JPH07316076A - 制癌剤 - Google Patents

制癌剤

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JPH07316076A
JPH07316076A JP10935594A JP10935594A JPH07316076A JP H07316076 A JPH07316076 A JP H07316076A JP 10935594 A JP10935594 A JP 10935594A JP 10935594 A JP10935594 A JP 10935594A JP H07316076 A JPH07316076 A JP H07316076A
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Sumio Kawada
純男 河田
Yuji Matsuzawa
佑次 松沢
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、3−ハイドロキシ−3−メチルグル
タリルコエンザイムA還元酵素阻害剤及びプロテインフ
ァルネシル基転移酵素阻害剤を併用して有効成分とする
ことを特徴とする制癌剤を提供するものである。 【効果】3−ハイドロキシ−3−メチルグルタリルコエ
ンザイムA還元酵素阻害剤とプロテインファルネシル基
転移酵素阻害剤を併用することにより、これらの薬剤を
低濃度で使用した場合においても高い制癌作用が示され
る。従って、これらの薬剤を併用することにより、優れ
た薬理作用を示す制癌剤として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−ハイドロキシ−3
−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤とプ
ロテインファルネシル基転移酵素阻害剤を有効成分とす
る制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】3−ハイドロキシ−3−メチルグルタリ
ルコエンザイムA還元酵素は、コレステロ−ル合成系の
律速酵素であり、3−ハイドロキシ−3−メチルグルタ
リルコエンザイムAよりメバロン酸を生成する活性を有
する。その阻害剤は、血清コレステロール低下剤として
高脂血症の治療に広く用いられている(Hunninghake, C
urr. Opin. Lipidol., 3巻, 22頁 (1992))。その作用
機序は、コレステロール合成の主要臓器である肝臓のコ
レステロール合成を抑制することにより肝臓のコレステ
ロール要求性を高め、LDL受容体数を増加させて血中
からのコレステロールの消長を促進することであると考
えられている(S. M. Grundy, N. Engl. J. Med., 319
巻, 24頁 (1988) )。
【0003】また、3−ハイドロキシ−3−メチルグル
タリルコエンザイムA還元酵素阻害剤は、細胞の増殖に
必要なメバロン酸の供給を抑制することから、高い用量
における細胞増殖抑制作用が報告されている(A. Corsi
niら、Atherosclerosis, 101巻, 117 頁 (1993) )。
【0004】このような3−ハイドロキシ−3−メチル
グルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤として、メバ
スタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタ
チン等が知られている(A. Endo ら、 Nat. Prod. Re
p., 10巻、 541 頁 (1993) )。
【0005】一方、プロテインファルネシル基転移酵素
は、メバロン酸経路で合成されるファルネシル二リン酸
を基質として、細胞質タンパクにファルネシル基を転移
する活性を有している。癌遺伝子産物であるp21Ras
低分子GTP結合タンパクは、C末端のシステイン残基
がファルネシル基により修飾され活性化される。したが
って、癌細胞においては、プロテインファルネシル基転
移酵素活性が上昇しているものと考えられている(J.
B. Gibbs, Cell, 65 巻, 1頁 (1991))。
【0006】本酵素の阻害剤の一つであるd−リモネン
及びその代謝物は、齧歯類の乳癌細胞に対する増殖抑制
効果を有することが知られている(P.L. Crowellら J.
