JPH07316724A - 薄目付けで耐食性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 - Google Patents

薄目付けで耐食性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法

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JPH07316724A
JPH07316724A JP6119164A JP11916494A JPH07316724A JP H07316724 A JPH07316724 A JP H07316724A JP 6119164 A JP6119164 A JP 6119164A JP 11916494 A JP11916494 A JP 11916494A JP H07316724 A JPH07316724 A JP H07316724A
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悟 宇田川
Masaki Abe
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聡 安藤
Akimasa Kido
章雅 木戸
Toyofumi Watanabe
豊文 渡辺
Yukimitsu Shiobara
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Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%で、C:0.001〜0.005%、S
i:0.1%以下、Mn:0.05〜0.3%、P:
0.02%以下、S:0.001〜0.01%、N:
0.004%以下、sol.Al:0.1%以下、N
i:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜0.1
%、Cu:0.05〜0.3%、B:0.0002〜
0.002%、残部Fe及び不可避不純物からなり、重
量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板と、その少な
くとも一方の表面に形成され、Fe−Ni−Pを主成分
とする拡散合金領域と、さらにその上に形成されたZn
系めっき層とを具備する表面処理鋼板。 【効果】優れた加工性等を維持したまま、製造コストが
低く、薄目付けで耐食性に優れた表面処理鋼板およびそ
の製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工性、溶接性、化
成処理性等に優れることが要求される自動車用鋼板に好
適な表面処理鋼板およびその製造方法に関し、特に薄目
付けで耐食性に優れた自動車用鋼板に好適な表面処理鋼
板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、鋼材の防食方法として、塗
装、めっき等の表面被覆層を設けることにより、鋼材と
腐食生成物質との接触を断ち防食性を向上させるという
手法が用いられている。しかし、鋼材を使用形態に応じ
て加工する際、被覆されていない剪断面や、加工時の応
力による被覆層の剥離が発生し鋼材が露出して腐食が生
じる。また、このような表面被覆層により製造コストも
上昇する。さらに鋼材に被覆層があることからリサイク
ル性にも問題があり、近年の環境への関心の高まりにつ
いても配慮する必要がある。このような視点から、それ
自体の耐食性に優れた鋼材が求められるようになってい
る。
【0003】このような背景の下、材質面を改良して鋼
材自体の耐食性を高めた耐候性鋼が知られている。これ
は、腐食の進行に伴い表面に緻密な錆層が形成し、これ
が一種の表面被覆としての役割を果たすものである。し
かし、耐候性鋼をそのまま板厚の薄い例えば冷延鋼材に
適用すると、緻密な錆層が形成される前に腐食により穴
開きが発生する虞がある。このことから、板厚の薄い冷
延鋼材において、耐食性の改善が求められている。
【0004】このような冷延鋼材として、Cr,Cuを
添加し、(S/Cu)を0.5以下に規定したものが提
案されている(特開平2−156042号参照)。しか
しながら、これはCrを添加しているため、孔食の問題
が指摘されている。また別の技術としてはCu,Pを添
加して耐食性を得る技術も提案されているが(特開平4
−235250号参照)、P添加による加工性の劣化は
避けられない。一方、Cu,P複合添加によって耐食性
を高めた鋼を用い、さらに深絞り性を向上させるため
に、2回冷間圧延を行う技術も提案されているが(特開
平4−285125号参照)、冷圧回数の増加による、
製造コストの上昇は免れない。このように、現在までの
技術では耐食性、加工性、コスト等の観点からすべての
条件を満たした鋼板は存在しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたものであって、優れた加工性等を維持
したまま、製造コストが低く、薄目付けで耐食性に優れ
た表面処理鋼板およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に鋼板の耐食性は、
初期錆発生の起点となる鋼材表面の析出物などに影響を
受け、初期錆発生後の腐食の進行は、粒界など鋼材での
ミクロな不均一部の性状により異なるとされている。こ
れらの耐食性に影響をおよぼす因子は、鋼材の成分と密
接に関係している。本発明者らは、耐食性を支配する鋼
材成分に関して種々検討し、前述した従来技術における
課題を解決することについて検討を重ねた。
【0007】その結果、極低炭素鋼を基本に、腐食発生
に強く影響を及ぼすS量を制御し、耐食性に有効な働き
をするCuを添加してCuに対するSの比(S/Cu)
の値を0.1以下にし、さらに粒界の耐食性に関与する
B,Tiを適量添加することによって、鋼板自体が耐食
性の優れたものとなり、その一方の表面にFe−Ni−
Pを主成分とする拡散合金領域を形成し、さらにその上
に亜鉛系めっき層を形成することにより、薄目付けで極
めて高い耐食性を有する表面処理鋼板が得られることを
見出した。
【0008】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、第1に、重量%で、C:0.001〜
0.005%、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜
0.3%、P:0.02%以下、S:0.001〜0.
