JPH07311171A - 半導体式ガスセンサ - Google Patents

半導体式ガスセンサ

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JPH07311171A
JPH07311171A JP35650492A JP35650492A JPH07311171A JP H07311171 A JPH07311171 A JP H07311171A JP 35650492 A JP35650492 A JP 35650492A JP 35650492 A JP35650492 A JP 35650492A JP H07311171 A JPH07311171 A JP H07311171A
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JP
Japan
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gas
sensor
electrode
diamond
thermoelectromotive force
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Application number
JP35650492A
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English (en)
Inventor
Takehiro Kumegawa
武弘 粂川
Minoru Yamagata
実 山形
Masayuki Notoya
正之 能登谷
Hiroshi Sato
博 佐藤
Isamu Yashima
勇 八島
Katsumitsu Tatsumoto
克充 辰元
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Mitsui Mining Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスを検知するために予め素子に電流を流し
ておくことなく、各種ガスを広範囲の濃度で測定でき、
センサ装置の小型化や回路との一体化が可能で、酸化
性、還元性、不活性雰囲気においても使用可能なガスセ
ンサを提供する。 【構成】 ダイヤモンド半導体層表面に形成された電極
が所定数電気的に接続されてなる半導体式ガスセンサに
おいて、電気的に接続された1対の電極がダイヤモンド
半導体層と形成するそれぞれの界面に温度差を生じさせ
る温度調節手段を設けてなることを特徴とする半導体式
ガスセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々のガス検知に使用
される半導体式ガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスセンサは、一般家庭でのプロパン、
都市ガスの漏れの検出から、石油プラント、半導体製造
工場などで使用される特殊ガスまで、各種のガスの検知
用に広く使用されている。例えば、石油プラント、半導
体ガス工場においては、ガスを一定電位のもとで電気分
解を行い、その電流値の大きさから濃度を判定し、又、
電気分解時の印加電圧を変えることにより、ガスの種類
を識別する定電位電解式ガスセンサが広く使用されてい
る。
【0003】近年のガスセンサ装置の小型化という要請
に対して、定電位電解式ガスセンサでは、その原理、構
成上対応できないため、種々の半導体式ガスセンサが開
発されている。これらの半導体式センサにおいては、素
子材料として例えばV25、TiO2 等の酸化物を用
い、熱処理して非化学量論組成酸化物とすることにより
半導体特性を有する素子としたものが知られている。こ
れらの半導体式センサのガス検知機構は、素子に常に所
定の電流を流しておき、対象ガスが素子に吸着されたと
き半導体中のバンド構造が変化し、電気抵抗、電気容量
が変化することを利用し、その電気物性の変化を測定す
ることにより対象ガスを検知する方法である。
【0004】しかしながら、これらの半導体式ガスセン
サは、使用される雰囲気により再現性、信頼性に問題が
ある。例えば、素子材料としてV25 、TiO2 等の
酸化物を使用する場合、これらは本来半導体ではないた
め、真空中または水素中で熱処理して非化学量論組成酸
化物とし、半導体特性を付与している。従って、原理上
酸素分圧に対して敏感であり、検知ガスのみならず、酸
素分圧の変動によっても電気抵抗、電気容量が変化する
ため、酸素の存在下で酸素分圧が変化するような環境下
では、ガスセンサとしての信頼性に問題がある。
【0005】又、定電位電解式、半導体式以外にも、固
体電解質を用いたセンサも開発されている。この種のセ
ンサは、固体電解質をガスの隔壁として用い、隔壁で仕
切られた両ガス濃度の化学ポテンシャルを起電力に変え
て利用することにより、前記半導体式センサのように素
