JPH07310520A - マフラ、段付パイプ及び縮管方法 - Google Patents

マフラ、段付パイプ及び縮管方法

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JPH07310520A
JPH07310520A JP9981994A JP9981994A JPH07310520A JP H07310520 A JPH07310520 A JP H07310520A JP 9981994 A JP9981994 A JP 9981994A JP 9981994 A JP9981994 A JP 9981994A JP H07310520 A JPH07310520 A JP H07310520A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コストの低減化及び組立作業の簡素化が図ら
れ、しかも優れた消音効果が得られるマフラの提供を目
的とする。 【構成】 マフラ30は外管2、内管4及び消音部6か
ら構成されている。外管2はいわゆる段付パイプであ
り、大径部23とその両端に設けた小径部21及びテー
パ部22とから構成されている。この外管2は、パイプ
端部に所定のテーパを形成し軸方向に沿って複数の溝を
設けた縮管加工用パイプに対し、所定の縮管方法を施す
ことにより得られたものである。複数の溝はいわゆる縮
み代(しろ)として作用するため、縮管率が高くても縮
管加工用パイプが破損することはない。このため、外管
2の小径部21と大径部23との径の差をかなり大きく
することができるため、内管4と外管2とにより囲まれ
る消音部6の空間を十分大きくでき、十分な消音材8を
充填することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マフラ、そのマフラの
外管に適した段付パイプ、及びその段付パイプを製造す
るのに適した縮管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば図9に示すように、大径の
外管102の両端部と小径の内管104とを端板105
を介して溶接し、外管102と内管104とにより囲ま
れる消音部106にグラスウール等の消音材を充填する
ことにより形成されたマフラ130が知られていた。か
かる構造のマフラ130では、消音部106の容積を比
較的大きく設定することができるため、消音効果上有利
であるが、反面、端板105を用いるため部品点数が多
くなりコストが嵩み、また溶接箇所も多いため組立作業
が煩雑で強度面での耐久性に欠けるという問題があっ
た。
【0003】かかる問題を解消すべく、一本のパイプの
両端部を縮管することにより外管を形成し、内管と外管
の両端部を溶接して製造したマフラが知られている。こ
れによれば、端板が不要のためコストが低減し、端板を
溶接する必要がないため溶接箇所が少なく組立作業が容
易になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一本の
パイプを縮管する場合、従来の工法ではパイプの破損防
止や耐久性等の実用面を考慮すればパイプの縮管率を2
0〜30%の範囲に設定せざるを得なかった。例えば、
パイプの材質としてステンレス鋼を用いた場合、縮管率
は25%前後に過ぎなかった。このため、かかる縮管を
施したパイプをマフラの外管として用いた場合、消音材
を充填するための消音部の容積を十分に確保することが
できなかった。尚、縮管率は下記式により表される。
【0005】
【数1】
【0006】また、上述のように、一本のパイプを縮管
加工して小径部を設けた段付パイプは従来から知られて
はいたものの、縮管率が20〜30%に限られていたた
め、小径部の径は大径部の径の70〜80%の範囲に限
られていた。即ち、一本のパイプを縮管加工して小径部
を設けた段付パイプにおいて、その小径部の径が大径部
の径の70%未満であるものは知られていなかった。従
って、このように小径部の径が大径部の径よりも十分小
さい段付パイプを得るには、溶接等の連結処理を施さざ
るを得なかった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、請求項1記載の発明は、コストの低減化及び組立作
業の簡素化が図られ、しかも優れた消音効果が得られる
マフラの提供を目的とする。請求項2記載の発明は、上