01%、N:0.004%以下、sol.Al:0.1
%以下、Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005
〜0.1%、Cu:0.05〜0.3%、B:0.00
02〜0.002%、残部Fe及び不可避不純物からな
り、重量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板と、そ
の少なくとも一方の表面に形成され、Fe−Ni−Pを
主成分とする拡散合金領域と、さらにその上に形成さ
れ、Znめっき、もしくはZnをマトリックスとし、N
i,Fe,Co,Cr,Mn,Ti,Mo,Si,Al
の金属または酸化物の一種または二種以上を合金或いは
分散粒子として含有するめっきからなる亜鉛系めっき層
と、を具備することを特徴とする、薄目付けで耐食性に
優れた表面処理鋼板を提供するものである。
【0009】第2に、重量%で、C:0.001〜0.
005%、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.
3%、P:0.02%以下、S:0.001〜0.01
%、N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以
下、Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜
0.1%、Cu:0.05〜0.3%、B:0.000
2〜0.002%、残部Fe及び不可避不純物からな
り、重量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板と、そ
の少なくとも一方の表面に形成され、Fe−Ni−Pを
主成分としW,Mo,Cr,Cuの一種または二種以上
を含有する拡散合金領域と、さらにその上に形成され、
Znめっき、もしくはZnをマトリックスとし、Ni,
Fe,Co,Cr,Mn,Ti,Mo,Si,Alの金
属または酸化物の一種または二種以上を合金或いは分散
粒子として含有するめっきからなる亜鉛系めっき層と、
を具備することを特徴とする、薄目付けで耐食性に優れ
た表面処理鋼板を提供する物である。
【0010】第3に、重量%で、C:0.001〜0.
005%、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.
3%、P:0.02%以下、S:0.001〜0.01
%、N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以
下、Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜
0.1%、Cu:0.05〜0.3%、B:0.000
2〜0.002%、残部Fe及び不可避不純物からな
り、重量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板を、酸
洗した後焼鈍の前に、または酸洗しさらに冷間圧延した
後焼鈍の前に、前記鋼板の少なくとも一方の表面に電気
めっきまたは無電解めっきによってPを8〜18重量%
含有し、付着量0.05g/m2 超え8g/m2 以下の
Ni−Pめっきを施し、ただちに非酸化性雰囲気で50
0〜880℃で拡散熱処理を行い、鋼板素地表面にFe
−Ni−Pを主成分とする拡散合金領域を形成し、さら
にその上に電気めっき法または溶融めっき法によってZ
nめっき、もしくはZnをマトリックスとし、Ni,F
e,Co,Cr,Mn,Ti,Mo,Si,Alの金属
または酸化物の一種または二種以上を合金或いは分散粒
子として含有するめっきからなる亜鉛系めっき層を形成
することを特徴とする、薄目付けで耐食性に優れた表面
処理鋼板の製造方法を提供するものである。
【0011】第4に、重量%で、C:0.001〜0.
005%、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.
