JPH07315837A - Ba2Ti9O20粉体の製造方法 - Google Patents
Ba2Ti9O20粉体の製造方法Info
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- JPH07315837A JPH07315837A JP6108425A JP10842594A JPH07315837A JP H07315837 A JPH07315837 A JP H07315837A JP 6108425 A JP6108425 A JP 6108425A JP 10842594 A JP10842594 A JP 10842594A JP H07315837 A JPH07315837 A JP H07315837A
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Abstract
面活性が高く低温焼結性のBa2 Ti9 O20単一相の粉
体の製造方法を提供する。 【構成】水酸化バリウム溶液、重合度4〜5のチタンア
ルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドを水酸化ア
ルカリの存在下で60〜95℃で反応させて沈殿物を得
た後、該沈殿物を700〜800℃で熱処理する。
Description
20で表されるチタン酸バリウム粉体の製造方法に関す
る。
ン酸バリウム粉体の製造方法としては、次のような方法
が提案されている。
を1:4.5の比率で混合した後、高温で仮焼してBa
2 Ti9 O20を得る方法。
4.5の比率で混合し熔融させた後、非常にゆっくりと
冷却しながら結晶化させてBa2 Ti9 O20を得る方
法。
造方法それぞれにおいて、以下に示すような問題点を有
していた。
ム粉体と酸化チタン粉体を混合するため、分子レベルで
均一に分散させることが不可能であった。即ち、130
0℃という高温で仮焼することにより、マクロ的には結
晶学的に目的とするBa2 Ti9 O20相を示すものが得
られるが、ミクロ的には目的とする結晶以外の相も生成
した。
クリンカー状の非常に硬いBa2 Ti9 O20を粉砕して
微細な粉体を得るためには、剪断エネルギーの大きな粉
砕装置を用いて粉砕処理する必要があり、このときに粉
砕装置の内壁あるいはメディアの磨耗物が不純物として
Ba2 Ti9 O20に混入した。
i9 O20粉体の表面活性は低いため、この粉体を用いて
焼結体を得るためには焼成温度を高くしなければならな
かった。
方法としては適しているが、徐冷して結晶化させるのに
非常に長時間を要した。
に、得られた単結晶を剪断力の大きな粉砕装置を用いて
粉砕処理する必要があり、このときに粉砕装置の内壁あ
るいはメディアの磨耗物が不純物として混入した。
2 Ti9 O20ばかりでなくモル比の違ったチタン酸バリ
ウム化合物(例えば、BaTi4 O9 、BaTi5 O11
等)が生成した。
決して、粒径が微細で比表面積が大きく、したがって表
面活性が高く低温焼結性のBa2 Ti9 O20単一相の粉
体の製造方法を提供することにある。
め、本発明のBa2 Ti9 O20粉体の製造方法は、水酸
化バリウム溶液、重合度4〜5のチタンアルコキシドお
よびアルミニウムアルコキシドを水酸化アルカリの存在
下で60〜95℃で反応させて沈殿物を得た後、該沈殿
物を700〜800℃で熱処理することを特徴とする。
8〜4.548):(0.011〜0.064)のモル
比、かつ、水酸化バリウム:水酸化アルカリ=1:(1
〜4)のモル比の条件で反応させることを特徴とする。
およびLiOHのうちの少なくとも1種類であることを
特徴とする。
水酸化アルカリに代えて、水酸化アンモニウムおよび有
機アミンのうちの少なくとも1種類を用いることを特徴
とする。
5のチタンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシ
ドを反応させた後、炭酸イオンまたは炭酸ガスを添加す
ることを特徴とする。
4〜5のチタンアルコキシドおよびアルミニウムアルコ
キシドを水酸化アルカリの存在下でイオン反応的に反応
させることにより、分子レベルでミクロ的に均一な沈殿
物が得られる。そして、その後、この沈殿物を700〜
800℃で熱処理することにより微細で比表面積が大き
く、したがって表面活性が高い低温焼結性のBa2 Ti
9 O20粉体が得られる。
ルコキシドを反応させる方法では、BaTiO3 とTi
O2 ・nH2 Oしか得られず、目的のBa2 Ti9 O20
を合成することは不可能である。ところが、本発明の方
法では、目的のBa2 Ti9O20を優先的に生成させる
ために、重合度4〜5のオリゴマー型チタンアルコキシ
ドおよびアルミニウムアルコキシドを共存させた条件で
反応させる。
ンアルコキシドと水酸化バリウムを反応させた場合、
(RO)3 [Ti−O]n R{但し、nはチタンアルコ
キシドの重合度で4〜5、Rはアルコキシ基のアルキル
基}の加水分解およびOH- の攻撃を受けて(OH)5
[Ti−O]n H2-という中間体錯イオンを形成し、こ
の中間体錯イオンとBa2+がイオン反応的に反応してB
aTin O2n+1のチタン酸バリウムを生成する。しかし
ながら、オリゴマー型チタンアルコキシドの重合度
(n)は整数であって4.5という半端なものは存在し
ないので、n=4あるいはn=5またはこれらの混合相
のチタン酸バリウムとなってしまう。
て、BaAl2 Ti6 O16の結晶を生成させるアルミニ
ウムアルコキシドを添加共存させて反応を行なってい
る。このBaAl2 Ti6 O16とBa2 Ti9 O20の結
晶学的数値を示すと表1のようである。
i9 O20とBaAl2 Ti6 O16とは結晶構造的に非常
によく似た構造を有している。したがって、BaAl2
Ti6 O16の結晶を生成させることによって、このBa
Al2 Ti6 O16を結晶核として、Ba2 Ti9 O20が
優先的に生成するようになる。
=1:(4.508〜4.548):(0.011〜
0.064)のモル比で反応させることにより、焼結磁
器としたときに高いQ値を得ることができるBa2 Ti
9 O20単相の粉体を得ることができる。
るバリウムの量をストイキオメトリー(化学量論比)通
りにして、触媒として作用するOH- の不足分について
はアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムあるいは
有機アミンを添加共存させることで反応の促進を図って
いる。したがって、余剰のバリウムイオンを洗浄除去す
る必要がないのでモル比調整が容易である。
i9 O20の粉体は難溶性であるけれども、ごく微量では
あるが溶解してバリウムイオンが溶出する。この溶出し
たバリウムイオンに炭酸イオンを反応させて不溶性の炭
酸バリウムを生成させることで、Ba2 Ti9 O20化合
物のモル比のずれを防止することができる。
濾別分離した濾液は、次回のBa2Ti9 O20生成反応
のアルカリ溶液として再利用が可能で、コスト低減に有
効であるばかりでなく、排出時に中和処理が必要な廃液
の量を減じることができて公害処理費用の低減につなが
る。
方法について、その実施例を説明する。
酸化バリウム、4〜5量体(重合度4〜5)のTiイソ
プロポキシドとAlイソプロポキシドを混合したIPA
溶液および水酸化ナトリウムを90〜95℃に加温した
純水600cc中に投入した。その後、90℃に加温
し、かつ、反応溶液の容量を600ccに保つように沸
騰純水を添加しながら3時間反応させた。その後、炭酸
ナトリウムをBa2 Ti9 O20に対して2モル%添加し
て溶解バリウムの不溶化処理を行なった。
純水でNa+ を洗浄除去した。このとき、洗浄液のpH
が10以下にならないように、N,N´−ジメチルベン
ジルアミンを添加しながら洗浄を行なった。その後、洗
浄済みの沈殿物を熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥粉体を7
50℃で2時間熱処理をおこないBa2 Ti9 O20粉体
を得た。なお、表2において、*印は本発明の範囲外で
ある。
D)分析、比表面積(SS)の測定、およびこの粉体を
成形し焼成して共振器用磁器としたときのQ値の測定を
行なった。その結果を表3に示す。
5になるように、炭酸バリウムおよび酸化チタンを各々
正確に秤量しポリエチレン製ポットに入れ、直径5mm
のPSZ玉石を粉砕メディアとして粉砕混合した。次
に、得られた混合粉体を1300℃で2時間仮焼してチ
タン酸バリウム粉体を得た。その後、実施例と同様に、
得られた粉体のX線回折(XRD)分析を行なった。そ
の結果を表3に示す。
例においてはBa2 Ti9 O20以外に2次相が生成して
いるのに対し、本発明の製造方法で得た試料No.1〜
2は、それぞれBa2 Ti9 O20の単相になっている。
またSSの測定の結果、試料No.1〜2の粉体は21
〜23m2 /gと、従来の炭酸塩あるいは酸化物粉体の
仮焼、粉砕により得られる粉体の10倍近くの比表面積
を有しており、本発明の方法で得られるBa2 Ti9 O
20は非常に微細な粉体であることを示している。なお、
電子顕微鏡観察の結果によると、50〜60nmの一次
粒子が集まって0.1〜0.2μmの二次粒子となって
いることが判明している。さらに、この粉体を成形し焼
成して共振器用磁器としたときのQ値は、8000以上
と高い値を示している。
Ti:Al=1:4.504:0.005のモル比、即
ちBaAl2 Ti6 O16のBa2 Ti9 O20に対する共
存比率が0.1モル未満の場合は、Q値が低下するとと
もに結晶学的に2次相が生成して好ましくない。一方、
試料No.4に示すように、Ba:Ti:Al=1:
4.552:0.069のモル比、即ちBaAl2 Ti
6 O16のBa2 Ti9 O20に対する共存比率が0.6モ
ルを超える場合は、Q値が低下し好ましくない。
リとして水酸化ナトリウムを用いているが、本発明はこ
れのみに限定されるものではない。即ち、水酸化ナトリ
ウム以外に水酸化カリウムまたは水酸化リチウムを用い
ることができる。さらに、上記水酸化アルカリととも
に、または水酸化アルカリに代えて、水酸化アンモニウ
ムおよびメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、アリルアミン、エチレン
ジアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン等
の有機アミンのうちの少なくとも1種類を用いることも
できる。
の不溶化処理のために炭酸ナトリウムを用いているが、
これのみに限定されるものではない。即ちアルカリ金属
の炭酸塩である炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウムおよび炭酸アンモニウムのうち少なくとも1つ、
または炭酸ガスを適宜用いることができる。
Ba2 Ti9 O20粉体の製造方法は、水酸化バリウム溶
液、重合度4〜5のチタンアルコキシドおよびアルミニ
ウムアルコキシドを水酸化アルカリの存在下で反応させ
た後、得られた沈殿物を700〜800℃という低い温
度で熱処理するものである。
く、したがって表面活性が高く低温焼結性のBa2 Ti
9 O20単一相の粉体を得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水酸化バリウム溶液、重合度4〜5のチ
タンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドを水
酸化アルカリの存在下で60〜95℃で反応させて沈殿
物を得た後、該沈殿物を700〜800℃で熱処理する
ことを特徴とするBa2 Ti9 O20粉体の製造方法。 - 【請求項2】 Ba:Ti:Al=1:(4.508〜
4.548):(0.011〜0.064)のモル比、
かつ、水酸化バリウム:水酸化アルカリ=1:(1〜
4)のモル比の条件で反応させることを特徴とする請求
項1記載のBa2 Ti9 O20粉体の製造方法。 - 【請求項3】 水酸化アルカリはNaOH,KOHおよ
びLiOHのうちの少なくとも1種類であることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載のBa2 Ti9 O
20粉体の製造方法。 - 【請求項4】 水酸化アルカリとともに、または水酸化
アルカリに代えて、水酸化アンモニウムおよび有機アミ
ンのうちの少なくとも1種類を用いることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のBa2 Ti9 O20粉体
の製造方法。 - 【請求項5】 水酸化バリウム溶液、重合度4〜5のチ
タンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドを反
応させた後、炭酸イオンまたは炭酸ガスを添加すること
を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載のB
a2 Ti9 O20粉体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10842594A JP3575057B2 (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | Ba2Ti9O20粉体の製造方法 |
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JP10842594A JP3575057B2 (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | Ba2Ti9O20粉体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07315837A true JPH07315837A (ja) | 1995-12-05 |
JP3575057B2 JP3575057B2 (ja) | 2004-10-06 |
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JP10842594A Expired - Fee Related JP3575057B2 (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | Ba2Ti9O20粉体の製造方法 |
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JP (1) | JP3575057B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019178048A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 戸田工業株式会社 | チタン酸バリウム粒子粉末及びその製造方法、並びに分散体 |
-
1994
- 1994-05-23 JP JP10842594A patent/JP3575057B2/ja not_active Expired - Fee Related
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