JPH0731152B2 - 空燃比測定用検出器 - Google Patents
空燃比測定用検出器Info
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- JPH0731152B2 JPH0731152B2 JP62243684A JP24368487A JPH0731152B2 JP H0731152 B2 JPH0731152 B2 JP H0731152B2 JP 62243684 A JP62243684 A JP 62243684A JP 24368487 A JP24368487 A JP 24368487A JP H0731152 B2 JPH0731152 B2 JP H0731152B2
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- diffusion layer
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、空燃比測定用検出器に係り、特に、内燃機関
の制御に用い、低空燃比の領域(以下、リッチ領域と称
する)から高空燃比の領域(以下、リーン領域と称す
る)までの広範囲にわたる使用に好適な空燃比測定用検
出器に関するものである。
の制御に用い、低空燃比の領域(以下、リッチ領域と称
する)から高空燃比の領域(以下、リーン領域と称す
る)までの広範囲にわたる使用に好適な空燃比測定用検
出器に関するものである。
[従来の技術] 一般に、空燃比測定用検出器を用いた自動車用燃焼シス
テムは、排気ガス中の酸素や未燃ガスの濃度を測定する
ことにより燃焼状態を把握し、燃料すなわちガソリンの
供給量と空気量を制御する回路に情報をフイードバック
し、空気とガソリンとの混合比、すなわち空燃比A/Fを
制御するものである。
テムは、排気ガス中の酸素や未燃ガスの濃度を測定する
ことにより燃焼状態を把握し、燃料すなわちガソリンの
供給量と空気量を制御する回路に情報をフイードバック
し、空気とガソリンとの混合比、すなわち空燃比A/Fを
制御するものである。
なお、空気中の酸素がガソリンともっとも効率よく反応
する空燃比が理論空燃比(A/F=14.7)である。
する空燃比が理論空燃比(A/F=14.7)である。
従来、理論空燃比を検出するストイックセンサ、あるい
は理論空燃比以上の領域の空燃比を検出するリーンセン
サとしては、ガス拡散層がマグネシアスピネル粉末を用
いたプラズマ溶射により50〜450μmの厚さで形成され
ており、その気孔率は約5〜10%、平均細孔径では水銀
ポロシメータによる測定で約200〜500Åの性質を有する
ものであった。
は理論空燃比以上の領域の空燃比を検出するリーンセン
サとしては、ガス拡散層がマグネシアスピネル粉末を用
いたプラズマ溶射により50〜450μmの厚さで形成され
ており、その気孔率は約5〜10%、平均細孔径では水銀
ポロシメータによる測定で約200〜500Åの性質を有する
ものであった。
自動車の燃焼効率を高めるためには、燃料が多いリッチ
領域から燃料が比較的少ないリーン領域まで幅広い領域
にわたって、すなわちワイドレンジに空燃比を制御する
必要がある。
領域から燃料が比較的少ないリーン領域まで幅広い領域
にわたって、すなわちワイドレンジに空燃比を制御する
必要がある。
ところが、リッチ領域の空燃比を測定するためには、上
述した従来のガス拡散層より拡散抵抗を大きくする必要
が或る。その理由を、第3図ないし第5図を参照して説
明する。
述した従来のガス拡散層より拡散抵抗を大きくする必要
が或る。その理由を、第3図ないし第5図を参照して説
明する。
第3図は、排ガスの空燃比とガス成分との関係を示す線
図、第4図は、一般的な限界電流式空燃比測定用検出器
の原理説明図、第5図は、空燃比と電気特性との関係を
示す線図である。
図、第4図は、一般的な限界電流式空燃比測定用検出器
の原理説明図、第5図は、空燃比と電気特性との関係を
示す線図である。
第3図に示すように、空燃比が理論空燃比より大きい領
域、すなわちリーン領域では、排ガス中の成分はほどん
ど窒素(N2)と酸素(O2)であり、未燃ガスである一酸
化炭素(CO),ハイドロカーボン(HC),水素(H2)は
きわめて微量である。
域、すなわちリーン領域では、排ガス中の成分はほどん
ど窒素(N2)と酸素(O2)であり、未燃ガスである一酸
化炭素(CO),ハイドロカーボン(HC),水素(H2)は
きわめて微量である。
この場合、O2は、第4図で示されるように、ガス拡散層
3を通って外側の反応電極2bで触媒反応によりイオン化
し、酸素イオンO2-は固体電解質1を通り大気側へ移動
する。この際、ガス拡散層を通過するO2を律速させる必
要がある。ここで律速とは、ガス拡散層を通過するO2の
利用を制限することを意味する。このガス拡散層3には
ある程度の緻密さが要求される。反応電極2bに到達した
O2は、前述のようにイオン化するが、空燃比によって排
ガス中の酸素濃度が異なるため、出力としては第5図に
示すように、それぞれの空燃比A/Fに対応した限界電流
値を有する特性を示す。
3を通って外側の反応電極2bで触媒反応によりイオン化
し、酸素イオンO2-は固体電解質1を通り大気側へ移動
する。この際、ガス拡散層を通過するO2を律速させる必
要がある。ここで律速とは、ガス拡散層を通過するO2の
利用を制限することを意味する。このガス拡散層3には
ある程度の緻密さが要求される。反応電極2bに到達した
O2は、前述のようにイオン化するが、空燃比によって排
ガス中の酸素濃度が異なるため、出力としては第5図に
示すように、それぞれの空燃比A/Fに対応した限界電流
値を有する特性を示す。
第5図では、横軸に電極間電圧Vをとり、縦軸にポンプ
電流IP(mA)をとって、それぞれの空燃比A/Fに対応し
