JP4045586B2 - 超音波照射デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物質中に多様な角度で効率よく超音波を照射する超音波照射デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体中に超音波を照射するには、厚み振動モードの矩形状圧電トランスデューサが広く用いられている。このような従来型のトランスデューサでは、液体中への超音波の照射角度を制御することが難しく、特に斜め方向への照射が困難である。また、動作周波数が単一で高周波駆動が難しいという問題を有する。一方、圧電基板に設けられたすだれ状トランスデューサは、圧電基板の厚さが波長に比べて十分に厚い場合には、圧電基板が液体と接触するときに液体と固体との界面において漏洩波トランスデューサとして機能する。このとき、圧電基板を伝搬する漏洩弾性表面波は速度分散のない唯一のモードしか存在しない。このようにして、従来の厚み振動モードの圧電トランスデューサや漏洩波トランスデューサは、単一周波数帯での動作に限定され、しかも、超音波の照射方向が圧電基板に対しある一定の角度に限定されるという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小型軽量で、デバイス構成が簡単で、物質中に多様な角度で超音波を照射でき、低消費電力駆動が可能で、耐環境性にも優れる超音波照射デバイスを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の超音波照射デバイスは、圧電基板と、櫛型電極AおよびBで成る組み合わせ電極と、対向電極と、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る超音波照射デバイスであって、前記組み合わせ電極および前記すだれ状トランスデューサは、前記圧電基板の上端面に設けられており、前記対向電極は、前記圧電基板の下端面に設けられていて、前記対向電極の下端面には物質が接触しており、前記櫛型電極Aと前記対向電極の間に電気信号が入力されることにより、前記物質中に縦波が照射されるとともに、前記圧電基板にラム波が励振され、前記縦波は垂直成分と非垂直成分から成り、前記ラム波は、前記すだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、前記遅延電気信号は、前記増幅器によって増幅されて、再び前記櫛型電極Aと前記対向電極の間に入力される。
【0005】
請求項2に記載の超音波照射デバイスは、前記櫛型電極Aの電極指幅が前記櫛型電極Bの電極指幅よりも長い。
【0006】
請求項3に記載の超音波照射デバイスは、前記圧電基板の厚さに対する前記組み合わせ電極の電極周期長の割合が、前記圧電基板中を伝搬する縦波速度に対する前記物質中を伝搬する縦波速度の割合の4倍以下に設定されることにより、前記物質中に照射される前記縦波の前記非垂直成分が抑圧される。
【0007】
本発明の超音波照射デバイスは、前記櫛型電極 A の電極指の総面積が不変であるならば、前記組み合わせ電極の電極対の数が多いほど、前記物質中に照射される前記縦波の前記非垂直成分が抑圧される。
【0008】
請求項4に記載の超音波照射デバイスは、前記櫛型電極Aにスキャニングシステムが接続された超音波照射デバイスであって、前記スキャニングシステムは、前記櫛型電極Aの電極指にそれぞれ対応するスイッチを成分とする少なくとも2つのグループから成り、前記グループの中の1つとその次の1つは、前記グループの中の前記1つに含まれる最初のスイッチと前記次の1つに含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを含み、前記櫛型電極Aと前記対向電極の間に前記グループの各々を介して順次電気信号が入力されることにより、スキャンされた超音波ビームとして前記縦波が前記物質中に照射される。
【0009】
請求項5に記載の超音波照射デバイスは、圧電基板、櫛型電極、対向電極、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る超音波照射デバイスであって、前記櫛型電極および前記すだれ状トランスデューサは、前記圧電基板の上端面に設けられており、前記対向電極は前記圧電基板の下端面に設けられていて、前記対向電極の下端面には物質が接触しており、前記櫛型電極と前記対向電極の間に電気信号が入力されることにより、前記物質中に縦波が照射されるとともに、前記圧電基板にラム波が励振され、前記縦波は垂直成分と非垂直成分から成り、前記ラム波は、前記すだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、前記遅延電気信号は、前記増幅器によって増幅されて、再び前記櫛型電極と前記対向電極の間に入力される。
【0010】
請求項6に記載の超音波照射デバイスは、前記櫛型電極にスキャニングシステムが接続された超音波照射デバイスであって、前記スキャニングシステムは、前記櫛型電極の電極指にそれぞれ対応するスイッチを成分とする少なくとも2つのグループから成り、前記グループの中の1つとその次の1つは、前記グループの中の前記1つに含まれる最初のスイッチと前記次の1つに含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを含み、前記櫛型電極と前記対向電極の間に前記グループの各々を介して順次電気信号が入力されることにより、スキャンされた超音波ビームとして前記縦波が前記物質中に照射される。