子に常に所定の電流を流しておくことなく対象ガスを検
知できる。しかし、使用する固体電解質によりガス種が
決定されるため、特定のガスのみしか検知できない。固
体電解式センサの素子として、安定化ジルコニアを用い
たセンサがある。酸素を検知する場合、酸素イオンが固
体の中を拡散することが重要であり、電子やホールが固
体内を移動した場合誤差の原因となる。素子として安定
化ジルコニアを用いた酸素センサは、工業的に利用され
ているが、酸素分圧が高い場合は、酸素イオンの他にホ
ールが伝導の支配種となり、逆に酸素分圧が低い場合
は、電子が支配的になるため、酸素の適正な測定範囲に
制限を受ける。このように固体電解式センサでは、特定
のガス種のみしか検知できず、又、その測定範囲に制限
を受けるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスを検知
するために予め素子に電流を流しておくことなく、各種
ガスを広範囲の濃度で測定でき、センサ装置の小型化や
回路との一体化が可能で、酸化性、還元性、不活性雰囲
気においても使用可能なガスセンサの提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、センサの構成
材料としてダイヤモンド半導体層と特定の金属を用いて
界面を形成させ、その界面に温度差をつけることにより
起電力が発生することを見いだし、予め素子に電流を流
しておくことなく、各種ガスを広範囲の濃度で検知でき
ることの知見を得て、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、ダイヤモンド半導体層表
面に形成された電極が所定数電気的に接続されてなる半
導体式ガスセンサにおいて、電気的に接続された1対の
電極がダイヤモンド半導体層と形成するそれぞれの界面
に温度差を生じさせる温度調節手段を具備することを特
徴とする半導体式ガスセンサである。
【0009】又、本発明は、ダイヤモンド半導体層が気
相成長法により形成されたダイヤモンド薄膜であること
を含むものである。
【0010】又、本発明は、電極の材料がPt、Pd、
Ir、Ru、Rh、Re、Os、Au、Agからなる金
属群(A群)から選ばれる1種の金属、A群の中から選
ばれる2種以上の金属の合金、又はA群の中から選ばれ
る1種以上の金属とCu、P、Co、Ni、Ce、S
n、Pbからなる金属群(B群)の中から選ばれる1種
以上の金属との合金であることを含むものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の半導体式ガスセンサの1
態様を示す模式図である。本態様においては、2つの基
板1、1’上に、ドーピング剤が添加され半導体化され
たダイヤモンド半導体層2、2’がそれぞれ形成され、
各半導体層2、2’上に電極3、4が形成され、電極3
と電極4は電気的閉回路を形成させるための導線7、発
生する起電力を検出するための導線6により電気的に接
続されている。更に電極3とダイヤモンド半導体層2と
の界面を加熱する温度調節手段5が一方の基板1下部に
設けられている。
【0013】上記構成のセンサは基本的には次に示すよ
うな機構により作動する。即ち、温度調節手段5により
電極3とダイヤモンド半導体層2との界面が加熱され、
電極4とダイヤモンド半導体層2との界面との温度差が
生じる結果、両電極間に起電力が生じる。該素子にガス
が吸着することにより前記起電力が変化するため、これ
を利用して、ガスを検知することができる。例えば、空
気中における起電力をベースとして、ガスの吸着による
起電力の変化を検出することによりガスを検知すること
ができる。
【0014】図2は、本発明の他の態様を示す模式図で
ある。本態様においては、1つの基板1上に、ドーピン
グ剤が添加され半導体化されたダイヤモンド半導体層2
が形成され、半導体層2上に2つの電極3、4が所定間
隔で形成され、電極3と電極4はダイヤモンド半導体層
2、発生する起電力を検出するための導線6を介して電
気的に接続されている。更に電極3とダイヤモンド半導
体層2との界面を加熱する温度調節手段5が基板1片側
の下部に設けられている。
【0015】本発明は上記態様に限定されるものではな
く、例えば、1つの基板上に適当な間隔を設けて数個の
ダイヤモンド半導体層を形成し、更にそれぞれのダイヤ
モンド半導体層の上に適当な間隔を設けて所定数の電極
を形成することにより、1つの基板上に複数のセンサが
形成される態様でもよい。
【0016】基板は所望の大きさとすることができ、基
板上に形成するセンサの個数は特に制限はなく、又、適
当な論理回路等を組み込むことにより複数のガスの判別
が可能である。しかしながら、1つの基板上に複数の電
極を設ける場合、時間の経過により有為差のある温度差
を保持することが困難になることがある。そのような場
合は、独立した基板上に、半導体層、電極を形成して、
