JPH07313007A - のり病害細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法 - Google Patents

のり病害細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法

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JPH07313007A
JPH07313007A JP14066594A JP14066594A JPH07313007A JP H07313007 A JPH07313007 A JP H07313007A JP 14066594 A JP14066594 A JP 14066594A JP 14066594 A JP14066594 A JP 14066594A JP H07313007 A JPH07313007 A JP H07313007A
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bacteria
killing
seaweed
diatoms
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JP14066594A
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Hideo Tagawa
英生 田川
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RIYOUYOU SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 養殖 【目的】 のりに病害を発生させるのり病害細菌と付
着珪藻を死滅除去する方法の提供 【構成】 電極をチタン陽極、チタン陰極で形成して
のり養殖する培養水槽内に設け、次亜塩素酸ソーダ濃度
調整発生装置から直流電流を通電して天然海水中に残留
塩素を発生させ、これを任意に調整することにより、培
養水槽内ののり病害細菌と付着珪藻を死滅除去させのり
を保護する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[産業上の利用分野]本発明は養殖のりに
病害する細菌、例えば壷状菌や、フラボバクテリュウム
等の養殖のりを死滅させ細胞の破壊を生じる細菌及び珪
藻の死滅、除去を行うことにより養殖のりを保護するこ
とを目的とし、養殖のり病害細菌とのり付着珪藻の死滅
除去する方法に関する。
【0002】[従来の技術]近年海面養殖において養殖
のりに付着する壷状菌、スミノリ等の寄生及び珪藻の付
着が日本沿岸各地で発生して養殖のりに大きな被害を与
えている。これは沿岸の水質汚濁の進行による浮遊汚濁
物質の増加それらの沈降稚積による底土のヘドロ化が原
因とされる。海底のヘドロ粒子が病害細菌と共に海面に
浮上してのりに付着することにより発病する。珪藻は珪
藻プランクトン(キートセロス他)として海水中の栄養
塩を吸収して大増殖するため、のりの栄養塩類補給が不
足する。加えてのり体表に付着するためのりの発育を阻
害するので被害が大きい。ゲルマニウムや除草剤の使用
もあるが人力で手で落としても海中に残存するので対策
としては干出と酸処理に頼っている現状である。細菌及
び珪藻対策としては海面においてのり網を酸処理により
PH2程度の強酸に浸漬するのが一般的であるがこれ等
にかかわる費用や労力等大きな負担となっている。又海
上での酸の廃棄処理等に問題がみられる。又食品として
の安全性の問題と消費者への心理的な圧迫等で苦慮して
いるが対策が見出せない。
【0003】のり付着病害細菌による赤腐れ病は藻菌類
に属する糸状菌の寄生によるもので乾燥に弱いので3時
間以上の干出で繁殖を抑制しているが絶滅は不可能であ
る。白腐れ病は干出不足で発生するが早生種にかぎられ
ており原因が不明である。干出による作業はひびを上げ
る作業が大変であり干出時間を伸ばすとのり体伸長が遅
くなり干出が寒気の強い冬期に行はれるのでのり体温が
マイナス10℃以下になった状態から、満潮時には水温
7〜8℃となり20℃の温度変化のため寒いたみ現象を
生じ、のり生育が阻害される。冬期低水温では赤腐れ病
原菌は造卵器により翌年の発生のため休止をするが、水
温が上昇すると再発するが対策はない。壷状菌は壷状の
菌糸を有しないカビの一種であって60種以上も海中に
生存する。養殖初期より終期まで発生し水温、干出にも
強くのり芽いたみの如くのり細胞を犯し、犯された細胞
は巨大化するため周辺の隣接細胞が異常分裂をしてがん
腫の奇形を生じる。人工採苗のコンコセリス(貝殻)育
成にも発生する。これらは冷凍しても死滅せず防除対策
はない。このため病害細菌のつかないのり幼体をマイナ
ス20〜30℃の冷凍保存により3ケ月後に海中に垂下
して養殖を継続している現状である。農薬で使用される
硫酸銅、マラカイトグリーン等が効果を生じても、海上
での散布作業性、海中での希釈経済性に加えて薬剤の残
留性としてのりがそのまま食用となることにより使用さ
れない。結局強酸による細菌の死滅効果を期待しての酸
処理と干出方式のみが、のり付着細菌を死滅させる現存
する方法である。以上の如く他には対策が無いため続行
するしか無く、上記のような悪循環を繰り返す極めて問