て、ポンプ電流が一定となる実線をもって限界電流値を
示している。
電流IP(mA)をとって、それぞれの空燃比A/Fに対応し
て、ポンプ電流が一定となる実線をもって限界電流値を
示している。
この限界電流値は次の理論式(1)で表わされることが
知られている。
知られている。
F:フアラデー定数 R:気体定数 T:ガスの絶対温度 S:ガス拡散層の空孔の等価断面積 l:ガス拡散層の厚さ αi:変換定数 Di:分子の拡散係数 Pi:ガス分圧 この(1)式における各項の値により第5図の限界電流
値が定まるものであるが、各定数をまとめて示すと
(1)式は(2)式のように表わされる。
値が定まるものであるが、各定数をまとめて示すと
(1)式は(2)式のように表わされる。
すなわち、限界電流IP *は、ガス拡散層の緻密さに相当
する空孔の等価断面積Sとガス拡散層の厚さlによって
決まるものである。
する空孔の等価断面積Sとガス拡散層の厚さlによって
決まるものである。
ガス拡散層の厚さlが大きいと、限界電流IP *は低くな
るが、あまり大きいと応答性や耐久性に影響するため、
ある厚さ以下にしなければならない。そこで、限界電流
IP *はガス拡散層の空孔の等価断面積Sに左右されるこ
ととなり、Sが小さいほど、すなわちガス拡散層が緻密
であるほど、IP *は小さくなり、リッチ領域での検出制
御に有効となるものである。
るが、あまり大きいと応答性や耐久性に影響するため、
ある厚さ以下にしなければならない。そこで、限界電流
IP *はガス拡散層の空孔の等価断面積Sに左右されるこ
ととなり、Sが小さいほど、すなわちガス拡散層が緻密
であるほど、IP *は小さくなり、リッチ領域での検出制
御に有効となるものである。
リッチ領域では、第3図に示すように排ガス中の酸素濃
度は少なく、未燃ガスのCO,HC,H2が多い。したがって、
第4図の中のガス拡散層3にはこれらの未燃ガスが通過
し、酸素イオンO2-はリーン領域の場合とは逆に大気側
から固体電解質1を通り、外側電極2b上で未燃ガス成分
の分子の大きさは、酸素分子よりはるかに小さいため、
ガス拡散層を通過する量を従来のガス拡散層では律速す
ることができず、リッチ側の制御ができなくなる。すな
わち、リッチ側の制御を行なうためには、未燃ガスの拡
散を律速しうる緻密なガス拡散層が必要となる。
度は少なく、未燃ガスのCO,HC,H2が多い。したがって、
第4図の中のガス拡散層3にはこれらの未燃ガスが通過
し、酸素イオンO2-はリーン領域の場合とは逆に大気側
から固体電解質1を通り、外側電極2b上で未燃ガス成分
の分子の大きさは、酸素分子よりはるかに小さいため、
ガス拡散層を通過する量を従来のガス拡散層では律速す
ることができず、リッチ側の制御ができなくなる。すな
わち、リッチ側の制御を行なうためには、未燃ガスの拡
散を律速しうる緻密なガス拡散層が必要となる。
こうした点を考慮し、ガス拡散層をプラズマ溶射法を用
いて密度の異なる2層構成とすることが、例えば、特開
昭53−13980号公報および特開昭53−116896号公報に記
載されている。
いて密度の異なる2層構成とすることが、例えば、特開
昭53−13980号公報および特開昭53−116896号公報に記
載されている。
前者の技術では、プラズマ溶射法で酸化アルミニウム
(アルミナ)を電極に近い第1層は密に30μm、その外
側の第2層は同じ方法で粗に80μmの厚さに形成してい
る。
(アルミナ)を電極に近い第1層は密に30μm、その外
側の第2層は同じ方法で粗に80μmの厚さに形成してい
る。
一方、後者の技術では、同じくプラズマ溶射法で、マグ
ネシウムスピネルを第1層は粗に300μm、第2層は密
に2mmの厚さに形成している。
ネシウムスピネルを第1層は粗に300μm、第2層は密
に2mmの厚さに形成している。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の従来技術は、ガス拡散層の厚さや緻密さと、耐熱
性、生産性、あるいは応答性との関係について配慮され
ておらず、前者の技術では、外側の粗で厚い層が冷熱サ
イクルによってクラックを生じるという問題があった。
性、生産性、あるいは応答性との関係について配慮され
ておらず、前者の技術では、外側の粗で厚い層が冷熱サ
イクルによってクラックを生じるという問題があった。
また、後者の技術では、外側の密で厚い層を形成するの
が難しく、拡散抵抗が大きくなりすぎて応答性が悪くな
るため実用的ではなかった。
が難しく、拡散抵抗が大きくなりすぎて応答性が悪くな
るため実用的ではなかった。
さらに、両者ともプラズマ溶射法を用いているので生産
コストが高いという問題があった。
コストが高いという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたもので、最適なガスの拡散機能を有する超微粒子被
覆のガス拡散層を備え、耐熱性に優れ、かつ、応答性が
良く、リーン領域からリッチ領域まで広範囲に適用しう
る、生産性の良い空燃比測定用検出器を提供すること
を、その目的とするものである。
れたもので、最適なガスの拡散機能を有する超微粒子被
覆のガス拡散層を備え、耐熱性に優れ、かつ、応答性が
良く、リーン領域からリッチ領域まで広範囲に適用しう
る、生産性の良い空燃比測定用検出器を提供すること
を、その目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的は、酸素イオン伝導性金属酸化物からなる固体
電解質素子の排気ガス側の面に多孔質の薄膜状の第1の
電極を大気側の面に多孔質の薄膜状の第2の電極を設
け、前記第1の電極を多孔質の電気絶縁性金属酸化物か
らなるガス拡散層で覆い、前記の両電極間に一定電圧を
印加することにより前記固体電解質素子の近傍の酸素を
イオン化し、かつ前記固体電解質素子内部に拡散させ、
酸素イオンの流量に対する限界電流値を求めることによ
