JPH07314903A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH07314903A
JPH07314903A JP6112713A JP11271394A JPH07314903A JP H07314903 A JPH07314903 A JP H07314903A JP 6112713 A JP6112713 A JP 6112713A JP 11271394 A JP11271394 A JP 11271394A JP H07314903 A JPH07314903 A JP H07314903A
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JP
Japan
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vehicle
water
wax
color pigment
carnauba wax
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Application number
JP6112713A
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English (en)
Inventor
Takao Arimura
貴男 有村
Hajime Morimoto
元 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M2205/00Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers
    • B41M2205/06Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers relating to melt (thermal) mass transfer
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M2205/00Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers
    • B41M2205/30Thermal donors, e.g. thermal ribbons

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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩擦性、耐擦過性にすぐれたカルナバワッ
クスをビヒクルの主成分とする熱溶融性着色インク層を
有する熱転写記録媒体を、環境汚染を防止し、塗工性よ
く、転写性能を損なうことなく製造すること。 【構成】 支持体上に、着色顔料と、カルナバワックス
を50〜95重量%含有するビヒクルとからなる熱溶融
性着色インク層が設けられてなり、該インク層が、前記
ビヒクルを酸価30以上のワックス、または水溶性のア
クリル系重合体をビヒクル全量に対して5〜30重量%
の割合で使用して水性媒体に分散してなる水溶性分散液
と、前記着色顔料を平均重合度が200〜3000のポ
リビニルアルコール、または水溶性のアクリル系重合体
を着色顔料に対して10〜30重量%の割合で使用して
水性媒体に分散してなる水性分散液とからなる塗工液を
塗布して形成されてなる熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体上に着色顔料と
カルナバワックスを主成分とするビヒクルとからなる熱
溶融性着色インク層が設けられてなる熱転写記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】熱転
写記録媒体は各種用途の印像、たとえばバーコードなど
のコード情報用印像やラベル用印像を形成するために使
用されている。バーコード用印像などは指で擦られた
り、ダンボール箱などの表面に印字されたものは輸送中
にダンボールなどで擦られる。またペンスキャナーなど
で読み取るばあいにはこれによっても擦られる。したが
って、バーコード用印像などはこのように擦られても脱
落したり汚れたりしない、耐摩擦性、耐擦過性に優れて
いることが必要である。
【0003】カルナバワックスをビヒクルの主成分とす
る熱溶融性着色インクは耐摩擦性、耐擦過性が優れてい
るため、バーコード用印像などを形成するための熱転写
記録媒体として使用されている。
【0004】しかしながら、カルナバワックスをビヒク
ルの主成分とする熱溶融性着色インクは塗工性に問題が
ある。すなわち、該インクを有機溶剤を用いる溶剤系イ
ンクとして使用するばあいは、塗工液の温度を高くしな
いとカルナバワックスが析出し、塗工が困難となり、一