いずれか一方をガスを検知する雰囲気中に設置し、他方
をガス検知雰囲気から離れた位置に設置して電気的閉回
路を形成させることにより、一定した温度差を保持する
態様が好ましい。
【0017】ダイヤモンド半導体層は、熱フィラメント
法、プラズマCVD法等の気相成長法により基板上に形
成され、ホウ素(B)、リン(P)、ナトリウム(N
a)又はリチウム(Li)等のドーピング剤がドープさ
れて半導体化されたダイヤモンド結晶であることが好ま
しい。特にホウ素が0.01乃至10000ppmドー
プされて半導体化されたダイヤモンド結晶が好ましい。
【0018】気相成長法により成長したダイヤモンド結
晶は、成長条件により、不純物として環状2重結合、共
役2重結合、ポリエン構造等の2重結合炭素が含まれる
ことがあり、これら2重結合炭素は電気的には金属的な
振舞いをする。そのため、常に所定の電流を流し、ガス
の吸着による電流値の変化によりガスを検知する方式の
センサにおいては、感度の低下、再現性の低下、ゼロベ
ースラインやスパンドリフトの変動等を生じ易い。
【0019】しかしながら、本発明センサはダイヤモン
ド半導体層と電極との接触界面に発生する電位の変化に
よりガスを検知するので、前記2重結合炭素による問題
を生じない。更に、本発明においては、2重結合炭素を
含むダイヤモンド半導体層を水素プラズマ処理、空気プ
ラズマ処理、酸素プラズマ処理、クロム酸と硫酸との処
理等の操作により2重結合炭素等の不純物を除去し、純
度を高めてもよい。
【0020】ダイヤモンド半導体層の層厚は、特に制限
はないが、センサとしての特性のバラつき、信頼性、生
産性、コスト等の観点から、0.1〜10μm程度の薄
膜とすることが好ましい。
【0021】ダイヤモンド半導体層を成長させる基板と
しては、その上にダイヤモンド半導体層が気相成長する
ことが可能で、ダイヤモンド半導体層との密着性が良
く、プラズマ処理によっても反応しないものであれば特
に制限はないが、例えば、単結晶ダイヤモンド、シリコ
ン、アルミナ、マグネシア、フッ素化カルシウム、窒化
アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素、
ホウ化チタン等を挙げることができる。
【0022】電極を構成する材料は、ガス種によりそれ
ぞれ応答特性が異なるため、対象とするガスに適したも
のを適宜選定して用いればよい。例えば、PH3ガスを
検知、定量する場合は、このガスに対して良好な感度を
示すAuを電極材料とすればよい。
【0023】電極は、スパッタ、真空蒸着、イオンプレ
ーティング、電子ビーム蒸着、CVD法等により、ダイ
ヤモンド基板上に形成される。所定の形状にするために
マスク法、フォトリソグラフ法等を用いてもよい。更
に、アニーリングにより電極を安定化させることもでき
る。例えば、スパッタ時に加熱しながら、エージングと
スパッタとを同時に行うことも可能である。エージング
により、金属のパッキング密度の向上、結晶の方位面の
優先成長、表面不安定吸着物の脱離及び安定な物質の吸
着が起こっていることが考えられる。
【0024】温度調節手段としては、ペルチェ素子、ヒ
ーター等を挙げることができるが、これらに限定されな
い。これらの手段により対をなす電極の半導体層との接
触界面の一方を加熱もしくは冷却、または一方を加熱し
他方を冷却することにより該界面に温度差を生じさせ
る。
【0025】温度差が大きい程、熱起電力は大きくなる
が、熱起電力が大きければよいというものではなく、対
象とするガス種、検知量に適した電極として用いる金属
の種類により最適な感度を示すような温度差とすればよ
い。
【0026】本発明のガスセンサは、測定ガスに適した
電極材料を選定し、電気的に接続された電極と、ダイヤ
モンド半導体層との接触界面に生じる温度差により発生
する熱起電力を利用するので、ダイヤモンド結晶の質に
左右されることなく、高感度で、高い信頼性でガスの検
知、定量ができるガスセンサである。又、ダイヤモンド
は化学的にきわめて安定なものであるため、適切な基板
材料等を選定することにより、例えば、シラン、フォス
フィン、アルシン、ジボラン、O2、CO、CO2、H2
S、SO2、NH3、プロピレン、C24、1−ブテン、
1,3−ブタジエン、アセチレン、メタン、プロパン、
HCl、Cl2、HF等の酸化性、腐食性のガス雰囲気
下においても、ガスの検知、定量に使用することがで
き、工業的に利用価値の高いものである。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0028】実施例1 図2に示す構成の半導体式ガスセンサを以下のようにし
て作製した。
【0029】天然ダイヤモンドIIaの(100)面、
大きさ1.5×2.0×0.5mmの基板1上にマイク
ロ波CVD法により、メタン6%、水素94%、B26
10ppmのガス濃度で流量200sccm、圧力5.
33kPa、温度900℃、1時間の条件で、膜厚0.