記マフラの外管に適した段付パイプの提供を目的とす
る。請求項3記載の発明は、縮管率を大きくしても加工
時にパイプの破損を招かない縮管方法の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載のマフラは、一本のパイプを加工して、
大径部、該大径部の40%以上70%未満の径を有する
小径部、及び前記小径部と前記大径部とを連結するテー
パ部が形成された外管と、前記小径部の内径と略一致す
る径を有する内管と、上記外管と上記内管とにより囲ま
れた消音部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、一本のパイプを加
工して得られた段付パイプであって、大径部と、前記大
径部の40%以上70%未満の径を有する小径部と、前
記小径部と前記大径部とを連結するテーパ部と、を備え
たことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、パイプ端部にてパ
イプの軸方向に沿った複数の溝を有する処理前テーパ部
が設けられ前記複数の溝はパイプの周方向に沿って波状
に現れる縮管加工用パイプに対して、前記処理前テーパ
部に軸心に向かって圧力をかけることにより新たなテー
パ部と前記溝の消失した小径部とを形成することを特徴
とする。
【0011】
【作用】請求項1記載のマフラは、端板が不要のためコ
ストが低減し、端板を溶接する必要がないため溶接箇所
が少なく組立作業が容易になる。また、外管は小径部の
径は大径部の径の40%以上70%未満であるため、こ
の外管と内管とにより囲まれる消音部はその容量を十分
大きくすることができる。請求項2記載の段付パイプ
は、請求項1記載のマフラの外管として使用するのに適
したものである。
【0012】また、請求項3記載の縮管方法は、いわゆ
る縮み代(しろ)としての複数の溝を備えた処理前テー
パ部を有する縮管加工用パイプを用いるため、この処理
前テーパ部に軸心に向かって圧力をかけて所定の径の小
径部を形成したときにパイプが破損するおそれがない。
また、小径部に設けられていた軸方向の溝は圧力をかけ
ることにより消失するため、小径部は略円筒状に形成さ
れる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例について図面に
基づいて説明する。図1はマフラの破断面図、図2は外
管の説明図であり、図2(a)は端面図、図2(b)は
正面図である。本実施例のマフラ30は外管2、内管4
及び消音部6から構成されている。外管2はいわゆる段
付パイプであり、大径部23と、その両端に設けた小径
部21及びテーパ部22とから構成されている。内管4
はその外径が小径部21の内径と略一致した円筒形状の
パイプであり、左端部は外管2と溶接されている。一
方、内管4の右端部にはスペーサ4aがスポット溶接さ
れ、このスペーサ4aは外管2の右端部に固定された中
管24にスライド可能に配置されている。この構造は、
内管4が加熱され熱膨張により伸縮したとしてもスペー
サ4aが中管24をスライドするため、歪みが生じるお
それがないという利点がある。消音部6は外管2と内管
4とにより囲まれた空間であって、グラスウール等の消
音材8が充填されている。
【0014】ここで、図2に示す外管2の段付パイプに
ついて詳細に説明する。図3は縮管加工用パイプの説明
図であり、図3(a)は端面図、図3(b)は正面図で
ある。外管2は縮管加工用パイプ10に後述の縮管方法
を施すことにより得られたものである。縮管加工用パイ
プ10は、図3に示すように処理前テーパ部11及び大
径部13から構成される。処理前テーパ部11は、パイ
プ端部10aに所定のテーパを形成し、軸方向に沿って
複数の溝12を設けたものである。処理前テーパ部11
は端面10bに近づくにつれて径が小さくなるため、溝
12の深さ(振幅)はそれに従って大きくなる。このた
め、図3(b)に示したパイプの断面は、端面10bに
近づくにつれて厚みが増している。縮管加工用パイプ1
0の端面10bの形状は、図3(a)に示すように、複
数の溝12の存在によって周方向に波状として現れる。
一方、大径部13は処理前テーパ部11以外の部分であ
り、処理前テーパ部11と連続的に一体形成されてい
る。従って、縮管加工用パイプ10は一本のパイプであ
って溶接箇所等の連結処理は施されていない。
【0015】かかる縮管加工用パイプ10は、図4に示
す通常のパイプ20のパイプ端部20aを、テーパ状で