方塗工液の温度を高くすると有機溶剤の蒸発速度が大き
くなり、均一な塗布表面がえられないばかりか、環境汚
染が著しくなる。これに対して、有機溶剤を使用しない
ホットメルト系インクとして使用するばあいは、環境汚
染の問題はなくなるが、インクの溶融粘度が高く、塗工
が困難である。
【0005】そこで、本発明者らはカルナバワックスを
ビヒクルの主成分とする熱溶融性着色インクを水性媒体
の分散体の形態で塗布することを試み、前記インクに対
する最適な水性分散系を見出して、環境汚染を抑えつつ
塗工性よく均一なインク層を形成することを可能ならし
め、もって転写性能を損なうことなく、耐摩擦性、耐擦
過性がすぐれた熱転写記録媒体をうるのに成功した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
着色顔料と、カルナバワックスを50〜95重量%含有
するビヒクルとからなる熱溶融性着色インク層が設けら
れてなり、該インク層が、前記ビヒクルを酸価30以上
のワックス、または水溶性のアクリル系重合体をビヒク
ル全量に対して5〜30重量%の割合で使用して水性媒
体に分散してなる水性分散液と、前記着色顔料を平均重
合度が200〜3000のポリビニルアルコール、また
は水溶性のアクリル系重合体を着色顔料に対して10〜
30重量%の割合で使用して水性媒体に分散してなる水
性分散液とからなる塗工液を塗布して形成されてなるこ
とを特徴とする熱転写記録媒体に関する。
【0007】
【作用および実施例】本発明においては、着色顔料とカ
ルナバワックスを50〜95重量%含有するビヒクルと
からなる熱溶融性着色インクを水性媒体の分散体の形態
で塗布してインク層を形成する。
【0008】すなわち、カルナバワックスを酸価30以
上のワックス、または水溶性のアクリル系重合体をビヒ
クルに対して5〜30重量%の割合で使用して水性媒体
に分散してなる水性分散液と、着色顔料を平均重合度が
200〜3000のポリビニルアルコール、または水溶
性のアクリル系重合体を着色顔料に対して10〜30重
量%の割合で使用して水性媒体に分散してなる水性分散
液とからなる塗工液を塗布して形成する。
【0009】ここで、水性媒体としては水、水とアルコ
ールの混合物などが使用される。アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、イソプロパノールなどが使用さ
れる。
【0010】このように、カルナバワックスを前記特定
の分散剤を用いて水性媒体に分散せしめることにより、
カルナバワックスが均一に分散された低粘度の水性分散
液がえられる。また着色顔料を前記特定の分散剤を用い
て水性媒体に分散せしめることにより、着色顔料が均一
に分散された低粘度の水性分散液がえられる。
【0011】このようにしてえられた両分散液を混合し
て塗工液を調製し、これを基材に塗布し、乾燥すること
により、カルナバワックスを主成分とするビヒクル中に
着色顔料が均一に分散された均一な厚さの熱溶融性着色
インク層を形成できる。
【0012】しかして、本発明の熱転写記録媒体は、熱
溶融性着色インク層が着色顔料とカルナバワックスを5
0〜95重量%含有するビヒクルとからなり、カルナバ
ワックスをビヒクルの主成分とするものであるから、耐
摩擦性、耐擦過性のすぐれた印像を与える。しかもビヒ
クルの主成分がカルナバワックスであるにもかかわら
ず、着色顔料が均一に分散された塗工性に優れたインク
塗工液を使用するため、均一な塗工膜が形成され、その
ため、転写性、印像の鮮明度などがすぐれている。
【0013】したがって本発明の熱転写記録媒体は、印
像に耐摩擦性、耐擦過性、鮮明性などが要求される、バ
ーコードなどのコード情報やラベルなどの印像形成用に
好適に使用できる。
【0014】つぎに本発明を詳細に説明する。
【0015】まず、カルナバワックスを含むビヒクルの
水性分散液の調製について説明する。
【0016】本発明においては、カルナバワックスを水
性媒体に分散させるための分散剤として、酸価30以上
のワックス、または水溶性のアクリル系重合体を用い
る。
【0017】前記酸価30以上のワックスとしては、た
とえば酸化ワックス、カルボキシル基を含有する重合体
ワックスなどであって、酸価が30以上のものがあげら
れる。
【0018】前記酸化ワックスとしては、高酸価合成ラ
ノリンやパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスを酸化した
もの、モンタン酸ワックス(モンタンワックスを酸化し
たもの)、酸化ポリエチレンワックス、酸変性した高酸
価型ポリエチレンワックスなどがあげられる。前記カル
ボキシル基を含有する重合体ワックスとしては、たとえ
ばエチレン−アクリル酸共重合体ワックスなどがあげら
れる。これら酸価30以上のワックスは単独でまたは2