6μmのBドープダイヤモンド半導体層2を成長させ
た。このダイヤモンド半導体層2は基板1と同じ方位で
成長するエピタキシャル成長をしていた。得られたダイ
ヤモンド半導体層のラマンスペクトルをラマン分光装置
(日本分光社製、NR−1100、分解能0.5c
-1)を用いて分析した結果を図3に示す。観察される
ピークは、1333cm-1のダイヤモンドのピークのみ
で、1次元共役2重結合炭素の1450〜1550cm
-1のピーク、環状2重結合炭素のピークの1600cm
-1と1360cm-1、ポリエン構造の1150cm-1
ピークは観察されなかった。又、1333cm-1のダイ
ヤモンドのピークの半値幅を解析した結果、成長層の半
値幅は基板に用いた天然ダイヤモンドIIaと同じ2.
2cm-1であり、非常に高品質であることがわかった。
Bがドープされ半導体化していることは、紫外〜近赤外
の領域での吸収スペクトルの測定により確認した。得ら
れたダイヤモンド半導体は、天然のダイヤモンド半導体
IIbと同じスペクトルであり、半導体化していること
がわかった。
【0030】得られたダイヤモンド半導体の表面を清浄
にするためにマイクロ波CVDにより水素プラズマで3
00W、5.33kPa、1時間の処理を行った。
【0031】次に、Auをターゲットとしてスパッタ法
により電極3、4を形成した。スパッタ条件は、真空度
0.133Paでプラズマ出力10mA、10分であ
る。スパッタ時には、金属マスクを用いて、面積100
μm2の電極を2つ形成した。電極の上に、ワイヤボン
ディング装置により、直径4μmの金のリード線を取り
付けセンサ素子を完成した。
【0032】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0033】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.20mVで
あった。測定雰囲気中にPH3ガスを流し、熱起電力の
変化を測定したところ、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.22mVに変化
した。このときのセンサ素子の応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったPH3ガスの
検知素子として充分な実用性を有することがわかった。
【0034】以下の実施例において、熱起電力の測定は
本実施例と同様に170℃の電極を(−)極、160℃
の電極を(+)極として実施した。
【0035】実施例2 電極形成時のターゲットをPdに変更し、金のリード線
の取り付けを熱圧着装置により行った以外は実施例1と
同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定した。
【0036】得られたガスセンサの空気中での熱起電力
は0.21mVであった。測定雰囲気中のSiH4ガス
濃度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.24mVに変化した。このときの応答速度は2分で
あり、このガスセンサはSiH4ガスの検知素子として
充分な実用性を有することがわかった。
【0037】実施例3 電極形成時のターゲットをPtに変更した以外は、実施
例2と同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定し
た。
【0038】得られたガスセンサの空気中での熱起電力
は0.21mVであった。測定雰囲気中のH2Sガス濃
度がTLV値(10ppm)になったとき、熱起電力は
0.25mVに変化した。このときの応答速度は2分で
あり、このガスセンサはH2Sガスの検知素子として充
分な実用性を有することがわかった。
【0039】実施例4 電極形成時のターゲットをAu−Pd(8:2)合金に
変えた以外は実施例2と同様にガスセンサを作製し、熱
起電力を測定した。
【0040】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.21mVであった。測定雰囲気中のAsH3ガス濃
度がTLV値(0.05ppm)になったとき、熱起電
力は0.22mVに変化した。このときの応答速度は2
分であり、このセンサはAsH 3ガスの検知素子として
充分な実用性を有することがわかった。
【0041】実施例5 電極形成時のターゲットをIrに変えた以外は実施例2
と同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定した。
【0042】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.23mVであった。測定雰囲気中のCOガス濃度が
TLV値(50ppm)になったとき、熱起電力は0.
25mVに変化した。このときの応答速度は2分であ
り、このセンサはCOガスの検知素子として充分な実用
性を有することがわかった。
【0043】実施例6 電極形成時のターゲットをAgに変えた以外は実施例2
と同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定した。
【0044】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.23mVであった。測定雰囲気中のB26ガス濃度
がTLV値(0.1ppm)になったとき、熱起電力は
0.25mVに変化した。このときの応答速度は2分で
あり、このセンサはB26ガスの検知素子として充分な
実用性を有することがわかった。
【0045】実施例7 実施例2に示す構成のガスセンサを次の要領で作製し
た。天然ダイヤモンド(111)面単結晶、大きさ1.
5×2.0×0.5mm基板1上に、マイクロ波CVD
法によりメタン0.5%、水素99.5%、ジボラン濃
度20ppm、圧力5.33kPa、成長温度900℃
で10時間の条件で、膜厚0.5μmのBドープダイヤ
モンド半導体層2を成長させた。成長層は基板と同じ方
位で成長するエピタキシャル成長していた。得られた半
導体層のラマンスペクトルを実施例1と同様に解析した
結果、1333cm-1のダイヤモンドのピークのみ観測
され、1次元共役2重結合炭素、環状2重結合炭素、ポ
リエン構造の存在を示すピークは観測されなかった。紫
外〜近赤外の吸収スペクトルは、500nm以上で光の
吸収が増加する天然ダイヤモンドと同じIIb型の吸収
スペクトルであった。
【0046】成長層表面のグラファイト成分を除去する
ために、水素プラズマで300Wで1時間エッチングし
た。
【0047】電極の形成は、ターゲットにAuを用いて
スパッタ法により行った。スパッタ条件は、真空度0.
133Paでプラズマ出力10mA、10分間とした。
スパッタ時には金属マスクを用いて、面積100μm2
の電極を2つ形成した。この電極の上にワイヤーボンデ
ィング装置により、直径4μmの金のリード線を取り付
けセンサ素子を完成した。
【0048】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0049】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.30mVで
あった。測定雰囲気中にPH3ガスを流し、熱起電力の
変化を測定したところ、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.35mVに変化
した。このときのセンサ素子の応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったPH3ガスの
検知素子として充分な実用性を有することがわかった。
【0050】実施例8 電極形成時のターゲットをPdに変更し、金のリード線
の取り付けを熱圧着装置により行った以外は実施例7と
同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定した。
【0051】得られたガスセンサの空気中での熱起電力
は0.30mVであった。測定雰囲気中のSiH4ガス
濃度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.34mVに変化した。このときの応答速度は2分で
あり、このガスセンサはSiH4ガスの検知素子として
充分な実用性を有することがわかった。
【0052】実施例9 電極形成時のターゲットをPtに変更した以外は、実施
例8と同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定し
た。
【0053】得られたガスセンサの空気中での熱起電力
は0.31mVであった。測定雰囲気中のH2Sガス濃
度がTLV値(10ppm)になったとき、熱起電力は
0.35mVに変化した。このときの応答速度は2分で
あり、このガスセンサはH2Sガスの検知素子として充
分な実用性を有することがわかった。
【0054】実施例10 電極形成時のターゲットをAu−Pd(8:2)合金に
変えた以外は実施例8と同様にガスセンサを作製し、熱
起電力を測定した。
【0055】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.30mVであった。測定雰囲気中のAsH3ガス濃
度がTLV値(0.05ppm)になったとき、熱起電
力は0.32mVに変化した。このときの応答速度は2
分であり、このセンサはAsH3ガスの検知素子として
充分な実用性を有することがわかった。
【0056】実施例11 電極形成時のターゲットをIrに変えた以外は実施例8
と同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定した。
【0057】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.31mVであった。測定雰囲気中のCOガス濃度が
TLV値(50ppm)になったとき、熱起電力は0.
33mVに変化した。このときの応答速度は2分であ
り、このセンサはCOガスの検知素子として充分な実用
性を有することがわかった。
【0058】実施例12 電極形成時のターゲットをAgに変えた以外は実施例8
と同様にガスセンサを作製し、熱起電力を測定した。
【0059】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.30mVであった。測定雰囲気中のB26ガス濃度
がTLV値(0.1ppm)になったとき、熱起電力は
0.33mVに変化した。このときの応答速度は2分で
あり、このセンサはB26ガスの検知素子として充分な
実用性を有することがわかった。
【0060】実施例13 図2に示す構成の半導体式ガスセンサを以下のようにし
て作製した。
【0061】天然ダイヤモンドIIaの(100)面、
大きさ1.5×2.0×0.5mmの基板1上にマイク
ロ波CVD法により、メタン10%、水素90%、B2
610ppmのガス濃度で流量200sccm、圧力
5.33kPa、温度900℃、10時間の条件で、膜
厚10μmのBドープダイヤモンド半導体層2を成長さ
せた。このダイヤモンド半導体層2はもはやエピタキシ
ャル膜ではなく多結晶化していた。得られたダイヤモン
ド半導体層のラマンスペクトルをラマン分光装置(日本
分光社製、NR−1100、分解能0.5cm-1)を用
いて分析した結果を図4に示す。観察されるピークは、
1333cm-1のダイヤモンドのピークの他、1次元共
役2重結合炭素の1450〜1550cm-1のピーク、
環状2重結合炭素のピークの1600cm-1と1360
cm-1、ポリエン構造の1150cm-1のピークも観察
された。ダイヤモンド半導体層の色は黒色で、透明感は
なく、約40nm程度の段差がみられ、段差の端には多
結晶化したダイヤモンドが走査型電子顕微鏡で確認され
た。
【0062】このような不純物を除去するために水素プ
ラズマを試みたが、非ダイヤモンド成分は除去されず、
依然として半導体層中に残ったままであった。
【0063】次に、Auをターゲットとしてスパッタ法
により電極3、4を形成した。スパッタ条件は、真空度
0.133Paでプラズマ出力10mA、10分であ
る。スパッタ時には、金属マスクを用いて、面積100
μm2の電極を2つ形成した。電極の上に、ワイヤボン
ディング装置により、直径4μmの金のリード線を取り
付けセンサ素子を完成した。
【0064】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0065】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.02mVで
あった。測定雰囲気中にPH3ガスを流し、熱起電力の
変化を測定したところ、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.03mVに変化
した。このときのセンサ素子の応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったPH3ガスの
検知素子として充分な実用性を有することがわかった。
【0066】実施例14 実施例2に示す構成のガスセンサを次の要領で作製し
た。
【0067】天然ダイヤモンド(111)面単結晶、大
きさ1.5×2.0×0.5mm基板1上に、マイクロ
波CVD法によりメタン0.3%、水素99.7%、ジ
ボラン濃度20ppm、圧力5.33kPa、成長温度
800℃で10時間の条件で、膜厚0.3μmのBドー
プダイヤモンド半導体層を成長させた。このダイヤモン
ド半導体層2はもはやエピタキシャル膜ではなく多結晶
化していた。得られたダイヤモンド半導体層のラマンス
ペクトルをラマン分光装置(日本分光社製、NR−11
00、分解能0.5cm-1)を用いて分析した結果、観
察されるピークは、1333cm-1のダイヤモンドのピ
ークの他、1次元共役2重結合炭素の1450〜155
0cm-1のピーク、環状2重結合炭素のピークの160
0cm-1と1360cm-1、ポリエン構造の1150c
-1のピークも観察された。ダイヤモンド半導体層の色
はやや黒色で、透明感はなかった。膜には1部、クラッ
クがみられ、成長膜には応力があることがわかった。走
査型電子顕微鏡においても膜表面には明暗が観察され、
膜が不均一であった。
【0068】電極の形成は、ターゲットにAuを用いて
スパッタ法により行った。スパッタ条件は、真空度0.
133Paでプラズマ出力10mA、10分間とした。
スパッタ時には金属マスクを用いて、面積100μm2
の電極を2つ形成した。この電極の上にワイヤーボンデ
ィング装置により、直径4μmの金のリード線を取り付
けセンサ素子を完成した。
【0069】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0070】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.01mVで
あった。測定雰囲気中にPH3ガスを流し、熱起電力の
変化を測定したところ、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.03mVに変化
した。このときのセンサ素子の応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったPH3ガスの
検知素子として充分な実用性を有することがわかった。
【0071】実施例15 実施例2に示す構成のガスセンサを次の要領で作製し
た。
【0072】Si基板(111)面単結晶、大きさ1.
5×2.0×0.5mm基板1上に、マイクロ波CVD
法により、メタン0.3%、水素99.7%、ジボラン
濃度20ppm、圧力5.33kPa、成長温度800
℃で10時間の条件で、膜厚0.3μmのBドープダイ
ヤモンド半導体層を成長させた。このダイヤモンド半導
体層2はもはやエピタキシャル膜ではなく多結晶化して
いた。観察されるダイヤモンドの形態としては、(11
1)面で構成された結晶であった。得られたダイヤモン
ド半導体層のラマンスペクトルをラマン分光装置(日本
分光社製、NR−1100、分解能0.5cm-1)を用
いて分析した結果、観察されるピークは、1333cm
-1のダイヤモンドのピークの他、1次元共役2重結合炭
素の1450〜1550cm-1のピーク、環状2重結合
炭素のピークの1600cm-1と1360cm-1、ポリ
エン構造の1150cm-1のピークも観察された。ダイ
ヤモンド半導体層の色は金属光沢のある黒色で、透明感
はなかった。膜の厚みは、破断面のSEM観察によると
約2μmで、成長速度は0.2μm/Hrであった。
【0073】電極の形成は、ターゲットにAuを用いて
スパッタ法により行った。スパッタ条件は、真空度0.