3%、P:0.02%以下、S:0.001〜0.01
%、N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以
下、Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜
0.1%、Cu:0.05〜0.3%、B:0.000
2〜0.002%、残部Fe及び不可避不純物からな
り、重量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板を、酸
洗した後焼鈍の前に、または酸洗しさらに冷間圧延した
後焼鈍の前に、前記鋼板の少なくとも一方の表面に電気
めっきまたは無電解めっきによってPを8〜18重量
%、W,Mo,Cr,Cuの一種または二種以上を15
重量%以下の範囲で含有し、付着量0.05g/m2
え8g/m2 以下のNi−Pめっきを施し、ただちに非
酸化性雰囲気で500〜880℃で拡散熱処理を行い、
鋼板素地表面にFe−Ni−Pを主成分とする拡散合金
領域を形成し、さらにその上に電気めっき法または溶融
めっき法によってZnめっき、もしくはZnをマトリッ
クスとし、Ni,Fe,Co,Cr,Mn,Ti,M
o,Si,Alの金属または酸化物の一種または二種以
上を合金或いは分散粒子として含有するめっきからなる
亜鉛系めっき層を形成することを特徴とする、薄目付け
で耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法を提供するも
のである。
【0012】第5に、上記いずれかの方法における非酸
化性雰囲気での拡散熱処理に際し、連続焼鈍炉によって
加熱することにより、鋼板素地とめっき層の界面にFe
−Ni−Pを主成分とする拡散合金領域が形成されるこ
とを特徴とする、薄目付けで耐食性に優れた表面処理鋼
板の製造方法を提供するものである。
【0013】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。まず、
本発明の根拠となる実験結果について説明する。重量%
で、C:0.001 〜0.005 %、Si:0.1 %以下、Mn:
0.05〜0.3 %、P:0.02%以下、N:0.004 %以下、N
i:0.05〜0.3 %、sol.Al:0.1%以下を満た
し、残部がFe及び不可避不純物からなる成分組成を基
本とし、さらに、S:0.2 %以下、Ti:0.005 〜0.1
%、Nb:0.025 %以下、B:0.0002〜0.002 %、C
u:0.3 %以下の各元素の量を種々変化させ、組み合わ
せて添加した鋼板を用意し、その鋼板の少なくとも一方
の表面に、Fe−Ni−Pを主成分とし、W,Mo,C
r,Cuの一種または二種以上を含有する拡散合金層を
形成し、さらにその上にZn系めっきを有する表面処理
鋼板の耐食性を調査した。
【0014】ここでは、乾湿繰り返しに塩水噴霧を組み
合わせた腐食環境で60日間経過後の無塗装鋼板の腐食
深さを測定し、その平均腐食深さで耐食性を評価した。
ここでいう平均腐食深さとは、鋼板の露出部を10mm×10
mmの区画に分割し、その各区画内での最大浸食深さを測
定し平均したものである。
【0015】得られた平均腐食深さと重量比で表した
(S/Cu)値との関係を図1に示す。図1によりS/
Cu値の低下に伴い各鋼材の耐食性が良好になることが
わかる。また、Ti添加鋼、Ti、Nb添加鋼、B添加
鋼及びTi、B添加鋼の平均腐食深さを比較すると、特
にTi、Bを複合添加した鋼で、かつ(S/Cu)値が
0.1以下の時に、著しく耐食性が向上していることが
わかる。これはTi、B複合添加鋼の場合はTiがTi
Cを形成するので固溶炭素がなく、またBが粒界に偏析
して粒界からの腐食を抑制する効果を有しているためと
考えられる。
【0016】一方、Ti、B複合添加鋼以外の鋼におい
て耐食性が劣るのは次のような理由であると考えられ
る。まず、B単独添加鋼は、Bが窒化物形成元素である
ため、鋼中で固溶炭素が残存する。この固溶炭素はフェ
ライト粒内に存在するだけでなく粒界にも偏析する。こ
の影響でBが粒界に存在しにくくなる。このため、B単