種以上を混合して使用できる。
【0019】ここで酸価が30未満のワックスを用いる
と、カルナバワックスの分散が不充分となり、すなわち
不均一な粒度分布のカルナバワックス分散液となってし
まい、これを着色顔料分散液と混合して塗布しても、着
色顔料がビヒクル中に均一に分散したインク層がえられ
ない。そのため印像の鮮明性が劣るばかりか、印像濃度
も低くなり、好ましくない。なお、酸価が高すぎるワッ
クスを使用すると、転写性能が劣化するから、酸価の上
限値は100程度が好ましい。
【0020】前記水溶性のアクリル系重合体としては、
水溶性アクリル系モノマーの単独重合体もしくは共重合
体、または水溶性アクリル系モノマーの1種もしくは2
種以上とアクリル系以外の他の重合性モノマーとの共重
合体があげられる。
【0021】前記水溶性アクリル系モノマーとしては、
たとえばつぎのものがあげられる。
【0022】(1)(メタ)アクリル酸 (2)(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体 たとえば、一般式(I):
【0023】
【化1】
【0024】[式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 およびR3 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1
〜7のアルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基など)、炭素数1〜4のヒドロ
キシアルキル基(たとえばヒドロキシメチル基、ヒドロ
キシプロピル基、ヒドロキシブチル基など)、または
【0025】
【化2】
【0026】を表わす]で示されるものがあげられる。
またN,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミドが
あげられる。
【0027】前記水溶性アクリル系モノマーの具体例と
しては、たとえば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジ
アセトン(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレン
ビスアクリルアミドなどの1種または2種以上があげら
れる。
【0028】前記アクリル系以外の他の重合性モノマー
としては無水マレイン酸などがあげられる。
【0029】前記水溶性のアクリル系重合体が水溶性ア
クリル系モノマーとアクリル系以外の他の重合性モノマ
ーとの共重合体のばあい、前記水溶性アクリル系モノマ
ーと他の重合性モノマーの種類、および共重合比を、え
られる共重合体が水溶性になるように適宜選択する。
【0030】前記水溶性のアクリル系重合体の好ましい
例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ポリメタクリルアミド、アクリル酸−
無水マレイン酸共重合体などがあげられる。
【0031】前記アクリル系重合体としては平均分子量
(数平均分子量、以下同様)が5000〜50000の
範囲のものが好ましい。平均分子量が前記範囲未満では
着色顔料を分散する能力が低くなり、一方前記の範囲よ
り大きいと水性分散液の粘度が高くなり、塗工性がわる
くなる。
【0032】前記分散剤を用いてカルナバワックスを水
性媒体に分散するには、分散剤として酸価30以上のワ
ックスを使用するばあいには、通常カルナバワックスと
酸価30以上のワックスをたとえば90℃以上に加熱し
て溶融し、この溶融物を水性媒体、好ましくは水に撹拌
下に添加する方法が採られる。一方分散剤として水溶性
のアクリル系重合体を使用するばあいは、通常水性媒
体、好ましくは水に予め該重合体を溶解させておき、こ
れにカルナバワックスをたとえば90℃以上に加熱して
溶融した溶融物を撹拌下に添加する方法が採られる。こ
れらカルナバワックスの水性分散液の調製の際には、水
性分散液のpHを調整するための中和剤や、消泡剤、防
腐剤などの添加剤を適宜使用することができる。
【0033】前記分散剤はビヒクル全量(カルナバワッ
クス、必要により使用されるワックス類などの他のビヒ
クル成分および当該分散剤の合計量をいう、以下同様)
に対して5〜30重量%の割合で使用する。分散剤の添
加量が5重量%未満ではカルナバワックスの分散が不充
分となり、一方30重量%を超えると転写性能が劣るよ
うになる。
【0034】カルナバワックスはビヒクル全量に対して
50〜95重量%の割合で使用する。カルナバワックス
の量が50重量%未満では耐摩擦性、耐擦過性などが劣
り、一方95重量%以上になると分散剤の量が少なくな
るので分散がわるくなる。
【0035】水性媒体の使用量は、とくに限定されない
が、通常えられるビヒクル水性分散液の固形分濃度が2
