JPH07315285A - 液化ガスタンクの浮上防止装置 - Google Patents
液化ガスタンクの浮上防止装置Info
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- JPH07315285A JPH07315285A JP11111394A JP11111394A JPH07315285A JP H07315285 A JPH07315285 A JP H07315285A JP 11111394 A JP11111394 A JP 11111394A JP 11111394 A JP11111394 A JP 11111394A JP H07315285 A JPH07315285 A JP H07315285A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 サイドフレームの上端部を延設し、その延設
部を船体側支持台となすことにより構造簡単で強度面で
も優れた浮上防止装置を提供する。 【構成】 上甲板１と船側外板２との隅部に斜底板３に
よって区画形成されたトップサイドタンク５を有する船
体構造において、ホールド４内に自立的に形成され、そ
のタンク外壁面７が断熱材８により覆われた液化ガスタ
ンク９の浮上防止装置Ｓを船体側支持台Ｓ1 とタンク側
支持台Ｓ2 とで形成する。船側外板２内面に上下方向に
走るサイドフレーム６の上端部をトップサイドタンク５
の斜底板３に沿って液化ガスタンク外壁面７と所定間隔
をもって延設し、その延設部１２を船体側支持台Ｓ1 と
成し、タンク側支持台Ｓ2 としては断熱性を有するライ
ナー材１３を直接タンク外壁面７に取り付けることによ
り形成する。
部を船体側支持台となすことにより構造簡単で強度面で
も優れた浮上防止装置を提供する。 【構成】 上甲板１と船側外板２との隅部に斜底板３に
よって区画形成されたトップサイドタンク５を有する船
体構造において、ホールド４内に自立的に形成され、そ
のタンク外壁面７が断熱材８により覆われた液化ガスタ
ンク９の浮上防止装置Ｓを船体側支持台Ｓ1 とタンク側
支持台Ｓ2 とで形成する。船側外板２内面に上下方向に
走るサイドフレーム６の上端部をトップサイドタンク５
の斜底板３に沿って液化ガスタンク外壁面７と所定間隔
をもって延設し、その延設部１２を船体側支持台Ｓ1 と
成し、タンク側支持台Ｓ2 としては断熱性を有するライ
ナー材１３を直接タンク外壁面７に取り付けることによ
り形成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、液化ガス
タンクの浮上防止装置の改良に係り、詳しくは、ＬＰＧ
船等の液化ガス運搬船における船側外板補強用のサイド
フレームの上端部を延設してその延設部を船体側の浮力
支持台とし、タンク側支持台もライナー材を直接タンク
外壁面に設ける等により構成した、構造的に簡素で信頼
性の高い液化ガスタンクの浮上防止装置に関する。
タンクの浮上防止装置の改良に係り、詳しくは、ＬＰＧ
船等の液化ガス運搬船における船側外板補強用のサイド
フレームの上端部を延設してその延設部を船体側の浮力
支持台とし、タンク側支持台もライナー材を直接タンク
外壁面に設ける等により構成した、構造的に簡素で信頼
性の高い液化ガスタンクの浮上防止装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】図４(a) （船体横断面図）に示すような
ＬＰＧ船等の液化ガス運搬船では、ホールド（貨物艙）
３１区画内に方形の独立の液化ガスタンク３２が自立的
に形成され、このタンク３２内にプロパン、ブタン等の
液化ガスを収容して航行する。
ＬＰＧ船等の液化ガス運搬船では、ホールド（貨物艙）
３１区画内に方形の独立の液化ガスタンク３２が自立的
に形成され、このタンク３２内にプロパン、ブタン等の
液化ガスを収容して航行する。
【０００３】その場合、国際規則上の要求により、万
一、ホールド３１内に海水が浸入した場合に液化ガスタ
ンク３２が浮上し船体構造Ｈを傷つけぬように浮上防止