Biol. Chem., 266巻, 17679 頁 (1991) )。これらの化
合物は正常細胞の増殖は抑制しないことより、d−リモ
ネンは癌細胞において活性が上昇したプロテインファル
ネシル基転移酵素を阻害するが、正常細胞における正常
レベルのプロテインファルネシル基転移酵素については
阻害しないと考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、3−ハ
イドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元
酵素阻害剤とプロテインファルネシル基転移酵素阻害剤
を併用することにより、これらの薬剤を低濃度で使用し
た場合においても高い制癌作用を示すことを見出し、本
発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)3−ハ
イドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元
酵素阻害剤及びプロテインファルネシル基転移酵素阻害
剤を併用して有効成分とすることを特徴とする制癌剤に
関する。
【0009】特に、(2)(1)記載の制癌剤のうち、
以下の一般式(I)で示される化合物:
【0010】
【化16】
【0011】[式中、R1 は、一般式(II)で示され
る基:
【0012】
【化17】
【0013】(式中、Xは炭素数1乃至8個を有する直
鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を示し、Yは水素原子、
水酸基又はメチル基を示す。)、下記式(III)で示
される基:
【0014】
【化18】
【0015】下記式(IV)で示される基:
【0016】
【化19】
【0017】又は下記式(V)で示される基:
【0018】
【化20】
【0019】を示す。]又はその開環体又はその塩又は
そのエステル体の1種又は2種以上、及び、下記式(V
I)で示される化合物
【0020】
【化21】
【0021】下記式(VII)で示される化合物
【0022】
【化22】
【0023】又は下記式(VIII)で示される化合物
【0024】
【化23】
【0025】の1種又は2種以上を併用して有効成分と
することを特徴とする制癌剤に関する。
【0026】本発明において好ましくは、(3)(1)
又は(2)記載の制癌剤のうち、以下の一般式(IX)
で示される化合物:
【0027】
【化24】
【0028】[式中、R2 は、一般式(II)で示され
る基:
【0029】
【化25】
【0030】(式中、X及びYは前述したものと同意義
を示す。)]又はその開環体又はその塩又はそのエステ
ル体の1種又は2種以上、及び、下記式(VI)で示さ
れる化合物
【0031】
【化26】
【0032】下記式(VII)で示される化合物
【0033】
【化27】
【0034】又は下記式(VIII)で示される化合物
【0035】
【化28】
【0036】の1種又は2種以上を併用して有効成分と
することを特徴とする制癌剤であり、最適には、(4)
(1)、(2)又は(3)記載の制癌剤のうち、下記式
(X)で示される化合物
【0037】
【化29】
【0038】及び下記式(VI)で示される化合物
【0039】
【化30】
【0040】を併用して有効成分とすることを特徴とす
る制癌剤、に関するものである。
【0041】本発明で用いられる3−ハイドロキシ−3
−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤とし
ては、例えば、上記一般式(I)又は一般式(IX)で
示される化合物が好適に用いられ、さらに好適には、一
般式(IX)で示される化合物が用いられる。
【0042】一般式(I)において基R1 が一般式(I
I)で示される場合、及び一般式(IX)において基R
2 が一般式(II)で示される場合、Xは炭素数1乃至
8個を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を示す。
【0043】ここで炭素数1乃至8個を有する直鎖状又
は分枝鎖状のアルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、1,1-ジメチルプロピル、
ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、
イソペンチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチ
ルプロピル、ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペ
ンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジ
メチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチ
ル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジ
メチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、オクチルを
挙げることができ、好適には炭素数1 乃至5 個の直鎖又
は分枝鎖アルキル基を挙げることができる。
【0044】一般式(I)において、基R1 が一般式
(II)で示される場合、Yは水素原子、水酸基又はメ
チル基を示し、好適には水酸基、メチル基であり、更に
好適には水酸基である。
【0045】前記一般式(II)で示される基のうち、
最適には、Xは炭素数1乃至8個を有する直鎖状又は分
枝鎖状のアルキル基であり、Yが水酸基である基であ
る。
【0046】前記化合物(I)を有する化合物の開環体
とは、下記式(XI)で示される化合物をいう。
【0047】
【化31】
【0048】[式中、R3 は、前述したR1 と同意義を
示す。] 前記化合物(IX)を有する化合物の開環体とは、下記
式(XII)で示される化合物をいう。
【0049】
【化31】
【0050】[式中、R4 は、前述したR2 と同意義を
示す。] 前記一般式(I)又は(IX)を有する化合物の開環体
の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩が好ましい。
【0051】前記一般式(I)又は(IX)を有する化
合物の開環体のエステル体としては、例えば、炭素数1
乃至8個を有するアルキルエステル体であり、このよう
なアルキルとしては前述のXで述べたアルキル基と同様
のものを挙げることができる。
【0052】本発明で使用される一般式(I)で示され
る化合物のうちR1 が一般式(II)で示される基であ
る具体的な化合物、及び、一般式(IX)で示される化
合物のうちR2 が一般式(II)で示される基である具
体的な化合物として、以下の表1で掲げるものが挙げら
れる。なお、表中、H は水素原子、OHは水酸基を示す。
【0053】
【表1】 これらのうち、好適な化合物としては、化合物番号19、
20、21、42の化合物であり、さらに好適には、化合物番
号20の化合物である。
【0054】化合物番号19の化合物はメバスタチン(J.
