JPH07311164A - 金属板の回折x線分布の測定方法とその測定装置 - Google Patents
金属板の回折x線分布の測定方法とその測定装置Info
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- JPH07311164A JPH07311164A JP6102921A JP10292194A JPH07311164A JP H07311164 A JPH07311164 A JP H07311164A JP 6102921 A JP6102921 A JP 6102921A JP 10292194 A JP10292194 A JP 10292194A JP H07311164 A JPH07311164 A JP H07311164A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シンチレータを金属板からできるだけ遠く離
して回折X線分布を測定することによって、金属板が一
定速度で流れておりしかもその金属板に上下変動があっ
ても回折X線分布を正確に把握できるようにする。 【構成】 コリメートされた特性X線2を一定方向に搬
送される金属板3に照射し、この金属板3の表面からの
回折X線5を二次元に広がりをもつ面状シンチレータ6
で受け、この面状シンチレータ6の発光状態を高感度撮
像器7で撮像する。
して回折X線分布を測定することによって、金属板が一
定速度で流れておりしかもその金属板に上下変動があっ
ても回折X線分布を正確に把握できるようにする。 【構成】 コリメートされた特性X線2を一定方向に搬
送される金属板3に照射し、この金属板3の表面からの
回折X線5を二次元に広がりをもつ面状シンチレータ6
で受け、この面状シンチレータ6の発光状態を高感度撮
像器7で撮像する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定方向に流れる鋼製
の厚板を非破壊応力測定する場合等に用いる金属板の回
折X線分布の測定方法とその測定装置に関するものであ
る。
の厚板を非破壊応力測定する場合等に用いる金属板の回
折X線分布の測定方法とその測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鋼材の厚板製品はその製造過程で冷却さ
れるが、冷却速度の不均一分布によって鋼板内部に歪み
が生じて製品内部に残留応力という形で蓄積され、その
結果、製品の切断時に図1に示す横曲がり(キャンバ
ー)や反りが発生する。現在、厚板の残留応力の測定方
法としては、測定部位に穿孔を開けることによって解放
される応力をその周辺に貼り付けた歪ゲージによって測
定する方法があるが、これは破壊検査であり製品自体に
は適用出来ない。
れるが、冷却速度の不均一分布によって鋼板内部に歪み
が生じて製品内部に残留応力という形で蓄積され、その
結果、製品の切断時に図1に示す横曲がり(キャンバ
ー)や反りが発生する。現在、厚板の残留応力の測定方
法としては、測定部位に穿孔を開けることによって解放
される応力をその周辺に貼り付けた歪ゲージによって測
定する方法があるが、これは破壊検査であり製品自体に
は適用出来ない。
【0003】一方、非破壊計測として考えられるものの
1つにX線法があり、これは残留応力による格子間距離
の変化を試料からの回析X線の回析角の変化としてとら
えられるものである。このX線法の光学系を図2に示
す。ある一定の入射角(ψ0 )でX線を試料に数点(通
常4点以上)入射し、それぞれの入射角に於ける試料か
らのX線回析角(2θ)を測定し、これらを試料面放線
と回析格子面法線がなす角度(ψ)に対して2θ−si
n2 ψ線図(図3)上にプロットしたときの直線の傾き
(K)を下式に代入して応力(σ)が求められる。
1つにX線法があり、これは残留応力による格子間距離
の変化を試料からの回析X線の回析角の変化としてとら
えられるものである。このX線法の光学系を図2に示
す。ある一定の入射角(ψ0 )でX線を試料に数点(通
常4点以上)入射し、それぞれの入射角に於ける試料か
らのX線回析角(2θ)を測定し、これらを試料面放線
と回析格子面法線がなす角度(ψ)に対して2θ−si
n2 ψ線図(図3)上にプロットしたときの直線の傾き
