JPH07312193A - イオン注入装置用の可変絞り装置 - Google Patents

イオン注入装置用の可変絞り装置

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JPH07312193A
JPH07312193A JP6128208A JP12820894A JPH07312193A JP H07312193 A JPH07312193 A JP H07312193A JP 6128208 A JP6128208 A JP 6128208A JP 12820894 A JP12820894 A JP 12820894A JP H07312193 A JPH07312193 A JP H07312193A
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JP
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ion beam
variable
diaphragm
ion
diaphragm plate
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JP6128208A
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English (en)
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Satoshi Yuasa
智 湯浅
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオンビームを絞り度合可変に、しかもその
両端部で対称性良く絞ることができ、更に構造が簡単で
あるイオン注入装置用の可変絞り装置を提供する。 【構成】 この可変絞り装置140は、中央部に開口部
143を有する絞り板142と、この絞り板142をそ
の中央部で支持してそれを矢印Mのようにイオンビーム
4の進行方向の前後方向に往復回転させる回転軸148
と、この回転軸148に結合されていてそれを往復回転
させる可逆転式のモータ174とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ウェーハディスク上
のレジスト付のウェーハにイオンビームを照射してイオ
ン注入を行うイオン注入装置に用いられてイオンビーム
を絞り度合可変に絞る可変絞り装置に関する。
【0002】
【背景となる技術】レジスト付のウェーハ(即ち表面に
レジストが塗布されているウェーハ)にイオンビームを
照射してイオン注入を行うと、レジストから多量の放出
ガス(アウトガス)が発生して、注入室内の圧力が上昇
する(即ち真空度が悪化する)。このような問題は、大
電流イオン注入装置のように、イオンビームのビーム電
流が大きい場合に著しい。
【0003】レジストからの放出ガスによって注入室内
の圧力が上昇すると、イオンビームの一部が注入室内の
ガス分子と衝突する確率が高くなり、ドーズ量(イオン
注入量)の誤差が大きくなり、ウェーハの処理に悪影響
を及ぼす。これは、イオンビームの一部がガス分子に衝
突すると、電荷を失って中性粒子となり、これがウェー
ハに注入されるが、ドーズ量はウェーハに流れるビーム
電流に基づいて計測されているため、中性粒子が注入さ
れても電流が流れず、従ってドーズ量として計測されな
いからである。
【0004】そこで、レジスト付のウェーハから発生す
るガスによる注入室内の真空度悪化を防止して正確なド
ーズ量の注入処理が可能であり、しかもスループットの
低下を抑えることができるイオン注入装置が、同一出願
人によって別途提案されている。それを図3ないし図6
を参照して説明する。
【0005】図3は、この発明の背景となるイオン注入
装置の一例を示す概略平面図である。このイオン注入装
置は、イオン源2から引き出したイオンビーム4を、分
析電磁石6で質量分析した後、ビームライン管8内を経
由して注入室10内に導入するよう構成されている。こ
のイオンビーム4は、電気的に走査されないので、その
位置は固定されている。
【0006】注入室10内には、内部駆動部30aおよ
び外部駆動部30bを有するディスク駆動装置30によ
って例えば矢印A方向に回転および矢印B方向に並進さ
せられるウェーハディスク26が収納されており、その
周縁部には、複数枚のレジスト付のウェーハ28が装着
されている。ウェーハディスク26の回転速度は例えば
500rpm〜2000rpm程度であり、並進速度は
例えば1cm/秒〜5cm/秒程度である。
【0007】注入室10内に導入されたイオンビーム4
は、このウェーハディスク26上の各ウェーハ28に順
次照射され、それによって各ウェーハ28にイオン注入
が行われる。
【0008】このイオンビーム4とウェーハディスク2
6との関係を図4を参照して詳述すると、位置の固定さ
れたイオンビーム4に対して、ウェーハディスク26を
矢印A方向に高速回転させつつ矢印B方向に並進させ
る。図4中の実線および2点鎖線で示す位置がそれぞれ
ウェーハディスク26の並進端である。両並進端におけ
るウェーハ28の端部とイオンビーム4の端部との間の
距離αがオーバースキャン分である。
【0009】イオンビーム4の断面形状は、図5も参照
して、この例では矩形であるが、それに限られるもので
はなく、楕円形、円形等でも良い。この明細書では、こ
のイオンビーム4の、ウェーハディスク26の並進方向
Bに直交する方向Hを高さ方向と呼び、ウェーハディス
ク26の並進方向Bに平行な方向Wを幅方向と呼ぶ。
【0010】図3に戻って、イオンビーム4のビームラ
イン上には、イオンビーム4の余分な部分をカットする
コリメータスリット12が設けられている。更に、ファ
ラデー系24を構成するものとして、分析電磁石6と協
働してイオンビーム4の質量分析を行う分析スリット1
4、イオンビーム4を成形する成形スリット16、イオ
ンビーム4がウェーハ28等に当たった際に放出される
二次電子がアースへ逃げるのを防止してビーム電流の計
測を正確に行うためのファラデーカップ18、イオンビ
ーム4がウェーハ28に照射されるのを一次的に中断す
るビームシャッタ20、および、イオンビーム4のビー
ム電流密度分布を計測するビームプロファイルモニタ2
2が設けられている。
【0011】また、イオンビーム4のビームライン上で
あってウェーハディスク26の上流側には、より具体的
にはこの例ではファラデー系24と分析電磁石6との間
には、更により具体的にはコリメータスリット12と分
析電磁石6との間には、そこを通過するイオンビーム4
を絞る(即ちイオンビーム4のサイズを制限する)もの
であってその絞り度合が可変の可変絞り装置40が設け
られている。ここで絞り度合とは、イオンビーム4を絞
る度合のことであり、絞り度合を大きくすると、イオン
ビーム4は強く絞られるので可変絞り装置40を通過す
るイオンビーム4のサイズは小さくなり、絞り度合を小
さくすると、イオンビーム4は弱く絞られるので可変絞
り装置40を通過するイオンビーム4のサイズは大きく
なる。
【0012】この可変絞り装置40は、詳細は後で図6
を参照して説明するが、この例では図5に示すように、
イオンビーム4の高さ方向Hの両端部に配置された2枚
の絞り板42aおよび42bと、各絞り板42a、42
bをそれぞれ支持してそれを矢印F、Gに示すようにイ
オンビーム進行方向の前後方向にそれぞれ往復回転させ
る2本の回転軸48aおよび48bとを備えている。両
回転軸48a、48bは、互いに同期して同じ回転速度
で逆方向に回転させられる。即ち、回転軸48aが矢印
1 方向に回転させられるときは回転軸48bは矢印G
1 方向に回転させられ、その逆に、回転軸48aが矢印
2 方向に回転させられるときは回転軸48bは矢印G
2 方向に回転させられる。このようにして、この例で
は、イオンビーム4をその高さ方向Hの両端部で、絞り
度合を可変に絞ることができる。
【0013】図3に戻って、注入室10には、注入室1
0内の圧力(真空度)を計測する真空計32が取り付け
られている。この真空計32は、この例では、イオンビ
ーム4が照射されるウェーハ28の近傍の圧力をできる
だけ正確に計測するために、ファラデー系24の後方に
設けられている。この真空計32は、例えばB−A形電
離真空計、シュルツ形電離真空計等の電離真空計である
が、それ以外のものでも良い。
【0014】更にこのイオン注入装置は、可変絞り装置
40を制御するものであって、イオン注入開始時は当該
可変絞り装置40における絞り度合を予め定められた度
合まで大きくしておき、イオン注入開始後は真空計32
で計測する注入室10内の圧力が予め定められた値より
も上昇しない範囲内で当該絞り度合を徐々に小さくする
制御装置34を備えている。
【0015】上記注入開始時の絞り度合は、イオンビー
ム4を完全に遮断したときを100%とすると、例えば
80%(開口率で言えば20%)程度にする。この値
は、実験によって決めたものである。
【0016】上記注入室10内の圧力の上限値は、例え
ば5×10-5Torrとする。この値も実験によって決
めたものであり、注入室10内の圧力がこれ以下であれ
ば、前述したドーズ量の誤差は許容できる程度に小さく
なる。
【0017】レジスト付のウェーハ28にイオンビーム
4を照射したときにそのレジストから放出されるガスの
量は、ウェーハ28に照射されるイオンビーム4のエネ
ルギー、ビーム電流等に依存する。可変絞り装置40で
イオンビーム4を絞ると、ウェーハ28に照射されるイ
オンビーム4のサイズが小さくなり、それによってレジ
ストに照射されるビーム電流が小さくなるので、レジス
トからの放出ガス量は少なくなる。
【0018】従って、可変絞り装置40における絞り度
合を、制御装置34によって、注入開始時は大きくして
ウェーハ28に照射されるイオンビーム4のサイズを小
さくしておき、注入開始後は当該絞り度合を注入室10
内の圧力が上記値よりも上昇しない範囲内で徐々に小さ
くしてウェーハ28に照射されるイオンビーム4のサイ
ズを徐々に大きくすることによって、レジストから徐々
にガスを放出させて、放出ガスによる注入室10内の真
空度の悪化を、ドーズ量の精度に影響を及ぼさない範囲
内に抑えることができる。
【0019】その結果、正確なドーズ量の注入処理が可
能になる。しかも、注入室10内の真空度が急激に悪化
した場合のようにイオン注入を長時間中断せずに済むの
で、スループットの低下を抑えることができる。
【0020】上記可変絞り装置40は、図6に示すよう
に、前述したような2枚の絞り板42a、42b、2本
の回転軸48a、48b、可逆転式の回転駆動源として
のサーボモータ74およびこのサーボモータ74の回転
出力を2本の回転軸48a、48bに伝達してそれらを
前述したように同期して逆方向に回転させる伝達機構6
4を備えている。
【0021】前述したビームライン管8の側壁部に軸受
ブロック52が取り付けられており、2本の回転軸48
a、48bはこの軸受ブロック52を回転自在に貫通し
ている。その貫通部分は、2段の例えばOリングのよう
なパッキン54によって真空シールされている。2段の
パッキン54の間は、中間真空ポート56を経由して真
空排気される。
【0022】各回転軸48a、48bは、その内部に往
復の冷媒通路50をそれぞれ有しており、この冷媒通路
50には、ロータリーフィード部58を介して、冷媒6
0が流される。
【0023】回転軸48a、48bの先端部には、絞り
板取付部44がそれぞれ取り付けられており、それに絞
り板42a、42bがそれぞれ取り付けられている。各
絞り板取付部44は、各回転軸48a、48b内の冷媒
通路50につながる冷媒通路46をそれぞれ有してい
る。
【0024】軸受ブロック52の外側には、モータブラ
ケット62が取り付けられており、それに前述したサー
ボモータ74が取り付けられている。サーボモータ74
の出力軸76には、カップリング78を介して、平歯車
66が接続されており、それにはそれと同歯数の平歯車
68が噛み合わされており、かつ両平歯車66、68に
は、互いに同歯数の平歯車70、72がそれぞれ噛み合
わされている。各平歯車70、72は、前述した回転軸
48a、48bにそれぞれ取り付けられている。このよ
うな構成によって、前述した伝達機構64が構成されて
いる。
【0025】サーボモータ74の出力軸76を矢印Cの
ように往復回転させると、平歯車66、68は互いに逆
方向に往復回転させられ、平歯車70、72および回転
軸48a、48bは矢印FおよびGのように(より詳し
くは図5に示した矢印F1 、G1 および矢印F2 、G2
のように)、互いに同期して互いに同じ回転速度で逆方
向に回転させられる。これによって、2枚の絞り板42
a、42bを開閉させて、そこを通過するイオンビーム
4をその高さ方向Hの両端部で、絞り度合を可変に、し
かも上下で対称性良く絞ることができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記可変絞り装置40
は、イオンビーム4を絞り度合可変に、しかも高さ方向
の両端部で対称性良く絞ることができるけれども、絞り
板42a、42bおよび回転軸48a、48bを二つず
つ用いており、しかも動力を2本の回転軸48a、48
bに伝達する伝達機構64を用いており、そのために構
造が複雑でコストが嵩むという点に改善の余地がある。
【0027】そこでこの発明は、イオンビームを絞り度
合可変に、しかもその両端部で対称性良く絞ることがで
き、更に構造が簡単であるイオン注入装置用の可変絞り
装置を提供することを主たる目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の可変絞り装置は、中央部に開口部を有す
る絞り板と、この絞り板をその中央部で支持してそれを
イオンビーム進行方向の前後方向に往復回転させる回転
軸と、この回転軸に結合されていてそれを往復回転させ
る可逆転式の回転駆動源とを備えることを特徴とする。
【0029】
【作用】上記構成によれば、回転駆動源によって回転軸
を往復回転させると、それに支持された絞り板が、イオ
ンビーム進行方向の前後方向に往復回転させられ、当該
絞り板のイオンビーム進行方向に対する角度が変えられ
る。
【0030】絞り板をイオンビーム進行方向に対して垂
直に立てると、イオンビームから見た絞り板の開口部の
面積が最大になり、そこを通過するイオンビームのサイ
ズは最大になる。
【0031】絞り板を傾けてイオンビーム進行方向に対
して平行に近づけるほど、イオンビームから見た絞り板
の開口部の面積が小さくなって、イオンビームの両端部
が絞り板によって互いに同程度だけカットされ、そこを
通過するイオンビームのサイズは小さくなる。
【0032】このようにして、1枚の絞り板を用いてそ
れの角度を変えることによって、イオンビームを絞り度
合可変に、しかもその両端部で対称性良く絞ることがで
きる。
【0033】
【実施例】図1は、この発明に係る可変絞り装置の一例
を示す図である。図2は、図1の線N−Nに沿う拡大断
面図である。
【0034】この可変絞り装置140は、例えば図1に
示したようなイオン注入装置内に、可変絞り装置40と
同じ位置にそれの代わりに設けられるものである。
【0035】前述したビームライン管8の側壁部等にこ
の可変絞り装置140を取り付けるためのフランジ15
2を、1本の回転軸148が回転自在に貫通している。
その貫通部分は、2段の例えばOリングのようなパッキ
ン154によって真空シールされている。2段のパッキ
ン154の間は、中間真空ポート156を経由して真空
排気される。このようにすることによって、回転軸14
8の貫通部分からの真空リークをより確実に防止するこ
とができる。
【0036】この回転軸148は、この実施例では、イ
オンビーム4の幅方向Wに平行な方向に、即ち図3およ
び図4に示したウェーハディスク26の並進方向Bに平
行な方向に配置されている。この回転軸148の高さ方
向の中心は、イオンビーム4の高さ方向Hの中心に一致
させている。
【0037】この回転軸148は、二重構造をしてい
て、その内部に往復の冷媒通路150を有しており、こ
の冷媒通路150には、フレシキブルチューブ158を
経由して、冷媒160が流される。冷媒160は例えば
冷却水であるが、それ以外のもの、例えば代替フロン等
でも良い。フレシキブルチューブ158を用いるのは、
回転軸148の90度程度の回転を許容するためである
が、それの代わりにロータリーフィードスルーを用いて
も良い。
【0038】回転軸148のフランジ152内側の(即
ち真空側の)一端部に、環状の絞り板取付板144が取
り付けられており、それに絞り板142が取り付けられ
ている。絞り板取付板144は、回転軸148内の冷媒
通路150につながる冷媒通路146を有している。
【0039】絞り板142にイオンビーム4が当たる
と、そのエネルギーによって、絞り板142、それに接
続された絞り板取付板144および回転軸148は加熱
されるので、上記構成によって回転軸148および絞り
板取付板144内に冷媒160を流すことによって、絞
り板142および回転軸148を強制的に冷却するよう
にしている。そのようにすることによって、パッキン1
54等の加熱による劣化を防止することができる。
【0040】また、この可変絞り装置140の近くに
は、ビームライン管8の内部を真空排気するクライオポ
ンプ(図示省略)が配置される場合があり、その場合
は、絞り板142が高温に加熱されるとクライオポンプ
の動作に悪影響が生じるが、絞り板142を強制的に冷
却することによってそれを防止することができる。
【0041】絞り板142は、その中央部に、イオンビ
ーム4の断面形状にほぼ対応した形状および大きさをし
ていて、イオンビーム4をほぼそのまま通過させること
のできる開口部143を有している。このような開口部
143であれば、小さい開口寸法でイオンビーム4を最
も効率良く通過させることができる。この開口部143
の高さ方向および幅方向の中心は、イオンビーム4の高
さ方向Hおよび幅方向Wの中心に一致させている。
【0042】絞り板142の開口部143の縁143a
は、図2に示すように、イオンビーム4と対向するのと
反対側の面が斜めに(テーパに)されてナイフエッジを
形成している。このようにすることによって、イオンビ
ーム4によって当該縁143aがスパッタされてパーテ
ィクルが発生するのを抑えることができ、かつ発生した
パーティクルが下流側のウェーハディスク26の方へ向
けて飛散するのを防止することができる。
【0043】絞り板142は、イオンビーム4によって
スパッタされにくい材質またはスパッタされてもウェー
ハ28に対するコンタミネーション(不純物混入)の少
ない材質で構成するのが好ましい。例えば、C(カーボ
ン)は前者の例であり、ウェーハ28は一般的にSi な
のでSi は後者の例であり、SiCは両者を満たす例で
ある。
【0044】フランジ152の外側(即ち大気圧側)に
は、支持ブロック162が取り付けられており、それ
に、可逆転式の回転駆動源の一例として、可逆転式のモ
ータ174が取り付けられている。このモータ174に
は、この例では減速機175が接続されており、その出
力軸176に、カップリング178を介して、回転軸1
48の他端部が接続されている。
【0045】モータ174は、例えばサーボモータ、パ
ルスモータ等であるが、その他の可逆転式の電気モータ
でも良い。
【0046】なお、モータ174自体の回転速度が小さ
い場合は、減速機175は必ずしも設けなくても良い。
また、可逆転式の回転駆動源としては、上記のようなモ
ータ174の他に、空圧式または油圧式の揺動モータ等
を用いても良い。
【0047】モータ174によって出力軸176を矢印
Lのように往復回転させると、それに結合された回転軸
148も矢印Mのように往復回転させられ、それによっ
て回転軸148に支持された絞り板142が、イオンビ
ーム4の進行方向の前後方向に往復回転させられ、当該
絞り板142のイオンビーム進行方向に対する角度が変
えられる。
【0048】絞り板142を図2中に実線で示すよう
に、イオンビーム進行方向に対して垂直に立てると、イ
オンビーム4から見た絞り板142の開口部143の面
積が最大になり、そこを通過するイオンビーム4のサイ
ズは最大になる。
【0049】絞り板142を図2中に2点鎖線で示すよ
うに傾けて、イオンビーム進行方向に対して平行に近づ
けるほど、イオンビーム4から見た絞り板142の開口
部143の面積が小さくなって、イオンビーム4の高さ
方向Hの両端部が絞り板142によって互いに同程度だ
け、即ち対称性良くカットされ、そこを通過するイオン
ビーム4のサイズは小さくなる。イオンビーム4の高さ
方向の両端部が絞り板142によって対称性良くカット
されるのは、前述したように、回転軸148の高さ方向
の中心および開口部143の高さ方向の中心をイオンビ
ーム4の高さ方向Hの中心に一致させていることも寄与
している。
【0050】このようにして、1枚の絞り板142を用
いてそれの角度を変えることによって、イオンビーム4
を絞り度合可変に、しかもその高さ方向Hの両端部で対
称性良く絞ることができる。
【0051】しかもこの可変絞り装置140は、先行例
の可変絞り装置40と違って、絞り板142および回転
軸148を一つずつしか用いておらず、しかも動力を2
本の回転軸に伝達する伝達機構が不要であるので、構造
が簡単であり、コスト的にも安くできる。
【0052】なお、絞り板取付板144は、絞り板14
2を必要なまで、例えば絞り度合が80%(開口率で言
えば20%)程度になるまで傾けても、開口部143を
通過したイオンビーム4が当たらない程度に開口部14
3から引っ込めておくのがイオンビーム4によるスパッ
タ防止等の観点から好ましく、この実施例ではそのよう
にしている。それでもなお絞り板取付板144にイオン
ビーム4が当たるようであれば、その当たる部分を斜め
にカットしておいても良い。また、この絞り板取付板1
44にイオンビーム4が当たる部分を絞り板142と同
じ材質の膜等で被覆しておいても良く、そのようにすれ
ば、絞り板142について説明したのと同様の理由によ
って、絞り板取付板144のスパッタによるウェーハ2
8へのコンタミネーションを軽減することができる。
【0053】また、絞り板142を大きく傾けたときに
その上下からイオンビーム4が通過するのを防止するた
めには、絞り板142をある程度大きくしておかなけれ
ばならないが、そのようにする代わりに、例えば図2中
に2点鎖線で示すように、絞り板142の上部および下
部にL字状に補助遮蔽板180を立設しておいても良
く、そのようにすれば、絞り板142を大きく傾けると
補助遮蔽板180が立つので、この補助遮蔽板180に
よってイオンビーム4が絞り板142の上下から通過す
るのを防止することができ、それによって絞り板142
を小型化して、それを回転させるのに要するスペースの
削減を図ることができる。
【0054】また、上記のような可変絞り装置140
は、そのモータ174、ひいては絞り板142を連続的
に回転させて絞り度合を連続的に変化させることもでき
るし、あるいはモータ174にサーボモータ、パルスモ
ータ等を用いて絞り板142を段階的に回転させて絞り
度合を段階的に変化させることもできる。
【0055】また、イオンビーム4を絞る位置は、上記
例のようなイオンビーム4の高さ方向Hの両端部に限ら
れるものではなく、例えばイオンビーム4の幅方向Wの
両端部でも良いし、それ以外の位置でも良い。イオンビ
ーム4を幅方向Wの両端部で絞る場合は、上記可変絞り
装置140を90度回転させて、その回転軸148がイ
オンビーム4の高さ方向Hに平行な方向に、即ち図3お
よび図4に示したウェーハディスク26の並進方向Bに
直交する方向に位置するように配置すれば良く、イオン
ビーム4をそれ以外の位置で絞る場合は、同可変絞り装
置140を適当な角度だけ回転させて配置すれば良い。
【0056】例えば、可変絞り装置140の絞り度合を
小さくする動作を、ウェーハディスク26が並進端付近
に来たときに行う場合は、そのときはイオンビーム4は
ウェーハ28に照射されておらず、途中で絞り度合を変
更してもウェーハ28に対する注入均一性に全く影響し
ないので、イオンビーム4を絞る位置は、イオンビーム
4の高さ方向Hの両端部以外、例えばイオンビーム4の
幅方向Wの両端部、あるいはそれ以外の位置でも良い。
【0057】もっともその場合も、イオンビーム4がそ
の高さ方向Hに長い矩形をしている場合には、イオンビ
ーム4を高さ方向Hの両端部で絞る方が、幅方向Wの両
端部で絞る場合に比べてイオンビームの絞り代が大きく
なるので、絞り度合の調整が容易になるという利点はあ
る。
【0058】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0059】請求項1の可変絞り装置によれば、1枚の
絞り板を用いてそれのイオンビーム進行方向に対する角
度を変えるように構成しているので、イオンビームを絞
り度合可変に、しかもその両端部で対称性良く絞ること
ができる。更に、先行例の可変絞り装置と違って、絞り
板および回転軸を一つずつしか用いておらず、しかも動
力を2本の回転軸に伝達する伝達機構が不要であるの
で、構造が簡単であり、コスト的にも安くできる。
【0060】請求項2の可変絞り装置によれば、イオン
ビームが絞り板に当たることによる発熱の影響が、回転
軸を真空シールするパッキンや近くのクライオポンプ等
の機器に及ぶのを防止することができる。
【0061】請求項3の可変絞り装置によれば、イオン
ビームをその高さ方向の両端部で対称性良く絞ることが
できる。
【0062】請求項4の可変絞り装置によれば、イオン
ビームをその幅方向の両端部で対称性良く絞ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る可変絞り装置の一例を示す図で
ある
【図2】図1の線N−Nに沿う拡大断面図である。
【図3】この発明の背景となるイオン注入装置の一例を
示す概略平面図である。
【図4】図3中のイオンビーム照射部付近のウェーハデ
ィスクを拡大して示す正面図である。
【図5】図3中の可変絞り装置を構成する絞り板付近を
拡大して示す概略斜視図である。
【図6】図3中の可変絞り装置の具体例を示す図であ
る。
【符号の説明】
4 イオンビーム 26 ウェーハディスク 28 ウェーハ 140 可変絞り装置 142 絞り板 143 開口部 148 回転軸 174 モータ(回転駆動源)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注入室内で回転および並進させられるウ
    ェーハディスクに装着された複数枚のレジスト付のウェ
    ーハに位置の固定されたイオンビームを照射してイオン
    注入を行うイオン注入装置のウェーハディスクの上流側
    に設けられてそこを通過するイオンビームを絞るもので
    あってその絞り度合が可変の可変絞り装置において、中
    央部に開口部を有する絞り板と、この絞り板をその中央
    部で支持してそれをイオンビーム進行方向の前後方向に
    往復回転させる回転軸と、この回転軸に結合されていて
    それを往復回転させる可逆転式の回転駆動源とを備える
    ことを特徴とするイオン注入装置用の可変絞り装置。
  2. 【請求項2】 前記絞り板および回転軸を冷媒によって
    強制的に冷却するように構成している請求項1記載のイ
    オン注入装置用の可変絞り装置。
  3. 【請求項3】 前記回転軸を、前記ウェーハディスクの
    並進方向に平行な方向に配置し、この回転軸に支持され
    た絞り板によってイオンビームを、そのウェーハディス
    クの並進方向に直交する方向である高さ方向の両端部で
    絞るように構成している請求項1または2記載のイオン
    注入装置用の可変絞り装置。
  4. 【請求項4】 前記回転軸を、前記ウェーハディスクの
    並進方向に直交する方向に配置し、この回転軸に支持さ
    れた絞り板によってイオンビームを、そのウェーハディ
    スクの並進方向に平行な方向である幅方向の両端部で絞
    るように構成している請求項1または2記載のイオン注
    入装置用の可変絞り装置。
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