【0011】
請求項7に記載の超音波照射デバイスは、前記圧電基板が圧電セラミック薄板で成り、前記圧電セラミック薄板の分極軸の方向がその厚さ方向と平行である。
【0012】
請求項8に記載の超音波照射デバイスは、前記物質が液体または細胞質で成る。
【0013】
請求項9に記載の超音波照射デバイスは、前記対向電極の下端面に高分子膜が塗布されている。
【0014】
請求項10に記載の超音波照射デバイスは、前記圧電基板の下端面に非圧電板が設けられている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波照射デバイスは、2つのタイプに大別される。第1のタイプの超音波照射デバイスは、圧電基板と、櫛型電極AおよびBで成る組み合わせ電極と、対向電極と、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る簡単な構造を有する。組み合わせ電極およびすだれ状トランスデューサは、圧電基板の上端面に設けられており、対向電極は圧電基板の下端面に設けられている。対向電極の下端面には、物質が接触している。もしも、櫛型電極Aと対向電極との間に電気信号が入力されると、圧電基板にラム波が励振されるのと同時に、物質中に縦波が照射される。この縦波は圧電基板の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。一方、ラム波はすだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器によって増幅されて、再び櫛型電極Aと対向電極の間に入力される。このようにして、自励発振型の超音波照射デバイスを形成することが可能になる。従って、回路構成が簡単になり、デバイスの小型軽量化が促進され、低電圧で低消費電力駆動が可能となる。なお、本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、増幅器の代わりに信号発生器を備えた構造も可能である。
【0016】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極Aの電極指幅が櫛型電極Bの電極指幅よりも長い構造を採用することにより、縦波を効率よく物質中に照射することが可能となる。
【0017】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、圧電基板の厚さに対する組み合わせ電極の電極周期長の割合を、圧電基板中を伝搬する縦波速度に対する物質中を伝搬する縦波速度の割合の4倍以下に設定することにより、縦波の非垂直成分を抑圧することができる。
【0018】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極 A の電極指の総面積が不変であるならば、組み合わせ電極の電極対の数が多いほど、縦波の非垂直成分が抑圧される。
【0019】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極Aにスキャニングシステムが接続された構造が可能である。スキャニングシステムは、櫛型電極Aの電極指にそれぞれ対応するスイッチから成る。これらのスイッチは少なくとも2つのグループを形成する。グループの中の1つとその次の1つは、前者に含まれる最初のスイッチと後者に含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを有する。もしも、櫛型電極Aと対向電極の間にグループの各々を介して順次電気信号が入力されると、物質中にグループの数の縦波が照射される。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして照射される。
【0020】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスは、圧電基板、櫛型電極、対向電極、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る簡単な構造を有する。櫛型電極およびすだれ状トランスデューサは圧電基板の上端面に設けられており、対向電極は圧電基板の下端面に設けられている。対向電極の下端面には、物質が接触している。もしも、櫛型電極と対向電極の間に電気信号が入力されると、圧電基板にラム波が励振されるのと同時に、物質中に縦波が照射される。この縦波は圧電基板の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。一方、ラム波はすだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器を介して再び櫛型電極と対向電極の間に入力される。このようにして、自励発振型の超音波照射デバイスを形成することが可能になる。従って、回路構成が簡単になり、デバイスの小型軽量化が促進され、低電圧で低消費電力駆動が可能となる。なお、本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスでは、増幅器の代わりに信号発生器を備えた構造も可能である。
【0021】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスでは、圧電基板の厚さに対する櫛型電極の電極周期長の割合を、圧電基板中を伝搬する縦波速度に対する物質中を伝搬する縦波速度の割合の4倍以下に設定することにより、縦波の非垂直成分を抑圧することができる。
