JPH07313521A - 超音波照射装置 - Google Patents

超音波照射装置

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JPH07313521A
JPH07313521A JP6133765A JP13376594A JPH07313521A JP H07313521 A JPH07313521 A JP H07313521A JP 6133765 A JP6133765 A JP 6133765A JP 13376594 A JP13376594 A JP 13376594A JP H07313521 A JPH07313521 A JP H07313521A
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JP
Japan
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interdigital
wave
piezoelectric
thin plate
surface acoustic
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JP6133765A
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Koji Toda
耕司 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 すだれ状電極を備えた圧電薄板を非圧電基板
の一方の板面F1に設け、非圧電基板のもう一方の板面
F2を液体または粘液状の物質を介して物体に接触さ
せ、その物体中に高周波の超音波を照射する超音波照射
装置を提供する。 【構成】 すだれ状電極Tに電気信号を入力するとその
電気信号の周波数のうちすだれ状電極Tに対応する中心
周波数とその近傍の周波数の電気信号のみが弾性表面波
に変換されて圧電磁器薄板1を伝搬する。この弾性表面
波はアクリル板2中にバルク波として漏洩され、さらに
液体中に縦波として放射され、その液体と接触した物体
中に放射される。 【効果】 低消費電力で効率良く超音波を照射すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明はすだれ状電極を備えた圧
電薄板を非圧電基板の一方の板面F1に設け、前記非圧
電基板のもう一方の板面F2を液体または粘液状の物質
を介して物体に接触させることにより、その物体中に超
音波を照射する超音波照射装置に関する。
【従来の技術】肝内結石、胆のう内結石および総胆管結
石などの胆石症の治療法としては、たとえば胆のう内結
石では薬剤投与による胆石溶解療法、腹腔鏡を用いた胆
のう摘出術、衝撃波による結石の粉砕または開腹手術等
が行なわれる。しかし、手術により腹部が癒着しやすい
人もいる。また、結石の大きさや数によっては必ずしも
胆石溶解療法が有効ではなく、衝撃波では十分粉砕でき
ないこともある。がんを治療する方法の1つとして、抗
腫瘍性薬剤投与による化学療法が挙げられる。これは薬
剤を投与することにより細胞の増殖を抑制しようとする
ものである。しかし、発熱や白血球数の低下、さらに頭
髪が抜ける等の副作用があり投与量を減らさざるを得な
いこともある。静脈などの血管に蓄積した老廃物を除去
するには、手術による人体への負担を考えた場合、やは
り薬剤投与等による穏やかな化学療法が望まれる。しか
し、多量投与による副作用等の問題を有する。肩こり、
筋肉痛および神経痛などを治療する従来の方法は薬剤を
投与することや、直接患部に湿布薬を塗布したり叩いた
りマッサージすることなどであったが、薬剤が患部に浸
透し効果を生ずるまでにかなりの時間と労力を要するこ
とが多かった。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物体
に超音波を照射することができる超音波照射装置を提供
することにある。たとえば、動物または人体の体内に高
周波の超音波を照射することができ、薬剤投与による化
学療法に超音波照射を組み合わせることで体内の内部組
織に蓄積した老廃物その他の物質を破砕して胆石症、尿
結石または静脈瘤等を治療したり、がん細胞の増殖を抑
制したり、肩こり、筋肉痛および神経痛などを治療した
り、皮膚表層の局部を刺激することを目的とする。さら
に、本発明の目的は、低消費電力で効率良く超音波を照
射することができ、応答時間が短く、加工性や量産性に
優れた超音波照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
照射装置は、すだれ状電極を備えた圧電薄板を非圧電基
板の一方の板面F1に設け、液体または粘液状の物質を
介して前記非圧電基板のもう一方の板面F2と接触した
物体中に超音波を照射する手段を備えた超音波照射装置
であって、前記すだれ状電極は前記圧電薄板における2