(K)を下式に代入して応力(σ)が求められる。
【0004】
【数1】
【0005】これはsin2 ψ法として既に理論的、技
術的に確立されているものである(X線応力測定法標
準、日本材料学会・X線材料強度部門委員会 第1頁〜
第12頁参照)。この方法は非破壊であり、実験室レベ
ルではかなり普及しているが、X線管−試料−検出器の
幾何学的配置を正確に行う必要があるためゴニオメータ
ー上でX線管及び検出器を走査させなければならず、ま
た、回析角をそれぞれの入射角に対して測定しなければ
ならないため測定に十数〜数十分の時間を要し、このこ
とから現場における厚板ラインでの適用は難しい。
術的に確立されているものである(X線応力測定法標
準、日本材料学会・X線材料強度部門委員会 第1頁〜
第12頁参照)。この方法は非破壊であり、実験室レベ
ルではかなり普及しているが、X線管−試料−検出器の
幾何学的配置を正確に行う必要があるためゴニオメータ
ー上でX線管及び検出器を走査させなければならず、ま
た、回析角をそれぞれの入射角に対して測定しなければ
ならないため測定に十数〜数十分の時間を要し、このこ
とから現場における厚板ラインでの適用は難しい。
【0006】近年測定時間の短縮という目的でゴニオメ
ーター上での走査が必要な検出器である比例計数管、シ
ンチレーション計数管から検出器の走査が不要な位置敏
感形比例計数管に代わってきており(「材料」第27巻
394号 第216頁〜第220頁参照)、さらに、
現場向きということで入射角ψ=0°の回析角を既知と
し、ψ=45°の回析角のみを測定し傾きKを求め応力
を算出する入射角が1点のみの簡易sin2 ψ法ともい
われる単一入射方が用いられているが、この場合でも、
積分型検出器を用いてるため測定には数〜数十秒の時間
を要する。
ーター上での走査が必要な検出器である比例計数管、シ
ンチレーション計数管から検出器の走査が不要な位置敏
感形比例計数管に代わってきており(「材料」第27巻
394号 第216頁〜第220頁参照)、さらに、
現場向きということで入射角ψ=0°の回析角を既知と
し、ψ=45°の回析角のみを測定し傾きKを求め応力
を算出する入射角が1点のみの簡易sin2 ψ法ともい
われる単一入射方が用いられているが、この場合でも、
積分型検出器を用いてるため測定には数〜数十秒の時間
を要する。
【0007】これは現場のライン上を流れる鋼板上の応
力の測定を行うにあたって無視することができない時間
と考えられ、また、試料の上下変動による測定誤差が大
きいので現場適用は難しい(第21回X線シンポジウム
第206頁〜第211頁参照)。
力の測定を行うにあたって無視することができない時間
と考えられ、また、試料の上下変動による測定誤差が大
きいので現場適用は難しい(第21回X線シンポジウム
第206頁〜第211頁参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、回析X
線分布を瞬時に計測する方法として、図4に示すものが
ある。この方法は、二次元的に広がりをもつX線感応型
の薄膜状のシンチレータ26を置き、その背面に多数の
光ファイバ27を直結し、シンチレータ26によってX
線から可視光に変換された光を検出器28に導くという
もので、回析光分布を瞬時に測定するという点で優れ実
用化に近い状態にある。
線分布を瞬時に計測する方法として、図4に示すものが
ある。この方法は、二次元的に広がりをもつX線感応型
の薄膜状のシンチレータ26を置き、その背面に多数の
光ファイバ27を直結し、シンチレータ26によってX
線から可視光に変換された光を検出器28に導くという
もので、回析光分布を瞬時に測定するという点で優れ実
用化に近い状態にある。
【0009】しかし、この方法では、面状シンチレータ
26を大きく作れないという致命的な欠点がある。その
理由は、薄膜状のシンチレータ26の裏面に光ファイバ
27を固着しているため、シンチレータ26を大きく作
ることによって多量の光ファイバ27が必要となり、シ
ンチレータ26面と検出器28側ファイバ群の対応を一
対一に正しく合わせることが製造上極めて難しいからで
ある。
26を大きく作れないという致命的な欠点がある。その
理由は、薄膜状のシンチレータ26の裏面に光ファイバ
27を固着しているため、シンチレータ26を大きく作
ることによって多量の光ファイバ27が必要となり、シ