り空燃比を測定する空燃比測定用検出器において、少な
くとも前記第1の電極を覆うガス拡散層を、平均粒径1
μm以下の異なる平均粒径からなる電気絶縁性金属酸化
物の微粒子の多孔質焼結体により形成するものであり、
電気絶縁性金属酸化物の平均粒径は排気ガス側が大気側
より小さく0.1μm以下のものにより形成することによ
り達成される。
電解質素子の排気ガス側の面に多孔質の薄膜状の第1の
電極を大気側の面に多孔質の薄膜状の第2の電極を設
け、前記第1の電極を多孔質の電気絶縁性金属酸化物か
らなるガス拡散層で覆い、前記の両電極間に一定電圧を
印加することにより前記固体電解質素子の近傍の酸素を
イオン化し、かつ前記固体電解質素子内部に拡散させ、
酸素イオンの流量に対する限界電流値を求めることによ
り空燃比を測定する空燃比測定用検出器において、少な
くとも前記第1の電極を覆うガス拡散層を、平均粒径1
μm以下の異なる平均粒径からなる電気絶縁性金属酸化
物の微粒子の多孔質焼結体により形成するものであり、
電気絶縁性金属酸化物の平均粒径は排気ガス側が大気側
より小さく0.1μm以下のものにより形成することによ
り達成される。
より望ましくは、超微粒子被覆により形成されたガス拡
散層は、その層の厚み方向に対して層の緻密さを変化さ
せたものである。
散層は、その層の厚み方向に対して層の緻密さを変化さ
せたものである。
なお付記すると、上記目的は、ガス拡散層を超微粒子被
覆により形成し、一つのガス拡散層を粗で、かつ、比較
的厚く形成し、もう一つのガス拡散層を非常に緻密で比
較的薄い層に形成することにより、達成できる。
覆により形成し、一つのガス拡散層を粗で、かつ、比較
的厚く形成し、もう一つのガス拡散層を非常に緻密で比
較的薄い層に形成することにより、達成できる。
最適には、外側の電極側の第1ガス拡散層を200μm以
下、その外側の第2のガス拡散層を0.01〜20μmの厚さ
に形成するとよい。
下、その外側の第2のガス拡散層を0.01〜20μmの厚さ
に形成するとよい。
[作用] 上記のように構成された空燃比測定用検出器において
は、プラズマ溶射を用いず、超微粒子被覆によりガス拡
散層を形成しているので、そのガス拡散層は薄いにもか
かわらず気孔率が小さくて十分な拡散律速機能を発揮す
る。
は、プラズマ溶射を用いず、超微粒子被覆によりガス拡
散層を形成しているので、そのガス拡散層は薄いにもか
かわらず気孔率が小さくて十分な拡散律速機能を発揮す
る。
この層を薄くしたことにより、ガス拡散層全体の厚さが
薄くなり、固体電解質素子との熱膨張係数の差による熱
ひずみの発生が少なくなり、クラックが発生しにくくな
るとともに、応答性、生産性が向上する。
薄くなり、固体電解質素子との熱膨張係数の差による熱
ひずみの発生が少なくなり、クラックが発生しにくくな
るとともに、応答性、生産性が向上する。
本発明は、前述のように、プラズマ溶射を用いず、微粒
子の焼結体を検出器に用いた例がある。例えば、ナショ
ナル テクニカル リポート(National Technical rep
ort),第26巻(1980)の第457頁に記載されている酸化
スズ超微粒子ガスセンサがこれに該当する。しかし、こ
れは、超微粒子表面が非常に活性でガスの吸着性がよい
ことを利用して固体電解質に利用したものである。
子の焼結体を検出器に用いた例がある。例えば、ナショ
ナル テクニカル リポート(National Technical rep
ort),第26巻(1980)の第457頁に記載されている酸化
スズ超微粒子ガスセンサがこれに該当する。しかし、こ
れは、超微粒子表面が非常に活性でガスの吸着性がよい
ことを利用して固体電解質に利用したものである。
本発明の課題である空燃比測定用検出器のガス拡散層で
のガスの拡散律速への利用は教示しておらず、その作用
が空燃比測定用検出器のガス拡散層とは本質的に異なる
ものである。
のガスの拡散律速への利用は教示しておらず、その作用
が空燃比測定用検出器のガス拡散層とは本質的に異なる
ものである。
また、超微粒子ガス分離用隔膜に用いた例が理化学研究
所報告第50巻(1974)の第141頁に記載されている。ガ
ス分離用隔膜は、混合ガスから所望のガス成分を抽出す
る隔膜であり、ガスがその平均自由行程より小さい空間
を通る際に、その拡散係数が空間の寸法に依存する性質
をガス分離に利用することを開示している。
所報告第50巻(1974)の第141頁に記載されている。ガ
ス分離用隔膜は、混合ガスから所望のガス成分を抽出す
る隔膜であり、ガスがその平均自由行程より小さい空間
を通る際に、その拡散係数が空間の寸法に依存する性質
をガス分離に利用することを開示している。
このガス分離用隔膜と、本発明の空燃比測定用検出器の
ガス拡散層とは互換性のない全く別のものである。ガス
分離用隔膜の空孔径が100Å以下であるのに対し、本発
明が係わる空燃比測定用検出器のガス拡散層の空孔径は
200乃至500Åである。
ガス拡散層とは互換性のない全く別のものである。ガス
分離用隔膜の空孔径が100Å以下であるのに対し、本発
明が係わる空燃比測定用検出器のガス拡散層の空孔径は
200乃至500Åである。
また、使用環境は、ガス分離用隔膜の環境が清浄な室温
雰囲気であるのに対し、空燃比測定用検出器の環境は汚
染された高温雰囲気である。そして、用途も、前者がガ
スの選別であるのに対し、後者はガスの流れの速度制御
(律速)である。なかでも、空孔の孔径の違いが全く異
なる作用をもたらすことを次に説明する。
雰囲気であるのに対し、空燃比測定用検出器の環境は汚
染された高温雰囲気である。そして、用途も、前者がガ
スの選別であるのに対し、後者はガスの流れの速度制御
(律速)である。なかでも、空孔の孔径の違いが全く異
なる作用をもたらすことを次に説明する。
ガスが空孔内を拡散する場合、ガスの平均自由行程より