装置３３の設置が義務づけられている。なお、タンク３
２底面にも支持台３４が配設されている。
一、ホールド３１内に海水が浸入した場合に液化ガスタ
ンク３２が浮上し船体構造Ｈを傷つけぬように浮上防止
装置３３の設置が義務づけられている。なお、タンク３
２底面にも支持台３４が配設されている。
【０００４】図４(b) は同図(a) の船側部分の拡大図
で、浮上防止装置の一例（従来例１）である。この従来
例における船体構造Ｈは、ばら積み運搬船タイプの構造
をしている。つまり、上甲板３５と船側外板３６との隅
部にトップサイドタンク３７を有し、船側外板３６の内
面にその上端がトップサイドタンク３７の斜底板３７ａ
に当接するサイドフレーム３８を有している。サイドフ
レーム３８は船の長手方向に一定間隔で配設されてお
り、トップサイドタンク３７の大骨（トランスリング）
４０の位置には必ずサイドフレーム３８が設けられてい
る。３９はデッキトランスである。かかる船体骨組構造
に沿うように独立の液化ガスタンク３２がホールド３１
内に形設されており、タンク壁３２ａの外面には所定厚
さの断熱材３２ｂが貼着されている。そして、トップサ
イドタンク３７の下面に浮上防止装置３３を構成する船
体側支持台３３Ａ及びこれに対向するタンク側にタンク
側支持台３３Ｂが配設され、両者の間に船体側支持台３
３Ａ側に取着された断熱用ライナー材３３ａが設けられ
ている。船体中央位置でも同様な浮上防止装置３３が配
設されている。これら浮上防止装置３３は船の長手方向
に一定間隔で配設されており、タンク浮上時の荷重を分
担支持するようになっている。
で、浮上防止装置の一例（従来例１）である。この従来
例における船体構造Ｈは、ばら積み運搬船タイプの構造
をしている。つまり、上甲板３５と船側外板３６との隅
部にトップサイドタンク３７を有し、船側外板３６の内
面にその上端がトップサイドタンク３７の斜底板３７ａ
に当接するサイドフレーム３８を有している。サイドフ
レーム３８は船の長手方向に一定間隔で配設されてお
り、トップサイドタンク３７の大骨（トランスリング）
４０の位置には必ずサイドフレーム３８が設けられてい
る。３９はデッキトランスである。かかる船体骨組構造
に沿うように独立の液化ガスタンク３２がホールド３１
内に形設されており、タンク壁３２ａの外面には所定厚
さの断熱材３２ｂが貼着されている。そして、トップサ
イドタンク３７の下面に浮上防止装置３３を構成する船
体側支持台３３Ａ及びこれに対向するタンク側にタンク
側支持台３３Ｂが配設され、両者の間に船体側支持台３
３Ａ側に取着された断熱用ライナー材３３ａが設けられ
ている。船体中央位置でも同様な浮上防止装置３３が配
設されている。これら浮上防止装置３３は船の長手方向
に一定間隔で配設されており、タンク浮上時の荷重を分
担支持するようになっている。
【０００５】図５(a)(b)は実開昭６３−３２０９７号公
報に記載の浮上防止装置の他の例（従来例２）である。
この従来例の浮上防止装置を形成している支持部材４１
はデッキトランス４２の面材４３上に設けてある。しか
も、この支持部材４１は、液化ガスタンク４４と相対向
する位置にあるデッキトランス４２の面材４３の一部が
拡幅され、その拡幅部４３ａの全てに配設されている。
支持部材４１は直方体状に形成され、その両側をブラケ
ット４１ａにて挟持固定されており、その重力方向の厚
さＤはタンクの保冷材４５の厚さｄ以上になっている。
従って、ホールド区画内に海水が浸入した場合には、支
持部材４１が保冷材４５を圧壊して液化ガスタンク４４
の頂板に到達し、これにより支持部材４１を介して液化
ガスタンク４４が船体部に支承される。
報に記載の浮上防止装置の他の例（従来例２）である。
この従来例の浮上防止装置を形成している支持部材４１
はデッキトランス４２の面材４３上に設けてある。しか
も、この支持部材４１は、液化ガスタンク４４と相対向
する位置にあるデッキトランス４２の面材４３の一部が
拡幅され、その拡幅部４３ａの全てに配設されている。
支持部材４１は直方体状に形成され、その両側をブラケ
ット４１ａにて挟持固定されており、その重力方向の厚