ンチレータ26面と検出器28側ファイバ群の対応を一
対一に正しく合わせることが製造上極めて難しいからで
ある。
【0010】このため、実際には1インチ四方のシンチ
レータ26が限界となるので、シンチレータ26面を鋼
板29から大きく放すことができず(大きく放すと回析
光から外れる)、実用化されている装置ではシンチレー
タユニットを鋼板29に殆どぴったりと近づける方法を
とっている。従って、この装置では鋼板29の上下変動
がある現場の厚板ラインでの適用は難しく、また、検出
器28を鋼板29に近づけなければならないため空間分
解能が悪くなることが余儀なくされている(なお、この
従来装置の空間分解能は、せいぜい300μm程度であ
った)。
レータ26が限界となるので、シンチレータ26面を鋼
板29から大きく放すことができず(大きく放すと回析
光から外れる)、実用化されている装置ではシンチレー
タユニットを鋼板29に殆どぴったりと近づける方法を
とっている。従って、この装置では鋼板29の上下変動
がある現場の厚板ラインでの適用は難しく、また、検出
器28を鋼板29に近づけなければならないため空間分
解能が悪くなることが余儀なくされている(なお、この
従来装置の空間分解能は、せいぜい300μm程度であ
った)。
【0011】本発明は、このような実情に鑑み、シンチ
レータを金属板からできるだけ遠く離して回折X線分布
を測定することによって、金属板が一定速度で流れてお
りしかもその金属板に上下変動があっても回折X線分布
を正確に把握できるようにすることを目的とする。
レータを金属板からできるだけ遠く離して回折X線分布
を測定することによって、金属板が一定速度で流れてお
りしかもその金属板に上下変動があっても回折X線分布
を正確に把握できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明方
法は、コリメートされた特性X線を一定方向に搬送され
る金属板に照射し、この金属板の表面からの回折X線を
二次元に広がりをもつ面状シンチレータで受け、この面
状シンチレータの発光状態を高感度撮像器で撮像するも
のである。
本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明方
法は、コリメートされた特性X線を一定方向に搬送され
る金属板に照射し、この金属板の表面からの回折X線を
二次元に広がりをもつ面状シンチレータで受け、この面
状シンチレータの発光状態を高感度撮像器で撮像するも
のである。
【0013】また、本発明装置は、コリメートされた特
性X線を一定方向に搬送される金属板に照射するX線照
射手段と、この金属板の表面からの回折X線を受けてこ
れを可視光に変換する二次元に広がりをもつ面状シンチ
レータと、この面状シンチレータの発光状態を撮像する
高感度撮像器と、を備えたものである。より具体的に
は、上記高感度撮像器は、微弱な入射光を入側の光電面
で入射電子に変換しかつこの入射電子を増幅して出側面
に出力電子を放出するマイクロチャンネルプレートと、
このマイクロチャンネルプレートの出側に設けた位置検
出センサとからなる。
性X線を一定方向に搬送される金属板に照射するX線照
射手段と、この金属板の表面からの回折X線を受けてこ
れを可視光に変換する二次元に広がりをもつ面状シンチ
レータと、この面状シンチレータの発光状態を撮像する
高感度撮像器と、を備えたものである。より具体的に
は、上記高感度撮像器は、微弱な入射光を入側の光電面
で入射電子に変換しかつこの入射電子を増幅して出側面
に出力電子を放出するマイクロチャンネルプレートと、
このマイクロチャンネルプレートの出側に設けた位置検
出センサとからなる。
【0014】
【作用】本発明では、面状シンチレータの発光状態を高
感度撮像器で撮像するため、面状シンチレータに多数の
ファイバを直結する必要がなくなる。このため、面状シ
ンチレータを大きく作ることができ、これを金属板から
遠く離しても回折X線を有効に拾える。
感度撮像器で撮像するため、面状シンチレータに多数の
ファイバを直結する必要がなくなる。このため、面状シ
ンチレータを大きく作ることができ、これを金属板から
遠く離しても回折X線を有効に拾える。
【0015】一方、面状シンチレータを金属板から離す
と回折X線の強度が下がって面状シンチレータの発光状
態が低照度化するが、この点は十分感度のよい高感度撮
像器を採用することで補える。すなわち、本発明では、
空間分解能を低下させずに十分大きな受光面を持った検
出部を構成する方法として、面状シンチレータを大きく
しX線による発光状況を後述するマイクロチャンネルプ
レートや高感度CCDカメラを含む高感度撮像器で回析
光分布を観測するようにしている。
と回折X線の強度が下がって面状シンチレータの発光状
態が低照度化するが、この点は十分感度のよい高感度撮
像器を採用することで補える。すなわち、本発明では、
空間分解能を低下させずに十分大きな受光面を持った検
出部を構成する方法として、面状シンチレータを大きく
しX線による発光状況を後述するマイクロチャンネルプ
レートや高感度CCDカメラを含む高感度撮像器で回析
光分布を観測するようにしている。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図5は、本発明のX線回折分布の測定装置1を厚
板(鋼材)の残留応力測定に適用した場合を示してい
る。同図において、測定装置1は、コリメートされた特
性X線2を一定方向(図5矢印方向)に搬送される厚板
3に照射するX線照射手段4と、この厚板3の表面から
の回折X線5を受けてこれを可視光に変換する二次元に
広がりをもつ面状シンチレータ6と、この面状シンチレ
ータ6の発光状態を撮像する高感度撮像器7と、を備え
ている。
する。図5は、本発明のX線回折分布の測定装置1を厚
板(鋼材)の残留応力測定に適用した場合を示してい
る。同図において、測定装置1は、コリメートされた特
性X線2を一定方向(図5矢印方向)に搬送される厚板
3に照射するX線照射手段4と、この厚板3の表面から
の回折X線5を受けてこれを可視光に変換する二次元に
広がりをもつ面状シンチレータ6と、この面状シンチレ
ータ6の発光状態を撮像する高感度撮像器7と、を備え
ている。
【0017】X線照射手段4は、X線の発生源であるX
線管8にコリメータ9を設けてなり、厚板3の表面に平
行化された特性X線2を照射する。面状シンチレータ6
は、放射線が衝突すると発光するシンチレーション物質
を薄い面状に形成したもので、有底筒状のフード10の
開口部にフィルタ11を介して装填されている。この面
状シンチレータ6は、X線の種類によってNaI,Cs
I,ZnS等の種々のものが採用できるが、本実施例で
は量子効率がよい点でNaIを使用している。
線管8にコリメータ9を設けてなり、厚板3の表面に平
行化された特性X線2を照射する。面状シンチレータ6
は、放射線が衝突すると発光するシンチレーション物質
を薄い面状に形成したもので、有底筒状のフード10の
開口部にフィルタ11を介して装填されている。この面
状シンチレータ6は、X線の種類によってNaI,Cs
I,ZnS等の種々のものが採用できるが、本実施例で
は量子効率がよい点でNaIを使用している。
【0018】フード10の内部でかつ面状シンチレータ
6の背後にはレンズ12が設けられており、面状シンチ
レータ6の発光はこのレンズ12で集光されて、フード
10の底部に配置されている高感度撮像器7に至る。本
実施例では、高感度撮像器7は、イメージインテンシフ
ァイヤによって構成されており、微弱な入射光を入側の
光電面13で入射電子に変換しかつこの入射電子を増幅
して出側面に出力電子を放出するマイクロチャンネルプ
レート14と、このマイクロチャンネルプレート14の
出側に設けた位置検出センサ15とからなる。
6の背後にはレンズ12が設けられており、面状シンチ
レータ6の発光はこのレンズ12で集光されて、フード
10の底部に配置されている高感度撮像器7に至る。本
実施例では、高感度撮像器7は、イメージインテンシフ
ァイヤによって構成されており、微弱な入射光を入側の
光電面13で入射電子に変換しかつこの入射電子を増幅
して出側面に出力電子を放出するマイクロチャンネルプ
レート14と、このマイクロチャンネルプレート14の
出側に設けた位置検出センサ15とからなる。
【0019】マイクロチャンネルプレート14は、図8
(a)に示すように薄いガラス板の内部に内径が数十μ
mの細孔(チャンネル)16を厚さ方向に貫通して多数
設けたもので、図8(b)に示すように表裏面間には電
位勾配がかけられている。従って、チャンネル16内に