0〜50重量%程度になるように使用される。
【0036】ビヒクル成分としてはカルナバワックスの
他に、キャンデリラワックス、ミツロウ、木ロウ、モン
タンワックス、鯨ロウ、ポリエチレンワックス、パラフ
ィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどのワ
ックス、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、マルガリン酸などの高級脂肪酸、ステアリル
アルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコー
ル、その他エステル類、アミド類、可塑剤、オイルなど
を併用添加してもよい。
【0037】これら他のビヒクル成分を併用するばあい
は、カルナバワックスの水性分散液を調製する際にカル
ナバワックスと一緒に水性媒体に分散させるのがよい。
【0038】カルナバワックスと他のワックスを併用す
るばあい、他のワックスとしても硬いワックスを使用す
るのが好ましく、たとえばキャンデリラワックス、ポリ
エチレンワックスなどが好適に用いられる。
【0039】つぎに、着色顔料の水性分散液の調製につ
いて説明する。
【0040】本発明においては、着色顔料を水性媒体に
分散させるための分散剤として、平均重合度(数平均重
合度、以下同様)が200〜3000のポリビニルアル
コール、または水溶性のアクリル系重合体を用いる。
【0041】ポリビニルアルコールとしては平均重合度
が200〜3000のものが使用される。平均重合度が
200未満であると、分散性能が不充分であると共に、
インク層の表面にブリードするので好ましくなく、一方
3000を超えると転写性能が劣るようになる。
【0042】前記水溶性のアクリル系重合体としては、
前記ビヒクルの水性分散液を調製する際に使用した水溶
性のアクリル系重合体と同じものが使用できる。
【0043】前記分散剤を用いて着色顔料を水性媒体に
分散するには、通常前記分散剤を水性媒体、好ましくは
水に溶解したものに着色顔料を添加し、混合撹拌する方
法が採られる。その際、撹拌力(剪断力)を大きくする
のが好ましく、そのためメディア式分散機を用いるのが
よい。メディア式分散機としては、たとえばサンドグラ
インダー、アトライター、スーパーミル、ダイノーミル
などがあげられる。着色顔料の水性分散液の調製の際に
は、水性分散液のpHを調整するための中和剤や、消泡
剤、防腐剤などの添加剤を適宜使用することができる。
【0044】前記分散剤は着色顔料に対して10〜30
重量%の割合で使用する。分散剤の添加量が10重量%
未満では着色顔料の分散が不充分となり、一方30重量
%を超えると転写性能が劣るようになる。
【0045】水性媒体の使用量は、とくに限定されない
が、通常えられる着色顔料水性分散液の固形分濃度が1
0〜40重量%程度になるように使用される。
【0046】前記着色顔料としては、従来からインクの
着色剤として知られている有機、無機の各種色相の、た
とえば黒、イエロー、マゼンタ、シアンなどの顔料が適
宜使用できる。なお、着色顔料に加えて色調の調製のた
めに染料を併用してもよい。
【0047】黒色顔料としては、たとえばカーボンブラ
ック、ニグロシンベースなどの1種または2種以上が用
いられる。
【0048】イエロー顔料としては、たとえばナフトー
ルエローS、ハンザエロー5G、ハンザエロー3G、ハ
ンザエローG、ハンザエローGR、ハンザエローA、ハ
ンザエローRN、ハンザエローR、ベンジジンエロー、
ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、パーマネ
ントエローNCG、キノリンエローレーキなどの1種ま
たは2種以上が用いられる。
【0049】マゼンタ顔料としては、たとえばパーマネ
ントレッド4R、ブリリアントファストスカーレット、
ブリリアントカーミンBS、パーマネントカーミンF
B、リソールレッド、パーマネントレッドF5R、ブリ
リアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、
ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリン
レーキなどの1種または2種以上が用いられる。
【0050】シアン顔料としては、たとえばビクトリア
ブルーレーキ、無金属フタロシニアニンブルー、フタロ
シニアニンブルー、フアストスカイブルーなどの1種ま
たは2種以上が用いられる。
【0051】前記のごとくしてえられたビヒクル水性分
散液と着色顔料水性分散液とを適当な割合で配合し、必
要に応じてさらに水および(または)アルコールを添加
したのち、均一に混合することにより塗工液をうる。
【0052】なお、本発明において水性媒体の成分とし