133Paでプラズマ出力10mA、10分間とした。
スパッタ時には金属マスクを用いて、面積100μm2
の電極を2つ形成した。この電極の上にワイヤーボンデ
ィング装置により、直径4μmの金のリード線を取り付
けセンサ素子を完成した。
【0074】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0075】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.02mVで
あった。測定雰囲気中にPH3ガスを流し、熱起電力の
変化を測定したところ、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.05mVに変化
した。このときのセンサ素子の応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったPH3ガスの
検知素子として充分な実用性を有することがわかった。
【0076】実施例16 図2に示す構成のガスセンサを以下のように作製した。
【0077】マイカガラスセラミックス、大きさ1.5
×2.0×0.5mmの基板を、ダイヤモンド砥粒(平
均0.3μm)で傷つけ処理を30分間行った。その
後、超高純度水で30分間、4回洗浄し、150℃で1
時間乾燥させた。基板の表面には汚れがないことを微分
干渉顕微鏡により確認した。
【0078】マイクロ波プラズマCVD装置を用いて、
マイクロ波の投入電力350W、メタン濃度3%、水素
97%、ジボラン濃度20ppm、圧力5.33kP
a、成長温度830℃で1時間の条件で、マイカガラス
セラミックス基板の上にBドープダイヤモンド層を成長
させた。マイカガラスセラミックス基板の上には、厚さ
約0.3μmの多結晶ダイヤモンドが成長していた。
【0079】実施例1と同様にラマンスペクトルを解析
した結果、ダイヤモンドのピークの他に、共役2重結合
炭素、環状2重結合炭素、ポリエン炭素の存在を示すピ
ークが観察された。
【0080】電極の形成は、ターゲットにAuを用いて
スパッタ法により行った。スパッタ条件は、真空度0.
133Paでプラズマ出力10mA、10分間とした。
スパッタ時には金属マスクを用いて、面積100μm2
の電極を2つ形成した。この電極の上にワイヤーボンデ
ィング装置により、直径4μmの金のリード線を取り付
けセンサ素子を完成した。
【0081】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0082】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.02mVで
あった。測定雰囲気中にPH3ガスを流し、熱起電力の
変化を測定したところ、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.05mVに変化
した。このときのセンサ素子の応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったPH3ガスの
検知素子として充分な実用性を有することがわかった。
【0083】実施例17 図2に示す構成のガスセンサを以下のように構成した。
【0084】Si基板の(100)面、大きさ1.5×
2.0×0.5mmの基板を、ダイヤモンド砥粒(平均
0.3μm)で傷つけ処理を30分間行った。その後、
超高純度水で30分間、4回洗浄し、150℃で1時間
乾燥させた。基板の表面には汚れがないことを微分干渉
顕微鏡により確認した。
【0085】マイクロ波プラズマCVD装置を用いて、
マイクロ波の投入電力350W、メタン濃度0.3%、
水素99.7%、ジボラン濃度20ppm、圧力5.3
3kPa、成長温度830℃で10時間の条件で、Si
基板の上にBドープダイヤモンド層を成長させた。Si
基板の上には、厚さ約0.3μmの多結晶ダイヤモンド
が成長していた。
【0086】実施例1と同様にラマンスペクトルを解析
した結果、ダイヤモンドのピークの他に、共役2重結合
炭素、環状2重結合炭素、ポリエン炭素の存在を示すピ
ークが観察された。
【0087】電極の形成は、ターゲットにAu−Ni
(8:2)合金を用いてスパッタ法により行った。スパ
ッタ条件は、真空度0.133Paでプラズマ出力10
mA、10分間とした。スパッタ時には金属マスクを用
いて、面積100μm2の電極を2つ形成した。この電
極の上にワイヤーボンディング装置により、直径4μm
の金のリード線を取り付けセンサ素子を完成した。
【0088】温度調節手段5として、基板片側の下部に
ヒーターを設置し、これを不図示のコントローラーに接
続し半導体式ガスセンサを得た。
【0089】得られたセンサ素子の熱起電力をセンサ特
性評価装置により測定した。基板片側の下部のみをヒー
ターにより加熱し、不図示のコントローラーにより、A
u電極の一方を160℃、他方を170℃に制御したと
き、170℃の電極3が(−)極、160℃の電極4が
(+)極となり、空気中での熱起電力は0.02mVで
あった。測定雰囲気中にSiH4ガス、PH3ガスを流
し、熱起電力の変化を測定したところ、SiH4ガス濃
度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.04mVに変化し、PH3濃度がTLV値(0.3
ppm)になったとき、熱起電力は0.05mVに変化
した。いずれの場合もセンサの応答速度は2分であり、
このセンサ素子は、従来検知が難しかったSiH4
ス、PH3ガスの検知素子として充分な実用性を有する
ことがわかった。
【0090】実施例18 電極形成時のターゲットをAu−Cu(5:5)合金に
変えた以外は実施例17と同様にガスセンサを作製し、
熱起電力を測定した。
【0091】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.02mVであった。測定雰囲気中のSiH4ガス濃
度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.04mVに変化し、PH3ガス濃度がTLV値