Antibiot., 29巻、1346頁 (1976))、20の化合物(式
(X)で示される化合物)の開環体はプラバスタチン・
ナトリウム(J. Antibiot., 36巻、887 巻 (1983) )、
21の化合物はロバスタチン(J. Antibiot., 32巻、852
頁 (1979) )として公知の化合物である。また、化合物
番号40の化合物は、シンバスタチン(特開昭56-122375
号:J. Med. Chem. 29, 849-852, (1986) )として公知
の化合物である。
【0055】一般式(I)において基R1 が一般式(I
I)で示される化合物、及び一般式(IX)において基
2 が一般式(II)で示される化合物の製造法は、例
えば、特開昭56-122375 号、特開昭56-138181 号、J.A
m.Chem.Soc.,112, 3018 (1990) 、J.Org.Chem.57,7133-
7139 (1992)等に記載されている。
【0056】また、本発明で使用される一般式(I)で
示される化合物のうち、R1 が式(III)、(IV)
または(V)で示される基である化合物も好適な化合物
である。
【0057】このうち、R1 が式(III)で示される
化合物はHR−780(Tetrahedron Lett., 31 巻、25
45頁 (1990) )、R1 が式(IV)で示される化合物は
BMY22089(J. Med. Chem., 32 巻、 2038頁 (19
89) )、R1 が式(V)で示される化合物はダルバスタ
チン(Eur. J. Med., Chem., 27 巻、 735 頁 (1992))
としてそれぞれ公知の化合物である。
【0058】本発明で用いられるプロテインファルネシ
ル基転移酵素阻害剤としては、前述した式(VI)(V
II)及び/又は(VIII)で示される化合物が好適
であり、特に、式(VI)で示される化合物が好適に用
いられる。
【0059】式(VI)で示される化合物はd−リモネ
ンとして公知の化合物であり(Helv. Chim. Acta., 46
巻、 1480頁 (1963) )、式(VII)、(VIII)で
示される化合物は、その代謝物として公知の化合物であ
る(J. Agric. Food Chem.,24巻、377頁、 (1976))。ま
た、これらがプロテインファネルシル基転移酵素を阻害
することも公知である(J. Biol. Chem., 266 巻、 1767
9 頁 (1991) )。
【0060】本発明において、3−ハイドロキシ−3−
メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤及びプ
ロテインファルネシル基転移酵素阻害剤を併用して投与
する場合、種々の形態で併用投与される。その投与形態
としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、
シロップ剤等による経口投与、または、静脈内、筋肉内
もしくは皮下の注射剤、点滴剤、座剤等による非経口投
与をあげることができる。これらの各種製剤は、常法に
したがって、2種の主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑
沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング
剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既
知の補助剤を用いて製剤化することができる。その使用
量は、症状、年齢、体重、投与方法によって異なるが、
通常は成人対して1日3−ハイドロキシ−3−メチルグ
ルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤を 2〜80 mg 、
プロテインファルネシル基転移酵素阻害剤を 20 〜800
mg併用投与することができる。
【0061】
【作用】本発明で使用される二種の化合物の併用による
制癌作用は以下の方法で測定することができる。
【0062】すなわち、二種の化合物が含まれる培地に
おけるヒト癌細胞とヒト正常細胞のDNAの合成能を比
較することにより、ヒト癌細胞に対する特異的な阻害効
果を測定することができる。この場合、それぞれ一種の
化合物しか含まない培地に比較して二種の化合物を添加
した培地を使用したときのヒト癌細胞に対する特異的な
阻害効果を見ることにより、二種の化合物の併用効果を
算定することができる。
【0063】ヒト癌細胞としては、培養が可能な細胞株
ならばいずれのものも使用し得るが、肝癌やリンパ腫由
来の細胞株が好適に用いられる。肝癌由来の細胞株がさ
らに好適に用いられ、最適には、HepG2 株である。
【0064】ヒト正常細胞としては、培養が可能な細胞