て用いるアルコールは主目的が乾燥性の向上にあるか
ら、通常ビヒクルや着色顔料の分散時には使用せず、塗
工液の最終調製時に配合される。
【0053】ビヒクル水性分散液と着色顔料水性分散液
との混合割合は、通常乾燥後のインク中における着色顔
料の含有量が10〜30重量%となるようにするのが適
当である。また塗工液中の固形分濃度は塗工性の点から
通常5〜40重量%が適当である。
【0054】前記塗工液を基材上に塗布し、乾燥して熱
溶融性着色インク層を形成する。乾燥はビヒクルが完全
に溶融するような高温で行なってもよいが、ビヒクル粒
子が部分的に溶融して相互に結合する程度の温度で行な
ってもよい。
【0055】着色インクの塗布量(乾燥後塗布量、以下
同様)は1〜10g/m2 、好ましくは1.5〜3g/
2 である。
【0056】前記基材としては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、
ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラ
ミドフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フ
ィルムとして一般に使用されている各種のプラスチック
フィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのよ
うな高密度の薄い紙を使用してもよい。基材の背面(サ
ーマルヘッドに摺接する側の面)にシリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂など、あるいはこれら
によって変性された、たとえばシリコーン変性ウレタン
樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂など各種の耐熱性樹
脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものな
どからなる、従来から知られているスティック防止層を
設けてもよい。基材の厚さは通常1〜10μm程度であ
り、熱拡散を小さくして解像度を高めうる点からは1〜
6μmの範囲が好ましい。
【0057】なお本発明の熱転写記録媒体においては、
前記着色インク層と基材との間に離型層または接着層を
設けてもよく、また前記着色インク層の上に着色剤を実
質的に含有しない表面層を設けてもよい。これら各層の
材料としてはワックス類、必要により熱溶融性樹脂(た
とえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体など)、可塑剤、オイル類など
が使用できる。またこれら各層は通常の有機溶剤溶液
(トルエン、メチルエチルケトンなどの溶液)または溶
剤分散液もしくは水性分散液の形態で、またはホットメ
ルトコーティングにより塗布形成できる。
【0058】本発明の熱転写記録媒体は単色の印像の形
成にも、減法混色によるカラーの印像の形成にも使用で
きる。カラーの印像を形成するには、イエロー、マゼン
タおよびシアンのインク層、さらに要すれば黒のインク
層を別々の基材上に設けた熱転写シートを用いるか、あ
るいは単一の基材上にイエロー、マゼンタおよびシアン
のインク層、さらに要すれば黒のインク層を並べて配置
した熱転写記録媒体を用いる。
【0059】つぎに実施例および比較例をあげて本発明
を説明する。
【0060】実施例1〜18および比較例1〜12 表1〜5に示されるビヒクル水分散液(固形分濃度20
重量%)と着色顔料水分散液(固形分濃度15重量%)
とを調製した。
【0061】ビヒクル水分散液は、使用する分散剤が酸
価30以上のワックスのばあいには、カルナバワックス
(キャデリラワックスを併用するばあいはこれとの混合
物)と酸価30以上のワックスの混合物を90℃に加熱
して溶融し、これを水中に撹拌下に除々に添加すること
によって調製した。使用する分散剤が水溶性アクリル系
重合体のばあいは、これを水に溶解した水溶液に、カル
ナバワックスを加熱、溶融したものを撹拌下に徐々に添
加することによって調製した。
【0062】着色顔料水分散液は、分散剤を水に溶解し
た水溶液に着色顔料を加え、これを浅田鉄工(株)製メ
カキャッパーで分散処理することによって調製した。
【0063】表1〜5に示される材料の詳細はつぎのと
おりである。
【0064】(1)カルナバワックス:融点85℃ (2)キャンデリラワックス:融点65℃ (3)酸化ワックス: カーデイス(CARDIS)314(酸価18) カーデイス(CARDIS)320(酸価35) セラマー(CERAMER)67(酸価50) 以上いずれもペトロライトコーポレーション製の酸化石
油ワックスである。
【0065】 (4)メタクリル酸重合体:平均分子量20000 (5)アクリル酸重合体:平均分子量10000 前記ビヒクル水分散液と着色顔料水分散液とから下記処