孔径が小さい条件では、ガスの流れは、分子流となり、
その拡散係数DAは次式で与えられる。
孔径が小さい条件では、ガスの流れは、分子流となり、
その拡散係数DAは次式で与えられる。
DA=9.7×103d(T/MA)0.5 …(3) ここで、d:孔径 T:温度 MA:A成分分子の分子量 一方、ガスの平均自由行程より孔径が大きい条件では、
ガスの流れは、粘性流となり、その拡散係数DABは次式
で与えられる。
ガスの流れは、粘性流となり、その拡散係数DABは次式
で与えられる。
ここで、P:ガス圧力 VA:A成分分子の拡散分子容量 (3),(4)式を、先の(1)式に代入することによ
り、限界電流値は、分子流では、 ここで、C1:定数 PA:A成分分子の分圧 粘性流では ここで、C2:定数 となる。
り、限界電流値は、分子流では、 ここで、C1:定数 PA:A成分分子の分圧 粘性流では ここで、C2:定数 となる。
したがって、(5),(6)式から、孔径とガスの平均
自由行程との大小関係によって、限界電流値の温度依存
性が正負逆の相関となることがわかる。それに対して、
孔径とガスの平均自由行程とがほぼ等しい場合は、分子
流と粘性流の中間的な流れ(中間流)となり、限界電流
値は温度に対してほぼ一定となる。
自由行程との大小関係によって、限界電流値の温度依存
性が正負逆の相関となることがわかる。それに対して、
孔径とガスの平均自由行程とがほぼ等しい場合は、分子
流と粘性流の中間的な流れ(中間流)となり、限界電流
値は温度に対してほぼ一定となる。
ガス分離用隔膜とガス拡散層との空孔径の違いにより、
前者の内部でのガスの流れは分子流で、後者では中間流
となる。よって、ガス拡散層では、検出器の出力の温度
依存性は小さいが、ガス分離用隔膜を空燃比測定用検出
器に使用すると顕著な温度依存性が現われ、検出器の使
用に不便をきたすことになる。
前者の内部でのガスの流れは分子流で、後者では中間流
となる。よって、ガス拡散層では、検出器の出力の温度
依存性は小さいが、ガス分離用隔膜を空燃比測定用検出
器に使用すると顕著な温度依存性が現われ、検出器の使
用に不便をきたすことになる。
このように、センサのガス拡散層に超微粒子を用いた本
発明は、従来例とは全く独立になされたものであり、か
つ、従来例の組合せからも生れない独自のものである。
発明は、従来例とは全く独立になされたものであり、か
つ、従来例の組合せからも生れない独自のものである。
[実施例] 以下、本発明の各実施例を第1,2図および、第6図ない
し第11図を参照して説明する。
し第11図を参照して説明する。
まず、ガス拡散層に関する一実施例を第6図を参照して
説明する。
説明する。
第6図は、本発明の一実施例に係る空燃比測定用検出器
のガス拡散層を示す要部断面図で、この検出器は自動車
の制御に用いられる。
のガス拡散層を示す要部断面図で、この検出器は自動車
の制御に用いられる。
第6図において、1は、酸素イオン伝導性金属酸化物か
らなる固体電解質素子(以下単に固体電解質という)
で、本例では、この固体電解質1は酸化イットリウム
(イットリア)を固溶させることにより部分安定化させ
たジルコニアである。2(2a,2bの総称)は、固体電解
質1の内外面に白金メッキされた多孔質の薄膜状の反応
電極である。外側の反応電極2bは、先の理論式(1)に
おける特性に影響を及ぼす空孔断面積Sに関わるため、
白金メッキの際、マスキングにより精度良く形成されて
いる。
らなる固体電解質素子(以下単に固体電解質という)
で、本例では、この固体電解質1は酸化イットリウム
(イットリア)を固溶させることにより部分安定化させ
たジルコニアである。2(2a,2bの総称)は、固体電解
質1の内外面に白金メッキされた多孔質の薄膜状の反応
電極である。外側の反応電極2bは、先の理論式(1)に
おける特性に影響を及ぼす空孔断面積Sに関わるため、
白金メッキの際、マスキングにより精度良く形成されて
いる。
反応電極2b上の第1ガス拡散層3aは、超微粒子被覆によ
って形成されたイットリア部分安定化ジルコニアであ
る。この第1ガス拡散層3aは比較的粗であることが重要
で、特に電極上での触媒反応と密接な関係があり、また
検出器としての応答性を良くするために適度な密度が必
要である。その目安としては、最適な尺度ではないが、
空孔率として5〜10%程度、水銀ポロシメータによる平
均空孔径が300〜400Åである。
って形成されたイットリア部分安定化ジルコニアであ
る。この第1ガス拡散層3aは比較的粗であることが重要
で、特に電極上での触媒反応と密接な関係があり、また
検出器としての応答性を良くするために適度な密度が必
要である。その目安としては、最適な尺度ではないが、
空孔率として5〜10%程度、水銀ポロシメータによる平
均空孔径が300〜400Åである。
また、第1ガス拡散層3aの厚さ(膜厚)は200μm以下
であり、不用意に厚くすることは固体電解質1との熱膨
張係数の違いによりクラックが発生しやすくなること
や、応答性の低下にもつながるので、望ましくは100μ
m以下が適当である。
であり、不用意に厚くすることは固体電解質1との熱膨
張係数の違いによりクラックが発生しやすくなること
や、応答性の低下にもつながるので、望ましくは100μ
m以下が適当である。
次にガス拡散層の形成方法について説明する。
先ず、第1ガス拡散層3aについて述べる。
平均粒径1μm以下(例えば、0.3乃至0.5μm)のイッ
トリア部分安定化ジルコニア粉末を適当な解こう剤及び
結合剤を含む水に混合しボールミルで18時間以上分散さ
せる。こうしてできた分散液に素子をデイッピング(浸
漬)し、自然乾燥させた後、1500℃で1時間焼成した。
トリア部分安定化ジルコニア粉末を適当な解こう剤及び
結合剤を含む水に混合しボールミルで18時間以上分散さ
せる。こうしてできた分散液に素子をデイッピング(浸