【0022】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極の電極指の総面積が不変であるならば、櫛型電極の電極対の数が多いほど、縦波の非垂直成分が抑圧される。
【0023】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極にスキャニングシステムが接続された構造が可能である。スキャニングシステムは、櫛型電極の電極指にそれぞれ対応するスイッチから成る。これらのスイッチは少なくとも2つのグループを形成する。グループの中の1つとその次の1つは、前者に含まれる最初のスイッチと後者に含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを有する。もしも、櫛型電極と対向電極の間にグループの各々を介して順次電気信号が入力されると、物質中にグループの数の縦波が照射される。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして照射される。
【0024】
本発明の超音波照射デバイスでは、圧電基板が圧電セラミック薄板で成り、圧電セラミック薄板の分極軸の方向がその厚さ方向と平行であるような構造を採用することにより、縦波を効率よく物質中に照射することが可能となる。
【0025】
本発明の超音波照射デバイスでは、物質が液体や細胞質で成る構造が可能である。つまり、本発明の超音波照射デバイスを用いれば、液体や細胞質中に効率よく縦波を照射することができる。また、細胞質を覆う皮膚上に軟膏を塗布することにより、その軟膏中の有効成分を効率よく細胞質の中に浸透させることができる。このようにして、本発明の超音波照射デバイスは注射器としての機能を果たすことが可能である。
【0026】
本発明の超音波照射デバイスでは、対向電極の下端面にシリコンゴム等の高分子膜が塗布された構造が可能である。このような構造では、高分子膜を塗布しない構造に比べて、縦波をさらに効率よく物質中に照射することが可能となる。
【0027】
本発明の超音波照射デバイスでは、圧電基板の下端面に非圧電板が設けられた構造が可能である。非圧電板の材質としては、それを伝搬する超音波の位相速度が圧電基板を伝搬する超音波の位相速度よりも大きいことを必要とする。このような非圧電板を採用することにより、ラム波の物質中への漏洩を防ぐことができる。
【0028】
【実施例】
図1は本発明の超音波照射デバイスの第1の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、組み合わせ電極2、対向電極3、シリコンゴム4、すだれ状トランスデューサ5、ガラス板6、増幅器7およびスイッチ8から成る。圧電基板1は厚さ500μmの圧電セラミック薄板で成り、その分極軸の方向が厚さ方向と平行である構造が採用されている。組み合わせ電極2およびすだれ状トランスデューサ5は、ともにアルミニウム薄膜で成り、圧電基板1の上端面に設けられている。すだれ状トランスデューサ5は900μmの電極周期長を有する。対向電極3はアルミニウム薄膜で成り、圧電基板1の下端面の一部に設けられている。圧電基板1の下端面の残部にはガラス板6が設けられている。また、ガラス板6を伝搬する超音波の位相速度は圧電基板1を伝搬する超音波の位相速度よりも大きい。シリコンゴム4は対向電極3の下端面に設けられている。このようにして、図1の超音波照射デバイスは、小型軽量でしかも構造が簡単である。
【0029】
図2は組み合わせ電極2の平面図である。組み合わせ電極2は5つの電極対を有し、5mmの電極重複幅(L)と、900μmの電極周期長(P)を有する。すだれ状トランスデューサ5の電極周期長は、組み合わせ電極2の電極周期長(P)と等しい。組み合わせ電極2は櫛型電極2Aおよび2Bから成る。櫛型電極2Aは180μmの電極指幅(WA)を有し、櫛型電極2Bは48μmの電極指幅(WB)を有する。図1では、増幅器7は櫛型電極2Aとすだれ状トランスデューサ5の間に接続されている。また、スイッチ8により、櫛型電極2Bが接地された状態またはされない状態になる。
【0030】
図1の超音波照射デバイスにおいて、電気信号が櫛型電極2Aと対向電極3の間に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に縦波が照射されるのと同時に、圧電基板1にラム波が励振される。ラム波は圧電基板1の板面に沿った方向に伝搬される。このとき、ガラス板6を採用することにより、ラム波の物質中への漏洩を防ぐことができる。これは、ガラス板6を伝搬する超音波の位相速度が圧電基板1を伝搬する超音波の位相速度よりも大きいことに因る。ラム波はすだれ状トランスデューサ5で遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器7によって増幅されて、再び櫛型電極2Aと対向電極3の間に入力電気信号として入力される。つまり、組み合わせ電極2、すだれ状トランスデューサ5および増幅器7は遅延線発振器を構成する。このようにして、自励発振型の超音波照射デバイスを形成することが可能になる。従って、回路構成が簡単になり、デバイスの小型軽量化が促進され、低電圧で低消費電力駆動が可能となる。
【0031】