さＤはタンクの保冷材４５の厚さｄ以上になっている。
従って、ホールド区画内に海水が浸入した場合には、支
持部材４１が保冷材４５を圧壊して液化ガスタンク４４
の頂板に到達し、これにより支持部材４１を介して液化
ガスタンク４４が船体部に支承される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ホールド区画内に海水
が浸入した場合のタンクの浮力は非常に大きいため、上
記従来のＬＰＧ船等では多数の浮上防止装置を設けてお
り、必要な鋼材重量も多く、また、その構造も複雑で工
作面でも多くの工作工数を必要としており、防熱工事等
も面倒であった。
が浸入した場合のタンクの浮力は非常に大きいため、上
記従来のＬＰＧ船等では多数の浮上防止装置を設けてお
り、必要な鋼材重量も多く、また、その構造も複雑で工
作面でも多くの工作工数を必要としており、防熱工事等
も面倒であった。
【０００７】特に、従来例１では船体中央位置にも配設
しているため支持台取付工数も増大し、その分余計に防
熱工事に支障を来していた。また、従来例２では、支持
部材を設ける位置ではデッキトランスの面材をわざわざ
拡幅に形成する必要があり工作面の複雑化を招く等の不
都合を生じていた。また、このようにフェースプレート
を拡幅したとしてもその分荷重伝達に寄与することにな
らず、結局、支持部材４１を取り付けるためのスペース
確保にすぎない。
しているため支持台取付工数も増大し、その分余計に防
熱工事に支障を来していた。また、従来例２では、支持
部材を設ける位置ではデッキトランスの面材をわざわざ
拡幅に形成する必要があり工作面の複雑化を招く等の不
都合を生じていた。また、このようにフェースプレート
を拡幅したとしてもその分荷重伝達に寄与することにな
らず、結局、支持部材４１を取り付けるためのスペース
確保にすぎない。
【０００８】この出願に係る発明の目的は、サイドフレ
ームの上端を延設し、その延設部を船体側支持台と成す
ことにより構造簡単で且つ強度面でも優れた浮上防止装
置を提供することにあり、また、他の目的は、断熱性を
害しない構造簡単なタンク側支持台を提供することにあ
る。
ームの上端を延設し、その延設部を船体側支持台と成す
ことにより構造簡単で且つ強度面でも優れた浮上防止装
置を提供することにあり、また、他の目的は、断熱性を
害しない構造簡単なタンク側支持台を提供することにあ
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、こ
の出願に係る発明のうち請求項１の浮上防止装置は、ホ
ールド内に自立的に形成されその外壁面が断熱材により
覆われた液化ガスタンクの浸水時における浮上を防止す
る装置であって、船側外板内面に上下方向に走るサイド
フレームの上端部を前記液化ガスタンク外壁面と所定間
隔をもって延設し、その延設部を船体側支持台と成した
ことを特徴とする。
の出願に係る発明のうち請求項１の浮上防止装置は、ホ
ールド内に自立的に形成されその外壁面が断熱材により
覆われた液化ガスタンクの浸水時における浮上を防止す
る装置であって、船側外板内面に上下方向に走るサイド
フレームの上端部を前記液化ガスタンク外壁面と所定間
隔をもって延設し、その延設部を船体側支持台と成した
ことを特徴とする。
【００１０】また、請求項２の浮上防止装置は、上甲板
と船側外板との隅部に斜底板によって区画形成されたト
ップサイドタンクを有する船体構造のホールド内に自立
的に形成され、そのタンク外壁面が断熱材により覆われ
た液化ガスタンクの浸水時における浮上を防止する装置
であって、船側外板内面に上下方向に走るサイドフレー
ムの上端部を前記トップサイドタンクの斜底板に沿って
前記液化ガスタンク外壁面と所定間隔をもって延設し、
その延設部を船体側支持台と成したことを特徴とする。
と船側外板との隅部に斜底板によって区画形成されたト
ップサイドタンクを有する船体構造のホールド内に自立
的に形成され、そのタンク外壁面が断熱材により覆われ
た液化ガスタンクの浸水時における浮上を防止する装置