ならばいずれのものも使用し得るが、好適にはヒト皮膚
繊維芽細胞である。さらに好適には、5 〜20代の細胞で
ある。培養に使用される培地としては、これらの細胞の
培養が可能な培地であればいずれのものも使用し得る
が、ウシ胎児血清含有ダルベッコ変法イーグル培地にて
培養したことが好ましい。
【0065】細胞のDNA合成能は、 3H−チミジンの
細胞への取り込みを測定することにより算定することが
できる。
【0066】
【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0067】実施例1 3−ハイドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイム
A還元酵素阻害剤としてプラバスタチンナトリウム、プ
ロテインファルネシル基転移酵素としてd−リモネンを
用い、ヒト肝癌由来細胞株 HepG2 (癌細胞)とヒト皮
膚繊維芽細胞(正常細胞)への影響を調べた。
【0068】プラバスタチンナトリウムは J. Org. Che
m. 57, 7133-7139, (1992)記載の方法で得た。d−リモ
ネンは、アルドリッチ社よりガスクロマトグラフ99% の
純度のものを購入した。
【0069】ヒト肝癌由来細胞株 HepG2 はアメリカン
・タイプ・オブ・セル・カルチャ−(ATCC HB 8065)よ
り入手した。ヒト皮膚繊維芽細胞は正常人よりバイオプ
シーにて取得し、実験には継代数 5〜20代の細胞を用い
た。これらの細胞は通常はウシ胎児血清含有ダルベッコ
変法イーグル培地にて培養した。
【0070】細胞のDNA合成能は、 3H−チミジンの
細胞への取り込みを測定することにより算定した。
【0071】DNA合成の測定において培地中で用いた
ヒトLDLは、超遠心法により調製した(M.S. Brown
ら、Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 71巻, 788 頁
(1974) )。すなわち、健常人より 0.1% EDTA存在
下で血液を採取し、10℃、2500rpm で 15 分間の遠心
に付して血清を得た。得られた血清に臭化ナトリウムを
添加して比重を 1.019 に調整した後、10℃、40,000 r
pm で 20 時間の超遠心操作に付して上層をLDL画分
とした。LDL画分は生理食塩水にて 24 時間の透析に
付した後使用した。
【0072】DNA合成を測定するため、各細胞を96穴
マイクロプレートに 3.2×103/ウェルの密度で、2%BS
A、200 μg/ml ヒトLDL含有ダルベッコ変法イーグ
ル培地にて、プラバスタチンナトリウム、d−リモネン
の存在下又は非存在下で培養した。プラバスタチンは
0.1 mM 、d−リモネンは 1 mM の濃度でそれぞれ使用
した。
【0073】培養開始24時間経過後、 3H−チミジン
(37kBq/ウェル)を添加した。添加より2時間経過後、
細胞内への 3H−チミジンの取り込みを量を測定するこ
とによりDNA合成能を求めた。
【0074】細胞増殖の測定は、細胞を 60 mm ディッ
シュに 1.5 × 105/ ウェルの濃度で巻き、阻害剤存在
下で 72 時間培養し、細胞数をカウントすることにより
行った。ヒト肝癌由来細胞株 HepG2 についての実験結
果を図1に示す。
【0075】図中、横軸は、P:プラバスタチンナトリ
ウム単独添加、L:d−リモネン単独添加、P+L:プ
ラバスタチンとd−リモネンの併用添加を表す。縦軸
は、非添加の場合を 100% として、DNAの合成率を表
す。
【0076】0.1 mM プラバスタチン又は 1 mM d−リ
モネン単独添加ではDNA合成の有為な抑制は見られな
かったが、両阻害剤の併用添加により、DNA合成は非
添加の場合の50% まで低下した。
【0077】細胞増殖は、両阻害剤の単独添加では有為
な抑制は見られなかったが、併用添加により非添加の場
合の約35% まで低下した。
【0078】また、ヒト皮膚繊維芽細胞について同様の
実験を行った結果を図2に示す。
【0079】図中、横軸のP、L、P+L及び縦軸は図
1と同意義を示す。
【0080】0.1 mM プラバスタチン又は 1 mM d−リ
モネン単独添加ではDNA合成の有為な抑制は見られ
ず、また、併用添加においても、DNA合成に有為な低
下は見られなかった。さらに、細胞増殖においても、単
独添加及び併用添加の間で差は見られなかった。
【0081】この結果より、正常細胞においては、プラ
バスタチンとd−リモネンの併用添加は細胞DNAの合
成や細胞増殖に影響を与えず、これらの併用添加は癌細
胞特異的な効果であることが明らかになった。
【0082】製剤例1 処方 プラバスタチン 10 mg リモネン 100 mg 乳糖 100 mg トウモロコシ澱粉 148.8 mgステアリン酸ナトリウム 1.2 mg 全量 360 mg 上記処方の粉末を混合し、20 メッシュのふるいを通し