題点のある方法であった。本発明は上述のような従来問
題を鑑みてなされたもので、人体にものりにも安全での
り病害細菌とのり付着珪藻を死滅させる優れた効果が得
られると共にコストの低減化が可能となり、容易な取り
扱いで長期間連続して実行可能なのり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法を提供することを目的とする。
【0004】のり病害細菌は育成のり漁場の他の海中に
も発生する。養殖のりの製造工程において海面から摘採
されたのりは陸上製造工程完了(乾のり)まで数時間を
要し付着病害細菌と自己消化酵素が働いて折角苦労して
摘採したのりが痛む。特にスミノリは原因がバクテリア
であることが特定されたが対策は未だなかった。摘採の
りはまだ生きているのに、加工するまで船上で2〜3時
間日光にさらされ病害細菌が増加し鮮度が落ちる。スミ
ノリ以外にクモリノリが発生するため冷却海水でシャワ
ーしながらゆっくりミキサーにかけノリ細胞を生き返ら
せる工程を採用している。したがって本発明は上述のよ
うな問題点を解決することが可能となり海上、陸上のの
り養殖、製造のいずれの工程をも従来技術と異なった進
歩的なのり病害細菌と付着珪藻の死滅除去方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】[課題を解決するための手段]上述のよう
な目的を達成するために、本発明請求項1記載のり病害
細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法では、陽極および陰
極で形成された電極を養殖のり育成域内における天然海
水中に設け、該電極に直流電流を通電して次亜塩素酸ソ
ーダを発生させ、前記天然海水中の残留塩素濃度を調整
することによりのりを病害死させるのり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法を採用した。
【0006】また、請求項2記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、天然海水中の浮上のり育成
漁場内外に陽極および陰極で形成された電極を設けて該
電極に直流電流を通電して次亜塩素酸ソーダを発生さ
せ、浮上のり育成漁場内外の残留塩素濃度を調整するこ
とにより浮上のり育成漁場ののりを病害死させるのり病
害細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法を採用した。
【0007】また、請求項3記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、浮上ブイに陽極および陰極
で形成された電極を設けて該電極に直流電流を通電して
次亜塩素酸ソーダを発生させ海水中の残留塩素濃度を調
整することによりのり病害細菌とのり付着珪藻を集中的
に死滅除去する方法を採用した。
【0008】また、請求項4記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、船舶に設けた天然海水を直
接養殖のり漁場内へ吸入排出できるタンク内で陽極およ
び陰極で形成された電極に直流電流を通電してタンク内
の次亜塩素酸ソーダを発生させタンク内の残留塩素濃度
を調整し、該タンク内部水をのり養殖漁場内水域に還流
させることによりのり病害細菌とのり付着珪藻を死滅除
去する方法を採用した。
【0009】また、請求項5記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、船舶に設けた陽極および陰
極で形成された電極に直流電流を通電して次亜塩素酸ソ
ーダを発生させ、のり養殖のり漁場内外を航走中に天然
海水中の残留塩素濃度を調整することにより、のりを病
害死させる細菌とのり付着珪藻を死滅除去する方法を採
用した。
【0010】また、請求項6記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、養殖のり網の両端を構成す
る主ロープにチタンワイヤーを通過させ該両端ロープの
チタンワイヤーを陽極および陰極として形成し、該電極
に直流電流を通電して次亜塩素酸ソーダを発生させ海水
中の残留塩素濃度を調整することによりのり病害細菌と
のり付着珪藻を集中的に死滅除去する方法を採用した。
【0011】また、請求項7記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、乾のり製造工程の陸上にお
ける洗浄工程の天然海水を調整タンク内で陽極および陰
極で形成された電極に直流電流を通電してタンク内の次
亜塩素酸ソーダを発生させタンク内の残留塩素濃度を調
整し、該タンク内部水洗浄工程に使用することによりの
り病害細菌とのり付着珪藻を死滅除去する方法を採用し
た。
【0012】また、請求項8記載のり病害細菌の死滅と
のり付着珪藻の除去方法では、請求項1、2、3、4、
または5、6、7記載ののり病害細菌の死滅とのり付着
珪藻の除去方法において、前記残留塩素濃度の調整用の
電極に加えて銅イオン発生用の陽極および陰極で形成さ
れた電極を設け、該電極に直流電流を通電して海水中に
銅イオンを発生させることにより、のり病害細菌とのり
付着珪藻を死滅除去する方法を採用した。
【0013】[作用]本発明請求項1記載ののり病害細