一方、シリコンゴム4を介して物質中に照射された縦波は圧電基板1の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。このとき、もしもその物質が水の場合には、水中の縦波速度(VW)はほぼ1,500 m/sである。また、圧電基板1中の縦波速度(V)は4,500 m/sであることから、V値に対するVW値の割合、つまりVW/Vはほぼ0.333となる。一方、圧電基板1の厚さ(T)に対する組み合わせ電極2の電極周期長(P)の割合、つまりP/Tは1.8となり、この値は0.333の4倍よりも大きい。このような関係、すなわちP/T ≧ 4VW /Vという条件のもとでは、垂直成分および非垂直成分から成る縦波が効率よく水中に照射される。つまり、このような条件が多方向への照射を可能にすることを意味する。また、櫛型電極2Bが接地された状態にあるかどうかということも、縦波の非垂直成分の強度に影響を及ぼす。すなわち、櫛型電極2Bが接地された状態にある場合には、非垂直成分の強度が大きい。
【0032】
垂直成分および非垂直成分から成る縦波は細胞質中にも効率よく照射される。この場合、もしも皮膚の上に軟膏などが塗布されていれば、その軟膏中の有効成分を効率よく細胞質の中に浸透させることが可能である。この場合、図1の超音波照射デバイスは注射器としての機能を果たす。
【0033】
図3は本発明の超音波照射デバイスの第2の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、組み合わせ電極2、対向電極3、スイッチ8および信号発生器9から成る。図3の超音波照射デバイスを用いて物質中に超音波を照射する場合には、対向電極3の下端面をその物質と接触させておく必要がある。
【0034】
図3の超音波照射デバイスにおいて、信号発生器9からの電気信号が櫛型電極2Aと対向電極3の間に印加されると、対向電極3の下端面を介して物質中に縦波が照射される。この縦波は圧電基板1の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。櫛型電極2Bが接地された状態にあるかどうかということは、縦波の非垂直成分の強度に影響を及ぼす。もしも櫛型電極2Bが接地された状態にある場合には、非垂直成分の強度が大きい。
【0035】
図4は本発明の超音波照射デバイスの第3の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、対向電極3、シリコンゴム4、ガラス板6、増幅器7、スイッチ8、スキャニングシステム10、組み合わせ電極11およびすだれ状トランスデューサ12から成る。すだれ状トランスデューサ12は225μmの電極周期長を有する。
【0036】
図5は組み合わせ電極11の部分平面図である。組み合わせ電極11は櫛型電極11Aおよび11Bから成る。図5にはスキャニングシステム10も描かれている。スキャニングシステム10は、櫛型電極11Aと、増幅器7の間に備えられている。組み合わせ電極11は20個の電極対を有し、5mmの電極重複幅(L)と、225μmの電極周期長(P)を有する。すだれ状トランスデューサ12の電極周期長は、組み合わせ電極11の電極周期長(P)と等しい。櫛型電極11Aは45μmの電極指幅(WA)を有し、櫛型電極11Bは12μmの電極指幅(WB)を有する。図4の超音波照射デバイスでは、スキャニングシステム10は20個のスイッチを有し、それらのスイッチは櫛型電極11Aの電極指とそれぞれ対応している。20個のスイッチは17個のグループを作り、各グループには4個のスイッチが所属している。つまり、1つのグループとその次のグループは、前者の最初のスイッチと後者の最後のスイッチを除き、3つのスイッチを共有している。たとえば、第2グループと第3グループは、第2グループの最初のスイッチと第3グループの最後のスイッチを除き、3つのスイッチを共有している。
【0037】
図4の超音波照射デバイスにおいて、スキャニングシステム10の17個のグループを介して電気信号が櫛型電極11Aと、対向電極3の間に順次に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に17個の縦波が照射されるのと同時に、圧電基板1にラム波が励振される。ラム波は圧電基板1の板面に沿った方向に伝搬され、すだれ状トランスデューサ12で遅延電気信号として検出される。この遅延電気信号は増幅器7によって増幅されて、再び櫛型電極11Aと対向電極3の間に入力電気信号として入力される。つまり、組み合わせ電極11、すだれ状トランスデューサ12および増幅器7は遅延線発振器を構成する。このようにして、自励発振型の超音波照射デバイスを形成することが可能になる。従って、回路構成が簡単になり、デバイスの小型軽量化が促進され、低電圧で低消費電力駆動が可能となる。
【0038】
一方、シリコンゴム4を介して物質中に照射された17個の縦波は、圧電基板1の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして物質中に照射される。もしもその物質が水の場合には、VW/Vは、前述した通りほぼ0.333となる。一方、P/Tは225/500、つまり0.45となり、この値は0.333の4倍よりも小さい。このような関係、すなわちP/T < 4VW /Vという条件のもとでは各縦波の非垂直成分が抑圧される。従って、圧電基板1の下端面に対し垂直な成分で成る超音波ビームが、シリコンゴム4を介して効率よく水中に照射される。
【0039】
図6は本発明の超音波照射デバイスの第4の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、組み合わせ電極2、対向電極3、シリコンゴム4、スイッチ8、信号発生器9、スキャニングシステム10および組み合わせ電極11から成る。