独添加鋼では耐食性が劣るものと考えられる。Ti添加
鋼ではBの粒界偏析による腐食抑制効果が期待できない
ことからやはり耐食性が劣る。また、Nb添加鋼におい
てNbはNbCを生成するため固溶炭素は存在しない
が、Nbが粒界に偏析することはなく、耐食性向上には
さほど影響を及ぼさないと推測される。この点TiとB
とを複合添加した本発明鋼は、上述したように、鋼中に
固溶炭素がなく、さらにBが粒界に存在することによ
り、耐食性向上効果が顕著になり、Ti添加鋼、Ti,
Nb複合添加鋼、B添加鋼など他の添加元素の組み合わ
せよりも格段に優れた耐食性を有することは明らかであ
る。
【0017】次に、鋼成分の限定事由について説明す
る。なお、以下において%表示は全て重量%を表わす。 C:Cは鋼板の成形性を確保するためには少ないほうが
よく、0.005%を上限とする。しかし、0.001
%未満に低下させると、製造コストが上昇してしまう。
したがって、C量を0.001〜0.005%とした。
望ましくは0.003%以下である。
【0018】Si:Siは化成処理性を悪化させ、塗装
後耐食性に悪影響をもたらす。したがって少なければ少
ないほど望ましいが、製造コストなどを考えて、0.1
%以下とした。
【0019】Mn:Mnは耐食性向上のためには少なけ
れば少ないほど望ましく、0.3%を上限とする。しか
し、製造コストを考慮すると0.05%が事実上の下限
となる。したがって、Mn量を0.005〜0.3%と
した。
【0020】P:Pは熱間加工時に中央偏析しやすいの
で、多量に添加すると加工時に割れが生じやすくなる。
したがって、少ないほうが望ましくその上限を0.02
%とした。
【0021】S:Sは本発明において要求する耐食性に
非常に大きな影響を及ぼす。SはMnと結合しMnSを
生成する。これは初期錆発生の核となり、耐食性に悪影
響を及ぼすので低減させることが望ましいが、0.00
1%を下回ると製造コストの上昇を伴うだけでなく酸洗
時のスケール剥離性が低下する。一方、0.01%を超
えて含有させると鋼材の耐食性が著しく劣化する。した
がって、S量を0.001〜0.01%とした。
【0022】N:Nは鋼材の成形性を向上させるには、
少ないほうが望ましいが、本発明の効果を損なわない範
囲としてその上限を0.004%とした。望ましくは
0.003%以下である。
【0023】sol.Al:Alは、鋼の脱酸元素とし
て有効である。しかし、0.1重量%以上添加しても、
脱酸能力の向上効果が小さくなるので、0.1重量%以
下とした。
【0024】B:Bは粒界に偏析して、粒界からの腐食
の進行を抑制する。極低炭素鋼(IF鋼)は粒界が特に清
浄なため、Bを添加することにより、Bを粒界に偏析さ
せることができ、耐食性の向上には効果的である。ま
た、粒界を強化する作用も合わせて有する。しかし、
0.0002%未満ではそれらの効果が小さい。一方、
Bは熱間加工時の熱変形抵抗を上昇させるため、0.0
02%を超える過剰な添加は熱延時に形状不良及び、所
定板厚が得られない等の問題が発生しやすくなる。した
がって、B量を0.0002〜0.002%とした。
【0025】Ni:鋼にCuを添加している場合、熱間
加工時にCuによる表面疵発生率が上昇するが、Niは
この表面疵を低減させることに有効である。しかし、
0.05%未満ではその効果が得られず、0.3%を超
えると鋼材の成形性の劣化だけでなくコストの上昇を招
く。したがって、Ni量を0.05〜0.3%とした。
【0026】Ti:TiはTiN,TiS等を生成し、
N,S等を減少させ、耐食性の向上に大きな役割を果た
す。また鋼中固溶Cを減少させ、深絞り性を向上させる
作用がある。しかし、0.005%未満ではそれらの効
果が小さい。一方、0.1%を超えるとコストの上昇を
招く。したがって、Ti量を0.005〜0.1%とし
た。
【0027】Cu:Cuは耐食性を向上させる有用な元
素である。しかし、0.05%未満の添加では良好な耐
食性を示さず、また0.3%を超えると耐食性の向上効
果が小さくなる上に、製造コストの上昇、表面性状、加
工性が劣化する。したがって、Cu量を0.05〜0.