(0.3ppm)になったとき、熱起電力は0.06m
Vに変化した。いずれの場合も、応答速度は2分であ
り、このセンサはSiH4ガス、PH3ガスの検知素子と
して充分な実用性を有することがわかった。
【0092】実施例19 電極形成時のターゲットをPt−Co(7:3)合金に
変えた以外は実施例17と同様にガスセンサを作製し、
熱起電力を測定した。
【0093】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.02mVであった。測定雰囲気中のSiH4ガス濃
度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.04mVに変化し、PH3ガス濃度がTLV値
(0.3ppm)になったとき、熱起電力は0.06m
Vに変化した。いずれの場合も、応答速度は2分であ
り、このセンサはSiH4ガス、PH3ガスの検知素子と
して充分な実用性を有することがわかった。
【0094】実施例20 電極形成時のターゲットをRe−Sn(9:1)合金に
変えた以外は実施例17と同様にガスセンサを作製し、
熱起電力を測定した。
【0095】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.02mVであった。測定雰囲気中のSiH4ガス濃
度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.04mVに変化し、PH3ガス濃度がTLV値
(0.3ppm)になったとき、熱起電力は0.06m
Vに変化した。いずれの場合も、応答速度は2分であ
り、このセンサはSiH4ガス、PH3ガスの検知素子と
して充分な実用性を有することがわかった。
【0096】実施例21 電極形成時のターゲットをIr−Pb(8:2)合金に
変えた以外は実施例17と同様にガスセンサを作製し、
熱起電力を測定した。
【0097】得られたセンサの空気中での熱起電力は
0.02mVであった。測定雰囲気中のSiH4ガス濃
度がTLV値(5ppm)になったとき、熱起電力は
0.04mVに変化し、PH3ガス濃度がTLV値
(0.3ppm)になったとき、熱起電力は0.06m
Vに変化した。いずれの場合も、応答速度は2分であ
り、このセンサはSiH4ガス、PH3ガスの検知素子と
して充分な実用性を有することがわかった。
【0098】
【発明の効果】本発明のダイヤモンド半導体を用いた半
導体式ガスセンサは、酸化性、還元性、腐食性などの過
酷な雰囲気下においても、20〜400℃という広い範
囲において使用が可能なガスセンサであり、従来の半導
体式ガスセンサでは検知が難しかったシラン、アルシ
ン、ホスフィン等のドープガスをはじめ、CF4等、広
い分野にわたって利用することができる高感度且つ信頼
性の高いセンサであり、極めて大きな工業的価値を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明半導体式ガスセンサの1態様を示す模式
図である。
【図2】本発明半導体式ガスセンサの他の態様を示す模
式図である。
【図3】エピタキシャル成長したダイヤモンド半導体層
のラマンスペクトルを示すチャートである。
【図4】多結晶ダイヤモンド半導体層のラマンスペクト
ルを示すチャートである。
【符号の説明】
1、1’ 基板 2、2’ ダイヤモンド半導体層 3、4 電極 5 温度調節手段 6、7 導線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】追加
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 博 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社中央研究所内 (72)発明者 八島 勇 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社中央研究所内 (72)発明者 辰元 克充 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド半導体層表面に形成された
    電極が所定数電気的に接続されてなる半導体式ガスセン
    サにおいて、電気的に接続された1対の電極がダイヤモ
    ンド半導体層と形成するそれぞれの界面に温度差を生じ
    させる温度調節手段を設けてなることを特徴とする半導
    体式ガスセンサ。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド半導体層が気相成長法によ
    り形成されたダイヤモンド薄膜である請求項1に記載の
    半導体式ガスセンサ。
  3. 【請求項3】 電極の材料がPt、Pd、Ir、Ru、
    Rh、Re、Os、Au、Agからなる金属群(A群)
    から選ばれる1種の金属、A群の中から選ばれる2種以
    上の金属の合金、又はA群の中から選ばれる1種以上の
    金属とCu、P、Co、Ni、Ce、Sn、Pbからな
    る金属群(B群)の中から選ばれる1種以上の金属との
    合金である請求項1又は2に記載の半導体式ガスセン
    サ。
JP35650492A 1992-12-22 1992-12-22 半導体式ガスセンサ Pending JPH07311171A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1956106A2 (en) * 2007-01-08 2008-08-13 Heraeus, Inc. Re-based alloys usable as deposition targets for forming interlayers in granular perpendicular magnetic recording media & media utilizing said alloys
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