【0040】
図6の超音波照射デバイスにおいて、スキャニングシステム10の17個のグループを介して信号発生器9からの電気信号が櫛型電極11Aと、対向電極3の間に順次に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に17個の縦波が照射される。17個の縦波は、圧電基板1の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして物質中に照射される。
【0041】
図7は、図1の超音波照射デバイスから水中へ照射された縦波の照射角度と、相対振幅との関係を示す特性図である。但し、櫛型電極2Bが接地されていないときの特性図である。図7から、縦波の垂直成分の他に、45°と45°の非垂直成分が存在することがわかる。このことは、垂直成分および非垂直成分から成る縦波が、たとえば皮膚を通して細胞質中に効率よく照射されることを意味する。
【0042】
図8は、図1の超音波照射デバイスから水中へ照射された縦波の照射角度と、相対振幅との関係を示す特性図である。但し、櫛型電極2Bが接地されているときの特性図である。図8から、縦波の垂直成分の他に、45°と45°の非垂直成分が存在し、しかもそれらの非垂直成分が図7の場合よりも大きいことがわかる。このことは、垂直成分および非垂直成分から成る縦波が物質中に効率よく照射されることを意味するとともに、櫛型電極2Bの電気的な状態が非垂直成分の存在を左右するということを示唆する。
【0043】
図9は、図4の超音波照射デバイスから水中へ照射された縦波の照射角度と、相対振幅との関係を示す特性図である。図9では、縦波の非垂直成分がかなり抑圧されていることがわかる。このことは、組み合わせ電極11が組み合わせ電極2に比べて、縦波の非垂直成分の抑圧効果に優れていることを示す。このようにして、組み合わせ電極11を採用すれば、ほぼ垂直成分から成る超音波ビームをたとえば皮膚を通して細胞質中に効率よく照射することができる。
【0044】
図10は組み合わせ電極11の電極指交叉領域を示す平面図である。
【0045】
図11は組み合わせ電極13の電極指交叉領域を示す平面図である。組み合わせ電極13は櫛型電極13Aおよび13Bから成る。組み合わせ電極13は15個の電極対を有し、5mmの電極重複幅(L)と、300μmの電極周期長(P)を有する。櫛型電極13Aは60μmの電極指幅(WA)を有し、櫛型電極13Bは15μmの電極指幅(WB)を有する。組み合わせ電極13の電極指交叉領域の大きさは、組み合わせ電極11の電極指交叉領域の大きさと同じである。また、櫛型電極13Aの電極指の総面積は、櫛型電極11Aの電極指の総面積と等しい。
【0046】
図10と図11を比較すると、組み合わせ電極11と組み合わせ電極13が次のような点で異なることがわかる。第1に電極対の数、第2に電極指幅(WAおよびWB)、そして第3に電極周期長(P)である。組み合わせ電極11の電極対の数は組み合わせ電極13の4/3であり、組み合わせ電極11の電極周期長(P)は組み合わせ電極13の3/4であり、櫛型電極11Aの電極指幅(WA)は櫛型電極13Aの3/4である。実際に、組み合わせ電極13を採用した場合に比べて、組み合わせ電極11を採用した場合の方が、垂直成分の指向性に優れた縦波を照射できることが確認されている。このことは、入力用電極の電極指の総面積が不変であるならば、その入力用電極の電極対の数が多いほど、物質中に照射される縦波の非垂直成分が抑圧されることを意味する。すなわち、入力用電極の電極指の総面積が不変であるならば、その入力用電極の電極対の数が縦波の指向性に影響を及ぼす。
【0047】
図12は、本発明の超音波照射デバイスの第5の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、対向電極3、シリコンゴム4、すだれ状トランスデューサ5、ガラス板6、増幅器7および櫛型電極14から成る。
【0048】
図13は櫛型電極14の平面図である。櫛型電極14は10本の電極指を有し、5mmの電極重複幅(L)と、700μmの電極指幅(W)と、900μmの電極周期長(P)を有する。すだれ状トランスデューサ5の電極周期長は、櫛型電極14の電極周期長(P)と等しい。
【0049】
図12の超音波照射デバイスにおいて、電気信号が櫛型電極14と対向電極3の間に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に縦波が照射されるのと同時に、圧電基板1にラム波が励振される。ラム波は圧電基板1の板面に沿った方向に伝搬され、すだれ状トランスデューサ5で遅延電気信号として検出される。この遅延電気信号は増幅器7によって増幅されて、再び櫛型電極14と対向電極3の間に入力電気信号として入力される。つまり、櫛型電極14、すだれ状トランスデューサ5および増幅器7は遅延線発振器を構成する。
【0050】
一方、シリコンゴム4を介して物質中に照射された縦波は、圧電基板1の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。このとき、もしもその物質が水の場合には、P/T ≧ 4VW /Vという条件が満たされることから、多方向への縦波照射が可能になる。
【0051】