漬)し、自然乾燥させた後、1500℃で1時間焼成した。
この工程で約50μmの厚さの膜が形成される。なお、分
散液の塗布方法としてはデイッピング法に限らず、ハケ
塗り法、スプレー法、スピンコート法、ブレード法な
ど、種々の方法が用いられる。
散液の塗布方法としてはデイッピング法に限らず、ハケ
塗り法、スプレー法、スピンコート法、ブレード法な
ど、種々の方法が用いられる。
この上に、さらに第2ガス拡散層3bを超微粒子被覆によ
り形成する。この層は特にリッチ(低空燃比)領域の検
出を行うために、未燃ガスであるCO,HC,H2の微細な分子
の拡散を制限律速させるのに好適である。膜厚は厚すぎ
るとガス拡散が行なわれにくくなるので、0.01〜20μm
望ましくは0.01〜5μmである。
り形成する。この層は特にリッチ(低空燃比)領域の検
出を行うために、未燃ガスであるCO,HC,H2の微細な分子
の拡散を制限律速させるのに好適である。膜厚は厚すぎ
るとガス拡散が行なわれにくくなるので、0.01〜20μm
望ましくは0.01〜5μmである。
第2ガス拡散層3bの製法について次に説明する。第1ガ
ス拡散層3aの焼成後、平均粒径0.1μm以下(例えば、
0.02μm)のシリカ粉末、あるいはジルコニア粉末を含
む有機溶剤を塗布し、乾燥後、700℃で30分焼成した。
この工程を2回繰返すことにより、膜厚を約1μmとし
た。
ス拡散層3aの焼成後、平均粒径0.1μm以下(例えば、
0.02μm)のシリカ粉末、あるいはジルコニア粉末を含
む有機溶剤を塗布し、乾燥後、700℃で30分焼成した。
この工程を2回繰返すことにより、膜厚を約1μmとし
た。
以上の工程により、ガスの拡散を律速し得る緻密な層を
最外層に有し、その下に適度なガス拡散が可能で白金電
極との反応速度を迅速にするのに有効なガス拡散層が完
成する。
最外層に有し、その下に適度なガス拡散が可能で白金電
極との反応速度を迅速にするのに有効なガス拡散層が完
成する。
第8図は、イットリア部分安定化ジルコニア焼成層の表
面の電子顕微鏡写真である。結晶粒がやや大きくなって
焼結が進んだ様子が認められる。図中に見られる空孔を
通って排気ガスが拡散することになる。
面の電子顕微鏡写真である。結晶粒がやや大きくなって
焼結が進んだ様子が認められる。図中に見られる空孔を
通って排気ガスが拡散することになる。
第6図の実施例におけるガス拡散層の複合構成は、それ
ぞれ完全に分離した2層から成る積層形のガス拡散層で
あったが、それ以外にもさまざまな複合構成によって、
本発明を実現することができる。
ぞれ完全に分離した2層から成る積層形のガス拡散層で
あったが、それ以外にもさまざまな複合構成によって、
本発明を実現することができる。
第7図、第9図、第10図及び第11図は、いずれも本発明
のさらに他の実施例に係るガス拡散層の複合構成を示す
要部断面図である。
のさらに他の実施例に係るガス拡散層の複合構成を示す
要部断面図である。
第7図の実施例は、遷移ガス拡散層の存在する例であ
る。
る。
第1ガス拡散層3aの空孔率が高く、第1ガス拡散層3aの
材料に対する第2ガス拡散層3bの溶剤のぬれ性が良い場
合には、第1ガス拡散層3aの空孔に第2ガス拡散層3bの
材料が含浸された中間的な遷移ガス拡散層3cを形成する
ことができる。
材料に対する第2ガス拡散層3bの溶剤のぬれ性が良い場
合には、第1ガス拡散層3aの空孔に第2ガス拡散層3bの
材料が含浸された中間的な遷移ガス拡散層3cを形成する
ことができる。
第7図の実施例では、第1ガス拡散層3aと第2ガス拡散
層3bとの熱膨張係数が大きく異なっていても、遷移ガス
拡散層3cの存在によって熱応力の集中が緩和され、耐久
性に優れたガス拡散層が形成される。
層3bとの熱膨張係数が大きく異なっていても、遷移ガス
拡散層3cの存在によって熱応力の集中が緩和され、耐久
性に優れたガス拡散層が形成される。
第7図の実施例の極端な例として第9図の実施例のよう
な浸透方式も効果的である。
な浸透方式も効果的である。
第9図の実施例は、第2ガス拡散層を形成すべき材料が
第1ガス拡散層3aの中に完全に含浸されたものである。
この場合は、第1ガス拡散層3aと遷移ガス拡散層3cのみ
が存在する積層構成となる。
第1ガス拡散層3aの中に完全に含浸されたものである。
この場合は、第1ガス拡散層3aと遷移ガス拡散層3cのみ
が存在する積層構成となる。
さらに、第9図の第1ガス拡散層が十分薄い場合は、第
1ガス拡散層全体にわたって第2ガス拡散層を形成すべ
き材料が含浸される。この場合は、第10図に示されるよ
うに、遷移ガス拡散層3cのみから構成され、成分が深さ
方向に連続的に変化する広義の積層構成とみなすことが
できる。この構成は耐久性についてもっとも優れてい
る。
1ガス拡散層全体にわたって第2ガス拡散層を形成すべ
き材料が含浸される。この場合は、第10図に示されるよ
うに、遷移ガス拡散層3cのみから構成され、成分が深さ
方向に連続的に変化する広義の積層構成とみなすことが
できる。この構成は耐久性についてもっとも優れてい
る。
また、あるいは第11図に示すように、第1ガス拡散層3a
と第2ガス拡散層3bとの間に第3の全く異なる材料によ
る単層あるいは多層の中間ガス拡散層3dを形成すること
も効果的である。この場合、中間ガス拡散層3dは、熱膨
張係数が第1ガス拡散層3aと第2ガス拡散層3bとの間の
値になるような材料にすることが有効である。製法とし
ては、層の数だけデイツピング、乾燥、焼成の工程を繰
り返すことになる。
と第2ガス拡散層3bとの間に第3の全く異なる材料によ
る単層あるいは多層の中間ガス拡散層3dを形成すること
も効果的である。この場合、中間ガス拡散層3dは、熱膨
張係数が第1ガス拡散層3aと第2ガス拡散層3bとの間の
値になるような材料にすることが有効である。製法とし
ては、層の数だけデイツピング、乾燥、焼成の工程を繰