菌とのり付着珪藻の死滅除去方法では、以下に述べるよ
うな作用がある。種のりの育成用培養海水の交換回数が
多い程糸状体が成長するが、これには殺菌海水が使用さ
れる。殺菌海水には次亜塩素酸ソーダを使用する。10
00l当たり10%濃度の次亜塩素酸ソーダを100C
C投入するが、のり養殖は各漁協単位の採苗場で集中し
て育成するため使用海水量も莫大であるので注入量の調
整が繁雑である。したがって種のり育成用海水を予め殺
菌海水とすることが期待されている。本発明は天然海水
中の塩素濃度18.980ppmを電気分解により次亜
塩素酸ソーダの生成に転換し、この次亜塩素酸ソーダを
残留塩素として任意に例えば1ppm〜2ppmとする
ことで、天然海水中の残留塩素の増加により任意の濃度
に調整することにより、残留塩素による消毒効果を利用
することを可能としたものであり養殖のり漁業への寄与
効果は極めて大きい。天然海水を利用して電気分解によ
り、天然海水の構成元素である塩素を残留塩素として増
加させるだけのものであり、これ等の残留塩素は、消
毒、減菌作用後は再び天然海水に戻るため、自然環境に
は何らの害、副作用を与えることは無い。一般的に、海
水のPHは8程度であるが、残留塩素の海水中の減少
は、海水中の還元性無機物、有機物との反応、あるい
は、光化学反応等によりみられるので殺菌効果を維持す
るには、継続して次亜塩素酸ソーダを発生させる必要が
ある。このため、本発明は、天然海水中のPHによる干
渉も除外しうる安定した次亜塩素酸ソーダの発生機能で
あり、かつ残留塩素の殺菌効果を維持しうる作用があ
る。
【0014】本発明請求項2記載のり病害細菌とのり付
着珪藻の死滅除去方法では、天然海水中の浮上のり育成
漁場ののりひび内外に陽極および陰極で形成された電極
を設け直流電流を通電することによりのりひび外部で
は、のり付着珪藻を死滅させてのりひび内の栄養分の低
下を防止するとともにのりひび内部ではのり病害細菌を
死滅しうる二重の効果が発生する。浮上のりひびは単独
では無く数十個から数百個の単位で集合されているの
で、従来のり病害細菌やのり付着珪藻の発生時にはのり
ひびの干出等の作業の回数が増大したものが減少し、か
つ安心してのり養殖が可能となる。加えて多数の浮上の
りひびで次亜塩素酸ソーダを発生させているため、海水
の交換が推進されると共にのり漁場周辺の残留塩素によ
りのり病害細菌とのり付着珪藻は死滅しているので安心
して広域漁場としての予防となしうる効果が発生する。
底質環境への影響も、残留塩素が天然海水に戻る作用の
ため無視しうる。
【0015】本発明請求項3記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、浮上ブイに前述の陽極と
陰極を設け、該電極に直流電流を通電して水中に次亜塩
素酸ソーダを発生し濃度を調整する。この浮上ブイはの
り病害細菌とのり付着珪藻がのり漁場に到達してのり網
ひびに付着出来ないようにひびを固定する支柱に固定若
しくは浮き流がし方式漁場の浮上ブイに隣接して固定す
ることにより、のり病害細菌とのり付着珪藻の多発水域
において効果を発生する。
【0016】本発明請求項4記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、船舶をのり病害細菌との
り付着珪藻の発生が確認され次第発生域に直行させ、発
生域を周回させながらのり病害細菌とのり付着珪藻を死
滅させる。船舶は行動範囲が広くのり病害細菌とのり付
着珪藻発生における初期効果が大きい。
【0017】本発明請求項5記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、船舶を養殖のり漁場の内
外において操業中に常時のり病害細菌とのり付着珪藻を
死滅させながら干出等の作業を行うことが可能となった
ので、集中的に効率よく死滅をなしうる。
【0018】本発明請求項6記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、陽極および陰極として形
成される主ロープ(道縄)に通電して次亜塩素酸ソーダ
を発生することにより、養殖のり網ひび自体がのり病害
細菌とのり付着珪藻を死滅させる効果を有すると共に主
ロープ(道縄)の強度が増大する効果が発生する。
【0019】本発明請求項7記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、養殖のりの製造工程にお
いて海面から摘採されたのりは陸上製造工程完了(乾の
り)まで数時間を要し、付着細菌と自己消化酵素が働い
て折角苦労して育成したのりが痛む。特にスミノリは原
因がバクテリアであることが特定されたが対策は未だな
かった。摘採のりはまだ生きているのに、加工するまで
船上で2〜3時間日光にさらされるとのり病害細菌が増
加し鮮度が落ちる等問題点があった。洗浄工程の海水は
製造工場近くの海水を取水し洗浄して排水することが、
多量に一時期に集中するため、海面に混入するのり病害
細菌と元来海水中に存在するのり病害細菌の悪作用が重
なりのり弱体化が促進されてきたものである。本発明で
は海上でののり病害細菌とのり付着珪藻の死滅効果に加
えて洗浄海水を消毒減菌させることが可能となるため、
製品の品質を向上させ販売価格を上昇させる相乗効果が
発生する。
【0020】本発明請求項8記載ののり病害細菌の死滅