図14は本発明の超音波照射デバイスの第6の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、対向電極3、シリコンゴム4、信号発生器9および櫛型電極14から成る。
【0052】
図14の超音波照射デバイスにおいて、信号発生器9からの電気信号が櫛型電極14と対向電極3の間に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に縦波が照射される。このとき、もしもその物質が水の場合には、P/T ≧ 4VW /Vという条件が満たされることから、多方向への縦波照射が可能になる。
【0053】
図15は、本発明の超音波照射デバイスの第7の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、対向電極3、シリコンゴム4、ガラス板6、増幅器7、すだれ状トランスデューサ12、スキャニングシステム15および櫛型電極16から成る。
【0054】
図16は櫛型電極16の部分平面図である。図16にはスキャニングシステム15も描かれている。櫛型電極16は40本の電極指を有し、5mmの電極重複幅(L)と、175μmの電極指幅(W)と、225μmの電極周期長(P)を有する。すだれ状トランスデューサ12の電極周期長は、櫛型電極16の電極周期長(P)と等しい。図16の超音波照射デバイスでは、スキャニングシステム15は40個のスイッチを有し、それらのスイッチは櫛型電極16の電極指とそれぞれ対応している。40個のスイッチは35個のグループを作り、各グループには6個のスイッチが所属している。つまり、1つのグループとその次のグループは、前者の最初のスイッチと後者の最後のスイッチを除き、5つのスイッチを共有している。たとえば、第3グループと第4グループは、第3グループの最初のスイッチと第4グループの最後のスイッチを除き、5つのスイッチを共有している
【0055】
図15の超音波照射デバイスにおいて、スキャニングシステム15の35個のクループを介して電気信号が櫛型電極16と、対向電極3の間に順次に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に35個の縦波が照射されるのと同時に、圧電基板1にラム波が励振される。ラム波は圧電基板1の板面に沿った方向に伝搬され、すだれ状トランスデューサ12で遅延電気信号として検出される。この遅延電気信号は増幅器7によって増幅されて、再び櫛型電極16と対向電極3の間に入力電気信号として入力される。つまり、櫛型電極16、すだれ状トランスデューサ12および増幅器7は遅延線発振器を構成する。
【0056】
一方、シリコンゴム4を介して物質中に照射された縦波は、圧電基板1の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。このとき、もしもその物質が水の場合には、P/T < 4VW /Vという条件が満たされることから、圧電基板1の下端面に対し垂直な方向への超音波ビームの照射が可能になる。
【0057】
図17は、本発明の超音波照射デバイスの第8の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電基板1、対向電極3、シリコンゴム4、信号発生器9、スキャニングシステム15および櫛型電極16から成る。
【0058】
図17の超音波照射デバイスにおいて、スキャニングシステム15の35個のクループを介して信号発生器9からの電気信号が櫛型電極16と、対向電極3の間に順次に印加されると、シリコンゴム4を介して物質中に35個の縦波が照射される。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして物質中に照射される。もしもその物質が水の場合には、P/T < 4VW /Vという条件が満たされることから、圧電基板1の下端面に対し垂直な方向への超音波ビームの照射が可能になる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスは、圧電基板と、櫛型電極AおよびBで成る組み合わせ電極と、対向電極と、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る。組み合わせ電極およびすだれ状トランスデューサは、圧電基板の上端面に設けられており、対向電極は圧電基板の下端面に設けられている。もしも、櫛型電極Aと対向電極との間に電気信号が入力されると、圧電基板にラム波が励振されるのと同時に、対向電極の下端面と接触する物質中に縦波が照射される。この縦波は圧電基板の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。一方、ラム波はすだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器を介して再び櫛型電極Aと対向電極の間に入力される。このようにして、自励発振型の超音波照射デバイスを形成することが可能になる。従って、回路構成が簡単になり、デバイスの小型軽量化が促進され、低電圧で低消費電力駆動が可能となる。
【0060】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極Aの電極指幅が櫛型電極Bの電極指幅よりも長い構造を採用することにより、縦波を効率よく物質中に照射することが可能となる。また、圧電基板の厚さに対する組み合わせ電極の電極周期長の割合を、圧電基板中を伝搬する縦波速度に対する物質中を伝搬する縦波速度の割合の4倍以下に設定することにより、縦波の非垂直成分を抑圧することができる。さらに、櫛型電極Aの電極指の総面積が不変であるならば、組み合わせ電極の電極対の数が多いほど、縦波の非垂直成分が抑圧される。