3%とした。
【0028】この発明では、このような成分限定に加え
て、腐食発生に強く影響を及ぼすS量と、耐食性に有効
な働きをするCu量との比S/Cuの値を規定する。上
述したようにこの値が0.1以下であれば、Sの悪影響
が防止されると共に、Cuの耐食性向上効果が有効に発
揮される。
【0029】なお、Cr,Sn,V等、製鋼時に混入す
る少量の不可避不純物が存在してもよく、これらの不可
避的不純物によって本発明鋼の効果が損なわることはな
い。このような鋼成分により、極めて耐食性に優れた鋼
板となり得るが、苛酷な環境下で使用される自動車用の
鋼板としては、さらに優れた耐食性が要求される。
【0030】したがって、さらなる耐食性を付与するた
めに、本発明では上記鋼成分を有する鋼板にFe−Ni
−Pを主成分とする拡散合金領域を形成する。このよう
な拡散合金層は下地鋼を腐食から保護すると共に、一度
下地鋼板の腐食が開始された後には、形成される鉄の腐
食生成物を素早く緻密なものとする。その結果、従来技
術では得られなかった優れた耐食性を得ることができ
る。
【0031】このFe−Ni−Pを主成分とする拡散合
金領域にW,Mo,Cr,Cuの一種または二種以上を
含有させることもできる。これらはいずれも鋼の腐食に
対してインヒビター的な役割をもつと同時に、Ni,P
との相乗効果で初期錆の緻密性、安定性を一層向上させ
る効果を有する。
【0032】このような拡散合金領域を形成するだけで
も上述した苛酷な条件下で良好な耐穴あき性を得ること
ができるが、跳ね石などによる外面塗装疵からの赤錆発
生を抑止する効果は十分とはいえない。
【0033】そこで、本発明では塗装後の耐食性を付与
するために、上記拡散合金領域の上にZnめっき、もし
くはZnをマトリックスとし、Ni,Fe,Co,C
r,Mn,Ti,Mo,Si,Alの金属または酸化物
の一種または二種以上を合金あるいは分散粒子として含
有するめっきを施す。
【0034】これらのめっきはいずれもめっきの犠牲防
食作用により、めっき腐食過程において耐食性に寄与す
るが、下地の腐食時においてもZnマトリックス中に存
在する成分とNi,Pなどの拡散合金層の成分との相乗
効果により、下地鉄の錆安定化、緻密化に対して効果を
示す。
【0035】亜鉛系めっきの付着量は5〜60g/m2
であることが望ましい。付着量が少なすぎると良好な耐
食性が得られず、多すぎるとめっき層の加工性が低下す
るうえ、コストが増加してしまう。最も好ましい付着量
の範囲は5〜45g/m2 である。
【0036】次に、本発明の製造条件について説明す
る。本発明では、上記成分組成の鋼板を酸洗してスケー
ル除去後、拡散合金層を形成するために、まずその上に
Pを8〜18重量%含有するNi−P系合金めっき層を
形成する。この工程は焼鈍前に実施されるものである
が、酸洗ライン出側にて酸洗に引き続いて冷間圧延前に
実施しても、酸洗後に冷間圧延してから実施してもよ
い。特にこのめっき工程が冷間圧延前に実施される場合
には、めっき前の洗浄、めっき前の活性化処理としての
酸洗が不要となるため有利である。
【0037】Pを8〜18%含有するNi−P合金めっ
きはアモルファスに近い構造をとり、このようなめっき
層を有する鋼板を熱処理すると一般の結晶性のめっき皮
膜の場合に比較して均一な拡散合金領域が短期間のうち
に形成される。Pが8%未満ではNi−P合金めっき皮
膜は結晶質であり、Pの分布も均一でない。このため、
熱処理を受けたときに形成される拡散合金領域の組成が
均一でなく、前記初期生成錆の均質さ・緻密さが十分で
なく、安定な耐食性が得られない。一方、Pが18%超
ではNi−P合金めっきは脆くなりその密着性が劣化す
る。このため、冷間圧延などの過程でめっき剥離を生じ
やすい。このようなことから、本発明における鋼板に形
成するめっき層のPの含有率は8〜18%とした。望ま
しい範囲は10〜13%である。
【0038】また、上述したように、鋼の腐食を抑制
し、初期錆の緻密性、安定性を一層向上させるために、
Fe−Ni−Pを主成分とする拡散合金領域にW,M
o,Cr,Cuの一種または二種以上を含有させてもよ
いが、この場合にはNi−P系めっき層として、Ni−
PにW,Mo,Cr,Cuの一種または二種以上を15
%以下の範囲で複合化したものを使用する。W,Mo,
Cr,Cuの含有率増加と共に耐食性は向上するが、そ
の合計値が15%を超えるとその密着性が低下するた
め、冷間圧延などの過程でめっき剥離を生じやすい。従
って、W,Mo,Cr,Cuの含有率についてはその合
計値で15重量%以下とした。W,Mo,Cr,Cuの
含有効果を発揮するために、その下限は0.5%以上が
好ましい。
【0039】また、このNi−P系合金層のめっき量
