１５に
より凝縮され、水分の回収が行なわれるため室内の湿度
の上昇を防ぐことも可能である。

【００１３】また、被乾燥物１２なしで、送風ファン２
とコンプレッサー１６の運転を行なえば、同様の原理に
より室内の除湿、乾燥が可能となる。

【００１４】実施例４．図４は他の実施例を示す斜視図
である。図において１３は被乾燥物１２の上部から周囲
にかけて覆ったカバーである。このカバー１３により、
乾燥機の周囲への放熱が妨げられるため、内部の温度が
上昇し乾燥が促進される。更に周囲の室内温度の上昇が
抑制できる。

【００１５】実施例５．上記の実施例１から実施例４に
おいて、回転支柱１０、ハンガー１１が上下動あるいは
振動するようにしてもよい。このようにすれば、被乾燥
物１２が上下運動することにより温風との接触が促進さ
れる。特に、被乾燥物が下に下がる時、温風が乾燥機の
内側にとり込まれるため、温風の当たりにくいところに
も当たるようになる。

【００１６】

【発明の効果】以上のようにこの発明による乾燥機は、
被乾燥物を放射状に掛ける掛け具と、この掛け具を放射
の中心を軸として回転させる回転手段と、上記被乾燥物
の下方からこの被乾燥物へ温風を吹き出す温風機とを備
え、上記掛け具をその中心の側がそれぞれ回転方向に対
してずれるように設けたので、下方から吹き出された温
風は被乾燥物に接触して流れが曲げられるため、被乾燥
物との接触時間が長くなり、乾燥性能が向上する。ま
た、温風機内に蒸発器と凝縮器とを設けたので、吹き出
される温風は低湿度となり、乾燥性能がより向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１を示す側面図であり、一部
を断面図としたものである。

【図２】この発明のハンガーの構成を示す説明図であ
る。

【図３】この発明の実施例３を示す側面図であり、一部
を断面図としたものである。

【図４】この発明の実施例４を示す斜視図である。

【図５】従来の乾燥機を示す斜視図である。

【図６】従来の乾燥機を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 温風機 ７ 吹き出し口 ８ モータ １１ ハンガー １２ 被乾燥物 １４ 凝縮器 １５ 蒸発器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被乾燥物を放射状に掛ける掛け具と、こ
   の掛け具を放射の中心を軸として回転させる回転手段
   と、上記被乾燥物の下方からこの被乾燥物へ温風を吹き
   出す温風機とを備え、上記掛け具の中心の側がそれぞれ
   回転方向に対してずれていることを特徴とする乾燥機。
2. 【請求項２】 上記温風機に蒸発器と凝縮器とを設けた
   ことを特徴とする請求項第１項記載の乾燥機。