あって軸方向に沿って複数の溝を備えたスプラインのボ
ス部(図示せず)に圧入することにより製造したもので
ある。図3(a)における縮管加工用パイプ10の端面
10bの形状のうち、溝12の山部分の曲率半径R1、
溝12の谷部分の曲率半径R2 、溝12の山の稜線を結
んだときの軌跡の直径である外径φ1 、溝12の谷の稜
線を結んだときの軌跡の直径である内径φ2 について、
表1にまとめた。
【0016】
【表1】
【0017】外管2は、上述の縮管加工用パイプ10に
以下の縮管方法を施すことにより得られたものである。
図5は縮管に用いる割型を表す斜視図、図6は縮管工程
を表す説明図であり図6(a)は縮管前、図6(b)は
縮管後を表す説明図である。割型50は円筒を八分割し
たものであり、割型50の内部は、小径部21を形成す
るための円筒面51と、その円筒面51に連続して設け
られテーパ部22を形成するためのテーパ面52とによ
り構成される。この割型50の円筒面51側の端面50
bと縮管加工用パイプ10の端面10bとが一致するよ
うに、縮管加工用パイプ10を割型50に挿入した(図
6(a)参照)。次いで、割型50の外部から縮管加工
用パイプ10の軸心に向かって油圧により圧力を加え割
型50の隙間を閉じることにより(図6(b)参照)、
段付パイプとしての外管2を得た。縮管加工時におい
て、縮管加工用パイプ10に設けた複数の溝12はいわ
ゆる縮み代(しろ)として作用するため、縮管率が高く
ても処理前テーパ部11が破損してしまうことはない。
図6から、縮管加工用パイプ10の処理前テーパ部11
は、外管2の小径部21とテーパ部22に変化したこと
がわかる。得られた段付パイプとしての外管2の小径部
21は、その内径φ3 (図2(a)参照)が処理前テー
パ部11の端面10bの谷の稜線を結んだときの軌跡の
直径である内径φ2 (図3(a)参照)と略一致した。
また、小径部21に設けられた複数の溝12は消失し、
その結果小径部21は略円筒形状に形成された。尚、テ
ーパ部22については、小径部21側は溝12がほぼ消
失しているが大径部23側は溝12が残存していた。
尚、大径部23は縮管前後で変化しないため大径部13
と全く同じである。このようにして得られた外管2の形
状を表2にまとめた。
【0018】
【表2】
【0019】尚、割型50の外部から圧力を加えると
き、割型50の内部形状と略一致する形状の心棒を縮管
加工用パイプ10に挿通した状態で圧力を加えてもよ
く、この場合小径部21の溝12は一層円滑に消失す
る。上記以外の縮管方法として図7に示す略円筒状の型
60を用いる方法がある。図7は円筒状の型を表す斜視
図、図8は縮管工程を表す説明図であり、図8(a)は
縮管前、図8(b)は縮管後を表す説明図である。この
略円筒状の型60の内部は、小径部21を形成するため
の円筒面61と、その円筒面61に連続して設けられテ
ーパ部22を形成するためのテーパ面62とにより構成
される。この略円筒状の型60の円筒面61側の端面6
0bと縮管加工用パイプ10の端面10b側とが一致す
る方向に縮管加工用パイプ10を型60に圧入し(図8
(a)参照)、型60の端面60bと縮管加工用パイプ
10の端面10bとが一致した時点で圧入を終了し(図
8(b)参照)、その後逆方向に抜脱することにより段
付パイプとしての外管2を得た。この場合においても、
型60の内部形状と略一致する形状の心棒を縮管加工用
パイプ10に挿通した状態で圧力を加えてもよく、この
場合小径部21の溝12は一層円滑に消失する。
【0020】尚、縮管加工用パイプ10の処理前テーパ
部11におけるテーパや複数の溝12のピッチ・振幅
は、縮管率に基づいて決定される。例えば、振幅につい
ては縮管率が40%以下のときは1mm程度、40%を
超えるときは1.5mm程度とし、ピッチについては大
径部13の周長と処理前テーパ部11の周長とが同一で
あること、処理前テーパ部11の端面10bにおける内
径φ2 が小径部21の内径φ3 と略一致すること等を考
慮して縮管率に応じて設定する。
【0021】また、縮管加工用パイプ10の処理前テー
パ部11に設けた複数の溝12は、処理前テーパ部11
のすべてにわたって設けることは必要は必ずしもなく、
例えば処理前テーパ部11のうちその径が大径部13に
対して80%以下となる箇所にのみ設けてもよい。これ
は、ステンレス鋼などの通常の材質であれば80%以上
の箇所では複数の溝12を有していなくても破損等の問
題は生じないこと、溝12を形成する作業を一層簡素化
できること等のためである。
【0022】上記縮管方法を採用すれば処理前テーパ部
に設けた複数の溝が縮み代(しろ)として作用するた
め、縮管率を最大60%まで上げてもパイプが破損する
ことはない。従って、段付パイプの小径部の径が大径部
の径の40%以上であれば、上記縮管方法により製造す
ることができる。一方、従来の工法を採用した場合、縮
管率を最大30%までしか上げることができなかったた
め、小径部の径は大径部の径の70%以上の段付パイプ
しか製造することができなかった。従って、上記縮管方
法は、一本のパイプを加工して得られた段付パイプであ
ってその小径部の径が大径部の径の40%以上70%未
満である段付パイプを初めて提供するものである。
【0023】以上の外管2を利用した本実施例のマフラ
30(図1参照)は、外管2の小径部21と大径部23
との径の差を上述のごとくかなり大きくすることができ
るため、消音部6の空間を十分大きくとることができ
る。従って、グラスウール等の消音材8の充填量が十分
となり、優れた消音効果を得ることができる。また、従
来のように端板を用いる必要がないためコストが低減さ
れる。更に、マフラ30の組立作業は外管2と内管4の
両端部を溶接するのみでよいため簡易である。更にま
た、溶接箇所が少ない分強度的にも優れている。
【0024】尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の
態様で実施できることはいうまでもない。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載のマ
フラによれば、コストの低減化及び組立作業の簡素化が
図られ、しかも優れた消音効果が得られる。また、請求
項2記載の段付パイプは上記マフラの外管として利用で
きる。更に、請求項3記載の縮管方法によれば、縮管率
を大きくしても加工時にパイプの破損を招かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マフラの破断面図である。
【図2】 外管の説明図であり、図2(a)は端面図、
図2(b)は正面図である。
【図3】 縮管加工用パイプの説明図であり、図3
(a)は端面図、図3(b)は正面図である。
【図4】 通常のパイプの説明図であり、図4(a)は
端面図、図4(b)は正面図である。
【図5】 縮管に用いる割型を表す斜視図である。
【図6】 縮管工程を表す説明図であり、図6(a)は
縮管前、図6(b)は縮管後を表す説明図である。
【図7】 縮管に用いる円筒状の型を表す斜視図であ
る。
【図8】 縮管工程を表す説明図であり、図8(a)は
縮管前、図8(b)は縮管後を表す説明図である。
【図9】 従来のマフラの斜視図である。
【符号の説明】
2・・・外管、 4・・・内管、6・
・・消音部、 8・・・消音材、10・
・・縮管加工用パイプ、 11・・・処理前テーパ
部、12・・・溝、 13・・・大径
部、21・・・小径部、 22・・・テー
パ部、23・・・大径部、 30・・・マ
フラ、50・・・割型、 60・・・
型、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本のパイプを加工して、大径部、該大
    径部の40%以上70%未満の径を有する小径部、及び
    前記小径部と前記大径部とを連結するテーパ部が形成さ
    れた外管と、 前記小径部の内径と略一致する径を有する内管と、 上記外管と上記内管とにより囲まれた消音部と、 を備えたことを特徴とするマフラ。
  2. 【請求項2】 一本のパイプを加工して得られた段付パ
    イプであって、 大径部と、 前記大径部の40%以上70%未満の径を有する小径部
    と、 前記小径部と前記大径部とを連結するテーパ部と、 を備えたことを特徴とする段付パイプ。
  3. 【請求項3】 パイプ端部にてパイプの軸方向に沿った
    複数の溝を有する処理前テーパ部が設けられ前記複数の
    溝はパイプの周方向に沿って波状に現れる縮管加工用パ
    イプに対して、前記処理前テーパ部に軸心に向かって圧
    力をかけることにより新たなテーパ部と前記溝の消失し
    た小径部とを形成することを特徴とする縮管方法。
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