は、0.05g/m2 超え〜8g/m2 の範囲とする。
0.05g/m2 以下では耐食性向上効果が十分ではな
く、8g/m2 超えではめっき層の加工性が低下し剥離
しやすくなるとともに、めっき量を多くするためにライ
ンスピードを遅くする必要があり生産効率上不利とな
る。
【0040】Ni−P系合金めっき層の形成方法は種々
考えられるが、簡便性および得られる膜質などの点で電
気めっきまたは無電解めっき(化学めっき)が望まし
い。次に、N−P系合金めっき層を施した鋼板を非酸化
雰囲気で熱処理して、鋼板素地とNi−P系合金めっき
層の界面にFe−Ni−Pを主成分とする拡散合金領域
を形成する。この拡散のための熱処理は冷間圧延後の通
常の焼鈍を兼ねており、その際に用いられる通常の焼鈍
設備で行うことが可能である。特に、生産性の高い連続
焼鈍を用いる方法が望ましい。ここにおける連続焼鈍
は、一般的な圧延鋼板用の連続焼鈍設備および溶融めっ
きラインの前処理設備としての焼鈍設備を用いて行うこ
とができる。この際に、直火式加熱炉によって昇温速度
50℃/sec以上で加熱することが好ましい。
【0041】この熱処理の際における鋼板の最高到達温
度は500℃以上880℃以下であることが望ましく、
より望ましくは800℃以上880℃以下である。50
0℃未満ではN−P系合金めっき層と鋼表面との間の拡
散層が十分に形成されず、したがって腐食過程での緻密
な錆を十分に形成できないために耐食性向上効果が小さ
い。一方880℃超では熱処理炉内ロールへのめっき金
属のピックアップが生じやすく、その結果表面疵等の原
因となりやすい。さらに880℃を超える温度で焼鈍す
ると、フェライト粒の粗大化により、プレス成形後、肌
荒れを起こしやすくなる。この最高到達温度での保持時
間は温度によっても異なるが、1秒から120秒が望ま
しい。短すぎると十分な拡散領域が形成されないため、
耐食性の向上効果が現われず、120秒超では過度の拡
散合金化によってこの界面層が脆くなるため、めっき層
の密着性・加工性が低下する。この熱処理により形成さ
れる拡散領域の好適な深さは0.1〜20μm程度であ
る。また、この熱処理の際に300〜400℃程度の温
度で数分程度の過時効処理が行われてもよい。
【0042】なお、Ni−P系合金めっき層を熱処理す
ると、その一部が拡散合金領域を形成して、鋼板/拡散
合金領域/Ni−P系合金めっき層の構成となる場合
と、その全てが拡散合金領域を形成して、鋼板/拡散合
金領域の構成となる場合とがあるが、本発明はいずれも
含む。
【0043】拡散のための熱処理後に、必要により適宜
な条件で調質圧延がおこなわれる。このように処理され
た鋼板は、亜鉛系めっきラインにおいてさらに亜鉛系電
気めっきまたは亜鉛系溶融めっきが施される。
【0044】亜鉛系電気めっき浴については広く使用さ
れている硫酸浴、塩化物浴などを使用することができ
る。より一層高耐食性を必要とされる場合には、亜鉛系
電気めっき層の上にさらにクロメート処理を行い、その
上に有機複合樹脂層を付与することもできる。この時の
クロメート処理方法としては、反応型、電解型、塗布型
のいずれも適用可能である。また、クロメート皮膜中に
アクリル樹脂等の有機物、シリカ、アルミナ等の酸化物
コロイド、モリブデン酸等の酸、塩類、その他の防錆強
化成分を含有させてもよい。クロメート皮膜上に形成さ
れる有機樹脂皮膜は、ベース樹脂としてエポキシ樹脂等
を用いることができ、さらに10〜60重量%程度のシ
リカ、クロム酸塩等の防錆添加剤が含有されていること
が望ましい。このようにして製造された本発明の鋼板
は、優れた耐食性を有しているとともに、深絞り性にも
優れ、自動車用材料として極めて有用である。
【0045】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)表1に示す化学組成の鋼を溶解してスラブ
としたものを加熱、熱間圧延して、4.0mm厚の熱延鋼
板とした。その後この鋼板を酸洗後、冷間圧延を施して
0.8mm厚とした。この冷間圧延後の鋼板に対し、表2
のa〜gに示すNi−P系めっきを施し、焼鈍を兼ねた
拡散熱処理および調質圧延を行い、表3に示す亜鉛系め
っきを施して試験片を作成した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】このようにして作成した試験片について、
耐食性、塗装性、加工性を評価した。この際の評価方法
および評価基準は以下のとおりである。 (評価方法・基準) (1)耐食性:乾湿繰り返しに塩水噴霧を組み合わせた
腐食環境で60日間経過後の無塗装鋼板の腐食深さを測
定し、以下の基準で評価した。
【0050】○ 最大腐食深さが0.05mm超,0.