電子17が入射すると、その電位勾配に引かれて電子1
7が内壁に幾度も衝突しながら反対側に出ていき、この
衝突の際に壁面から放出される二次電子によって出力電
子が数千倍に増幅される。
(a)に示すように薄いガラス板の内部に内径が数十μ
mの細孔(チャンネル)16を厚さ方向に貫通して多数
設けたもので、図8(b)に示すように表裏面間には電
位勾配がかけられている。従って、チャンネル16内に
電子17が入射すると、その電位勾配に引かれて電子1
7が内壁に幾度も衝突しながら反対側に出ていき、この
衝突の際に壁面から放出される二次電子によって出力電
子が数千倍に増幅される。
【0020】位置検出センサ15は、マイクロチャンネ
ルプレート14の出側に接続した固体撮像デバイスより
なり、マイクロチャンネルプレート14の電子放出に伴
う各画素の電流変化として画像情報を出力もので、この
位置検出センサ15としては、MOSトランジスタをマ
トリクスアレイ状に配置した撮像デバイス、CCDを用
いた撮像デバイス、アモルファス膜を光電変換素子に使
った密着型イメージセンサ等を採用できる。
ルプレート14の出側に接続した固体撮像デバイスより
なり、マイクロチャンネルプレート14の電子放出に伴
う各画素の電流変化として画像情報を出力もので、この
位置検出センサ15としては、MOSトランジスタをマ
トリクスアレイ状に配置した撮像デバイス、CCDを用
いた撮像デバイス、アモルファス膜を光電変換素子に使
った密着型イメージセンサ等を採用できる。
【0021】また、高感度撮像器7には、マイクロチャ
ンネルプレート14を駆動するための高圧電源18と、
高感度撮像器7の検出信号を記憶するためのメモリ装置
19が接続され、このメモリ装置19には画像処理装置
20が接続されている。画像処理装置20にはディスプ
レイ付きのマイクロコンピュータ21が接続され、この
コンピュータ21のCPUには回折X線分布から厚板3
の応力を計算する解析プログラムがインプットされてい
る。
ンネルプレート14を駆動するための高圧電源18と、
高感度撮像器7の検出信号を記憶するためのメモリ装置
19が接続され、このメモリ装置19には画像処理装置
20が接続されている。画像処理装置20にはディスプ
レイ付きのマイクロコンピュータ21が接続され、この
コンピュータ21のCPUには回折X線分布から厚板3
の応力を計算する解析プログラムがインプットされてい
る。
【0022】次に、図6及び図7を参照しつつ、上記測
定装置2の作用を説明する。図5において、フィルタ1
1を介してシンチレータ6面に入射した回析X線5は、
この面で可視光に変換される。これをレンズ12を通し
て集光して高感度撮像器7で撮像すれば、低照度であっ
ても十分に回折X線5の分布状態を観測できる。
定装置2の作用を説明する。図5において、フィルタ1
1を介してシンチレータ6面に入射した回析X線5は、
この面で可視光に変換される。これをレンズ12を通し
て集光して高感度撮像器7で撮像すれば、低照度であっ
ても十分に回折X線5の分布状態を観測できる。
【0023】上記で検出された回折X線分布は、これを
従前の単一入射法によって解析することによって残留応
力測定に適用できる。この場合、X線検出部に時間分解
能に優れている面状シンチレータ6(例えば、NaI)
を用いているので、測定時間は現状の位置敏感形比例計
数管を使ったものよりもかなり短縮される。一方、図6
に示すように、測定時間がかかる従来の方法の問題点
は、A点を測定しようとした際に厚板3の走行によって
測定点がB点まで移動し、この結果としてA−B間の平
均のピーク位置を測定してしまい、また厚板の上下変動
に対しても同様に図7−Cから図7−Dまで回析X線が
変化し、正確なピーク位置決定ができない事にあった。
従前の単一入射法によって解析することによって残留応
力測定に適用できる。この場合、X線検出部に時間分解
能に優れている面状シンチレータ6(例えば、NaI)
を用いているので、測定時間は現状の位置敏感形比例計
数管を使ったものよりもかなり短縮される。一方、図6
に示すように、測定時間がかかる従来の方法の問題点
は、A点を測定しようとした際に厚板3の走行によって
測定点がB点まで移動し、この結果としてA−B間の平
均のピーク位置を測定してしまい、また厚板の上下変動
に対しても同様に図7−Cから図7−Dまで回析X線が
変化し、正確なピーク位置決定ができない事にあった。
【0024】今回の方法では時間分解能に優れたシンチ
レータ6を用いる事によって今回問題にしている厚板3
の速度程度では測定の瞬間にほぼ静止していると考えら
れることができるので、単一入射法との組み合わせで動
いている厚板の現場での応力測定が可能になる。また、
従来のシンチレータと光ファイバを使った方法では空間
分解能は光ファイバの径以下にはならないが、CCDカ
メラを使用することによって空間分解能を更に小さくす
ることができ精度の良い測定が可能になり、また大きな
受光面を有する事ができるので検出部を鋼板から離すこ
とができるので空間分解能を高めるのにさらによい効果
が得られる。
レータ6を用いる事によって今回問題にしている厚板3
の速度程度では測定の瞬間にほぼ静止していると考えら
れることができるので、単一入射法との組み合わせで動
いている厚板の現場での応力測定が可能になる。また、
従来のシンチレータと光ファイバを使った方法では空間
分解能は光ファイバの径以下にはならないが、CCDカ
メラを使用することによって空間分解能を更に小さくす
ることができ精度の良い測定が可能になり、また大きな
受光面を有する事ができるので検出部を鋼板から離すこ
とができるので空間分解能を高めるのにさらによい効果
が得られる。
【0025】なお、図5の装置1の諸元を示すと以下の
通りであり、この装置によって秒速0.3mで搬送され
る厚板の残留応力を測定した。その結果を図9に示す。
また、この場合の空間分解能は150μm程度であり、
これは鋼板の現場での測定と実験室での測定と同程度の
精度である。更に測定時間は、幅2m、長さ9mの鋼板
測定箇所30点で約1分であり、これは走行する鋼板の
速度及び上下変動による振動が無視できるほど短いもの
である。
通りであり、この装置によって秒速0.3mで搬送され
る厚板の残留応力を測定した。その結果を図9に示す。
また、この場合の空間分解能は150μm程度であり、
これは鋼板の現場での測定と実験室での測定と同程度の
精度である。更に測定時間は、幅2m、長さ9mの鋼板
測定箇所30点で約1分であり、これは走行する鋼板の
速度及び上下変動による振動が無視できるほど短いもの
である。
【0026】使用特性X線 : CeKα特性X線 管電圧 : 30(kV) 管電流 : 10(mA) X線ビーム径 : 1 (mmφ) 試料 : α−Fe シンチレータ : Nal(Ta) 80(mm)×8
0(mm) フィルター : バナジウム箔 フード : Fe製 厚さ2.3(mm) 試料−鋼板距離: 100(mm) 応力測定法 : sin2 ψ法(単一入射法) X線入射角 : 45° 鋼板の速度 : 0.3(m/s)
0(mm) フィルター : バナジウム箔 フード : Fe製 厚さ2.3(mm) 試料−鋼板距離: 100(mm) 応力測定法 : sin2 ψ法(単一入射法) X線入射角 : 45° 鋼板の速度 : 0.3(m/s)
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
X線回析光分布を瞬時に測定できるため金属板の上下動
や傾き、及び流れる金属板に対しても精度良くX線回析
プロフィールが測定できる。これから格子間定数が得ら
れるので、現場のラインで残留応力の測定やFe−Zn
合金相(合金化度)の計測を行うことができる。
X線回析光分布を瞬時に測定できるため金属板の上下動
や傾き、及び流れる金属板に対しても精度良くX線回析
プロフィールが測定できる。これから格子間定数が得ら
れるので、現場のラインで残留応力の測定やFe−Zn
合金相(合金化度)の計測を行うことができる。
【図1】鋼板の形状不良の状態を示す概念図である。
【図2】X線法による応力測定の測定原理図である。
【図3】2θ−sin2 ψ線図である。
【図4】(a)は従来の回折X線分布の測定装置の概略
図であり、(b)は従来のX線検出部の拡大図である。
図であり、(b)は従来のX線検出部の拡大図である。
【図5】本発明の回折X線分布の測定装置の概略図であ
る。
る。
【図6】鋼材の流れと測定点との関係を示す平面図であ
る。
る。
【図7】鋼材の上下動による回折X線分布の乱れを示す
概念図である。
概念図である。
【図8】(a)はマイクロチャンネルプレートの斜視図