【0061】
本発明の第1のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極Aにスキャニングシステムが接続された構造が可能である。スキャニングシステムは、櫛型電極Aの電極指にそれぞれ対応するスイッチから成る。これらのスイッチは少なくとも2つのグループを形成する。グループの中の1つとその次の1つは、前者に含まれる最初のスイッチと後者に含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを有する。もしも、櫛型電極Aと対向電極の間にグループの各々を介して順次電気信号が入力されると、物質中にグループの数の縦波が照射される。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして照射される。
【0062】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスは、圧電基板、櫛型電極、対向電極、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る。櫛型電極およびすだれ状トランスデューサは圧電基板の上端面に設けられており、対向電極は圧電基板の下端面に設けられている。もしも、櫛型電極と対向電極の間に電気信号が入力されると、圧電基板にラム波が励振されるのと同時に、対向電極の下端面と接触する物質中に縦波が照射される。この縦波は圧電基板の下端面に対し垂直な成分と、垂直でない成分から成る。一方、ラム波はすだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器を介して再び櫛型電極と対向電極の間に入力される。このようにして、自励発振型の超音波照射デバイスを形成することが可能になる。従って、回路構成が簡単になり、デバイスの小型軽量化が促進され、低電圧で低消費電力駆動が可能となる。
【0063】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスでは、圧電基板の厚さに対する櫛型電極の電極周期長の割合を、圧電基板中を伝搬する縦波速度に対する物質中を伝搬する縦波速度の割合の4倍以下に設定することにより、縦波の非垂直成分を抑圧することができる。また、櫛型電極の電極指の総面積が不変であるならば、櫛型電極の電極対の数が多いほど、縦波の非垂直成分が抑圧される。
【0064】
本発明の第2のタイプの超音波照射デバイスでは、櫛型電極にスキャニングシステムが接続された構造が可能である。スキャニングシステムは、櫛型電極の電極指にそれぞれ対応するスイッチから成る。これらのスイッチは少なくとも2つのグループを形成する。グループの中の1つとその次の1つは、前者に含まれる最初のスイッチと後者に含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを有する。もしも、櫛型電極と対向電極の間にグループの各々を介して順次電気信号が入力されると、物質中にグループの数の縦波が照射される。これらの縦波は、全体としては、スキャンされた超音波ビームとして照射される。
【0065】
本発明の超音波照射デバイスでは、圧電基板が圧電セラミック薄板で成り、圧電セラミック薄板の分極軸の方向がその厚さ方向と平行であるような構造を採用することにより、縦波を効率よく物質中に照射することが可能となる。また、液体や細胞質中に縦波を照射することも可能である。すなわち、細胞質を覆う皮膚上に軟膏を塗布することにより、その軟膏中の有効成分を効率よく細胞質の中に浸透させることができる。このようにして、本発明の超音波照射デバイスは注射器としての機能を果たすことが可能である。さらに、対向電極の下端面にシリコンゴム等の高分子膜が塗布された構造を採用すれば、縦波をさらに効率よく物質中に照射することが可能となる。
【0066】
本発明の超音波照射デバイスでは、圧電基板の下端面の一部に対向電極が設けられているが、残部に非圧電板を設けることができる。非圧電板の材質としては、それを伝搬する超音波の位相速度が圧電基板を伝搬する超音波の位相速度よりも大きいことを必要とする。このような非圧電板を採用することにより、ラム波の物質中への漏洩を防ぐことができる。なお、本発明の超音波照射デバイスでは、増幅器の代わりに信号発生器を備えた構造も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波照射デバイスの第1の実施例を示す断面図。
【図2】組み合わせ電極2の平面図。
【図3】本発明の超音波照射デバイスの第2の実施例を示す断面図。
【図4】本発明の超音波照射デバイスの第3の実施例を示す断面図。
【図5】組み合わせ電極11の部分平面図。
【図6】本発明の超音波照射デバイスの第4の実施例を示す断面図。
【図7】図1の超音波照射デバイスから水中へ照射された縦波の照射角度と、相対振幅との関係を示す特性図。
【図8】図1の超音波照射デバイスから水中へ照射された縦波の照射角度と、相対振幅との関係を示す特性図。
【図9】図4の超音波照射デバイスから水中へ照射された縦波の照射角度と、相対振幅との関係を示す特性図。
【図10】組み合わせ電極11の電極指交叉領域を示す平面図。
【図11】組み合わせ電極13の電極指交叉領域を示す平面図。
【図12】本発明の超音波照射デバイスの第5の実施例を示す断面図。