1mm以下 △ 最大腐食深さが0.1mm超,0.2mm以下 × 最大腐食深さが0.2mm超 (2)塗装性:リン酸塩処理を行い、カチオンタイプの
電着塗装を施した鋼板にカッターナイフで素地まで達す
る傷を入れ、(1)と同様の腐食環境に100日間さら
した。この傷部からの塗装のふくれを観察し、以下の基
準で評価した。
【0051】○ 片側の最大ふくれ幅が1mm以下 △ 片側の最大ふくれ幅が1mm超、3mm以下 × 片側の最大ふくれ幅が3mm超 (3)加工性:180度曲げ試験で曲げ先端部のめっき
皮膜の損傷状況を観察し、以下の基準で評価した。
【0052】○ 損傷ゼロもしくは微細クラックが発生
する程度 △ 大きなクラックの発生またはめっき片の剥離を部分
的に生じる。
【0053】× 広範囲にめっき剥離が認められる。 以上の評価結果を表4〜表11に示す。これら表中、本
発明例とあるのは本発明の条件を全て満たすものであ
り、比較例とあるのはいずれかの要件が本発明の範囲か
ら外れるものである。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】これらの表から明らかなように、本発明例
では比較例と比較して、耐食性、塗装性、加工性のいず
れも優れていることが確認された。 (実施例2)表1に示す鋼のうち、本発明の範囲である
鋼番号1〜3を溶解してスラブとしたものを加熱、熱間
圧延して、4.0mm厚の熱延鋼板とした。その後この鋼
板を酸洗後、冷間圧延を施して0.8mm厚とした。この
冷間圧延後の鋼板に対し、表2に示すNi−P系めっき
のうちA〜C,K〜Mに示したものを施し、焼鈍を兼ね
た拡散熱処理および調質圧延を行い、表3に示すa,d
の亜鉛系めっきを施して試験片を作成した。
【0063】このようにして作成した試験片について、
耐食性、塗装性、加工性を上述した方法および基準で評
価した。その結果を表12に示す。表12においても、
表4〜表11と同様、本発明例とあるのは本発明の条件
を全て満たすものであり、比較例とあるのはいずれかの
要件が本発明の範囲から外れるものである。
【0064】
【表12】
【0065】この表から明らかなように、この実施例か
らも本発明例では比較例と比較して、耐食性、塗装性、
加工性のいずれも優れていることが確認された。 (実施例3)表1に示す鋼のうち、本発明の範囲である
鋼番号1〜3を溶解してスラブとしたものを加熱、熱間
圧延して、4.0mm厚の熱延鋼板とした。その後この鋼
板を酸洗後、冷間圧延を施して0.8mm厚とした。この
冷間圧延後の鋼板に対し、表2に示すNi−P系めっき
のうちAに示したものを施し、焼鈍を兼ねた拡散熱処理
および調質圧延を行い、表3に示すh〜lの亜鉛系めっ
きを施して試験片を作成した。
【0066】その結果を表13に示す。表13において
も、表4〜表12と同様、本発明例とあるのは本発明の
条件を全て満たすものであり、比較例とあるのはいずれ
かの要件が本発明の範囲から外れるものである。
【0067】
【表13】 この表から明らかなように、亜鉛系めっき量が多すぎる
No.346〜348では加工性が本発明例よりも劣る
ことが確認された。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
S量を制御し、Cu,B,Tiを少量添加した鋼板を基
本とし、その上にFe−Ni−Pを主成分とする拡散合
金領域を形成し、さらにその上に亜鉛系めっき層を形成
したので、優れた加工性等を維持したまま、製造コスト
が低く、薄目付けで耐食性に優れた表面処理鋼板および
その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】S/Cu(重量比)と平均腐食深さとの関係を
示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 10/28 18/34 C25D 5/26 J 15/02 Q (72)発明者 木戸 章雅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 塩原 幸光 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.001〜0.005
    %、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.3%、
    P:0.02%以下、S:0.001〜0.01%、
    N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以下、
    Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜0.1
    %、Cu:0.05〜0.3%、B:0.0002〜
    0.002%、残部Fe及び不可避不純物からなり、重
    量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板と、 その少なくとも一方の表面に形成され、Fe−Ni−P
    を主成分とする拡散合金領域と、 さらにその上に形成され、Znめっき、もしくはZnを
    マトリックスとし、Ni,Fe,Co,Cr,Mn,T
    i,Mo,Si,Alの金属または酸化物の一種または
    二種以上を合金或いは分散粒子として含有するめっきか
    らなる亜鉛系めっき層と、 を具備することを特徴とする、薄目付けで耐食性に優れ