たのち、この粉末 340mg を2号ゼラチンカプセルに入
れ、カプセル剤とした。
【0083】
【発明の効果】以上のように、3−ハイドロキシ−3−
メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤とプロ
テインファルネシル基転移酵素阻害剤を併用することに
より、これらの薬剤を低濃度で使用した場合においても
高い制癌作用が示される。従って、これらの薬剤を併用
することにより、優れた薬理作用を示す制癌剤として使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト肝癌細胞由来株 HepG2 のDNA合成に対
するプラバスタチンナトリウム及び/またはd−リモネ
ンの抑制効果図
【図2】ヒト皮膚繊維芽細胞のDNA合成に対するプラ
バスタチンナトリウム及び/またはd−リモネンの抑制
効果図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/44 C07D 405/06 213 257 // C07D 309/30 D (A61K 31/365 31:015) (A61K 31/365 31:19) (A61K 31/41 31:015) (A61K 31/41 31:19) (A61K 31/44 31:015) (A61K 31/44 31:19) (C07D 405/06 213:24 309:30) (C07D 405/06 257:04 309:30)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−ハイドロキシ−3−メチルグルタリル
    コエンザイムA還元酵素阻害剤及びプロテインファルネ
    シル基転移酵素阻害剤を併用して有効成分とすることを
    特徴とする制癌剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載の制癌剤のうち、 以下の一般式(I)で示される化合物: 【化1】 [式中、R1 は、一般式(II)で示される基: 【化2】 (式中、Xは炭素数1乃至8個を有する直鎖状又は分枝
    鎖状のアルキル基を示し、Yは水素原子、水酸基又はメ
    チル基を示す。)、下記式(III)で示される基: 【化3】 下記式(IV)で示される基: 【化4】 又は下記式(V)で示される基: 【化5】 を示す。]又はその開環体又はその塩又はそのエステル
    体の1種又は2種以上、及び、下記式(VI)で示され
    る化合物、 【化6】 下記式(VII)で示される化合物、 【化7】 又は下記式(VIII)で示される化合物 【化8】 の1種又は2種以上を併用して有効成分とすることを特
    徴とする制癌剤。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の制癌剤のうち、 以下の一般式(IX)で示される化合物: 【化9】 [式中、R2 は、一般式(II)で示される基: 【化10】 (式中、Xは炭素数1乃至8個を有する直鎖状又は分枝
    鎖状のアルキル基を示し、Yは水素原子、水酸基又はメ
    チル基を示す。)を示す。]又はその開環体又はその塩
    又はそのエステル体の1種又は2種以上、及び、下記式
    (VI)で示される化合物、 【化11】 下記式(VII)で示される化合物、 【化12】 又は下記式(VIII)で示される化合物、 【化13】 の1種又は2種以上を併用して有効成分とすることを特
    徴とする制癌剤。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の制癌剤のうち、
    下記式(X)で示される化合物 【化14】 及び下記式(VI)で示される化合物 【化15】 を併用して有効成分とすることを特徴とする制癌剤。
JP10935594A 1994-05-24 1994-05-24 制癌剤 Withdrawn JPH07316076A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10935594A JPH07316076A (ja) 1994-05-24 1994-05-24 制癌剤

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EP0856315A1 (en) * 1995-08-09 1998-08-05 Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. Medicinal composition
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