とのり付着珪藻の除去方法では、前記天然海水中、養殖
のり漁場内外、浮上ブイ、船舶タンク等に次亜塩素酸ソ
ーダを海水の電気分解によって発生させる方法に加え、
同様にそれぞれの天然海水中の銅イオン濃度3ppbを
高濃度に、例えば30ppbとして次亜塩素酸ソーダと
併用することにより、殺菌、死滅除去効果も2倍となし
得ると共に、銅イオン濃度を1/2、次亜塩素酸ソーダ
濃度も1/2の発生として少くすることが可能である。
このため、消費電力、電極の消耗も軽減し得る相乗効果
が大きい。銅イオン、塩素は、共に天然海水中に存在す
るものであり、死滅作用後は、再び天然海水に戻り再利
用されるので、自然環境の汚染は全く無い。
【0021】[実施例]以下本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。まず、図1により第1実施例つ
いて説明する。図1は海面9に隣接して設けられた一般
的培養水槽2を示しており、該水槽2は、海面9とは防
潮堤8が開閉戸7に仕切られて必要の都度天然海水を交
換できる構造である。そしてのり病害細菌やのり付着珪
藻4が開閉戸7の開閉によって取水中に侵入してものり
糸状体3に付着するのり病害細菌とのり付着珪藻4を死
滅させる方式を採用した。即ち調整槽2aは取水管1
a,ポンプ1,送水管1bの順にパイプで接続され天然
海水を取水する。この調整槽2a内には、次亜塩素酸ソ
ーダ濃度調整発生装置5と電線6で接続されたチタン陽
極5a,チタン陰極5bが設けられ、次亜塩素酸ソーダ
濃度調整発生装置5で直流電流を通電することで次亜塩
素酸ソーダを発生する。
【0022】この発生した次亜塩素酸ソーダによって、
水槽2内ののり病害細菌とのり付着珪藻を死滅させる。
この場合、天然海水の残留塩素の濃度の経時変化による
減少は緩やかであるが、連続して海水を電気分解するこ
とにより安定して供給し得る。
【0023】この場合、のり病害細菌とのり付着珪藻4
が水槽2に侵入しても天然海水中の残留塩素の濃度0,
5ppm以上に調整することで死滅させることができ
る。従来技術としての次亜塩素酸ソーダ10ppmで殺
菌する作業工程が不用となり自動的に連続して残留塩素
を供給することが可能となった。
【0024】浮遊珪藻としては、ユーカンピア、リゾソ
レニヤ、、プリユーシグマ、ニチカ等の植物性プラント
を完全に死滅させた。糸状体を種のりとして保存し、カ
キ殼に接種するため培養中に天然海水を生海水として取
水しのり糸状体を培養すると病害細菌(壷状菌等)が侵
入するので必ず滅歯処理海水が必要であり、従来よりの
難作業は不用となった。
【0025】壷状菌は病害細菌の中でも冷凍耐性が強く
−20℃で約1年間保存冷凍しても死滅しない上に、冷
凍網を海に戻すと再増殖するばかりか乾燥を目的とした
殺菌工程である干出にも強いので越年冷凍網の使用を禁
止する海域が多い。海域全体の消毒も必要となるが従来
は対策が無かった。
【0026】このため冷凍コスト、新網購入費、のり生
産の減少(全域もありうる)等による経営圧迫と酸処理
作業の重労働を海上で余儀なくされるため、陸上での種
のり糸状体の無菌生育が最も重大な養殖管理である。本
発明によってのり病害細菌とのり付着珪藻を完全死滅さ
せた経済効果、人的効果は極めて大きい。
【0027】次の図2、図3により第2実施例説明す
る。尚、第1実施例と同一構成部分は同一の符号を付け
る。この実施例では浮上のり育成漁場に次亜塩素酸ソー
ダ濃度調整発生装置とチタン陽極とチタン陰極とを設
け、その内外部に次亜塩素酸ソーダを発生させてのり病
害細菌とのり付着珪藻の侵入を防止、死滅させるもので
ある。海面9に浮子11により浮上する浮上のり育成漁
場の浮上のりひび10a,10b,10cは、歩行板1
2上部に設けた次亜塩素酸ソーダ濃度調整発生装置5で
直流電流を発生させ、のり育成漁場の浮上のりひびに吊
り下げたチタン陽極5aチタン陰極5bに電線6で通電
することにより育成のり漁場浮上ひび内外に次亜塩素酸
ソーダを発生し外部よりののり病害細菌とのり付着珪藻
を死滅させて侵入を防止するとともに内部ののり病害細
菌とのり付着珪藻を同様死滅除去させるものである。浮
上のり育成漁場は通常海上において夫々が固定されるた
め、単体としての効果に加えて集合体としての残留塩素
の拡散があるから、より強力なる殺菌効果として相乗さ
れる。図3においてチタン陽極5aとチタン陰極5bと
を交互に配置しておくと、浮上のり育成漁場の内周面を
周回するように電流が発生し、のり病害細菌とのり付着
珪藻が潮流によってどの方向から侵入してきても全周に
生じた残留塩素によって完全に死滅する。また潮流が変
わっても充分対処しうるよう最外側の潮流側の浮上のり
ひびは外側にチタン陽極5aまたはチタン陰極5bを配
置することができるよう配慮する。
【0028】次の図4により第3実施例を説明する。図
面は浮上ブイ15をのり病害細菌とのり付着珪藻の発生
海域に放置することによりのり病害細菌とのり付着珪藻
の潮流による回遊と同様に自然に流れることによって濃
密なるのり病害細菌とのり付着珪藻の集中海域に搬入
し、内蔵するバッテリーより直流電流をブイ下面に設け
たチタン陽極およびチタン陰極に通電し次亜塩素酸ソー
ダを発生させのり病害細菌とのり付着珪藻を死滅させる
ものである。そして、浮上ブイ15は海面9をのり病害
細菌とのり付着珪藻4と共に浮遊し内蔵するバッテリー