であって、船側外板内面に上下方向に走るサイドフレー
ムの上端部を前記トップサイドタンクの斜底板に沿って
前記液化ガスタンク外壁面と所定間隔をもって延設し、
その延設部を船体側支持台と成したことを特徴とする。
【００１１】請求項３の浮上防止装置は、上記いずれか
の構成においてＴ型のサイドフレームの上端部をそのま
ま延設し、船体の剛性が高い舷側寄りに該タンク側支持
台を形成したことを特徴とする。
の構成においてＴ型のサイドフレームの上端部をそのま
ま延設し、船体の剛性が高い舷側寄りに該タンク側支持
台を形成したことを特徴とする。
【００１２】また請求項４の浮上防止装置は、表面に凹
部を有する断熱性ライナー材を液化ガスタンクの外壁面
上に直接設け、該凹部の中に該ライナー材を貫通するス
タッドボルトを前記液化ガスタンク外壁面に植設し、該
スタッドボルトの頭部にナットをねじ込んで該ライナー
材を該タンク外壁面上に固定するとともに、前記ライナ
ー材の凹部の上部に断熱用塞ぎ材を埋設してタンク側支
持台を形成したことを特徴とする。
部を有する断熱性ライナー材を液化ガスタンクの外壁面
上に直接設け、該凹部の中に該ライナー材を貫通するス
タッドボルトを前記液化ガスタンク外壁面に植設し、該
スタッドボルトの頭部にナットをねじ込んで該ライナー
材を該タンク外壁面上に固定するとともに、前記ライナ
ー材の凹部の上部に断熱用塞ぎ材を埋設してタンク側支
持台を形成したことを特徴とする。
【００１３】請求項５の浮上防止装置は、請求項１又は
２記載の船体側支持台と対向する液化ガスタンク外壁面
位置に請求項４記載のタンク側支持台を設けたことを特
徴とする。
２記載の船体側支持台と対向する液化ガスタンク外壁面
位置に請求項４記載のタンク側支持台を設けたことを特
徴とする。
【００１４】請求項６の浮上防止装置は、請求項１〜５
のいずれかの構成において液化ガスタンクのウエブ及び
トップサイドタンクのトランスリングの位置にあるサイ
ドフレームを延設したことを特徴とする。
のいずれかの構成において液化ガスタンクのウエブ及び
トップサイドタンクのトランスリングの位置にあるサイ
ドフレームを延設したことを特徴とする。
【００１５】
【作用】請求項１〜３では、サイドフレーム上端部の延
設部がそのまま船体側支持台として構成されることか
ら、構造簡単な船体側支持台が得られる。液化ガスタン
クからの荷重はサイドフレームを介して船体構造へ伝達
される。特に請求項２又は３の浮上防止装置では、船体
の剛性の高い舷側寄りの部位に船体側支持台が形成され
ることから、強度面でも優れ、信頼性の高い浮上防止装
置が得られる。
設部がそのまま船体側支持台として構成されることか
ら、構造簡単な船体側支持台が得られる。液化ガスタン
クからの荷重はサイドフレームを介して船体構造へ伝達
される。特に請求項２又は３の浮上防止装置では、船体
の剛性の高い舷側寄りの部位に船体側支持台が形成され
ることから、強度面でも優れ、信頼性の高い浮上防止装
置が得られる。
【００１６】また、請求項４においては、液化ガスタン
クの断熱性能を害することなく、構造簡単なタンク側支
持台が形成される。
クの断熱性能を害することなく、構造簡単なタンク側支
持台が形成される。
【００１７】請求項５においては、船体側支持台とタン
ク側支持台とを組み合わせた、構造が簡単で強度面でも
優れた液化ガスタンクの浮上防止装置全体が構成され
る。
ク側支持台とを組み合わせた、構造が簡単で強度面でも
優れた液化ガスタンクの浮上防止装置全体が構成され
る。
【００１８】請求項６においては、液化ガスタンクから
作用する荷重がサイドフレームを介してトップサイドタ
ンクのトランスリングへとスムーズに伝達され、強度的
に優れた浮力支持構造系となる。
作用する荷重がサイドフレームを介してトップサイドタ
ンクのトランスリングへとスムーズに伝達され、強度的
に優れた浮力支持構造系となる。
【００１９】
【実施例】以下、この出願に係る発明の実施例を図面に
基づき説明する。図１はこの出願に係る発明の浮上防止
装置を具備した船体舷側部分の断面図、図２は図１にお
けるＸ−Ｘ矢視断面図、図３はタンク側支持台の一部を