方にしたがって着色インク塗工液を調製した。
【0066】 成 分 重量部 ビヒクル水分散液(固形分濃度20重量%) 43 着色顔料水分散液(固形分濃度15重量%) 9 水 24 メタノール 24 前記塗工液を、裏面にシリコーン変性ウレタン樹脂から
なるステイック防止層(塗布量0.05g/m2 )を形
成した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に塗布し、80℃で乾燥して塗布量3g/m2
の熱溶融性着色インク層を形成して、熱転写記録媒体を
えた。
【0067】なお、実施例16においては、下記処方の
塗工液を基材上に塗布し、80℃で乾燥して塗布量1g
/m2 の離型層を形成し、その上に前記熱溶融性着色イ
ンク層を形成した。
【0068】 成 分 重量部 パラフィンワックス 40 トルエン 60 実施例17においては、下記処方の塗工液を基材上に塗
布し、80℃で乾燥して塗布量1g/m2 の接着層を形
成し、その上に前記熱溶融性着色インク層を形成した。
【0069】 成 分 重量部 カルナバワックス 25 エチレン−酢酸ビニル共重合体 15 トルエン 60 実施例18においては、下記の処方の塗工液を前記熱溶
融性着色インク層上に塗布し、80℃で乾燥して塗布量
1g/m2 の表面層を形成した。
【0070】 成 分 重量部 カルナバワックス水分散液(固形分濃度20重量%) 43 水 35 メタノール 25 前記でえられた熱転写記録媒体について、下記項目の評
価を行なった。結果を表1〜5に示す。
【0071】(1)転写性 バーコードプリンター(東京電気(株)製B−30)で
印字を行ない、つぎの基準により評価した。
【0072】なお、下記の−1V、0V、+1Vは該プ
リンターにおける印字エネルギーの設定値であり、この
順に印字エネルギーが大きくなる。
【0073】○‥‥−1Vで1ドット文字が転写する。 △‥‥0V(標準)で1ドット文字が転写しない。 ×‥‥+1Vで1ドット文字が転写しない。
【0074】(2)耐摩擦性 前記バーコードプリンターで縦バーのパターン(NAR
ROW3 WIDE9)を印字し、印字された縦バーを
クロックメーター(アトラス・エレクトリック・デバイ
ス社製)を用いて、綿布で荷重500g下に往復10回
擦り、つぎの基準により評価した。
【0075】○‥‥縦バーがまったくけずれない。 △‥‥縦バーが若干けずれるが、バーコードスキャナー
で読み取れる。 ×‥‥縦バーがけずれ、バーコードスキャナーで読み取
ることができない。
【0076】(3)耐擦過性 前記バーコードプリンターで縦バーのパターン(NAR
ROW3 WIDE9)を印字し、印字された縦バーを
砂消しゴムで荷重100g下に往復5回擦り、つぎの基
準により評価した。
【0077】○‥‥縦バーがまったくけずれない。 △‥‥縦バーが若干けずれるが、バーコードスキャナー
で読み取れる。 ×‥‥縦バーがけずれ、バーコードスキャナーで読み取
ることができない。
【0078】(4)印像の鮮明性 前記バーコードプリンターで縦バーのパターン(NAR
ROW3 WIDE9)を印字し、バーコードスキャナ
ーで読み取りを行ない、つぎの基準により評価した。
【0079】○‥‥規格(コード39)内で読み取りで
きる。 △‥‥規格外ではあるが、読み取りは可能。 ×‥‥読み取り不可能。
【0080】(5)リボンの保存性 パンケーキ状に巻回したリボンを50℃の恒温槽に1カ
月間放置したのち、インクの裏移り(インクが接触して
いる基材背面に移る現象をいう)を目視で観察し、つぎ
の基準にしたがって評価した。
【0081】○‥‥インクの裏移りが生じない。 ×‥‥インクの裏移りが生じる。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【発明の効果】本発明に用いるカルナバワックスをビヒ
クルの主成分とする熱溶融性着色インクの水性分散体は
カルナバワックスと着色顔料が均一に分散されており、
これを基材に塗布してインク層を形成するときは、環境
汚染を抑えつつ、塗工性よく、ビヒクル中に着色顔料が
均一に分散されているインク層がえられる。
【0088】そのため本発明の熱転写記録媒体は転写性
能を損なうことなく耐摩擦性、耐擦過性のすぐれた印像
を与え、バーコード、ラベルなどの印像形成に好適に使
用される。さらに保存性も良好である。
【0089】つぎに本発明の好ましい態様を示す。
【0090】(1)請求項1記載の発明において、ビヒ
クルの水性分散液を調製するために用いる水溶性のアク
リル系重合体が、(メタ)アクリル酸および(メタ)ア
クリルアミドまたはその誘導体よりなる群れから選ばれ
た少なくとも1種の水溶性アクリル系モノマーの単独重
合体もしくは共重合体、または前記少なくとも1種の水