16より発生する直流電流が電線6を介し次亜塩素酸ソ
ーダ濃度調整発生装置5によりチタン陽極5a,および
チタン陰極5bにおくられ次亜塩素酸ソーダを発生しの
り病害細菌とのり付着珪藻を死滅させる。また、同時に
内蔵するタイマー17によって電柱14に設けた電灯1
3に送電し夜間のみ点灯する。のりひびの支柱に固縛す
ることによりのり成育漁場内外においてものり病害細菌
とのり付着珪藻を死滅させることができる。尚、バッテ
リー16には太陽電池および波力発電装置又は陸上電源
により充電させ長期的に使用することもできる。またブ
イ所在発信機等も備えることができる。のり病害細菌と
のり付着珪藻は風向、風力、潮流、波浪によって、その
流域が微妙に変化するため、本方式を採用することでの
り病害細菌とのり付着珪藻の移動方向や存在場所を把握
する効果が生じると同時に死滅効果も相乗される。
【0029】次に図5により第4実施例を説明をする。
図面は天然海水域を移動する船舶にのり病害細菌と、の
り付着珪藻の吸入、排水配管と次亜塩素酸ソーダ濃度調
整発生装置を装備したタンクを設け、タンク上部からチ
タン陽極、チタン陰極をタンク中に吊り下げ、次亜塩素
酸ソーダを発生させることによりタンク内ののり病害細
菌とのり付着珪藻を死滅させると共に、残留塩素濃度の
高い排水をのり病害細菌とのり付着珪藻の集中海域に放
出することで二重ののり病害細菌とのり付着珪藻の死滅
効果を生じるものである。すなわち船舶19の内部に設
けた水吸入箱18から取水管1a,ポンプ1、送水管1
bを経由してタンク20に送水し、次亜塩素酸ソーダ濃
度調整発生装置5と電線6で接続されたタンク20内の
チタン陽極5a、チタン陰極5bに通電してタンク20
内部に次亜塩素酸ソーダを発生する。タンク20内部で
死滅したのり病害細菌とのり付着珪藻は排水管21によ
り海面9に放出される。この場合、のり病害細菌とのり
付着珪藻の集中している水位から効率的に吸入できるよ
うに複数の水吸入箱を設ける。船舶19は順次のり病害
細菌とのり付着珪藻を求めて順次移動し死滅させ得るも
のとする。従来、のり病害細菌とのり付着珪藻の死滅対
策として確定されたものはないので、本実施例によりの
り病害細菌とのり付着珪藻発生の初期において広範囲に
集中的に死滅させる効果が得られる。
【0030】次に図6により第5実施例を説明する。図
面は天然海水域を移動する船舶を養殖のり漁場の内外に
おいて操業中に遂次のり病害細菌とのり付着珪藻を死滅
させながら干出等の作業を行うことが可能となったの
で、集中的に効率よく死滅をなしうるものである。すな
わち船舶19内部に設けた次亜塩素酸ソーダ濃度調整発
生装置5と電線6で接続された船舶19の外部に設けた
チタン電極5a、チタン電極5bに通電して天然海水域
に次亜塩素酸ソーダを発生する。のり漁船はのり成育漁
場の往復航行および作業中も連続して次亜塩素酸ソーダ
を発生すると共に数十隻で操業するのでのり成育漁場周
辺およびのり漁港はつねに滅菌作用をうけることにな
る。この結果のり病害細菌とのり付着珪藻を死滅除去さ
せる効果が得られる。
【0031】次に図7により第6実施例を説明する。図
面はのり成育漁場を構成する養殖のり網の両端を構成す
る主ロープ23にチタンワイヤーを通過させチタン陽極
5a、チタン陰極5bに通電し該電極間の海面9に次亜
塩素酸ソーダを発生する。すなわち次亜塩素酸ソーダ濃
度調整発生装置5を電線6で接続された養殖のり網の両
端を構成する主ロープ23にチタンワイヤーを通過させ
チタン陽極5a、チタン陰極5bに通電し該電極間の海
面9に次亜塩素酸ソーダを発生する。海面9ののり病害
細菌とのり付着珪藻4は死滅するので養殖のり網には付
着しない。次亜塩素酸ソーダ濃度調整発生装置5は浮上
ブイ15又は作業船、陸上電源等により電力を供給しう
るので、その選択は任意である。
【0032】次に図8により第7実施例を説明する。図
8は海面9に隣接して設けられた一般的取水水槽2Cを
示しており、該水槽2Cは、海面9とは防潮堤8が開閉
戸7に仕切られて必要の都度天然海水を交換できる構造
である。そして乾のり製造工程の陸上における洗浄工程
の天然海水を取水水槽2Cより取水管1a,ポンプ1、
送水管1bの順にパイプで接続され天然海水を調整槽2
aに取水する。この調整槽2a内には、乾のり製造工程
の陸上における洗浄工程の天然海水を調整タンク内で陽
極および陰極で形成された電極に直流電流を通電して次
亜塩素酸ソーダを発生する。この残留塩素濃度を調整
し、冷却機10を通過した冷却海水を洗浄タンク2bに
供給し冷却すると共に摘採のり3aをミキサー12によ
りゆっくり撹拌する。病害細菌と付着珪藻4は調整槽2
aにて死滅除去されているので摘採のり3aに悪影響は
生ぜず色、つやが良くなり、旨味成分も失われないので
製品向価格が上昇する。
【0033】次に図9により第8実施例を説明をする。
図9は、前記浮上のりひび10a,10b,10cに設
け次亜塩素酸ソーダ発生用の電極に加えて銅電極5c、
鉄電極5dを設け、電線6で銅イオン濃度調整発生装置
22と接続した状態を示している。この銅イオン濃度調
整発生装置22により銅電極5c、鉄電極5bに直流電
流を通電することで任意濃度の銅イオン23を発生させ
る。この場合、次亜塩素酸ソーダも同様にしているの
で、消毒効果のある残留塩素、例えば塩素が0、5pp
mだけの場合よりも、銅イオンを付加した塩化銅CuC
を発生させることで、残留塩素0、25ppmと塩
化銅を0、015ppm併用した方が残留塩素量の持続
が長く、殺菌効果が2倍となる効果を発生する。勿論実
施上では、この数値は規制値以内として無公害とする。
この場合、銅イオンの水産庁瀬戸内海海水基準値である
30ppbに銅イオンの発生を調整すると銅イオンは、
のり病害細菌の体内に浸透し、原形質を凝固させ一方の
残留塩素Cl(HClO,ClO)を500ppbと
することで該細菌及び珪藻を瞬時に死滅させ、200p
pbでも10分間で死滅させ、またのり付着珪藻は50
0ppb〜1ppmで同様に死滅させた。
【0034】以上の実施例において次のような効果を奏
した。 (1)次亜塩素酸ソーダ1ppm10時間の給水により
浮遊珪藻としては、ユーカンピア、リゾソレニヤ、プリ
ユーシグマ、リクモフオラ等の植物性プランクトンを完
全に死滅させた。フラボバクテリウムも同様死滅した。 (2)藻菌類クサリツボカビ目のツボカビモドキの一種
である壷状菌が侵入するとのり糸状体が枯死するが、次
亜塩素酸ソーダ10ppm2時間の殺菌により糸状体に
影響なく100%の死滅をなし得た。本発明では同一濃
度を継続して発生させるため陸上での次亜塩素酸ソーダ
の注入方法と異なり極めて効果が大きい。即ち残留塩素
が有効塩素として継続して発生されるので低濃度の殺菌
が可能となった。又状況に応じ任意に濃度の調整が可能
となった。 (3)次亜塩素酸ソーダ発生に加えて銅イオンを発生さ
せる場合の相乗効果としてのり育成漁場に侵入する赤潮
が漁場の栄養塩類を消費するためのりの消費する栄養塩
類が量的に減少する。本発明による効果として赤潮(ギ
ムノデイニウム、ミキモトイ)は次亜塩素酸ソーダ40
ppbで瞬時に死滅した。同じくシャトネラ、アンテイ
カも同様死滅した。この場合、銅イオン20ppbを加
えることで、次亜塩素酸ソーダは20ppbでの死滅効
果を発揮した。
【表1】 上記条件にてのりのり病害細菌(壷状菌)を完全に死滅
させた。公害の発生は無い。
【0035】以上説明したように、天然海水中に設けた
電極に直流電流を通電して次亜塩素酸ソーダ発生させる
方法では、のり病害細菌とのり付着珪藻の被害としての
ドタ腐り(珪藻類の付着)白腐れ病、赤腐れ病等の珪藻
類、糸状菌の寄生によりのりが腐死脱落する。又芽いた
み、がん腫病、壷状菌病によるものが挙げられているが
従来対策としてなすべきものがみられずのり病害細菌と
のり付着珪藻の被害は打つべき手法があげられなっかた
ことから脱却して前向きに対応し得ることが可能となっ
た。今後漁業者の将来への生活設計としての養殖のり事
業への夢も危険にさらされることもなくなるため、若年
者の後継者難が発生せず、本方法によって長期的な効果
が期待できる。
【0036】本発明は実施例を図面により詳述してきた
が、本発明の具体的な方法及びこの方法に用いられる部
材や装置類の具体的な設計変更等があっても本発明に含
まれる。例えば次亜塩素酸ソーダ濃度は任意に設定でき
るものであり、のり病害細菌とのり付着珪藻として認め
られる多くの種類において個々の死滅最適値を設定する
ことができる。
【0037】また、陽極及び陰極の材質は任意であり、
例えばステンレス鋼等の鉄材、または、黒鉛、チタン等
とすることができる。またチタン電極に白金被覆や酸化
被膜を付加することもできる。
【0038】電気分解用の直流電源は、太陽電池や波力
発電装層及び陸上電源等によっても供給することができ
る。
【0039】陽極または陰極はブロック状、線状網状
等、形状は任意に設定することができる。また、のり網
を金属として電極に使用した場合、陰極部と陽極部を混
在させてもよい。
【0040】次亜塩素酸ソーダ発生用の電極に加えて銅
電極5c,鉄電極5dを設けて海中の銅イオン濃度を調
整するのは、浮上のりひび10aで行うのを説明した
が、この外の請求項のすべての装置にても行うことがで
きる。
【0041】[発明の効果]本発明請求項1記載ののり
病害細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法では、前記方法
を採用したため、従来から何ら改善対策されることのな
かったのり病害細菌とのり付着珪藻の死滅除去のための
使用に関わる困難な取扱方法、冷凍貯蔵、海上運搬、採
摘を含めての人件費、網代、薬品代のコストに比べ極め
て低価格でのり病害細菌とのり付着珪藻の死滅と除去効
果を完全持続し得ると共に作業を無人化し得る効果があ
る。又、本発明は食品用の殺菌剤として使用されている
次亜塩素酸ソーダを海中で海水分解により現状で無公害
に生産し応用する画期的発明であり、充分に各水質基準
値以内として使用しながらの効果が抜群であるので、現
在漁業者の置かれている被害額、後継者難、精神的、人
為的、財政的な負担を一挙に解決できるものである。特
に種苗生産の糸状体は、のり病害細菌とのり付着珪藻に
弱いため無菌環境で生産をなしうることで従来と異なり
格段の効果が発生する。
【0042】本発明請求項2記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、前記方法を採用したた
め、現在のり養殖は沿岸養殖が主体であり、また出荷前
に養殖のりひびにのり病害細菌とのり付着珪藻の集中発
生がみられた場合には、被害金額も数十億円単位であ
り、かつ折角育成したのりが数日にて全滅するため、漁
業者の精神的な疲労も甚だしい。浮上のりひびは複数集
中して海上に固定するためその固定間隔に歩行板を設け
或は作業船を置き、その上部に次亜塩素酸ソーダ濃度調
整発生装置を置き、内外部に陽電極及び陰電極を配置す
ることで作業性が向上し加えて、被害を未然に防止する
ことができる。また発電装置は、太陽電池、波力発電装
置、デイーゼル発電装置、陸上電源の配線等を使用し、
洋上で電力を容易に得ることができる。なお電極に発生
する水素ガスによって海水対流作用を促進するので空気
中の炭酸ガスが補充される結果のり細胞の炭素量が増加
され活性化するため製品の品質向上効果が生じる。
【0043】本発明請求項3記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、のり病害細菌とのり付着
珪藻の集中水域において、浮上ブイに設けたバッテリー
の直流電流を次亜塩素酸ソーダ濃度調整発生装置を介し
てブイの下部に陽電極、陰電極に通電した状態で浮上ブ
イがのり病害細菌とのり付着珪藻の集中水域を潮流によ
って移動し得るため、残留塩素効果が相乗的に発揮し得
る。のり病害細菌とのり付着珪藻は浅い水位でも狭い水
路でも通過するため、船舶等での追跡が困難なる場所に
放置することもできる。
【0044】本発明請求項4記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、のり病害細菌とのり付着
珪藻の集中海域に船舶によりのり病害細菌とのり付着珪
藻と共に移動し最も密度の濃い場所に集中して高濃度の
次亜塩素酸ソーダを発生し瞬間に死滅させることが可能
であり容量的に大型次亜塩素酸ソーダ濃度調整発生装置
を装備しのり病害細菌とのり付着珪藻の集団と共に移動
させることにより未然にのり漁場の被害を防止する効果
がある。
【0045】本発明請求項5記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、のり漁船に次亜塩素酸ソ
ーダ発生装置を搭載し船外に吊り下げた電極を複数設置
しうるため、のり漁場での操業中及び往復航走中も海面
を殺菌することが可能となった。各漁協20隻以上の漁
船が本発明によって掃海するためのり病害細菌とのり付
着珪藻は完全に死滅する効果がある。
【0046】本発明請求項6記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、養殖のり網の両端を構成
する主ロープにチタンワイヤーを通過させ該両端ロープ
のチタンワイヤーを陽極および陰極として形成し、該電
極に直流電流を通電して次亜塩素酸ソーダ発生させるた
め、のり病害細菌とのり付着珪藻が養殖のりひびに付着
しようしても常時次亜塩素酸ソーダを発生させるのでこ
れを死滅する効果を生じる。
【0047】本発明請求項7記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻は海中にて発生するため、沖合沿岸のどこでも
存在する。沖合沿岸ののり育成漁場で採摘されたのりの
乾のり製造工程においてのり病害細菌とのり付着珪藻が
再び付着し製品に悪影響を与えないよう次亜塩素酸ソー
ダを発生し、病害細菌と付着珪藻を調整槽にて死滅除去
するので摘採のりに悪影響は生ぜず色、つやが良くな
り、旨味成分も失われないので製品価格が上昇する効果
を生じる。
【0048】本発明請求項8記載ののり病害細菌とのり
付着珪藻の死滅除去方法では、前記方法を採用したた
め、陸上水槽や浮上のりひび、浮上ブイ、船舶タンク、
船舶外部等で次亜塩素酸ソーダを発生させるのに加えて
直流電流により銅棒を電気分解して銅イオンを発生させ
るため、天然海水の含有元素である塩素および銅イオン
の濃度を上昇して殺菌効果を約2倍とすることができ
る。また発生イオン濃度も少なくてよいため、消費電力
も減少させることができる。塩素の残留塩素濃度は銅イ
オンとの化合により塩化銅として長期に亘って持続する
と共に銅イオンと塩素との殺菌能力の相乗効果が得られ
る。また、銅イオンと次亜塩素酸ソーダの発生と、この
発生作業を継続して天然海水中の銅イオンおよび残留塩
素を濃度調整することによって、のり病害細菌とのり付
着珪藻を完全に死滅させるという大きな相乗効果が得ら
れる。のりひび主ロープに金属を加えて銅イオン発生用
電極として使用することも可能である。したがって陸上
水槽、浮上のりひび、浮上ブイ、船舶タンク、船舶外部
等に海水電気分解によって次亜塩素酸ソーダを発生させ
る方法に加えて銅イオン発生を行うことによって漁業者
の種々の不安の解消と共にコスト低減、のりの成長に大
きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図2】本発明請求項2記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図3】本発明請求項2記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図4】本発明請求項3記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図5】本発明請求項4記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図6】本発明請求項5記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図7】本発明請求項6記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図8】本発明請求項7記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【図9】本発明請求項8記載の方法に使用する装置を示
す説明図である。
【符号の説明】
2 培養水槽 3 のり糸状体 4 のり病害細菌とのり付着珪藻 5 次亜塩素酸ソーダ濃度調整発生装置 5a チタン陽極 5b チタン陰極 5c 銅電極 5d 鉄電極 10a 浮上のりひび 10b 浮上のりひび 10c 浮上のりひび 15 浮上ブイ 16 バッテリー 19 船舶 20 タンク 21 排水管 22 銅イオン濃度調整発生装置 23 主ロープ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】 陽極および陰極で形成された電極を養
    殖のり育成域内における天然海水中に設け、該電極に直
    流電流を通電して次亜塩素酸ソーダを発生させ、前記天
    然海水中の残留塩素濃度を調整することにより、のりを
    病害死させるのり病害細菌とのり付着珪藻を死滅除去す
    ることを特徴とするのり病害細菌とのり付着珪藻の死滅
    除去方法。
  2. 【請求項 2】 天然海水中の浮上のり育成漁場に陽極
    および陰極で形成された電極を設けて該電極に直流電流
    を通電して次亜塩素酸ソーダを発生させ育成漁場の内外
    残留塩素濃度を調整することにより、のりを病害死させ
    る細菌とのり付着珪藻を死滅除去することを特徴とする
    のり病害細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法。
  3. 【請求項 3】 浮上ブイに陽極および陰極で形成され
    た電極を設けて該電極に直流電流を通電して次亜塩素酸
    ソーダを発生させ海水中の残留塩素濃度を調整すること
    により、のりを病害死させる細菌と、のり付着珪藻を集
    中的に死滅除去することを特徴とするのり病害細菌との
    り付着珪藻の死滅除去方法。
  4. 【請求項 4】 船舶に設けた天然海水を養殖のり漁場
    内へ吸入排出できるタンク内で陽極および陰極で形成さ
    れた電極に直流電流を通電してタンク内の次亜塩素酸ソ
    ーダを発生させタンク内の残留塩素濃度を調整し、該タ
    ンク内部水を養殖のり生育水域に還流させることにより
    のりを病害死させる細菌とのり付着珪藻を死滅除去する
    ことを特徴とするのり病害細菌とのり付着珪藻の死滅除
    去方法。
  5. 【請求項 5】 船舶に設けた陽極および陰極で形成さ
    れた電極に直流電流を通電して次亜塩素酸ソーダを発生
    させ、養殖のり漁場内外を航走中に天然海水中の残留塩
    素濃度を調整することにより、のりを病害死させる細菌
    とのり付着珪藻を死滅除去することを特徴とするのり病
    害細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法。
  6. 【請求項 6】 養殖のり網の両端を構成する主ロープ
    にチタンワイヤーを通過させ該両端ロープのチタンワイ
    ヤーを陽極および陰極として形成し、該電極に直流電流
    を通電して次亜塩素酸ソーダを発生させ海水中の残留塩
    素濃度を調整することによりのり病害細菌とのり付着珪
    藻を集中的に死滅除去する方法。
  7. 【請求項 7】乾のり製造工程の陸上における洗浄工程
    の天然海水を調整タンク内で陽極および陰極で形成され
    た電極に直流電流を通電してタンク内の次亜塩素酸ソー
    ダを発生させタンク内の残留塩素濃度を調整し、該タン
    ク内部水洗浄工程に使用することによりのり病害細菌と
    のり付着珪藻を死滅除去することを特徴とするのり病害
    細菌とのり付着珪藻の死滅除去方法。
  8. 【請求項 8】請求項1、2、3、4、または5、6、
    7記載ののり病害細菌とのり付着珪藻を死滅除去する方
    法において、前記残留塩素濃度を調整する電極に加えて
    銅イオン発生用の陽極および陰極により形成された電極
    を設け、該電極に直流電流を通電して海水中に銅イオン
    を発生させることにより、のり病害細菌とのり付着珪藻
    を死滅除去することを特徴とするのり病害細菌とのり付
    着珪藻を集中的に死滅除去する方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004344102A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Daiichi Seimou Co Ltd 海苔の雑藻駆除および海苔の病害菌防除のための海苔処理方法
JP2011193812A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Masuyuki Naruse 海苔養殖方法及び海苔処理方法

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