    た表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.001〜0.005
    %、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.3%、
    P:0.02%以下、S:0.001〜0.01%、
    N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以下、
    Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜0.1
    %、Cu:0.05〜0.3%、B:0.0002〜
    0.002%、残部Fe及び不可避不純物からなり、重
    量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板と、 その少なくとも一方の表面に形成され、Fe−Ni−P
    を主成分としW,Mo,Cr,Cuの一種または二種以
    上を含有する拡散合金領域と、 さらにその上に形成され、Znめっき、もしくはZnを
    マトリックスとし、Ni,Fe,Co,Cr,Mn,T
    i,Mo,Si,Alの金属または酸化物の一種または
    二種以上を合金或いは分散粒子として含有するめっきか
    らなる亜鉛系めっき層と、 を具備することを特徴とする、薄目付けで耐食性に優れ
    た表面処理鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.001〜0.005
    %、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.3%、
    P:0.02%以下、S:0.001〜0.01%、
    N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以下、
    Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜0.1
    %、Cu:0.05〜0.3%、B:0.0002〜
    0.002%、残部Fe及び不可避不純物からなり、重
    量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板を、酸洗した
    後焼鈍の前に、または酸洗しさらに冷間圧延した後焼鈍
    の前に、前記鋼板の少なくとも一方の表面に電気めっき
    または無電解めっきによってPを8〜18重量%含有
    し、付着量0.05g/m2 超え8g/m2 以下のNi
    −Pめっきを施し、ただちに非酸化性雰囲気で500〜
    880℃で拡散熱処理を行い、鋼板素地表面にFe−N
    i−Pを主成分とする拡散合金領域を形成し、さらにそ
    の上に電気めっき法または溶融めっき法によってZnめ
    っき、もしくはZnをマトリックスとし、Ni,Fe,
    Co,Cr,Mn,Ti,Mo,Si,Alの金属また
    は酸化物の一種または二種以上を合金或いは分散粒子と
    して含有するめっきからなる亜鉛系めっき層を形成する
    ことを特徴とする、薄目付けで耐食性に優れた表面処理
    鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.001〜0.005
    %、Si:0.1%以下、Mn:0.05〜0.3%、
    P:0.02%以下、S:0.001〜0.01%、
    N:0.004%以下、sol.Al:0.1%以下、
    Ni:0.05〜0.3%、Ti:0.005〜0.1
    %、Cu:0.05〜0.3%、B:0.0002〜
    0.002%、残部Fe及び不可避不純物からなり、重
    量比で(S/Cu)≦0.1を満たす鋼板を、酸洗した
    後焼鈍の前に、または酸洗しさらに冷間圧延した後焼鈍
    の前に、前記鋼板の少なくとも一方の表面に電気めっき
    または無電解めっきによってPを8〜18重量%、W,
    Mo,Cr,Cuの一種または二種以上を15重量%以
    下の範囲で含有し、付着量0.05g/m2 超え8g/
    2 以下のNi−Pめっきを施し、ただちに非酸化性雰
    囲気で500〜880℃で拡散熱処理を行い、鋼板素地
    表面にFe−Ni−Pを主成分とする拡散合金領域を形
    成し、さらにその上に電気めっき法または溶融めっき法
    によってZnめっき、もしくはZnをマトリックスと
    し、Ni,Fe,Co,Cr,Mn,Ti,Mo,S
    i,Alの金属または酸化物の一種または二種以上を合
    金或いは分散粒子として含有するめっきからなる亜鉛系
    めっき層を形成することを特徴とする、薄目付けで耐食
    性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非酸化性雰囲気での拡散熱処理に際
    し、連続焼鈍炉によって加熱することにより、鋼板素地
    とめっき層の界面にFe−Ni−Pを主成分とする拡散
    合金領域が形成されることを特徴とする請求項3または
    4に記載の薄目付けで耐食性に優れた表面処理鋼板の製
    造方法。
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