であり、(b)はその作用説明図である。
であり、(b)はその作用説明図である。
【図9】鋼板の残留応力測定の結果を示すグラフであ
る。
る。
2 特性X線 3 金属板(厚板) 4 X線照射手段 5 回折X線 6 面状シンチレータ 7 高感度撮像器 14 マイクロチャンネルプレート 15 位置検出センサ
Claims (2)
- 【請求項1】 コリメートされた特性X線を一定方向に
搬送される金属板に照射し、この金属板の表面からの回
折X線を二次元に広がりをもつ面状シンチレータで受
け、この面状シンチレータの発光状態を高感度撮像器で
撮像することを特徴とする金属板の回折X線分布の測定
方法。 - 【請求項2】 コリメートされた特性X線を一定方向に
搬送される金属板に照射するX線照射手段と、この金属
板の表面からの回折X線を受けてこれを可視光に変換す
る二次元に広がりをもつ面状シンチレータと、この面状
シンチレータの発光状態を撮像する高感度撮像器と、を
備えた金属板の回折X線分布の測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6102921A JPH07311164A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 金属板の回折x線分布の測定方法とその測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6102921A JPH07311164A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 金属板の回折x線分布の測定方法とその測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07311164A true JPH07311164A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14340325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6102921A Pending JPH07311164A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 金属板の回折x線分布の測定方法とその測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07311164A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014055353A (ja) * | 2012-08-13 | 2014-03-27 | Jfe Steel Corp | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度測定方法 |
JP2019128307A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 国立大学法人東北大学 | 搬送物の応力測定装置 |
JP2019132599A (ja) * | 2018-01-29 | 2019-08-08 | パルステック工業株式会社 | 搬送物の応力測定装置 |
-
1994
- 1994-05-17 JP JP6102921A patent/JPH07311164A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014055353A (ja) * | 2012-08-13 | 2014-03-27 | Jfe Steel Corp | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度測定方法 |
JP2019128307A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 国立大学法人東北大学 | 搬送物の応力測定装置 |
JP2019132599A (ja) * | 2018-01-29 | 2019-08-08 | パルステック工業株式会社 | 搬送物の応力測定装置 |
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