り返すことになる。
上記の各実施例のガス拡散層では、従来のプラズマ溶射
を超微粒子被覆に置き換えたことにより、コストの低減
のみならず、膜厚が薄くなり熱ひずみに対する耐久性お
よび応答性が向上した。また、特性のばらつきも少なく
なり歩留りが向上した。さらにガス拡散層の粗な層を固
体電解質素子本体と同じイットリア部分安定化ジルコニ
アで形成したことにより、熱膨張係数の違いが少なく、
熱ひずみの発生が少ないという効果もある。
を超微粒子被覆に置き換えたことにより、コストの低減
のみならず、膜厚が薄くなり熱ひずみに対する耐久性お
よび応答性が向上した。また、特性のばらつきも少なく
なり歩留りが向上した。さらにガス拡散層の粗な層を固
体電解質素子本体と同じイットリア部分安定化ジルコニ
アで形成したことにより、熱膨張係数の違いが少なく、
熱ひずみの発生が少ないという効果もある。
次に、このようなガス拡散層を有する限界電流式空燃比
測定用検出器の全体構成および出力特性について第1図
および第2図を参照して説明する。
測定用検出器の全体構成および出力特性について第1図
および第2図を参照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る限界電流式空燃比測
定用検出器の縦断面図、第2図は、第1図の検出器によ
って得られる出力特性図である。
定用検出器の縦断面図、第2図は、第1図の検出器によ
って得られる出力特性図である。
第1図において、固体電解質1は栓体5に固定されてい
る。栓体5の先には、各実施例で説明した如きガス拡散
層3を排気ガス中の不純物から保護するための外筒7が
備えられてあり、また、固体電解質1の内部には素子を
600〜700℃に加熱し素子材質のジルコニアを電解質たら
しめるためのヒータ6が内蔵されている。さらに、内側
の反応電極2a、外側の反応電極2b、ヒータ6のそれぞれ
に電気的信号の取り出しや電圧を印加するためのリード
線9a,9b,9cが結線されている。
る。栓体5の先には、各実施例で説明した如きガス拡散
層3を排気ガス中の不純物から保護するための外筒7が
備えられてあり、また、固体電解質1の内部には素子を
600〜700℃に加熱し素子材質のジルコニアを電解質たら
しめるためのヒータ6が内蔵されている。さらに、内側
の反応電極2a、外側の反応電極2b、ヒータ6のそれぞれ
に電気的信号の取り出しや電圧を印加するためのリード
線9a,9b,9cが結線されている。
このようにして製作された限界電流式空燃比測定用検出
器を自動車の排気管に取付け、ヒータ6を通電して素子
本体の固体電解質1を約700℃に加熱して素子に電圧を
印加していくと、本実施例の空燃比測定用検出器の出力
特性は、第2図に実線で示す出力電圧Vのように理論空
燃比(A/F=14.7)よりリッチ領域側までリニアな出力
として空燃比を検出できることになる。従来の拡散膜で
の特性は破線で示すようにリッチ領域ではA/F=12まで
の検出しかできず、より燃料濃度の高いリッチ領域では
出力が急減するという不具合のあったものが大幅に改善
されている。
器を自動車の排気管に取付け、ヒータ6を通電して素子
本体の固体電解質1を約700℃に加熱して素子に電圧を
印加していくと、本実施例の空燃比測定用検出器の出力
特性は、第2図に実線で示す出力電圧Vのように理論空
燃比(A/F=14.7)よりリッチ領域側までリニアな出力
として空燃比を検出できることになる。従来の拡散膜で
の特性は破線で示すようにリッチ領域ではA/F=12まで
の検出しかできず、より燃料濃度の高いリッチ領域では
出力が急減するという不具合のあったものが大幅に改善
されている。
これにより運転性に置き換えると、平地での通常走行
(40〜60km/h)ではリーン領域制御で経済運転となり、
山間道路などの登り坂走行ではリッチ領域制御で出力が
向上し、全体として運転性が改善できることになる。
(40〜60km/h)ではリーン領域制御で経済運転となり、
山間道路などの登り坂走行ではリッチ領域制御で出力が
向上し、全体として運転性が改善できることになる。
また、酸素センサ(ストイックセンサ)で3元フイード
バック制御(排ガス中のCO,HC,NO制御)を行なっている
現行エンジンでは、コールドスタート時や、急加速時に
は、空燃比A/Fが9程度までリッチになる場合があるた
め、本実施例による空燃比測定用検出器は、リーンバー
ンエンジン(高空燃比,希薄燃焼制御用エンジン)のみ
ならず、現行のエンジンにおけるワイドレンジ空燃比制
御にも使用可能となり、燃費の向上、運転性の向上、さ
らには安全性の向上等に有効となる波及効果がある。
バック制御(排ガス中のCO,HC,NO制御)を行なっている
現行エンジンでは、コールドスタート時や、急加速時に
は、空燃比A/Fが9程度までリッチになる場合があるた
め、本実施例による空燃比測定用検出器は、リーンバー
ンエンジン(高空燃比,希薄燃焼制御用エンジン)のみ
ならず、現行のエンジンにおけるワイドレンジ空燃比制
御にも使用可能となり、燃費の向上、運転性の向上、さ
らには安全性の向上等に有効となる波及効果がある。
このように、本発明は、燃料噴射制御に用いる空燃比測
定用の検出器に係り、特に検出素子のガス拡散層に特徴
があり、粗な層と緻密な層を超微粒子の粒径の大きいも
のと小さいもので形成した積層構成に発明のポイントが
ある。
定用の検出器に係り、特に検出素子のガス拡散層に特徴
があり、粗な層と緻密な層を超微粒子の粒径の大きいも
のと小さいもので形成した積層構成に発明のポイントが
ある。
なお、前述の実施例では、ガス拡散層の粗な層にイット
リア安定化ジルコニア粉末を用いたが、本発明はこれに
限るものではなく、材質には特に制限はなく、焼成後の
膜が、例えば気孔率では2〜20%,水銀ポロシメータで
の平均細孔径では200〜500Åであれば、本発明の効果を