つの板面P1,P2のうちの板面P1に設けられてい
て、前記圧電薄板は前記板面P2を介して前記非圧電基
板に固着されており、前記圧電薄板の厚さは前記すだれ
状電極の電極周期長以下であり、前記超音波照射手段
は、前記物体中の所定の箇所に高周波の超音波のエネル
ギーを集中させる手段を含むことを特徴とする。請求項
2に記載の超音波照射装置は、前記すだれ状電極が円弧
状を成すことを特徴とする。請求項3に記載の超音波照
射装置は、前記すだれ状電極が少なくとも1組の入力用
すだれ状電極T1で成り、前記超音波照射手段は、前記
すだれ状電極T1に電気信号を入力することにより前記
非圧電基板と前記圧電薄板との界面に弾性表面波を励振
し、該弾性表面波を前記非圧電基板中にバルク波として
モード変換させ、該非圧電基板中の該バルク波を縦波と
して前記液体または前記粘液状の物質に照射し、前記非
圧電基板単体を伝搬するバルク波の速度は前記圧電薄板
単体を伝搬する弾性表面波の速度よりも小さいことを特
徴とする。請求項4に記載の超音波照射装置は、前記す
だれ状電極が少なくとも2組の入力用すだれ状電極T1
およびT2で成り、前記超音波照射手段は、前記すだれ
状電極T1およびT2に電気信号を入力することにより前
記非圧電基板と前記圧電薄板との界面に高次モードの弾
性表面波を励振し、該弾性表面波を前記非圧電基板中に
バルク波としてモード変換させ、該非圧電基板中の該バ
ルク波を縦波として前記液体または前記粘液状の物質に
照射し、前記非圧電基板単体を伝搬するバルク波の速度
は前記圧電薄板単体を伝搬する弾性表面波の速度よりも
小さく、前記エネルギー集中手段は、前記すだれ状電極
1に電気信号を入力することにより生じた前記縦波と
前記すだれ状電極T2に電気信号を入力することにより
生じた前記縦波とを互いに交叉させる手段を含むことを
特徴とする。請求項5に記載の超音波照射装置は、前記
すだれ状電極が少なくとも1組の入力用すだれ状電極T
0および該すだれ状電極T0に対応する出力用すだれ状電
極R0、並びに少なくとも2組の前記すだれ状電極T1
よびT2で成り、前記すだれ状電極T0に電気信号を入力
することにより前記非圧電基板と前記圧電薄板との界面
に弾性表面波を励振し、該弾性表面波を前記すだれ状電
極R0から電気信号として出力させる手段を備え、前記
すだれ状電極R0の出力端は増幅器を介して前記すだれ
状電極T0,T1およびT2の入力端に接続されており、
前記すだれ状電極T0から前記すだれ状電極R0に至る間
の前記非圧電基板における弾性表面波の伝搬路を遅延素
子とする発振器が構成されていて、前記発振器の信号ル
ープは前記すだれ状電極T0と、前記弾性表面波の伝搬
路と、前記すだれ状電極R0と、前記増幅器とから成る
ことを特徴とする。請求項6に記載の超音波照射装置
は、前記非圧電基板がアクリル板で成り、前記圧電薄板
が圧電セラミックで成り、該圧電セラミックの分極軸の
方向は該圧電セラミックにおけるすだれ状電極を有する
板面と垂直であることを特徴とする。請求項7に記載の
超音波照射装置は、前記非圧電基板がアクリル板で成
り、前記圧電薄板がLiNbO3その他の単結晶で成る
ことを特徴とする。
【作用】本発明の超音波照射装置は、すだれ状電極を備
えた圧電薄板を非圧電基板の一方の板面F1に設けて成
る簡単な構造を有し、非圧電基板のもう一方の板面F2
を液体または粘液状の物質を介して物体に接触させるこ
とにより、その物体中に超音波を照射する手段を備えて
いる。このようにして、板面F2をたとえば動物や人間
の皮膚に接触させることにより、動物や人体の体内に高
周波の超音波を照射することができる。すだれ状電極が
少なくとも1組の入力用すだれ状電極T1で成る場合に
は、このすだれ状電極T1に電気信号を入力することに
より、圧電薄板に速度VSの弾性表面波を励振させるこ
とができる。さらに、圧電薄板が非圧電基板に固着され
ていることにより、この弾性表面波を非圧電基板にバル
ク波として漏洩する形でモード変換させることができ
る。このとき漏洩される弾性表面波の位相速度は非圧電
基板単体中の横波の速度VATよりも大きい。つまり、圧
電薄板に励振される弾性表面波のうちVSがVATよりも
大きいという関係を満たすものが非圧電基板に漏洩され
る。圧電薄板に励振される弾性表面波のうちVSがVAT
よりも小さいものは非圧電基板に漏洩されることはな
い。このようにして、圧電薄板に励振された弾性表面波
のうち、位相速度が非圧電基板単体中の横波の速度VAT
よりも大きく縦波の速度VALよりも小さい波は速度VAT
とほぼ等しい速度を有する波に効率よく変換されて非圧
電基板に漏洩される。また、圧電薄板に励振された弾性
表面波のうち、位相速度が非圧電基板単体中の縦波の速
度VALよりも大きな波は速度VATあるいは速度VALとほ
ぼ等しい速度を有する波に効率よく変換されて非圧電基
板に漏洩される。さらに、このようにして漏洩されたバ
ルク波の一部は非圧電基板のもう一方の板面F2に接触
した液体中に効率よく速度VWの縦波として放射され
る。この速度VWの縦波は、板面F2と皮膚とを直接あ
るいは間接的に接触させる構造を採用することにより、
その皮膚を通して動物や人体の体内の組織に放射され
る。この超音波エネルギーが皮膚表層の局部を刺激する
だけでなく、体内の組織に蓄積した老廃物その他の物質
を破砕し、その組織から剥離することを可能にする。さ
らに、このような超音波照射を薬剤投与と併用すること
によりこの効果はいっそう増大される。たとえば、静脈
瘤や尿結石の治療に効果を発揮し、また、筋肉痛や肩こ
りなどの症状を改善したり頭部の血行を良くしたりす
る。また、細胞を活性化させ、薬剤投与と併用すること
により、がん細胞の増殖を抑制する。すだれ状電極が圧
電薄板における2つの板面P1,P2のうちの板面P1
に設けられ、圧電薄板が板面P2を介して非圧電基板に
固着された構造を採用することにより、すだれ状電極に
加えられる電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に変
換することができる。圧電薄板の厚さをすだれ状電極の
電極周期長以下にする構造を採用することにより、すだ
れ状電極に加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に
変換される度合を大きくすることができるだけでなく、
圧電薄板と非圧電基板との界面での音響インピーダンス
の不整合等によって生じる反射等を抑圧することができ
る。従って、弾性表面波の非圧電基板への効果的な漏洩
を促進させることができる。本発明の超音波照射装置
は、圧電薄板の厚さdを小さくすることに伴う脆弱性を
圧電薄板を非圧電基板に固着することによって克服して
いる。すなわち、非圧電基板は圧電薄板の脆弱性を克服
するために重要な役割を果たしている。すだれ状電極が
少なくとも2組の入力用すだれ状電極T1およびT2で成
る構造を採用する場合には、すだれ状電極T1およびT2
に電気信号を入力することにより非圧電基板と圧電薄板
との界面に弾性表面波を励振することができる。この弾
性表面波は非圧電基板中にバルク波としてモード変換さ
れ、このバルク波は縦波として板面F2に接触した液体
中に放射される。さらに、その液体に接触した皮膚を通
して体内の組織に放射される。このとき、すだれ状電極
1に電気信号を入力することにより生じた前記縦波
と、すだれ状電極T2に電気信号を入力することにより
生じた前記縦波とを体内において互いに交叉させ焦点を
結ばせることが可能である。従って、体内の特定の箇所
に超音波エネルギーを集中させることが可能となる。す
だれ状電極が円弧状を成す場合には、この効果はさらに
増大される。また、前記焦点の皮膚からの距離は、非圧
電基板と圧電薄板との界面に励振される弾性表面波のモ
ードに対応している。つまり、本発明の超音波照射装置
を駆動する際、弾性表面波のモードを選ぶことにより、
皮膚からの所定の深さのところに超音波エネルギーを集
中させることができる。すだれ状電極が少なくとも1組
の入力用すだれ状電極T0およびそのすだれ状電極T0
対応する出力用すだれ状電極R0、並びに少なくとも2
組の前記すだれ状電極T1およびT2で成る構造を採用す
ることができる。このとき、すだれ状電極T0に電気信
号を入力して非圧電基板と圧電薄板との界面に弾性表面
波を励振し、その弾性表面波をすだれ状電極R0から電
気信号として出力させる構造を採用し、すだれ状電極R
0の出力端を増幅器を介してすだれ状電極T0,T1およ
びT2の入力端に接続することにより、すだれ状電極T0
からすだれ状電極R0に至る間の非圧電基板における弾
性表面波の伝搬路を遅延素子とする発振器を構成するこ
とができる。この発振器の信号ループはすだれ状電極T
0と、前記伝搬路と、すだれ状電極R0と、増幅器とから
成る。このようにして、回路構成が簡略化され、しかも
発振器内蔵型の装置が形成されることから、装置の小型
軽量化が促進され携帯が容易になるとともに低電圧で低
消費電力での駆動が可能となる。非圧電基板としてアク
リル板を採用し、圧電薄板として圧電セラミックを採用
し、その圧電セラミックの分極軸の方向が圧電セラミッ
クにおけるすだれ状電極を有する板面と垂直になるよう
な構造を採用することにより、圧電薄板に効率よく弾性
表面波を励振することができ、さらにその弾性表面波を
非圧電基板に効率よく漏洩することができる。非圧電基
板としてアクリル板を採用し、圧電薄板としてLiNb
3その他の単結晶を採用することにより、圧電薄板に
効率よく弾性表面波を励振することができ、さらにその
弾性表面波を非圧電基板に効率よく漏洩することができ
る。圧電薄板としてPVDFその他の圧電高分子フィル
ムを採用することにより、より高周波対応が可能な形で
圧電薄板に効率よく弾性表面波を励振することができ、
さらにその弾性表面波を非圧電基板に効率よく漏洩する
ことができる。
【実施例】図1は本発明の超音波照射装置の第1の実施
例を示す断面図である。本実施例はすだれ状電極T1
2、圧電磁器薄板1およびアクリル板2から成る。す
だれ状電極T1およびT2はアルミニウム薄膜で成る。圧
電磁器薄板1は厚さがdのTDK製101A材(製品
名)で成る。アクリル板2の厚さ(TA)は2mmであ
る。すだれ状電極T1およびT2は圧電磁器薄板1上に設
けられ、圧電磁器薄板1はアクリル板2上に設けられて
いる。圧電磁器薄板1はエポキシ系樹脂によってアクリ
ル板2上に固着されている。すだれ状電極T1およびT2
は電極周期長が2Pの正規型のものであり、10対の電
極指を有する。なお、本発明の超音波照射装置を使用す
るときは、アクリル板2における圧電磁器薄板1を有し
ない方の板面を水、薬液および油などの液体や、クリー
ムまたはゼラチンなどの粘性を有する物質を介して動物
または人体の皮膚に接触させると、超音波が皮膚の内部
の細胞に効率よく照射される。図2は圧電磁器薄板1を
伝搬する弾性表面波がアクリル板2を経由し縦波として
液体中に伝搬されるまでの伝搬形態を示す図である。図
1の超音波照射装置の駆動時、すだれ状電極T1および
2に電気信号を入力するとその電気信号の周波数のう
ちすだれ状電極T1およびT2に対応する中心周波数とそ
の近傍の周波数の電気信号のみが弾性表面波に変換され
て圧電磁器薄板1を速度VSで伝搬する。もしも弾性表
面波の速度VSがアクリル板2単体中での横波の速度V
ATよりも大きく縦波の速度VALよりも小さいときには、
この弾性表面波は速度VATの横波に変換されてアクリル
板2に漏洩される。圧電磁器薄板1からバルク波が漏洩
されるときの漏洩角θATはVATとVSとの比(VAT
S)に相関する。アクリル板2を伝搬するバルク波は
アクリル板2と液体との界面において速度VWの縦波に
変換されて液体中に放射される。このときの放射角θW
は速度VWとVAT との比(VW/VAT)に相関する。な
お、すだれ状電極T1またはT2に入力する電気信号の周
波数に応じて速度VSが変化することから、その電気信
号の周波数を変化させることにより漏洩角θATおよび放
射角θWを変動させることが可能となる。従って、液体
等を介して動物や人体の体内に超音波を照射する場合、
2組のすだれ状電極T1およびT2に入力する電気信号の
周波数を変化させることにより、すだれ状電極T1によ
る縦波とすだれ状電極T2による縦波とを互いに交叉さ
せて皮膚および皮膚から任意の深さのところに焦点を結
ばせることが可能となる。つまり、すだれ状電極T1
よびT2が正規型であることから、超音波のエネルギー
を皮膚および体内の特定の箇所に線状に集中させること
が可能になる。図3は圧電磁器薄板1に伝搬する弾性表
面波の速度VSがアクリル板2単体中での縦波の速度V
ALよりも大きい場合の超音波の伝搬形態を示す図であ
る。この場合、弾性表面波は速度VATの横波および速度
ALの縦波に変換されてアクリル板2に漏洩される。圧
電磁器薄板1からバルク波として横波が漏洩されるとき
の漏洩角θATはVATとVSとの比(VAT/VS)に相関
し、縦波の場合の漏洩角θALはVALとVSとの比(VAL
/VS)に相関する。アクリル板2を励振するバルク波
はアクリル板2と液体との界面において速度VWの縦波
に変換されて液体中に放射される。このときの放射角θ
Wは速度VWとVATとの比(VW/VAT)または速度VW
ALとの比(VW/VAL)に相関する。すだれ状電極T1
またはT2に入力する電気信号の周波数に応じて速度VS
が変化することから、その電気信号の周波数を変化させ
ることにより、速度VSを図2のような条件(VAT<VS
<VAL)に設定することもでき、また図3のような条件
(VAL<VS)に設定することもできる。また、それぞ
れの漏洩角θATおよびθALや放射角θWを変動させるこ
とが可能となる。図4はアクリル板2とアクリル板2に
接触された液体との界面付近での超音波の伝搬形態を示
す図である。但し、速度VSが図2の条件(VAT<VS
AL)を満たすときのものである。アクリル板2を伝搬
するバルク横波が該界面に達すると、反射角θATを示す
横波反射率RT、反射角θALを示す縦波反射率RLおよび
縦波透過率TLの3成分を生じる。このようにして、ア
クリル板2を伝搬するバルク横波は前記界面において一
部が横波反射率RTおよび縦波反射率RLとして反射さ
れ、残部が縦波透過率TLとして放射角θWで液体中に放
射される。図5は図1の超音波照射装置における圧電磁
器薄板1およびアクリル板2から成る層状媒体を伝搬す
る弾性表面波の速度分散曲線を示す特性図であり、弾性
表面波の周波数fと圧電磁器薄板1の厚さdとの積に対
する各モードの位相速度を示す図である。但し、圧電磁
器薄板1は、圧電磁器薄板1のアクリル板2と接触する
方の板面(アクリル側板面)ともう一方の空気に接触す
る方の板面(空気側板面)とがともに電気的に開放状態
にあるものを用いた。本図において”open”は開放
状態であることを示す。また、○印は実測値を示す。弾
性表面波には複数個のモードがある。fd値がほぼ0.
4MHz・mm以下のときのA0モードの波は速度がア
クリル板2の横波速度VATよりも小さい。このような波
は波のエネルギーが表面付近に局在して伝搬する表面波
であり、アクリル板2に漏洩されることは無い。速度が
ATよりも大きなA0モードおよびその他のモードの波
には速度の虚数成分が存在し、波のエネルギーの一部は
アクリル板2中にバルク波として漏洩される。各モード
の弾性表面波のうち速度がVATよりも大きくVALよりも
小さい領域の波がアクリル板2中にバルク横波として効
果的に漏洩することができる。速度がVALよりも大きい
領域の波はバルク縦波およびバルク横波としてアクリル
板2中に漏洩される。図6は図1の超音波照射装置にお
けるモード変換効率Cとfd値との関係を示す特性図で
ある。但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のアク
リル側板面ともう一方の空気側板面とがともに電気的に
開放状態にあるものを用いた。A0モードを除くどのモ
ードにおいても圧電磁器薄板1に伝搬する弾性表面波が
効率よくアクリル板2にバルク波として漏洩されること
がわかる。図7は圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的
境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気機械
結合係数k2とfd値との関係を示す特性図である。但
し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1の空気側板面に
各すだれ状電極(IDT)を設けアクリル側板面を電気
的に開放状態にしたものを用いている。A0モードのk2
はfd=2.8MHz・mm付近からほぼ一定の値(k
2=4%)を示している。S0モードはfd=1.4MH
z・mm付近で1つのピーク(k2=17.5%)が存
在する。このピークは圧電磁器薄板1からアクリル板2
へ漏洩される表面波に対応するものと考えられる。A1
およびA2モードもまた効率的には良好な値を示してい
る。このようにして、A0モードを除くどのモードにお
いても弾性表面波を圧電磁器薄板1からアクリル板2へ
効率よく漏洩させることができ、fd値を調整すること
によりアクリル板2への最も効率のよい漏洩を実現する
ことができる。また、圧電磁器薄板1の空気側板面に各
すだれ状電極を設けた構造は製作上の容易性にもつなが
るという利点を有している。図8は圧電磁器薄板1の異
なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出し
た実効的電気機械結合係数k2とfd値との関係を示す
特性図である。但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板
1の空気側板面に各すだれ状電極を設けアクリル側板面
を電気的に短絡状態にしたものを用いている。本実施例
においては圧電磁器薄板1の板面に金属薄膜を被覆する
ことによりその板面を電気的に短絡状態にしている。本
図において”short”は短絡状態であることを示
す。図8においても図7と同様に、A0モードを除くど
のモードにおいても弾性表面波を圧電磁器薄板1からア
クリル板2へ効率よく漏洩させることができ、fd値を
調整することによりアクリル板2への最も効率のよい漏
洩を実現することができる。また、圧電磁器薄板1の空
気側板面に各すだれ状電極を設けた構造は製作上の容易
性にもつながるという利点を有している。図9は図4に
示す横波反射率RT、縦波反射率RLおよび縦波透過率T
Lの位相速度に対するエネルギー分配率と角度との関係
を示す特性図である。すなわち、バルク横波に関する特
性図である。但し、このときの角度は横波反射率RT
対しては反射角θATを、縦波反射率RLに対しては反射
角θALを、縦波透過率TLに対しては放射角θWを示す。
縦波透過率TLの値が最も大きいのは位相速度がほぼ1
800m/sから2400m/s付近の領域であって、
このときの放射角θWは約60度から40度程度である
ことがわかる。図10はバルク縦波に関する横波反射率
T、縦波反射率RLおよび縦波透過率TLの位相速度に
対するエネルギー分配率と角度との関係を示す特性図で
ある。縦波透過率TLの透過率が最も大きいのは位相速
度がほぼ2800m/s付近よりも大きな領域であっ
て、このときの放射角θWは約40度以下であることが
わかる。図11は図1の超音波照射装置における挿入損
失と周波数との関係の一実施例を示す特性図であり、圧
電磁器薄板1の厚さdが200μm、すだれ状電極T1
およびT2それぞれの電極周期長2Pが460μmの場
合の結果である。本図において実線はアクリル板2に液
体が接触していない場合を示し、点線はアクリル板2に
液体が接触している場合を示す。各周波数における実線
と点線との差が大きいほど液体中に縦波として放射され
る度合が大きいことから、A0モードを除くどのモード
の表面波でも液体中に縦波として効率よく放射されてい
ることがわかる。特に、中心周波数がほぼ6MHzのS
0モードや中心周波数がほぼ13MHzのS2モードの表
面波が液体中に縦波として放射される度合が大きいこと
がわかる。図12は本発明の超音波照射装置の第2の実
施例を示す平面図である。本実施例は入力用すだれ状電
極T0,T3,T4,出力用すだれ状電極R0,圧電磁器薄
板3、アクリル板4および増幅器5から成る。但し、図
12ではアクリル板4は描かれていない。前記各すだれ
状電極はアルミニウム薄膜で成る。圧電磁器薄板3は直
径15mm、厚さ200μmの円板状のTDK製101
A材(製品名)で成る。アクリル板4は直径16mm、
厚さ1mmの円板で成る。各すだれ状電極は圧電磁器薄
板3上に設けられ、圧電磁器薄板3はアクリル板4上に
設けられている。圧電磁器薄板3はエポキシ系樹脂によ
ってアクリル板4上に固着されている。各すだれ状電極
は電極周期長(2P)が430μmの円弧状を成し、5
対の電極指を有する。すだれ状電極T0とR0との電極離
間距離およびすだれ状電極T3とT4との電極離間距離は
ともに6.88mmである。すだれ状電極R0の出力端
は増幅器5を介してすだれ状電極T0,T3およびT4
入力端に接続されている。但し、図12ではすだれ状電
極T3およびT4の入力端への接続回路は省いて描かれて
いる。なお、本発明の超音波照射装置を使用するとき
は、アクリル板4における圧電磁器薄板3を有しない方
の板面を水、薬液および油などの液体や、クリームまた
はゼラチンなどの粘性を有する物質を介して動物または
人体の皮膚に接触させると、超音波が皮膚および皮膚の
内部の細胞に効率よく照射される。図12の超音波照射
装置の駆動時、すだれ状電極T0には電気信号が入力さ
れ、アクリル板4と圧電磁器薄板3との界面に弾性表面
波が励振され、その弾性表面波の一部(VSがVATより
も小さいもの)はすだれ状電極R0から電気信号として
出力され、この電気信号は増幅器5によって増幅され、
再びすだれ状電極T0,T3およびT4から入力される。
このようにして、すだれ状電極T0からすだれ状電極R0
に至る間のアクリル板4における弾性表面波の伝搬路を
遅延素子とする発振器を構成することができる。この発
振器の信号ループはすだれ状電極T0、前記伝搬路、す
だれ状電極R0および増幅器5から成る。このような発
振器を構成することにより、回路構成が簡略化され、装
置の小型軽量化が促進されるとともに低電圧で低消費電
力での駆動が可能となる。図13は図12の超音波照射
装置の斜視図である。但し、図13では増幅器5は描か
れていない。すだれ状電極T3およびT4は図1の第1の
実施例で示されるすだれ状電極T1およびT2と同様な機
能を果たす。すなわち、すだれ状電極T3およびT4に電
気信号を入力するとその電気信号の周波数のうちすだれ
状電極T3およびT4に対応する中心周波数とその近傍の
周波数の電気信号のみが弾性表面波に変換されて圧電磁
器薄板3を速度VSで伝搬する。もしも弾性表面波の速
度VSがアクリル板3単体中での横波の速度VATよりも
大きく縦波の速度VALよりも小さいときには、この弾性
表面波は速度VATの横波に変換されてアクリル板4に漏
洩される。圧電磁器薄板3からバルク波が漏洩されると
きの漏洩角θATはVATとVSとの比(VAT/VS)に相関
する。アクリル板4に液体を接触させた場合、アクリル
板4を伝搬するバルク波はアクリル板4と液体との界面
において速度VWの縦波に変換されて液体中に放射され
る。このときの放射角θWは速度VWとVATとの比(VW
/VAT)に相関する。すだれ状電極T3またはT4に入力
する電気信号の周波数に応じて速度VSが変化すること
から、その電気信号の周波数を変化させることにより漏
洩角θATおよび放射角θWを変動させることが可能とな
る。従って、液体等を介して動物や人体の体内に超音波
を照射する場合、2組のすだれ状電極T3およびT4に入
力する電気信号の周波数を変化させることにより、すだ
れ状電極T3による縦波とすだれ状電極T4による縦波と
を互いに交叉させて皮膚および皮膚から任意の深さのと
ころに焦点を結ばせることが可能となる。つまり、すだ
れ状電極T3およびT4が円弧状であることから、超音波
のエネルギーを皮膚および体内の特定の箇所に点状に集
中させることが可能になる。
【発明の効果】本発明の超音波照射装置によれば、すだ
れ状電極が少なくとも1組の入力用すだれ状電極T1
成る場合には、このすだれ状電極T1に電気信号を入力
することにより、圧電薄板に速度VSの弾性表面波を励
振させることができる。さらに、圧電薄板が非圧電基板
に固着されていることにより、この弾性表面波を非圧電
基板にバルク波として漏洩する形でモード変換させるこ
とができる。このとき、圧電薄板に励振された弾性表面
波のうち、位相速度が非圧電基板単体中の横波の速度V
ATよりも大きく縦波の速度VALよりも小さい波は速度V
ATとほぼ等しい速度を有する波に効率よく変換されて非
圧電基板に漏洩される。また、圧電薄板に励振された弾
性表面波のうち、位相速度が非圧電基板単体中の縦波の
速度VALよりも大きな波は速度VATあるいは速度VAL
ほぼ等しい速度を有する波に効率よく変換されて非圧電
基板に漏洩される。このようにして漏洩されたバルク波
の一部は非圧電基板の板面F2に接触した液体中に効率
よく速度VWの縦波として放射される。この速度VWの縦
波は、板面F2と物体とを直接あるいは間接的に接触さ
せる構造を採用することにより、その物体中に放射さ
れ、たとえば、板面F2と皮膚とを接触させると、その
皮膚を通して動物や人体の体内の組織に放射される。そ
の結果、皮膚表層の局部を刺激し血行を良くしたりする
ことができるだけでなく、たとえば静脈瘤や尿結石の治
療に効果を発揮し、また、筋肉痛や肩こりなどの症状を
改善し、腫瘍の増殖を抑制する。この効果は薬剤投与と
併用することにより増強される。すだれ状電極が圧電薄
板における2つの板面P1,P2のうちの板面P1に設
けられ、圧電薄板が板面P2を介して非圧電基板に固着
された構造を採用することにより、すだれ状電極に加え
られる電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に変換す
ることができる。また、圧電薄板の厚さをすだれ状電極
の電極周期長以下にする構造を採用することにより、す
だれ状電極に加えられる電気的エネルギーが弾性表面波
に変換される度合を大きくすることができるだけでな
く、圧電薄板と非圧電基板との界面での音響インピーダ
ンスの不整合等によって生じる反射等を抑圧することが
できる。従って、弾性表面波の非圧電基板への効果的な
漏洩を促進させることができる。すだれ状電極が少なく
とも2組の入力用すだれ状電極T1およびT2で成る構造
を採用する場合には、すだれ状電極T1に電気信号を入
力することにより動物や人体の体内の組織に放射された
縦波と、すだれ状電極T2に電気信号を入力することに
より動物や人体の体内の組織に放射された縦波とを体内
において互いに交叉させ焦点を結ばせることが可能であ
る。従って、皮膚や体内の特定の箇所に超音波エネルギ
ーを集中させることが可能となる。すだれ状電極が正規
型の場合には線状に超音波エネルギーを集中させること
ができ、すだれ状電極が円弧状を成す場合には、点状に
超音波エネルギーを集中させることができる。すだれ状
電極が少なくとも1組の入力用すだれ状電極T0および
そのすだれ状電極T0に対応する出力用すだれ状電極
0、並びに少なくとも2組の前記すだれ状電極T1およ
びT2で成る構造を採用することができる。このとき、
すだれ状電極T0に電気信号を入力して非圧電基板と圧
電薄板との界面に弾性表面波を励振し、その弾性表面波
をすだれ状電極R0から電気信号として出力させる構造
を採用し、すだれ状電極R0の出力端を増幅器を介して
すだれ状電極T0,T1およびT2の入力端に接続するこ
とにより、すだれ状電極T0からすだれ状電極R0に至る
間の非圧電基板における弾性表面波の伝搬路を遅延素子
とする発振器を構成することができる。従って、回路構
成が簡略化され、しかも発振器内蔵型の装置が形成され
ることから、装置の小型軽量化が促進され携帯が容易に
なるとともに低電圧で低消費電力での駆動が可能とな
る。非圧電基板としてアクリル板を採用し、圧電薄板と
して圧電セラミックを採用し、その圧電セラミックの分
極軸の方向が圧電セラミックにおけるすだれ状電極を有
する板面と垂直になるような構造を採用することによ
り、圧電薄板に効率よく弾性表面波を励振することがで
き、さらにその弾性表面波を非圧電基板に効率よく漏洩
することができる。非圧電基板としてアクリル板を採用
し、圧電薄板としてLiNbO3その他の単結晶を採用
することにより、圧電薄板に効率よく弾性表面波を励振
することができ、さらにその弾性表面波を非圧電基板に
効率よく漏洩することができる。圧電薄板としてPVD
Fその他の圧電高分子フィルムを採用することにより、
より高周波対応が可能な形で圧電薄板に効率よく弾性表
面波を励振することができ、さらにその弾性表面波を非
圧電基板に効率よく漏洩することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波照射装置の第1の実施例を示す
断面図。
【図2】圧電磁器薄板1を伝搬する弾性表面波がアクリ
ル板2を経由し縦波として液体中に伝搬されるまでの伝
搬形態を示す図。
【図3】圧電磁器薄板1に伝搬する弾性表面波の速度V
Sがアクリル板2単体中での縦波の速度VALよりも大き
い場合の超音波の伝搬形態を示す図。
【図4】アクリル板2とアクリル板2に接触された水と
の界面付近での超音波の伝搬形態を示す図。
【図5】図1の超音波照射装置における圧電磁器薄板1
およびアクリル板2から成る層状媒体を伝搬する弾性表
面波の速度分散曲線を示す特性図。
【図6】図1の超音波照射装置におけるモード変換効率
Cとfd値との関係を示す特性図。
【図7】圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2とfd値との関係を示す特性図。
【図8】圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2とfd値との関係を示す特性図。
【図9】図4に示す横波反射率RT、縦波反射率RLおよ
び縦波透過率TLの位相速度に対するエネルギー分配率
と角度との関係を示す特性図。
【図10】バルク縦波に関する横波反射率RT、縦波反
射率RLおよび縦波透過率TLの位相速度に対するエネル
ギー分配率と角度との関係を示す特性図。
【図11】図1の超音波照射装置における挿入損失と周
波数との関係の一実施例を示す特性図。
【図12】本発明の超音波照射装置の第2の実施例を示
す平面図。
【図13】図12の超音波照射装置の斜視図。
【符号の説明】
1 圧電磁器薄板 2 アクリル板 3 圧電磁器薄板 4 アクリル板 5 増幅器 T0,T1,T2,T3,T4,R0 すだれ状電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すだれ状電極を備えた圧電薄板を非圧電
    基板の一方の板面F1に設け、液体または粘液状の物質
    を介して前記非圧電基板のもう一方の板面F2と接触し
    た物体中に超音波を照射する手段を備えた超音波照射装
    置であって、 前記すだれ状電極は前記圧電薄板における2つの板面P
    1,P2のうちの板面P1に設けられていて、 前記圧電薄板は前記板面P2を介して前記非圧電基板に
    固着されており、 前記圧電薄板の厚さは前記すだれ状電極の電極周期長以
    下であり、 前記超音波照射手段は、前記物体中の所定の箇所に高周
    波の超音波のエネルギーを集中させる手段を含むことを
    特徴とする超音波照射装置。
  2. 【請求項2】 前記すだれ状電極が円弧状を成すことを
    特徴とする請求項1に記載の超音波照射装置。
  3. 【請求項3】 前記すだれ状電極が少なくとも1組の入
    力用すだれ状電極T1で成り、 前記超音波照射手段は、前記すだれ状電極T1に電気信
    号を入力することにより前記非圧電基板と前記圧電薄板
    との界面に弾性表面波を励振し、該弾性表面波を前記非
    圧電基板中にバルク波としてモード変換させ、該非圧電
    基板中の該バルク波を縦波として前記液体または前記粘
    液状の物質に照射し、 前記すだれ状電極T1の電極周期長は前記弾性表面波の
    波長にほぼ等しく、 前記非圧電基板単体を伝搬するバルク波の速度は前記圧
    電薄板単体を伝搬する弾性表面波の速度よりも小さいこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の超音波照射装
    置。
  4. 【請求項4】 前記すだれ状電極が少なくとも2組の入
    力用すだれ状電極T1およびT2で成り、 前記超音波照射手段は、前記すだれ状電極T1およびT2
    に電気信号を入力することにより前記非圧電基板と前記
    圧電薄板との界面に高次モードの弾性表面波を励振し、
    該弾性表面波を前記非圧電基板中にバルク波としてモー
    ド変換させ、該非圧電基板中の該バルク波を縦波として
    前記液体または前記粘液状の物質に照射し、 前記すだれ状電極T1およびT2の電極周期長は前記弾性
    表面波の波長にほぼ等しく、 前記非圧電基板単体を伝搬するバルク波の速度は前記圧
    電薄板単体を伝搬する弾性表面波の速度よりも小さく、 前記エネルギー集中手段は、前記すだれ状電極T1に電
    気信号を入力することにより生じた前記縦波と前記すだ
    れ状電極T2に電気信号を入力することにより生じた前
    記縦波とを互いに交叉させる手段を含むことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の超音波照射装置。
  5. 【請求項5】 前記すだれ状電極が少なくとも1組の入
    力用すだれ状電極T0および該すだれ状電極T0に対応す
    る出力用すだれ状電極R0、並びに少なくとも2組の前
    記すだれ状電極T1およびT2で成り、 前記すだれ状電極T0に電気信号を入力することにより
    前記非圧電基板と前記圧電薄板との界面に弾性表面波を
    励振し、該弾性表面波を前記すだれ状電極R0から電気
    信号として出力させる手段を備え、 前記すだれ状電極T0およびR0の電極周期長は前記弾性
    表面波の波長にほぼ等しく、 前記すだれ状電極R0の出力端は増幅器を介して前記す
    だれ状電極T0,T1およびT2の入力端に接続されてお
    り、 前記すだれ状電極T0から前記すだれ状電極R0に至る間
    の前記非圧電基板における弾性表面波の伝搬路を遅延素
    子とする発振器が構成されていて、 前記発振器の信号ループは前記すだれ状電極T0と、前
    記弾性表面波の伝搬路と、前記すだれ状電極R0と、前
    記増幅器とから成ることを特徴とする請求項1,2,3
    または4に記載の超音波照射装置。
  6. 【請求項6】 前記非圧電基板がアクリル板で成り、前
    記圧電薄板が圧電セラミックで成り、該圧電セラミック
    の分極軸の方向は該圧電セラミックにおけるすだれ状電
    極を有する板面と垂直であることを特徴とする請求項
    1,2,3,4または5に記載の超音波照射装置。
  7. 【請求項7】 前記非圧電基板がアクリル板で成り、前
    記圧電薄板がLiNbO3その他の単結晶で成ることを
    特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載の超音
    波照射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001299708A (ja) * 2000-04-21 2001-10-30 Koji Toda 超音波振動変位センサ
JP2002301037A (ja) * 2001-04-09 2002-10-15 Seiko Instruments Inc 脈検出装置

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