切り欠いて示した拡大斜視図である。
基づき説明する。図１はこの出願に係る発明の浮上防止
装置を具備した船体舷側部分の断面図、図２は図１にお
けるＸ−Ｘ矢視断面図、図３はタンク側支持台の一部を
切り欠いて示した拡大斜視図である。
【００２０】図１に示すように、船体の舷側部分は、ば
ら積み運搬船タイプの船体構造、つまり、上甲板１と船
側外板２との隅部に斜底板３によってホールド４内に区
画形成されたトップサイドタンク５を有し、舷側の船側
外板２の内面にはサイドフレーム６が上下方向に船の長
手方向に一定間隔で配設されており、通常の位置にある
サイドフレーム６Ａではその上端がトップサイドタンク
５の斜底板３に当接している（想像線で示す）。そし
て、ホールド４区画内に自立的に形成され、そのタンク
外壁面７全体が断熱材８で覆われた液化ガスタンク９が
設けられている。
ら積み運搬船タイプの船体構造、つまり、上甲板１と船
側外板２との隅部に斜底板３によってホールド４内に区
画形成されたトップサイドタンク５を有し、舷側の船側
外板２の内面にはサイドフレーム６が上下方向に船の長
手方向に一定間隔で配設されており、通常の位置にある
サイドフレーム６Ａではその上端がトップサイドタンク
５の斜底板３に当接している（想像線で示す）。そし
て、ホールド４区画内に自立的に形成され、そのタンク
外壁面７全体が断熱材８で覆われた液化ガスタンク９が
設けられている。
【００２１】トップサイドタンク５の斜底板３に対向す
る液化ガスタンク９のタンク外壁面７は、この斜底板３
に一定距離おいてタンク外壁面７が並行に形成されてお
り、舷側ではサイドフレーム６と一定距離をおいて下方
に延びている。
る液化ガスタンク９のタンク外壁面７は、この斜底板３
に一定距離おいてタンク外壁面７が並行に形成されてお
り、舷側ではサイドフレーム６と一定距離をおいて下方
に延びている。
【００２２】トップサイドタンク５の大骨であるトラン
スリング１０が設けられた位置では、液化ガスタンク９
にも大骨であるウエブ１１が設けられており、この位置
に一致して必ずサイドフレーム６のひとつも配置されて
いる。しかも、この位置にあるサイドフレーム６につい
ては、その上端部がトップサイドタンク５の斜底板３に
沿って、液化ガスタンク９のタンク外壁面７との間に所
定間隔をもって延設されている。このサイドフレーム６
の延設部１２が液化ガスタンク９の浮上防止装置を構成
する船体側支持台Ｓ1 としての役割を担う。
スリング１０が設けられた位置では、液化ガスタンク９
にも大骨であるウエブ１１が設けられており、この位置
に一致して必ずサイドフレーム６のひとつも配置されて
いる。しかも、この位置にあるサイドフレーム６につい
ては、その上端部がトップサイドタンク５の斜底板３に
沿って、液化ガスタンク９のタンク外壁面７との間に所
定間隔をもって延設されている。このサイドフレーム６
の延設部１２が液化ガスタンク９の浮上防止装置を構成
する船体側支持台Ｓ1 としての役割を担う。
【００２３】図２に示すように、通常サイドフレーム６
はウエブ６ａとフェースプレート６ｂからなるＴ型部材
で構成され、支持台としての荷重がかかる中心部分には
ブラケット１４が両側に張設されている。船体側支持台
Ｓ1 を形成しているサイドフレーム６の延設部１２と対
向するタンク外壁面７側にはライナー材１３からなるタ
ンク側支持台Ｓ2 が設置されており、このタンク側支持
台Ｓ2 は、周囲の断熱材８に埋設されるような形で設け
られている。なお、１５は斜底板３の内面に設けられた
ビームである。
はウエブ６ａとフェースプレート６ｂからなるＴ型部材
で構成され、支持台としての荷重がかかる中心部分には
ブラケット１４が両側に張設されている。船体側支持台
Ｓ1 を形成しているサイドフレーム６の延設部１２と対
向するタンク外壁面７側にはライナー材１３からなるタ
ンク側支持台Ｓ2 が設置されており、このタンク側支持
台Ｓ2 は、周囲の断熱材８に埋設されるような形で設け
られている。なお、１５は斜底板３の内面に設けられた
ビームである。
【００２４】図３は、上記タンク側支持台Ｓ2 の部分を
一部切り欠いて示した斜視図である。液化ガスタンク９
のウエブ１１と同一位置のタンク外壁面７上に直方体状
のライナー材１３が設けられ、このライナー材１３の表
面には間隔をおいて２箇所に円形凹部１６を有する。こ
の円形凹部１６の中にライナー材１３を貫通してスタッ
ドボルト１７がタンク外壁面７上に植設されており、こ
のスタッドボルト１７にナット１８を螺合して締め付け
ることによりライナー材１３はタンク外壁面７に強固に
固定されるようになっている。ライナー材１３として
は、例えば布にフェルール樹脂を含浸して固めた必要な
剛性及び断熱性を有する材料等が用いられる。また、円
形凹部１６の上部にはポリウレタンフォームよりなる塞
ぎ材１９が断熱性確保のために埋め込まれている。ライ
ナー材１３の厚みは断熱材８と同じに形成してあり、平
面的には細長い矩形をしている。ライナー材１３の幅ｂ
を大きくしても荷重伝達には効果がないことから、ライ
ナー材１３の幅ｂはサイドフレーム６のフェースプレー
ト６ｂの幅Ｂと同等かこれより小さいものに設定されて
いる。例えば、フェースプレート６ｂの幅Ｂが約１３０
ｍｍに対してはライナー材１３の幅ｂは１００ｍｍ程度
に設定される。
一部切り欠いて示した斜視図である。液化ガスタンク９
のウエブ１１と同一位置のタンク外壁面７上に直方体状
のライナー材１３が設けられ、このライナー材１３の表
面には間隔をおいて２箇所に円形凹部１６を有する。こ
の円形凹部１６の中にライナー材１３を貫通してスタッ
ドボルト１７がタンク外壁面７上に植設されており、こ
のスタッドボルト１７にナット１８を螺合して締め付け
ることによりライナー材１３はタンク外壁面７に強固に
固定されるようになっている。ライナー材１３として
は、例えば布にフェルール樹脂を含浸して固めた必要な
剛性及び断熱性を有する材料等が用いられる。また、円
形凹部１６の上部にはポリウレタンフォームよりなる塞
ぎ材１９が断熱性確保のために埋め込まれている。ライ
ナー材１３の厚みは断熱材８と同じに形成してあり、平
面的には細長い矩形をしている。ライナー材１３の幅ｂ
を大きくしても荷重伝達には効果がないことから、ライ
ナー材１３の幅ｂはサイドフレーム６のフェースプレー
ト６ｂの幅Ｂと同等かこれより小さいものに設定されて
いる。例えば、フェースプレート６ｂの幅Ｂが約１３０
ｍｍに対してはライナー材１３の幅ｂは１００ｍｍ程度
に設定される。
【００２５】ホールド４内の浸水により液化ガスタンク
９が浮上した場合には、タンク９はサイドフレーム６と
の隙間だけ浮上してすぐにタンク側支持台Ｓ2 が船体側
支持台Ｓ1 に当接してタンク９は船体構造に支持され、
それ以上は浮上しない。この場合、浮力による荷重は、
サイドフレーム６からトップサイドタンク５の大骨であ
るトランスリング１０を通して伝達され構造的に強固で
剛性の高い舷側部分の船体構造で支持されることにな
る。船体側支持台Ｓ1 がサイドフレーム６を延長しただ
けの構成で成立しているため浮上防止装置Ｓは単純な構
造となり、また、剛性の高い船側位置のみで支持するの
で浮上防止装置Ｓの数も減少しうる。タンク側支持台Ｓ
2 としては特別な支持台は設けずにライナー材（断熱材
を兼ねる）１３のみを直接タンク９表面に取り付けた構
造としたので防熱施工にも支障を来すことが少なく、断
熱性能を阻害することもない。
９が浮上した場合には、タンク９はサイドフレーム６と
の隙間だけ浮上してすぐにタンク側支持台Ｓ2 が船体側
支持台Ｓ1 に当接してタンク９は船体構造に支持され、
それ以上は浮上しない。この場合、浮力による荷重は、
サイドフレーム６からトップサイドタンク５の大骨であ
るトランスリング１０を通して伝達され構造的に強固で
剛性の高い舷側部分の船体構造で支持されることにな
る。船体側支持台Ｓ1 がサイドフレーム６を延長しただ
けの構成で成立しているため浮上防止装置Ｓは単純な構
造となり、また、剛性の高い船側位置のみで支持するの
で浮上防止装置Ｓの数も減少しうる。タンク側支持台Ｓ
2 としては特別な支持台は設けずにライナー材（断熱材
を兼ねる）１３のみを直接タンク９表面に取り付けた構