溶性アクリル系モノマーとアクリル系モノマー以外の他
の重合性モノマーとの共重合体である熱転写記録媒体。
【0091】(2)請求項1記載の発明において、ビヒ
クルの水性分散液を調製するために用いる水溶性のアク
リル系重合体が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジ
アセトン(メタ)アクリルアミドおよびN,N′−メチ
レンビスアクリルアミドよりなる群から選ばれた少なく
とも1種の水溶性アクリル系モノマーの単独重合体もし
くは共重合体、または前記少なくとも1種の水溶性アク
リル系モノマーとアクリル系モノマー以外の他の重合性
モノマーとの共重合体である熱転写記録媒体。
【0092】(3)請求項1記載の発明において、ビヒ
クルの水性分散液を調製するために用いる水溶性のアク
リル系重合体が、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メ
タ)アクリルアミドおよびアクリル酸−無水マレイン酸
共重合体よりなる群から選ばれた少なくとも1種である
熱転写記録媒体。
【0093】(4)請求項1、または前記(1)、
(2)もしくは(3)項記載の発明において、前記水溶
性のアクリル系重合体の平均分子量が5000〜500
00である熱転写記録媒体。
【0094】(5)請求項1記載の発明において、着色
顔料の水性分散液を調製するために用いる水溶性のアク
リル系重合体が、(メタ)アクリル酸および(メタ)ア
クリルアミドまたはその誘導体よりなる群れから選ばれ
た少なくとも1種の水溶性アクリル系モノマーの単独重
合体もしくは共重合体、または前記少なくとも1種の水
溶性アクリル系モノマーとアクリル系以外の他の重合性
モノマーとの共重合体である熱転写記録媒体。
【0095】(6)請求項1記載の発明において、着色
顔料の水性分散液を調製するために用いる水溶性のアク
リル系重合体が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジ
アセトン(メタ)アクリルアミドおよびN,N′−メチ
レンビスアクリルアミドよりなる群から選ばれた少なく
とも1種の水溶性アクリル系モノマーの単独重合体もし
くは共重合体、または前記少なくとも1種の水溶性アク
リル系モノマーとアクリル系モノマー以外の他の重合性
モノマーとの共重合体である熱転写記録媒体。
【0096】(7)請求項1記載の発明において、着色
顔料の水性分散液を調製するために用いる水溶性のアク
リル系重合体が、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メ
タ)アクリルアミドおよびアクリル酸−無水マレイン酸
共重合体よりなる群から選ばれた少なくとも1種である
熱転写記録媒体。
【0097】(8)請求項1、または前記(5)、
(6)もしくは(7)項記載の発明において、前記水溶
性のアクリル系重合体の平均分子量が5000〜500
00である熱転写記録媒体。
【0098】(9)支持体上に、カルナバワックスを5
0〜95重量%含有するビヒクルを、酸価30以上のワ
ックス、または水溶性のアクリル系重合体をビヒクル全
量に対して5〜30重量%の割合で使用して水性媒体に
分散してなる水性分散液と、前記着色顔料を平均重合度
が200〜3000のポリビニルアルコール、または水
溶性のアクリル系重合体を着色顔料に対して10〜30
重量%の割合で使用して水性媒体に分散してなる水性分
散液とからなる塗工液を塗布し、乾燥して、着色顔料
と、カルナバワックスを50〜95重量%含有するビヒ
クルとからなる熱溶融性着色インク層を形成することを
特徴とする熱転写記録媒体の製法。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、着色顔料と、カルナバワッ
    クスを50〜95重量%含有するビヒクルとからなる熱
    溶融性着色インク層が設けられてなり、該インク層が、
    前記ビヒクルを酸価30以上のワックス、または水溶性
    のアクリル系重合体をビヒクル全量に対して5〜30重
    量%の割合で使用して水性媒体に分散してなる水性分散
    液と、前記着色顔料を平均重合度が200〜3000の
    ポリビニルアルコール、または水溶性のアクリル系重合
    体を着色顔料に対して10〜30重量%の割合で使用し
    て水性媒体に分散してなる水性分散液とからなる塗工液
    を塗布して形成されてなることを特徴とする熱転写記録
    媒体。
JP6112713A 1994-05-26 1994-05-26 熱転写記録媒体 Pending JPH07314903A (ja)

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