【図13】櫛型電極14の平面図。
【図14】本発明の超音波照射デバイスの第6の実施例を示す断面図。
【図15】本発明の超音波照射デバイスの第7の実施例を示す断面図。
【図16】櫛型電極16の部分平面図。
【図17】本発明の超音波照射デバイスの第8の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 圧電基板
2 組み合わせ電極
3 対向電極
4 シリコンゴム4
5 すだれ状トランスデューサ
6 ガラス板
7 増幅器
8 スイッチ
9 信号発生器
10 スキャニングシステム
11 組み合わせ電極
12 すだれ状トランスデューサ
13 組み合わせ電極
14 櫛型電極
15 スキャニングシステム
16 櫛型電極
2A,2B 櫛型電極
11A,11B 櫛型電極
13A,13B 櫛型電極

Claims (10)

  1. 圧電基板と、櫛型電極AおよびBで成る組み合わせ電極と、対向電極と、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る超音波照射デバイスであって、前記組み合わせ電極および前記すだれ状トランスデューサは、前記圧電基板の上端面に設けられており、前記対向電極は、前記圧電基板の下端面に設けられていて、前記対向電極の下端面には物質が接触しており、前記櫛型電極Aと前記対向電極の間に電気信号が入力されることにより、前記物質中に縦波が照射されるとともに、前記圧電基板にラム波が励振され、前記縦波は垂直成分と非垂直成分から成り、前記ラム波は、前記すだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、前記遅延電気信号は、前記増幅器によって増幅されて、再び前記櫛型電極Aと前記対向電極の間に入力され、前記組み合わせ電極、前記すだれ状トランスデューサおよび前記増幅器は遅延線発振器を構成する超音波照射デバイス。
  2. 前記櫛型電極Aの電極指幅は、前記櫛型電極Bの電極指幅よりも長い請求項1に記載の超音波照射デバイス。
  3. 前記圧電基板の厚さに対する前記組み合わせ電極の電極周期長の割合が、前記圧電基板中を伝搬する縦波速度に対する前記物質中を伝搬する縦波速度の割合の4倍以下に設定されることにより、前記物質中に照射される前記縦波の前記非垂直成分が抑圧される請求項1または2に記載の超音波照射デバイス。
  4. 前記櫛型電極 A にスキャニングシステムが接続された超音波照射デバイスであって、前記スキャニングシステムは、前記櫛型電極 A の電極指にそれぞれ対応するスイッチを成分とする少なくとも2つのグループから成り、前記グループの中の1つとその次の1つは、前記グループの中の前記1つに含まれる最初のスイッチと前記次の1つに含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを含み、前記櫛型電極 A と前記対向電極の間に前記グループの各々を介して順次電気信号が入力されることにより、スキャンされた超音波ビームとして前記縦波が前記物質中に照射される請求項1,2または3に記載の超音波照射デバイス。
  5. 圧電基板、櫛型電極、対向電極、すだれ状トランスデューサおよび増幅器から成る超音波照射デバイスであって、前記櫛型電極および前記すだれ状トランスデューサは、前記圧電基板の上端面に設けられており、前記対向電極は前記圧電基板の下端面に設けられていて、前記対向電極の下端面には物質が接触しており、前記櫛型電極と前記対向電極の間に電気信号が入力されることにより、前記物質中に縦波が照射されるとともに、前記圧電基板にラム波が励振され、前記縦波は垂直成分と非垂直成分から成り、前記ラム波は、前記すだれ状トランスデューサによって遅延電気信号として検出され、前記遅延電気信号は、前記増幅器によって増幅されて、再び前記櫛型電極と前記対向電極の間に入力され、前記櫛型電極、前記すだれ状トランスデューサおよび前記増幅器は遅延線発振器を構成する超音波照射デバイス。
  6. 前記櫛型電極にスキャニングシステムが接続された超音波照射デバイスであって、前記スキャニングシステムは、前記櫛型電極の電極指にそれぞれ対応するスイッチを成分とする少なくとも2つのグループから成り、前記グループの中の1つとその次の1つは、前記グループの中の前記1つに含まれる最初のスイッチと前記次の1つに含まれる最後のスイッチを除き互いに共通のスイッチを含み、前記櫛型電極と前記対向電極の間に前記グループの各々を介して順次電気信号が入力されることにより、スキャンされた超音波ビームとして前記縦波が前記物質中に照射される請求項5に記載の超音波照射デバイス。
  7. 前記圧電基板が圧電セラミック薄板で成り、前記圧電セラミック薄板の分極軸の方向がその厚さ方向と平行である請求項1,2,3,4,5または6に記載の超音波照射デバイス。
  8. 前記物質が液体または細胞質で成る請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の超音波照射デバイス。
  9. 前記対向電極の下端面に高分子膜が塗布された請求項1,2,3,4,5 ,6,7または8に記載の超音波照射デバイス。
  10. 前記圧電基板の下端面に非圧電板が設けられている請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9に記載の超音波照射デバイス。
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