発揮することができるものである。すなわち、粉末がア
ルミナやマグネシア,シリカ,チタニア,カルシア等の
セラミックスの単体、あるいは複合粉末であっても有効
である。
リア安定化ジルコニア粉末を用いたが、本発明はこれに
限るものではなく、材質には特に制限はなく、焼成後の
膜が、例えば気孔率では2〜20%,水銀ポロシメータで
の平均細孔径では200〜500Åであれば、本発明の効果を
発揮することができるものである。すなわち、粉末がア
ルミナやマグネシア,シリカ,チタニア,カルシア等の
セラミックスの単体、あるいは複合粉末であっても有効
である。
また、ガス拡散層の緻密な層にシリカ粉末を用いたが、
これもアルミナやマグネシア,ジルコニア,チタニア,
カルシア等でも同じ効果が期待できることはいうまでも
ない。
これもアルミナやマグネシア,ジルコニア,チタニア,
カルシア等でも同じ効果が期待できることはいうまでも
ない。
さらに、緻密な層を電極上に形成したのち、その外側に
粗な層を形成しても同様の効果が得られる。
粗な層を形成しても同様の効果が得られる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、最適なガスの拡散
機能を有する超微粒子被覆のガス拡散層を備え、耐熱性
に優れ、かつ、応答性が良く、リーン領域からリッチ領
域まで広範囲に適用しうる、生産性の良い空燃比測定用
検出器を提供することができる。
機能を有する超微粒子被覆のガス拡散層を備え、耐熱性
に優れ、かつ、応答性が良く、リーン領域からリッチ領
域まで広範囲に適用しうる、生産性の良い空燃比測定用
検出器を提供することができる。
第1図は、本発明の一実施例に係る限界電流式空燃比測
定用検出器の縦断面図、第2図は、第1図の検出器によ
って得られる出力特性図、第3図は、排ガスの空燃比と
ガス成分との関係を示す線図、第4図は、一般的な限界
電流式空燃比測定検出器の原理説明図、第5図は、空燃
比と電気特性との関係を示す線図、第6図は、本発明の
一実施例に係わるガス拡散層の複合構成示す要部断面
図、第7図は、本発明の他の実施例に係わるガス拡散層
の複合構成を示す要部断面図、第8図は、イットリア部
分安定化ジルコニア焼成層の表面の電子顕微鏡写真、第
9図ないし第11図は、いずれも本発明のさらに他の実施
例に係るガス拡散層の複合構成を示す要部断面図であ
る。 1……固体電解質、2a……内側の反応電極、2b……外側
の反応電極、3,3A……ガス拡散層、3a……第1ガス拡散
層、3b……第2ガス拡散層、3c……遷移ガス拡散層、3d
……中間ガス拡散層。
定用検出器の縦断面図、第2図は、第1図の検出器によ
って得られる出力特性図、第3図は、排ガスの空燃比と
ガス成分との関係を示す線図、第4図は、一般的な限界
電流式空燃比測定検出器の原理説明図、第5図は、空燃
比と電気特性との関係を示す線図、第6図は、本発明の
一実施例に係わるガス拡散層の複合構成示す要部断面
図、第7図は、本発明の他の実施例に係わるガス拡散層
の複合構成を示す要部断面図、第8図は、イットリア部
分安定化ジルコニア焼成層の表面の電子顕微鏡写真、第
9図ないし第11図は、いずれも本発明のさらに他の実施
例に係るガス拡散層の複合構成を示す要部断面図であ
る。 1……固体電解質、2a……内側の反応電極、2b……外側
の反応電極、3,3A……ガス拡散層、3a……第1ガス拡散
層、3b……第2ガス拡散層、3c……遷移ガス拡散層、3d
……中間ガス拡散層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺門 一佳 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 上野 定寧 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (56)参考文献 特開 昭53−116896(JP,A) 特開 昭53−13980(JP,A) 特開 昭61−45962(JP,A) 特開 昭59−109854(JP,A)
Claims (14)
- 【請求項1】酸素イオン伝導性金属酸化物からなる固体
電解質素子の排気ガス側の面に多孔質の薄膜状の第1の
電極を大気側の面に多孔質の薄膜状の第2の電極を設
け、前記第1の電極を多孔質の電気絶縁性金属酸化物か
らなるガス拡散層で覆い、前記の両電極間に一定電圧を
印加することにより前記固体電解質素子の近傍の酸素を
イオン化し、かつ前記固体電解質素子内部に拡散させ、
酸素イオンの流量に対する限界電流値を求めることによ
り空燃比を測定する空燃比測定用検出器において、少な
くとも前記第1の電極を覆うガス拡散層を、平均粒径1
μm以下の異なる平均粒径からなる電気絶縁性金属酸化
物の微粒子の多孔質焼結体により形成するものであり、
電気絶縁性金属酸化物の平均粒径は排気ガス側が大気側
より小さく0.1μm以下のものにより形成することを特
徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項のものにおいて、前
記ガス拡散層を形成する電気絶縁性金属酸化物の微粒子
の平均粒径は前記ガス拡散層の排気ガス側から第1の電
極側に向かって大きくなることを特徴とする空燃比測定
用検出器。 - 【請求項3】特許請求の範囲第2項のものにおいて、前
記ガス拡散層の第1の電極側の空孔率は5乃至10%の範
囲で形成することを特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項4】特許請求の範囲第1項のものにおいて、前
記ガス拡散層は、その層内に形成される空孔の平均径が
水銀ポロシメータによる測定で400Åを越えないように
形成することを特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項5】特許請求の範囲第4項のものにおいて、空