造としたので防熱施工にも支障を来すことが少なく、断
熱性能を阻害することもない。
【００２６】
【発明の効果】 請求項１〜３に係る発明においては、サイドフレー
ム上端部の延設部がそのまま船体側支持台として構成さ
れることから、構造が簡単な浮上防止装置を得ることが
でき、しかも、タンク浮力支持点を上下方向の船体剛性
の大きいサイドシェル（船側外板）に出来るだけ近づけ
て有効に浮力を支持することができることから、強度面
でも優れ、信頼性の高い液化ガスタンク浮上防止装置が
得られる。
ム上端部の延設部がそのまま船体側支持台として構成さ
れることから、構造が簡単な浮上防止装置を得ることが
でき、しかも、タンク浮力支持点を上下方向の船体剛性
の大きいサイドシェル（船側外板）に出来るだけ近づけ
て有効に浮力を支持することができることから、強度面
でも優れ、信頼性の高い液化ガスタンク浮上防止装置が
得られる。
【００２７】また、支持点を船側部のみとすることで工
作工数の大幅削減効果が得られる。
作工数の大幅削減効果が得られる。
【００２８】 請求項４に係る発明では、タンク側支
持台としては、断熱性を有するライナー材をタンク表面
に直接取り付けて構成するので、液化ガスタンクの断熱
性能を害することなく、構造簡単なタンク側支持台が得
られる。
持台としては、断熱性を有するライナー材をタンク表面
に直接取り付けて構成するので、液化ガスタンクの断熱
性能を害することなく、構造簡単なタンク側支持台が得
られる。
【００２９】 請求項５に係る発明では、船体側支持
台とタンク側支持台とを組み合わせた構造シンプルな液
化ガスタンクの浮上防止装置を得ることができる。その
結果、使用鋼材や製作工数の大幅減少および大幅コスト
ダウンを達成し得る。
台とタンク側支持台とを組み合わせた構造シンプルな液
化ガスタンクの浮上防止装置を得ることができる。その
結果、使用鋼材や製作工数の大幅減少および大幅コスト
ダウンを達成し得る。
【００３０】 請求項６に係る発明では、液化ガスタ
ンクから作用する荷重をサイドフレームを介してトップ
サイドタンクのトランスリングへとスムーズに伝達する
ことができ、強度面でも優れた液化ガスタンク浮上防止
装置が得られる。
ンクから作用する荷重をサイドフレームを介してトップ
サイドタンクのトランスリングへとスムーズに伝達する
ことができ、強度面でも優れた液化ガスタンク浮上防止
装置が得られる。
【図１】この出願に係る発明の浮上防止装置を備えた船
側部分の横断面図である。
側部分の横断面図である。
【図２】図１におけるＸ−Ｘ断面図である。
【図３】タンク側支持台付近の構造を一部切り欠いて示
した拡大斜視図である。
した拡大斜視図である。
【図４】(a) は従来の液化ガスタンクの浮上防止装置を
含む船体横断面図、(b) は同船側部分の拡大断面図であ
る。である。
含む船体横断面図、(b) は同船側部分の拡大断面図であ
る。である。
【図５】従来の浮上防止装置であって、(a) はその船側
部分の横断面図、(b) は船体側支持台の取付部分の平面
図である。
部分の横断面図、(b) は船体側支持台の取付部分の平面
図である。
１…上甲板 ２…船側外板 ３…斜底板 ４…ホールド ５…トップサイドタンク ６…サイドフレーム ７…タンク外壁面 ８…断熱材 ９…液化ガスタンク １０…トランスリング １１…（液化ガスタンクの）ウエブ １２（Ｓ1 ）…延設部（船体側支持台） １３（Ｓ2 ）…ライナー材（タンク側支持台） Ｓ…浮上防止装置
Claims (6)
- 【請求項１】 ホールド内に自立的に形成されその外壁
面が断熱材により覆われた液化ガスタンクの浸水時にお
ける浮上を防止する装置であって、船側外板内面に上下
方向に走るサイドフレームの上端部を前記液化ガスタン
ク外壁面と所定間隔をもって延設し、その延設部を船体
側支持台と成したことを特徴とする液化ガスタンクの浮
上防止装置。 - 【請求項２】 上甲板と船側外板との隅部に斜底板によ
って区画形成されたトップサイドタンクを有する船体構
造のホールド内に自立的に形成され、そのタンク外壁面
が断熱材により覆われた液化ガスタンクの浸水時におけ
る浮上を防止する装置であって、船側外板内面に上下方
向に走るサイドフレームの上端部を前記トップサイドタ
ンクの斜底板に沿って前記液化ガスタンク外壁面と所定
間隔をもって延設し、その延設部を船体側支持台と成し
たことを特徴とする液化ガスタンクの浮上防止装置。 - 【請求項３】 Ｔ型のサイドフレームの上端部をそのま
ま延設し、船体の剛性が高い舷側寄りに該タンク側支持
台を形成したことを特徴とする請求項１又は２記載の液
化ガスタンクの浮上防止装置。 - 【請求項４】 表面に凹部を有する断熱性ライナー材を
液化ガスタンクの外壁面上に直接設け、該凹部の中に該
ライナー材を貫通するスタッドボルトを前記液化ガスタ
ンク外壁面に植設し、該スタッドボルトの頭部にナット
をねじ込んで該ライナー材を該タンク外壁面上に固定す
るとともに、前記ライナー材の凹部の上部に断熱用塞ぎ
材を埋設してタンク側支持台を形成したことを特徴とす
る液化ガスタンクの浮上防止装置。 - 【請求項５】 請求項１又は２記載の船体側支持台と対
向する液化ガスタンク外壁面位置に請求項４記載のタン
ク側支持台を設けたことを特徴とする液化ガスタンクの
浮上防止装置。 - 【請求項６】 液化ガスタンクのウエブ及びトップサイ
ドタンクのトランスリングの位置にあるサイドフレーム
の上端部を延設したことを特徴とする請求項１〜５のい
ずれか１項に記載の液化ガスタンクの浮上防止装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06111113A JP3080837B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 液化ガスタンクの浮上防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06111113A JP3080837B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 液化ガスタンクの浮上防止装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07315285A true JPH07315285A (ja) | 1995-12-05 |
| JP3080837B2 JP3080837B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=14552748
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06111113A Expired - Lifetime JP3080837B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 液化ガスタンクの浮上防止装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3080837B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105346673A (zh) * | 2014-08-20 | 2016-02-24 | 江南造船(集团)有限责任公司 | 液化气船的菱形独立液舱止浮结构 |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP06111113A patent/JP3080837B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105346673A (zh) * | 2014-08-20 | 2016-02-24 | 江南造船(集团)有限责任公司 | 液化气船的菱形独立液舱止浮结构 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3080837B2 (ja) | 2000-08-28 |
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