孔の平均径が水銀ポロシメータによる測定で300乃至400
Åの範囲であることを特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項6】特許請求の範囲第1項のものにおいて、前
記ガス拡散層は、異なる2種類の平均粒径の電気絶縁性
金属酸化物の微粒子の多孔質焼結体からなる第1層と第
2層とで構成し前記第1の電極に接する前記第1の層が
排気ガスに接する第2の層よりも平均粒径が大きいこと
を特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項7】特許請求の範囲第6項のものにおいて、前
記ガス拡散層は、前記第1層と第2層との間に中間層を
更に有し、この中間層は第1層の一部の空孔中に第2層
の一部を含浸させて形成されることを特徴とする空燃比
測定用検出器。 - 【請求項8】特許請求の範囲第6項のものにおいて、前
記ガス拡散層は、前記第1層の一部の空孔中に第2層の
全部を含浸させて形成されることを特徴とする空燃比測
定用検出器。 - 【請求項9】特許請求の範囲第6項のものにおいて、前
記ガス拡散層は、前記第2層が前記第1層よりもその層
の厚さが薄いことを特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項10】特許請求の範囲第9項のものにおいて、
前記第1層の厚さが200μm以下であり、前記第2の層
の厚さが0.01乃至20μmの範囲であることを特徴とする
空燃比測定用検出器。 - 【請求項11】特許請求の範囲第9項のものにおいて、
前記第1層の厚さが100μm以下であり、前記第2の層
の厚さが0.01乃至5μmの範囲であることを特徴とする
空燃比測定用検出器。 - 【請求項12】特許請求の範囲第1項のものにおいて、
前記ガス拡散層は、異なる2種類の平均粒径の電気絶縁
性金属酸化物の微粒子の多孔質焼結体で構成し、平均粒
径の大きいものに平均粒度の小さいものを含浸させて形
成されることを特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項13】特許請求の範囲第1項のものにおいて、
前記ガス拡散層は、異なる2種類の平均粒径の電気絶縁
性金属酸化物の微粒子の多孔質焼結体からなる第1層と
第2層とさらに両層に挟まれた中間層を備え、この中間
層は前記第1層及び第2層の熱膨張率の中間の熱膨張率
を有することを特徴とする空燃比測定用検出器。 - 【請求項14】特許請求の範囲第1項乃至第13項のいず
れかにおいて、前記ガス拡散層は、異なる平均粒径から
なる電気絶縁性金属酸化物の微粒子のそれぞれがイット
リア安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、シリ
カ、チタニア、カルシアの群から選択されるいずれか一
つ若しくは複数からなることを特徴とする空燃比測定用
検出器。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62243684A JPH0731152B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | 空燃比測定用検出器 |
US07/250,238 US4915814A (en) | 1987-09-30 | 1988-09-28 | Sensor for measurement of air/fuel ratio and method of manufacturing |
EP88116064A EP0310063B1 (en) | 1987-09-30 | 1988-09-29 | Sensor for measurement of air/fuel ratio |
KR1019880012659A KR900008956B1 (ko) | 1987-09-30 | 1988-09-29 | 공연비측정용센서 및 그 제조방법 |
DE3855820T DE3855820T2 (de) | 1987-09-30 | 1988-09-29 | Sensor zur Messung des Luft/Kraftstoff-Verhältnisses |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62243684A JPH0731152B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | 空燃比測定用検出器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6488148A JPS6488148A (en) | 1989-04-03 |
JPH0731152B2 true JPH0731152B2 (ja) | 1995-04-10 |
Family
ID=17107448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62243684A Expired - Fee Related JPH0731152B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | 空燃比測定用検出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0731152B2 (ja) |
-
1987
- 1987-09-30 JP JP62243684A patent/JPH0731152B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6488148A (en) | 1989-04-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |